JP2001027296A - 無段変速装置 - Google Patents

無段変速装置

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JP2001027296A
JP2001027296A JP11197183A JP19718399A JP2001027296A JP 2001027296 A JP2001027296 A JP 2001027296A JP 11197183 A JP11197183 A JP 11197183A JP 19718399 A JP19718399 A JP 19718399A JP 2001027296 A JP2001027296 A JP 2001027296A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素早い変速時にも、前段側キャビティ20部
分に設置したトラニオンの変位と、後段側キャビティ3
2部分に設置したトラニオンの変位とを一致させる。 【解決手段】 各トラニオンを変位させる油圧式のアク
チュエータへの圧油の給排状態を制御する為の制御弁1
9を、前後進切り換えユニット30の下方に配置する。
この制御弁19と、前段側キャビティ20部分に設置し
たトラニオンを変位させる為のアクチュエータとの距離
を確保して、後段側キャビティ32部分に設置したトラ
ニオンを変位させる為のアクチュエータとの間で、応答
時間の差をなくす事ができる。又、高圧の作動油が流れ
る部分を短くして、漏洩に基づく効率の低下も抑える事
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る無段変速装置は、
自動車用の自動変速機として利用する。特に本発明は、
迅速な変速動作を行なう際にも、各動力伝達部を確実に
同期させて、優れた伝達効率並びに耐久性の確保を図る
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用の自動変速機として、図3〜4
に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が
研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例え
ば実開昭62−71465号公報に開示されている様
に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この
入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に出力側デ
ィスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納
めたケーシング5(後述する図6参照)の内側には、上
記入力軸1並びに出力軸3に対して捻れの位置にある枢
軸6、6を中心として揺動するトラニオン7、7を設け
ている。
【0003】これら各トラニオン7、7は、両端部外側
面に上記枢軸6、6を、各トラニオン7、7毎に互いに
同心に、各トラニオン7、7毎に1対ずつ設けている。
これら各枢軸6、6の中心軸は、上記各ディスク2、4
の中心軸と交差する事はないが、これら各ディスク2、
4の中心軸の方向に対して直角方向である、捩れの位置
に存在する。又、上記各トラニオン7、7の中心部には
変位軸8、8の基半部を支持し、上記枢軸6、6を中心
として各トラニオン7、7を揺動させる事により、各変
位軸8、8の傾斜角度の調節を自在としている。各トラ
ニオン7、7に支持された変位軸8、8の先半部周囲に
は、それぞれパワーローラ9、9を回転自在に支持して
いる。そして、各パワーローラ9、9を、入力側凹面又
は出力側凹面である、上記入力側、出力側両ディスク
2、4の内側面2a、4a同士の間に挟持している。
【0004】上記入力側、出力側両ディスク2、4の互
いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上
記枢軸6を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い
曲線を回転させて得られる、断面円弧状の凹面をなして
いる。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ
9、9の周面9a、9aを、上記内側面2a、4aに当
接させている。又、上記入力軸1と入力側ディスク2と
の間には、ローディングカム装置等の押圧装置10を設
け、この押圧装置10によって上記入力側ディスク2
を、出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつつ、回転
駆動自在としている。
【0005】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の使用時、入力軸1の回転に伴って上記押圧装置1
0が上記入力側ディスク2を、上記複数のパワーローラ
9、9に押圧しつつ回転させる。そして、この入力側デ
ィスク2の回転が、上記複数のパワーローラ9、9を介
して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク
4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度を変える
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、枢軸6、6を中心として前記各トラニオン
7、7を揺動させ、各パワーローラ9、9の周面9a、
9aが図3に示す様に、入力側ディスク2の内側面2a
の中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周
寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸8、8を
傾斜させる。
【0007】反対に、増速を行なう場合には、上記各ト
ラニオン7、7を揺動させ、各パワーローラ9、9の周
面9a、9aが図4に示す様に、入力側ディスク2の内
側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4
aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位
軸8、8を傾斜させる。各変位軸8、8の傾斜角度を図
3と図4との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間
で、中間の変速比を得られる。
【0008】更に、図5〜6は、実願昭63−6929
3号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
に記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速
機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4
とは円管状の入力軸11の周囲に、それぞれ回転自在に
支持している。又、この入力軸11の端部と上記入力側
ディスク2との間に、押圧装置10を設けている。一
方、上記出力側ディスク4には、出力歯車12を結合
し、これら出力側ディスク4と出力歯車12とが同期し
て回転する様にしている。
【0009】1対のトラニオン7、7の両端部に互いに
同心に設けた枢軸6、6は1対の支持板13、13に、
揺動並びに軸方向(図5の表裏方向、図6の左右方向)
に亙る変位自在に支持している。そして、上記各トラニ
オン7、7の中間部に、変位軸8、8の基半部を支持し
ている。これら各変位軸8、8は、基半部と先半部とを
互いに偏心させている。そして、このうちの基半部を上
記各トラニオン7、7の中間部に回転自在に支持し、そ
れぞれの先半部に上記各パワーローラ9、9を回転自在
に支持している。
【0010】尚、上記1対の変位軸8、8は、上記入力
軸11に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸8、8の基半部と先半部とが偏心してい
る方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転
方向に関して同方向(図6で左右逆方向)としている。
又、偏心方向は、上記入力軸11の配設方向に対してほ
ぼ直交する方向としている。従って上記各パワーローラ
9、9は、上記入力軸11の配設方向に亙る若干の変位
自在に支持される。
【0011】又、上記各パワーローラ9、9の外側面と
上記各トラニオン7、7の中間部内側面との間には、こ
れら各パワーローラ9、9の外側面の側から順に、スラ
スト玉軸受14、14とスラストニードル軸受15、1
5とを設けている。このうちのスラスト玉軸受14、1
4は、上記各パワーローラ9、9に加わるスラスト方向
の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ9、9の回
転を許容する。又、上記各スラストニードル軸受15、
15は、上記各パワーローラ9、9から上記各スラスト
玉軸受14、14を構成する外輪16、16に加わるス
ラスト荷重を支承しつつ、上記各変位軸8、8の先半部
及び上記外輪16、16が、これら各変位軸8、8の基
半部を中心として揺動する事を許容する。更に、上記各
トラニオン7、7は、油圧式のアクチュエータ(油圧シ
リンダ)17、17により、前記各枢軸6、6の軸方向
に亙る変位自在としている。
【0012】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の場合、入力軸11の回転は押圧装置10を介して
入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側デ
ィスク2の回転が、1対のパワーローラ9、9を介して
出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディスク
4の回転が、出力歯車12より取り出される。
【0013】入力軸11と出力歯車12との間の回転速
度比を変える場合には、上記各アクチュエータ17、1
7により上記1対のトラニオン7、7を、それぞれ逆方
向に、例えば、図6の下側のパワーローラ9を同図の右
側に、同図の上側のパワーローラ9を同図の左側に、そ
れぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ
9、9の周面9a、9aと上記入力側ディスク2及び出
力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用す
る、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の
向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板
13、13に枢支された枢軸6、6を中心として、互い
に逆方向に揺動する。この結果、前述の図3〜4に示し
た様に、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aと
上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入
力軸11と出力歯車12との間の回転速度比が変化す
る。
【0014】トロイダル型無段変速機による動力伝達時
には、構成各部の弾性変形に基づいて、上記各パワーロ
ーラ9、9が上記入力軸11の軸方向に変位する。そし
て、これら各パワーローラ9、9を支持した前記各変位
軸8、8が、それぞれの基半部を中心として僅かに回動
する。この回動の結果、上記各スラスト玉軸受14、1
4の外輪16、16の外側面と上記各トラニオン7、7
の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側面との
間には、前記各スラストニードル軸受15、15が存在
する為、この相対変位に要する力は小さい。
【0015】更に、伝達可能なトルクを増大すべく、図
7に示す様に、入力軸11aの周囲に入力側ディスク2
A、2Bと出力側ディスク4、4とを2個ずつ設け、こ
れら2個ずつの入力側ディスク2A、2Bと出力側ディ
スク4、4とを動力の伝達方向に関して互いに並列に配
置する、所謂ダブルキャビティ型の構造も、従来から知
られている。この図7に示した構造は、上記入力軸11
aの中間部周囲に出力歯車12aを、この入力軸11a
に対する回転を自在として支持し、この出力歯車12a
の中心部に設けた円筒部の両端部に上記各出力側ディス
ク4、4を、スプライン係合させている。又、上記各入
力側ディスク2A、2Bは、上記入力軸11aの両端部
に、この入力軸11aと共に回転自在に支持している。
この入力軸11aは、駆動軸18により、ローディング
カム式の押圧装置10を介して回転駆動する。
【0016】上述の様なダブルキャビティ型のトロイダ
ル型無段変速機の場合には、入力軸11aから出力歯車
12aへの動力の伝達を、一方の入力側ディスク2Aと
出力側ディスク4との間と、他方の入力側ディスク2B
と出力側ディスク4との間との、2系統に分けて行なう
ので、大きな動力の伝達を行なえる。尚、この様なダブ
ルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の場合も、変
速時には油圧式のアクチュエータ17、17によりトラ
ニオン7、7を枢軸6、6(図6参照)の軸方向に変位
させる。変速の為に上記各アクチュエータ17、17へ
の圧油の給排を制御する為の制御弁19(次述する図8
〜9参照)は、トロイダル型無段変速機全体で1個だけ
設けている。そして、この1個の制御弁19により、複
数のアクチュエータ17、17への圧油の給排を制御し
ている。
【0017】トロイダル型無段変速機の小型化を図る為
には、上述の様な制御弁の配置を工夫する必要がある。
この様な事情に鑑みて、特公平8−30523号公報に
は、図8に略示する様に、制御弁19を、前段側(動力
の伝達方向に関して前側、即ち、エンジン側)の入力側
ディスク2Aとこの入力側ディスク2Aが対向する出力
側ディスク4との間に存在する、前段側キャビティ20
の下方に配置する構造が記載されている。上記特公平8
−30523号公報では、この部分は、出力歯車12a
から出力を取り出す為の伝達軸21が存在せず、上記制
御弁19を設けるには好適であるとされている。又、上
記特公平8−30523号公報に記載されたトロイダル
型無段変速機の場合には、上記伝達軸21よりも後段側
(動力の伝達方向に関して後側、即ち、デファレンシャ
ルギヤ側)に、前進用クラッチ22と後退用クラッチ2
3とを設けている。前進時には前進用クラッチ22を繋
いで後退用クラッチ23を切り、後退時には後退用クラ
ッチ23を繋いで前進用クラッチ22を切る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述した様な従来のト
ロイダル型無段変速機の場合には、制御弁19の設置位
置に起因して、次のの様な問題を生じる。 アクチュエータ17、17を駆動すべく、給油ポン
プから吐出した圧油の漏洩量が多くなり、この給油ポン
プの効率が低下して、その分、トロイダル型無段変速機
の損失が多くなる。 各アクチュエータ17、17に送り込む油圧に差が
生じ易く、急な変速動作時に作動が不安定になり易い。
【0019】先ず、上記の様な問題が生じる理由に就
いて、図9により説明する。各アクチュエータ17(図
9には1個のみ図示)に送り込む圧油は、給油ポンプ2
4から吐出し、制御弁19を通じて上記各アクチュエー
タ17に送り込む。この給油ポンプ24は、トロイダル
型無段変速機の前段部に設けている。従って、この給油
ポンプ24から吐出された圧油は、上流側給油通路25
を通って上記制御弁19に送られ、更にこの制御弁19
から下流側給油通路26a(又は26b)を通って、上
記各アクチュエータ17の高圧室に送り込まれる。同時
に、これら各アクチュエータ17の低圧室内の作動油
は、別の下流側給油通路26b(又は26a)を通って
上記制御弁19に戻され、この制御弁から排出される。
【0020】上述の様に構成する、給油ポンプ24から
各アクチュエータ17に至る給油通路のうち、この給油
ポンプ24から制御弁19までの上流側給油通路25部
分の圧力は、例えば2MPa 程度であり、制御弁19から
上記各アクチュエータ17までの下流側給油通路26
a、26bの圧力は、高圧室に通じる下流側給油通路2
6a(又は26b)の場合でも1MPa 程度である。これ
ら各給油通路25、26a、26bは、トロイダル型無
段変速機の構成部材の内部に設けた通油孔同士を互いに
直列に接続する事により構成している。接続部にはシー
ルリング等を設けるが、互いに相対変位する部材同士の
間に設ける接続部もある為、作動油の漏れを完全になく
す事は難しい。特に、圧力が高い上記上流側給油通路2
5部分での漏洩量が多くなり易い。これに対して、前述
の特公平8−30523号公報に記載された構造の場合
には、給油ポンプ24と制御弁19とが離れている為、
上記上流側給油通路25部分での漏洩量が多くなり易
い。
【0021】次に、前記の様な問題が生じる理由に就
いて、図2(B)により説明する。前述した様に、トラ
ニオン7、7の数に関係なく、1台のトロイダル型無段
変速機に組み込む制御弁19は1個のみである。1個の
トラニオン7、7毎に1個ずつ設けるアクチュエータ1
7a、17bには、上記1個の制御弁19からそれぞれ
下流側給油通路26A、26B(それぞれが、上記図8
に示した様に、送り込み側通路と排出側通路との組であ
る)により、圧油の送り込みを自在としている。これら
各下流側給油通路26A、26Bの長さが同じであれ
ば、上記各アクチュエータ17、17に同時に圧油を送
り込んで、これら各アクチュエータ17a、17bによ
り複数のトラニオン7、7を同時に変位させる事ができ
る。
【0022】ところが、前述の特公平8−30523号
公報に記載された構造の場合には、制御弁19と各アク
チュエータ17a、17bとを結ぶ下流側給油通路26
A、26Bの長さを等しくする事に就いての考慮を一切
していない。特に、ダブルキャビティ型のトロイダル型
無段変速機の場合には、前段側キャビティ20(図8)
の直前部分に設けた制御弁19とこの前段側キャビティ
20に対応するアクチュエータ17a、17aとの距離
が、この制御弁19と後段側キャビティに対応するアク
チュエータ17b、17bとの距離に比べて極く近くな
る。この為、急な変速を行なうべく、上記制御弁19の
切り換えを急速に行なった場合に、上記後段側キャビテ
ィに対応するアクチュエータ17b、17bへの圧油の
送り込みが、前段側キャビティ20に対応するアクチュ
エータ17a、17aへの圧油の送り込みに比べて遅
れ、トロイダル型無段変速機の作動が不安定になる。本
発明の無段変速装置は、この様な不都合を解消すべく発
明したものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の無段変速装置
は、前後進切り換えユニットとトロイダル型の無段変速
ユニットとを、動力の伝達方向に関して前側から互いに
直列に配置して成る。そして、上記前後進切り換えユニ
ットの入力部をエンジンの出力軸に、上記無段変速ユニ
ットの出力部をデファレンシャルギヤの入力部に、それ
ぞれ接続した状態で使用される。上記無段変速ユニット
は、入力軸と、この入力軸の周囲にこの入力軸と共に回
転自在に設けられ、その内側面を断面が円弧形の入力側
凹面とした入力側ディスクと、その内側面を断面が円弧
形の出力側凹面とし、この出力側凹面と上記入力側凹面
とを対向させた状態で、上記入力軸と同心に且つこの入
力軸に対する回転を自在として支持した出力側ディスク
と、この出力側ディスクと上記入力側ディスクとの間部
分で、これら各ディスクの中心軸に対し捻れの位置に存
在する、4本以上で偶数本の枢軸と、これら各枢軸を中
心として揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニ
オンの内側面から突出した変位軸と、これら各変位軸の
周囲に回転自在に支持された状態で上記入力側ディスク
の内側面と出力側ディスクの内側面との間に挟持され
た、それぞれの周面を球状凸面とした複数個のパワーロ
ーラとを備える。そして、油圧式のアクチュエータによ
り上記各トラニオンを上記各枢軸の軸方向に亙り変位さ
せる事で、これら各トラニオンをこれら各枢軸を中心に
揺動変位させて上記入力側ディスクと上記出力側ディス
クとの間の変速比を変化させるものである。又、上記各
アクチュエータに圧油を供給する為の給油ポンプを上記
前後進切り換えユニットよりも前段側に、上記エンジン
の出力軸と共に回転自在に設けると共に、この給油ポン
プから吐出された圧油を上記各アクチュエータに分配す
る為の制御弁を、この給油ポンプよりも後段側に設けて
いる。特に、本発明の無段変速装置に於いては、上記制
御弁を、上記前後進切り換えユニットの下方に配置して
いる。
【0024】
【作用】上述の様に構成する本発明の無段変速装置によ
れば、給油ポンプと制御弁との距離を短くして、比較的
高圧の圧油が流れる上流側給油通路の長さを短くし、作
動油の漏洩量を少なく抑える事ができる。そして、給油
ポンプの効率を向上させて、トロイダル型の無段変速ユ
ニットを組み込んだ無段変速装置の損失を低くできる。
又、上記制御弁を前側に設置する事で、この制御弁と各
アクチュエータとの距離を長くできる。この為、これら
制御弁と各アクチュエータとの間に設ける給油通路の長
さを調節する事が容易になり、ダブルキャビティ型のト
ロイダル型無段変速機を無段変速ユニットとして組み込
んだ場合に、前段側のキャビティと後段側のキャビティ
との距離とをほぼ一致させる事ができる。そして、トロ
イダル型の無段変速ユニットの作動を安定させる事がで
きる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の1例に就い
て、図1及び図2(A)により説明する。本発明の無段
変速装置は、駆動源であるエンジン27と、図示しない
デファレンシャルギヤに通じる出力軸28との間に、ト
ルクコンバータ或は電磁クラッチ等の発進クラッチ29
と、遊星歯車機構等の前後進切り換えユニット30と、
トロイダル型の無段変速ユニット31とを、動力の伝達
方向に関して前側(エンジン27側)から互いに直列に
配置して成る。そして、使用状態では、上記発進クラッ
チ29の入力部を上記エンジン27の出力軸(クランク
シャフト)に接続する事により、このエンジン27の出
力軸に上記前後進切り換えユニット30の入力部を、上
記発進クラッチ29を介して接続する。又、上記無段変
速ユニット31の出力部を、上記デファレンシャルギヤ
の入力部に接続する。
【0026】上記無段変速ユニット31は、前述の図7
に示した、従来から知られているダブルキャビティ型の
トロイダル型無段変速機と同様に、入力軸11aの両端
部に1対の入力側ディスク2A、2Bを、それぞれが断
面円弧状の入力側凹面である内側面2a、2a同士を対
向させた状態で、互いに同心に且つ互いに同期した回転
自在に支持している。又、上記入力軸11aの中間部に
は1対の出力側ディスク4、4を、断面円弧状の出力側
凹面であるそれぞれの内側面4a、4aを、上記何れか
の入力側ディスク2A、2Bの内側面2a、2aに対向
させた状態で、これら両入力側ディスク2A、2Bと同
心に、且つこれら両入力側ディスク2A、2Bとは独立
した回転自在に支持している。そして、上記1対の出力
側ディスク4、4の間部分に出力歯車12aを、これら
両出力側ディスク4、4と同心に固定している。この出
力歯車12aの回転は、伝達軸33を含む歯車伝達機構
により、前記出力軸28に伝達する様に構成している。
又、一方の入力側ディスク2Aと一方の出力側ディスク
4との間部分である前段側キャビティ20、並びに他方
の入力側ディスク2Bと他方の出力側ディスク4との間
部分にである後段側キャビティ32に、それぞれ複数ず
つのトラニオン7、7とパワーローラ9、9(図7参
照)とを設けている。
【0027】又、上記各トラニオン7、7毎に1個ずつ
設けた(トラニオン7、7と同数の)油圧式のアクチュ
エータ17a、17b(図2)により、上記各トラニオ
ン7、7を、これら各トラニオン7、7の両端部に設け
た各枢軸6、6(図3、4、6、9参照)の軸方向に亙
り変位させる様にしている。上記入力軸11aと出力軸
28との間の変速比を変える場合には、制御弁19の切
り換えに基づいて上記各アクチュエータ17a、17b
に、互いに同期して圧油を給排し、これら各アクチュエ
ータにより、総てのトラニオン7、7を、上記各枢軸
6、6の軸方向に亙り、互いに同期して変位させる。
【0028】上記各アクチュエータ17a、17bに圧
油を供給する為の給油ポンプ24は、前記前後進切り換
えユニット30及び前記発進クラッチ29よりも前段
側、即ち、この発進クラッチ29と前記エンジン27と
の間部分に設けている。上記給油ポンプ24は、このエ
ンジン27の動力により回転駆動されて、無段変速装置
を収納したケーシング5(図6、8参照)内に貯溜した
作動油(トラクションオイル)を加圧し、上流側給油通
路25aと、上記制御弁19と、下流側給油通路26A
´、26B´とを介して、上記各アクチュエータ17
a、17bに送り込む。本発明の無段変速装置の場合、
上記制御弁19は、上記給油ポンプ24よりも後段側
で、上記前後進切り換えユニット30の下方に配置して
いる。
【0029】上述の様に構成する本発明の無段変速装置
によれば、図2から明らかな通り、上記給油ポンプ24
と制御弁19との距離を短くして、比較的高圧の圧油が
流れる上記上流側給油通路25aの長さを短くできる。
この為、この上流側給油通路25a部分に設ける接続部
の数を少なくして、この接続部を通じての作動油の漏洩
量を少なく抑える事ができる。そして、上記給油ポンプ
24の効率を向上させて、トロイダル型の無段変速ユニ
ットを組み込んだ無段変速装置の損失を低くできる。
【0030】又、上記制御弁19を前述の特公平8−3
0523号公報に記載された構造(図1に鎖線で示す様
に、前段側キャビティ20の下方に制御弁19を配置し
た構造)に比べ前側(図1の左側)に設置する事で、こ
の制御弁19と上記前段側キャビティ20部分に設置し
た各アクチュエータ17a、17aとの距離を長くでき
る。この為、これら制御弁19と各アクチュエータ17
a、17aとの間に設ける下流側給油通路26A´の長
さを調節する事が容易になる。即ち、この下流側給油通
路26A´の一部に迂回路34を形成し、この下流側給
油通路26A´の長さを長くする。そして、上記前段側
キャビティ20に対応する、この下流側給油通路26A
´の長さと、前記後段側キャビティ32に対応する、前
記下流側給油通路26B´の長さとをほぼ一致させる事
を、比較的容易に(特に面倒な設計をする事なく)行な
える。
【0031】この為、上記制御弁19の切り換えに基づ
く圧油の給排を、上記各アクチュエータ17a、17b
毎に、僅かなずれも生じさせる事なく、同時に行なわせ
る事ができる。この結果、上記制御弁19の切り換え動
作を極く短時間で行なった場合でも、前記各トラニオン
7、7の傾斜角度を互いに一致させて、トロイダル型の
無段変速ユニットの作動を安定させる事ができる。又、
トラクション部で発生する滑りを抑えられるので、前記
各入力側ディスク2A、2B及び出力側ディスク4、4
の内側面2a、4a及び各パワーローラ9、9の周面9
a、9a(図7参照)の転がり疲れ寿命も十分に確保で
きる。
【0032】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、効率が良く、しかも優れた耐久性を有する
無段変速装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す略縦断側面
図。
【図2】アクチュエータへの給油路を示しており、
(A)は本発明を、(B)は従来構造を、それぞれ示す
油圧回路図。
【図3】トロイダル型無段変速機の基本構造を、最大減
速時の状態で示す略側面図。
【図4】同じく最大増速時の状態で示す略側面図。
【図5】トロイダル型無段変速機の具体的構造の第1例
を示す要部断面図。
【図6】図5のX−X断面図。
【図7】トロイダル型無段変速機の具体的構造の第2例
を示す要部断面図。
【図8】従来の制御弁の配置状態を示す略縦断側面図。
【図9】変速の為にトラニオンを変位させる部分を取り
出して示す略図。
【符号の説明】
1 入力軸 2、2A、2B 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 ケーシング 6 枢軸 7 トラニオン 8 変位軸 9 パワーローラ 9a 周面 10 押圧装置 11、11a 入力軸 12、12a 出力歯車 13 支持板 14 スラスト玉軸受 15 スラストニードル軸受 16 外輪 17、17a、17b アクチュエータ 18 駆動軸 19 制御弁 20 前段側キャビティ 21 伝達軸 22 前進用クラッチ 23 後退用クラッチ 24 給油ポンプ 25、25a 上流側給油通路 26a、26b、26A、26B、26A′、26B′
下流側給油通路 27 エンジン 28 出力軸 29 発進クラッチ 30 前後進切り換えユニット 31 無段変速ユニット 32 後段側キャビティ 33 伝達軸 34 迂回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後進切り換えユニットとトロイダル型
    の無段変速ユニットとを、動力の伝達方向に関して前側
    から互いに直列に配置して成り、上記前後進切り換えユ
    ニットの入力部をエンジンの出力軸に、上記無段変速ユ
    ニットの出力部をデファレンシャルギヤの入力部に、そ
    れぞれ接続した状態で使用され、 上記無段変速ユニットは、入力軸と、この入力軸の周囲
    にこの入力軸と共に回転自在に設けられ、その内側面を
    断面が円弧形の入力側凹面とした入力側ディスクと、そ
    の内側面を断面が円弧形の出力側凹面とし、この出力側
    凹面と上記入力側凹面とを対向させた状態で、上記入力
    軸と同心に且つこの入力軸に対する回転を自在として支
    持した出力側ディスクと、この出力側ディスクと上記入
    力側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸
    に対し捻れの位置に存在する、4本以上で偶数本の枢軸
    と、これら各枢軸を中心として揺動する複数のトラニオ
    ンと、これら各トラニオンの内側面から突出した変位軸
    と、これら各変位軸の周囲に回転自在に支持された状態
    で上記入力側ディスクの内側面と出力側ディスクの内側
    面との間に挟持された、それぞれの周面を球状凸面とし
    た複数個のパワーローラとを備え、油圧式のアクチュエ
    ータにより上記各トラニオンを上記各枢軸の軸方向に亙
    り変位させる事で、これら各トラニオンをこれら各枢軸
    を中心に揺動変位させて上記入力側ディスクと上記出力
    側ディスクとの間の変速比を変化させるものであり、 上記各アクチュエータに圧油を供給する為の給油ポンプ
    を上記前後進切り換えユニットよりも前段側に、上記エ
    ンジンの出力軸と共に回転自在に設けると共に、この給
    油ポンプから吐出された圧油を上記各アクチュエータに
    分配する為の制御弁をこの給油ポンプよりも後段側に設
    けた無段変速装置に於いて、 上記制御弁を、上記前後進切り換えユニットの下方に配
    置した事を特徴とする無段変速装置。
  2. 【請求項2】 トロイダル型無段変速ユニットは、入力
    軸と、それぞれが断面円弧状の入力側凹面である内側面
    同士を対向させた状態でこの入力軸の両端部に、互いに
    同心に且つ互いに同期した回転自在に支持された1対の
    入力側ディスクと、断面円弧状の出力側凹面であるそれ
    ぞれの内側面を何れかの入力側ディスクの内側面に対向
    させた状態で上記入力軸の中間部周囲に、これら両入力
    側ディスクと同心に、且つこれら両入力側ディスクとは
    独立した回転自在に支持された1対の出力側ディスクと
    を備え、このうちの一方の入力側ディスクと一方の出力
    側ディスクとの間部分、並びに他方の入力側ディスクと
    他方の出力側ディスクとの間部分に、それぞれ複数ずつ
    のトラニオンとパワーローラとを備えたものであり、 制御弁から、上記一方の入力側ディスクと一方の出力側
    ディスクとの間部分に配置したトラニオンを変位させる
    為の一方の油圧アクチュエータまで設けた一方の給油通
    路の長さと、上記制御弁から、上記他方の入力側ディス
    クと他方の出力側ディスクとの間部分に配置したトラニ
    オンを変位させる為の油圧アクチュエータまで設けた他
    方の給油通路の長さとを、互いにほぼ一致させた、請求
    項1に記載した無段変速装置。
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