JP2001024429A - 衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方法及びその方式 - Google Patents

衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方法及びその方式

Info

Publication number
JP2001024429A
JP2001024429A JP11191997A JP19199799A JP2001024429A JP 2001024429 A JP2001024429 A JP 2001024429A JP 11191997 A JP11191997 A JP 11191997A JP 19199799 A JP19199799 A JP 19199799A JP 2001024429 A JP2001024429 A JP 2001024429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mirror surface
mirror
main reflector
adjusting
point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11191997A
Other languages
English (en)
Inventor
Motohiro Yamazaki
元弘 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP11191997A priority Critical patent/JP2001024429A/ja
Publication of JP2001024429A publication Critical patent/JP2001024429A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Aerials With Secondary Devices (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Support Of Aerials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】衛星通信用アンテナにおける主反射鏡の鏡面調
整方法を提供する。 【解決手段】衛星通信用アンテナは主反射鏡を複数に分
割している反射鏡パネル3を組み立てて構成している。
パネル3は支持構造12の背面10に支持されている。
支持構造12に設けた支持台11aは調整ねじ7aの長
さを鏡面調整点4の位置で調整してパネル3の鏡面9の
位置を調整する。ターゲット1は、測定点5,6をマー
クして鏡面調整点4の法線の向きに立てられる。主反射
鏡の中心線(鉛直線)方向にセオドライト2の測角基準
点21を定める。セオドライト2は鏡面調整点4,測定
点5,6の仰角θ1,θ2及びθ3を測定して鏡面調整
点4における鏡面調整値を求める。セオドライト2は理
想的とされる仰角θを視準し、鏡面調整点4がこの仰角
θに入るように調整ねじ7aを調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパラボラアンテナ等
の反射鏡アンテナを用いた衛星通信用アンテナの主反射
鏡鏡面調整方法及びその方式に関する。
【0002】
【従来の技術】静止衛星等の人工衛星を介して他の地球
局等と通信を行う地球局においては、直経が数メートル
から場合によっては数十メートルにも及ぶパラボラアン
テナ等の反射鏡アンテナ,つまり衛星通信用アンテナを
必要とする。このような大口径アンテナでは、主反射鏡
を複数の反射鏡パネルに分割して製作し、その後に複数
の上記反射鏡パネルを1枚の主反射鏡に組み立てること
が多い。この場合には、組み立て後,上記反射鏡パネル
毎に電波反射面,つまり鏡面の位置調整(主反射鏡鏡面
調整ということがある)が不可欠である。
【0003】以下、従来のパラボラアンテナを用いる衛
星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方法(又は方式)
の一つについて、図5を参照して説明する。図5(a)
は側断面概念図,図5(b)は二つの上記反射鏡パネル
の結合を説明するための概略断面図である。(b)図は
鏡面調整点4において(a)図を紙面の横方向から見て
いる。
【0004】図5の衛星通信用アンテナは、支持構造1
2によって衛星通信用アンテナの主反射鏡(反射鏡パネ
ル3)をその背面10から支持している。(a)図にお
いて上記主反射鏡は(主)反射鏡パネル3を1枚のみ示
している。例えばトラス構造である支持構造12上に
は、反射鏡パネル3を支持する支持台11a,11b及
び11cを配置している。支持台11a乃至11cは、
可変長の調整ねじ7をそれぞれ含み、調整ねじ7の長さ
を調整することで支持構造12と調整ねじ7の位置にあ
る反射鏡パネル3との間隔を鏡面調整点4aの位置で調
整し,つまり主反射鏡(3)の鏡面9の位置調整を行っ
ている。
【0005】図5(b)を参照すると、パネル結合器3
0が二つの反射鏡パネル3aと3bとを共に背面で支え
て結合する。パネル結合器30は、反射鏡パネル3aと
3bの鏡面9が接合面で同一面を保つように、コの字形
金具にフランジを取り付けた構造になっている。この構
造では、図のA方向から調整ねじ7で反射鏡パネル3の
背面(パネル結合器30)を押して鏡面調整をする。
【0006】図5(a)を参照して上記鏡面調整につい
て具体的に説明すると、まず、反射鏡パネル3の鏡面調
整点4aを決定するために、主反射鏡の中心付近に設け
た距離測定の基準点20から鏡面調整点4迄の距離が設
計値Lとなる反射鏡パネル3の鏡面9上の点にけがきを
入れる。次に、上記主反射鏡のほぼ中心点における地面
に対する鉛直軸上の1点にセオドライト2の測角基準点
21を設定し、セオドライト2で水平軸に対する上記け
がかれた点の仰角θtを測定する。そして、この仰角θ
tが規格に入るように調整ねじ7の長さを調整し、鏡面
調整点4,即ち鏡面9の位置調整(主反射鏡鏡面調整)
を行っていた。
【0007】また、小口径用の衛星通信用アンテナの主
反射鏡鏡面調整のための測定治具が、実開平5−651
05号公報(考案の名称:衛星用アンテナの主反射鏡面
調整治具)に開示されている。この調整測定治具は、衛
星通信用アンテナの主反射鏡面上に配置されるポール
と、このポールに取り付けられてその先端部が上記主反
射鏡の面調整時の基準となるアームと、上記ポールに取
り付けられており,上記主反射鏡の径及び深さ測定用の
目盛が設けられた測定具とにより構成されている。この
測定治具は鏡面出し測定治具であり、大口径の主反射鏡
鏡面調整では大がかりな機械要素が必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の衛星通信用アン
テナの主反射鏡鏡面調整に係わる前者は、セオドライト
2で測定された仰角θtが規格値に入っていない場合、
調整ねじ7の長さを変えて鏡面調整点4の再調整を行う
と、先にけがいた点も移動してしまう。従って、鏡面9
の再調整を行う場合には、セオドライト2での仰角θt
の測定に先立ち、通常、鏡面調整点4の再度のけがきを
必要とする。このため、衛星通信用アンテナのように多
数の鏡面調整点4を有する場合には、鏡面調整点4にけ
がきをいれる作業だけで、大変な労力と時間を必要とす
るという欠点があった。
【0009】また、衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面
調整に係わる後者は、大口径の主反射鏡鏡面調整では鏡
面出し測定のために大がかりな機械要素を必要とすると
いう欠点があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による衛星通信用
アンテナの主反射鏡鏡面調整方法は、主反射鏡の鏡面上
の複数の鏡面調整点の位置を前記主反射鏡の背面とその
支持構造との間隔を変化させることで前記主反射鏡の鏡
面調整を行う衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方
法において、前記鏡面調整点に対応する前記主反射鏡の
鏡面の法線の向きに複数の測定点を印したターゲットを
たて、前記主反射鏡の中心における地面に対する鉛直線
上の特定点に前記鏡面調整点及び複数の前記測定点の仰
角を測定するセオドライトの測角基準点を設定し、測定
された前記仰角に基づいて前記鏡面調整点の理想位置及
び前記鏡面調整点の調整前位置を算出し、前記鏡面調整
点が算出された前記理想位置に位置するように前記主反
射鏡と前記支持構造との間隔を調整することを特徴とす
る。
【0011】前記衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調
整方法の第一は、前記鏡面調整点の理想位置を算出した
後に、前記セオドライトを前記鏡面調整点の理想位置を
視準した場合の仰角に合わせて前記鏡面調整点が前記セ
オドライトの測角基準点から視準できるように前記主反
射鏡と前記支持構造との間隔を調整することを特徴とす
る。
【0012】前記衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調
整方法の第二は、前記鏡面調整点の理想位置及び前記鏡
面調整点の調整前位置を算出した後,前記鏡面調整点の
理想位置と前記鏡面調整点の調整前位置との距離を求
め、その距離だけ前記主反射鏡と前記支持構造との間隔
を調整することを特徴とする。
【0013】前記衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調
整方法の第三は、前記主反射鏡と前記支持構造との間隔
を調整する方法が、前記支持構造から前記主反射鏡の背
面を押す可変長のねじ機構であることを特徴とする。
【0014】前記衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調
整方法の第四は、前記主反射鏡と前記支持構造との間隔
を調整する方法が、前記主反射鏡と前記支持構造との間
にスペーサを挿入することによって行われることを特徴
とする。
【0015】前記衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調
整方法の第五は、前記主反射鏡と前記支持構造との間隔
を調整する方法が、前記主反射鏡と前記支持構造との間
に挿入したテーパシムによって行われることを特徴とす
る。
【0016】前記衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調
整方法の第六は、前記主反射鏡がパラボラ反射鏡である
ことを特徴とする。
【0017】本発明による衛星通信用アンテナの主反射
鏡鏡面調整方式は、主反射鏡の鏡面上の複数の鏡面調整
点の位置を前記主反射鏡の背面とその支持構造との間隔
を変化させることで前記主反射鏡の鏡面調整を行う衛星
通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方式において、前記
鏡面調整点に対応する前記主反射鏡の鏡面の法線の向き
に複数の測定点を印したターゲットと、前記主反射鏡の
中心における地面の鉛直線上の特定点に設置され,前記
鏡面調整点及び複数の前記測定点の仰角を測定するセオ
ドライトと、前記特定点から測定された前記仰角に基づ
いて算出された前記主反射鏡と前記支持構造との間隔が
適切になるように調整する鏡面調整機構とを備える構成
をとることができる。
【0018】前記衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調
整方式の第一は、前記鏡面調整機構が、前記支持構造か
ら前記主反射鏡の背面を押す可変長のねじ機構である構
成をとることができる。
【0019】前記衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調
整方式の第二は、前記主反射鏡と前記支持構造との間隔
調整が、前記主反射鏡と前記支持構造との間にスペーサ
ーを挿入することによって行われる構成をとることがで
きる。
【0020】前記衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調
整方式の第三は、前記主反射鏡と前記支持構造との間隔
調整が、前記主反射鏡と前記支持構造との間に挿入した
テーパーシムによって行われる構成をとることができ
る。
【0021】前記衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調
整方式の第四は、前記主反射鏡がパラボラ反射鏡である
構成をとることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。
【0023】図1は本発明による実施の形態を示す側断
面概念図である。図2は図1の実施の形態における鏡面
調整点4近傍の仰角θ測定及び座標決定を説明するため
の図である。図3は図1の実施の形態における鏡面調整
の方法を説明するための図である。図1,図2及び図3
を通じて、座標系8は地面に対して鉛直軸であるパラボ
ラアンテナの中心軸がY軸,上記中心軸の水平方向がX
軸である。
【0024】図1の衛星通信用アンテナの構造は、図4
を用いて説明した衛星通信用アンテナと同じである。つ
まり、支持構造12によって衛星通信用アンテナの主反
射鏡(反射鏡パネル3)をその背面10から支持してい
る。上記主反射鏡は(主)反射鏡パネル3を1枚のみ示
している。支持構造12には反射鏡パネル3を支持する
支持台11a,11b及び11cを配置している。支持
台11a乃至11cは、それぞれ可変長の調整ねじ7
(7a,7b及び7c)を含み、調整ねじ7の長さを調
整することで支持構造8と調整ねじ7の位置にある反射
鏡パネル3との間隔を調整し,つまり主反射鏡(3)の
鏡面9の位置調整を行っている。
【0025】しかしながら、図1の実施の形態は、鏡面
調整のための調整ねじ7a乃至7cの調整長さを決定す
るための手法が図4と異なっている。この実施の形態で
は、仰角θの測角の基準点となる測角基準点21を座標
系8のY軸上に持つセオドライト2を主反射鏡の中心軸
上に配置している。セオドライト2は上記水平軸に対す
る仰角θを測定する。仰角θは、今後説明される式の中
でも、負の値を取りうる。なお、測角基準点21の座標
は(0,Yt)とする。
【0026】また、図1の実施の形態は、鏡面9上の鏡
面調整に適切な位置である鏡面調整点4上に反射鏡パネ
ル3の法線に合わせてターゲット1を設置している。タ
ーゲット1には鏡面調整点4から法線方向に既知の距離
H1だけ離れた測定点5及び既知の距離H2だけ離れた
測定点6に測定用のマーク,例えば+印が記されている
(図2参照)。なお、ターゲット1の測定点5及び6は
セオドライト2から良く見えるセオドライト2側にマー
クするのが良く、鏡面調整点4もこの位置に置くことに
なる。
【0027】次に、図1及び図2を併せ参照して、ター
ゲット1の測定及び鏡面調整点4の座標の算出について
説明する。
【0028】まず、鏡面調整の前準備としてセオドライ
ト2の測角基準点から鏡面調整点4及びターゲット1上
の測定点5及び6を視準し、鏡面調整点4,測定点5及
び6の仰角θ1,θ2及びθ3をそれぞれ測定する。こ
の時の鏡面調整点4の座標を(Xs1,Ys1),ター
ゲット1上の測定点5の座標を(Xs2,Ys2),タ
ーゲット1上の測定点6の座標を(Xs3,Ys3),
鏡面調整点4における反射鏡パネル3の接線の水平軸か
らの角度をγとすると、式(1),式(2)及び式
(3)が成り立つ。
【0029】 Ys1−Yt=Xs1×tanθ1 …(1) Ys2−Yt=Xs2×tanθ2 …(2) Ys3−Yt=Xs3×tanθ3 …(3) また、Xs2,Xs3,Ys2及びYs3は式(4),
式(5),式(6)及び式(7)で表せる。
【0030】 Xs2=Xs1−H1×sinγ …(4) Ys2=Ys1+H1×cosγ …(5) Xs3=Xs1−H2×sinγ …(6) Ys3=Ys1+H2×cosγ …(7) 式(1)〜(7)の7式において、H1,H2及びYtは既
知の値,θ1,θ2及びθ3は測定によって既知となる
ので、未知数はXs1,Xs2,Xs3,Ys1,Ys
2,Ys3及びγの7個となる。これら7個の未知数
は、方程式の数と等しいので、求めることができる。
【0031】式(1)〜(7)から鏡面調整点4の座標(X
s1,Ys1)及び鏡面調整点4の接線の角度γをもと
めると、式(8),式(9)及び式(10)が得られ
る。
【0032】
【0033】 Ys1=Yt+Xs1×tanθ1 …(10) つまり、セオドライト2によって鏡面調整点4およびタ
ーゲット1上の測定点5及び測定点6を視準し、それら
の仰角θ1,θ2及びθ3を測定することによって、式
(9)及び式(10)から鏡面調整前の鏡面調整点4の
位置(座標(Xs1,Ys1))を把握することが可能
となる。
【0034】次に、図3を参照して、設計に従った理想
位置にある鏡面調整点4の座標の算出法について説明す
る。
【0035】これは、反射鏡パネル3が設計に従った理
想の位置からずれた状態から調整ねじ7の長さを調整し
て理想位置になった場合(3zで表す)の鏡面調整点4
の座標を(Xa,Ya)とし、その座標を算出すること
になる。いま、鏡面調整点4を通る法線方向の直線Hと
反射鏡パネル(主反射鏡)3の鏡面4の直経方向の曲線
をCとすると、直線Hと曲線Cとの交点が座標(Xa,
Ya)となる。直線Hは式(11)によって表される。
【0036】 直線H:YーYs1=(XーXs1)/tanγ …(11) また、曲線Cがパラボラ曲線であると、曲線Cは式(1
2)で表される。ここで、A及びBは、放物線曲線(放
物線曲線の一部がパラボラ曲線である)を表す式(A・
2 +B又は(X2 /A)+B)の定数である。
【0037】 曲線C:Y=(X2 /A)+B …(12) 式(11),(12)より座標(Xa,Ya)を求める
と、Xa及びYaは式(13)及び式(14)によって
それぞれ表される。
【0038】 Ya=(Xa2 /A)+B …(14) 上述のとおりの計算によって、鏡面調整点4が設計に従
った理想位置になった場合の座標(Xa,Ya)が式
(13)及び式(14)により求められる。
【0039】次に、図3を参照し、上述の測定及び計算
結果に基づいた反射鏡パネル3(3a)の鏡面9の位置
調整法について説明する。
【0040】式(13)及び式(14)により,鏡面調
整点4が設計に従った理想位置になった場合の座標(X
a,Ya)が求まるので、まず、セオドライト2の仰角
θを座標(Xa,Ya)を視準した時の仰角θaに設定
する。仰角θaは式(15)で表される。
【0041】 tanθa=(Ya−Yt)/Xa …(15) 次に、調整ねじ7の長さを変えて鏡面調整点4の位置を
調整して鏡面調整点4が視準できると、この時の鏡面調
整点4は設計に従った理想位置の鏡面位置に設定されて
いることになり、鏡面調整点4(支持台11a)におけ
る鏡面調整が完了する。支持台11b及び11cにおい
ても支持台11aにおけると同様の鏡面調整を行い、支
持台11a,11b及び11cにおける鏡面調整が完了
すると反射鏡パネル3の鏡面調整が完了する。この衛星
通信用アンテナの全ての反射鏡パネルの鏡面調整が完了
するとこの衛星通信用アンテナの鏡面調整が完了する。
なお、この調整ねじ7による鏡面調整は、一般には、図
5(b)を用いて説明したように、二つの反射鏡パネル
3を結合するパネル結合器30と支持構造12との間隔
を変える。勿論、反射鏡パネル3の背面10と支持構造
12の間隔を直接変えてもよい。
【0042】この衛星通信用アンテナの鏡面調整が完了
すると、ターゲット1及びセオドライト2は撤去され
る。この撤去後、衛星通信用アンテナがカセグレンアン
テナの場合には、鉛直線上に一次放射器であるホーンと
副反射鏡とが取り付けられる。
【0043】上述したとおり、図1乃至図3を参照して
説明した衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調方法及び
その方式は、反射鏡パネル3の鏡面調整点4上の法線に
合わせてターゲットを設置し、このターゲット上の測定
点にマークを記し、このマークを、主反射鏡の中心であ
る鉛直線上に設置したセオドライト2で鏡面調整点4及
び測定点5及び6の仰角測定結果から、鏡面調整時のセ
オドライト2の仰角設定角度を決定し、その設定した仰
角で鏡面調整点4が視準できるように調整ねじ7(7a
乃至7c)の長さを調整するだけで、反射鏡パネル3の
鏡面調整を完了することができる。
【0044】この方法及び方式では、従来技術の一つの
ように、大変な労力と時間を必要とした鏡面測定点のけ
がきを必要としないため、容易かつ迅速に主反射鏡の鏡
面調整ができ、鏡面調整作業の大幅な労力の削減と時間
の短縮ができるという効果がある。また、従来技術の別
の一つのように、大がかりな機械要素を必要としないと
いう効果もある。
【0045】図4は図1の実施の形態における反射鏡パ
ネル3と支持構造12との間隔を変える別の技術の一つ
を説明するための側断面概念図である。
【0046】図4では、反射鏡パネル3と支持構造12
との間隔を変えるために、図1の調整ねじ7に代えて、
反射鏡パネル3の背面10側の一部であるパネル結合器
30と支持構造12との間にテーパシムを挿入してい
る。テーパシムは、片側テーパのテーパ板22aと22
bとをテーパ部を向かい合わせてパネル結合器30と支
持台11との間に挟み、パネル結合器30と支持構造1
2に固定した支持台11とをボルト23とナット24と
によって締め付けるようにしたものである。ここで、テ
ーパ板22a及び22bには長手方向(図の左右方向)
にボルト23が楽に貫通できる長穴を設けてあり、また
ボルト23の頭とパネル結合器30との間にはワッシャ
25aを,ナット24と支持台11との間にはワッシャ
25bとスプリングワッシャ26を挟み込んでいる。従
って、上記テーパシムは、ボルト23とナット24とを
締め付けるに従ってテーパ板22aと22bとが互いに
反対方向にずれ,パネル結合器30と支持台11との間
隔Dが狭くなる。ボルト23とナット24との締め付け
を弛めると、逆にパネル結合器30と支持台11との間
隔Dが広くなる。
【0047】このテーパシムの使用は、パネル結合器3
0に加わる力が広範囲になって分散するので、調整ねじ
7の場合よりパネル結合器30の歪みが少なくなり、鏡
面調整の精度が向上するという効果がある。
【0048】また、上記テーパシムに代えて、平板状あ
るいは任意形状のスペーサをパネル結合器30と支持構
造12との間に挿入してもよい。パネル結合器30と支
持構造12との間隔調整は、所望の厚さのスペーサを用
いたり、複数のスペーサで所望の厚さを得ることで達成
できる。
【0049】なお、図1の実施の形態においては、セオ
ドライト2の測角基準点21からの仰角θを鏡面調整点
4の理想位置を視準した場合の角度に合わせ、鏡面調整
点4が視準できるように反射鏡パネル3と支持構造12
との間隔を調整したが、式(9)及び式(10)から求
まる鏡面調整前の鏡面調整点4の座標(Xs1,Ys
1)と式(9)及び式(10)から求まる鏡面調整点4
の理想位置の座標(Xa,Ya)との距離を算出し、そ
の距離の分だけ反射鏡パネル3と支持構造12との間隔
を調整しても、同様の鏡面調整ができることは明らかで
ある。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明による衛星通
信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方法は、主反射鏡の鏡
面上の複数の鏡面調整点の位置を前記主反射鏡の背面と
その支持構造との間隔を変化させることで前記主反射鏡
の鏡面調整を行う衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調
整方法において、前記鏡面調整点に対応する前記主反射
鏡の鏡面の法線の向きに複数の測定点を印したターゲッ
トをたて、前記主反射鏡の中心における地面に対する鉛
直線上の特定点に前記鏡面調整点及び複数の前記測定点
の仰角を測定するセオドライトの測角基準点を設定し、
測定された前記仰角に基づいて前記鏡面調整点の理想位
置及び前記鏡面調整点の調整前位置を算出し、前記鏡面
調整点が算出された前記理想位置に位置するように前記
主反射鏡と前記支持構造との間隔を調整するので、大変
な労力と時間を必要とした鏡面測定点のけがきを必要と
しないため、容易かつ迅速に主反射鏡の鏡面調整がで
き、鏡面調整作業の大幅な労力の削減と時間の短縮がで
きるという効果がある。また、従来技術の別の一つのよ
うに、大がかりな機械要素を必要としないという効果も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態を示す側断面概念図で
ある。
【図2】図1の実施の形態における鏡面調整点4近傍の
仰角θ測定及び座標決定を説明するための図である。
【図3】図1の実施の形態における鏡面調整の方法を説
明するための図である。
【図4】図1の実施の形態における反射鏡パネル3と支
持構造12との間隔を変える別の技術の一つを説明する
ための側断面概念図である。
【図5】従来のパラボラアンテナを用いる衛星通信用ア
ンテナの主反射鏡鏡面調整方法の一つを示す側断面概念
図であり(a)は側断面概念図,(b)は鏡面調整点4
において(a)図を紙面の横方向から見た概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ターゲット 2 セオドライト 3,3a,3b,3z 反射鏡パネル 4,4a 鏡面調整点 5,6 測定点 7(7a,7b,7c) 調整ねじ 8 座標系 9 鏡面 10 背面 11(11a,11b,11c) 支持台 12 支持構造 21 測角基準準点 22a,22b テーパ板 23 ボルト 24 ナット 25a,25b ワッシャ 26 スプリングワッシャ 30 パネル結合器

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主反射鏡の鏡面上の複数の鏡面調整点の
    位置を前記主反射鏡の背面とその支持構造との間隔を変
    化させることで前記主反射鏡の鏡面調整を行う衛星通信
    用アンテナの主反射鏡鏡面調整方法において、 前記鏡面調整点に対応する前記主反射鏡の鏡面の法線の
    向きに複数の測定点を印したターゲットをたて、前記主
    反射鏡の中心における地面に対する鉛直線上の特定点に
    前記鏡面調整点及び複数の前記測定点の仰角を測定する
    セオドライトの測角基準点を設定し、測定された前記仰
    角に基づいて前記鏡面調整点の理想位置及び前記鏡面調
    整点の調整前位置を算出し、前記鏡面調整点が算出され
    た前記理想位置に位置するように前記主反射鏡と前記支
    持構造との間隔を調整することを特徴とする衛星通信用
    アンテナの主反射鏡鏡面調整方法。
  2. 【請求項2】 前記鏡面調整点の理想位置を算出した後
    に、前記セオドライトを前記鏡面調整点の理想位置を視
    準した場合の仰角に合わせて前記鏡面調整点が前記セオ
    ドライトの測角基準点から視準できるように前記主反射
    鏡と前記支持構造との間隔を調整することを特徴とする
    請求項1記載の衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整
    方法。
  3. 【請求項3】 前記鏡面調整点の理想位置及び前記鏡面
    調整点の調整前位置を算出した後,前記鏡面調整点の理
    想位置と前記鏡面調整点の調整前位置との距離を求め、
    その距離だけ前記主反射鏡と前記支持構造との間隔を調
    整することを特徴とする請求項1記載の衛星通信用アン
    テナの主反射鏡鏡面調整方法。
  4. 【請求項4】 前記主反射鏡と前記支持構造との間隔を
    調整する方法が、前記支持構造から前記主反射鏡の背面
    を押す可変長のねじ機構であることを特徴とする請求項
    1記載の衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方法。
  5. 【請求項5】 前記主反射鏡と前記支持構造との間隔を
    調整する方法が、前記主反射鏡と前記支持構造との間に
    スペーサを挿入することによって行われることを特徴と
    する請求項1記載の衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面
    調整方法。
  6. 【請求項6】 前記主反射鏡と前記支持構造との間隔を
    調整する方法が、前記主反射鏡と前記支持構造との間に
    挿入したテーパシムによって行われることを特徴とする
    請求項1記載の衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整
    方法。
  7. 【請求項7】 前記主反射鏡がパラボラ反射鏡であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の衛星通信用アンテナの主
    反射鏡鏡面調整方法。
  8. 【請求項8】 主反射鏡の鏡面上の複数の鏡面調整点の
    位置を前記主反射鏡の背面とその支持構造との間隔を変
    化させることで前記主反射鏡の鏡面調整を行う衛星通信
    用アンテナの主反射鏡鏡面調整方式において、 前記鏡面調整点に対応する前記主反射鏡の鏡面の法線の
    向きに複数の測定点を印したターゲットと、前記主反射
    鏡の中心における地面の鉛直線上の特定点に設置され,
    前記鏡面調整点及び複数の前記測定点の仰角を測定する
    セオドライトと、前記特定点から測定された前記仰角に
    基づいて算出された前記主反射鏡と前記支持構造との間
    隔が適切になるように調整する鏡面調整機構とを備える
    ことを特徴とする衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調
    整方式。
  9. 【請求項9】 前記鏡面調整機構が、前記支持構造から
    前記主反射鏡の背面を押す可変長のねじ機構であること
    を特徴とする請求項8記載の衛星通信用アンテナの主反
    射鏡鏡面調整方式。
  10. 【請求項10】 前記主反射鏡と前記支持構造との間隔
    調整が、前記主反射鏡と前記支持構造との間にスペーサ
    ーを挿入することによって行われることを特徴とする請
    求項8記載の衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方
    式。
  11. 【請求項11】 前記主反射鏡と前記支持構造との間隔
    調整が、前記主反射鏡と前記支持構造との間に挿入した
    テーパシムによって行われることを特徴とする請求項8
    記載の衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方式。
  12. 【請求項12】 前記主反射鏡がパラボラ反射鏡である
    ことを特徴とする請求項8記載の衛星通信用アンテナの
    主反射鏡鏡面調整方式。
JP11191997A 1999-07-06 1999-07-06 衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方法及びその方式 Pending JP2001024429A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11191997A JP2001024429A (ja) 1999-07-06 1999-07-06 衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方法及びその方式

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11191997A JP2001024429A (ja) 1999-07-06 1999-07-06 衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方法及びその方式

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001024429A true JP2001024429A (ja) 2001-01-26

Family

ID=16283904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11191997A Pending JP2001024429A (ja) 1999-07-06 1999-07-06 衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方法及びその方式

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001024429A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102496774A (zh) * 2011-11-30 2012-06-13 中国电子科技集团公司第五十四研究所 一种高增益、低旁瓣赋形双偏置格里高利天线的设计方法
CN110289476A (zh) * 2019-07-26 2019-09-27 中国电子科技集团公司第五十四研究所 反射面天线面板的高精度位姿连续调整装置及其制造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102496774A (zh) * 2011-11-30 2012-06-13 中国电子科技集团公司第五十四研究所 一种高增益、低旁瓣赋形双偏置格里高利天线的设计方法
CN110289476A (zh) * 2019-07-26 2019-09-27 中国电子科技集团公司第五十四研究所 反射面天线面板的高精度位姿连续调整装置及其制造方法
CN110289476B (zh) * 2019-07-26 2023-09-26 中国电子科技集团公司第五十四研究所 反射面天线面板的高精度位姿连续调整装置及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Baars et al. The synthesis radio telescope at Westerbork. General lay-out and mechanical aspects
JP2001024429A (ja) 衛星通信用アンテナの主反射鏡鏡面調整方法及びその方式
JP2021071288A (ja) 三次元計測システム
CN204495351U (zh) 一种适用于隧道开挖中测量放样用的激光指向仪
CN115853012A (zh) 一种推力测量台架基础结构、定位工装及安装方法
CN104748733A (zh) 一种适用于隧道开挖中测量放样用的激光指向仪
US4269508A (en) Device for adjusting the azimuthal and inclination directions of a wave reflector
JP2016166743A (ja) 風向風速計の取付治具
JP2002022442A (ja) トータルステーション測量機による測量方法
JP3933111B2 (ja) 望遠鏡装置
JP4289640B2 (ja) 観測測定用器具および基礎脚材据付け寸法測定装置
CN217238365U (zh) 一种便捷型、灵活型、通用型的毫米波雷达安装校准工装
JP5243326B2 (ja) 受波装置用支持具
CN111141241A (zh) 一种准直测量参考网络装置及方法
JPH11194030A (ja) 鉄骨柱の芯出治具
CN211426889U (zh) 一种反光板固定支架
CN220893379U (zh) 一种定日镜预制混凝土立柱安装精度整体复测仪
CA2458046A1 (en) Flow meter pickoff assembly and flow meter pickoff adjustment method for nulling flow meter zero offset
CN102937415A (zh) 用于角秒级三维光学变形测量装置的安装装置与方法
JPS6223601A (ja) アンテナ取付金具
CN217634981U (zh) 一种激光定位灯的三维调整支架
JP2003318618A (ja) アンテナの指向方向調整方法
CN112986400B (zh) 探头移动辅助装置
CN215677023U (zh) 一种悬挑式测量支架
JPH07131228A (ja) アンテナ方向調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20021203