JP2001023557A - X線管 - Google Patents

X線管

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JP2001023557A
JP2001023557A JP11199117A JP19911799A JP2001023557A JP 2001023557 A JP2001023557 A JP 2001023557A JP 11199117 A JP11199117 A JP 11199117A JP 19911799 A JP19911799 A JP 19911799A JP 2001023557 A JP2001023557 A JP 2001023557A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発生・出射されるX線のS/N比が向上され
たX線管を提供する。 【解決手段】 ターゲット4、及びターゲット4の先端
部分40にX線発生面41を覆うように取り付けられた
フード電極5の中心軸が、電子銃部2からの電子入射軸
(電子入射軌道le)と略直交し、X線出射窓32から
のX線出射軸(X線出射軌道lx)と略平行となるよう
に構成されたX線管において、筒状のフード電極5の一
端の開口のX線出射口51側の内面部分に、内側に突出
した制限突起部53を設けることによって、フード電極
5の内部空間から外部に出射されるX線等の軌道を制限
してX線のノイズ成分を低減し、S/N比を向上するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線を発生させる
X線管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線管においては、高真空の管内でカソ
ードを加熱して電子を放出させる電子銃を用い、電子銃
から出射された電子を、高電圧を印加した陽極ターゲッ
トのX線発生面に入射することによってX線を発生させ
る。
【0003】このようなX線管としては、例えば特開平
7−296751号公報に示されたものがある。このX
線管では、電子銃及び電子銃が収納されている第1の筒
状部材の中心軸と、ターゲット及びターゲットが収納さ
れている第2の筒状部材の中心軸とが略直交するように
各部が構成されている。これによって、電子銃からター
ゲットへの電子入射軸とターゲットから外部へのX線出
射軸とが略直交し、また、ターゲット及びターゲットの
先端部分に電子の加速・軌道制御のために取り付けられ
るフード電極の中心軸がX線出射軸と略平行とされたX
線管が構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】X線は、多くの物質・
物体に対して透過性の良い電磁波であり、例えば半導体
電子部品の検査など、物体の内部構造の非破壊・非接触
検査等に多く用いられる。このような用途においてX線
透視画像を鮮明にするには、(1)高拡大、(2)小焦
点、及び(3)高コントラストの3つの条件を満たす必
要がある。すなわち、(1)高拡大によってより細かい
構造を観測することができ、(2)小焦点によって輪郭
が明確な画像を得ることができ、また、(3)高コント
ラストによって明暗がはっきりした画像を得ることがで
きる。
【0005】上記したようなX線管においては、発生・
出射されるX線のS/N比の低下によって上記した条件
のうち(3)の高コントラストが充分に得られないとい
う問題があった。すなわち、X線透視画像において、X
線のシグナル(S)成分による画像(シグナル画像)で
は、観測しようとする物体の内部構造等によって明るい
部分と暗い部分とのパターンを生じる。一方、X線のノ
イズ(N)成分による画像(ノイズ画像)では、物体の
内部構造と対応していないX線像となるため、例えば全
体が明るい画像などが得られる。
【0006】観測によって得られるX線透視画像は上記
したシグナル画像及びノイズ画像を足し合わせたものと
なるため、使用するX線管からのX線のS/N比が充分
に高くない場合、シグナル画像がノイズ画像によって全
体的に明るくされるなど画像のコントラストが低下し、
内部構造を示す明暗を区別しにくくなってしまうという
問題を生じる。
【0007】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
ものであり、発生・出射されるX線のS/N比が向上さ
れたX線管を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明によるX線管は、カソードから電子入
射軸の方向に電子を放出する電子銃と、電子をX線発生
面に入射させることによってX線を発生させてX線出射
軸の方向に出射するターゲットと、を有し、ターゲット
の中心軸がX線出射軸に対して略平行となるように構成
されたX線管において、X線出射軸と略平行な筒状に形
成され、ターゲットにX線発生面を覆うように取り付け
られてその筒状の一方の開口部分をX線出射口とすると
ともに、その周面の電子銃に面する所定の位置に電子入
射口が形成されているフード電極を備え、フード電極
は、その内面の所定の部位から内側に突出して形成され
て、電子またはX線のノイズ成分に対してフード電極の
外部への出射を制限する制限突起部を有することを特徴
とする。
【0009】ターゲットの中心軸を電子入射軸と略直交
するX線出射軸方向としてX線管を構成した場合には、
ターゲットに取り付けられる筒状のフード電極も同様に
X線出射軸と平行に設置され、その筒状の一端側の開口
がX線出射口となる。このとき、電子銃からの電子のX
線発生面への入射点がX線のシグナル成分の発生点とな
るが、電子の二次散乱等に起因して上記の発生点以外に
おいて生じたX線等がX線出射口から外部に出射される
ことによって、得られるX線束中にX線のノイズ成分を
生じてしまう。
【0010】これに対して、上記したX線管においては
フード電極のX線出射口の近傍などの所定の内壁部分に
制限突起部を設ける。これによって、X線のシグナル成
分の出射軌道範囲を確保しつつ、フード電極の内部空間
から外部へと出射されるX線または電子の軌道を制限し
てノイズ成分の出射を抑制することができ、したがっ
て、得られるX線のS/N比を向上することが可能であ
る。
【0011】また、制限突起部は、X線発生面とX線出
射口との間に円形状に突出したリング状突起部であるこ
とを特徴とする。
【0012】このような制限突起部によれば、X線出射
口の内径をフード電極の円筒形状の内径よりも小さくし
て効率的な出射軌道制限を行うことができる。なお、制
限突起部としては、出射軌道を制限可能なものであれ
ば、このようなリング状の形状以外にも様々な形状のも
のを適用可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明によるX
線管の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、
図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重
複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明
のものと必ずしも一致していない。
【0014】図1は、本発明によるX線管の第1の実施
形態の構成を示す断面図であり、図1(a)はX線管1
の横断面図、図1(b)は縦断面図を示す。これらは、
いずれも後述する電子入射軌道leを含む平面での断面
を示している。図1(a)及び(b)に示すように、X
線管1は、電子を発生・放出させる電子銃部2と、電子
銃部2からの電子を受けてX線を発生させるX線発生部
3と、を備えて構成されている。
【0015】電子銃部2は、各構成要素を収容するとと
もにその中心軸が電子入射軸と略平行に設置された容器
21を備え、容器21内には外部からの電力供給により
発熱するヒータ22が設けられている。また、電子銃部
2には、ヒータ22によって熱せられ電子を放出するカ
ソード23、及びカソード23から放出された電子を集
束させるフォーカスグリッド電極24が設けられてい
る。さらに、容器21には、カソード23から放出され
フォーカスグリッド電極24により集束された電子を出
射するための電子通過口25が形成されている。この電
子通過口25は、フォーカス電極としての機能も果たし
ている。この電子銃部2から、電子入射軸方向の電子入
射軌道leによって電子が放出され、X線発生部3へと
入射される。
【0016】一方、X線発生部3は、各構成要素を収容
するとともにその中心軸がX線出射軸と略平行に設置さ
れた容器31を備えている。容器31は、電子銃部2の
容器21と電子通過口25を介して連通されており、し
たがって、カソード23から放出される電子を入射でき
る構造になっている。これらの容器21及び31は密封
されており、その内部がほぼ真空状態に保たれている。
【0017】容器31の内部には、電子銃部2からの電
子を受けてX線を発生させるターゲット4が設置されて
いる。このターゲット4は金属製の棒状体であって、そ
の中心軸をX線出射軸方向とし、電子銃部2からの電子
入射軸に対して略直交する向きとして配置されている。
ターゲット4の先端部分40に形成されている先端面は
電子銃部2からの電子を受けてX線を発生させるX線発
生面41であり、電子が入射される電子入射軌道le前
方の位置に、電子入射軌道leに対して所定の角度で形
成されて配置されている。このX線発生部3に電子銃部
2からの電子が入射して、X線出射軸方向のX線出射軌
道lxによってX線が発生・出射される。
【0018】なお、互いに略直交する電子入射軌道le
及びX線出射軌道lxは、それぞれ実際には所定の広が
りを有する範囲の軌道であるが、図1においては、簡単
のためそれぞれ電子入射軸及びX線出射軸と一致させて
示してある。
【0019】容器31には、所定の位置に形成された開
口部分にX線出射窓32が設けられている。X線出射窓
32は、ターゲット4のX線発生面41から発せられた
X線を容器31の外部へと出射させるための窓であり、
例えば、X線透過材であるBe材からなる板材などによ
り構成される。このX線照射窓32は、ターゲット4の
先端面であるX線発生面41に面するX線出射軌道lx
前方の位置に設けられている。また、X線出射窓32
は、その中心がターゲット4の中心軸の延長上に略一致
するように配置され、X線出射軸がその内側を通過する
ように形成されている。
【0020】ターゲット4の先端部分40には、フード
電極5が取り付けられている。フード電極5は、X線発
生面41へと進入するカソード23からの電子を加速す
るとともにその軌道を制御する機能を有し、ターゲット
4の中心軸・X線出射軸とほぼ平行な筒状に形成されて
いる。これらのターゲット4及びフード電極5には、電
子銃部2の電子通過口25の縁部分の電位に対して、正
の高電圧が印加されている。
【0021】図2は、図1に示したX線管のターゲット
4、フード電極5、及びその周辺の構造を拡大して示す
端面図である。ターゲット4の先端部分40の先端面で
あるX線発生面41は、ターゲット4の中心軸に対し
て、したがって電子入射軸及びX線出射軸に対してそれ
ぞれ斜め(直交せず、かつ平行でない)となる平面状に
形成されている。
【0022】ターゲット4の先端部分40に対して、上
記したようにフード電極5が取り付けられている。フー
ド電極5は金属製の筒状体であり、その内径がターゲッ
ト4の先端部分40の外径とほぼ同一径とされ、また、
その軸方向の長さ寸法が先端部分40の長さとほぼ同一
寸法とされている。
【0023】このフード電極5は、X線発生面41の周
囲を覆うように設置されており、筒状の一端側のX線出
射窓32と対向している開口部分が、ターゲット4のX
線発生面41からのX線がX線出射軌道lxに沿って通
過するX線出射口51となるように配置されている。ま
た、周面の電子通過口25と対向している所定の部位に
は、電子銃部2のカソード23からの電子が電子入射軌
道leに沿って通過する電子入射口52が形成されてい
る。本実施形態においては、電子入射口52はターゲッ
ト4の軸方向について、電子入射軸に対してほぼ対称な
開口範囲となる形状に形成されている。
【0024】また、フード電極5の内面のうち、X線出
射口51側の円形状・環状の部分には、内側に向かって
リング板状に所定の内径を有して突出した制限突起部5
3が形成されている。これによって、X線出射口51の
内径は、フード電極5の他の部分の円筒形状の内径より
も小さく制限されている。
【0025】以上の構成によるX線管1の動作及び効果
について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
【0026】ターゲット4及びフード電極5に正の高電
圧が印加されると、ターゲット4及びフード電極5は、
電子銃部2の電子通過口25の縁部に対して正の高電位
となるため、電子銃部2と、ターゲット4及びフード電
極5との間の空間に所定の電界が形成される。これによ
り、電子銃部2のカソード23から放出された電子は、
フォーカスグリッド電極24によって集束され、電子通
過口25を通過した後、電子銃部2と、ターゲット4及
びフード電極5との間の電界によって加速されて、フー
ド電極5の電子入射口52を通過してターゲット4のX
線発生面41へと進入・入射される。
【0027】そして、電子がX線発生面41に入射する
ことによって、その電子の入射位置においてX線が発生
する。発生したX線は、フード電極5のX線出射口5
1、及びBe製のX線出射窓32を通過してX線出射軌
道lxの方向に出射される。ここで、X線発生面41に
おける電子の入射点(X線の発生点)は、ほぼターゲッ
ト4の中心軸上となるように構成されている。したがっ
て、X線出射軸はターゲット4の中心軸と略一致してい
る。また、X線発生面41で発生されたX線について
は、このX線出射軸を含み、X線出射窓32等によって
制限・決定される所定の軌道範囲で放出された成分がシ
グナル成分として外部へと出射される。
【0028】上記した構成及び動作によって得られるX
線には、X線の発生点からのX線のシグナル成分以外
に、フード電極の内側各部などX線発生部3の他の位置
で発生するX線のノイズ成分が含まれている。このよう
なX線を、例えば非破壊検査によるX線透視画像の取得
に用いた場合、得られる透視画像は、X線のシグナル成
分によって得られ観測しようとする物体の内部構造等に
対応する明暗パターンを示すシグナル画像と、X線のノ
イズ成分によって得られ全体が明るいパターンなどにな
るノイズ画像と、の重ね合わせとなる。したがって、X
線のS/N比が低いと、X線透視画像においてノイズ画
像成分の強度が増大するために、そのコントラストが低
下し、その結果、観測対象とした物体の構造等が明確に
把握できない、という問題を生じる。
【0029】このようなX線のノイズ成分の発生原因と
しては、ターゲット4のX線発生面41に到達した電子
が二次反射または散乱等を起こし、それらの反射・散乱
された電子が再びターゲット4やフード電極5等にぶつ
かってX線を発生させることがある。
【0030】上記した過程によって発生するX線のノイ
ズ成分に対して、本実施形態によるX線管1において
は、図1及び図2に示すように、X線出射口51近傍の
フード電極5の内面側に、内側に向かって突出したリン
グ板状の制限突起部53を形成し、X線出射口51の内
径をフード電極5の他の円筒形状部分の内径よりも小さ
く制限している。この制限突起部53によって、ノイズ
成分となる余分なX線や、入射軌道から外れてノイズ源
となる電子等の外部への出射軌道・出射線量を制限し
て、ノイズ成分を低減・遮蔽することができる。
【0031】すなわち、この制限突起部53を設けるこ
とによって、X線発生面41を含むフード電極5内側の
空間は、X線出射窓32など外側の空間に対して充分に
遮蔽され、X線のシグナル成分の通過経路以外をほぼ密
閉された構造となる。
【0032】X線発生面41上の電子の入射点に到達し
た電子のうち、X線の発生に寄与せずに反射・散乱され
た電子は、図2にその軌道の例をいくつか示すように、
X線出射口51に到達せずに反射・散乱を繰り返す。そ
して、それらの反射・散乱電子、及び反射・散乱電子に
よって発生されたX線のノイズ成分の大部分は、フード
電極5の周面及び制限突起部53によって密閉された内
側の空間領域において、ターゲット4またはフード電極
5の各部位において吸収等されることによって外部に出
射されることなく消滅する。これによって、X線管1か
ら出射されるX線のS/N比が大幅に向上される。
【0033】図3は、マイクロフォーカスX線管を用い
たワイヤボンディングの観測・検査を例として、X線の
S/N比の向上によるX線透視画像の鮮明化の効果を説
明する模式図である。図3(a)及び(b)は、それぞ
れ(a)正常なワイヤボンディングと、(b)断線した
ワイヤを示し、これらのワイヤボンディング部分を従来
のX線管を用いて観測したときに得られる画像を図3
(c)及び(d)に、また、上記した実施形態による制
限突起部を備えたX線管を用いて得られる画像を図3
(e)及び(f)にそれぞれ示す。
【0034】従来のX線管による図3(c)及び(d)
に示した画像においては、小焦点によって輪郭はほぼ明
確であるが、X線のノイズ成分が多くS/N比が悪いた
めに明暗のコントラストが充分でなく、図3(d)にお
いてもワイヤの断線の把握が困難である。これに対し
て、図3(e)及び(f)に示した本実施形態のX線管
による画像においては、輪郭が明確であることに加え、
S/N比が向上されていることによって明暗のコントラ
ストが高くなり、したがって、図3(f)に示されてい
るように、ワイヤの断線を明確に確認することができ
る。
【0035】このような高コントラスト化の効果につい
て、上記したX線管を用いて同一の試料を観測して評価
を行った。コントラストの評価は、得られた画像中で最
も明るい部分の強度Imaxと、最も暗い部分の強度I
minとを測定し、IminのImaxに対する強度比
Imin/Imax(%)を算出して行った。このと
き、強度比の値が小さくなるほどコントラストが高い画
像となる。なお、X線管の駆動条件としては、管電圧を
80、100kVとし、焦点調整のためにカソード電圧
を振って観測を行っている。
【0036】得られた値は、従来のX線管を用いた場合
の強度比が2.7〜12.8%であったのに対して、本
実施形態によるX線管を用いた場合においては強度比が
0.88〜2.3%であった。この数値より、制限突起
部53を設けてフード電極5の内部空間を密閉した構造
を採用することによって、X線のS/N比が向上され
て、X線透視画像の高コントラスト化が実現されている
ことがわかる。
【0037】なお、フード電極の形状に関しては、例え
ば特開昭56−149759号公報または特開昭59−
16253号公報に示したものがある。これらのX線管
においてはいずれも、ターゲット及びフード電極の中心
軸がX線出射軸ではなく電子入射軸に対して平行に構成
されている。そのため、X線の出射はフード電極の周面
に形成された開口から行われる。この場合、この開口形
状によって結果としてX線の出射軌道が制限されること
があるが、その制限形態は上記のいずれのX線管におい
てもほぼ立体角の制限であって、他の部位からの軌道制
限のための構造は有していない。
【0038】これに対して、本発明によるX線管は、タ
ーゲット及びフード電極の中心軸がX線出射軸に平行に
構成されたX線管に関するものであって、上記したX線
管とは構造において異なる。そして、そのようなX線管
に対してフード電極内側に制限突起部を設けることによ
って、X線発生点からの立体角のみでなく他の部位等か
らのX線等の出射軌道に対する制限を行って、X線のノ
イズ成分の出射量低減によるS/N比の向上を実現する
ものである。
【0039】図4は、本発明によるX線管の第2の実施
形態の構成をターゲット4、フード電極5、及びその周
辺を拡大して示す端面図である。なお、図示しない部分
の構成については、第1の実施形態と同様である。
【0040】本実施形態においては、フード電極5に設
けられた電子入射口52が、電子銃部2から電子が進入
する電子入射軸・電子入射軌道leに対してX線出射口
51の反対方向側に広げられた開口形状に形成されてい
る。この形状により、電子入射口52を通過してフード
電極5内に進入する電子は図4に示すようにX線出射口
51側に軌道を曲げられて、ターゲット4のX線発生面
41へと入射される。この場合、X線発生面41上のX
線の発生点からX線出射窓32までの距離が短縮される
ので、拡大率を高めることができる。
【0041】なお、本実施形態におけるX線発生面41
は、軌道が曲げられた電子の入射点がほぼターゲット4
の中心軸上となるように、図1及び図2に示した実施形
態よりもX線出射口51方向にずらした位置に形成・配
置されている。
【0042】本発明によるX線管は、上記した実施形態
に限らず、様々な構成のターゲット及びフード電極を有
するX線管に対して適用可能である。また、フード電極
の内面側に形成される制限突起部の形状についても、上
記した各実施形態に示した円形状の全体を突出させるリ
ング状の突起部に限られるものではなく、例えば円形状
の所定の一部のみに対して突起部を設けるなど、様々な
形状とすることが可能である。また、異なる部位にそれ
ぞれ形成された複数の突起部によって制限突起部を構成
しても良い。
【0043】
【発明の効果】本発明によるX線管は、以上詳細に説明
したように、次のような効果を得る。すなわち、ターゲ
ット及びフード電極の中心軸がX線出射軸と略平行(電
子入射軸と略直交)になるように構成されたX線管にお
いて、その筒状のフード電極のX線出射口となる開口側
などの所定の内面部分に、内側に向かって突出してX線
または電子のフード電極外部への出射軌道を制限する制
限突起部を設ける。このとき、フード電極の周面及びタ
ーゲットのX線発生面で囲まれるフード電極の内部空間
が、制限突起部によって充分に閉じられた空間となる。
【0044】これによって、本来のX線発生位置以外の
部位からのX線等の出射が効率的に制限・遮蔽されるの
で、得られるX線に含まれるX線のノイズ成分が低減さ
れてS/N比が向上されたX線管を実現することができ
る。また、このようなX線管を非破壊検査によるX線透
視画像の取得に適用した場合、画像のコントラストが向
上されるので、より正確に物体の構造等の情報を得るこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線管の第1の実施形態の構成を示す(a)横
断面図及び(b)縦断面図である。
【図2】図1に示したX線管のターゲット及びフード電
極等を拡大して示す端面図である。
【図3】図1に示したX線管を用いて得られるX線透視
画像を従来のX線管を用いた場合と比較するための模式
図である。
【図4】X線管の第2の実施形態の構成をターゲット及
びフード電極等を拡大して示す端面図である。
【符号の説明】
1…X線管、2…電子銃部、21…容器、22…ヒー
タ、23…カソード、24…フォーカスグリッド電極、
25…電子通過口、3…X線発生部、31…容器、32
…X線出射窓、4…ターゲット、40…先端部分、41
…X線発生面、5…フード電極、51…X線出射口、5
2…電子入射口、53…制限突起部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソードから電子入射軸の方向に電子を
    放出する電子銃と、前記電子をそのX線発生面に入射さ
    せることによってX線を発生させてX線出射軸の方向に
    出射するターゲットと、を有し、前記ターゲットの中心
    軸が前記X線出射軸に対して略平行となるように構成さ
    れたX線管において、 前記X線出射軸と略平行な筒状に形成され、前記ターゲ
    ットに前記X線発生面を覆うように取り付けられてその
    筒状の一方の開口部分をX線出射口とするとともに、そ
    の周面の前記電子銃に面する所定の位置に電子入射口が
    形成されているフード電極を備え、 前記フード電極は、その内面の所定の部位から内側に突
    出して形成されて、電子またはX線のノイズ成分に対し
    て前記フード電極の外部への出射を制限する制限突起部
    を有することを特徴とするX線管。
  2. 【請求項2】 前記制限突起部は、前記X線発生面と前
    記X線出射口との間に円形状に突出したリング状突起部
    であることを特徴とする請求項1記載のX線管。
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