JP2001023547A - 陰極線管 - Google Patents
陰極線管Info
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Abstract
03〔Ω/□〕以上であっても、前面ガラスの前面のV
LF帯漏洩電界が1.0〔V/m〕以下で、TCOガイ
ドラインを満足する漏洩電界抑制手段を得る。 【解決手段】 前面パネル1上に、前面パネル1内の有
効画面領域9を囲むように、導電性テープ5からなる閉
ループが形成されており、閉ループは補強バンド7と導
通して回路的に接地されている。
Description
特に前面パネルの前面に発生する不要電磁界を低減する
ためのパネル構造に関するものである。
る一般的な陰極線管装置の一部切り欠き斜視図を示す。
陰極線管は、前面パネル1、ファンネル部91およびネ
ック部92からなるガラス製外囲器と、ネック部92に
封入された電子銃93と、前面パネル1の内面に形成さ
れた蛍光体スクリーン面96と、蛍光体スクリーン面9
6の電子銃93側に所定の間隔をあけて配置された色選
択電極97と、磁気シールド98と、前面パネル1の外
表面上に形成された帯電防止・反射防止等の機能を持つ
多層膜(図示せず)とから構成される。偏向ヨーク95
は、電子銃93から放射される電子ビーム94を偏向さ
せるために、陰極線管のネック部92の周囲に装着され
る。図示していないが、ファンネル部91の側面には、
陰極線管内にアノード電圧を印加するためのアノード端
子が設けられている。アノード端子は通常、ファンネル
部91の長辺側に設けられる。
は前面パネル1周縁部の断面拡大図をそれぞれ示す。図
10に示すように、前面パネル1のほぼ全面に表面処理
膜(図示せず)が形成され、長辺側の上下に接地電極6
と、接地電極6を防爆用の金属製補強バンド7に接続す
る導電性テープ5とが設けられている。前面パネル1に
は、電子ビームが走査されて蛍光体を発光させる領域で
ある有効画面領域9が形成されている。図11に示すよ
うに、表面処理膜2は、前面パネル1上に導電膜3と反
射防止等の機能を有する絶縁膜4とが積層されたもので
ある。表面処理膜2上には超音波ハンダにより導電膜3
と導通するように形成された接地電極6(特開平8−2
87850号公報)が設けられており、導電性テープ5
を介して補強バンド7に導通している。
に保持されているため、前面パネル1は帯電して高電位
となり、使用者に対して電撃を与えたり、その際の放電
で近傍の電子機器を誤動作させたりするなどの悪影響を
及ぼすおそれがある。導電膜3および接地電極6は、こ
のような事態を回避するために設けられているものであ
る。
向ヨーク95や電子銃93のアノード部から発生する電
磁波により、使用者やその近傍にいる人たちの人体にな
んらかの影響が及ぶことが懸念されている。端末用の表
示装置に対してスウェーデンでMPRおよびTCOとい
うガイドラインが制定されており、表示装置の守るべき
一つの指針となっている。これらのガイドラインの中
に、表示装置から発生する漏洩電界の抑制が明記してあ
る。このうち最も厳しいTCOガイドラインでは、前面
パネルの前面から30〔cm〕の位置において、VLF
(Very Low Frequency:帯域2〔k
Hz〕〜400〔kHz〕)帯域の交番電界に対し、漏
洩電界が1.0〔V/m〕以下とすべきことが要求され
ている。
めの技術として、たとえば特開平10−3868号公報
には、前面パネルの外表面に表面抵抗値が9×10
2〔Ω/□〕以下の高屈折率透明導電膜を形成し、この
導電膜と導通するターミナルを前面パネルの2辺または
4辺に複数個配置することが開示されている。また、特
開平10−233180号公報には、透明基板上に1×
103〔Ω/□〕以下の表面抵抗値を有する導電膜と反
射防止膜を形成したものを前面パネルの外表面に貼り付
け、最上層の表面に電極を設けこれを電気回路的に接地
することが開示されている。
起する電位を最上面の電極により回路上の接地面に逃が
すことにより前面パネル表面の高電位化を抑制するもの
である。
て、偏向ヨークやアノード線から前面パネル表面上に発
生する漏洩電界を十分に抑制するためには、前面パネル
表面上の反射防止膜の下層に形成される導電膜の抵抗値
として、上述のとおり約1×103〔Ω/□〕以下が必
要である。しかしながら、このような低い抵抗値の導電
膜を形成するためには、銀や白金を含む特殊な材料をス
ピンコート法やスパッタリング法でコーティングしなけ
ればならないので、製造コストが高くなるという問題点
を有していた。そこで、1×103〔Ω/□〕以上の抵
抗値を有する導電膜でTCOガイドラインの要求を満た
そうとすると、今度は漏洩電界のキャンセル回路を別途
付加しなければならない等、回路面での多大なコストや
工程負担を要するという問題があった。
り、1×103〔Ω/□〕以上の抵抗値を有する導電膜
であっても十分な漏洩電界抑制効果が得られる前面パネ
ルの構造を提供することを目的とするものである。
本発明の陰極線管は、前面パネルの表面上に導電膜と誘
電体膜が順次積層された表面処理膜が形成され、前記前
面パネルの外周部に補強バンドが装着された陰極線管に
おいて、前記前面パネル上に、前記前面パネル内の有効
画面領域を囲むように導電性材料からなる閉ループが形
成されており、前記閉ループは前記補強バンドと導通し
て回路的に接地されている陰極線管(請求項1)。この
構成によれば、陰極線管からの漏洩電界が閉ループによ
りキャンセルされる。
部において前記補強バンドから離間していることが好ま
しい(請求項2)。この構成によれば、漏洩電界をさら
に低減できる。
外縁に沿ったほぼ長方形をなしており、前記閉ループの
少なくとも一辺が前記補強バンドの近接する一辺とほぼ
平行に形成されていることが好ましい(請求項3)。こ
の構成によれば、漏洩電界を低減できる。
ネルの一側面にアノード端子が設けられており、前記閉
ループの四辺のうち前記アノード端子が位置する側の辺
が、前記補強バンドの近接する一辺と所定の間隔をおい
てほぼ平行に形成されていることが好ましい(請求項
4)。この構成によれば、漏洩電界の低減効果が高ま
る。陰極線管は通常、ファンネルの長辺側の側面にアノ
ード端子が設けられているので、閉ループの長辺を近接
する補強バンドから離して設けるのが好ましい。
複数個形成されていることが好ましい(請求項5)。こ
の構成によれば、漏洩電界の低減効果がさらに高まる。
を囲む大ループと、前記有効画面領域の外側に配列され
た複数個の小ループとからなることが好ましい(請求項
6)。この構成によれば、漏洩電界の低減効果がさらに
高まる。
ネルの一側面にアノード端子が設けられており、前記有
効画面領域の四辺のうち前記アノード端子が位置する側
の辺の外側に、前記小ループが配列されていることが好
ましい(請求項7)。この構成によれば、漏洩電界の低
減効果がさらに高まる。陰極線管は通常、ファンネルの
長辺側の側面にアノード端子が設けられているので、大
ループの長辺側に小ループを配列することが好ましい。
て、図面を用いて説明する。本発明の陰極線管は、前面
パネルに導電性材料の閉ループを設けた点に特徴を有す
るので、以下閉ループに関連する事項について詳述し、
他の部分についての説明は省略する。
前面パネルの正面図を、図2は前面パネル周辺部の断面
拡大図をそれぞれ示す。前面パネル1は、その表面に表
面処理膜2が形成され、周囲に防爆用の金属製補強バン
ド7が装着される。表面処理膜2は、最下層の導電膜3
と、その上の絶縁物からなる2層の低反射膜4とから構
成される。導電膜3は、酸化スズ(SnO2)を主成分
とした表面抵抗値5×104〔Ω/□〕のものである。
厚さ0.1〔mm〕のアルミニウム製導電性テープ5
(寺岡製作所製、品番MFT−830)が、有効画面領
域9を取り囲むようにして貼り付けられて閉ループが形
成されている。この閉ループは、長辺12と短辺13の
それぞれ2本ずつの導電性テープ5を別々に貼り付ける
ことにより形成されている。長辺12は、補強バンド7
の長辺と約5〔mm〕の間隔を保って補強バンド7とほ
ぼ平行に延びており、長辺12の両端部すなわち補強バ
ンド7の四隅部において補強バンド7と導通している。
短辺13は、表面処理膜と補強バンド7の短辺の双方に
またがるように導電性テープ5を貼り付けて形成したも
のであり、その全長にわたって補強バンド7と接触して
いる。補強バンド7は回路的に接地しており、導電性テ
ープ5は補強バンド7を通じて回路的に接地されてい
る。なお、表面処理膜2には、従来技術のような接地電
極が形成されていない。
用いて、前面パネル1の前面に発生する漏洩電界を測定
した。漏洩電界をキャンセルするための回路を付加しな
かったにもかかわらず、VLFの測定周波数帯において
漏洩電界0.72〔V/m〕が得られ、TCOのガイド
ラインを十分に満足するものとなった。
ンピュータモニタ用カラー陰極線管に本発明を適用し、
TCOガイドラインに従ってVLF帯の漏洩電界を測定
した結果を、比較例と比較して示している。
であり、漏洩電界キャンセル回路も設けていない。
全周にわたって補強バンド7と接触している場合であ
り、漏洩電界は0.95〔V/m〕であった。
て導電性テープ5と補強バンド7とが非接触の場合であ
り、上述のとおり漏洩電界は0.72〔V/m〕であっ
た。
て導電性テープ5と補強バンド7とが非接触の場合であ
り、漏洩電界は0.87〔V/m〕であった。短辺13
と補強バンド7との間隔は5〔mm〕とした。とと
を比較すると、長辺12側において導電性テープ5と補
強バンド7とを非接触としたの場合に、より高い効果
が得られている。これは、漏洩電界の主要な発生源であ
るアノード端子がファンネル91の長辺側に設けられて
いるからである。導電性テープ5と補強バンド7との間
に所定の間隔をあけることにより、導電性テープ5の長
辺12と補強バンド7の長辺とが、長辺方向に延びる別
個の閉ループを形成し、漏洩電界を低減させている。
の長辺12も短辺13も補強バンド7と非接触であっ
て、四隅部においてのみ導電性テープ5と補強バンド7
とが接触している場合であり、漏洩電界は0.64〔V
/m〕と最高の漏洩電界低減効果が得られた。導電性テ
ープ5と補強バンド7との間隔は5〔mm〕である。
が隅部61において切れて開ループになっている場合で
あり、漏洩電界は1.14〔V/m〕であった。
る電極6を設けた場合であり、漏洩電界は1.50〔V
/m〕であった。
係る電極も設けない場合であり(図示せず)、漏洩電極
は1.80〔V/m〕であった。
おいてのみ閉ループと補強バンド7とが接触して、長辺
および短辺において閉ループと補強バンド7とが離間し
ている場合に、漏洩電界の低減効果が最も高くなる。こ
れは、有効画面領域9を囲む大きな閉ループに加えて、
導電性テープ5の長辺12と補強バンド7の長辺とから
なる細長い閉ループと、導電性テープ5の短辺13と補
強バンド7の短辺とからなる細長い閉ループとがそれぞ
れ形成されるためである。
2の実施の形態を示す。本実施の形態では、導電性テー
プ5の閉ループは、有効画面領域9を囲む内側の第1の
閉ループと、第1の閉ループを囲むように設けられた外
側の第2の閉ループとからなる、2重構造となってい
る。
m〕、厚さ0.1〔mm〕のアルミニウム製導電性テー
プにより形成されている。それぞれの閉ループは、長辺
と短辺それぞれ2本ずつ、計8本の導電性テープ5を別
々に貼って形成しており、各導電性テープの端部が四隅
部において補強バンド7と接触している。
0.52〔V/m〕であった。
3の実施の形態を示す。本実施の形態では、閉ループ
は、有効画面領域9を囲む大ループと、さらに大ループ
の長辺に沿って多数配列された小ループとからなってい
る。
0.1〔mm〕のアルミニウム製導電性テープによって
形成される。小ループは、一辺の長さが約5〔mm〕の
正方形である。大ループは、長辺12と短辺13それぞ
れ2本ずつの導電性テープを別々に貼り付けることによ
り形成されている。大ループの長辺12の内側で、か
つ、有効画面領域9の外側に、この長辺12と約5〔m
m〕の間隔をあけて平行に、幅2〔mm〕、厚さ0.1
〔mm〕の導電性テープを貼り、この2本の長辺側導電
性テープの間に、幅2〔mm〕、厚さ0.1〔mm〕の
導電性テープを所定間隔をあけて多数渡すことにより、
多数の小ループを形成している。
0.43〔V/m〕であった。
み形成した場合には、漏洩電界は0.50〔V/m〕で
あった。したがって、アノード端子側およびその対向側
である長辺12側に小ループを形成することが好まし
い。
ープで形成する場合について説明したが、他の導電性テ
ープ、ガラスハンダ、導電性塗料などを用いてもよい。
いずれの材料も安価で、かつ容易に取り付け可能なもの
である。
面パネル表面上に導電性材料からなる閉ループを設ける
ことにより、高い漏洩電界抑制効果が得られ、その結
果、1×103Ω/□以上の抵抗値を持つ導電膜層であ
っても、TCOガイドラインを満足する1.0〔V/
m〕以下の漏洩電界抑制を、安価かつ容易に実現するこ
とができる。
ネルの正面図
図
図
図
Claims (7)
- 【請求項1】 前面パネルの表面上に導電膜と誘電体膜
が順次積層された表面処理膜が形成され、前記前面パネ
ルの外周部に補強バンドが装着された陰極線管におい
て、 前記前面パネル上に、前記前面パネル内の有効画面領域
を囲むように導電性材料からなる閉ループが形成されて
おり、前記閉ループは前記補強バンドと導通して回路的
に接地されている陰極線管。 - 【請求項2】 前記閉ループはその全周のうちの一部に
おいて前記補強バンドから離間している、請求項1に記
載の陰極線管。 - 【請求項3】 前記閉ループは前記有効画面領域の外縁
に沿ったほぼ長方形をなしており、前記閉ループの少な
くとも一辺が前記補強バンドの近接する一辺とほぼ平行
に形成されている、請求項2に記載の陰極線管。 - 【請求項4】 前記前面パネルに接合されたファンネル
の一側面にアノード端子が設けられており、前記閉ルー
プの四辺のうち前記アノード端子が位置する側の辺が、
前記補強バンドの近接する一辺と所定の間隔をおいてほ
ぼ平行に形成されている、請求項3に記載の陰極線管。 - 【請求項5】 前記有効画面領域を囲む閉ループが複数
個形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の陰
極線管。 - 【請求項6】 前記閉ループは、前記有効画面領域を囲
む大ループと、前記有効画面領域の外側に配列された複
数個の小ループとからなる、請求項1〜4のいずれかに
記載の陰極線管。 - 【請求項7】 前記前面パネルに接合されたファンネル
の一側面にアノード端子が設けられており、前記有効画
面領域の四辺のうち前記アノード端子が位置する側の辺
の外側に前記小ループが配列されている、請求項6に記
載の陰極線管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19707199A JP3617380B2 (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 陰極線管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19707199A JP3617380B2 (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 陰極線管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001023547A true JP2001023547A (ja) | 2001-01-26 |
JP3617380B2 JP3617380B2 (ja) | 2005-02-02 |
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ID=16368242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19707199A Expired - Fee Related JP3617380B2 (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 陰極線管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3617380B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7821190B2 (en) | 2006-08-25 | 2010-10-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Image display apparatus and manufacturing method thereof |
-
1999
- 1999-07-12 JP JP19707199A patent/JP3617380B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7821190B2 (en) | 2006-08-25 | 2010-10-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Image display apparatus and manufacturing method thereof |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3617380B2 (ja) | 2005-02-02 |
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