JP2001022232A - 画像記録装置の画質診断システム - Google Patents

画像記録装置の画質診断システム

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JP2001022232A
JP2001022232A JP2000150064A JP2000150064A JP2001022232A JP 2001022232 A JP2001022232 A JP 2001022232A JP 2000150064 A JP2000150064 A JP 2000150064A JP 2000150064 A JP2000150064 A JP 2000150064A JP 2001022232 A JP2001022232 A JP 2001022232A
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diagnosis
image
trouble
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JP2000150064A
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Yutaka Kurosu
豊 黒須
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】遠隔制御システムによる画質診断を行う上で、
故障原因や故障予知を迅速かつ正確に推論することがで
き、もって、画質診断の信頼性をより高める。 【解決手段】中央管理装置2側の中央診断装置3には、
画質コントロールの主要なパラメータが画質状態に応じ
て予めパターン化されてなる画質診断用パターンテーブ
ル6及び画質状態決定手段7を設け、画質状態決定手段
7では、画質診断用パターンテーブル6を用い、画質コ
ントロールの主要なパラメータがどのパターンに合致す
るか否かを判断し、画質状態を決定する画質診断システ
ムであって、診断対象端末側では、端末側データ転送手
段5に故障予知手段を具備させ、少なくとも故障予知手
段による故障予知が行われた条件下で診断対象端末の画
質診断を行う。また、前記画質診断システムであって、
更に、中央管理装置2側から画像記録装置1の画質コン
トロールの主要なパラメータを書き換え処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、画像記録装置の画質
診断システムに係り、特に、複数の画像記録装置を診断
対象端末とし、各画像記録装置の画質を遠隔制御システ
ムにて個別診断するようにした画像記録装置の画質診断
システムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の画像記録装置の画質診断シ
ステムとしては例えば特開平3−154128号公報所
載のものが知られている。これは、異常画像が発生した
際に、予め決められたチャートにより画像を形成し、こ
のチャート画像を異常画像診断支援装置に送信し、この
画像データを異常画像診断支援装置に予め記憶されてい
る正しい画像データと比較することにより、異常画像診
断を行うようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の画像記録装置の画質診断システムにあっては、画
像記録装置側で形成されたチャート画像に関する異常画
像データに基づいて故障原因を推論するようになってい
るので、故障原因を推論する上で、異常画像データの特
徴(分布,幅,長さ,形状,濃度等)を検出した後に、
所定の知識ベースに基づいて推論を実行しなければなら
ず、その分、故障原因の推論作業時間が嵩むという技術
的課題が生ずるばかりか、あくまで、異常画像が発生し
た時点で故障原因を推論する方式を採用している関係
上、異常画像が発生する前段階で、これこれの異常が発
生する可能性があるというような故障予知を正確に推論
することはできなかった。
【0004】この発明は、以上の技術的課題を解決する
ためになされたものであって、遠隔制御システムによる
画質診断を行う上で、故障原因や故障予知を迅速かつ正
確に推論することができ、もって、画質診断の信頼性を
より高めるようにした画像記録装置の画質診断システム
を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
図1に示すように、診断対象端末である複数の画像記録
装置1の画質を中央管理装置2を介して中央診断装置3
にて個別診断するようにした画像記録装置の画質診断シ
ステムを前提とし、各画像記録装置1には、画質コント
ロールの主要なパラメータが記憶される記憶手段4を設
けると共に、この記憶手段4内に格納されている画質コ
ントロールの主要なパラメータが画質診断時にて中央管
理装置2側に転送される端末側データ転送手段5を設
け、この端末側データ転送手段5には画質コントロール
の主要なパラメータに異常が発生したと認められる場合
若しくは異常が発生する可能性があると判断される場合
に故障箇所が予知せしめられる故障予知手段を具備さ
せ、一方、中央診断装置3には、画質コントロールの主
要なパラメータが画質状態に応じて正常であるか否か、
また、異常の場合、どのようなトラブルが想定されるか
について予めパターン化されてなる画質診断用パターン
テーブル6を設けると共に、端末側データ転送手段5か
ら転送された画質コントロールの主要なパラメータが画
質診断用パターンテーブル6のどのパターンに合致する
か否かを判断し、画質状態が決定される画質状態決定手
段7を設け、少なくとも故障予知手段による故障予知が
行われた条件下では端末側データ転送手段5から画質コ
ントロールの主要なパラメータを中央管理装置2側に転
送するようにしたことを特徴とするものである。
【0006】このような技術的手段において、画質コン
トロールの主要なパラメータとしては、画像記録装置の
特性に基づいて選定されるものであり、例えば電子写真
プロセスにおいては、感光体上の初期帯電電位、感光体
上の画像部潜像電位、画像部現像濃度レベルを挙げるこ
とができる。また、画像記録装置1側に設けられる記憶
手段4への画質コントロールの主要なパラメータの取り
込みタイミングについては、定期的に取り込むようにし
てもよいし、あるいは、画質診断を必要とする時点で取
り込むようにしてもよい。
【0007】更に、端末側データ転送手段5としては、
記憶手段4内の画質コントロールの主要なパラメータを
中央管理装置2側へ転送できるものであればよく、定期
的に前記パラメータデータを転送するようにしてもよい
し、あるいは、中央管理装置2からの要求に従って前記
パラメータデータを転送するようにしてもよいし、ある
いは、故障予知手段を組み込み、この故障予知手段で行
われるテストにより画質コントロール上に異常が発生し
たと認められる場合若しくは異常が発生する可能性があ
ると判断される場合に、前記パラメータデータを転送す
る等適宜設計変更して差し支えない。
【0008】また、画質診断用パターンテーブル6とし
ては、画質コントロールの主要なパラメータの値に対応
させて画質影響部品がどのような状態にあるかを予め実
機を用いた実験によりパターン化したものが挙げられ
る。この場合において、診断対象となる画像記録装置が
複数の機種に及ぶ場合には、夫々の機種毎に画質診断用
パターンテーブル6を別個に作成することが必要であ
る。更にまた、画質状態決定手段7としては、診断対象
である個別画像記録装置1毎の特性のみで画質状態を決
定してもよいが、画質状態の決定をより迅速化するに
は、診断対象である個別画像記録装置1毎の特性に加え
て、該当機種の普遍的兆候を考慮することが好ましい。
また、画質診断をより精度良く行うには、実際のトラブ
ル発生の一歩手前の各種兆候を整理して想定した仮想ト
ラブルを生成し、これについて検証するようにすること
が好ましく、より精度を上げるためには、例えば、トラ
ブル間、兆候間、トラブルと何らかの兆候間等の相関を
分析する等の手段を施すようにすればよい。
【0009】また、本発明の他の態様としては、図1に
示すように、診断対象端末である複数の画像記録装置1
の画質を中央管理装置2を介して中央診断装置3にて個
別診断するようにした画像記録装置の画質診断システム
において、各画像記録装置1には、画質コントロールの
主要なパラメータが記憶される記憶手段4を設けると共
に、この記憶手段4内に格納されている画質コントロー
ルの主要なパラメータが画質診断時にて中央管理装置2
側に転送される端末側データ転送手段5を設け、一方、
中央診断装置3には、画質コントロールの主要なパラメ
ータが画質状態に応じて正常であるか否か、また、異常
の場合、どのようなトラブルが想定されるかについて予
めパターン化されてなる画質診断用パターンテーブル6
を設けると共に、端末側データ転送手段5から転送され
た画質コントロールの主要なパラメータが画質診断用パ
ターンテーブル6のどのパターンに合致するか否かを判
断し、画質状態が決定される画質状態決定手段7を設け
たものにおいて、中央管理装置2側から画像記録装置1
の画質コントロールの主要なパラメータを書き換え処理
するようにした態様が挙げられる。
【0010】上述したような技術的手段によれば、各画
像記録装置1の記憶手段4には、画質コントロールの主
要なパラメータが記憶されており、端末側データ転送手
段5は前記記憶手段4に格納されている画質コントロー
ルの主要パラメータを少なくとも画質診断時において中
央管理装置2側に転送する。すると、中央診断装置3
は、中央管理装置2からの診断要求に応じて診断を開始
し、中央診断装置3の画質状態決定手段7は、端末側デ
ータ転送手段5から転送された画質コントロールの主要
なパラメータが画質診断用パターンテーブル6のどのパ
ターンに合致するか否かを判断し、画質状態を決定す
る。そして、中央診断装置3は、画質状態決定手段7が
決定した画質状態に基づく診断結果を中央管理装置2に
報告する。ここで、端末側データ転送手段5には画質コ
ントロールの主要なパラメータに異常が発生したと認め
られる場合若しくは異常が発生する可能性があると判断
される場合に故障箇所が予知せしめられる故障予知手段
を具備させ、少なくとも故障予知手段による故障予知が
行われた条件下では端末側データ転送手段5から画質コ
ントロールの主要なパラメータを中央管理装置2側に転
送するようにすれば、故障予知手段による故障予知を事
前に行った後に、本格的な画質診断を行うことが可能に
なる。
【0011】次に、本件発明に関連する先行例について
補足しておく。先行例1(特開平3−161766号公
報)は、複写機側で予め決められたレベルによって、大
故障、中故障などの判断をし、この判断結果をセンタ装
置に通報するものである。また、先行例2(特開平2−
237365号公報)は、画像読取り装置において、C
CDにより原稿板の画像を読取り、画像の先鋭度を反映
するパラメータを抽出し、ピント位置の判定に供する表
を用い、CCDのピントの診断を行うようにしたもので
ある。更に、先行例3(特開昭62−45266号公
報)は、中央管理装置側から端末側のパラメータを書き
換え処理するものである。先ず、先行例1には、「画質
コントロールの主要なパラメータが画質状態に応じて異
常の場合、どのようなトラブルが想定されるかについて
予めパターン化された画質診断用パターンテーブル」及
びこれを用いた「画質状態決定手段」が記載されていな
い。また、先行例2は、画像読取り装置自体に自己診断
機能を具備させるようにしたものに過ぎず、もともと中
央管理装置を備えたシステムを想定していないことから
中央管理装置側の要素として把握することが困難である
ばかりか、先行例2の判定表は、CCDの状態や光学系
のチェックが必要であることをメッセージ表示している
だけで、「主要なパラメータが画質状態に応じて異常の
場合、どのようなトラブルが想定されるかについて予め
パターン化された画質診断用パターンテーブル」とは言
えない。更に、先行例1には、確かに故障予知について
触れられているが、「少なくとも故障予知手段による故
障予知が行われた条件下では端末側データ転送手段から
画質コントロールの主要なパラメータを中央管理装置側
に転送し、画質診断用パターンテーブルを用いた画質診
断を行う点」も何ら記載されておらず、示唆されていな
い。それゆえ、先行例1,2を組み合わせたとしても、
本件発明の特徴点である「画質診断用パターンテーブ
ル」及び「画質状態決定手段」並びに「主要なパラメー
タの転送タイミング」を想定し得ない。また、先行例3
には、「中央管理装置側から端末側のパラメータを書き
換え処理すること」が開示されているが、先行例1〜3
のいずれにも「画質診断用パターンテーブル」及び「画
質状態決定手段」が示唆されていない以上、書き換え処
理したパラメータによる画質がどのような状態であるか
の再診断を行うことはできない。それゆえ、先行例1〜
3を組み合わせたとしても、本件発明を想定することは
実質的に不可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいてこの発明を詳細に説明する。 目次 1.システムの概要 2.複写機の画像形成ユニット構成 3.RICFB構成 4.ES構成 5.診断システムの処理シーケンス (1)全体処理シーケンス (2)RICFB処理シーケンス (3)ホストコンピュータの処理シーケンス (4)ESの処理シーケンス
【0013】1.システムの概要 図2はこの発明が適用された複写機の診断システムの一
実施の形態である。同図において、符号20は診断対象
端末である複数の複写機、21は各複写機20に付設さ
れて複写機20の故障箇所を予知する故障予知ボード
(以下RICFB[Remort Interacti
ve Comunication Function
Boardの略]という)、22は複数の複写機20と
電話回線23を介して接続されるホストコンピュータ、
24,25はRICFB21、ホストコンピュータ22
と電話回線23との間におけるデータ変調を行うモデ
ム、26はホストコンピュータ22と通信可能に接続さ
れ、ホストコンピュータ22からの要求指令に従って診
断対象複写機20の故障予知された機能部品を診断する
診断専門システム(以下ES[Expert Syst
emの略]という)である。
【0014】2.複写機の画像形成ユニット構成 図3はこの実施の形態に係る複写機の画像形成ユニット
の全体構成を示す説明図である。同図において、符号3
0は感光体としての感光ベルト、31は感光ベルト30
を予め初期帯電する帯電コロトロン、32はプラテン3
3上の原稿34をスリット露光走査する走査光学系、3
5はプラテン33上の露光走査開始位置を検出する露光
レジストセンサ、36は感光ベルト30上に画質コント
ロール用潜像のパッチを形成するパッチジェネレータ、
37は感光ベルト30に開設された基準位置検出用の孔
を検出するベルトホールセンサ、38は感光ベルト30
の初期帯電表面電位を検出するESV(Electri
c Static Voltmeterの略)センサ、
39は感光ベルト30上の不要潜像を消去するイレーズ
ランプ、40は例えば二段の現像ロール40a,40b
及び感光ベルト30側へ転移したキャリアを回収するキ
ャッチアップロール40cを有する二成分現像方式のメ
インカラー用の第一現像器、41は例えば二段の現像ロ
ール41a,41b及び感光ベルト30側へ転移したキ
ャリアを回収するキャッチアップロール41cを有する
二成分現像方式のサブカラー用の第二現像器、42は感
光ベルト30上の電位を除去して感光ベルト30上のト
ナー像を転写し易くする転写前処理コロトロン、43は
上記パッチ部分のトナー像濃度を検出するADC(Au
tomatic Density Controlの
略)センサ、44は図示外の複写用紙に感光ベルト30
上のトナー像を転写させる転写コロトロン、45は転写
後の複写用紙を感光ベルト30から剥離するディタック
コロトロン、46は感光ベルト30上の残留トナーを除
去するクリーナである。尚、転写工程を経た複写用紙は
図示外の定着器を通過し、複写用紙上の未定着トナー像
が定着されるようになっている。
【0015】このような画像形成ユニットは図3に示す
駆動制御系にて駆動制御されるようになっている。同図
においては、マーキングCPU50がマーキングプログ
ラムを実行し、感光ベルト30上に原稿34に対応する
トナー像を形成し、このトナー像を複写用紙に転写する
ようになっており、上記マーキングCPU50は入出力
インタフェース51を介して各種入力制御信号を取り込
むと共に、各種出力制御信号を出力するようになってい
る。
【0016】この実施の形態において、上記入力制御信
号としては、複写機20のコントロールパネル上で指示
される倍率、用紙サイズ、ランレングス(RUN LE
NGTH)等のコントロール信号、露光レジストセンサ
35からの位置検出信号(EXP REGI SN
R)、走査光学系32のレンズシャッタ信号(LENS
SHUTTER)、ベルトホールセンサ37からの位置
検出信号(B.HOLESNR)、ESVセンサ38か
らの出力(ESV)をESVアンプ52及びADコンバ
ータ54を介してデジタル化した検出信号、ADCセン
サ43からの出力(ADC SNR)をADCアンプ5
3及びADコンバータ54を介してデジタル化した検出
信号等が挙げられる。
【0017】一方、上記出力制御信号としては、パッチ
ジェネレータアンプ56を介してパッチジェネレータ3
6へ供給されるパッチジェネレータオンオフ信号(P.
GENE ON/OFF)、DAコンバータ57及びパ
ッチジェネレータアンプ56を介してパッチジェネレー
タ36へ供給されるパッチジェネレータ電圧信号、デベ
ロッピングクラッチ58に供給されるデベクラッチオン
オフ信号(DEVECL ON/OFF)、第一現像器
40、第二現像器41のトナーボックス40d,41d
に対するトナー補給信号、すなわち、ディスペンサモー
タオンオフ信号(D.MOT ON/OFF)、イレー
ズランプドライバ59を介してイレーズランプ39へ供
給されるイレーズ信号(IEL)、現像バイアス供給源
60,61を介して第一現像器40及び第二現像器41
の各現像ロール40a,40b,41a,41bへ供給
される現像バイアスオンオフ信号(VBIAS ON/
OFF)、DAコンバータ57及び現像バイアス供給源
60,61を介して第一現像器40及び第二現像器41
の各現像ロール40a,40b,41a,41bへ供給
される現像バイアスレベル設定信号、ADCアンプ53
を介してADCセンサ43へ供給されるADCオンオフ
信号(ADC ON/OFF)、DAコンバータ57及
び高電圧供給源62を介して帯電コロトロン31へ供給
される電圧制御信号等が挙げられる。
【0018】3.RICFB構成 図4はRICFB21の全体構成を示すブロック図であ
る。同図において、RICFB21は複写機20のユー
ザインタフェース(UI)CPU71を介して複写機2
0と通信可能に接続されており、マーキングCPU50
やメインCPU70のメモリデータをもシステムバス7
2及びUICPU71を介して取り込めるようになって
いる。また、この実施の形態においては、複写機20の
コンソールパネル(図示せず)若しくはディスプレイ
(図示せず)上に自発診断要求ボタンが設置されてお
り、オペレータあるいは技術修復作業者(カスタマーエ
ンジニア)が複写機20の診断を希望するような場合に
おいて自発診断要求ボタンを選択操作すると、この自発
診断要求信号がUICPU71を介してRICFB21
に取り込まれ、RICFB21がホストコンピュータ2
2側に診断要求をすると共に、診断に必要な複写機20
側データを送出するようになっている。尚、上記自発診
断要求ボタンの操作者を技術修復作業者(カスタマーエ
ンジニア)にのみに制限する場合には、通常のユーザが
誤って操作しないような位置に自発診断要求ボタンを配
設することが好ましい。
【0019】この実施の形態において、RICFB21
は、UICPU71とバッファ81を介して接続される
RICFB用CPU80を有し、このRICF用CPU
80には、後述するACSSプログラムやマーキングC
PU50等のメモリデータ(画質コントロールの主要な
パラメータデータ等)が書込まれるEPROM82を配
設するほか、パワーダウン時等において切換器86にて
バッテリ83駆動に切り換えられ、このバッテリ83に
よって診断データとカレンダのデータがバックアップさ
れる機構84,85を備えている。尚、符号87はRI
CFB用CPU80とモデム24との間に介装されるバ
ッファである。
【0020】4.ES構成 図5はこの実施の形態で採用されるESの詳細を示す。
同図において、ES26は、ホストコンピュータ22の
要求に対して診断サービスを実施する所謂人工知能(A
I)診断サーバである。この実施の形態において、ホス
トコンピュータ22は、診断要求の引数として、診断デ
ータファイル(被診断機のデータを特定のフォーマット
で表現したもの:以下この実施の形態ではMunger
ファイルという)91をES26のベースソフトウエア
であるRIC Shell261に送信し、このRIC
Shell261はそのMungerファイル91を
ハッシュテーブル92にローディングする。
【0021】そして、ES26の診断本体(以下KBと
略す)262は、RIC Shell261からの要求
に対してハッシュテーブル92にローディングされたM
ungerファイル91を引数(入力)として、このM
ungerファイル91内情報を知識ベースに基づいて
診断し、出力として対応するAlert情報93をRI
C Shell261に返送する。次に、RIC Sh
ell261はそのAlert情報93からAlert
ファイル94を生成し、ホストコンピュータ22の指令
を待ってこのAlertファイル94をホストコンピュ
ータ22に返送する。このとき、上記KB262は、R
ICFB21のACSSに基づいた何らかの異常を示す
兆候が被診断機に存在することが明らかな場合には、R
ICFB21のACSSで示された値に従って推論を施
し、一方、診断開始前にはトラブルの兆候の存在自体が
明らかでない場合(この実施の形態では画質及び紙詰ま
り)には、ACSSの値に依存せずに可能性のある全て
のトラブルについて予知診断を実施する。
【0022】5.診断システムの処理シーケンス (1)全体処理シーケンス 次に、複写機の診断システムの全体処理シーケンスを図
6に基づいて説明する。図6は被診断機である複写機
(M/C)20、RICFB21、ホストコンピュータ
(HOST)22、ES26の全体的な処理を示す。先
ず、HOST22は、RICFB21に後述するACS
S(ALERT CRITERIA SYNTAX S
PECIFICATIONの略)プログラムをダウンロ
ードする(ステップ[以下STで略す]1)。この後、
RICFB21は、複写機20から画質コントロールに
必要な診断用データ等を定期的に取り込み(ST2)、
ACSSプログラムを実行する(ST3)。そして、R
ICFB21がACSSプログラムを実行した時点でA
lertが発生した場合には、HOST22をコール
(CALL)する(ST4)。
【0023】すると、HOST22は所定の受付順位に
従って各複写機20からのデータを受付け(ST5)、
その受付順にES26に対して診断を要求する(ST
6)。この後、診断要求を受けたES26は診断を実行
し(ST7)、診断結果をHOST22に報告する(S
T8)。すると、HOST22は診断結果を表示し(S
T9)、この診断結果に基づいて、事前自動修復が可能
な場合には、複写機20のコントロールパラメータの書
換処理をRICFB21を介して複写機20側へ要求し
(ST10)、複写機20側ではコントロールパラメー
タが適宜変更される(ST11)。
【0024】(2)RICFB処理シーケンス 図7はRICFB処理シーケンスの詳細を示すフローチ
ャートである。同図において、RICFB21は、先ず
ACSSプログラムをダウンロードしているか否かを判
断し(ST1)、もし、ACSSプログラムを未だダウ
ンロードしていない場合には、あるいは、ダウンロード
されているACSSプログラムを変更する必要性が生じ
た場合には、ACSSクリアプログラムによりSRAM
84のNVM(Nonvolatile Memory
の略)領域をクリアした(ST2)後、ACSSダウン
ロードコミュニケーションプログラムによりACSSプ
ログラムをダウンロードする(ST3)。
【0025】この状態において、RICFB21は、図
9に示すように、定期的に(この実施の形態では15分
〜65000分)診断データであるサービスデータa〜
dを取り込み(ST4)、このサービスデータa〜dを
元にACSSインタプリタプログラムによりテスト(例
えばテスト1〜テスト255)を実行する(ST5)。
【0026】そして、RICFB21は、図7及び図1
0に示すように、ACSS診断結果フラグの管理プログ
ラムによりテストの診断結果がAlert発生であるか
否かを示す診断結果フラグ(RESULT FLAG)
をセットし(ST6)、また、H/L(HIGH/LO
W)プライオリティフラグ管理プログラムにより各テス
トのプライオリティを示すプライオリティフラグ(PR
IORITY FLAG)をセットする(ST7)。そ
して、ACSSホストコールドフラグ管理プログラムに
よりHOST22をコール(CALL)する(ST
8)。
【0027】この実施の形態においては、例えば図11
に示すように、各テストに対するRICFB Aler
t No.が予め決められており、各RICFB Al
ert No.に対するRICレベル(予め定義されて
いるAlert LEVEL)もアラートの緊急性に応
じて6段階のレベル(System Fail,Loc
al Fail,Time Bomb,Prevent
Maintenance,Information,
その他)に予め区分けされている。そして、RICレベ
ルがSystem Fail,Local Fail,
Time Bomb,Prevent Mainten
anceの場合には、プライオリティフラグがHIGH
であり、一方、RICレベルがInformatio
n,その他の場合には、プライオリティフラグがLOW
に設定されている。
【0028】また、図7のST8をより詳細に述べる
と、図8のような処理を行っている。同図において、R
ICFB21は、先ず、テストの診断結果フラグがAl
ert発生状態であるか否かを判断し(ST1)、診断
結果フラグがAlert発生状態である場合には、ホス
トコールドフラグ(HOST CALLED FLA
G)がセットされているか否かをチェックし(ST
2)、セットされていなければ、プライオリティフラグ
がHIGHか否かをチェックし(ST3)、プライオリ
ティフラグがHIGHであれば、図11に示すように、
直ちにHOST22をコールし(ST4)、また、プラ
イオリティフラグがLOWであれば、1日1回予め決め
られた時間にHOST22をコールする(ST5)。こ
のとき、図11のHOSTレベルに示されるようなプラ
イオリティがACSS Alertが発生した場合のH
OST22へ送るLOGIN PACKETに設定され
るようになっている。そして、HOST22がコールさ
れた時点で、図10に示すように、ホストコールドフラ
グがセットされるようになっている(ST6)。
【0029】尚、この実施の形態では、ACSSで発生
した全てのAlertをHOST22側へ転送しておら
ず、診断効率を上げる上で、Alertレベルの高い上
位10個をサービスデータ内に入れて転送するようにな
っている。
【0030】(3)ホストコンピュータの処理シーケン
ス 図12はHOST22の処理シーケンスを示すフローチ
ャートである。同図において、HOST22は、先ず、
RICFB21からのLOGIN PACKET内のプ
ライオリティを判断し(ST1)、同一時間枠(例えば
3分以内程度)で発生した各HOST CALLに対す
る受付順位をハイプライオリティ順に決定し(ST
2)、受付順にデータをダンプする(ST3)。
【0031】この後、HOST22は、ES26に対し
て診断を要求した(ST4)後、ES26からの診断結
果を受けたか否かをチェックし(ST5)、ES26か
らの診断結果を受信した時点で診断結果をディスプレイ
上に表示する(ST6)。そして、HOST22は、複
写機の対象機能部品の事前自動修復が可能か否かを判断
し(ST7)、もし、事前自動修復が可能であるなら
ば、HOST22側からRICFB21へ対象機能部品
のコントロールパラメータの書換要求が行われ(ST
8)、複写機のNVM上に書込まれているコントロール
パラメータを変更する。一方、事前自動修復が不可能で
あれば、技術修復作業者(カスタマーエンジニア)に診
断結果に基づく修復作業指示を通知する(ST9)。
【0032】ここで、ST8の具体的処理例としては以
下のものが挙げられる。例えばIOT(Image O
utput Terminal)の再現画像濃度が低い
と判断されたような場合において、トナーの補給量パラ
メータを増加させたり、現像バイアス設定用パラメータ
を変化させたり、帯電コロトロンのチャージ用パラメー
タを変化させ、再現画像濃度を高くするという処理であ
る。
【0033】(4)ESの処理シーケンス ◎全体処理シーケンス(図5参照) ES26は、前述したように、RIC Shell26
1及びKB262から構成されているが、KB262の
対象はRIC Shell261のみであり、KB26
2が独自にHOST22や他の機器と通信を行うように
はなっていない。
【0034】◎KBの処理シーケンス 図13はKB262の処理シーケンスを示すフローチャ
ートである。同図において、KB262は、先ず、ハッ
シュテーブル92を参照してACSSのAlert N
o.の内容を確認し、プライオリティの高い順(Sys
tem Fail…その他の診断)に異常箇所の診断を
行う。そして、異常箇所の診断が終了した段階で、画
質、Jam(紙詰まり)、HFSI(High Fre
quency Service Item)のレベルチ
ェックに関して異常予知検査診断を行う。
【0035】ここで、異常箇所の診断の概要を述べる
と、これは、ACSSに基づいて送られてきた何らかの
明らかなトラブル兆候についてのみ診断を施すものであ
り、値が即診断結果にリンクするものが多く、ACSS
がHOST22にデータを送る以前に自らある程度診断
を実施しているものである。また、KB262のレベル
で複数個のルールの起動を必要とするものもあるが、こ
れらは、ACSSのレベルでは、ある程度原因の絞り込
みを行ったものの、まだ完全には絞り込めず複数の候補
が挙がっている状態とみなすことができる。この場合、
原則前向き推論を適用することにより、原因の絞り込み
を図っており、ACSSの値を結果とみなすと、診断は
その原因を導き出す過程であり、これは原因帰属推論と
みなすことができる。すなわち、KB262は、定義済
みのAlert No.に対して全て対応し、DE(D
omain Experts)より得られた知識に則っ
て必要なAlert情報を生成する。ここにおけるルー
ルの主たる仕様は、異常部位の特定、RIC Shel
l261仕様に合わせるためのハンドシェイキング、対
応するリペアアクション(Repair Actio
n)の抽出である。
【0036】次に、異常予知検査診断の概要を述べる
と、HFSIのレンジチェックに関しては、規定のTh
resholdを越えたものに対し規定のAlertを
生成するものであり、本質的にルール仕様のトラブル診
断と略同様である。一方、画質及びJamに関しては、
仮想トラブルを抽出し、ACSSに全く依存しない形で
仮説推論を実施する。そして、他の処理と大きく異なる
点は、処理の主目的が確定したトラブルのリペアアクシ
ョンを抽出することではなく、起きているか、若しくは
起きそうなトラブルを抽出することにある。その後、そ
れらの仮想トラブルに対してトラブルの確信値と共にリ
ペアアクションを抽出する。尚、この推論は、トラブル
診断が前向き推論であるのに対し、後ろ向き推論を試み
るものである。
【0037】◎KBの具体的な機能ブロック 図14はこの実施の形態で採用されるKB262の具体
的な機能ブロックを示す。同図において、符号100は
観察データを分析して必要なものは学習して保持するた
めの学習機構であり、大きく、入力機構解析機構101
と仮想トラブル生成機構102とに分かれる。
【0038】ここで、入力情報解析機構101は、図示
外のI/O機構から受け取った情報を解析し、普遍的兆
候として蓄積するものについては統計処理を行った後、
普遍的兆候事例ベース111をアップデートする。ま
た、被診断機の個別情報は診断のセッションが終わるま
で内部ワークエリアに確保すると共に、個別情報も特に
継続観察が必要なマシンについては個別事例ベース11
2をアップデートしこれを蓄える。また、入力情報が確
定済みトラブルIDを含んでいた場合には、そのトラブ
ル(整理した必要情報+ID)をトラブル解析機構13
0に渡す。
【0039】また、仮想トラブル生成機構102は、各
種事例ベース111〜113に蓄積された内容から、入
力情報に確定済みトラブルIDが含まれている時(複数
のIDの場合もある)の、そのトラブルを引き起こすに
至った兆候の変移を逆算して読取る。そして、そのトラ
ブル発生の一歩手前の各種兆候を整理して集めた集合X
を作る。ここで、新規の仮想トラブルHを生成する。先
の集合Xはこの仮想トラブルHを証明する際の論理的帰
結要素となる。この両者を仮想トラブル事例ベース11
3に追加アップデートする。
【0040】また、ここには、相関解析機構103があ
り、トラブル間、兆候間、トラブルと何らかの兆候等の
相関を分析する。そして、相関の高かったトラブルに関
しては、トラブル検証機構115にかけて、トラブルと
しての判断を行う。
【0041】更に、基本原理事実ベース110は、基本
原理として明らかな事実を記憶した知識ベースであり、
確定済みのトラブルについての原因究明や対処手段の選
定等は全てこの知識に基づいて決定される。
【0042】また、普遍的兆候事例ベース111は、機
種特有の兆候を統計処理した形で整理して蓄積保持す
る。ここに蓄積保持される情報は、一つの機種について
観察された現象や、ある現象と現象の間の関係につい
て、統計的にその機種に普遍的に見られる兆候を保持す
るものである。
【0043】そしてまた、個別事例ベース112は、あ
る特定の機械個別の兆候を統計処理した形で整理して蓄
積保持する。不良品等に見られる特異なケースとしてこ
の情報は使われる。
【0044】更にまた、仮想トラブル事例ベース113
は、ある機種に発生し得るトラブルの事例を蓄積保持す
るもので、トラブル予知診断はこの中の事例を被診断機
に対して適応し、検証することによって行う。
【0045】また、トラブル検証機構115は、被診断
機に対してあるトラブルが発生している(若しくは発生
しそう)かを判断する機構であり、判断に必要なルール
と必要なデータとで構成される。また、トラブル検証機
構115で確定したトラブルは更に他のトラブルとの相
関を求めて真のトラブルを追求するため、仮想トラブル
生成機構102に渡される。また、相関から得たトラブ
ルが確定すれば、通常のトラブルと同様に、トラブル解
析機構130にトラブルを渡すと共に、仮想トラブル維
持機構120にかける。
【0046】ここで、仮想トラブル事例ベースの中身と
検証ロジックをより具体的に述べると、仮想トラブル事
例ベースは全てオブジェクト指向表現に基づいて設計さ
れている。このため、全ての知識、ルールはオブジェク
トの中に規定される。以下に仮想トラブル事例ベースの
一部を画質トラブルに焦点を当てた形で図15に示す。
【0047】同図は、仮想トラブルとして画質トラブル
とJamトラブルがあることを意味し、更に、画質トラ
ブル事例中には複数の事例があることを示している。そ
して、画質トラブル1が成立するために必要な論理的帰
結要素が2つあって、更にその要素の仮説から論理的に
得られる帰結要素が2つあることを示している。各オブ
ジェクトは必要なデータを自らのスロット中に、必要な
ルールを自らのメソッドスロットに保持する。そして、
これらは全て上位から下位へインヘリタンス(継承)可
能である。尚、メソッドの起動等検証の制御はトラブル
検証機構115にて行われる。
【0048】また、検証のロジックは所謂仮説推論と同
様である。今、画質トラブル1を検証する場合を想定す
ると、証明要素1と証明要素2の夫々について夫々が成
立するかどうかを検定する。このため、この2つのオブ
ジェクトに対して証明する為のメッセージVerify
を送る。メッセージVerifyを受け取った各オブジ
ェクトはメッセージに対応するメソッドを起動し、その
判断を行う。しかし、この段階ではその是非は確定せ
ず、自らを証明すべく下位階層のオブジェクトに同様の
メッセージを送る。こうして、最下位階層まで行って、
夫々の結果を上位に返す。上位のオブジェクトは下位か
ら上がった結果を合計処理して、自らの是非を決定し、
更に、その結果を上位に返す。こうして、最終的に画質
トラブル1の是非が判断される。証明に当たって、各オ
ブジェクトは結果の是非を2値で返すのではなく、0か
ら100の間の確信値を返す。上位オブジェクトは複数
の結果とそれらに付随する確信値を勘案して、自らの確
信値も決定する。最終的に画質トラブル1も0から10
0の間の確信値を伴って、当該機に対するトラブルの検
証結果を推定する。すなわち、検証結果の確信値が10
0に近ければ近いほど、そのトラブルの可能性が高く、
0に近ければ近いほどそのトラブルの可能性が低いこと
を意味する。
【0049】また、仮想トラブル維持機構120は仮想
トラブル事例ベース113を効率よく常にアップデート
する機構であり、仮想トラブル順位決定機構121を具
備している。この仮想トラブル順位決定機構121は、
検証すべきトラブルのプライオリティを決定するもので
あり、ルールと必要なデータから構成される。また、こ
の仮想トラブル維持機構120は、高相関トラブルの有
無に関わらず、発生トラブルの頻度等に応じて診断の都
度実施する。
【0050】また、トラブル解析機構130は、被診断
機に対してあるトラブルの発生(若しくは発生の可能
性)が判明した後、基本原理事実ベース110に基づい
て原因の特定や、その対処手段を決定する機構で、原因
特定に必要なルールと必要なデータから構成される原因
究明機構131と、対処決定に必要なルールと必要なデ
ータから構成される対処決定機構132とに分かれる。
そして、このトラブル解析機構130は所定のアラート
情報(兆候、原因、望まれる対処)を出力する。
【0051】次に、画質の検査診断を例に挙げて具体的
に説明する。 ◎画質の検査診断のアルゴリズム DE(Domain Experts)から得られた知
識によると、画質トラブル判定に必要な要素は、感光体
(この実施の形態ではP/R(感光)ベルト)の表面電
位の異常度、ADCパッチ・ジェネレータ電位の異常
度、コピー濃度値の異常度の3つが挙げられる。今、夫
々をX1,X2,X3という変数で捉えた場合、画質ト
ラブル判定に必要な画質トラブル度(確信値)Yは数1
にて示される関数で求められる。但し、数1において、
n1,n2,n3は3つの要素がYを決定する上でのお
互いの比率、Cは最終的に決定されるYを微妙に調整す
るための係数である。
【0052】
【数1】
【0053】次に、夫々の要素についての詳細定義を示
す。 X1:感光体の表面電位の異常度について これは、感光体の表面電位(A1)とグリッドモニタ値
(A2)の2つのMungerデータより算出される。
これにより、感光体の表面電位が正常であるか否か、ま
た、異常の場合、どのようなトラブルが発生していると
思われるのかが同時に導出される。この場合におけるト
ラブル判定テーブルを図16に模式的に示す。同図にお
いて、横軸は感光体の表面電位(A1)、縦軸は感光体
の表面電位を制御している帯電コロトロン(CC)のグ
リッドモニタ値(A2)であり、A1(L)(電子写真
法適用上の最低限界値)≦A1≦A1(H)(電子写真
法適用上の最大限界値)、A2(L)(電子写真法適用
上の最低限界値)≦A2≦A2(H)(電子写真法適用
上の最大限界値)の範囲で、各トラブル可能領域A−I
〜A−X(例えばA−Iは帯電コロトロンによる初期帯
電にて形成された暗電位が不良になる可能性のある領
域、A−IIは部品(感光体、帯電コロトロングリッド
/ピン等)が寿命になる可能性のある領域、…A−Vは
HVPS[HighVoltage Power Su
ply]が不良になる可能性がある領域、…A−Xは正
常コントロール領域)が区分けされている。尚、図中、
A1(M)、A2(M)は正常コントロール領域の最適
点に対応したA1、A2の値を示す。また、図16にお
いて、B1(L)未満及びB1(H)を超えた領域は電
子写真法が適用できない領域(XERO FAIL)を
示す。
【0054】そして、感光体の表面電位の異常度X1
は、上記A1とA2とを引数として、以下の数2にて示
される関数で得られる。この異常度X1は、A1,A2
が正常コントロール領域の最適点、具体的にはA1
(M),A2(M)からどの程度離間しているかで導き
出されるものであり、A1,A2のA1(M),A2
(M)からの離間量が大きい程異常度X1は高くなるの
である。この場合において、係数a1〜a4はこの異常
度を算出する上での感光体の表面電位値の依存度、ま
た、b1〜b4はグリッドモニタ値の依存度を夫々示し
ている。
【0055】
【数2】
【0056】X2:ADCパッチ・ジェネレータ電位の
異常度について これは、ADCパッチ電位(B1)と最適なADCパッ
チ電位を作るための光のコントロール値(B2)の2つ
のMungerデータにより算出される。これにより、
ADCパッチ・ジェネレータの電位が正常か否か、ま
た、異常の場合、どのような不良が発生していると思わ
れるかが同時に導出される。この場合におけるトラブル
判定テーブルを図17に模式的に示す。同図において、
横軸はADCパッチを感光体上に形成するための感光体
の表面電位(B1)、縦軸は最適なパッチ電位を作るた
めの光のコントロール値(B2)であり、B1(L)
(電子写真法適用上の最低限界値)≦B1≦B1(H)
(電子写真法適用上の最大限界値)、B2(L)(電子
写真法適用上の最低限界値)≦B2≦B2(H)(電子
写真法適用上の最大限界値)範囲で、各トラブル可能領
域B−I〜B−X(B−I,B−II,B−V,B−V
I,B−VII,B−VIIIは夫々レベルが異なるコ
ントロール不良領域、B−IIIは感光体,帯電コロト
ロングリッド/ピン等の部品の汚れ、寿命要注意領域、
B−IVはパッチジェネレータが汚れている可能性のあ
る領域、B−IXはパッチジェネレータの光量が不足す
る可能性のある領域、B−Xは正常コントロール領域)
が区分けされている。尚、図中、B1(M)、B2
(M)は正常コントロール領域の最適点に対応したB
1、B2の値を示す。
【0057】そして、ADCパッチ・ジェネレータ電位
の異常度X2は、上記B1とB2とを引数として、以下
の数3にて示される関数で得られる。尚、異常度X2の
意味合いは前記X1と同様であり、また、係数a1〜a
4はこの異常度を算出する上でのADCパッチ電位値の
依存度、また、b1〜b4は光のコントロール値の依存
度を夫々示している。
【0058】
【数3】
【0059】X3:コピー濃度値の異常度について これは、ADCパッチ反射光の読み値(C1)と感光体
のクリーン面反射光(C2)の2つのMungerデー
タにより算出される。これにより、コピーが濃いのか薄
いのか、また、薄い場合、どのような不良が発生してい
ると思われるかが同時に導出される。この場合における
トラブル判定テーブルを図18に模式的に示す。同図に
おいて、横軸は感光体上でトナーで形成されたADCパ
ッチからの反射光の読み値(C1)、縦軸は感光体のク
リーン面からの反射光(C2)であり、C1(L)(電
子写真法適用上の最小限界値)≦C1≦C1(H)(電
子写真法適用上の最大限界値)、C2(L)(電子写真
法適用上の最小限界値)≦C2≦C2(H)(電子写真
法適用上の最大限界値)の範囲で、各トラブル可能領域
C−I〜C−XII(C−I,C−VI,C−VII
I,C−XIは各種センサが不良になる可能性のある領
域、C−IIは濃度が高すぎる可能性のある領域、C−
IIIは濃度検出に対して要注意する可能性のある領
域、C−IVは濃度検出に対して注意する可能性のある
領域、C−Vは濃度が低すぎたり、カブリが生ずる可能
性のある領域、C−VIIはADCパッチが形成されな
い可能性のある領域、C−IXは現像器が不良である可
能性がある領域、C−Xは正常コントロール領域、C−
XIIはADCパッチの濃度が不良になる可能性のある
領域)が区分けされている。尚、図中、C1(M)、C
2(M)は正常コントロール領域の最適点に対応したC
1、C2の値を示す。
【0060】そして、コピー濃度値の異常度は、上記C
1とC2とを引数として、以下の数4にて示される関数
で得られる。尚、この異常度X3の意味合いも前記X1
と同様であり、また、係数a1〜a4はこの異常度を算
出する上でのパッチ反射光の読み値の依存度、また、b
1〜b4はP/Rベルトの反射光値の依存度を夫々示し
ている。
【0061】
【数4】
【0062】このような画質トラブル判定の異常度算出
において、仮に、n1=0.5とすれば、例えADCパ
ッチ・ジェネレータの電位やコピー濃度がさほど異常な
値でなくても、P/Rベルトの表面電位の異常度が10
0なら、最低でも50%を越えるトラブル判定が下され
ることを意味する。また、各3要素の係数a1〜a4、
b1〜b4は、KB導入後、夫々の式を変更することな
く、この係数の値のみを調整するだけで微妙なKBの調
整を可能にするものである。
【0063】このような画質トラブル判定においては、
例えば図19,図20に示すように、夫々のパラメータ
がどの領域に属しているかという点を判定基準とし、そ
の判定基準に合致したものをトラブル判定結果として仮
想トラブルとして挙げ、この仮想トラブルについてトラ
ブル度(確信値)と共にトラブル判定を行うようになっ
ている。例えば、夫々のパラメータが図19の判定基準
16に合致したとすると、図20に示すように、濃度高
すぎ/カブリレベル4という仮想トラブルが想定され、
これに関する仮想トラブル原因T16が追求される。
尚、この実施の形態においては、判定基準として上記パ
ラメータに加えて、感光体の表面電位目標値等の各種デ
ータが参照されるものもある。
【0064】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、画質コントロールの主要なパラメータが画質状態
に応じて予めパターン化されてなる画質診断用パターン
テーブルを用い、画質コントロールの主要なパラメータ
がどのパターンに合致するか否かを判断し、画質状態を
決定するようにしたので、遠隔制御システムによる画質
診断を行う上で、故障原因や故障予知を迅速かつ正確に
推論することができ、もって、画質診断の信頼性を高め
ることができる。特に、この請求項1記載の発明では、
端末側データ転送手段に故障予知手段を具備させ、少な
くとも故障予知手段による故障予知が行われた条件下で
診断対象端末の画質診断を行うようにしたので、故障原
因や故障予知をより迅速かつ正確に把握することができ
る。また、請求項2記載の発明によれば、診断対象であ
る個別画像記録装置毎の特性に加えて、該当機種の普遍
的兆候を考慮するようにしたので、画質診断をより迅速
に処理することができる。更にまた、請求項3記載の発
明によれば、画質診断用パターンテーブルを用いた画質
状態決定手段を備えたシステムにおいて、更に、中央管
理装置側から画像記録装置の画質コントロールの主要な
パラメータを書き換え処理するようにしたので、書き換
え処理後に再度診断を行いその結果を見ることで、最初
の診断結果の検証及び診断の信頼性を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る画像記録装置の画質診断シス
テムの構成を示す説明図である。
【図2】 この発明が適用された複写機の診断システム
の一実施の形態の基本構成を示す説明図である。
【図3】 実施の形態に係る複写機の画像形成ユニット
構成を示す説明図である。
【図4】 実施の形態に係るRICFBの構成を示す説
明図である。
【図5】 実施の形態に係るESの基本的構成を示す説
明図である。
【図6】 実施の形態に係る診断システムの全体処理シ
ーケンスを示すフローチャートである。
【図7】 RICFBの処理シーケンスを示すフローチ
ャートである。
【図8】 RICFBのホストコールドフラグ管理プロ
グラムの処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図9】 RICFBのACSSインタプリタプログラ
ムの実行状態を模式的に示す説明図である。
【図10】 ACSSプログラム実行時の各フラグを示
す説明図である。
【図11】 RICFBからのAlert情報の転送方
式を示す説明図である。
【図12】 ホストコンピュータの処理シーケンスを示
す説明図である。
【図13】 KBの処理シーケンスを示す説明図であ
る。
【図14】 実施の形態で用いられるKBの機能ブロッ
ク図である。
【図15】 実施の形態における仮想トラブル事例ベー
スの中身と検証ロジックを示す説明図である。
【図16】 感光ベルトの表面電位の異常度に対するト
ラブル判定テーブル例を示す説明図である。
【図17】 ADCパッチ・ジェネレータ電位の異常度
に関するトラブル判定テーブル例を示す説明図である。
【図18】 コピー濃度値の異常度に関するトラブル判
定テーブル例を示す説明図である。
【図19】 画質トラブル判定用の判定基準例を示す説
明図である。
【図20】 判定基準に対応する仮想トラブル及びその
原因例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…画像記録装置,2…中央管理装置,3…中央診断装
置,4…記憶手段,5…端末側データ転送手段,6…画
質診断用パターンテーブル,7…画質状態決定手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 診断対象端末である複数の画像記録装置
    (1)の画質を中央管理装置(2)を介して中央診断装
    置(3)にて個別診断するようにした画像記録装置の画
    質診断システムにおいて、各画像記録装置(1)には、
    画質コントロールの主要なパラメータが記憶される記憶
    手段(4)を設けると共に、この記憶手段(4)内に格
    納されている画質コントロールの主要なパラメータが画
    質診断時にて中央管理装置(2)側に転送される端末側
    データ転送手段(5)を設け、この端末側データ転送手
    段(5)には画質コントロールの主要なパラメータに異
    常が発生したと認められる場合若しくは異常が発生する
    可能性があると判断される場合に故障箇所が予知せしめ
    られる故障予知手段を具備させ、一方、中央診断装置
    (3)には、画質コントロールの主要なパラメータが画
    質状態に応じて正常であるか否か、また、異常の場合、
    どのようなトラブルが想定されるかについて予めパター
    ン化されてなる画質診断用パターンテーブル(6)を設
    けると共に、端末側データ転送手段(5)から転送され
    た画質コントロールの主要なパラメータが画質診断用パ
    ターンテーブル(6)のどのパターンに合致するか否か
    を判断し、画質状態が決定される画質状態決定手段
    (7)を設け、少なくとも故障予知手段による故障予知
    が行われた条件下では端末側データ転送手段(5)から
    画質コントロールの主要なパラメータを中央管理装置
    (2)側に転送するようにしたことを特徴とする画像記
    録装置の画質診断システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、画質状態
    決定手段(7)は、診断対象である個別画像記録装置
    (1)毎の特性に加えて、該当機種の普遍的兆候を考慮
    していることを特徴とする画像記録装置の画質診断シス
    テム。
  3. 【請求項3】 診断対象端末である複数の画像記録装置
    (1)の画質を中央管理装置(2)を介して中央診断装
    置(3)にて個別診断するようにした画像記録装置の画
    質診断システムにおいて、各画像記録装置(1)には、
    画質コントロールの主要なパラメータが記憶される記憶
    手段(4)を設けると共に、この記憶手段(4)内に格
    納されている画質コントロールの主要なパラメータが画
    質診断時にて中央管理装置(2)側に転送される端末側
    データ転送手段(5)を設け、一方、中央診断装置
    (3)には、画質コントロールの主要なパラメータが画
    質状態に応じて正常であるか否か、また、異常の場合、
    どのようなトラブルが想定されるかについて予めパター
    ン化されてなる画質診断用パターンテーブル(6)を設
    けると共に、端末側データ転送手段(5)から転送され
    た画質コントロールの主要なパラメータが画質診断用パ
    ターンテーブル(6)のどのパターンに合致するか否か
    を判断し、画質状態が決定される画質状態決定手段
    (7)を設け、更に、中央管理装置(2)側から画像記
    録装置(1)の画質コントロールの主要なパラメータを
    書き換え処理することを特徴とする画像記録装置の画質
    診断システム。
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