JP2706399B2 - 画像形成装置のための制御装置 - Google Patents

画像形成装置のための制御装置

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JP2706399B2 JP4066439A JP6643992A JP2706399B2 JP 2706399 B2 JP2706399 B2 JP 2706399B2 JP 4066439 A JP4066439 A JP 4066439A JP 6643992 A JP6643992 A JP 6643992A JP 2706399 B2 JP2706399 B2 JP 2706399B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、画像形成装置のため
の制御装置に関し、特に、画像形成装置を制御する際
に、画像形成装置から得られる検出値を定性値に変換
し、変換した定性値を用いて制御を行うような制御装置
に関するものである。さらに特定すれば、この発明は、
上述のような制御装置において、検出値を定性値に変換
する際の変換の基礎となる定性量空間の境界標を修正で
きるようにした制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】精密機械や産業機械等の開発分野におい
ては、保全作業の省力化や自動運転の長期化を実現する
ために、最近、人工知能(Artificial Intelligence:い
わゆるAI)技術を利用したエキスパートシステムの研
究が盛んに行われている。エキスパートシステムの中に
は、装置に故障が生じたか否かを自己診断し、また生じ
た故障を自己修復するものが見受けられる。
【0003】ところが、従来のエキスパートシステム
(自動調節システムや故障診断システム)は、基本的に
は、或るセンサの出力に基づいて対応するアクチュエー
タを作動させるだけであったので、自己修復機械として
は完全なものとはいえなかった。そこで、本願出願人
は、定性物理に基づく対象モデル上での診断/修復推論
を用いた機械制御法を見出し、係る機械制御法を利用し
て、画像形成装置のための新規な自己診断および自己修
復システムを発明し、特許出願を行った(たとえば特願
昭2−252191号参照)。
【0004】この先願にかかる画像形成装置のための自
己診断および自己修復システムは、次の特徴を備えてい
る。すなわち、 (1)対象機械(画像形成装置)に備えられたセンサの
検出値を定性値に変換して制御に用いること。 (2)画像形成装置の構造および特性を、画像形成装置
の性質を表わすパラメータの因果関係ネットワーク(パ
ラメータモデル)を用いて定性的に表現していること。
【0005】(3)定性値に変換されたセンサ値を、パ
ラメータモデルにあてはめ、故障診断および故障修復推
論のための定性シミュレーションを行っていること、で
ある。 つまり、定性モデルベースドシステム(Qualitative Mo
del Based System(QMS))による故障診断および故
障修復を行っていることである。
【0006】このような特徴を有する本願出願人の先願
に係る自己診断および自己修復システムによれば、万一
画像形成装置がその構造変更等を伴うような故障を生じ
たとしても、それに柔軟に対応可能である。なぜなら
ば、定性シミュレーションを利用することにより、対象
機械の制御点や制御ループを動的に変更することが可能
だからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
にセンサ等の検出値を定性値に変換する場合、定性量空
間上に境界標(ランドマーク)を定義する必要がある。
境界標は正しく定めなければならず、もし、この境界標
が正しく定められていないならば、正しくない境界標に
基づいて検出値の定性値化が行われることとなり、その
後の制御を正しく行うことができない。
【0008】ところが、制御対象が画像形成装置の場合
は、特に、画像形成装置の使用環境、経時変化、画像形
成装置に備えられたセンサの測定精度の限界等の原因に
より、境界標を静的なものとして決定することは容易で
はない。むしろ、境界標は、画像形成装置の使用環境の
変化や経時変化等により、所定期間毎に修正されるよう
にするのが好ましい。
【0009】従来技術では、定性量空間上に定める境界
標を必要に応じて修正できるような技術は提案されてい
なかった。そこでこの発明は、画像形成装置から得られ
る検出値を定性値に変換し、変換した定性値を用いて所
定の制御を行う制御装置において、検出値を定性値に変
換する際に必要な定性量空間の境界標を、制御対象であ
る画像形成装置の状態に合わせて動的に定め、また修正
することができる制御装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
制御対象である画像形成装置から得られる検出値を定性
値に変換し、変換した定性値を用いて所定の制御を行う
制御装置において、前記検出値を定性値に変換する際に
必要な定性量空間の境界標が記憶された境界標記憶手段
と、所定のタイミングで、前記画像形成装置に故障を強
制的に引き起こし、少なくとも故障を引き起こしたとき
に得られた検出値を用いて、前記境界標記憶手段に記憶
された境界標を修正する境界標修正手段と、修正された
境界標を用いて、画像形成装置から得られる検出値を定
性値に変換する変換手段と、を含むことを特徴とするも
のである。
【0011】請求項2記載の発明は、前記制御装置にお
いて、前記境界標修正手段は、故障を引き起こす前に得
られた検出値と、故障を引き起こしたときに得られた検
出値とを用いて境界標を修正することを特徴とするもの
である。請求項3記載の発明は、前記制御装置におい
て、前記境界標は、ファジイ理論のメンバーシップ関数
により定められていることを特徴とするものである。
【0012】請求項4記載の発明は、前記制御装置にお
いて、前記制御装置は、画像形成装置に生じた故障を修
復するための故障修復手段を備え、前記境界標修正手段
が境界標を修正するために、画像形成装置に故障を強制
的に引き起こすタイミングは、前記故障修復手段による
故障修復が完了される度であることを特徴とするもので
ある。
【0013】請求項5記載の発明は、前記制御装置にお
いて、前記境界標修正手段が境界標を修正するために、
画像形成装置に故障を強制的に引き起こすタイミング
は、マニュアル操作等により修正要求信号が入力された
ときであることを特徴とするものである。請求項6記載
の発明は、前記画像形成装置において、前記画像形成装
置には予め定める複数の部位の状態を検出するための複
数のセンサが備えられており、前記検出値は複数のセン
サから与えられることを特徴とするものである。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明によれば、画像形成装置か
ら得られる検出値を定性値に変換する際に必要な境界標
は、画像形成装置に故障を強制的に引き起こすという疑
似故障法により修正される。それゆえ、検出値を定性値
へ変換する際の変換の基礎をなす境界標を常に最適な値
に保てる。よって、検出値を精度良く定性値に変換で
き、その後の制御を正しく行える。
【0015】請求項2記載の発明によれば、疑似故障法
により装置に故障が強制的に引き起こされる前に得られ
た検出値と、装置に故障が強制的に引き起こされたとき
に得られた検出値とに基づいて境界標が修正されので、
画像形成装置が正常なときと故障が生じているときとで
得られる検出値の違いが把握でき、境界標を精度良く修
正できる。
【0016】請求項3記載の発明によれば、境界標がフ
ァジイ理論のメンバーシップ関数で定義されるので、得
られる検出値をファジイ定性値に変換できる。請求項4
記載の発明によれば、境界標を修正するタイミングは、
故障修復完了の度であるから、故障修復により装置のパ
ラメータに変化が生じ、その境界標が変化しても、その
変化に追従して境界標を修正することができる。
【0017】請求項5に記載の発明によれば、サービス
マン等によりマニュアル操作で修正要求信号が入力され
るごとに、疑似故障法を用いて境界標の修正が行われる
ので、必要な時に境界標の修正できる。請求項6記載の
発明によれば、得られる検出値はセンサから与えられ、
しかも、センサは画像形成装置の予め定める複数の部位
の状態を検出するものであるから、制御対象である画像
形成装置の状態を常時把握することができる。
【0018】
【実施例】以下には、図面を参照して、小型の電子写真
複写機に適用された自己診断および自己修復用の制御装
置を一実施例として説明する。図1は、この発明が適用
された小型の電子写真複写機の機械構成図であり、この
発明に関係する部分のみが図解的に示された図である。
図1において、1は感光体ドラム、2はメインチャージ
ャ、3は原稿照明用のハロゲンランプ、4は現像装置、
5は転写・分離チャージャである。
【0019】メインチャージャ2には、メインチャージ
ャの放電電圧を変化させるためのメインチャージャコン
トローラ2Cが接続されている。また、ハロゲンランプ
3には、ハロゲンランプ3の光量を制御するためのハロ
ゲン光量コントローラ3Cが接続されている。さらに、
転写・分離チャージャ5には、このチャージャ5による
放電電圧、すなわち感光体ドラム1とコピー用紙間の転
写電圧を制御するための転写チャージャコントローラ5
Cが接続されている。
【0020】電子写真複写機では、得られたコピー画像
が美しく仕上がっている(正常)か否かが最も重要なこ
とである。そこでこの実施例は、得られたコピー画像が
正常か、画像かぶりを生じているか、画像が薄いかを自
動的に検出し、得られたコピーが画像かぶりを生じてい
たり薄い場合には、係る症状を引き起こしている原因、
すなわち故障を突き止め、その故障を自己修復する制御
装置を例にとって説明する。
【0021】この実施例には、たとえば4つのセンサが
設けられている。すなわち、感光体ドラム1を露光する
光の量(換言すれば、ハロゲンランプ3の光量)を測定
するための光量センサX、露光後の感光体ドラム1の表
面電位を測定する表面電位センサVs、感光体ドラム1
上のトナー濃度を検出するためのトナー濃度センサD
s、および、コピー濃度センサOsである。コピー濃度
センサOsは、この電子写真複写機によって形成された
コピー画像の濃度を検出するためのものである。コピー
濃度センサOsの検出出力Osに基づいて、電子写真複
写機が正常か、故障症状として画像かぶりが生じている
か、画像が薄いかが判別される。
【0022】図2は、図1に示す小型の電子写真複写機
の機能ブロック図であり、この発明に関係する部分のみ
が示されている。図2において、角の丸まったブロック
はいわゆるハードウェアによる機能を表わしており、角
の尖ったブロックは、いわゆるソフトウェアによる機能
(コンピュータ内で実行されるプログラム処理)を表わ
している。なお、ハードウェアによる機能およびソフト
ウェアによる機能の区分けは一例であり、ソフトウェア
の機能をハードウェアにより実現するようにしてもよ
い。
【0023】図2の機能ブロックと、図1の機械構成と
の対応関係は、次のとおりである。すなわち、図2のセ
ンサには、図1の光量センサX、表面電位センサVs、
トナー濃度センサDs、およびコピー濃度センサOsが
含まれている。図2のアクチュエータコントローラに
は、図1のメインチャージャコントローラ2C、ハロゲ
ン光量コントローラ3Cおよび転写チャージャコントロ
ーラ5Cが含まれている。図2のアクチュエータには、
図1のメインチャージャ2、ハロゲンランプ3および転
写・分離チャージャ5が含まれている。
【0024】図2において、ソフトウェアによる機能ブ
ロックは、たとえば4つの機能ブロックに区分される。
すなわち、診断/修復推論部11、仮想事例保持部1
2、メンバーシップ関数生成部13、および、疑似故障
発生部14である。仮想事例保持部12には、予め生成
された表1および表2に例示する仮想事例が記憶されて
いる。ここに仮想事例とは、電子写真複写機に一時に生
じる故障は単一故障であると限定した条件のもとで、故
障が生じたときの装置状態を定性シミュレーションし、
そのシミュレーション結果のうちの装置にあり得る状態
である。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】仮想事例の生成は、上述した本願出願人の
先願(特願昭2−252191号)等で説明した定性シ
ミュレーションを用いて行うことができる。定性シミュ
レーションの仕方を簡単に説明すると、次のとおりであ
る。この電子写真複写機を、物理的な支点から捉えて複
数個の要素の結合として表現し、各要素の挙動および属
性ならびに各要素間の結合関係をパラメータを用いて定
性的に表わすと、図3に示すパラメータモデルが得られ
る。なお、この図3に示すパラメータモデルは、コピー
濃度パラメータOsに関連するパラメータのみを取り出
した簡略化モデルである。
【0028】図3に示すパラメータモデルにおいて、H
lはハロゲンランプ3の光量パラメータ、Dは原稿の光
学濃度パラメータ、Xは感光体ドラム1を露光する光量
のパラメータ、βは感光体ドラム1の感度パラメータ、
Vnはメインチャージ後の感光体ドラム1の表面電位パ
ラメータ、Vsは露光後の感光体ドラム1の表面電位パ
ラメータ、Vbは現像バイアスのパラメータ、γ0 はト
ナー感度のパラメータ、Dsはドラム上での画像濃度
(トナー濃度)のパラメータ、Vtは転写電圧のパラメ
ータ、ζは用紙感度のパラメータ、を示している。これ
らパラメータのうち、D、β、γ0 およびζは変動する
可能性が小さいので固定値とみなすことができる。それ
ゆえ、コピー濃度パラメータOsが変化する原因は、H
l、Vn、Vb、または、Vtのいずれかが変化したこ
とに起因すると推測できる。そしてこれら4つのパラメ
ータHl、Vn、VbまたはVtが変化してOsが変化
するとき、その変化は必ず3つのセンス対象パラメータ
X、VsまたはDs(図3において丸で囲ったもの)を
変化させる(ただし、Vtの変化に起因するときのみ、
X,Vs,Dsはいずれも変化しない)。
【0029】仮想事例を生成するための定性シミュレー
ションは、上述したように、電子写真複写機に一時に生
じる故障は単一故障であるとの前提にたっている。それ
ゆえ、Hl(ハロゲンランプ)不良の場合、Vn(メイ
ンチャージャ)不良の場合、Vb(現像バイアス)不良
の場合、および、Vt(転写チャージャ)不良の場合の
それぞれにつき、センス対象パラメータX,Vs,Ds
の状態が異なる。そこで、この状態が推論されて、仮想
事例として記憶されている。
【0030】次に、仮想事例の生成の仕方の具体例につ
いて、図3のパラメータモデルを用いて説明する。コピ
ー濃度が異常になり、Osがハイ(+)になったとす
る。Os:ハイ(+)の原因がHl:ロー(−)なら
ば、Xはロー(−)となる。また、Os:ハイ(+)の
原因がVn、VbまたはVtの変化に起因するならば、
Xは正常(N)である。なぜならば、仮想事例の生成
は、電子写真複写機に一時に生じる故障は単一故障であ
るとの前提に立っているからである。よって、Os:ハ
イ(+)では、Xは正常(N)またはハイ(+)でなけ
ればならず、ロー(−)はあり得ない。
【0031】一方、Os:ハイ(+)の根本原因がHl
ならば、Hl:ロー(−)でなければならず、Hlの変
化はパラメータモデル上でX,VsおよびDsに影響を
及ぼすはずである。なぜならば、影響を及ばさない程度
のHlの変化であれば、その結果としてOsも変化しな
いからである。よって、Hlが故障症状を引き起こす根
本原因、つまり故障ならば、X、Vs、および、Ds
は、正常(N)にはなり得ない。
【0032】このように、仮想事例は、コピー濃度パラ
メータOsが異常を示す場合、その原因は必ず単一パ
ラメータの変化に起因すると限定し、かつ、パラメー
タ変化はセンス対象パラメータ(図3において丸で囲っ
たパラメータ)に必ず影響を与えている、と仮定して生
成される。かかる,の条件下で仮想事例を生成する
と、装置に実際に生じ得るもののみを仮想事例として得
られる。
【0033】仮想事例の具体例は表1,表2の通りであ
る。表1は、この電子写真複写機に故障症状「画像かぶ
り」が生じたときの4つの仮想事例を示している。表1
は、次のようにして求められたものである。電子写真複
写機でコピーされた画像に画像かぶりが生じている場
合、図3のパラメータモデルから、その原因として、H
l(ハロゲンランプ)不良、Vn(メインチャージャ)
不良、Vb(現像バイアス)不良、または、Vt(転写
チャージャ)不良、が推測できる。
【0034】この場合において、上記の故障は単一故
障に限ること、および、Hlの変化が必ず他のパラメ
ータにも影響を及ぼす、という2つの条件に当てはめる
と、画像かぶりの原因がHl不良の場合には、パラメー
タXはロー(−)、パラメータVsはハイ(+)、パラ
メータDsはハイ(+)になるはずであり、これ以外の
状態はとらない。
【0035】また、画像かぶりの原因がVn不良の場合
は、パラメータXは正常(N)、パラメータVsはハイ
(+)、パラメータDsはハイ(+)となるはずであ
り、これ以外の状態はとらない。また、画像かぶりの原
因が、Vb不良の場合は、パラメータXは正常(N)、
パラメータVsは正常(N)、パラメータDsはハイ
(+)となるはずであり、これ以外の状態はとらない。
【0036】また、画像かぶりの原因が、Vt不良の場
合、パラメータXは正常(N)、パラメータVsは正常
(N)、パラメータDsは正常(N)となるはずであ
り、これ以外の状態はとらない。なお、表1における各
パラメータ状態に付加された「1.0」の数値は、後述
するファジイ理論のメンバーシップ関数における度合い
を示している。このファジイ理論のメンバーシップ関数
を導入したことの利点等については後述する。
【0037】同様に、この電子写真複写機で得られるコ
ピーの濃度が薄い場合、その原因は、図3のパラメータ
モデルにより、Hl(ハロゲンランプ)不良、Vn(メ
インチャージャ)不良、Vb(現像バイアス)不良、ま
たは、Vt(転写チャージャ)不良が推測され、各不良
が生じたときのセンス対象パラメータX,VsおよびD
sの状態は表2に示すとおりとなる。
【0038】上記表1や表2に例示した仮想事例が、故
障症状別に、予め定性シミュレーションにより求めら
れ、仮想事例保持部12に記憶されている。仮想事例保
持部12には、また、各故障症状における故障ごとに、
予め修復方法が推論されて記憶されている。たとえば、
故障症状「画像かぶり」の故障「Hl不良」に対して
は、次の表3のような修復方法が記憶されている。
【0039】
【表3】
【0040】他の故障に対しても、それぞれ、修復方法
が記憶されている。この実施例の特徴の1つは、このよ
うな仮想事例を予め定性シミュレーションを用いて算出
し、それを保持してる点である。こうすれば、故障診断
の度に、電子写真複写機の状態を定性シミュレーション
する手間が省け、処理の高速化が図れる。 次に、図2
のメンバーシップ関数生成部13には、図4および図5
に例示するように、故障症状ごとに、光量センサX、表
面電位センサVsおよびトナー濃度センサDsの検出値
を定性値化する際に用いるメンバーシップ関数が記憶さ
れている。メンバーシップ関数は、公知のとおり、ファ
ジイ理論において、或る要素が或る集合に属する度合い
(グレード)を規定する関数である。
【0041】たとえば図4は、故障症状「画像かぶり」
時に用いるX,Vs,Dsのメンバーシップ関数を示し
ている。コピー濃度センサOs(図1参照)の出力に基
づいてこの電子写真複写機から出力されるコピーに画像
かぶりが生じていると診断/修復推論部11(図2参
照)において判別されると、そのときの光量センサX、
表面電位センサVsおよびトナー濃度センサDsの検出
値が、メンバーシップ関数生成部13に記憶された図4
に示すメンバーシップ関数に基づいて定性値化される。
たとえば、光量センサXの検出値が定量値で2.2
(V)未満では、パラメータX(−:1.0、N:0.
0)に定性値化される。光量センサXの検出定量値が
2.3(V)では、パラメータX(−:0.7、N:
0.3)に定性値化される。また、光量センサXの検出
定量値が2.5(V)以上では、パラメータX(−:
0.0、N:1.0)に定性値化される。
【0042】表面電位センサVsの検出定量値およびト
ナー濃度センサDsの検出定量値も、同様に、図4に示
すVsのメンバーシップ関数およびDsのメンバーシッ
プ関数を用いて、それぞれ定性値化される。また、画像
濃度が薄いと判別された場合には、光量センサX、表面
電位センサVsおよびトナー濃度センサDsの検出定量
値は、図5に示すX,Vs,Dsのメンバーシップ関数
を用いて、それぞれ定性値化される。
【0043】次に、図4または図5に示すメンバーシッ
プ関数の設定の仕方について説明をする。一般に、セン
サの検出定量値を定性値に変換するためには、量空間上
に境界標(ランドマーク)を定義する必要がある。とこ
ろが、修復後の電子写真複写機の正常状態の変化やセン
サの測定精度の限界を考慮すると、境界標を静的なもの
として決定することは容易ではない。もし、境界標を静
的なものとして決定し、その決定に誤りがあれば、この
制御の前提をなすセンサ値の定性値化が正確に行われな
いこととなり、その後の故障診断や故障修復において、
誤診や誤修復が行われる可能性が大きくなる。
【0044】そこでこの実施例では、上述のように、故
障症状ごとに境界標を定義し、かつ、境界標をファジイ
理論のメンバーシップ関数を用いて定義した。故障症状
に応じたメンバーシップ関数を用いてセンサの検出定量
値を定性値化するようにすると、センサの読取誤差や、
使用環境の変化等によるセンサ出力の変動に柔軟にかつ
好適に対処できる。
【0045】また、センサの検出定量値を定性値化する
場合に、ファジイ理論のメンバーシップ関数を導入する
と、センサの測定精度や使用環境の変化等に依存する実
測定量値と定性値との対応づけに関する問題に柔軟に対
処することができ、センサ値を定性値化する際に、誤り
を生じにくくできる。なお、この段階では、定性値化さ
れたパラメータは、直ちに仮想事例に当てはめていずれ
かの故障を選択するために用いられるわけではない。後
述するように、仮想事例に含まれる複数の故障の1つを
選択するために、所定の計算式に基づいて、パラメータ
の状態と最も状態の近い仮想事例の故障が求められる。
【0046】さらに、この実施例では、疑似故障法(Im
itation Fault 法:IF法 )を導入した。IF法は、電
子写真複写機を出荷する前の初期時、故障修復後、また
はマニュアル入力に基づく任意のタイミングで、アクチ
ュエータを操作することにより電子写真複写機に故障を
強制的に引き起し、故障を引き起こす前の正常時および
故障時のセンサ情報を用いて境界標を動的に決定すると
いう方法である。図4および図5に示すメンバーシップ
関数は、このIF法を用いて決定されたものである。I
F法を用いれば、実際の制御対象である電子写真複写機
ごとに、センサの検出定量値を定性値化するために必要
な量空間上の境界標を動的に決定できるから、定性値化
の基礎をなす境界標を装置毎に精度良く定義することが
できる。
【0047】また、IF法を用いれば、後述するよう
に、装置が初期状態のときに定義した境界標を、故障修
復が完了するごとに修正できるから、装置の経時的変化
や使用環境の変化等に合わせて、量空間上の境界標を常
に最適な値に更新していくことができる。図2に戻っ
て、この電子写真複写機の機能ブロックには、上述した
IF法を実行するための疑似故障発生部14が備えられ
ている。
【0048】なおこの実施例では、図4および図5に示
すように、量空間上の境界標は、ファジイ理論のメンバ
ーシップ関数を用いて定義されている。つまり、境界標
がファジイ化されている。境界標をファジイ化すると、
上述のように、センサの読取誤差が生じたり、環境変化
等の外乱により境界標が変化しても、柔軟に対処できる
という利点がある。しかしながら、この発明は、境界標
を定義する場合に、ファジイ理論を用いる構成のみに向
けられているわけではない。たとえば、本願出願人の先
願に係る特願昭2−252191号に記載のセンサ値を
定性値に変換する際に必要な量空間上の境界標の定義に
際し、上述したIF法により境界標を決定する構成も、
この発明は対象としている。なぜならば、IF法は、そ
れ自体で、つまり境界標をファジイ化しなくても、境界
標を動的に決定することができ、最適な境界標を得られ
るからである。
【0049】また、IF法により、境界標を決定する場
合において、境界標を上述のようにメンバーシップ関数
で定めない場合には、IF法により電子写真複写機に故
障を強制的に引き起こしたときに得られるセンサ情報の
みに基づいて境界標を決定してもよい。なぜならば、I
F法によれば、電子写真複写機が正常状態から故障状態
になる臨界点が確認できるから、その臨界点におけるセ
ンサ情報のみに基づいても、境界標を決定できるからで
ある。
【0050】図6は、図2に示す診断/修復推論部11
において行われるファジイ定性推論(Fuzzy Qualitativ
e Reasoning : FQR)のアルゴリズムを表わすフロー
チャートである。次に図6の流れに沿って、この電子写
真複写機における故障診断および故障修復処理について
説明をする。制御動作が始まると、診断/修復推論部1
1によってコピー濃度センサOsの検出値が読取られる
(ステップS1)。そして読取られたコピー濃度Osは
予め定められた基準値と比較され、電子写真複写機が故
障しているか否かの判別がされる(ステップS2)。
【0051】たとえば、基準値として、図7に示す条件
が記憶されているとする。すなわち、検出電圧が2.5
(V)未満では画像が薄い、検出電圧が2.5(V)以
上で2.9(V)未満では正常、検出電圧が2.9
(V)以上では画像かぶりという故障有無判別基準値が
設定されているとする。このとき、コピー濃度センサO
sの検出値が3.1(V)ならば、故障症状「画像かぶ
り」が生じていると判定される(ステップS3)。
【0052】上記ステップS1〜S3の処理は、この実
施例にかかる電子写真複写機が自動的に故障の有無を判
別する機械であるために行われる処理であるが、この処
理は手動によって行ってもよい。手動によりステップS
1〜S3の処理を行う場合、コピー濃度センサOsを設
けなくてよい。手動による処理では、電子写真複写機か
ら出力されるコピーを見て、サービスマン等が、コピー
がたとえば画像かぶりを生じていると判断すればよい。
そしてこの場合、故障症状として画像かぶりが装置へ入
力される。故障症状の入力は、電子写真複写機に通常備
えられているテンキー等によって入力できるようにすれ
ばよい。
【0053】ステップS3において、故障症状「画像か
ぶり」が判別されると、次に、光量センサX、表面電位
センサVsおよびトナー濃度センサDsの検出値が読取
られる(ステップS4)。今、読取られた各センサの検
出値が、X:2.45(V)、Vs:2.5(V)、D
s:1.9(V)であったとする。読取られた各センサ
値はメンバーシップ関数生成部13に記憶された画像か
ぶり時のメンバーシップ関数(図4)に当てはめられ、
仮の定性値が決められる(ステップS5)。この具体例
では、X:2.45、Vs:2.5、Ds:1.9が、
それぞれ、図4のメンバーシップ関数に当てはめられ、
X:−0.8、Vs:+0.9、Ds:+0.7、が得
られる。
【0054】 つまり、(X,Vs,Ds)=(2.45,2.5,1.9) =p(−0.8,+0.9,+0.7) が得られる。なお、センサ検出値の定性値化を、メンバ
ーシップ関数を用いたファジイ定性値化ではなく、特定
の境界標に基づいて行うならば、 (X,Vs,Ds)=(−,+,+) が得られる。
【0055】次に、表1に示す故障症状「画像かぶり」
の仮想事例に列挙された故障と、ステップS5で求めら
れた仮の定性値との一致度Cが算出される(ステップS
6)。この一致度Cの算出は、次のようにして行われ
る。先ず、故障症状「画像かぶり」の仮想事例に列挙さ
れた故障を、X,Vs,Dsの3次元量空間で表現す
る。この表現は、次式で表わせる。
【0056】 Hl不良:(X,Vs,Ds)=f1(−1.0,+1.0,+1.0) Vn不良:(X,Vs,Ds)=(N1.0,+1.0,+1.0) =f2(−0.0,+1.0,+1.0) Vb不良:(X,Vs,Ds)=(N1.0,N1.0,+1.0) =f3(−0.0,+0.0,+1.0) Vt不良:(X,Vs,Ds)=(N1.0,N1.0,N1.0) =f4(−0.0,+0.0,+0.0) 上述の式を図化すると、図8に示す3次元量空間とな
る。図8において、f1、f2、f3、f4が、それぞ
れ、Hl不良、Vn不良、Vb不良およびVt不良の位
置である。
【0057】また、ステップS5で求められた仮の定性
値p(−0.8,+0.9,+0.7)は、図8の3次
元量空間において、pに位置する。そこで次に、点pか
ら仮想事例に列挙された各故障の位置f1,f2,f
3,f4までの距離Dを計算すると、次のとおりとな
る。 D(f1)=√{(0.8−1.0)2 + (0.9 −1.0)2 + (0.7 −1.0)2 }= 0.374 D(f2)=√{(0.8−0.0)2 + (0.9 −1.0)2 + (0.7 −1.0)2 }= 0.86 D(f3)=√{(0.8−0.0)2 + (0.9 −0.0)2 + (0.7 −1.0)2 }= 1.241 D(f4)=√{(0.8−0.0)2 + (0.9 −0.0)2 + (0.7 −0.0)2 }= 1.393 そして、上述の式で計算された距離Dが正規化され、一
致度Cが算出される。距離Dの正規化は、次の式に基づ
いてなされる。
【0058】C=1−D/√n (ただし、nはセンスパラメータの数:この場合n=
3) したがって、各一致度Cは、 C(f1)=1−0.374/√3=0.784 C(f2)=1−0.86/√3=0.503 C(f3)=1−1.241/√3=0.284 C(f4)=1−1.393/√3=0.196 となる。この結果、点pからの距離Dの最も近いf1、
すなわち一致度Cの最も大きなf1(Hl不良)が、故
障候補として決定される(ステップS7)。
【0059】なお、上述した一致度Cを算出する計算式
は、次の一般式で表わせる。 C=1−√{C(p1)2 +C(p2)2 +…+C(pn)2 }/√n C(pn)=Gm(qn)−Gs(qn) (但し、C:モデル全体の一致度、pn:測定可能な変
数、C(pn):変数pnに対する一致度、qn:変数
pnが取り得る定性値、Gm(qn):故障モデルにお
ける定性値qnのグレード、Gs(qn):測定値にお
ける定性値qnのグレード) なお、ファジイ定性値化でなく、特定の境界標に基づく
通常の定性値化を行う場合は、ステップS6の一致度C
の算出は省略され、 (X,Vs,Ds)=(−,+,+) から直ちに故障がHl不良と決定される。
【0060】ステップS7において、故障がHl不良と
決定されたので、仮想事例保持部12に記憶されている
故障症状「画像かぶり」の故障「Hl不良」に対応した
修復方法(表3に示す方法)が、その優先度に従って実
行される。優先度順に修復方法を行うために、ステップ
S8ではカウンタxがクリアされ、ステップS9でカウ
ンタxがx=1にされる。次いで、カウンタxの値が記
憶されている修復方法の登録個数を越えていないことが
確認されると(ステップS10)、記憶されている修復
方法のうち、カウンタxの値の優先度(たとえば、最初
の修復が行われる場合は、優先度No.1のHl:UP
(ハロゲンランプ光量を上昇する))の修復が行われる
(ステップS11)。
【0061】そして、この修復が成功したか否かの判別
がされる(ステップS12)。修復が成功したか否か
は、修復後に、コピーが行われ、その結果出力されるコ
ピーの濃度がコピー濃度センサOsで読取られることに
よりなされる。修復が成功しなかった場合、ステップS
9に戻り、カウンタxのカウント値を1インクリメント
して、次の優先度の修復が行われる。たとえば優先度N
o.2の修復であるVn:DOWN(メインチャージャ
電圧を下げる)が行われる。もし、次の優先度の修復が
登録されていない場合は、その時点で処理は終わる。
【0062】ステップS12において、修復が成功した
と判別されると、ステップS13に進み、IF法が実行
され、処理が終わる。上述のステップS13で行われる
IF法の処理内容を、図9に示す。次に、図9を参照し
てIF法について詳述する。故障修復に成功すると、診
断/修復推論部11によって、光量センサX、表面電位
センサVsおよびトナー濃度センサDsの検出値が読取
られる(ステップS21)。このとき読取られた各セン
サの検出値は、たとえば、X:2.9(V)、Vs:
1.6(V)、Ds:1.4(V)であったとする。
【0063】次いで、疑似故障発生部14(図2参照)
により、ハロゲン光量コントローラ3Cが操作され、ハ
ロゲンランプ3の光量が下げられる(ステップS2
2)。そして、ハロゲンランプ3の光量を微小量ずつ下
げるごとに、電子写真複写機にコピー動作をさせ、その
とき得られるコピーの濃度がコピー濃度センサOsで検
出され、その検出値が読取られる(ステップS23)。
コピー濃度センサOsの検出値は、上述した図7の故障
有無判別基準値に照らされ、Osの値が画像かぶりが発
生する基準値に達したとき、ハロゲンランプ3の光量を
下降する処理は中止される(ステップS24)。
【0064】そして、画像かぶりが発生するまでハロゲ
ンランプ3の光量を下げたときの光量センサX、表面電
位センサVsおよびトナー濃度センサDsの検出値が読
取られる(ステップS25)。読取られた検出値は、た
とえばX:2.6(V)、Vs:2.5(V)、Ds:
1.8(V)であったとする。ステップS21で読取ら
れた故障修復後のX,Vs,Dsの検出値およびステッ
プS25で読取られた画像かぶりが発生した時点での
X,Vs,Dsの検出値は、メンバーシップ関数生成部
13へ与えられ、画像かぶり時のメンバーシップ関数が
生成される。つまり、ステップS21で検出された値が
正常時の境界標、ステップS25で読取られた値が画像
かぶり発生開始時の境界標とされ、図4に示す画像かぶ
り時のメンバーシップ関数は、図10に示すメンバーシ
ップ関数に修復される。
【0065】次いで、疑似故障発生部14により、ハロ
ゲン光量コントローラ3Cが操作され、ハロゲンランプ
3の光量が上昇される(ステップS26)。そして、ハ
ロゲンランプ3の光量を微小量ずつ上昇させるごとに、
電子写真複写機にコピーを行わせ、そのとき得られるコ
ピー濃度がコピー濃度センサOsで検出され、その値が
読取られる(ステップS27)。
【0066】そして、コピー濃度センサOsの読取値
が、図7の故障有無判別基準値に照らされ、画像が薄い
コピーに達したとき(ステップS28)、そのときの光
量センサX、表面電位センサVsおよびトナー濃度セン
サDsの検出値が読取られる(ステップS29)。この
読取値は、たとえばX:3.5(V)、Vs:0.6
(V)、Ds:0.5(V)であったとする。
【0067】この読取られた値はメンバーシップ関数生
成部13へ送られる。メンバーシップ関数生成部13で
は、ステップS21で読取られた正常時のセンサ値と、
ステップS29で読取られた低濃度画像生成時のセンサ
値とを、それぞれ境界標として、濃度低下時のメンバー
シップ関数の生成が行われる。その結果、図5に示す濃
度低下時のメンバーシップ関数は、図11に示すものに
修復される。
【0068】以上のIF法の説明では、境界標としての
メンバーシップ関数を修復する場合を例にとって説明し
たが、定性量空間に定義される境界標は、メンバーシッ
プ関数ではなく、特定の値であってもよい。その場合、
IF法を用いれば、特定の境界標は、次のように修正さ
れる。たとえば、装置修復前の定性量空間に定義された
境界標を、図12に示すものとする。図12において
は、光量センサXの検出定量値が2.5(V)未満では
ロー(−)、2.5(V)以上で3.5(V)未満では
正常(N)、3.5(V)以上ではハイ(+)に定性値
化されることを意味している。同様に、この境界標によ
れば、表面電位センサVsの検出定量値が0.5(V)
未満ではロー(−)、0.5(V)以上でかつ2.7
(V)未満では正常(N)、2.7(V)以上ではハイ
(+)に定性値化される。また、トナー濃度センサDs
の検出定量値は、0.5(V)未満ではロー(−)、
0.5(V)以上でかつ2.1(V)未満では正常
(N)、2.1(V)以上ではハイ(+)に定性値化さ
れる。
【0069】画像形成装置のセンサ検出値を定性値化す
るための境界標が、図12に示すものである場合におい
て、上述した図9に示すIF法が実行されると、図12
に示す境界標は、図13に示す境界標に修正される。図
13において、たとえば光量センサXの境界標を例にと
れば、2.9(V)は、図9のステップS21において
読取られた故障修復後の光量センサXの読取値である。
一方、2.6(V)は、図9のステップS25において
読取られた光量センサXの読取値である。つまり、IF
法により強制的にこの電子写真複写機に画像かぶりを発
生させたときの画像かぶり発生開始時の光量センサXの
読取値である。また、3.2(V)は、図9のステップ
S29で読取られた光量センサXの読取値である。つま
り、修復後の電子写真複写機にIF法により強制的に画
像濃度低下という故障症状を発現させたとき、その故障
症状が発現開始するときの光量センサXの読取値であ
る。
【0070】それゆえ、図13に示すIF法により修正
した後の境界標は、修復した電子写真複写機に合わせて
訂正されていることになる。よって、境界標をたとえメ
ンバーシップ関数を用いて定義しなくても、装置の故障
が修復されるごとに、境界標は動的に修正され、修復さ
れた装置に適合されているわけである。なお、図13に
おける表面電位センサVsおよびトナー濃度センサDs
についても同様である。
【0071】上述のIF法は、故障修復に成功した後に
行われる以外、たとえばサービスマン等がマニュアルで
IF法実行信号を入力したことに応答して行われてもよ
い。この発明は、上述した実施例の内容に制限されるこ
となく、請求の範囲に記載の範囲に基づき、種々の変更
が可能である。たとえば、上述の実施例では小型の電子
写真複写機を例にとって説明したが、この発明にかかる
制御装置は、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等の
他の画像形成装置を制御対象とする場合にも適用でき
る。
【0072】
【発明の効果】この発明によれば、制御対象である画像
形成装置から得られる検出値を定性値に変換する際の定
性量空間の境界標を、制御対象である装置の状態に合わ
せて動的に定めることができ、あるいは修正することが
できる。それゆえ、得られる検出値を正しい境界標に基
づいて正しく定性値に変換することができ、その後の制
御が効果的に行える制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用された小型の電子写真複写機の
機械構成図である。
【図2】図1に示す小型の電子写真複写機の機能ブロッ
ク図である。
【図3】図1に示す小型の電子写真複写機の簡略化した
パラメータモデルである。
【図4】画像かぶり時に用いるX,Vs,Dsのメンバ
ーシップ関数を示す図である。
【図5】画像濃度低下時に用いるX,Vs,Dsのメン
バーシップ関数を示す図である。
【図6】ファジイ定性推論のアルゴリズムを表わすフロ
ーチャートである。
【図7】故障有無判別基準値の一例を示す図である。
【図8】故障症状「画像かぶり」の仮想事例に列挙され
た故障を、X,Vs,Dsの3次元量空間で表現した図
である。
【図9】疑似故障法(IF法)の処理内容を表わすフロ
ーチャートである。
【図10】IF法により修復された画像かぶり時のメン
バーシップ関数を示す図である。
【図11】IF法により修復された画像濃度低下時のメ
ンバーシップ関数を示す図である。
【図12】IF法により修正される前の境界標(メンバ
ーシップ関数を用いないもの)の一例を示す図である。
【図13】IF法により修正された後の境界標(メンバ
ーシップ関数を用いないもの)の一例を表わす図であ
る。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 メインチャージャ 3 ハロゲンランプ 4 現像装置 5 転写・分離チャージャ 2C メインチャージャコントローラ 3C ハロゲン光量コントローラ 5C 転写チャージャコントローラ 11 診断/修復推論部 12 仮想事例保持部 13 メンバーシップ関数生成部 14 疑似故障発生部 X 光量センサ Vs 表面電位センサ Ds トナー濃度センサ Os コピー濃度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼川 弘之 東京都千代田区四番町8四番町住宅804

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象である画像形成装置から得られる
    検出値を定性値に変換し、変換した定性値を用いて所定
    の制御を行う制御装置において、 前記検出値を定性値に変換する際に必要な定性量空間の
    境界標が記憶された境界標記憶手段と、 所定のタイミングで、前記画像形成装置に故障を強制的
    に引き起こし、少なくとも故障を引き起こしたときに得
    られた検出値を用いて、前記境界標記憶手段に記憶され
    た境界標を修正する境界標修正手段と、 修正された境界標を用いて、画像形成装置から得られる
    検出値を定性値に変換する変換手段と、を含むことを特
    徴とする制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の制御装置において、 前記境界標修正手段は、故障を引き起こす前に得られた
    検出値と、故障を引き起こしたときに得られた検出値と
    を用いて境界標を修正することを特徴とするものであ
    る。
  3. 【請求項3】請求項2記載の制御装置において、 前記境界標は、ファジイ理論のメンバーシップ関数によ
    り定められていることを特徴とするものである。
  4. 【請求項4】請求項1または3記載の制御装置におい
    て、 前記制御装置は、画像形成装置に生じた故障を修復する
    ための故障修復手段を備え、 前記境界標修正手段が境界標を修正するために、画像形
    成装置に故障を強制的に引き起こすタイミングは、前記
    故障修復手段による故障修復が完了される度であること
    を特徴とするものである。
  5. 【請求項5】請求項1または3記載の制御装置におい
    て、 前記境界標修正手段が境界標を修正するために、画像形
    成装置に故障を強制的に引き起こすタイミングは、マニ
    ュアル操作等により修正要求信号が入力されたときであ
    ることを特徴とするものである。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3または4記載の画像形成
    装置において、 前記画像形成装置には予め定める複数の部位の状態を検
    出するための複数のセンサが備えられており、 前記検出値は複数のセンサから与えられることを特徴と
    するものである。
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