JP2793420B2 - 自己診断可能な画像形成装置 - Google Patents

自己診断可能な画像形成装置

Info

Publication number
JP2793420B2
JP2793420B2 JP4066441A JP6644192A JP2793420B2 JP 2793420 B2 JP2793420 B2 JP 2793420B2 JP 4066441 A JP4066441 A JP 4066441A JP 6644192 A JP6644192 A JP 6644192A JP 2793420 B2 JP2793420 B2 JP 2793420B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
qualitative
failure
value
sensor
values
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4066441A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05273807A (ja
Inventor
芳樹 下村
貞夫 谷川
靖 梅田
哲男 冨山
弘之 ▲吉▼川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mita Industrial Co Ltd filed Critical Mita Industrial Co Ltd
Priority to JP4066441A priority Critical patent/JP2793420B2/ja
Publication of JPH05273807A publication Critical patent/JPH05273807A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2793420B2 publication Critical patent/JP2793420B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Test And Diagnosis Of Digital Computers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自己診断システムを
有する画像形成装置に関するものである。より詳しく
は、近年盛んに研究が行われている人工知能、知識工学
を利用して、装置が動作状態等を自己診断し得るように
した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】精密機械や産業機械等の開発分野におい
ては、保全作業の省力化や自動運転の長期化を実現する
ために、最近、人工知能(Artificial Intelligence:い
わゆるAI)技術を利用したエキスパートシステムの研
究が盛んに行われている。エキスパートシステムの中に
は、装置に故障が生じたか否かを自己診断し、また生じ
た故障を自己修復するものが見受けられる。
【0003】ところが、従来のエキスパートシステム
(自動調節システムや故障診断システム)は、基本的に
は、或るセンサの出力に基づいて対応するアクチュエー
タを作動させるだけであったので、自己修復機械として
は完全なものとはいえなかった。そこで、本願出願人
は、定性物理に基づく対象モデル上での診断/修復推論
を用いた機械制御法を見出し、係る機械制御法を利用し
て、画像形成装置のための新規な自己診断および自己修
復システムを発明し、特許出願を行った(たとえば特願
2−252191号(特開平4−130459号)
照)。
【0004】この先願にかかる画像形成装置のための自
己診断および自己修復システムは、次の特徴を備えてい
る。すなわち、 (1)対象機械(画像形成装置)に備えられたセンサの
検出値を定性値に変換して制御に用いること。 (2)画像形成装置の構造および特性を、画像形成装置
の性質を表わすパラメータの因果関係ネットワーク(パ
ラメータモデル)を用いて定性的に表現していること。
【0005】(3)定性値に変換されたセンサ値を、パ
ラメータモデルにあてはめ、故障診断および故障修復推
論のための定性シミュレーションを行っていること、で
ある。 つまり、定性モデルベースドシステム(Qualitative Mo
del Based System(QMS))による故障診断および故
障修復を行っていることである。
【0006】このような特徴を有する本願出願人の先願
に係る自己診断および自己修復システムによれば、万一
画像形成装置がその構造変更等を伴うような故障を生じ
たとしても、それに柔軟に対応可能である。なぜなら
ば、定性シミュレーションを利用することにより、対象
機械の制御点や制御ループを動的に変更することが可能
だからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
願に係る自己診断および自己修復システムにおいては、
センサの検出値を定性値に変換する際に、その変換に誤
りが生じるという可能性があった。なぜならば、センサ
検出値を定性値に変換する場合には、定性量空間上に境
界標を定義し、その境界標よりも検出値が大きいかまた
は小さいかにより異なる定性値に変換されるわけである
から、境界標は正しく定められていなければならない。
【0008】ところがこの境界標は、画像形成装置の使
用環境等により変化することがあるし、また、センサ検
出値自体も、センサの測定精度の限界等により必ずしも
正確な値とはならないことがある。それゆえ、従来のシ
ステムにおいては、制御の基礎となるセンサ検出値の定
性値化にばらつきが生じ、その結果、正確な定性シミュ
レーションが行えず、故障診断や故障修復に誤りが生じ
るおそれがあった。
【0009】そこで、この発明は、正確な故障診断が可
能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
装置に生じている故障を自己診断することのできる画像
形成装置であって、装置の故障状態を表わすパラメータ
の定性値の組を出力する出力手段と、装置の予め定める
複数の部位の状態を検出するための複数のセンサと、各
センサに対応して設けられ、各センサの検出値を定性値
に変換する際に必要な定性量空間の境界標がファジイ理
論のメンバーシップ関数として記憶された境界標記憶手
段と、所定のタイミングで、装置に故障を強制的に引き
起こし、故障を引き起こす前に読取った前記複数のセン
サの検出値と、故障を引き起こしたときに読取った前記
複数のセンサの検出値とを用いて、前記境界標記憶手段
に記憶されたメンバーシップ関数を修正する境界標修正
手段と、装置に故障症状が発現したとき、前記複数のセ
ンサの検出値を読取り、前記境界標記憶手段に記憶され
たメンバーシップ関数を用いて、各センサの検出値をフ
ァジイ定性値に変換する変換手段と、前記変換手段で変
換されたファジイ定性値と前記出力手段から出力される
定性値の組とを比較し、発現中の故障症状を引き起こし
ている故障を特定するために、ファジイ定性値と所定の
関係にある定性値の組を選択する選択手段と、を含むこ
とを特徴とするものである。
【0011】請求項2記載の発明は、前記画像形成装置
において、さらに、前記選択手段で選択された定性値の
組に設定されている故障を修復するように作動する故障
修復手段を含むことを特徴とするものである。請求項3
記載の発明は、前記画像形成装置において、前記境界標
修正手段がメンバーシップ関数を修正するために、装置
に故障を強制的に引き起こすタイミングは、前記故障修
復手段により故障修復が完了される度であることを特徴
とするものである。
【0012】請求項4記載の発明は、前記画像形成装置
において、前記境界標修正手段がメンバーシップ関数を
修正するために、装置に故障を強制的に引き起こすタイ
ミングは、マニュアル操作等により修正要求信号が入力
されたときであることを特徴とするものである。請求項
5記載の発明は、前記画像形成装置において、前記境界
標記憶手段に記憶されたメンバーシップ関数は、故障症
状別にそれぞれ記憶されていることを特徴とするもので
ある。
【0013】請求項6記載の発明は、前記画像形成装置
において、前記選択手段は、定性量空間を定義し、定性
値の組と、前記ファジイ定性値とを、定性量空間内の位
置関係で比較し、ファジイ定性値の位置から最も近い定
性値の組を選択することを特徴とするものである。請求
項7記載の発明は、前記出力手段は、前記画像形成装置
を、装置の性質を表わすパラメータの因果関係ネットワ
ークによって定性的に表現し、装置に故障症状が発現し
たと仮定したときに、装置に有り得るすべての状態を前
記パラメータの因果関係ネットワークを使って定性的に
シミュレーションし、その結果を出力することを特徴と
するものである。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明によれば、装置に故障症状
が発現したとき、複数のセンサの検出値が読取られて、
各検出値はファジイ定性値に変換される。センサの検出
値をファジイ定性値に変換する際に必要な境界標として
のメンバーシップ関数は、装置に故障を強制的に引き起
こすという疑似故障法により修正される。それゆえ、フ
ァジイ定性値への変換に必要なメンバーシップ関数を常
に最適な値に修正していくことができ、センサ検出値を
精度良くファジイ定性値に変換できる。変換されたファ
ジイ定性値は、定性値の組と比較され、ファジイ定性値
と所定の関係、たとえばファジイ定性値と最も近い関係
にある定性値の組が選択される。そして選択された定性
値の組に設定されている故障が、今回の故障症状を引き
起こした原因であると推定される。
【0015】請求項2記載の発明によれば、推定された
故障が自動的に修復される。請求項3記載の発明によれ
ば、メンバーシップ関数を修正するタイミングは、故障
修復完了の度であるから、故障修復により装置のパラメ
ータに変化が生じ、その境界標が変化しても、その変化
に追従してメンバーシップ関数を修正することができ
る。
【0016】請求項4記載の発明によれば、サービスマ
ン等によりマニュアル操作で修正要求信号が入力される
ごとに、疑似故障法によるメンバーシップ関数の修正が
行われるので、必要なときにメンバーシップ関数の修正
ができる。請求項5記載の発明によれば、故障症状別に
メンバーシップ関数が記憶されているから、故障症状別
に、センサの検出値をより正確にファジイ定性値に変換
することができる。
【0017】請求項6記載の発明では、ファジイ定性値
と定性値の組とを比較する際に、定性量空間が定義され
て、その定性量空間内の位置関係で定性値の組が選択さ
れる。係る定性量空間内の位置関係に基づいて定性値の
組を選択すると、定性値の組の選択にばらつきが生じ
ず、選択精度が向上する。請求項7記載の方法発明によ
れば、定性値の組を故障ごとに利用しやすい状態で整理
することができる。
【0018】
【実施例】以下には、図面を参照して、小型の電子写真
複写機に適用された自己診断および自己修復システムを
一実施例として説明する。図1は、この発明が適用され
た小型の電子写真複写機の機械構成図であり、この発明
に関係する部分のみが図解的に示された図である。図1
において、1は感光体ドラム、2はメインチャージャ、
3は原稿照明用のハロゲンランプ、4は現像装置、5は
転写・分離チャージャである。
【0019】メインチャージャ2には、メインチャージ
ャの放電電圧を変化させるためのメインチャージャコン
トローラ2Cが接続されている。また、ハロゲンランプ
3には、ハロゲンランプ3の光量を制御するためのハロ
ゲン光量コントローラ3Cが接続されている。さらに、
転写・分離チャージャ5には、このチャージャ5による
放電電圧、すなわち感光体ドラム1とコピー用紙間の転
写電圧を制御するための転写チャージャコントローラ5
Cが接続されている。
【0020】電子写真複写機では、得られたコピー画像
が美しく仕上がっている(正常)か否かが最も重要なこ
とである。そこでこの実施例は、得られたコピー画像が
正常か、画像かぶりを生じているか、画像が薄いかを自
動的に検出し、得られたコピーが画像かぶりを生じてい
たり薄い場合には、係る症状を引き起こしている原因、
すなわち故障を突き止め、その故障を自己修復する装置
を例にとって説明する。
【0021】この実施例には、たとえば4つのセンサが
設けられている。すなわち、感光体ドラム1を露光する
光の量(換言すれば、ハロゲンランプ3の光量)を測定
するための光量センサX、露光後の感光体ドラム1の表
面電位を測定する表面電位センサVs、感光体ドラム1
上のトナー濃度を検出するためのトナー濃度センサD
s、および、コピー濃度センサOsである。コピー濃度
センサOsは、この電子写真複写機によって形成された
コピー画像の濃度を検出するためのものである。コピー
濃度センサOsの検出出力Osに基づいて、電子写真複
写機が正常か、故障症状として画像かぶりが生じている
か、画像が薄いかが判別される。
【0022】図2は、図1に示す小型の電子写真複写機
の機能ブロック図であり、この発明に関係する部分のみ
が示されている。図2において、角の丸まったブロック
はいわゆるハードウェアによる機能を表わしており、角
の尖ったブロックは、いわゆるソフトウェアによる機能
(コンピュータ内で実行されるプログラム処理)を表わ
している。なお、ハードウェアによる機能およびソフト
ウェアによる機能の区分けは一例であり、ソフトウェア
の機能をハードウェアにより実現するようにしてもよ
い。
【0023】図2の機能ブロックと、図1の機械構成と
の対応関係は、次のとおりである。すなわち、図2のセ
ンサには、図1の光量センサX、表面電位センサVs、
トナー濃度センサDs、およびコピー濃度センサOsが
含まれている。図2のアクチュエータコントローラに
は、図1のメインチャージャコントローラ2C、ハロゲ
ン光量コントローラ3Cおよび転写チャージャコントロ
ーラ5Cが含まれている。図2のアクチュエータには、
図1のメインチャージャ2、ハロゲンランプ3および転
写・分離チャージャ5が含まれている。
【0024】図2において、ソフトウェアによる機能ブ
ロックは、たとえば4つの機能ブロックに区分される。
すなわち、診断/修復推論部11、出力部12、メンバ
ーシップ関数生成部13、および、疑似故障発生部14
である。出力部12は、たとえば、表1および表2に例
示する装置の故障症状を表わす特徴的なパラメータの定
性値の組(以下、単に「定性値の組」という)を定性シ
ミュレーションにより生成して出力する。ここに定性値
の組とは、電子写真複写機に一時に生じる故障は単一故
障であると限定した条件のもとで、故障が生じたときの
装置状態を定性シミュレーションし、そのシミュレーシ
ョン結果のうちの装置にあり得る状態である。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】定性値の組の生成は、上述した本願出願人
の先願(特願2−252191号(特開平4−130
459号))等で説明した定性シミュレーションを用い
て行うことができる。定性シミュレーションの仕方を簡
単に説明すると、次のとおりである。この電子写真複写
機を、物理的な点から捉えて複数個の要素の結合とし
て表現し、各要素の挙動および属性ならびに各要素間の
結合関係をパラメータを用いて定性的に表わすと、図3
に示すパラメータモデルが得られる。なお、この図3に
示すパラメータモデルは、コピー濃度パラメータOsに
関連するパラメータのみを取り出した簡略化モデルであ
る。
【0028】図3に示すパラメータモデルにおいて、H
lはハロゲンランプ3の光量パラメータ、Dは原稿の光
学濃度パラメータ、Xは感光体ドラム1を露光する光量
のパラメータ、βは感光体ドラム1の感度パラメータ、
Vnはメインチャージ後の感光体ドラム1の表面電位パ
ラメータ、Vsは露光後の感光体ドラム1の表面電位パ
ラメータ、Vbは現像バイアスのパラメータ、γ0 はト
ナー感度のパラメータ、Dsはドラム上での画像濃度
(トナー濃度)のパラメータ、Vtは転写電圧のパラメ
ータ、ζは用紙感度のパラメータ、を示している。これ
らパラメータのうち、D、β、γ0 およびζは変動する
可能性が小さいので固定値とみなすことができる。それ
ゆえ、コピー濃度パラメータOsが変化する原因は、H
l、Vn、Vb、または、Vtのいずれかが変化したこ
とに起因すると推測できる。そしてこれら4つのパラメ
ータHl、Vn、VbまたはVtが変化してOsが変化
するとき、その変化は必ず3つのセンス対象パラメータ
X、VsまたはDs(図3において丸で囲ったもの)を
変化させる(ただし、Vtの変化に起因するときのみ、
X,Vs,Dsはいずれも変化しない)。
【0029】定性値の組を生成するための定性シミュレ
ーションは、上述したように、電子写真複写機に一時に
生じる故障は単一故障であるとの前提にたっている。そ
れゆえ、Hl(ハロゲンランプ)不良の場合、Vn(メ
インチャージャ)不良の場合、Vb(現像バイアス)不
良の場合、および、Vt(転写チャージャ)不良の場合
のそれぞれにつき、センス対象パラメータX,Vs,D
sの状態が異なる。そこで、この状態が推論されて、定
性値の組として出力される。
【0030】次に、定性値の組の生成の仕方の具体例に
ついて、図3のパラメータモデルを用いて説明する。コ
ピー濃度が異常になり、Osがハイ(+)になったとす
る。Os:ハイ(+)の原因がHl:ロー(−)なら
ば、Xはロー(−)となる。また、Os:ハイ(+)の
原因がVn、VbまたはVtの変化に起因するならば、
Xは正常(N)である。なぜならば、定性値の組の生成
は、電子写真複写機に一時に生じる故障は単一故障であ
るとの前提に立っているからである。よって、Os:ハ
イ(+)では、Xは正常(N)またはハイ(+)でなけ
ればならず、ロー(−)はあり得ない。
【0031】一方、Os:ハイ(+)の根本原因がHl
ならば、Hl:ロー(−)でなければならず、Hlの変
化はパラメータモデル上でX,VsおよびDsに影響を
及ぼすはずである。なぜならば、影響を及ばさない程度
のHlの変化であれば、その結果としてOsも変化しな
いからである。よって、Hlが故障症状を引き起こす根
本原因、つまり故障ならば、X、Vs、および、Ds
は、正常(N)にはなり得ない。
【0032】このように、定性値の組は、コピー濃度パ
ラメータOsが異常を示す場合、その原因は必ず単一
パラメータの変化に起因すると限定し、かつ、パラメ
ータ変化はセンス対象パラメータ(図3において丸で囲
ったパラメータ)に必ず影響を与えている、と仮定して
生成される。かかる,の条件下で定性値の組を生成
すると、装置に実際に生じ得るもののみを定性値の組と
して得られる。
【0033】定性値の組の具体例は表1,表2の通りで
ある。表1は、この電子写真複写機に故障症状「画像か
ぶり」が生じたときの4つの定性値の組を示している。
表1は、次のようにして求められたものである。電子写
真複写機でコピーされた画像に画像かぶりが生じている
場合、図3のパラメータモデルから、その原因として、
Hl(ハロゲンランプ)不良、Vn(メインチャージ
ャ)不良、Vb(現像バイアス)不良、または、Vt
(転写チャージャ)不良、が推測できる。
【0034】この場合において、上記の故障は単一故
障に限ること、および、Hlの変化が必ず他のパラメ
ータにも影響を及ぼす、という2つの条件に当てはめる
と、画像かぶりの原因がHl不良の場合には、パラメー
タXはロー(−)、パラメータVsはハイ(+)、パラ
メータDsはハイ(+)になるはずであり、これ以外の
状態はとらない。
【0035】また、画像かぶりの原因がVn不良の場合
は、パラメータXは正常(N)、パラメータVsはハイ
(+)、パラメータDsはハイ(+)となるはずであ
り、これ以外の状態はとらない。また、画像かぶりの原
因が、Vb不良の場合は、パラメータXは正常(N)、
パラメータVsは正常(N)、パラメータDsはハイ
(+)となるはずであり、これ以外の状態はとらない。
【0036】また、画像かぶりの原因が、Vt不良の場
合、パラメータXは正常(N)、パラメータVsは正常
(N)、パラメータDsは正常(N)となるはずであ
り、これ以外の状態はとらない。なお、表1における各
パラメータ状態に付加された「1.0」の数値は、後述
するファジイ理論のメンバーシップ関数における度合い
を示している。このファジイ理論のメンバーシップ関数
を導入したことの利点等については後述する。
【0037】同様に、この電子写真複写機で得られるコ
ピーの濃度が薄い場合、その原因は、図3のパラメータ
モデルにより、Hl(ハロゲンランプ)不良、Vn(メ
インチャージャ)不良、Vb(現像バイアス)不良、ま
たは、Vt(転写チャージャ)不良が推測され、各不良
が生じたときのセンス対象パラメータX,VsおよびD
sの状態は表2に示すとおりとなる。
【0038】上記表1や表2に例示した定性値の組が、
出力部12において必要に応じて定性シミュレーション
により求められ、出力される。定性値の組には、また、
各故障症状における故障ごとに、推論された修復方法が
含まれていてもよい。たとえば、故障症状「画像かぶ
り」の故障「Hl不良」に対しては、次の表3のような
修復方法を含ませることができる。この修復方法も、定
性シミュレーションにより求められる。
【0039】
【表3】
【0040】次に、図2のメンバーシップ関数生成部1
3には、図4および図5に例示するように、故障症状ご
とに、光量センサX、表面電位センサVsおよびトナー
濃度センサDsの検出値を定性値化する際に用いるメン
バーシップ関数が記憶されている。メンバーシップ関数
は、公知のとおり、ファジイ理論において、或る要素が
或る集合に属する度合い(グレード)を規定する関数で
ある。
【0041】たとえば図4は、故障症状「画像かぶり」
時に用いるX,Vs,Dsのメンバーシップ関数を示し
ている。コピー濃度センサOs(図1参照)の出力に基
づいてこの電子写真複写機から出力されるコピーに画像
かぶりが生じていると診断/修復推論部11(図2参
照)において判別されると、そのときの光量センサX、
表面電位センサVsおよびトナー濃度センサDsの検出
値が、メンバーシップ関数生成部13に記憶された図4
に示すメンバーシップ関数に基づいて定性値化される。
たとえば、光量センサXの検出値が定量値で2.2
(V)未満では、パラメータX(−:1.0、N:0.
0)に定性値化される。光量センサXの検出定量値が
2.29(V)では、パラメータX(−:0.7、N:
0.3)に定性値化される。また、光量センサXの検出
定量値が2.5(V)以上では、パラメータX(−:
0.0、N:1.0)に定性値化される。
【0042】表面電位センサVsの検出定量値およびト
ナー濃度センサDsの検出定量値も、同様に、図4に示
すVsのメンバーシップ関数およびDsのメンバーシッ
プ関数を用いて、それぞれ定性値化される。また、画像
濃度が薄いと判別された場合には、光量センサX、表面
電位センサVsおよびトナー濃度センサDsの検出定量
値は、図5に示すX,Vs,Dsのメンバーシップ関数
を用いて、それぞれ定性値化される。
【0043】次に、図4または図5に示すメンバーシッ
プ関数の設定の仕方について説明をする。一般に、セン
サの検出定量値を定性値に変換するためには、量空間上
に境界標(ランドマーク)を定義する必要がある。とこ
ろが、修復後の電子写真複写機の正常状態の変化やセン
サの測定精度の限界を考慮すると、境界標を静的なもの
として決定することは容易ではない。もし、境界標を静
的なものとして決定し、その決定に誤りがあれば、この
制御の前提をなすセンサ値の定性値化が正確に行われな
いこととなり、その後の故障診断や故障修復において、
誤診や誤修復が行われる可能性が大きくなる。
【0044】そこでこの実施例では、上述のように、故
障症状ごとに境界標を定義し、かつ、境界標をファジイ
理論のメンバーシップ関数を用いて定義した。故障症状
に応じたメンバーシップ関数を用いてセンサの検出定量
値を定性値化するようにすると、センサの読取誤差や、
使用環境の変化等によるセンサ出力の変動に柔軟にかつ
好適に対処できる。
【0045】また、センサの検出定量値を定性値化する
場合に、ファジイ理論のメンバーシップ関数を導入する
と、センサの測定精度や使用環境の変化等に依存する実
測定量値と定性値との対応づけに関する問題に柔軟に対
処することができ、センサ値を定性値化する際に、誤り
を生じにくくできる。なお、この段階では、定性値化さ
れたパラメータは、直ちに定性値の組に当てはめていず
れかの故障を選択するために用いられるわけではない。
後述するように、定性値の組に含まれる複数の故障の1
つを選択するために、所定の計算式に基づいて、パラメ
ータの状態と最も状態の近い定性値の組の故障が求めら
れる。
【0046】さらに、この実施例では、疑似故障法(Im
itation Fault 法:IF法 )を導入した。IF法は、電
子写真複写機を出荷する前の初期時、故障修復後、また
はマニュアル入力に基づく任意のタイミングで、アクチ
ュエータを操作することにより電子写真複写機に故障を
強制的に引き起し、故障を引き起こす前の正常時および
故障時のセンサ情報を用いて境界標を動的に決定すると
いう方法である。図4および図5に示すメンバーシップ
関数は、このIF法を用いて決定されたものである。I
F法を用いれば、実際の制御対象である電子写真複写機
ごとに、センサの検出定量値を定性値化するために必要
な量空間上の境界標を動的に決定できるから、定性値化
の基礎をなす境界標を装置毎に精度良く定義することが
できる。
【0047】また、IF法を用いれば、後述するよう
に、装置が初期状態のときに定義した境界標を、故障修
復が完了するごとに修正できるから、装置の経時的変化
や使用環境の変化等に合わせて、量空間上の境界標を常
に最適な値に更新していくことができる。図2に戻っ
て、この電子写真複写機の機能ブロックには、上述した
IF法を実行するための疑似故障発生部14が備えられ
ている。
【0048】なおこの実施例では、図4および図5に示
すように、量空間上の境界標は、ファジイ理論のメンバ
ーシップ関数を用いて定義されている。つまり、境界標
がファジイ化されている。境界標をファジイ化すると、
上述のように、センサの読取誤差が生じたり、環境変化
等の外乱により境界標が変化しても、柔軟に対処できる
という利点がある。
【0049】図6は、図2に示す診断/修復推論部11
において行われるファジイ定性推論(Fuzzy Qualitativ
e Reasoning : FQR)のアルゴリズムを表わすフロー
チャートである。次に図6の流れに沿って、この電子写
真複写機における故障診断および故障修復処理について
説明をする。制御動作が始まると、診断/修復推論部1
1によってコピー濃度センサOsの検出値が読取られる
(ステップS1)。そして読取られたコピー濃度Osは
予め定められた基準値と比較され、電子写真複写機が故
障しているか否かの判別がされる(ステップS2)。
【0050】たとえば、基準値として、図7に示す条件
が記憶されているとする。すなわち、検出電圧が2.5
(V)未満では画像が薄い、検出電圧が2.5(V)以
上で2.9(V)未満では正常、検出電圧が2.9
(V)以上では画像かぶりという故障有無判別基準値が
設定されているとする。このとき、コピー濃度センサO
sの検出値が3.1(V)ならば、故障症状「画像かぶ
り」が生じていると判定される(ステップS3)。
【0051】上記ステップS1〜S3の処理は、この実
施例にかかる電子写真複写機が自動的に故障の有無を判
別する機械であるために行われる処理であるが、この処
理は手動によって行ってもよい。手動によりステップS
1〜S3の処理を行う場合、コピー濃度センサOsを設
けなくてよい。手動による処理では、電子写真複写機か
ら出力されるコピーを見て、サービスマン等が、コピー
がたとえば画像かぶりを生じていると判断すればよい。
そしてこの場合、故障症状として画像かぶりが装置へ入
力される。故障症状の入力は、電子写真複写機に通常備
えられているテンキー等によって入力できるようにすれ
ばよい。
【0052】ステップS3において、故障症状「画像か
ぶり」が判別されると、次に、光量センサX、表面電位
センサVsおよびトナー濃度センサDsの検出値が読取
られる(ステップS4)。今、読取られた各センサの検
出値が、X:2.26(V)、Vs:2.(V)、D
s:1.9(V)であったとする。読取られた各セン
サ値はメンバーシップ関数生成部13に記憶された画像
かぶり時のメンバーシップ関数(図4)に当てはめら
れ、仮の定性値が決められる(ステップS5)。この具
体例では、X:2.26、Vs:2.、Ds:1.9
が、それぞれ、図4のメンバーシップ関数に当てはめ
られ、X:−0.8、Vs:+0.9、Ds:+0.
7、が得られる。
【0053】 つまり、(X,Vs,Ds)=(2,26,2.,1.9) =p(−0.8,+0.9,+0.7) が得られる。なお、センサ検出値の定性値化を、メンバ
ーシップ関数を用いたファジイ定性値化ではなく、特定
の境界標に基づいて行うならば、 (X,Vs,Ds)=(−,+,+) が得られる。
【0054】次に、表1に示す故障症状「画像かぶり」
の定性値の組が出力部12において求められ、この定性
値の組に列挙された故障と、ステップS5で求められた
仮の定性値との一致度Cが算出される(ステップS
6)。この一致度Cの算出は、次のようにして行われ
る。先ず、故障症状「画像かぶり」の定性値の組に列挙
された故障を、X,Vs,Dsの3次元量空間で表現す
る。この表現は、次式で表わせる。
【0055】 Hl不良:(X,Vs,Ds)=f1(−1.0,+1.0,+1.0) Vn不良:(X,Vs,Ds)=(N1.0,+1.0,+1.0) =f2(−0.0,+1.0,+1.0) Vb不良:(X,Vs,Ds)=(N1.0,N1.0,+1.0) =f3(−0.0,+0.0,+1.0) Vt不良:(X,Vs,Ds)=(N1.0,N1.0,N1.0) =f4(−0.0,+0.0,+0.0) 上述の式を図化すると、図8に示す3次元量空間とな
る。図8において、f1、f2、f3、f4が、それぞ
れ、Hl不良、Vn不良、Vb不良およびVt不良の位
置である。
【0056】また、ステップS5で求められた仮の定性
値p(−0.8,+0.9,+0.7)は、図8の3次
元量空間において、pに位置する。そこで次に、点pか
ら定性値の組に列挙された各故障の位置f1,f2,f
3,f4までの距離Dを計算すると、次のとおりとな
る。 D(f1)=√{(0.8−1.0)2 + (0.9 −1.0)2 + (0.7 −1.0)2 }= 0.374 D(f2)=√{(0.8−0.0)2 + (0.9 −1.0)2 + (0.7 −1.0)2 }= 0.86 D(f3)=√{(0.8−0.0)2 + (0.9 −0.0)2 + (0.7 −1.0)2 }= 1.241 D(f4)=√{(0.8−0.0)2 + (0.9 −0.0)2 + (0.7 −0.0)2 }= 1.393 そして、上述の式で計算された距離Dが正規化され、一
致度Cが算出される。距離Dの正規化は、次の式に基づ
いてなされる。
【0057】C=1−D/√n (ただし、nはセンスパラメータの数:この場合n=
3) したがって、各一致度Cは、 C(f1)=1−0.374/√3=0.784 C(f2)=1−0.86/√3=0.503 C(f3)=1−1.241/√3=0.284 C(f4)=1−1.393/√3=0.196 となる。この結果、点pからの距離Dの最も近いf1、
すなわち一致度Cの最も大きなf1(Hl不良)が、故
障候補として決定される(ステップS7)。
【0058】なお、上述した一致度Cを算出する計算式
は、次の一般式で表わせる。 C=1−√{C(p1)2 +C(p2)2 +…+C(pn)2 }/√n C(pn)=Gm(qn)−Gs(qn) (但し、C:モデル全体の一致度、pn:測定可能な変
数、C(pn):変数pnに対する一致度、qn:変数
pnが取り得る定性値、Gm(qn):故障モデルにお
ける定性値qnのグレード、Gs(qn):測定値にお
ける定性値qnのグレード) なお、ファジイ定性値化でなく、特定の境界標に基づく
通常の定性値化を行う場合は、ステップS6の一致度C
の算出は省略され、 (X,Vs,Ds)=(−,+,+) から直ちに故障がHl不良と決定される。
【0059】ステップS7において、故障がHl不良と
決定されたので、出力部12に記憶されている故障症状
「画像かぶり」の故障「Hl不良」に対応した修復方法
(表3に示す方法)が、その優先度に従って実行され
る。優先度順に修復方法を行うために、ステップS8で
はカウンタxがクリアされ、ステップS9でカウンタx
がx=1にされる。次いで、カウンタxの値が記憶され
ている修復方法の登録個数を越えていないことが確認さ
れると(ステップS10)、記憶されている修復方法の
うち、カウンタxの値の優先度(たとえば、最初の修復
が行われる場合は、優先度No.1のHl:UP(ハロ
ゲンランプ光量を上昇する))の修復が行われる(ステ
ップS11)。
【0060】そして、この修復が成功したか否かの判別
がされる(ステップS12)。修復が成功したか否か
は、修復後に、コピーが行われ、その結果出力されるコ
ピーの濃度がコピー濃度センサOsで読取られることに
よりなされる。修復が成功しなかった場合、ステップS
9に戻り、カウンタxのカウント値を1インクリメント
して、次の優先度の修復が行われる。たとえば優先度N
o.2の修復であるVn:DOWN(メインチャージャ
電圧を下げる)が行われる。もし、次の優先度の修復が
登録されていない場合は、その時点で処理は終わる。
【0061】ステップS12において、修復が成功した
と判別されると、ステップS13に進み、IF法が実行
され、処理が終わる。上述のステップS13で行われる
IF法の処理内容を、図9に示す。次に、図9を参照し
てIF法について詳述する。故障修復に成功すると、診
断/修復推論部11によって、光量センサX、表面電位
センサVsおよびトナー濃度センサDsの検出値が読取
られる(ステップS21)。このとき読取られた各セン
サの検出値は、たとえば、X:2.9(V)、Vs:
1.6(V)、Ds:1.4(V)であったとする。
【0062】次いで、疑似故障発生部14(図2参照)
により、ハロゲン光量コントローラ3Cが操作され、ハ
ロゲンランプ3の光量が下げられる(ステップS2
2)。そして、ハロゲンランプ3の光量を微小量ずつ下
げるごとに、電子写真複写機にコピー動作をさせ、その
とき得られるコピーの濃度がコピー濃度センサOsで検
出され、その検出値が読取られる(ステップS23)。
コピー濃度センサOsの検出値は、上述した図7の故障
有無判別基準値に照らされ、Osの値が画像かぶりが発
生する基準値に達したとき、ハロゲンランプ3の光量を
下降する処理は中止される(ステップS24)。
【0063】そして、画像かぶりが発生するまでハロゲ
ンランプ3の光量を下げたときの光量センサX、表面電
位センサVsおよびトナー濃度センサDsの検出値が読
取られる(ステップS25)。読取られた検出値は、た
とえばX:2.6(V)、Vs:2.5(V)、Ds:
1.8(V)であったとする。ステップS21で読取ら
れた故障修復後のX,Vs,Dsの検出値およびステッ
プS25で読取られた画像かぶりが発生した時点での
X,Vs,Dsの検出値は、メンバーシップ関数生成部
13へ与えられ、画像かぶり時のメンバーシップ関数が
生成される。つまり、ステップS21で検出された値が
正常時の境界標、ステップS25で読取られた値が画像
かぶり発生開始時の境界標とされ、図4に示す画像かぶ
り時のメンバーシップ関数は、図10に示すメンバーシ
ップ関数に修復される。
【0064】次いで、疑似故障発生部14により、ハロ
ゲン光量コントローラ3Cが操作され、ハロゲンランプ
3の光量が上昇される(ステップS26)。そして、ハ
ロゲンランプ3の光量を微小量ずつ上昇させるごとに、
電子写真複写機にコピーを行わせ、そのとき得られるコ
ピー濃度がコピー濃度センサOsで検出され、その値が
読取られる(ステップS27)。
【0065】そして、コピー濃度センサOsの読取値
が、図7の故障有無判別基準値に照らされ、画像が薄い
コピーに達したとき(ステップS28)、そのときの光
量センサX、表面電位センサVsおよびトナー濃度セン
サDsの検出値が読取られる(ステップS29)。この
読取値は、たとえばX:3.5(V)、Vs:0.6
(V)、Ds:0.5(V)であったとする。
【0066】この読取られた値はメンバーシップ関数生
成部13へ送られる。メンバーシップ関数生成部13で
は、ステップS21で読取られた正常時のセンサ値と、
ステップS29で読取られた低濃度画像生成時のセンサ
値とを、それぞれ境界標として、濃度低下時のメンバー
シップ関数の生成が行われる。その結果、図5に示す濃
度低下時のメンバーシップ関数は、図11に示すものに
修復される。
【0067】上述のIF法は、故障修復に成功した後に
行われる以外、たとえばサービスマン等がマニュアルで
IF法実行信号を入力したことに応答して行われてもよ
い。この発明は、上述した実施例の内容に制限されるこ
となく、請求の範囲に記載の範囲に基づき、種々の変更
が可能である。たとえば、上述の実施例では小型の電子
写真複写機を例にとって説明したが、この発明にかかる
自己診断および自己修復システムは、レーザビームプリ
ンタ、ファクシミリ等の他の画像形成装置に対しても適
用することができる。
【0068】また、実施例は、電子写真複写機におい
て、得られたコピー画像が美しく仕上がっていない場合
に故障症状が発現したとして、その故障症状の発現の原
因である故障を自己修復する装置の説明に終始してい
る。しかしながら、この発明は、コピー画像が美しく仕
上がっているか否かとは異なる画像形成装置の他の故障
のための自己診断および自己修復に対しても適用するこ
とができる。
【0069】その他、種々の変更が可能である。
【0070】
【発明の効果】この発明によれば、画像形成装置に備え
られたセンサの検出値を定性値に変換する際に、その変
換が、装置の使用環境やセンサの検出精度等に影響され
ることなく、ばらつきなく行え、変換されたファジイ定
性値を用いて画像形成装置に故障症状を引き起こしてい
る故障を正しく推定することができる。
【0071】さらにまた、この発明によれば、センサ検
出値を定性値化する際にその基礎をなす境界標としての
メンバーシップ関数を、装置毎に精度良く定義すること
ができる。しかも、そのメンバーシップ関数を所定のタ
イミングで更新できるから、センサ検出値の定性値化が
常に正確に行え、誤診断や誤修復のない装置とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用された小型の電子写真複写機の
機械構成図である。
【図2】図1に示す小型の電子写真複写機の機能ブロッ
ク図である。
【図3】図1に示す小型の電子写真複写機の簡略化した
パラメータモデルである。
【図4】画像かぶり時に用いるX,Vs,Dsのメンバ
ーシップ関数を示す図である。
【図5】画像濃度低下時に用いるX,Vs,Dsのメン
バーシップ関数を示す図である。
【図6】ファジイ定性推論のアルゴリズムを表わすフロ
ーチャートである。
【図7】故障有無判別基準値の一例を示す図である。
【図8】故障症状「画像かぶり」の定性値の組に列挙さ
れた故障を、X,Vs,Dsの3次元量空間で表現した
図である。
【図9】疑似故障法(IF法)の処理内容を表わすフロ
ーチャートである。
【図10】IF法により修正された画像かぶり時のメン
バーシップ関数を示す図である。
【図11】IF法により修正された画像濃度低下時のメ
ンバーシップ関数を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 メインチャージャ 3 ハロゲンランプ 4 現像装置 5 転写・分離チャージャ 2C メインチャージャコントローラ 3C ハロゲン光量コントローラ 5C 転写チャージャコントローラ 11 診断/修復推論部 12 出力部 13 メンバーシップ関数生成部 14 疑似故障発生部 X 光量センサ Vs 表面電位センサ Ds トナー濃度センサ Os コピー濃度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼川 弘之 東京都千代田区四番町8四番町住宅804 (56)参考文献 特開 昭58−66967(JP,A) 特開 昭58−94012(JP,A) 特開 昭62−35916(JP,A) 特開 平2−82271(JP,A) 特開 平3−27058(JP,A) 特開 平2−311860(JP,A) 特開 平3−7963(JP,A) 特開 平3−10269(JP,A) 特開 平4−74224(JP,A) 特開 平4−258080(JP,A) 特開 平5−173821(JP,A) 特開 昭58−221856(JP,A) 特開 昭63−233655(JP,A) 特開 昭62−52601(JP,A) 特開 平1−219697(JP,A) 特開 平1−169611(JP,A) 特開 昭62−23328(JP,A) 特開 平1−278865(JP,A) 特開 平1−291918(JP,A) 特開 平2−235074(JP,A) 特開 平2−302828(JP,A) 特開 平2−113262(JP,A) 特開 昭63−70268(JP,A) 特開 平4−130330(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 21/00 370 - 540

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】装置に生じている故障を自己診断すること
    のできる画像形成装置であって、 装置の故障状態を表わすパラメータの定性値の組を出力
    する出力手段と、 装置の予め定める複数の部位の状態を検出するための複
    数のセンサと、 各センサに対応して設けられ、各センサの検出値を定性
    値に変換する際に必要な定性量空間の境界標がファジイ
    理論のメンバーシップ関数として記憶された境界標記憶
    手段と、 所定のタイミングで、装置に故障を強制的に引き起こ
    し、故障を引き起こす前に読取った前記複数のセンサの
    検出値と、故障を引き起こしたときに読取った前記複数
    のセンサの検出値とを用いて、前記境界標記憶手段に記
    憶されたメンバーシップ関数を修正する境界標修正手段
    と、 装置に故障症状が発現したとき、前記複数のセンサの検
    出値を読取り、前記境界標記憶手段に記憶されたメンバ
    ーシップ関数を用いて、各センサの検出値をファジイ定
    性値に変換する変換手段と、 前記変換手段で変換されたファジイ定性値と前記出力手
    段から出力される定性値の組とを比較し、発現中の故障
    症状を引き起こしている故障を特定するために、ファジ
    イ定性値と所定の関係にある定性値の組を選択する選択
    手段と、を含むことを特徴とする自己診断可能な画像形
    成装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の画像形成装置において、さ
    らに、 前記選択手段で選択された定性値の組に設定されている
    故障を修復するように作動する故障修復手段を含むこと
    を特徴とするものである。
  3. 【請求項3】請求項2記載の画像形成装置において、 前記境界標修正手段がメンバーシップ関数を修正するた
    めに、装置に故障を強制的に引き起こすタイミングは、
    前記故障修復手段により故障修復が完了される度である
    ことを特徴とするものである。
  4. 【請求項4】請求項2記載の画像形成装置において、 前記境界標修正手段がメンバーシップ関数を修正するた
    めに、装置に故障を強制的に引き起こすタイミングは、
    マニュアル操作等により修正要求信号が入力されたとき
    であることを特徴とするものである。
  5. 【請求項5】請求項1記載の画像形成装置において、 前記境界標記憶手段に記憶されたメンバーシップ関数
    は、故障症状別にそれぞれ記憶されていることを特徴と
    するものである。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3または4記載の画像形成
    装置において、 前記選択手段は、定性量空間を定義し、定性値の組と、
    前記ファジイ定性値とを、定性量空間内の位置関係で比
    較し、ファジイ定性値の位置から最も近い定性値の組を
    選択することを特徴とするものである。
  7. 【請求項7】請求項1記載の出力手段は、前記画像形成
    装置を、装置の性質を表わすパラメータの因果関係ネッ
    トワークによって定性的に表現し、装置に故障症状が発
    現したと仮定したときに、装置に有り得るすべての状態
    を前記パラメータの因果関係ネットワークを使って定性
    的にシミュレーションし、その結果を出力することを特
    徴とするものである。
JP4066441A 1992-03-24 1992-03-24 自己診断可能な画像形成装置 Expired - Lifetime JP2793420B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4066441A JP2793420B2 (ja) 1992-03-24 1992-03-24 自己診断可能な画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4066441A JP2793420B2 (ja) 1992-03-24 1992-03-24 自己診断可能な画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05273807A JPH05273807A (ja) 1993-10-22
JP2793420B2 true JP2793420B2 (ja) 1998-09-03

Family

ID=13315868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4066441A Expired - Lifetime JP2793420B2 (ja) 1992-03-24 1992-03-24 自己診断可能な画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2793420B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05273807A (ja) 1993-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2706399B2 (ja) 画像形成装置のための制御装置
JP2534387B2 (ja) 画像形成装置のための自己診断システム
JP2793419B2 (ja) 自己診断可能な画像形成装置
JP2793424B2 (ja) 自己診断可能な画像形成装置
EP0593018B1 (en) Image forming apparatus having self-repair function
JP2793420B2 (ja) 自己診断可能な画像形成装置
JP2793423B2 (ja) 自己診断可能な画像形成装置
JP2793422B2 (ja) 自己診断可能な画像形成装置
JP2793421B2 (ja) 自己診断可能な画像形成装置
JP2534385B2 (ja) 画像形成装置のための自己診断および自己修復システム
JP2534384B2 (ja) 画像形成装置のための自己診断システム
JP2534390B2 (ja) 画像形成装置のための自己診断および自己修復システム
JP2534386B2 (ja) 画像形成装置のための自己診断および自己修復システム
JPH06124021A (ja) 自己修復機能を有する画像形成装置
JP2534389B2 (ja) 画像形成装置のための自己診断および自己修復システム
JP2534388B2 (ja) 画像形成装置のための自己診断および自己修復システム
JPH06124014A (ja) 自己修復機能を有する画像形成装置
JP2579048B2 (ja) 画像形成装置のための自己診断および修復システム
JPH06124015A (ja) 自己修復機能を有する画像形成装置
JP2534395B2 (ja) 画像形成装置のための自己診断および自己修復システム
JPH07261476A (ja) 機能表現を利用した自己修復型画像形成装置
JPH06124018A (ja) 自己修復機能を有する画像形成装置
JPH06124016A (ja) 自己修復機能を有する画像形成装置
JPH06124013A (ja) 自己修復機能を有する画像形成装置
JPH06124020A (ja) 自己修復機能を有する画像形成装置