JP2534384B2 - 画像形成装置のための自己診断システム - Google Patents

画像形成装置のための自己診断システム

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JP2534384B2
JP2534384B2 JP2252111A JP25211190A JP2534384B2 JP 2534384 B2 JP2534384 B2 JP 2534384B2 JP 2252111 A JP2252111 A JP 2252111A JP 25211190 A JP25211190 A JP 25211190A JP 2534384 B2 JP2534384 B2 JP 2534384B2
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芳樹 下村
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弘 楠本
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、画像形成装置のための自己診断システム
に関するものである。より詳しくは、近年盛んに研究が
行われている人工知能、知識工学を利用して、画像形成
装置の動作状態等を自己診断するような装置やシステム
に関するものである。
〈従来の技術〉 精密機械や産業機械等の開発分野においては、保全作
業の省力化や自動運転の長期化を実現するために、最
近、人工知能(Artificial Intelligence:いわゆるAI)
技術を利用したエキスパートシステムの研究が盛んに行
われている。エキスパートシステムの中には、装置に故
障が生じたか否かを自己診断し、また生じた故障を自己
修復するものが見受けられる。
〈発明が解決しようとする課題〉 ところが、従来のエキスパートシステムによる故障診
断システムでは、(a)知識に汎用性がなく、様々な対
象に対しての故障診断ができないこと、(b)未知の故
障に対する診断ができないこと、(c)対象が複雑にな
ると、故障診断に必要な知識量が爆発的に増大するの
で、実現性が困難になること、(d)知識獲得が難しい
こと、等の限界が指摘されていた。
より具体的に説明すると、従来の自動調節システムや
故障診断システムは、基本的には、或るセンサの出力に
基づいて対応するアクチュエータを作動させるようにな
っていた。つまり、予め定めるセンサおよびアクチュエ
ータの組合わせにより、一種の自動調節や故障診断がな
されていた。よって、基本的には、或るセンサは特定の
アクチュタと対応しており、両者の関係は固定的であっ
た。それゆえ、 (1) センサのパラメータとアクチュエータのパラメ
ータとの関係は数値的に明示されていなければならない
こと。
(2) 上記(1)の理由から、センサのパラメータと
アクチュエータのパラメータとの関係は対象に強く依存
しており、汎用性に乏しいこと。つまり様々な対象に対
して利用ができないこと。
(3) 各センサ同士のパラメータ間または各アクチュ
エータ同士のパラメータ間の関係は制御と無関係であ
る。したがって、対応するセンサのパラメータとアクチ
ュエータのパラメータとの関係のみに基づく単純な制御
しか行えず、対処できる故障が予め限定されているこ
と。
つまり、設計段階で、起こり得る故障を予測し、その
故障対策の機構を盛込まなければならず、未知の故障は
扱えないこと。
(4) 上記(3)の理由から、任意のアクチュエータ
のパラメータを操作したことにより生じ得る他のアクチ
ュエータのパラメータへの副次的影響を予測できないこ
と。
等の問題点があった。
このように、従来の自動調節システムや故障診断シス
テムでは、予測故障AはセンサAおよびアクチュエータ
Aの組Aに基づいて行われ、予測故障BはセンサBおよ
びアクチュエータBの組Bに基づいて行われ、予測故障
CはセンサCおよびアクチュエータCの組Cに基づいて
行われるという具合に、それぞれ独立したセンサおよび
アクチュエータの組に基づく故障診断が行われ、またそ
れに基づく故障修復が行われていたにすぎなかった。
この発明は、このような従来技術を背景になされたも
ので、従来技術の欠点を解消した、画像形成装置のため
の新規な自己診断システムを提供することを目的とす
る。
〈課題を解決するための手段〉 この発明は、画像データを具現化して視認可能な画像
を生成する画像形成装置のための自己診断システムであ
って、 画像形成装置を複数個のパラメータを用いて定性的に
表した定性データ、前記パラメータのうちの予め定める
パラメータについての定性値の区分を特定する基準値デ
ータ、および前記パラメータのうちの特定のパラメータ
について、そのパラメータがとり得るべき条件を設定す
る故障診断知識、が記憶された記憶手段、 画像形成装置の予め定める箇所における機能状態を検
出して出力するための複数個のセンサ手段、 各センサ手段の出力を記憶手段に記憶された基準値デ
ータと比較することにより定性的な状態データに変換す
る手段、 変換された状態データを記憶手段に記憶された故障診
断知識と比較して、画像形成装置は正常か故障症状が発
生しているかを判別する故障判別手段、ならびに 故障判別手段が画像形成装置に故障症状が発生してい
ると判別したことに応答して、前記状態データを記憶手
段に記憶された定性データに当てはめることによって、
故障原因を推論する故障診断手段、 を含むことを特徴とする画像形成装置のための自己診断
システムである。
〈作用〉 この発明によれば、センサ手段から出力されるデータ
は、基準値データと比較されて定性的な状態データに変
換される。各状態データは故障診断知識と比較される。
その結果、たとえばある状態データが故障診断知識で設
定されている条件を満たしておらず、たとえば相対的に
低くまたは相対的に高くなったときに、故障症状が生じ
たと判別される。
そして、故障症状が発生している場合には、状態デー
タが記憶手段に記憶された定性データに当てはめられ
て、生じている故障症状の原因が推論され、画像形成装
置の構成要素のうちのいずれの要素に異常があるかが出
力される。
定性データは、或る画像形成装置に固有のデータでは
なく、多くの画像形成装置に共通的な、かつ定性的に表
わされたデータであるから、この発明にかかる自己診断
システムは、異なる種類の画像形成装置に簡単に組込む
ことができる。
〈実施例〉 システム構成の概要 第1図は、この発明の一実施例のシステム構成を示す
ブロック図である。このシステムには、対象機械上に設
置された複数のセンサ1a,1b,1cおよび対象機械の機能状
態等を変化させるための複数のアクチュエータ6a,6b,6c
が含まれている。
複数のセンサ1a,1b,1cは、それぞれ、この対象機械の
作動によって生じる対象機械の要素または該機械要素間
の関連状態の変化を検出するためのものである。複数の
センサ1a,1b,1cからそれぞれ取込まれる情報は、増幅回
路2で増幅され、A/D変換回路3でアナログ信号からデ
ィジタル信号に変換され、システム制御回路10へ与えら
れる。
システム制御回路10には、ディジタル信号/シンボル
変換部11、故障診断部12、故障シミュレーション部13、
対象モデル記憶部14、修復計画部15およびシンボル/デ
ィジタル信号変換部16が含まれている。
ディジタル信号/シンボル変換部11は、A/D変換回路
3から与えられるディジタル信号を、定性的な情報に変
換するためのものである。すなわち、ディジタル信号
を、たとえば、ノーマル,ハイおよびローの3つのシン
ボルのいずれかに変換するための変換機能が備えられて
いる。センサ1a,1b,1cから与えられる信号を、シンボル
化されたこのような定性的な情報に変換することによ
り、故障診断に対するアプローチが容易になる。なお、
シンボルは、この例のようにノーマル,ハイおよびロー
の3つに限らず、オンおよびオフまたはA,B,CおよびD
等の他の表現であってもよい。変換部11においてディジ
タル信号がシンボルに変換される際には、対象モデル記
憶部14に記憶されている対象機械に特有の特徴データが
参照される。この特徴データおよび信号変換の詳細につ
いては、後述する。
故障診断部12および故障シミュレーション部13は、デ
ィジタル信号/シンボル変換部11で変換されたシンボル
を対象モデル記憶部14に記憶されている故障診断知識と
比較することにより、故障の有無を判別し、かつ故障診
断を行い、その結果として、対象機械の故障状態を、定
性的な情報、すなわちシンボルによって表現し出力する
構成部である。
修復計画部15は、故障が有る場合に、該故障を修復す
るための修復計画を推論するとともに、修復作業を導出
するための構成部である。修復計画を推論し、修復作業
を導出するにあたっては、対象モデル記憶部14に記憶さ
れている定性データ(後に詳述する)が活用される。
なお、故障診断部12、故障シミュレーション部13およ
び修復計画部15における故障診断および故障シミュレー
ションならびに修復計画の推論および修復作業の導出の
仕方については、後に詳述する。
修復計画部15から出力される修復作業は、シンボル/
ディジタル信号変換部16において、対象モデル記憶部14
の記憶情報が参照されて、ディジタル信号に変換され
る。
そして、ディジタル信号は、D/A変換回路4でディジ
タル信号からアナログ信号に変換され、アクチュエータ
制御回路5に与えられる。アクチュエータ制御回路5
は、与えられるアナログ信号、すなわちアクチュエータ
制御命令に基づいて、複数のアクチュエータ6a,6b,6cを
選択的に動作させ、修復作業を実行させる。
第2図は、第1図におけるシステム制御回路10の処理
を表わすフローチャートである。次に、第2図を参照し
て、第1図のシステム制御回路10の処理の概要について
説明をする。
センサ1a,1bまたは1cの検出信号は、増幅され、かつ
ディジタル信号に変換されて、たとえば所定の読込みサ
イクルごとにシステム制御回路10に読込まれる(ステッ
プS1)。
読込まれたディジタル信号は、ディジタル信号/シン
ボル変換部11においてシンボル化される(ステップS
2)。このシンボル化は、対象モデル記憶部14に予め設
定されている特徴データ、すなわち対象機械に特有の基
準値データに基づいてなされる。たとえば、対象モデル
記憶部14には、対象機械に特有の基準値データとして、
各センサ1a,1b,1cの出力範囲が、次のように設定されて
いる。
すなわち、 センサ1a :出力ka1未満=ロー 出力ka1〜ka2=ノーマル 出力ka2を超過=ハイ センサ1b :出力kb1未満=ロー 出力kb1〜kb2=ノーマル 出力kb2を超過=ハイ センサ1c :出力kc1未満=ロー 出力kc1〜kc2=ノーマル 出力kc2を超過=ハイ と設定されている。ディジタル信号/シンボル変換部11
では、対象モデル記憶部14に設定されている上記対象機
械に特有の基準値データに基づいて、センサ1a〜1cから
のディジタル信号を、「ロー」「ノーマル」または「ハ
イ」というシンボルに変換する。
次いで、故障診断部12において、変換されたシンボル
が評価され、故障の有無判別および故障症状の特定がさ
れる(ステップS3)。シンボルの評価による故障の有無
判別および故障症状の特定には、対象モデル記憶部14に
記憶されている故障診断知識が活用される。故障診断知
識とは、たとえば、特定のパラメータは、たとえばノー
マルでなければならないという設定条件である。当該特
定のパラメータがノーマルでない場合、故障あり、と判
別され、該特定のパラメータが何かによって、故障症状
が特定される。故障がない場合には、ステップS1,S2お
よびS3のルーチンが繰返される。
ステップS3において故障ありと判別された場合には、
対象機械の状態の推論、すなわち故障診断および故障状
態のシミュレーションがされる(ステップS4)。具体的
には、対象モデル記憶部14に記憶されている、装置を構
成する各要素間の結合関係をパラメータを用いて定性的
に表わした定性データに基づいて、故障診断部12におい
て、故障を引起こしているパラメータが検索され、故障
シミュレーション部13において、検索されたパラメータ
が故障原因であると仮定して、故障状態のシミュレーシ
ョンがされる。さらに、故障診断部12において、シミュ
レーション結果と現在のパラメータ値とが比較され、検
索されたパラメータが故障原因であるという仮定の正当
性が判断される。以上の処理が、検索される複数のパラ
メータに対して行われる。
故障有無判別、故障診断および故障状態のシミュレー
ションの結果、対象機械の故障症状および故障原因が決
定される(ステップS5)。ここに、故障症状とは、対象
機械の出力状況等(たとえば、複写機を例にとると、
「コピー画像が薄い」等)の変化であり、故障原因と
は、シンボルの変化原因となる対象機械の機構や構造の
変化(たとえば、複写機を例にとると、「ハロゲンラン
プの光量低下」等)である。
次いで、修復計画部15によって、修復方法の推論がさ
れる。この推論にあたっては、修復の影響のシミュレー
ションが併せて行われる(ステップS6)。
そして、修復計画が決定され(ステップS7)、決定さ
れた修復計画に基づいて制御命令が展開される(ステッ
プS8)。実際の制御命令への展開時には、アクチュエー
タ動作のための限界数値等の装置に特有の特徴データ
が、対象モデル記憶部14から読出されて活用される。展
開された制御命令はアナログ信号に変換され、アクチュ
エータ制御回路5へ与えられ、修復制御が実行される
(ステップS9)。そして、制御は終了する。
次に、故障診断および修復計画の推論の仕方につい
て、具体例を参照しながら詳細に説明をする。以下の説
明では、一例として、小型普通複写機における感光体ド
ラム周辺部を対象機械とした場合の仕方を説明する。
具体的な対象機械を例にとった説明 対象機械の具体的な説明に入る前に、この実施例にお
いて使用される各種のデータや知識について、まず、ま
とめて概略的に説明しておく。
この実施例においては、「特徴データ」「故障診断知
識」および「定性データ」が活用される。
特徴データには、「基準値データ」「作動範囲デー
タ」および「修復計画知識」が含まれる。
基準値データは、対象機械に特有のデータであり、所
定のパラメータに関する定性値の範囲を特定するもので
ある。より具体的には、センサの出力範囲と、ロー,ノ
ーマルおよびハイの関係を区分するデータである。
作動範囲データは、装置に特有のアクチュエータの動
作のための限界数値等を定めるデータである。
修復計画知識は、所定のパラメータについて、パラメ
ータ値を定性的に変化させるためには、画像形成装置の
どの物理要素を操作すべきかを表わすデータである。
故障診断知識は、対象機械が正常に動作しているか否
かを判定する基準となるものである。言い方を変える
と、特定のパラメータは、たとえばノーマルでなければ
ならないという設定条件をいう。故障診断知識には、
「評価機能知識」が含まれる。
定性データは、装置を構成する各要素間の結合関係を
パラメータを用いて定性的に表わしたものである。定性
データには、「対象モデル」が含まれる。対象モデルに
は、第1表の「実体モデル」および第4図の「数学モデ
ル」が含まれる。数字モデルは、実体モデルを抽象化し
て各パラメータの結合ツリーとして表わしたものであ
る。
対象機構の構成および状態 第3図は、具体的な対象機械を表わす図解図である。
第3図において、21は感光体ドラム、22は主帯電チャー
ジャ、23は原稿照明用のハロゲンランプ、24は現像装
置、25は転写チャージャである。
この実施例では、たとえば3つのセンサ1a,1b,1cが設
けられている。すなわち、センサ1aは感光体ドラムに入
射する光量を測定するためのAEセンサ、センサ1bは感光
体ドラムの表面電位を測定する表面電位センサ、センサ
1cは用紙上にコピーされた画像の濃度を測定するための
濃度計である。
また、第3図に示されていないが3種類のアクチュエ
ータが設けられている。すなわち、感光体ドラムの主帯
電電圧を変化させるための主帯電ボリュームVR1、ハロ
ゲンランプの光量を制御するためのランプボリュームAV
Rおよび感光体ドラムとコピー用紙間の転写電圧を制御
するための転写ボリュームVR2、という3つのボリュー
ムがアクチュエータとして設けられている。
ところで、第3図に示す対象機械を物理的な視点から
捉え、実体レベルでその対象機械を複数個の要素の結合
として表現し、各要素間の結合関係をパラメータを用い
て定性的に表わすと、第1表に示すとおりとなる。この
第1表のような表現形式を「実体モデル」と呼ぶことに
する。ここに、“定性的”とは、たとえばAとBの間に
おいて「Aを上昇させれば、Bも上昇する」といった内
容である。具体的には、第1表の露光部を例にとれば、
X=HL−Dという式は、「Xが上昇するのは、HLが上昇
するか、Dが下降するかである。」というパラメータ間
の定性関係を示している。
また、実体モデルを抽象化して、各パラメータの結合
ツリーとして表わした第4図の表現を「数学モデル」と
呼ぶことにする。
そして、「実体モデル」と「数学モデル」とを併せて
「対象モデル」と呼ぶことにする。「対象モデル」は、
後述する故障修復のためにも活用される、画像形成装置
に共通の定性データである。
定性データとしての実体モデルおよび数学モデルの各
内容は、対象モデル記憶部14に記憶されている。
また、対象モデル記憶部14には、実体モデルに含まれ
ているパラメータのうちの所定のパラメータに関して、
たとえば工場出荷の際に測定された基準データが記憶さ
れている。この基準値データは、この画像形成装置に特
有の特徴データである。
たとえば、この機械では、第5図のように、パラメー
タX、Vs、Os、Vnについて、それぞれ、ロー、ノーマ
ル、ハイの範囲を特定する基準値データが記憶されてい
る。
なお、この実施例では、上記の基準値データは、後の
故障診断や故障修復過程におけるセンシングデータや機
械の動作状態の変化等に応答して、更新され得るように
されている。
また、対象モデル記憶部14には、変換されたシンボル
に基づいて、対象機械が正常に動作しているか否かを判
定するための基準となる故障診断知識の一例としての評
価機能知識が記憶されている。
なお、評価機能知識、換言すれば故障診断知識は、対
象装置に特有のものであってもよいし、特有のものでな
く、広く画像形成装置に共通のものであってもよい。
評価機能知識には、以下の知識が含まれている。
画像濃度Os=ノーマル、 かぶり度Os′≦ノーマル、 分離性能SP≦ノーマル、 ここに、Os、Os′、Spが上記条件でない場合には、
対象機械は正常に動作していないことになる。
さて、通常動作における対象機械のディジタル化され
たセンサ情報が次の値である場合を考える。
AEセンサの値X=30 表面電位センサの値Vs=300 濃度計の値Os=7 また、 光学濃度D=0の白紙原稿を使用したときの濃度計の
値Os=かぶり度Os′、 ハロゲンランプを消した状態での表面電位センサの値
Vs=暗電位Vn、 と定め、それらの値は、それぞれ、 かぶり度Os′=50 暗電位Vn=700 であったとする。
なお、これらかぶり度Os′および暗電位Vnの測定
は、マニュアル操作によって行われてもよいし、一定条
件時、たとえば対象機械の電源がオンされる都度、また
はコピー開始前毎に、センサによって自動的に測定され
るように、プログラミングされていてもよい。この実施
例では、後者が採用されている。
AEセンサ1a、表面電位センサ1bおよび濃度計1cによっ
て得られた各値X、Vs、Os、OS′、Vnは、それぞれ、
ディジタル信号/シンボル変換部11においてシンボルに
変換される。
変換は、前述したように、各センサ1a,1bまたは1cか
ら与えられるディジタル値が、対象モデル記憶部14に記
憶されている特徴データとしての基準値データと比較さ
れることにより行われ、ノーマル、ハイまたはローの3
種類のいずれかのシンボルに変換される。
この実施例では、各パラメータは次のようにシンボル
化される。
X=ハイ Vs=ロー Os=ロー Vn=ノーマル 故障診断部12において、これらのシンボル化された各
パラメータが、対象モデル記憶部14に記憶されている故
障診断知識の一例としての評価機能知識と比較される。
その結果、画像濃度Osがノーマルでないから、故障あり
と判定され、故障症状は「画像濃度が低すぎる(Os=ロ
ー)」であると判断される。そして、次には、「Os=ロ
ー」を故障症状として、故障診断、つまり故障原因の推
論がされる。
故障診断の手法 故障診断は、まず故障シミュレーション部13におい
て、第4図の数学モデルを用いて行われ、Os=ローを引
起こす可能性のあるパラメータが探索される。
第4図における数学モデルで、Osを低下させる可能性
があるパラメータを指摘すると、第6図に示すようにな
る。第6図において、上向き矢印または下向き矢印が付
されたパラメータが、パラメータOs=ローを引起こす可
能性のあるパラメータであり、上向き矢印のものはその
パラメータが上昇した場合に、下向き矢印のものはその
パラメータが低下した場合に、Os=ローを引起こす。
次に、数学モデルにおいて探索されたOs=ローを引起
こす可能性のある各パラメータζ,Ds,Vt,γ0,Vb,V
s,Vn,X,β,HL,Dについて、故障診断部12で、パラメー
タの変化を引起こす原因の検出がされる。
この検出は、第1表の実体モデルに基づいて行われ、
この実施例では、次のような故障原因候補が推論され
る。すなわち、 Vt=ロー:→転写トランスの不良 ζ=ロー:→用紙の劣化 Vb=ハイ:→現像バイアスの不良 γo=ロー:→トナーの劣化 Vn=ロー:→主帯電電圧の不良 HL=ハイ:→ハロゲンランプの設定不良 D=ロー:→原稿が薄い なお、パラメータのうち、βは感光体の感度であり、
これが上昇することはないから除外される。Ds,Vsおよ
びXは、他のパラータによって表わされるから、これも
除外される。
そして、故障診断部12においてされた上記の推論に対
して、故障シミュレーション部13において、故障状態の
シミュレーションが行われる。
故障状態のシミュレーションとは、上記推論された故
障が生じたときの対象機械の状態を、それぞれ、推論す
ることである。より具体的には、Os=ローを引起こす原
因、つまり故障原因が、たとえば転写トランスの不良で
あると仮定し、正常状態のモデルに対してVt=ローを設
定する。そして、その状態における各パラメータに与え
られる影響を数学モデル上で検討するのである。Vt=ロ
ーを設定した場合、Os=ローおよびSp=ローとなり、他
のパラメータはすべてノーマルであるから、これは、セ
ンサから得られるX=ハイおよびVs=ローと矛盾する。
それゆえ、その故障原因の推論が誤っているという結果
を得る。
同様にして、ζ=ローを正常状態の数学モデル上に設
定し、その結果をセンサから得られるシンボルと比較す
る。この場合も、数学モデル上ではX=ノーマルに対
し、センサからのシンボルはX=ハイであるから、矛盾
があり、その故障原因の推論は誤りであると判定され
る。
このようにして、全ての故障原因候補について、故障
状態のシミュレーションが行われ、故障原因の推論が正
しいか否かが確認される。
その結果、本例の場合には、故障原因を「ハロゲンラ
ンプの設定不良(HL=ハイ)」とした場合に、現実の対
象機械の状態と一致した結果が得られ、かつそれ以外の
故障原因候補はすべて現実の装置の状態と矛盾するとの
結論を得る。
よって、この場合の故障原因は、ハロゲンランプの設
定不良であると断定できる。そのときの対象機械の各パ
ラメータの状態を示すと、第2表のとおりとなる。
第2表に表わすパラメータの状態を数学モデル上にト
レースすると、第7図が得られる。第7図において、各
パラメータの右側に付された下向き矢印はロー、上向き
矢印はハイ、Nはノーマルを表わしている。
修復計画の推論 次に、修復計画の推論について説明をする。
故障判別の結果、「画像濃度が低すぎる(Os=ロ
ー)」が故障症状として取上げられたから、修復の目標
は、Osを上昇させることである。
そこで、第4図に示す数学モデル上の関係から、Ds
上昇させるか、Vtを上昇させるか、または、ζを上昇さ
せるかによって、修復目標であるOsを上昇させることが
できると推論される。
次に、Dsを上昇させることを目標に推論を行うと、Vs
を上昇させるか、Vbを下降させるか、または、γ0を上
昇させるかのいずれかの結論を得る。このように、数学
モデルに基づいて、推論が繰返されることにより、修復
操作の候補を数学モデル上で得ることができる。得られ
た結果は、第3表に示すとおりである。
ところで、数学モデルに基づいて得られた修復候補に
は、実現できるものと実現できないものとがある。たと
えば、 D:原稿の光学濃度 は変更できないし、 β:感光体の感度 も変更し難い。
γ0:トナーの感度 も変更できないし、 ζ:用紙の感度 も変化不可能である。
また、この具体例では、 Vb:バイアス電圧 も、アクチュエータがないから変化不可能である。もち
ろん、アクチュエータを追加することにより、Vbは変化
可能にすることができる。
さらに、 X :原稿反射光量の対数 Vs:露光後のドラムの表面電位 Ds:ドラム上でのトナー濃度 については、それ自体の変更は不可能で、間接的に他の
パラメータを変化させることで変化させられるだけであ
り、ここでは修復候補から除外する。
なお、この具体例では直接関係ないが、 Asp:分離用AC電圧の振幅 も、アクチュエータ追加により、変化させることができ
る。
以上の次第で、この具体例では、修復候補として、 Vt:転写電圧 Vn:主帯電後の表面電位 HL:ハロゲンランプ出力光量の対数 がとりあげられる。
一方、対象モデル記憶部14には、修復計画知識とし
て、次の知識が予め記憶されている。すなわち、 (a) Vtを上昇させる→転写トランスのコントロール
電圧を上げる (b) Vtを下降させる→転写トランスのコントロール
電圧を下げる (c) Vnを上昇させる→主帯電トランスのコントロー
ル電圧を上げる (d) Vnを下降させる→主帯電トランスのコントロー
ル電圧を下げる (e) HLを上昇させる→ハロゲンランプコントロール
信号を高電圧側にシフトする (f) HLを下降させる→ハロゲンランプコントロール
信号を低電圧側にシフトする である。この対象モデル記憶部14に記憶された修復計画
知識は、この装置に特有の特徴データである。該修復計
画知識を数学モデルに基づいて得られた修復候補に適用
することにより、Osを上昇させるための修復操作とし
て、 (a) Vtを上昇させる→転写トランスのコントロール
電圧を上げる (c) Vnを上昇させる→帯電トランスのコントロール
電圧を上げる (f) HLを下降させる→ハロゲンランプコントロール
信号を低電圧側にシフトする の3方法が得られる。
画像濃度Osを単に上昇させるだけであれば、これら3
方法のうちのいずれの方法を実行しても、修復が可能で
ある。
しかしながら、対象機械は、画像濃度Osを上昇させる
ことにより、種々の副次的な影響を受けることが考えら
れる。そこで、この実施例では、以下に説明するよう
に、副次的な影響の推論を、数学モデルに基づいて行っ
ている。
副次的影響の推論 修復計画の推論において導かれた3つの修復計画を数
学モデル上に展開すると、第8図ないし第13図が得られ
る。つまり、(a)Vtを上昇させた場合が第8図および
第9図(第9図はD=0とした場合のOs′が数学モデ
ル上で表わされている)、(c)Vnを上昇させた場合
は、第10図および第11図(第11図はD=0とした場合の
s′が数学モデル上で表わされている)、(f)HL
下降させた場合は第12図および第13図(第13図はD=0
とした場合のOs′が数学モデル上で表わされている)
となる。
そして、数学モデルに基づいて機能評価を行うと、次
の状態が推論される。
すなわち、 (1) Vtを上昇させた場合(第8図、第9図) (a) 出力画像濃度が上昇する。
(b) D=0のとき、Os′>ノーマルの場合があ
る。つまり、かぶりが発生する可能性がある。
(c) Sp>ノーマルとなり、分離不良が発生する可能
性がある。
(2) Vnを上昇させた場合 (第10図、第11図) (a) 出力画像濃度が上昇する。
(b) D=0のとき、Os′>ノーマルとなり、かぶ
りが発生する可能性がある。
(3) HLを下降させた場合 (第12図、第13図) (a) 出力画像濃度が上昇するだけで、他の副次的な
影響はない。
よって、修復計画部15では、副次的な影響の最も少な
い修復計画、すなわちHLを下降させるという修復計画が
選択される。この修復計画は、故障診断で得られた故障
原因を解消するための操作と一致している。
つまり、見方を変えると、故障診断における故障原因
の推論は、装置が故障したときの現実の状態を数学モデ
ル上でトレースし、装置が故障したときの各構成要素の
状態を把握することによって、故障原因を推定していた
のに対し、修復計画の推定では、装置が故障状態ではな
く、装置が正常であるという前提に立って、数学モデル
上で装置の状態をトレースし、それに基づいて修復計画
を推論している。
そして、上述の具体例では、故障診断における推論で
も、修復計画における推論でも、結果として同じ故障原
因および修復計画が得られたわけである。
しかし、場合によっては、故障診断の推論が故障状態
の装置を前提にしているのに対し、修復計画の推論は正
常状態の装置を前提にしているため、両者によって得ら
れる結果が異なることがある。かかる場合は、故障診断
の推論過程で得られる結論と矛盾しないものだけを修復
計画の推論の際に選択するようにすれば、修復計画の推
論処理をより短時間で行える。
上述の場合において、もしHLを下降させるという修復
計画が選択できない場合、たとえばハロゲンランプコン
トロール信号を低電圧側にシフトするためのAVRのボリ
ュームが既に下限であった場合には、次に副次的影響の
少ない(2)のVnを上昇させるという修復計画が選択さ
れる。
しかしながら、Vnを上昇させるという修復計画が選択
された場合には、かぶり発生の可能性という副次的影響
が予測されているので、第11図の数学モデルにおいて、
Os′を下降させるためにはいずれのパラメータを操作す
ればよいかが第11図の数学モデルに基づいて検討され、
かつ、修復計画知識に基づいて操作が選択される。その
結果、 HLを上昇させるか、 Vnを下降させるか、 Vtを下降させるか が選ばれ、かぶり発生を防止することを含めた修復計画
が行われる。
つまり、第14図に示すように、副次的影響を仮定し
て、修復操作の推論を展開する。第14図に示されるよう
な修復操作の推論展開においては、 (a) 数学モデル上で以前の修復計画と矛盾する枝は
選択しない (b) 最も副次的影響の少ないものを選択する (c) ループを形成したものはその時点で展開を止め
る という知識に基づいた展開が行われる。
第14図では、結局、 (1) Vn↑→HL↑→Vn↑のループ、および (2) Vn↑→Vt↓→Vn↑のループ、 の2つの修復計画が残る。
今、(1)のループが修復計画として行われた場合に
おいて、画像濃度が適正な濃度、すなわちOsがノーマル
になったとする。かかる場合、VnおよびHLは上昇されて
いるから、画像濃度Osがノーマルに戻った修復後の状態
において、センサ1bによって測定される表面電位の値
は、最初に測定される値に比べてかなり高いものに変化
しているはずである。しかしながら、修復作業が成功し
たわけであるから、修復後のパラメータVsの状態はノー
マルにシンボル化されなければならない。よって、かか
る場合、修復が終了した時点で、センサ1bによって測定
される測定値に基づき、第5図に示すパラメータVsのシ
ンボル化のための基準データが変更され、たとえば第15
図に示すデータに書換えられる。
このように、基準データの更新が、修復作業終了後に
必要に応じてなされる。
この実施例において、第14図における前述した(1)
のループが行われる場合、具体的には、主帯電ボリュー
ムVR1が操作されて感光体ドラム21の表面電位が上昇さ
れ、それによって得られるコピーにかぶれが発生する
と、ランプボリュームAVRが操作されてハロゲンランプ
の光量が増加され、コピーの画像濃度が薄められる。
そして、主帯電ボリュームVR1およびランプボリュー
ムAVRを交互に適宜上昇させながら、画像濃度が正常に
なったとき、すなわちパラメータOsがノーマルになった
ことがセンサ1cである濃度計の検出出力から得られたと
き、修復処理は終了される。
さらに、上記2つの修復計画が実行不可能な場合は、
さらに、上述した(1)のVtを上昇させるという修復計
画が選択され、その副次的影響であるかぶり発生と、分
離不良の2つを仮定した故障診断が行われ、修復計画が
選択される。
そして、選択された修復計画が行われ、ループ処理の
場合には、ループ上にあるパラメータの操作が限度に達
した時点で失敗と判断される。
また、この実施例の場合は、具体例でも説明したよう
に、Osがノーマルになった時点で修復終了が判別され、
その状態で修復は停止される。
上述した副次的影響の推論においては、修復計画の推
論において導かれた3つの修復計画を順次数学モデル上
に展開し、3つの修復計画のそれぞれについて、まとめ
て、副次的影響が推論されている。
このような副次的影響の推論の仕方に代え、次のよう
な処理を行ってもよい。
すなわち、修復計画の推論において、たとえば3つの
修復計画が導き出されたとする。その場合、3つの中か
ら1つの修復計画だけをとりあげ、該修復計画に基づい
てアクチュエータ手段を作動された場合に生じるかもし
れない副次的な影響をシミュレートし、シミュレートさ
れた副次的な影響は、修復計画によって選択されたアク
チュエータ手段以外のアクチュエータ手段を作動させる
ことによって除去できるか否かを判別する。
そして、副次的な影響は除去できると判別されたとき
には、修復計画によって選択されたアクチュエータを実
際に作動させ、修復を実行するとともに、副次的な影響
を他のアクチュエータ手段を作動させることによって除
去するのである。
この結果、修復計画で導き出された他の2つの計画に
基づく副次的影響のシミュレートはする必要がなく、全
体として、修復操作時間を短縮できる。
上述の場合において、もし、第1番目に選択した修復
計画について、副次的な影響をシミュレートし、シミュ
レートされた副次的な影響が他のアクチュエータ手段を
作動させることによって除去できないと判別された場
合、その第1番目の修復計画は断念して、次に第2番目
の修復計画をとりあげ、該2番目の修復計画に基づいて
選択されたアクチュエータ手段を作動させた場合に生じ
るかもしれない副次的な影響をシミュレートし、シミュ
レートされた副次的な影響は、そのアクチュエータ手段
以外のアクチュエータ手段を作動させることによって除
去できるか否かを判別し、副次的な影響が除去できると
きには、該第2番目の修復計画に基づく修復作業を行
う。
このように、修復計画の推論において導かれた複数の
修復計画のうち、ある1つ目の修復計画を取出し、その
場合の副次的な影響を推論し、副次的な影響が除去でき
る場合には、直ちにその1つ目の修復計画に基づく修復
を実行するようにするのである。
そして、もしその修復計画では、副次的な影響が大き
すぎる場合には、それを断念し、次の修復計画を選び、
その場合の副次的な影響をシミュレートするのである。
かかる場合、修復計画の推論において導かれた複数の
修復計画のうち、いずれの修復計画をまず選択するかに
ついては、たとえば、故障診断において得られた故障原
因を参酌して選択するのが好ましい。
以上の実施例では、アクチュエータのパラメータ数が
少ないため、修復自体がかなりの制限を受けているが、
アクチュエータのパラメータ数を増やすことによってさ
らに修復の柔軟性および可能性を向上させることができ
る。
以上説明した具体例において、いずれかの修復作業が
成功した場合には、成功した後の装置の状態が正常な状
態であると判定されるわけであるから、各センサから与
えられるディジタルデータ値によって各パラメータの基
準値データ(第5図に示す基準値)が更新され、新たな
基準値データに基づいてパラメータがシンボル化される
ようにするのが好ましい。
また、上述の具体例では、各アクチュエータの作動範
囲については特に触れなかったが、対象モデル記憶部14
に記憶されている装置に特有の特徴データの中に、アク
チュエータの作動範囲を設定する作動範囲データを含ま
せておけば、アクチュエータの出力状態が記憶されてい
る作動範囲内のときはアクチュエータ操作可能と判別で
き、アクチュエータの出力状態が記憶されている作動範
囲の上限または下限に達した場合に、アクチュエータ操
作不能と判定して、修復作業の正否判定に利用すること
ができる。
さらに、上述の具体例では、センサ出力が変化したこ
とに基づいて、自動的に自己診断を行い、自己修復を行
うシステムをとりあげたが、画像形成装置に自己診断モ
ードの設定キー等を設け、該自己診断モード設定キーが
操作された場合にのみ、自己診断および/または自己修
復が行われるようにしてもよい。
上述の具体例の説明では、完全に自律した、すなわち
サービスマンやユーザが何ら操作をすることなく、故障
の有無を装置自体が自動的に自己診断を行いかつ故障が
あれば自己修復を行うシステムをとりあげて説明した。
しかしながら、この発明においては、センサを構成要件
から削除し、画像形成装置の予め定める箇所における機
能状態のデータをサービスマン等が測定し、該測定した
データを装置に入力することができる構成にすることに
より、自律しない自己診断を行いかつその自己診断に基
づいて自律した修復を行うことのできる画像形成装置を
構成することができる。
また、装置が行った自己診断の結果に基づき、故障を
修復するためのアクチュエーアを選択するのみで、実際
にアクチュエータを動作させず、動作させるべきアクチ
ュエータを表示するようなシステムを構成すれば、サー
ビスマンがその表示されたアクチュエータを操作するだ
けでよい、自律しない修復システムを備えた画像形成装
置とすることができる。
もちろん、自己修復システムの構成要件を除外し、自
己診断システムのみを有する画像形成装置を構成するこ
ともできる。
つまり、この発明によれば、 (1) 完全に自律した自己診断および自己修復システ
ムを有する画像形成装置、 (2) 自律した自己診断システムおよび自律しない自
己修復システムを有する画像形成装置、 (3) 自律しない自己診断システムおよび自律しない
自己修復システムを有する画像形成装置、 (4) 自律しない自己診断システムおよび自律した自
己修復システムを有する画像形成装置、 または (5) 自律した自己診断システムのみを有する画像形
成装置、 を必要に応じて構成することができる。
〈発明の効果〉 この発明によれば、画像形成装置に故障が生じた場合
に、その故障原因を正確に推論して出力することのでき
る、修復の容易な画像形成装置を提供することができ
る。したがってサービスマン等は、出力される故障原因
に基づいて、迅速に修復を行うことができる。つまり、
画像形成装置のアクチュエータ等を指示に従って操作し
たり、壊れた部品を交換すればよい。
また、この発明によれば、故障原因は、画像形成装置
に共通の定性データに基づいてなされるので、明示的に
記述されていない未知の故障をも扱うことのできる故障
診断システムを有する画像形成装置とることができる。
さらに、この発明にかかる故障診断システムは、或る
特定の画像形成装置に対してではなく、多くの機種の画
像形成装置に対して共通的に適用することができ、結果
的に安価な故障診断システムを有する画像形成装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例のシステム構成を示すブ
ロック図である。 第2図は、第1図における制御回路の動作を表わすフロ
ーチャートである。 第3図は、普通紙複写機に利用した場合のこの発明の概
略構成を示す図である。 第4図は、この実施例の数学モデルを表わす図である。 第5図は、各パラメータをシンボル化する場合に必要な
各パラメータの基準値データを表わす図である。 第6図および第7図は、数学モデル上における故障診断
のための展開を表わす図である。 第8図ないし第13図は、数学モデル上における副次的影
響推論のための展開を表わす図である。 第14図は、修復計画を選択する場合の操作を表わす図で
ある。 第15図は、更新後の基準値データを表わす図である。 図において、1a,1b,1c……センサ、6a,6b,6c……アクチ
ュエータ、10……システム制御回路、11……ディジタル
信号/シンボル変換部、12……故障診断部、13……故障
シミュレーション部、14……対象モデル記憶部、15……
修復計画部、16……シンボル/ディジタル信号変換部、
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/08 501 7716−3H G05B 23/02 302Y 15/16 G03G 15/04 120 G05B 23/02 302 (72)発明者 石井 喜文 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 楠本 弘 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−106810(JP,A) 特開 昭63−129405(JP,A) 特開 昭63−182710(JP,A) 特開 平1−274209(JP,A) 特開 平1−284905(JP,A) 特開 平2−2406(JP,A) 特開 平2−42535(JP,A) 特開 平2−155006(JP,A) 特開 平3−68002(JP,A) 特開 平2−162348(JP,A) 特開 平2−71280(JP,A) 特開 昭61−36780(JP,A) 特開 昭63−225253(JP,A) 特開 平2−20879(JP,A) 特開 平3−27058(JP,A) 特開 昭58−221856(JP,A) 特開 昭63−262663(JP,A) 特開 昭58−72165(JP,A) 特開 昭64−81617(JP,A) 特開 平2−37368(JP,A) 特開 昭62−90669(JP,A) 特開 平1−276175(JP,A) 特開 昭60−208768(JP,A) 特開 昭62−35916(JP,A) 特開 平2−235074(JP,A) 特開 平1−253764(JP,A) 特開 平1−253764(JP,A) 特開 平1−253763(JP,A) 特開 昭58−94012(JP,A) 特公 平7−48180(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像データを具現化して視認可能な画像を
    生成する画像形成装置のための自己診断システムであっ
    て、 画像形成装置を複数個のパラメータを用いて定性的に表
    わした定性データ、前記パラメータのうちの予め定める
    パラメータについての定性値の区分を特定する基準値デ
    ータ、および前記パラメータのうちの特定のパラメータ
    について、そのパラメータがとり得るべき条件を設定す
    る故障診断知識、が記憶された記憶手段、 画像形成装置の予め定める箇所における機能状態を検出
    して出力するための複数個のセンサ手段、 各センサ手段の出力を記憶手段に記憶された基準値デー
    タと比較することにより定性的な状態データに変換する
    手段、 変換された状態データを記憶手段に記憶された故障診断
    知識と比較して、画像形成装置は正常か故障症状が発生
    しているかを判別する故障判別手段、ならびに 故障判別手段が画像形成装置に故障症状が発生している
    と判別したことに応答して、その故障症状を記憶手段に
    記憶された定性データに当てはめることによって、故障
    原因を推論する故障診断手段、 を含むことを特徴とする画像形成装置のための自己診断
    システム。
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