JP2001021966A - カメラ - Google Patents

カメラ

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JP2001021966A
JP2001021966A JP11190686A JP19068699A JP2001021966A JP 2001021966 A JP2001021966 A JP 2001021966A JP 11190686 A JP11190686 A JP 11190686A JP 19068699 A JP19068699 A JP 19068699A JP 2001021966 A JP2001021966 A JP 2001021966A
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JP
Japan
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film
shaft
camera
magnet
driving force
Prior art date
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Withdrawn
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JP11190686A
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English (en)
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立男 ▲高▼梨
Tatsuo Takanashi
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な機構を用いて高い精度を維持しながら駆
動力を被駆動部材へと伝達し得る駆動力伝達装置を備え
たカメラを提供する。 【解決手段】フイルムカートリッジ4の内部に収納され
たフイルム5を送り出し給送する機能を有するカメラ1
であって、フイルムカートリッジ内のフイルムを送り出
し給送するための駆動源(モータ12)と、フイルムカ
ートリッジ内のフイルムを送り出すための被駆動軸(回
動軸24)と、駆動源からの駆動力を受けて被駆動軸を
駆動する駆動軸(回動軸25)と、被駆動軸若しくは駆
動軸に回転自在に設けられた磁石23と、駆動軸若しく
は上記被駆動軸に回転自在に設けられた導電性回転部材
(カップリング22)とを具備し、磁石と導電性回転部
材とを同軸上に相対回転可能に保持するように配置す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カメラ、詳しく
は内部にロール状フイルムを先端まで収納したフイルム
カートリッジを装填して使用するカメラにおいて、フイ
ルムカートリッジをカメラに装填したときに、同フイル
ムカートリッジの内部からロール状フイルムをカメラ側
のフイルム巻取室に送り出し巻き上げる一方、フイルム
巻取室の内部に収納されたフイルムをフイルムカートリ
ッジの内部へと巻き戻すためのフイルム給送機構を有す
るカメラの駆動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、写真撮影等を行なうカメラ等にお
いては、写真撮影用のロール状フイルムを巻回して先端
まで収納したフイルムカートリッジを用いるものが実用
化されている。
【0003】このようなフイルムカートリッジを用いる
従来のカメラにおいては、カメラの内部における所定の
位置に上記フイルムカートリッジを装填すると、ロール
状フイルムの先端を同フイルムカードリッジの内部から
外部へと自動的に送り出した後、カメラのフイルム巻取
室に設けられるスプール軸に巻回させると共に、任意に
実行される撮影動作に伴って順次、必要に応じてフイル
ムの巻取動作を行なう一方、フイルム巻取室に収納され
た撮影(露光)済みのフイルムをフイルムカートリッジ
の内部へと巻き戻すための機構であるフイルム給送機構
を有しているのが普通である。
【0004】このようなフイルム給送機構の駆動源とし
ては、例えば正逆回転自在に制御される駆動モータ等が
一般的に用いられるが、この場合において、フイルムの
巻取動作と巻戻動作とを、単一の駆動モータの駆動力に
よって実現するための駆動力伝達装置についての提案
が、従来より種々なされており、また実用化されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、単一の駆動
モータの駆動力によってフイルムの巻取動作と巻戻動作
とを実現するためには、複雑な機構が必要になるのが普
通である。これに加えてロール状フイルムを利用する通
常のカメラの場合においては、その動作時に実行される
フイルム給送動作、例えば撮影動作を行なう毎にロール
状フイルムを所定の給送量で移動させて、フイルムの所
定の露光領域をカメラの所定の位置に精度良く設定する
等の動作が実行されるが、このような緻密な動作をより
迅速に実行させる必要がある。このことから、カメラに
おけるフイルム給送機構の精度は、極めて高精度に製作
されなければならないという問題がある。
【0006】したがって、従来の複雑な機構等からなる
駆動力伝達装置によって高精度に動作する機構を実現し
得るとしても、機構の複雑化によって製造時の工数がか
かってしまうと共に、その製造コストが増大してしまう
という問題点がある。
【0007】本発明は、上述した点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、単一の駆動源か
らの駆動力をより簡単な機構を用いて、高い精度を維持
しながら複数の被駆動部材へと伝達し得るようにした駆
動力伝達装置を備えたカメラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明によるカメラは、フイルムカートリッジ
の内部に収納されたフイルムを送り出し給送する機能を
有するカメラにおいて、上記フイルムカートリッジ内の
フイルムを送り出し給送するための駆動源と、上記フイ
ルムカートリッジ内のフイルムを送り出すための被駆動
軸と、上記駆動源からの駆動力を受けて上記被駆動軸を
駆動する駆動軸と、上記被駆動軸若しくは上記駆動軸に
回転自在に設けられた磁石と、上記駆動軸若しくは上記
被駆動軸に回転自在に設けられた導電性回転部材とを具
備し、上記磁石と上記導電性回転部材とを同軸上に相対
回動可能に保持するように配置したことを特徴とする。
【0009】また、第2の発明によるカメラは、フイル
ムカートリッジの内部に収納されたフイルムを送り出し
給送する機能を有するカメラにおいて、上記フイルムカ
ートリッジ内のフイルムを送り出し給送するための駆動
源と、上記フイルムカートリッジ内のフイルムを送り出
すための被駆動軸と、上記駆動源からの駆動力を受けて
上記被駆動軸を駆動する駆動軸と、上記被駆動軸若しく
は上記駆動軸に回転自在に設けられた磁石と、上記駆動
軸若しくは上記被駆動軸に回転自在に設けられた導電性
回転部材と、上記磁石の磁束を受けて、その磁束を上記
磁石に返すための磁気回路の一部をなす磁性体とを具備
し、上記磁石と上記導電性回転部材と上記磁性体とを同
軸上に相対回動可能に保持するように配置したことを特
徴とする。
【0010】そして、第3の発明は、上記第1の発明に
よるカメラにおいて、上記導電性回転部材は、カップ形
状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態によって
本発明を説明する。図1は、本発明の一実施形態のカメ
ラを示し、その内部に配置されるフイルム給送装置の一
部を構成する駆動力伝達装置を示す斜視図である。ま
た、図2は、本実施形態のカメラの駆動力伝達装置のみ
を取り出して拡大して示す要部分解斜視図である。な
お、図1・図2では、図面の繁雑化を避けるためにカメ
ラの内部に配置される駆動力伝達装置のみを主に図示
し、その他のカメラの構成部材については、その図示を
省略している。
【0012】本駆動力伝達装置は、図1において二点鎖
線で示されるカメラ1の内部底面側と両側部に配置され
るフイルム巻取室及びフイルムカートリッジ収納室近傍
に配置される各構成部材により構成されるものである。
【0013】カメラ1の前面側には、図1において同様
に二点鎖線で示される撮影レンズ鏡筒2が配置されてい
る。この撮影レンズ鏡筒2は、被写体像を光学的に結像
させる撮影レンズ等の構成部材(図示せず)等を内部に
保持して構成される一般的なものである。この撮影レン
ズ鏡筒2の後方であって、カメラ1の内部には、同鏡筒
2の内部(の撮影レンズ)を透過してカメラ1の内部に
入射する被写体からの光束をフイルム5の乳剤面に対し
て露光させ、所定の画面枠を形成させる露光用開口部
(アパーチャ)1aが形成されている。
【0014】カメラ1の内部の一端側には、ロール状の
写真フイルム5(以下、単にフイルムという)が巻回さ
れて収納されているフイルムカートリッジ4がカメラに
対して挿脱自在となるように形成されるフイルムカート
リッジ収納室(特に図示せず)が設けられている。この
フイルムカートリッジ収納室の上方側には、同収納室の
内部にフイルムカートリッジ4が装填されたときに、同
カートリッジ4の内部に回動自在に設けられ、フイルム
5が巻回されているカートリッジ軸4a(図2参照)を
外部から回動させ得るように形成されたカートリッジ軸
駆動ギアー27の駆動軸28が係合されるようになって
いる。したがって、後述するように駆動源であるモータ
12の駆動力が本実施形態の駆動力伝達装置を介してカ
ートリッジ軸4aに伝達されると、フイルムカートリッ
ジ4の内部からフイルム5を外部に送出したり、カメラ
1のフイルム巻取室に収納された撮影済みのフイルム5
をフイルムカートリッジ4の内部に巻き戻すことができ
るようになっている。
【0015】一方、カメラ1の内部の他端側には、装填
されたフイルムカートリッジ4の内部から外部に送り出
され、所定の露光動作を経て露光がなされた撮影済みの
フイルム5を収納するフイルム巻取室(特に図示せず)
が設けられている。このフイルム巻取室の内部には、フ
イルムカートリッジ4から送り出されてきたフイルム5
を巻回すると共に、同フイルム5の巻き上げ動作に寄与
するスプール軸11が回動自在に軸支されている。
【0016】このスプール軸11は、略円筒形状に形成
され、内部の空間に本実施形態の駆動力伝達装置の駆動
源となるモータ12が配置されている。また、スプール
軸11の下端部には、モータ12の駆動力を受けて、同
スプール軸11を回動させるスプールギアー11aが一
体的に形成されている。
【0017】そしてこのスプールギアー11aとカート
リッジ軸駆動ギアー27との間には、モータ12の駆動
力を伝達する複数のギアー部材等からなるギアー列13
及び駆動力伝達手段(磁石クラッチ3)等によって形成
される駆動力伝達装置が配置されている。
【0018】モータ12は、上述したようにスプール軸
11の内部の空間に配置されている。このモータ12の
回転軸には、ピニオンギアー16が固着されていると共
に、腕部材17の一端部が回動自在に軸支されている。
この腕部材17の他端部には遊星ギアー15が回動自在
に軸支されていて、同遊星ギアー15は、ピニオンギア
ー16に噛合している。したがって、遊星ギアー15及
びピニオンギアー16と腕部材17によって遊星歯車列
が構成されていて、ピニオンギアー16は、太陽ギアー
として機能するようになっている。
【0019】なお、ピニオンギアー16が図2に示す矢
印R方向(反時計方向)に回転すると、これに噛合する
遊星ギアー15が図2に示す矢印R方向(時計方向)に
回動し、これに従動して腕部材17がモータ12を回転
軸として反時計方向に回動することになる。このとき、
腕部材17の回動半径内であって、カメラ1の底面部側
の固定部材の所定の位置には、腕部材17の回動を規制
して、同腕部材17の回動範囲を所定の範囲内に規定す
る回動規制部材であるストッパ14が配設されている。
【0020】遊星ギアー15には、カメラ1の底面側に
配置され、複数の歯車によって形成されるギアー列13
の一端部のギアー13aが常に噛合するようになってい
る。これと同時に遊星ギアー15には、モータ12の駆
動力をスプール軸11のスプールギアー11aへと伝達
する二段ギアー18の下側ギアー18bが、所定の場
合、即ちフィルム巻取動作の実行時にのみ噛合するよう
になっている(詳細については後述する)。
【0021】二段ギアー18は、上側ギアー18aと下
側ギアー18bとが軸部材等によって一体的に回動する
ように連結されてなるものであって、同二段ギアー18
の上側ギアー18aには、さらにギアー19が噛合して
いる。そして、このギアー19がスプールギアー11a
に噛合している。これによって、モータ12の駆動力
は、ピニオンギアー16・遊星ギアー15・二段ギアー
18・ギアー19を介してスプールギアー11aに伝達
されるようになっている。
【0022】一方、ギアー列13の他端部のギアー13
bは、駆動力伝達手段である磁石クラッチ3に連結され
ている。つまり、ギアー13bは、磁石クラッチ3の一
部を構成するカップリング22の回動軸25の先端部に
一体的に固着されているのである。
【0023】ここで、磁石クラッチ3の詳細な構成につ
いて、以下に説明する。図3は、本カメラ1の駆動力伝
達装置の一部を構成する駆動力伝達手段(磁石クラッチ
3)の詳細な構成を示す縦断面図である。また、図4
は、この駆動力伝達手段(磁石クラッチ3)の構成を示
し、図3の符号A−Aに沿う線によって表わされる断面
図である。
【0024】磁石クラッチ3は、アラゴの円板の原理を
利用した駆動力伝達手段(クラッチ手段)であって、磁
石により形成されるロータ(磁石23)と、このロータ
に対して非接触で配置される導電性を有する導電性回転
部材(カップリング22)と、この導電性回転部材を介
して磁石からの磁束を受け、その磁束を磁石へと返す磁
気回路の一部を構成する高磁性体からなるステータ(ヨ
ークチューブ21)等によって構成され、ステータの内
部において導電性回転部材がロータの周りを相対回転す
ることによって渦電流を発生させ、これによってロータ
を回転させるように構成したものである。この構成は、
上記相対回転の角速度差が大きければ大きいほど大きい
駆動力が発生する。
【0025】このように、本実施形態のカメラにおける
駆動力伝達装置では、磁石と導電性回転部材とを高磁性
体(ヨークチューブ21)の内部で相対的に回転させる
ことで、所定の駆動力を駆動軸(回動軸25)から被駆
動軸(回動軸24)へと、後述する軸受部分を除いて磁
石そのものと導電性回転部材とを非接触状態で保持しな
がら伝達するようにしている。
【0026】具体的にその構成を示すと次のようにな
る。即ち、磁石クラッチ3は、ロータである磁石23と
導電性回転部材であるカップリング22と、磁石23を
回動自在に軸支すると共に、駆動力を受けて出力する被
駆動軸である回動軸24と、カップリング22を回動自
在に軸支すると共に、駆動力を入力する駆動軸である回
動軸25と、これらの部材を内部に配し、渦電流を発生
させ得る高磁性体等からなるステータであるヨークチュ
ーブ21等によって構成されている。なお、ヨークチュ
ーブ21は、駆動力を効率良く伝達するものであって、
必ずしも必要なものではない。
【0027】上記カップリング22は、略円筒形状によ
って形成され、一方の端面の略中央部に回動軸25が一
体的に配設されており、他端面には開口部が設けられて
いる。換言すると、このカップリング22は、いわゆる
カップ形状に形成されているものである。また、このカ
ップリング22は、例えばアルミニウムや銅などの導電
性のある金属部材によって形成されている。
【0028】そして、このカップリング22は、同様に
略円筒形状からなり高磁性体によって形成され、カメラ
1側の固定部材(図示せず)によって固定されるヨーク
チューブ21の内部において、回動自在にかつ非接触と
なるように軸支されている。
【0029】また、カップリング22の内部には、略円
筒形状からなる磁石23が配設されている。この磁石2
3は、二組のS−N極からなる磁石によって形成されて
いて、、その着磁は、回動軸24及び回動軸25の円周
方向に順次着磁されている(図4参照)。
【0030】また、磁石23の一方の端部には、軸受け
部材23bが、例えば接着剤等によって一体的に形成さ
れている。この軸受け部材23bの略中央部には、軸部
23aが外方に向けて突設されていて、同軸部23a
は、カップリング22の底面側の内面部に設けられる軸
受け部25aに嵌合している。
【0031】磁石23の他方の端部には、回動軸24の
連結部が上記軸受け部材23bと同様に、例えば接着剤
等によって一体的に形成されている。この回動軸24
は、一端部に円板形状からなる連結部が一体に設けられ
ていると共に、他端部にはカートリッジ軸駆動ギアー2
7に噛合し、これを駆動させるギアー26が固着されて
いる。そして、回動軸24の磁石23との接着部の外周
縁部24aは、カップリング22の開口部近傍の内壁部
22aによって軸受けされている。
【0032】一方、回動軸24の他端部のギアー26
は、上述したようにカートリッジ軸駆動ギアー27に噛
合している。カートリッジ軸駆動ギアー27には、その
略中央部の回転中心となる位置に駆動軸28が一体的に
形成されていて、この駆動軸28の外周面上の所定の位
置には、爪部28aが形成されている。
【0033】そして、駆動軸28及び爪部28aは、カ
メラ1のカートリッジ収納室の内部に向けて突設するよ
うに配置され、カートリッジ収納室に対してフイルムカ
ートリッジ4が装填されたときには、同フイルムカート
リッジ4のカートリッジ軸4aの一端部に設けられてい
る係合部に嵌合するようになっている。したがって、こ
れによりモータ12が駆動して生じた駆動力は、ピニオ
ンギアー16から遊星歯車列及びギアー列13・磁石ク
ラッチ3・カートリッジ軸駆動ギアー27を介して駆動
軸28に伝達され、これを所定の方向に回転させるよう
になっており、同駆動軸28の回転に従動してカートリ
ッジ軸4aが同方向に回転するように構成されている。
【0034】このようにしてモータ12の駆動力がカー
トリッジ軸4aに伝達されると、フイルムカートリッジ
4の内部からフイルム5の先端が送り出される初期送出
動作及びフイルム巻取動作が行なわれる一方、フイルム
巻取室の内部に収納された撮影済みのフイルム5をフイ
ルムカートリッジ4の内部に巻き戻すフイルム巻戻し動
作が行なわれるようになっている。
【0035】ただし、モータ12のピニオンギアー16
からギアー13までのフイルム送り出し及びフイルム巻
き戻しに寄与するギアー列と、モータ12のピニオンギ
アー16からスプールギアー11aまでのフイルム巻き
上げに寄与するギアー列は、次に示すようなギアー列を
構成している。
【0036】即ち、フイルムの送り出し及び巻き戻しを
行なうときには、駆動軸28にできるだけ大きな駆動力
を伝達し得るようにするために、これらのギアー列は、
磁石23とカップリング22との相対回転の角速度差が
常に大きくなるような設定となっている。
【0037】つまり、フイルムの巻き上げを行なうとき
には、送り出されてきたフイルム5の先端がスプール軸
11に確実に巻き付くようにスプール軸11の外周面の
回転速度は、フイルム5の送り出し速度よりも速くなる
ように設定され、フイルム5がスプール軸11に巻き付
いた後にも、カップリング22の回転角速度は、磁石2
3の回転角速度よりも速くなるように設定されている必
要がある。
【0038】また、フイルム5の巻き戻しを行なうとき
には、上述のようにギアー列におけるギアー15とギア
ー18bとの噛合状態が解除されるので、カップリング
22と磁石23との回転角速度は、充分に確保されてい
ることになる。
【0039】このように構成された本実施形態のカメラ
における駆動力伝達装置の作用を、以下に説明する。ま
ず、カメラ1のフイルムカートリッジ収納室の内部の所
定の位置に、フイルム5が巻回されて収納されているフ
イルムカートリッジ4を装填する。すると、所定の手段
により本カメラ1は、フイルム5の初期送出動作を含む
フイルム巻取動作を実行して、フイルム5をカメラ1の
内部における所定の位置に設定する。ここで、フイルム
5の初期送出動作とは、フイルムカートリッジ4の内部
に先端まで収納されたフイルム5を、同カートリッジ4
の外部へと送り出し、フイルム5の先端をフイルム収納
室のスプール軸11に巻回させ、同スプール軸11によ
るフイルム巻取動作を開始し得る状態に設定する動作を
いう。
【0040】ギアー13bは、カップリング22の回動
軸25に固着されている。したがって、まず回動軸25
を図2の矢印W方向(反時計方向)に回動するようにモ
ータ12を駆動させる。すると、磁石クラッチ3におい
ては、カップリング22の円周面内に磁束Bに直交し
て、この磁束を囲むように渦電流が発生し、これによっ
て磁石23が同方向に回転を開始し、これに従動して回
動軸24も同方向に回転する。
【0041】この回動軸24の他端部には、ギアー26
が固着されているので、同ギアー26も同方向に回転
し、ギアー26に噛合するカートリッジ軸駆動ギアー2
7を図2の矢印W方向(時計方向)に回転させる。これ
によって、フイルムカートリッジ4のカートリッジ軸4
aが同方向(時計方向)に回転することから、同カート
リッジ軸4aに巻回されているフイルム5がフイルムカ
ートリッジ4の内部から外部に向けて送り出される。
【0042】そして、フイルム5の先端がスプール軸1
1の外周面上に到達すると、一般的に用いられているフ
イルム巻取手段が作用して、同フイルム5をスプール軸
11に巻回させる。これによりフイルム5の初期送出動
作が完了する。この後、継続してフイルム巻取動作が実
行されて、フイルム5を給送して第1コマ目をカメラ1
の内部における所定の位置に設定する。
【0043】このときの本駆動力伝達手段の状態、即ち
フイルム5がスプール軸11に巻回された状態において
は、スプール軸11は、上述したようにフイルム5を巻
き上げるべき方向に既に回転を開始している。したがっ
て、スプール軸11にフイルム5の先端が巻回される
と、スプール軸11の回転に従ってフイルム5は、巻上
取方向に給送され、スプール軸11の外周面側に巻回さ
れていくことになる。
【0044】なお、この場合において、スプール軸11
が回転するのに伴って、その駆動力は、給送されるフイ
ルム5を介してカートリッジ軸4aを同速同方向に従動
させることになる。すると、カートリッジ軸駆動ギアー
27・ギアー26を介して回動軸24には、図2の矢印
W方向(反時計方向)に駆動する駆動力が与えられるこ
とになる。
【0045】しかし、回動軸24に固着される磁石23
とカップリング22とは、空間を介して間接的な電磁気
的結合状態にあるので、回動軸24の回転がカップリン
グ22の回転に影響を与えることはない。このことは、
回動軸24とカップリング22との回転の角速度の差が
減じることにより、駆動軸28の駆動力が減じて不必要
な力をこの軸に与えることが少なくなるからである。し
たがって、フイルム5は、スプール軸11の回転に伴っ
てスムーズに同スプール軸11に巻き取られることにな
る。
【0046】このようにしてフイルム巻取動作が実行さ
れて、フイルム5の第1コマ目が所定の位置に設置され
ると、一連のフイルム給送動作は停止し、本カメラ1
は、撮影準備状態になる。そして、これ以後は、写真撮
影動作に伴って必要に応じて所定のフイルム巻取動作が
随時実行されることになる。
【0047】一方、上述のようにして写真撮影動作に伴
なってフイルム巻取動作が随時行なわれた後、フイルム
5の最終コマに対応する写真撮影動作が終了すると、カ
メラ1は、これを検知してフイルム5をフイルムカート
リッジ4へと巻き戻すフイルム巻戻動作を実行する。
【0048】即ち、フイルム収納室のスプール軸11に
巻回されて収納された撮影済みのフイルム5をフイルム
カートリッジ4へと巻き戻す動作が実行されるのであ
る。このフイルム巻戻動作の実行時における、本駆動力
伝達装置の作用を、以下に説明する。
【0049】最終撮影コマへの露光動作の終了後に、所
定のフイルム給送動作が実行されると、所定の検出手段
によって、直前に実行した露光動作に対応する撮影コマ
がフイルム5の最終コマに該当するか否かの判断がなさ
れ、最終コマであると判断された場合には、フイルム5
の巻き戻し動作が実行される。
【0050】まず、フイルム巻戻動作の実行を指示する
信号が生じると、これを受けてモータ12が図2の矢印
R方向(反時計方向)へと回転を開始する。これに伴っ
て腕部材17も同方向に回動を開始するが、この回動動
作は、ストッパ14によって規制される。これによって
遊星ギアー15は、ギアー列13のギアー13aとの噛
合状態を保持しながら、二段ギアー18との噛合状態が
解除された状態となる。したがって、モータ12の駆動
力は、スプール軸11側へは伝達されず、ギアー列13
の側のみに伝達されることになる。
【0051】こうして、モータ12の駆動力によってギ
アー13bが図2の矢印W方向とは逆方向(時計方向)
に回転すると、カップリング22も同方向に回転するの
で、これにより磁石23が同方向に回転する。すると、
回動軸24を介してギアー26は、図2の矢印W方向と
は逆方向(時計方向)に回転し、これに噛合するカート
リッジ軸駆動ギアー27を図2の矢印R方向(反時計方
向)に回転させる。これによって駆動軸28を介してカ
ートリッジ軸4aは、フイルム5をフイルムカートリッ
ジ4の内部に巻き戻す方向に回転することになる。
【0052】このときスプール軸11には、上述したよ
うにモータ12からの駆動力が伝達されないようになっ
ているので、同スプール軸11は、フイルム5を介して
同フイルム5をフイルムカートリッジ4へ巻き戻す方向
に従動することになる。
【0053】なお、フイルム巻戻動作は、上述のように
フイルム5の最終コマの撮影終了後に実行される場合以
外にも、次のような場合に実行されることがある。即
ち、フイルム5の使用を撮影途中で中断し、他のフイル
ムカートリッジ4に交換するといった行為を行なうよう
な場合にも、同様にフイルム巻戻動作が実行される。
【0054】この場合には、カメラ1の使用者の意志に
基づいてフイルム途中巻戻ボタンが操作される等の所定
の操作を受けて、フイルム巻戻動作が実行されることに
なる。その場合のフイルム給送機構の作用もまた同様で
ある。
【0055】以上説明したように上記一実施形態によれ
ば、単一の駆動源であるモータ12からの正逆両方向の
駆動力を受けて被駆動軸(回動軸24)を所定の方向に
回転させて、フイルムカートリッジ4からのフイルム5
の初期送出動作及び同フイルム5のスプール軸11への
巻取動作と、フイルム5のフイルムカートリッジ4への
巻戻動作とを切り換えて行なうように構成したフイルム
給送機構を有するカメラの駆動力伝達装置において、ア
ラゴの原理を利用した磁石クラッチ3を用いることによ
り、従来の同様の駆動力伝達装置に比べて、フイルム給
送の精度の劣化を防止しながら、機構の簡素化を容易に
実現することができる。
【0056】したがって、駆動力伝達装置を構成する部
材点数の減少に寄与すると共に、製造時における工数の
短縮化に寄与することができる。これにより、駆動力伝
達装置及びこれを使用するカメラ等の機器自体の製造コ
ストの低減化に寄与することができる。
【0057】なお、上述の実施形態における磁石クラッ
チ3では、磁石23と被駆動軸である回動軸24とを一
体に形成すると共に、導電性回転部材としてのカップリ
ング22と駆動軸である回動軸25とを一体に形成する
ようにしている。しかし、このような組み合わせに限る
ことはなく、例えば上述の例とは逆に、被駆動軸と導電
性回転部材とを一体に形成し、駆動軸と磁石とを一体に
形成するようにしても、上述の実施形態と全く同様の作
用及び効果を得ることができる。
【0058】[付記]上記発明の実施形態により、以下
のような構成の発明を得ることができる。
【0059】(1) フイルムカートリッジ内に収めら
れたフイルムを送り出す機能を有するカメラにおいて、
上記フイルムカートリッジ内に収められたフイルムを送
り出すための駆動源であるモータと、上記フイルムカー
トリッジ内に収められたフイルムを送り出すための被駆
動軸と、上記モータからの駆動力を受けて上記被駆動軸
を駆動するための駆動軸と、上記被駆動軸若しくは上記
駆動軸に回転自在に設けられた磁石と、上記駆動軸若し
くは上記被駆動軸に回転自在に設けられた導電性回転部
材と、を有し、上記磁石と上記導電性回転部材とを同軸
上に相対回転可能となるように配置したカメラ。
【0060】(2) 付記1に記載のカメラにおいて、
上記磁石は、その着磁方向が上記駆動軸と上記被駆動軸
の半径方向となるように設定されている。
【0061】(3) フイルムカートリッジ内に収めら
れたフイルムを送り出す機能を有するカメラにおいて、
上記フイルムカートリッジ内に収められたフイルムを送
り出すための駆動源であるモータと、上記モータの駆動
力を伝達する駆動力伝達クラッチ手段と、を具備し、上
記駆動力伝達クラッチ手段は、上記フイルムカートリッ
ジ内に収められたフイルムを送り出すための被駆動軸
と、上記モータからの駆動力を受けて上記被駆動軸を駆
動するための駆動軸と、上記被駆動軸若しくは上記駆動
軸に回転自在に設けられた磁石と、上記駆動軸若しくは
上記被駆動軸に回転自在に設けられ、上記磁石からの磁
束変化を受けて渦電流を発生させる導電性回転部材と、
上記磁石の磁束を受けて、その磁束を上記磁石に返すた
めの磁気回路の一部をなす磁性体からなるステータと、
によって形成され、上記磁石と上記導電性回転部材と上
記ステータとを同軸上に相対回転可能となるように配置
したカメラ。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、単一
の駆動源からの駆動力をより簡単な機構を用いて、高い
精度を維持しながら複数の被駆動部材へと伝達し得る駆
動力伝達装置を備えたカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のカメラを示し、その内部
に配置されるフイルム給送装置の一部を構成する駆動力
伝達装置を示す斜視図。
【図2】図1のカメラの駆動力伝達装置のみを取り出し
て拡大して示す要部分解斜視図。
【図3】図1のカメラの駆動力伝達装置の一部を構成す
る駆動力伝達手段(クラッチ手段)の構成を示す縦断面
図。
【図4】図1のカメラの駆動力伝達装置の一部を構成す
る駆動力伝達手段(クラッチ手段)の詳細な構成を示す
図であって、図3の符号A−Aに沿う線によって表わさ
れる断面図。
【符号の説明】
1……カメラ 2……撮影レンズ鏡筒 3……磁石クラッチ(駆動力伝達装置、クラッチ手段) 4……フイルムカートリッジ 4a……カートリッジ軸4 5……ロール状写真フイルム 11……スプール軸 11a……スプールギアー 12……モータ(駆動源) 13……ギアー列 14……ストッパ(回動規制部材) 15……遊星ギアー 16……ピニオンギアー 17……腕部材 18……二段ギアー 21……ヨークチューブ(ステータ) 22……カップリング(導電性回転部材) 23……磁石 24……回動軸(被駆動軸) 25……回動軸(駆動軸) 27……カートリッジ軸駆動ギアー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フイルムカートリッジの内部に収納さ
    れたフイルムを送り出し給送する機能を有するカメラに
    おいて、 上記フイルムカートリッジ内のフイルムを送り出し給送
    するための駆動源と、 上記フイルムカートリッジ内のフイルムを送り出すため
    の被駆動軸と、 上記駆動源からの駆動力を受けて上記被駆動軸を駆動す
    る駆動軸と、 上記被駆動軸若しくは上記駆動軸に回転自在に設けられ
    た磁石と、 上記駆動軸若しくは上記被駆動軸に回転自在に設けられ
    た導電性回転部材と、 を具備し、 上記磁石と上記導電性回転部材とを同軸上に相対回動可
    能に保持するように配置したことを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 フイルムカートリッジの内部に収納さ
    れたフイルムを送り出し給送する機能を有するカメラに
    おいて、 上記フイルムカートリッジ内のフイルムを送り出し給送
    するための駆動源と、 上記フイルムカートリッジ内のフイルムを送り出すため
    の被駆動軸と、 上記駆動源からの駆動力を受けて上記被駆動軸を駆動す
    る駆動軸と、 上記被駆動軸若しくは上記駆動軸に回転自在に設けられ
    た磁石と、 上記駆動軸若しくは上記被駆動軸に回転自在に設けられ
    た導電性回転部材と、 上記磁石の磁束を受けて、その磁束を上記磁石に返すた
    めの磁気回路の一部をなす磁性体と、 を具備し、 上記磁石と上記導電性回転部材と上記磁性体とを同軸上
    に相対回動可能に保持するように配置したことを特徴と
    するカメラ。
  3. 【請求項3】 上記導電性回転部材は、カップ形状に
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメ
    ラ。
JP11190686A 1999-07-05 1999-07-05 カメラ Withdrawn JP2001021966A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011007227A (ja) * 2009-06-24 2011-01-13 Miyagi Prefecture 動力伝達装置

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