JP2001020854A - 斜板型液圧回転機 - Google Patents

斜板型液圧回転機

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JP2001020854A
JP2001020854A JP11193168A JP19316899A JP2001020854A JP 2001020854 A JP2001020854 A JP 2001020854A JP 11193168 A JP11193168 A JP 11193168A JP 19316899 A JP19316899 A JP 19316899A JP 2001020854 A JP2001020854 A JP 2001020854A
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piston
valve plate
cylinder
pressure
casing
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JP11193168A
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Tetsuya Sakairi
哲也 坂入
Haruo Kokubu
晴雄 国分
Kazumasa Yuasa
一正 湯浅
Shigetaka Nakamura
重孝 中村
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダが吐出ポートと連通するときの圧力
変動を抑える。 【解決手段】 リアケーシング側に形成したピストン収
容溝24内に変位ピストン25を設け、この変位ピスト
ン25によってピストン収容溝24内に吐出ポート20
と連通する油室26を画成し、変位ピストン25とピス
トン収容溝24との間にばね29を配設すると共に、変
位ピストン25と弁板18とを連結ピン30によって連
結する。このため、吐出ポート20内の圧力が基準圧力
以上となったときには、変位ピストン25がばね29に
抗してピストン収容溝24内を変位することにより弁板
18が回動し、シリンダが吸入ポート19との連通を断
って吐出ポート20と連通するタイミングを遅らせるこ
とができる。これにより、シリンダが吐出ポート20に
連通したときの圧力変動を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜板型油圧ポン
プ、モータ等として用いられる斜板型液圧回転機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、建設機械等に搭載される油圧機
器の油圧源に用いられる油圧ポンプ、駆動源に用いられ
る油圧モータとして、斜板型液圧回転機が知られてい
る。
【0003】この種の斜板型液圧回転機として、例えば
油圧ポンプは、ケーシングと、該ケーシング内に回転自
在に設けられた回転軸と、前記ケーシング内に位置して
該回転軸と一体に回転するように設けられ、周方向に離
間して軸方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシ
リンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内
に摺動可能に挿嵌され、該シリンダブロックの回転に伴
なって軸方向に移動して作動油を吸入,吐出する複数の
ピストンと、前記ケーシング内に設けられ該各ピストン
がシューを介して摺動する平滑面を有した斜板と、前記
ケーシングとシリンダブロックの端面との間に設けら
れ、前記各シリンダと連通する吸入ポートおよび吐出ポ
ートが形成された弁板とから大略構成されている。
【0004】そして、上述のように構成された油圧ポン
プは、エンジン等の駆動源で前記回転軸を回転駆動する
と、ケーシング内で該回転軸と共にシリンダブロックが
回転する。これにより、該シリンダブロックの各シリン
ダ内でピストンが往復動し、吸入ポートからシリンダ内
に吸込んだ作動油をピストンによって加圧して吐出ポー
トに圧油として吐出する。
【0005】また、前記弁板には、吸入ポートと吐出ポ
ートとの間に一対の切換ランドが形成され、シリンダブ
ロックの各シリンダは、例えば一方の切換ランドの位置
で吸入ポートから遮断された後に、吐出ポートに対して
連通する。そして、各シリンダは、他方の切換ランドの
位置で吐出ポートから遮断された後に、吸入ポートに対
して連通するようになる。
【0006】ここで、シリンダブロック、ピストンおよ
び弁板の作動について説明すると、各シリンダのシリン
ダポートが弁板の吸入ポートと連通するときには、該吸
入ポートの始端から終端にかけてピストンがシリンダか
ら突出する方向に移動して前記吸入ポートから該シリン
ダ内に作動油を吸込む吸入行程となる。一方、前記各シ
リンダのシリンダポートが吐出ポートと連通するときに
は、該吐出ポートの始端から終端にかけてピストンがシ
リンダ内に進入する方向に移動して該シリンダ内の作動
油を吐出ポート内に吐出する吐出行程となる。
【0007】そして、油圧ポンプは、このように吸入行
程と吐出行程とを繰返すことによって、シリンダブロッ
クの各シリンダ内にタンク内の作動油を吸込むと共に、
この作動油を加圧して外部に吐出し、この吐出した圧油
を外部の油圧シリンダ、油圧モータ等に駆動圧として供
給するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による油圧ポンプでは、吸入行程で弁板の吸入ポ
ートを介して作動油を吸込んだシリンダ内の圧力は吐出
ポート内の圧力に比べて低圧になる。そして、各シリン
ダのシリンダポートが吐出ポートと連通するときに、該
吐出ポート内の高圧な圧油がシリンダポートを介して低
圧のシリンダ内に急激に流入(逆流)して大きな圧力変
動が生じるから、この圧力変動によってピストンに脈動
が生じ、斜板等を介してケーシングから振動や騒音が発
生するという問題がある。また、吐出ポートに接続され
たホース配管等にも脈動が生じ、ホース配管側からも騒
音や振動が発生する。
【0009】また、上述のように吐出ポートからシリン
ダ内に逆流する圧油は、シリンダ内に急激に噴出するジ
ェット流となるから、このジェット流によって各シリン
ダのシリンダポートの内壁部に浸食等を生じさせること
があり、ポンプ効率や寿命が大幅に低下するという問題
がある。
【0010】また、他の従来技術として、例えば実開平
2−14475号公報には、シリンダのシリンダポート
が弁板の一方の切換ランドの位置で吸入ポートから遮断
された後に吐出ポートに連通するまでの間に、前記シリ
ンダポートを蓄圧器等と一時的に連通させることによ
り、シリンダ内の圧力を予備的に昇圧させる構成とした
油圧ポンプが提案されている。
【0011】しかし、この他の従来技術による油圧ポン
プは、蓄圧器等を特別に設ける構成としているため、構
造が複雑化し、組立時の作業性が悪くなる上に、必ずし
も脈動の発生を抑えることができず、振動、騒音の低減
化を図るのが難しいという問題がある。
【0012】また、例えば実開昭61−118973号
公報に記載の別の従来技術では、吐出ポート内の圧力変
化に従って弁板をケーシング内で回転させる回転駆動機
構を備えた油圧ポンプが提案されている。
【0013】そして、この別の従来技術による油圧ポン
プは、吐出ポート内の圧力が変化するのに応じて回転駆
動機構により弁板を回転させ、吐出ポートに連通する前
にシリンダ内でピストンにより作動油が予圧縮される区
間を調整し、これによって脈動の発生を抑制するもので
ある。
【0014】しかし、上述した別の従来技術では、回転
駆動機構を、弁板の径方向外側に位置してケーシングに
設ける構成としているため、ケーシング全体の外径寸法
を回転駆動機構に合わせて大きくする必要が生じ、装置
全体が大型化するという問題がある。
【0015】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、シリンダが給排ポートに連通するときの
圧力変動を確実に抑え、この圧力変動に起因する脈動等
を低減できるようにした斜板型液圧回転機を提供するこ
とを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明は、ケーシングと、該ケーシング内に回転
可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転する
ように前記ケーシング内に設けられ、周方向に離間して
軸方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシリンダ
ブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内に摺動
可能に挿嵌され該シリンダブロックの回転に伴なって各
シリンダ内を往復動する複数のピストンと、前記ケーシ
ング内に設けられ該各ピストンがシューを介して摺動す
る平滑面を有する斜板と、前記ケーシングとシリンダブ
ロックとの間に設けられ前記回転軸を挟んで対向する一
対の給排ポート間がそれぞれ切換ランドとなった弁板と
からなる斜板型液圧回転機に適用される。
【0017】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記ケーシングと弁板との軸方向の当接面間に
は、前記一対の給排ポートのうち高圧側ポート側の圧力
を導くことにより、前記高圧側ポート側の圧力が基準圧
力以上となったときには前記弁板を前記シリンダが低圧
側ポートから高圧側ポートに切換わるときの切換タイミ
ングを遅らせる方向に回動する弁板回動機構を設けたこ
とにある。
【0018】このように構成したことにより、高圧側ポ
ートの圧力が基準圧力以上となったときには、弁板回動
機構によって弁板が回転軸を中心として回動して弁板の
切換ランドの位置が変化するので、シリンダが低圧側ポ
ートから高圧側ポートに切換わるときの切換タイミング
を遅らせ、切換ランド上を移動する予圧縮区間を伸ばす
ことができる。このため、各シリンダが高圧側ポートに
連通するときに、該ポートとシリンダとの間で大きな圧
力変動が生じるのを抑えることができる。
【0019】請求項2の発明は、弁板回動機構は、前記
弁板を回動方向に案内するため前記ケーシングと弁板と
の当接面間に複数個設ける構成としたことにある。
【0020】このように構成したことにより、弁板は複
数の弁板回動機構によって案内された状態で、ケーシン
グに対して回転軸を中心に円滑に回動することができ
る。
【0021】請求項3の発明は、弁板回動機構は、前記
ケーシングのうち前記弁板との当接面側に形成され該弁
板の回動方向に延びるピストン収容溝と、該ピストン収
容溝内に摺動可能に設けられた変位ピストンと、前記ピ
ストン収容溝内に位置して該変位ピストンにより画成さ
れた油室と、前記高圧側ポートから前記油室内に向けて
圧油を導く油通路と、前記ピストン収容溝と変位ピスト
ンとの間に設けられ前記高圧側ポート側が基準圧力以上
となったときに前記変位ピストンが変位するのを許す付
勢手段と、前記変位ピストンと前記弁板との間を連結し
前記変位ピストンの動きに従って前記弁板を回動させる
連結部とにより構成したことにある。
【0022】このように構成したことにより、高圧側ポ
ートの圧力が付勢手段により設定された基準圧力以上と
なったときには、変位ピストンが油室内の圧力により付
勢手段に抗してピストン収容溝内を摺動変位し、連結部
を介して変位ピストンに連結された弁板が、シリンダが
低圧側ポートから高圧側ポートに切換わるときの切換タ
イミングを遅らせる方向に回動する。一方、高圧側ポー
トの圧力が付勢手段により設定された基準圧力よりも低
いときには、弁板は、付勢手段によりシリンダが低圧側
ポートから高圧側ポートに切換わるときの切換タイミン
グを早める方向に回動し、初期位置に保持される。
【0023】このように、高圧側ポートの圧力に応じて
弁板を回動させ、該弁板の切換ランドの位置を変えるこ
とにより、シリンダが低圧側ポートとの連通を断って高
圧側ポートと連通する間に切換ランド上を移動する予圧
縮区間を伸ばしたり、縮めたりすることができる。従っ
て、高圧側ポートの圧力が基準圧力以上となったときに
は、予圧縮区間を伸ばすことによりシリンダ内の圧力を
高圧側ポート内の圧力程度まで昇圧させることができ、
高圧側ポートの圧力が基準圧力よりも低いときには、予
圧縮区間を縮めることによりシリンダ内の圧力が高圧側
ポートの圧力以上に昇圧してしまうのを抑えることがで
きる。
【0024】請求項4の発明は、ピストン収容溝は、前
記回転軸を中心として周方向に円弧状に延びる眉形溝と
して構成し、変位ピストンは該眉形溝に対応して円弧状
に湾曲した眉形ピストンにより構成したことにある。
【0025】このように構成したことにより、変位ピス
トンに作用する油室内の圧力と付勢手段の付勢力との差
に応じて、変位ピストンはピストン収容溝に沿って回転
軸を中心とする円弧状の軌道上を摺動変位する。このた
め、変位ピストンに連結部を介して連結された弁板は、
回転軸を中心として円滑に回動することができ、シリン
ダが低圧側ポートから高圧側ポートに切換わるときのタ
イミングを、高圧側ポートの圧力に応じて速やかに切換
えることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明による斜板型液圧回
転機の実施の形態を斜板型油圧ポンプを例に挙げ、図1
ないし図7を参照しつつ詳細に説明する。
【0027】図1において、1は斜板型油圧ポンプの外
殻をなすケーシングで、該ケーシング1は、軸方向の一
端側が開口部2Aとなり、他端側が底部2Bとなった筒
状のケーシング本体2と、該ケーシング本体2の開口部
2Aを閉塞するリヤケーシング3とから構成されてい
る。ここで、ケーシング本体2の底部2B中央には軸挿
通穴2Cが穿設され、底部2Bの内側面は、後述の斜板
11が取付けられる斜板受け面2Dとなっている。ま
た、リヤケーシング3は、後述の弁板18と軸方向で当
接する弁板当接面3Aを有し、該弁板当接面3Aの外周
側には、弁板18の外周面に摺動可能に嵌合することに
より、後述の如く回動する弁板18をその回動方向に案
内する環状の案内突起3Bが突設されている。
【0028】4はケーシング1内に回転可能に設けられ
た回転軸で、該回転軸4は、一端側が軸受5を介してリ
ヤケーシング3に回転可能に支持され、他端側が軸受6
を介してケーシング本体2の底部2Bに回転可能に支持
されている。そして、回転軸4は、ケーシング本体2の
軸挿通穴2Cを通じて外部に突出し、エンジン等の原動
機(図示せず)によって回転駆動されるものである。
【0029】7は回転軸4にスプライン結合され、該回
転軸4と一体回転するようにケーシング1内に設けられ
たシリンダブロックで、該シリンダブロック7は、後述
の弁板18に摺動可能に当接する摺動面7Aを有し、そ
の中心側には回転軸4用の軸挿通穴7Bが形成されてい
る。また、シリンダブロック7には、周方向に離間して
複数(例えば7個)のシリンダ8,8,…が軸方向に穿
設されると共に、該各シリンダ8に連通し摺動面7A側
に開口する長円形状のシリンダポート8Aが形成されて
いる。
【0030】9,9,…は各シリンダ8内に摺動可能に
挿嵌された複数のピストンで、該各ピストン9は、シリ
ンダブロック7の回転に伴って各シリンダ8内を往復動
し、各シリンダ8内で吸入行程と吐出行程とを繰返すも
のである。また、該各ピストン9のシリンダブロック7
から突出した先端部には、後述のシュー10が揺動可能
に取付けられている。
【0031】10,10,…は各ピストン9の先端部に
それぞれ設けられた複数個のシューで、該各シュー10
は球形部10Aを有し、この球形部10Aがピストン9
の先端部に揺動可能に嵌合されている。そして、シュー
10は、シリンダブロック7の回転に伴ってピストン9
がシリンダ8内を往復動するときに、後述の斜板11上
を摺動するものである。
【0032】11はケーシング本体2の底部2Bとシリ
ンダブロック7との間に設けられた斜板で、該斜板11
の表面側(シリンダブロック7側)は各シュー10が摺
接しつつ回転する平滑面11Aとなり、斜板11の中央
部には回転軸4が挿通される軸挿通穴11Bが穿設され
ている。そして、斜板11はケーシング本体2の斜板受
け面2Dに固定され、これにより平滑面11Aはケーシ
ング1内に斜めに傾斜した状態で保持されている。
【0033】12は各シュー10を斜板11の平滑面1
1A上で摺動可能に保持する環状のリテーナで、該リテ
ーナ12は斜板11の平滑面11A上で各シュー10が
円運動を行うのを許し、シリンダブロック7の回転に伴
ってピストン9が各シリンダ8内を往復動するのを補償
するものである。
【0034】13はリテーナ12の内周側とシリンダブ
ロック7との間に設けられた球状ガイドで、該球状ガイ
ド13の外周面にはリテーナ12の内周側が摺動可能に
嵌合している。また、球状ガイド13は、シリンダブロ
ック7と共に回転軸4にスプライン結合され、回転軸4
と一体に回転するものである。
【0035】14は回転軸4とシリンダブロック7との
間に設けられたばねで、該ばね14の一端側は、シリン
ダブロック7の軸挿通穴7B内周面に嵌着された環状の
ばね受け板15に当接し、ばね14の他端側は、軸挿通
穴7B内に位置して回転軸4の外周側に挿通された環状
のばね受け板16に当接している。そして、ばね受け板
16には、シリンダブロック7の軸方向に挿通されたロ
ッド17の一端側が当接し、ロッド17の他端側は球状
ガイド13に当接している。従って、ばね14は、シリ
ンダブロック7と球状ガイド13とを軸方向で互いに逆
向きに付勢し、シリンダブロック7の摺動面7Aを弁板
18に押圧すると共に、球状ガイド13、リテーナ12
等を介して各シュー10を斜板11の平滑面11Aに押
圧している。
【0036】18はリヤケーシング3とシリンダブロッ
ク7との間に回転軸4を中心として回動可能に設けられ
た弁板で、該弁板18は、リヤケーシング3の弁板当接
面3Aに当接するケーシング当接面18Aと、シリンダ
ブロック7の摺動面7Aが摺動するシリンダブロック摺
動面18Bとをもった中空の円板状に形成されている。
【0037】ここで、弁板18には、図2に示すよう
に、低圧側給排ポートとしての吸入ポート19と高圧側
給排ポートとしての吐出ポート20とが、回転軸4を挟
んでほぼ対称位置となるように、回転軸4を中心とした
円弧状(眉形状)をもって周方向に伸長して設けられて
いる。そして、吐出ポート20には、弁板18に対して
シリンダブロック7が矢示A方向に回転するときに、回
転方向上流側となる始端側にノッチ20Aが配設され、
該ノッチ20Aは、各シリンダ8のシリンダポート8A
と吐出ポート20とを徐々に連通させるべく略三角形状
に形成されている。
【0038】また、弁板18の吸入ポート19と吐出ポ
ート20との間には、ピストン9が吐出行程から吸入行
程に切換わる上死点(T.D.C.)側に一側の切換ラ
ンド21が設けられると共に、ピストン9が吸入行程か
ら吐出行程に切換わる下死点(B.D.C.)側に、一
側の切換ランド21と回転軸4を挟んで対向する他側の
切換ランド22が設けられている。そして、シリンダブ
ロック7が弁板18上を矢示A方向に摺動するときに、
各シリンダ8のシリンダポート8Aは一側の切換ランド
21上に達すると、吐出ポート20に対する連通が断た
れ、他側の切換ランド22上に達すると、吸入ポート1
9に対する連通が断たれるようになっている。
【0039】ここで、ピストン9が最大縮小(上死点)
位置から最大伸長(下死点)位置へとストロークする吸
入行程では、各シリンダポート8Aが吸入ポート19と
連通し、吸入ポート19を介してシリンダ8内に作動油
が吸込まれる。そして、各ピストン9が最大伸長位置か
ら最大縮小位置へとストロークする吐出行程では、各シ
リンダポート8Aが吐出ポート20と連通し、吐出ポー
ト20を介してシリンダ8内の作動油を高圧の圧油とし
て吐出する。
【0040】また、吸入ポート19、吐出ポート20
は、リヤケーシング3に形成された吸入通路、吐出通路
(いずれも図示せず)に常時連通し、吐出通路はホース
配管等を介して外部の油圧シリンダ、油圧モータ(いず
れも図示せず)等に接続される。
【0041】そして、前記吸入ポート19、吐出ポート
20は、弁板18に対してシリンダブロック7が回転さ
れることにより、各シリンダ8のシリンダポート8Aと
間欠的に連通し、吸入通路からの油液を各シリンダ8内
に吸入させつつ、該各シリンダ8から吐出された圧油を
吐出通路を介して油圧シリンダや油圧モータ等の油圧ア
クチュエータに供給するものである。
【0042】23,23は吐出ポート20内の圧力変化
に応じて弁板18を回動変位させるため、リヤケーシン
グ3の弁板当接面3Aと弁板18のケーシング当接面1
8Aとの間に設けられた弁板回動機構で、該各弁板回動
機構23は、回転軸4を挟んでほぼ対称位置となる2か
所に配置され、後述のピストン収容溝24、変位ピスト
ン25、油通路28、ばね29、連結ピン30等により
構成されている。
【0043】24,24はリヤケーシング3の弁板当接
面3A側に位置して弁板18の回動方向(周方向)に延
びるように凹設されたピストン収容溝で、該各ピストン
収容溝24は、回転軸4を挟んでほぼ対称位置に設けら
れ、吸入ポート19,吐出ポート20と同一の中心(回
転軸4の中心)をもった円弧状の眉形溝として形成され
ている。そして、各ピストン収容溝24は、弁板18の
ケーシング当接面18Aによって閉塞されるものであ
る。
【0044】ここで、図2ないし図5に示すように、上
死点(T.D.C.)と下死点(B.D.C.)とを結
ぶ線を基準線C−Cとすると、ピストン収容溝24のう
ち基準線C−C寄りの一端側は円弧状端面24Aとな
り、該円弧状端面24Aにはピストン収容溝24よりも
狭幅となって周方向に延びる圧油導入口24Bが設けら
れている。また、ピストン収容溝24のうち基準線C−
Cから離間した他端側は矩形状端面24Cとなり、該矩
形状端面24Cには、ピストン収容溝24よりも狭幅な
ばね受け部24Dが設けられている。
【0045】25,25は各ピストン収容溝24内に摺
動可能に設けられた変位ピストンで、該各変位ピストン
25は、ピストン収容溝24の深さ寸法とほぼ等しい肉
厚をもち、かつピストン収容溝24に対応して円弧状に
湾曲した眉形に形成され、周方向の一端側が円弧面25
Aとなり、他端側が平坦面25Bとなっている。
【0046】26,26は各ピストン収容溝24の円弧
状端面24Aと変位ピストン25の円弧面25Aとの間
に画成された油室で、該油室26は弁板18のケーシン
グ当接面18Aによって閉塞され、油通路28を通じて
吐出ポート20と常時連通している。また、各ピストン
収容溝24の矩形状端面24Cと変位ピストン25の平
坦面25Bとの間には、タンクに接続されたばね室2
7,27が画成されている。
【0047】28,28は各ピストン収容溝24内に画
成された油室26を弁板18の吐出ポート20側に連通
させる油通路で、該各油通路28は、弁板18のケーシ
ング当接面18Aに凹設されリヤケーシング3の弁板当
接面3Aによって閉塞された溝により構成されている。
そして、各油通路28は、吐出ポート20内の圧油を油
室26内に導くことにより、吐出ポート20内の圧力に
応じて変位ピストン25を摺動変位させるものである。
【0048】29,29は各ピストン収容溝24のばね
室27内に設けられた付勢手段としてのばねで、該各ば
ね29は、変位ピストン25の平坦面25Bとピストン
収容溝24のばね受け部24Dとの間に縮装されてい
る。そして、ばね29は、吐出ポート20内の圧力が基
準圧力よりも低いときには変位ピストン25を初期位置
に保持し、吐出ポート20内の圧力が基準圧力以上とな
ったときには、変位ピストン25がピストン収容溝24
に沿って変位するのを許すものである。
【0049】従って、変位ピストン25は、油室26内
の圧力とばね室27内に設けられたばね29のばね力と
の差に応じて、円弧面25Aをピストン収容溝24の円
弧状端面24Aに当接させた初期位置(図2の位置)
と、平坦面25Bをピストン収容溝24の矩形状端面2
4Cに当接させた位置(図6の位置)との間で、回転軸
4を中心として僅かな角度α(例えば、5度)だけピス
トン収容溝24内を周方向に変位する構成となってい
る。
【0050】30,30は各変位ピストン25と弁板1
8との間を連結する連結部としての連結ピンで、該各連
結ピン30は、変位ピストン25に一体形成され、先端
側が弁板18に向けて突出している。そして、各連結ピ
ン30の先端側は、弁板18のケーシング当接面18A
側に穿設されたピン穴18C,18Cに嵌合している。
【0051】従って、各変位ピストン25がピストン収
容溝24に沿って周方向に移動するときには、該各変位
ピストン25の移動が連結ピン30を介して弁板18に
伝えられ、弁板18は、回転軸4を中心として回動角α
だけ回動する。これにより、基準線C−Cから吐出ポー
ト20の始端部までの離間角度が変化し、切換ランド2
1,22の位置を変える構成となっている。
【0052】例えば、吐出ポート20内がばね29によ
って設定された基準圧力よりも低い場合、即ち、油室2
6内の圧力がばね29のばね力よりも小さくなる場合に
は、図2および図3に示すように、変位ピストン25
は、ばね29によって油室26側へと移動し、その円弧
面25Aをピストン収容溝24の円弧状端面24Aに当
接させた初期位置に保持される。この場合には、基準線
C−Cから吐出ポート20の始端部までの離間角度がθ
1となり、シリンダ8(シリンダポート8A)が吸入ポ
ート19との連通を断って吐出ポート20と連通するま
でに切換ランド22上を移動する予圧縮区間を短縮し、
シリンダ8が吸入ポート19から吐出ポート20に切換
わるときの切換タイミングを早めることができる。
【0053】一方、吐出ポート20内の圧力が基準圧力
以上となって、油室26内の圧力がばね29のばね力よ
りも大きくなった場合には、図6に示すように、変位ピ
ストン25は、ばね29に抗してばね室27側へと移動
し、その平坦面25Bをピストン収容溝24の矩形状端
面24Cに当接させた位置に保持される。この場合に
は、弁板18が変位ピストン25に伴って回転軸4を中
心として回動角αだけ回動するので、切換ランド22の
位置がシリンダブロック7の回転方向(矢示A方向)へ
と回動角αだけずれる。このため、基準線C−Cから吐
出ポート20の始端部までの離間角度がθ2(ただし、
θ2=θ1+α)に拡がり、シリンダ8(シリンダポー
ト8A)が吸入ポート19との連通を断って吐出ポート
20と連通するまでに切換ランド22上を移動する予圧
縮区間を延長し、シリンダ8が吸入ポート19から吐出
ポート20に切換わるときの切換タイミングを遅らせる
ことができる。
【0054】本実施の形態による斜板型油圧ポンプは上
述の如き構成を有するもので、まず、原動機によって回
転軸4を回転させると、該回転軸4にスプライン結合さ
れたシリンダブロック7が一体に回転される。これによ
り、各シリンダ8内に挿嵌されたピストン9がシリンダ
ブロック7と共に回転し、ピストン9の先端部に設けら
れたシュー10が、リテーナ12に案内されつつ斜板1
1の平滑面11A上を回転する。この際、斜板11の平
滑面11Aは所定の傾転角を有しているから、シリンダ
ブロック7が1回転する間に、ピストン9はシリンダ8
内に最も進入(縮小)した最大縮小位置とシリンダ8か
ら最も伸長した最大伸長位置との間をストロークする。
【0055】ここで、ピストン9が最大縮小位置から最
大伸長位置までストロークする半回転のうちシリンダポ
ート8Aが吸入ポート19と連通する間は、該吸入ポー
ト19を介して吸入通路(図示せず)からシリンダ8内
に油液を吸込む吸入行程となる。一方、ピストン9の最
大伸長位置から最大縮小位置までストロークする半回転
のうちシリンダポート8Aが吐出ポート20と連通する
間は、シリンダ8内に吸込んだ油液を加圧しつつ吐出ポ
ート20を介して吐出通路(図示せず)から吐出する吐
出行程となる。このように、回転軸4を回転駆動してピ
ストン9をシリンダ8内で往復動させることにより、吸
込行程と吐出行程とが繰り返され、ポンプ作用が行われ
る。
【0056】ここで、例えば吐出ポート20内の圧力が
基準圧力よりも低い場合には、油室26内の圧力がばね
29のばね力よりも小さくなるので、変位ピストン25
は、ばね29に押圧され、図2に示すように、円弧面2
5Aをピストン収容溝24の円弧状端面24Aに当接さ
せた初期位置に保持される。これにより、基準線C−C
から吐出ポート20の始端部までの離間角度をθ1に抑
えることができ、シリンダ8が吸入ポート19から吐出
ポート20に切換わるときの切換タイミングを早め、シ
リンダ8が切換ランド22上を移動する予圧縮区間を短
縮することができる。
【0057】このため、シリンダ8内の圧力が吐出ポー
ト20内の圧力以上に昇圧してしまうのを抑え、シリン
ダ8と吐出ポート20との間の圧力差を小さくすること
ができるので、シリンダ8が吐出ポート20と連通した
ときの大きな圧力変動を抑えることができる。
【0058】一方、吐出ポート20内の圧力が基準圧力
以上となる場合には、油室26内の圧力がばね29のば
ね力よりも大きくなるので、変位ピストン25は、ばね
29に抗してばね室27側へと移動し、図6に示すよう
に、平坦面25Bをピストン収容溝24の矩形状端面2
4Cに当接させた位置に保持される。このとき、連結ピ
ン30を介して変位ピストン25に連結された弁板18
が、回転軸4を中心として回動角αだけ回動することに
より、切換ランド22の位置がシリンダブロック7の回
転方向(矢示A方向)へと回動角αだけずれる。このた
め、基準線C−Cから吐出ポート20の始端部までの離
間角度がθ2に拡がり、シリンダ8が吸入ポート19か
ら吐出ポート20に切換わるときの切換タイミングを遅
らせ、シリンダ8が切換ランド22上を移動する予圧縮
区間を回動角αだけ延長することができる。
【0059】このため、延長された予圧縮区間におい
て、ピストン9がシリンダ8内に僅かに縮小することに
より、シリンダ8内を予圧縮することができ、シリンダ
8内の圧力を、予め吐出ポート20内の圧力程度まで昇
圧した状態で、シリンダ8を吐出ポート20に連通させ
ることができる。これにより、シリンダ8と吐出ポート
20との間の圧力差を小さくすることができるので、シ
リンダ8が吐出ポート20と連通したときの大きな圧力
変動を抑えることができる。
【0060】かくして、本実施の形態によれば、吐出ポ
ート20内の圧力に応じて弁板18を回動させる弁板回
動機構23を設けることにより、吐出ポート20内の圧
力が基準圧力よりも低い場合には、シリンダ8が吸入ポ
ート19から吐出ポート20に切換わるときの切換タイ
ミングを早める方向に弁板18を回動し、吐出ポート2
0内の圧力が基準圧力以上となった場合には、シリンダ
8が吸入ポート19から吐出ポート20に切換わるとき
の切換タイミングを遅らせる方向に弁板18を回動する
構成としたので、吐出ポート20内の圧力にほぼ対応さ
せてシリンダ8内を適度に予圧縮することができる。
【0061】このため、シリンダ8が吐出ポート20と
連通したときの大きな圧力変動を抑えることができ、シ
リンダ8やホース配管(図示せず)内の圧油が脈動を生
じるのを防止することができる。また、吐出ポート20
内の圧力損失を小さくでき、ポンプ効率の向上を図るこ
とができる。
【0062】また、シリンダ8が吐出ポート20と連通
したときに、吐出ポート20内の圧油がシリンダ8内に
急激に流入するのを抑えることができるので、このとき
の圧油のジェット流によってシリンダポート8A等が浸
食されるのを防止でき、油圧ポンプの耐久性、信頼性を
向上させることができる。
【0063】さらに、弁板回動機構23を、リヤケーシ
ング3の弁板当接面3Aと弁板18との間に設ける構成
としたので、ケーシング1の径方向寸法を増大する必要
がなく、油圧ポンプ装置全体の小型化にも寄与すること
ができる。
【0064】しかも、ピストン収容溝24、変位ピスト
ン25を回転軸4を中心とした円弧状の眉形に形成した
ので、変位ピストン25はピストン収容溝24に沿って
回転軸4を中心とする円弧状の軌道上を移動する。この
ため、変位ピストン25と連動する弁板18は、回転軸
4を中心として円滑に回動することができ、シリンダ8
が吸入ポート19から吐出ポート20に切換わるときの
タイミングを、吐出ポート20内の圧力に応じて速やか
に切換えることができる。
【0065】なお、上述した実施の形態では、眉形に形
成したピストン収容溝24と変位ピストン25とを用い
た場合を例に挙げたが、本発明はこれに限るものではな
く、例えば図7に示す変形例のように、長方形状に形成
したピストン収容溝24′と変位ピストン25′とを用
いてもよい。この場合には、弁板18側に長穴状のピン
穴18C′を穿設し、このピン穴18C′に変位ピスト
ン25′側の連結ピン30を挿通することにより、ピス
トン収容溝24′内を移動する変位ピストン25′に連
動して、弁板18を回転軸4を中心として回動させるこ
とができる。
【0066】また、上述した実施の形態では、回転軸4
を挟んでほぼ対称となる位置に2個の弁板回動機構23
を設けた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、
1個または3個以上の弁板回動機構を設ける構成として
もよい。
【0067】また、上述した実施の形態では、弁板18
を回動方向に案内するため、リヤケーシング3の弁板当
接面3A外周側に環状の案内突起3Bを突設した場合を
例に挙げたが、本発明はこれに限らず、例えばリヤケー
シング3の弁板当接面3Aに、弁板18の外周面に摺接
する複数(例えば3個)の円弧状の案内突起を設ける構
成としてもよい。
【0068】さらに、上述した実施の形態では、斜板型
液圧回転機として固定容量式の斜板型油圧ポンプを用い
た場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ら
ず、可変容量式の斜板型油圧ポンプに適用してもよく、
油圧モータ等の斜板型液圧回転機に適用することもでき
る。
【0069】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、一対の給排ポートのうち高圧側ポート内の圧力を
導くことにより、高圧側ポート内の圧力が基準圧力以上
となったときにはシリンダが低圧側ポートから高圧側ポ
ートに切換わるときの切換タイミングを遅らせる方向に
弁板を回動する弁板回動機構を設ける構成としたので、
高圧側ポート内の圧力が基準圧力以上となったときに
は、弁板回動機構によって弁板が回動することにより、
シリンダが低圧側ポートから高圧側ポートに切換わると
きの切換タイミングを遅らせ、切換ランド上を移動する
予圧縮区間を伸ばすことができる。このため、各シリン
ダが高圧側ポートに連通するときに、該ポートとシリン
ダとの間で大きな圧力変動が生じるのを抑えることがで
きる。従って、シリンダやホース配管内の圧油が脈動を
生じるのを防止することができ、かつ圧力損失を小さく
してポンプ効率の向上を図ることができる。
【0070】また、シリンダが高圧側ポートに連通し始
めるときにシリンダに高圧の圧油が噴出するのを抑える
ことができ、これらの圧油によるジェット流の発生を防
ぐことによって、各シリンダのシリンダポートの内壁部
が浸食されるのを確実に防止でき、耐久性や寿命を大幅
に延ばすことができると共に、振動や騒音の発生を確実
に防ぐことができる。
【0071】さらに、弁板回動機構を、ケーシングと弁
板との軸方向の当接面間に設ける構成としたので、ケー
シングの径方向寸法を増大させる必要がなく、液圧回転
機全体の小型化にも寄与することができる。
【0072】また、請求項2の発明によれば、弁板回動
機構を、弁板を回動方向に案内するためケーシングと弁
板との当接面間に複数個設ける構成としたので、弁板は
各弁板回動機構によって案内された状態で、ケーシング
に対して回転軸を中心に円滑に回動することができる。
【0073】また、請求項3の発明によれば、弁板回動
機構を、ケーシングのうち弁板との当接面側に形成され
たピストン収容溝と、該ピストン収容溝内に摺動可能に
設けられた変位ピストンと、ピストン収容溝内に位置し
て該変位ピストンにより画成された油室と、高圧側ポー
トから油室内に向けて圧油を導く油通路と、ピストン収
容溝と変位ピストンとの間に設けられ高圧側ポート側が
基準圧力以上となったときに変位ピストンが変位するの
を許す付勢手段と、変位ピストンと弁板との間を連結す
る連結部とにより構成したので、高圧側ポートの圧力が
基準圧力以上となったときには、予圧縮区間を伸ばすこ
とによりシリンダ内の圧力を高圧側ポート内の圧力程度
まで昇圧させることができ、高圧側ポートの圧力が基準
圧力よりも低いときには、予圧縮区間を縮めることによ
りシリンダ内の圧力が高圧側ポート内の圧力以上に昇圧
してしまうのを抑えることができる。
【0074】さらに、請求項4の発明によれば、ピスト
ン収容溝を回転軸を中心として周方向に円弧状に延びる
眉形溝として構成し、変位ピストンを該眉形溝に対応し
て円弧状に湾曲した眉形ピストンにより構成したので、
変位ピストンはピストン収容溝に沿って回転軸を中心と
する円弧状の軌道上を摺動変位する。このため、変位ピ
ストンに連結部を介して連結された弁板は、回転軸を中
心として円滑に回動することができ、シリンダが低圧側
ポートから高圧側ポートに切換わるときのタイミング
を、高圧側ポート内の圧力に応じて速やかに切換えるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による斜板型油圧ポンプを
示す縦断面図である。
【図2】弁板を一部破断にして図1中の矢示II−II方向
からみた横断面図である。
【図3】弁板回動機構のピストン収容溝、変位ピスト
ン、ばねおよび連結ピン等を拡大して示す斜視図であ
る。
【図4】リヤケーシング、ピストン収容溝、変位ピスト
ン、ばね等を拡大して示す図1中の矢示IV−IV方向から
みた拡大断面図である。
【図5】図2中の弁板、ピストン収容溝、変位ピスト
ン、連結ピン、油通路等を拡大して示す要部拡大断面図
である。
【図6】弁板が回動した状態を示す図2と同様位置の横
断面図である。
【図7】ピストン収容溝、変位ピストンの変形例を示す
図5と同様位置の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 3 リヤケーシング 3A 弁板当接面 3B 案内突起 4 回転軸 7 シリンダブロック 8 シリンダ 9 ピストン 10 シュー 11 斜板 11A 平滑面 18 弁板 19 吸入ポート(給排ポート) 20 吐出ポート(給排ポート) 21,22 切換ランド 23 弁板回動機構 24,24′ ピストン収容溝 25,25′ 変位ピストン 26 油室 28 油通路 29 ばね(付勢手段) 30 連結ピン(連結部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯浅 一正 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 中村 重孝 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 3H070 AA01 BB04 BB06 CC37 DD64 3H084 AA08 AA16 BB02 CC40 CC54

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシング内に回転可
    能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するよ
    うに前記ケーシング内に設けられ、周方向に離間して軸
    方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシリンダブ
    ロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内に摺動可
    能に挿嵌され該シリンダブロックの回転に伴なって各シ
    リンダ内を往復動する複数のピストンと、前記ケーシン
    グ内に設けられ該各ピストンがシューを介して摺動する
    平滑面を有する斜板と、前記ケーシングとシリンダブロ
    ックとの間に設けられ前記回転軸を挟んで対向する一対
    の給排ポート間がそれぞれ切換ランドとなった弁板とか
    らなる斜板型液圧回転機において、 前記ケーシングと弁板との軸方向の当接面間には、前記
    一対の給排ポートのうち高圧側ポート側の圧力を導くこ
    とにより、前記高圧側ポート側の圧力が基準圧力以上と
    なったときには前記弁板を前記シリンダが低圧側ポート
    から高圧側ポートに切換わるときの切換タイミングを遅
    らせる方向に回動する弁板回動機構を設けたことを特徴
    とする斜板型液圧回転機。
  2. 【請求項2】 前記弁板回動機構は、前記弁板を回動方
    向に案内するため前記ケーシングと弁板との当接面間に
    複数個設ける構成としてなる請求項1に記載の斜板型液
    圧回転機。
  3. 【請求項3】 前記弁板回動機構は、前記ケーシングの
    うち前記弁板との当接面側に形成され該弁板の回動方向
    に延びるピストン収容溝と、該ピストン収容溝内に摺動
    可能に設けられた変位ピストンと、前記ピストン収容溝
    内に位置して該変位ピストンにより画成された油室と、
    前記高圧側ポートから前記油室内に向けて圧油を導く油
    通路と、前記ピストン収容溝と変位ピストンとの間に設
    けられ前記高圧側ポート側が基準圧力以上となったとき
    に前記変位ピストンが変位するのを許す付勢手段と、前
    記変位ピストンと前記弁板との間を連結し前記変位ピス
    トンの動きに従って前記弁板を回動させる連結部とによ
    り構成してなる請求項1または2に記載の斜板型液圧回
    転機。
  4. 【請求項4】 前記ピストン収容溝は、前記回転軸を中
    心として周方向に円弧状に延びる眉形溝として構成し、
    前記変位ピストンは該眉形溝に対応して円弧状に湾曲し
    た眉形ピストンとして構成してなる請求項3に記載の斜
    板型液圧回転機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111188747A (zh) * 2020-01-15 2020-05-22 徐州工业职业技术学院 一种带有缓冲机构的配流盘及柱塞液压泵
CN111207051A (zh) * 2020-01-15 2020-05-29 徐州工业职业技术学院 一种具有可调容腔的配流盘及柱塞液压泵

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111207051A (zh) * 2020-01-15 2020-05-29 徐州工业职业技术学院 一种具有可调容腔的配流盘及柱塞液压泵
CN111188747B (zh) * 2020-01-15 2021-08-13 徐州工业职业技术学院 一种带有缓冲机构的配流盘及柱塞液压泵

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