JP2001020789A - 内燃機関用速度制御装置 - Google Patents

内燃機関用速度制御装置

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JP2001020789A
JP2001020789A JP11196486A JP19648699A JP2001020789A JP 2001020789 A JP2001020789 A JP 2001020789A JP 11196486 A JP11196486 A JP 11196486A JP 19648699 A JP19648699 A JP 19648699A JP 2001020789 A JP2001020789 A JP 2001020789A
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combustion engine
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智 人見
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機関の燃料供給量を調節するアクチュエータが
有する不感帯の影響を受けずに回転速度を安定に制御で
きる内燃機関用速度制御装置を提供する。 【解決手段】内燃機関の燃料供給量調節手段を操作する
アクチュエータ2の励磁電流の不感帯幅の中心を与える
レベルを中心にして一定の振動幅を持って、かつ内燃機
関の燃焼サイクルにより生じる回転速度の脈動に対して
一定の位相関係を持たせた状態で発生させて、そのディ
ザ信号電流をアクチュエータ2の励磁電流に重畳するデ
ィザ信号重畳手段26を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の速度と
指示速度との偏差を許容範囲内に収めるように制御する
内燃機関用速度制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の回転速度を制御する速度制御
装置として、内燃機関の燃料供給量調節部を操作するた
めに電磁式のアクチュエータを用いて、機関の回転速度
と指示速度との偏差に応じてアクチュエータを制御する
ことにより、内燃機関の回転速度と指示速度との間の偏
差を許容範囲内に収めるように制御するようにしたもの
が用いられている。
【0003】この種の制御装置に用いられるアクチュエ
ータは、電磁石(ソレノイド)と、該電磁石の可動部に
連結された入力端及び内燃機関の燃料供給量調節部材に
連結された出力端を有して電磁石の可動部の変位を燃料
供給量調節部に伝達する操作出力伝達機構と、電磁石の
可動部を原位置に復帰させるように付勢するバネとによ
り構成される。
【0004】この種のアクチュエータでは、電磁石に与
える励磁電流を増加させていくことにより出力端を一方
向に変位させ、該励磁電流を減少させていくことにより
出力端を他方向に変位させて内燃機関への燃料供給量を
調節するべく燃料供給量調節部の位置を調節するが、鉄
心のヒステリシス特性の影響により、励磁電流を増加さ
せていく際に生じる出力トルクと、励磁電流を減少させ
ていく際に生じる駆動トルクとの間に差が生じるため、
電磁石に与えられる励磁電流とその可動部の位置との間
の関係を与える特性がヒステリシス特性を示す。
【0005】図7は電磁石に与える励磁電流Iを増加さ
せていったときの、電磁石の出力トルクとその可動部の
位置との間の関係を示したものである。同図の曲線aな
いしdはそれぞれ励磁電流を1[A],2[A],3
[A]及び4[A]とした場合である。電磁石の励磁電
流を減少させていく際には、鉄心中に残留している磁気
の影響により、各励磁電流に対する出力トルクが図7に
示した値よりも大きな値を示す。図7の横軸の目盛り
は、燃料供給量を最大にする位置(燃料供給量最大位
置)Sf を100[%]として、電磁石の可動部の変位
量を%で表示している。電磁石の可動部の変位量が0
[%]のときの位置So が該可動部の原位置である。
【0006】図7において直線eは、電磁石の可動部を
原位置に復帰させるように付勢するバネの反力を示して
おり、電磁石の可動部は、出力トルクとバネの反力とが
釣り合う位置で停止する。
【0007】上記のように、電磁石においては、励磁電
流を増加させていく際に生じる出力トルクと該励磁電流
を減少させていく際に生じる出力トルクとの間に差があ
るため、電磁石の励磁電流Iと可動部の位置との間の関
係を与える特性が、図8に示すようなヒステリシス特性
を示し、該ヒステリシス特性により、励磁電流が変化し
ても可動部の位置が変化しない不感帯が生じる。
【0008】図8に示した例では、励磁電流をI2 まで
増加させて可動部の位置をS1 とした状態から励磁電流
を減少させて可動部の位置を原位置So 側に変位させよ
うとする際に、図示のIhに相当する分だけ余分に変化
させてI1 まで減少させないと、可動部を原位置に向け
て始動させることができない。
【0009】上記の説明では、アクチュエータ単体の特
性を問題にしたが、アクチュエータと該アクチュエータ
により操作される燃料供給量調節部材とを含む制御装置
の実際の機械系においては、操作力伝達機構の各部の摺
動トルクや、内燃機関の燃料供給量調節部材の摺動抵抗
等の影響を受けて、アクチュエータに与える励磁電流と
燃料供給量調節部材の位置との間の関係を与える特性
が、電磁石単独のヒステリシス特性よりも更に大きなヒ
ステリシス特性を示す。
【0010】本明細書では、アクチュエータの出力端が
燃料供給量調節部材に連結されている状態での該アクチ
ュエータの励磁電流と燃料供給量調節部材の位置との間
の関係を与える特性が有するヒステリシス特性の幅を与
える電流値Ih´(図8のIhに相当する電流値)を励
磁電流の不感帯幅と呼ぶことにする。
【0011】上記のように、アクチュエータにより燃料
供給量調節部材を操作する制御装置の機械系がヒステリ
シス特性を有する場合には、該ヒステリシス特性により
生じる不感帯の影響をなくすための制御を行わないと、
機関の回転速度を適確に制御することはできない。
【0012】特に、シリンダ内に燃料噴射ポンプから直
接燃料を噴射するディーゼル機関の場合には、燃料噴射
量の変化に敏感に反応して機関の回転速度が変化するた
め、制御装置の機械系が有するヒステリシス特性により
生じる不感帯の影響により、アクチュエータの励磁電流
を変化させても機関の燃料供給量調節部材が反応しない
状態が生じると、機関の回転速度を修正する動作を行わ
せる際に燃料供給量の調節に遅れが生じて回転が不安定
になるのを避けられない。特に、機関の慣性エネルギが
小さい低速領域では、機械系の不感帯の存在が機関の回
転速度の制御に与える影響が顕著になる。
【0013】以下、本明細書では、制御の対象とする内
燃機関として4サイクル3気筒ディーゼル機関を例にと
り、該ディーゼル機関への燃料供給量を調節するために
上記のような電磁式のアクチュエータを用いて、該アク
チュエータの励磁電流を制御することにより、機関の回
転速度と指示速度と偏差を許容範囲内に収めるように制
御するものとする。
【0014】周知のように、4サイクルディーゼル機関
においては、燃料噴射ポンプにコントロールラックが設
けられていて、該コントロールラックの位置により、燃
料の供給量が調節されるようになっている。したがっ
て、ディーゼル機関の回転速度を制御する場合には、燃
料噴射ポンプのコントロールラック(燃料供給量調節部
材)にアクチュエータの出力端を結合し、機関の回転速
度と指示速度との偏差を許容範囲内に収めるようにアク
チュエータに供給する励磁電流を制御する。
【0015】図10は、電磁式アクチュエータを用いて
4サイクルディーゼル機関の回転速度を制御する場合
に、アクチュエータ及び燃料供給量調節部材を含む制御
装置の機械系のヒステリシス特性により生じる不感帯を
なくすための制御を行うことなく、機関の回転速度と指
示速度との偏差を補償するために必要な制御量だけアク
チュエータの励磁電流を変化させた場合の制御特性を示
したものである。
【0016】図10において、曲線aは機関の回転速度
の時間的変化を示し、曲線b及びcはそれぞれアクチュ
エータの電磁石を流れる励磁電流の時間的変化及びコン
トロールラックの位置の時間的変化を示している。この
例では、機関の指示速度を一定としている。
【0017】図10に示した例では、制御装置の機械系
が有するヒステリシス特性により生じる不感帯によっ
て、図示のt1 ,t2 及びt3 の区間でコントロールラ
ックが動かない状態が発生し、励磁電流が不感帯幅Ih
´を超える大きさだけ変化した後にやっとコントロール
ラックが動き出すため、機関の回転が不安定になってい
る。
【0018】図10において機関の回転速度の細かい脈
動は、機関の各燃焼サイクルにおける行程変化に伴って
生じるもので、解消不可能な回転変動成分である。ディ
ーゼル機関の各燃焼サイクルにおける瞬時回転速度は、
圧縮行程の終期においてピストンが上死点に達したとき
に最も低くなる。燃料の噴射は、圧縮行程においてピス
トンが上死点に達するタイミング付近で行われる。した
がって、図10に示した例では、回転速度を示す曲線a
の脈動の各谷部付近が燃料噴射タイミングとなってい
る。機関の各燃焼サイクルにおける行程変化に伴う回転
速度の脈動は、機関の慣性エネルギが小さい低速時に特
に大きくなる。
【0019】特開昭59−66719号公報に示されて
いるように、アクチュエータ及び燃料供給量調節部材を
含む機械系が有するヒステリシス特性により生じる不感
帯をなくすために、アクチュエータが有するヒステリシ
ス特性を予め記憶させておいて、記憶させたヒステリシ
ス特性を補正するように電磁石の励磁電流を制御するこ
とが提案されている。
【0020】しかしながら、制御装置の機械系のヒステ
リシス特性は一様ではなく、個々の製品毎に異なるた
め、該機械系が有するヒステリシス特性を予め記憶させ
ておく方法では、個々の製品毎に特性を測定して、測定
した特性を記憶させるための作業を行う必要があり、面
倒であった。
【0021】また制御装置の機械系のヒステリシス特性
は、機関の振動の影響を受けるため、不感帯をなくすた
めの制御を適確に行わせるためには、機関を運転した状
態で特性を測定することが望ましいが、機関の運転状態
での振動は一様ではなく、負荷の状態や、回転速度によ
り異なるため、機関を運転した状態での制御装置の機械
系のヒステリシス特性を適確に測定して記憶させること
は困難であった。
【0022】また制御装置の機械系が有するヒステリシ
ス特性により生じる不感帯を解消する手法として、機関
の燃焼サイクルにおける行程変化に伴って生じる回転速
度の脈動成分をディザ信号(不感帯を解消するための振
動電流)として励磁電流に重畳する方法が知られてい
る。
【0023】図11は、機関の行程変化に伴って生じる
回転速度の脈動成分そのものをディザ信号として励磁電
流に重畳した場合の制御特性を示したものである。同図
において曲線aは機関の回転速度の時間的変化を示し、
曲線b及びcはそれぞれアクチュエータの電磁石を流れ
る励磁電流の時間的変化及びコントロールラックの位置
の時間的変化を示している。この例でも機関の指示速度
は一定としている。
【0024】上記のように、アクチュエータの励磁電流
にディザ信号を重畳すると、電磁石の可動部が励磁電流
の変化に追従して直ちに動き得る状態にある(ディザ効
果が得られる)ため、燃料の噴射タイミングで励磁電流
が変化したときにコントロールラックが応答しない状態
(制御の不感帯)が生じるのを防ぐことができる。しか
しながら、回転速度の脈動成分をディザ信号とした場合
には、脈動成分の波高値の変動により、各燃料噴射タイ
ミングにおけるディザ効果が変動し、各燃料噴射タイミ
ングにおいてコントロールラックが動き始める位置を一
定にすることができないため、励磁電流の同じ変化量に
対するコントロールラックの変化量が噴射タイミング毎
にばらついて制御が不安定になるのを避けられなかっ
た。
【0025】即ち、燃料噴射ポンプからの燃料噴射量は
噴射タイミングにおけるコントロールラックの位置によ
り決まるが、回転速度の脈動成分をディザ信号とした場
合には、実際の燃料噴射量が図11の曲線cと噴射タイ
ミングを示す縦線との交点を結んだ破線の折れ線のよう
になるため、燃料噴射量が燃焼サイクル毎に大きくばら
つく結果となって、特に機関の低速領域における回転が
不安定になるのを避けられなかった。
【0026】機関の回転速度が上昇していくと、機関の
振動により燃料供給量調節部材が動き易くなって、制御
装置の機械系のヒステリシス特性により生じる不感帯の
幅が狭くなるため、励磁電流にディザ信号を重畳しなく
ても機関の回転速度の制御は安定に行わせることができ
る。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、機関の
燃料供給量調節部材を操作する手段として電磁式アクチ
ュエータを用いた従来の内燃機関用速度制御装置では、
その機械系が有するヒステリシス特性により生じる不感
帯を解消するための制御を適確に行うことができなかっ
たため、特に機関の低速領域で回転が不安定になり、制
御可能領域の下限を与える回転速度が高くなるのを避け
られなかった。
【0028】そのため、従来の内燃機関用速度制御装置
では、機関のアイドリング回転数を比較的高い値に設定
せざるを得ず、アイドリング状態での燃費が悪くなるの
を避けられなかった。
【0029】なお制御装置の機械系のヒステリシス特性
により生じる不感帯を狭くして、該不感帯が機関の回転
速度の制御に与える影響を少なくするために、電磁石と
して、燃料供給量調節部材の摺動抵抗に比べて十分に大
きい出力トルクを発生する大形のものを用いることが考
えられるが、大形の電磁石を用いるとアクチュエータの
重量が重くなるだけでなく、電磁石での消費電力が大き
くなるため好ましくない。また大形の電磁石を用いて
も、アクチュエータのヒステリシス特性は変らないた
め、問題を解決することができない。
【0030】本発明の目的は、アクチュエータ及び燃料
供給量調節部材を含む制御装置の機械系が持つヒステリ
シス特性により生じる不感帯の影響を受けることなく、
機関の回転速度を適確に制御して、機関の低速領域にお
ける運転を安定に行わせることができるようにした内燃
機関用回転速度制御装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は、電磁石と、該
電磁石の可動部に連結された入力端と内燃機関の燃料供
給量調節部材に連結された出力端とを有して電磁石の可
動部の変位を燃料供給量調節部に伝達する操作出力伝達
機構とを備えていて、電磁石に与えられる励磁電流と出
力端の位置との間の関係を与える特性がヒステリシス特
性を示し、該ヒステリシス特性により、励磁電流が変化
しても出力端の位置が変化しない不感帯が生じる電磁式
アクチュエータと、内燃機関の回転速度と指示速度との
偏差に応じて電磁石に励磁電流を与えることにより偏差
を許容範囲内に収めるように制御する制御部とを備えた
内燃機関用速度制御装置を対象とする。
【0032】本発明においては、アクチュエータの励磁
電流の不感帯幅以上の振動幅を持って振動するディザ信
号電流を内燃機関の燃焼サイクルにより生じる回転速度
の脈動に対して一定の位相関係を持たせて、かつ各脈動
の1周期当り整数サイクルずつ発生させて、該ディザ信
号電流を励磁電流に重畳するディザ信号重畳手段を設け
た。
【0033】上記のように、内燃機関の燃焼サイクルに
より生じる回転速度の脈動に対して一定の位相関係を有
し、かつ各脈動の1周期当り整数サイクルずつ発生する
ディザ信号を電磁石の励磁電流に重畳させると、回転速
度の脈動の幅または高さの如何に係わりなく、ディザ効
果を常に一定にすることができるため、各燃料噴射タイ
ミングにおいて、コントロールラックの位置をほぼ同じ
にすることができる。したがって、各燃料噴射タイミン
グにおいて燃料の噴射量を修正すべくアクチュエータの
励磁電流を変化させたときに、常にコントロールラック
をほぼ同じ位置から動かし始めることができ、励磁電流
の同じ変化量に対するコントロールラックの変化量が噴
射タイミング毎にばらつくのを防止することができる。
そのため、アクチュエータの電磁石のヒステリシス特性
により生じる不感帯が制御に与える影響をなくして、機
関の回転速度の制御を安定に行わせることができる。
【0034】また本発明では、ディザ信号の振幅を大き
めに設定しておいても差し支えないいため、制御装置の
機械系の個体差による特性のばらつきの影響を受けるこ
となく、該機械系が有するヒステリシス特性により生じ
る不感帯の影響をなくして制御性を良好にすることがで
きる。
【0035】機関の回転速度が高いときには、機関の振
動により制御装置の機械系のヒステリシス特性による不
感帯が狭まり、また機関の慣性エネルギの増大により、
燃料噴射量の調整の遅れが機関の回転速度に与える影響
が少なくなるため、アクチュエータの励磁電流にディザ
信号電流を重畳しなくても機関を安定に運転することが
できる。したがって、励磁電流へのディザ信号電流の重
畳は、機関の回転速度が設定速度以下になっているとき
にのみ行わせるようにしてもよい。
【0036】上記ディザ信号電流の振動幅は、アクチュ
エータと該アクチュエータにより操作される燃料供給量
調節部材とを含む機械系の個体差により生じる励磁電流
の不感帯幅のばらつきの範囲の最大幅よりも僅かに大き
い値に設定するのが好ましい。
【0037】上記ディザ信号の振動幅は、内燃機関の回
転速度に応じて適値に設定するか、または、内燃機関の
指示速度に応じて適値に設定するのが好ましい。
【0038】また上記制御部は、内燃機関が単位角度回
転する毎に回転検出パルスを発生する回転センサと、回
転速度の脈動の1周期の期間に亘って求めた回転検出パ
ルスの発生間隔の平均値から内燃機関の回転速度を演算
する回転速度演算手段と、回転速度演算手段と指示速度
との偏差を演算する偏差演算手段と、偏差を許容値以下
に保つために必要な励磁電流の制御量を演算する制御量
演算部と、制御量演算部により演算された制御量に応じ
てアクチュエータに励磁電流を与える励磁回路とを備え
た構成とすることができる。
【0039】上記のように、回転速度演算手段を構成す
ると、機関の回転速度の脈動成分が回転速度の演算値に
含まれるのを防いで、回転速度の制御を安定に行わせる
ことができる。
【0040】内燃機関がn気筒(nは1以上の整数)の
4サイクルディーゼル機関またはn気筒の4サイクルガ
ソリン機関からなっている場合には、回転センサは、回
転検出パルスを内燃機関の1回転当り(n/2)×m個
(mは2以上の整数)発生するように構成される。この
場合、ディザ信号重畳手段は、回転検出パルスがm個発
生する間にディザ信号電流を回転速度の脈動に対して一
定の位相関係を持たせて整数サイクルずつ発生させるよ
うに構成される。
【0041】また内燃機関がn気筒(nは1以上の整
数)の2サイクルディーゼル機関またはn気筒の2サイ
クルガソリン機関からなっている場合には、回転センサ
が、回転検出パルスを内燃機関の1回転当りn×m個
(mは2以上の整数)発生するように構成される。この
場合、ディザ信号重畳手段は、回転検出パルスがm個発
生する間にディザ信号電流を回転速度の脈動に対して一
定の位相関係を持たせて整数サイクルずつ発生させるよ
うに構成される。
【0042】
【発明の実施の形態】図1は、本発明で用いる電磁式ア
クチュエータの一例と、該アクチュエータによりコント
ロールラックが操作される4サイクルディーゼル機関の
燃料噴射ポンプの一例とを示したものである。
【0043】図1において、1は燃料噴射ポンプ、2は
該燃料噴射ポンプ1の片側に並べて配置されて該ポンプ
の燃料供給量調節部を操作するアクチュエータである。
【0044】燃料噴射ポンプ1は、機関により駆動され
て燃料を噴射するポンプ本体(図示せず。)と、燃料供
給量調節部材としてのコントロールラック101と、該
コントロールラックの歯部に噛み合わされたピニオン歯
車の回転によりポンプ本体からの燃料の噴射量を調節す
る噴射量調節機構(図示せず。)とをハウジング102
内に収納したものである。
【0045】図示の燃料噴射ポンプ1は4サイクル3気
筒ディーゼル機関に燃料を供給するもので、ハウジング
102の上部には機関の3つの気筒にそれぞれ燃料を供
給するパイプを連結するためのコネクタ103が設けら
れている。ハウジング1内の下部には、ポンプを駆動す
る回転軸104が、コントロールラック101と平行に
伸びるように設けられて、ハウジング102の側壁部に
ベアリング105を介して支持されている。
【0046】回転軸104の一端はアクチュエータ2と
反対側に導出され、ハウジング102から導出された回
転軸104の端部に歯車106が取り付けられている。
内燃機関は、クランク軸とは別個に、該クランク軸の回
転数の1/2の回転数で回転する駆動軸(例えばカム
軸)を有し、該駆動軸に取り付けられた歯車が歯車10
6に噛み合わされて回転軸104が回転駆動される。
【0047】回転軸104の他端はアクチュエータ2側
に導出され、アクチュエータ2側に導出された回転軸1
04の端部に鉄などの強磁性体からなるロータ301が
取り付けられている。このロータ301はその外周にリ
ングギア状のリラクタ301aを備えていて、後記する
信号発電子303とともに回転センサ(信号発電機)を
構成する。
【0048】コントロールラック101は、ハウジング
102の側壁部に固定された支持部材107,108に
より回転軸104の軸線方向と平行な方向に直線変位し
得るように支持されていて、その一端101a及び他端
101bが、それぞれアクチュエータ2側及びアクチュ
エータ2と反対側に導出されている。図示の例では、コ
ントロールラック101がアクチュエータ2から離れる
側に変位した際に燃料の噴射量(燃料供給量)が増加
し、該コントロールラック101がアクチュエータ2側
に変位したときに燃料噴射量が減少するようになってい
る。
【0049】アクチュエータ2と反対側に導出されたコ
ントロールラック101の他端101bは、キャップ4
により覆われている。
【0050】アクチュエータ2は、ケースを兼ねるフレ
ーム201を備えていて、該フレーム201内にアクチ
ュエータの各部が収納されている。図示のフレーム20
1は、燃料ポンプと反対側に開口するように形成され
て、その底部が燃料ポンプ1のハウジング102の側面
にネジ202により固定された中空の第1のフレーム半
部201Aと、該フレーム半部201Aの開口部を閉じ
るように設けられて、図示しないボルトにより半部20
1Aに締結された第2のフレーム半部201Bとによ
り、2つ割りに構成されている。
【0051】前記ロータ301は、第1のフレーム半部
201A内に位置するように設けられていて、該第1の
フレーム半部201Aに支持部材302を介して支持さ
れた信号発電子303の磁極部が、ロータ301の外周
に設けられたリングギア状のリラクタ301aに対向さ
せられている。信号発電子303は、リラクタ301a
に対向する磁極部を先端に有する鉄心と該鉄心に巻回さ
れた信号コイルと該鉄心に磁束を流す永久磁石とを有す
る周知のもので、リングギア状のリラクタ301aの歯
部が鉄心の先端の磁極部との対向を開始する際、及び該
対向を終了する際にそれぞれ信号コイルに極性が異なる
パルス信号が誘起するようになっている。このパルス信
号は、内燃機関の回転軸の回転角度位置の情報や、回転
速度情報を得るための回転検出パルスとして用いられ
る。
【0052】図示の例では、リングギア状のリラクタ3
01aが15個の歯部を等角度間隔で有していて、信号
発電子303は、機関のクランク軸が1回転する間に正
極性パルス及び負極性パルスをそれぞれ30個ずつ発生
する。
【0053】本発明に係わる制御装置では、クランク軸
の1回転当り30個発生する正極性パルスまたは負極性
パルスのいずれかを回転検出パルスとして用いる。
【0054】第2のフレーム半部201B内の下部に
は、電磁石205が固定され、該電磁石205の側方に
可動子206が配置されている。電磁石205は、鋼板
の積層体からなっていて、ヨーク207aから3つの磁
極部207bないし207dを突出させた形状を有する
ほぼE字形の鉄心207と、ボビンに巻回されて中央の
磁極部207cに嵌装された励磁コイル208と、可動
子206とからなっている。
【0055】可動子206は、I字形のヨーク206a
と、該ヨーク206aから片側に突出した3つの磁極部
206bないし206dとを備えたほぼ櫛歯形の形状を
有している。
【0056】可動子206のヨーク206aの一端には
孔が設けられていて、該孔に支持軸210が回転自在に
嵌合されている。支持軸210は、フレーム半部201
Bのほぼ中央部にその軸線をコントロールラック101
の軸線と直交させた状態で配置されて、その両端がフレ
ーム半部201Bに固定されている。これにより可動子
206がフレーム201に回動自在に支持されている。
可動子206の磁極部206bないし206dはそれぞ
れ鉄心の磁極部207bないし207dに対応するよう
に設けられていて、励磁コイル208が励磁された時に
可動子206の磁極部206bないし206dがそれぞ
れ鉄心207の磁極部207bないし207dに吸引さ
れて、可動子206が鉄心207側に回動させられるよ
うになっている。
【0057】フレーム半部201Bの下部には、可動子
206が鉄心207から離反する向きに回動したときに
可動子206の先端を当接させて該可動子の回動範囲を
規制するストッパ211がネジ止めされている。図示の
例では、可動子206の先端がストッパ211に当接し
た状態にあるときの該可動子の位置(図1に示した位
置)を可動子の第1の位置としている。可動子206
は、この原位置と、磁極部206bないし206dがそ
れぞれ鉄心207の磁極部207bないし207dに完
全に吸引されて該電磁石に当接した状態になる第2の位
置との間を変位し得るようにその回動範囲が定められて
いる。
【0058】可動子206の先端部に設けられたバネ受
け部とフレーム半部201Bの下部に固定されたバネ受
け部材212との間に復帰バネ213が配置され、この
復帰バネにより可動子206が常時第1の位置側に付勢
されている。従って、可動子206は、電磁石205が
非励磁状態にあるときに図示の第1の位置に保持され
る。
【0059】支持軸210にはまた出力レバー215が
回動自在に支持されている。出力レバー215は、所定
の形状に打ち抜かれた金属板からなっていて、出力レバ
ー215と可動子206とは、支持軸210の軸線方向
に位置をずらした状態で配置されている。出力レバー2
15は、その中間部に形成された孔に支持軸210を回
転自在に嵌合させることにより、回動中心を可動子20
6の回動中心(支持軸210の中心軸線)に一致させた
状態で、かつ可動子206との間に相対的な回動変位が
生じるのを許容した状態で回動し得るように支持されて
いる。
【0060】出力レバー215は、支持軸210に支持
されている部分から可動子206と反対側に突出して伸
びる第1の部分215aと、可動子206と同じ側に伸
びる第2の部分215bとを有していて、第2の部分2
15bの支持軸210寄りの部分に、鉄心207と反対
側に突出した突起215cが設けられている。この突起
215cに引っ張りバネからなる連結バネ216の一端
が連結され、該連結バネ216の他端は可動子206の
先端寄りに設けられた突起206eに固定されている。
このバネ216により、可動子206と出力レバー21
5とが連結されていて、可動子206が鉄心207によ
り吸引されて第1の位置から第2の位置に向けて回動す
る際及び鉄心207の励磁電流が減少させられて可動子
206が第2の位置から第1の位置に向けて回動する際
に、出力レバー215が可動子206の回動に追従して
回動するようになっている。
【0061】出力レバー215の第2の部分215bの
端部には、可動子206側に起立した起立部215dが
形成され、該起立部215dに設けられたネジ孔に螺合
されたネジ217が可動子206のヨーク206aの側
面に当接されている。この例では、ネジ217により、
可動子206が第1の位置にある時の出力レバー215
の位置を調節する位置調節機構が構成され、ネジ217
の可動子206側への突出量を調節することにより、可
動子206が第1の位置にある時の出力レバー215の
位置を適宜に調節することができるようになっている。
ネジ217は、バネ216の付勢力により、可動子20
6に当接した状態に保持される。
【0062】出力レバー215の第1の部分にリンク2
18の一端が第1のピンP1 を介して連結され、該リン
ク218の他端がコントロールラック101の一端10
1aに第2のピンP2 を介して連結されている。第1の
ピンP1 及び第2のピンP2にはそれぞれ第1のカラー
221及び第2のカラー222が取り付けられている。
【0063】この例では、出力レバー215の第2の部
分215bがアクチュエータ2の出力端となっていて、
電磁石の可動子206が第1の位置から第2の位置に向
って回動した際に出力レバー215がコントロールラッ
ク101を燃料供給量増量側に変位させるようになって
いる。
【0064】フレーム201の第2の半部201Bの外
側にポテンショメータからなる位置センサ5が取り付け
られている。位置センサ5は、該センサの本体から突出
する側にバネで付勢された可動軸5aを有していて、該
可動軸5aの直線変位量に比例した電気信号を出力する
ようになっている。位置センサ5の可動軸5aは、フレ
ーム201内に挿入されていて、該可動軸5aの先端
が、出力レバー215の中間部から電磁石205側に突
出した突出部215eの先端に設けられた板状部215
fに当接されている。従って、出力レバー215の回動
に伴って位置センサ5の可動軸5aが変位し、該位置セ
ンサ5から出力レバー215の回動位置に相応した電気
信号が得られる。
【0065】電磁石205の励磁コイル208は、先端
にコネクタ6aを有する電気コード6を通して図示しな
いコントローラに接続され、該コントローラから励磁コ
イル208に励磁電流が与えられるようになっている。
また位置センサ5の出力は、先端にコネクタ7aを有す
るリード線7を通して図示しないコントローラに与えら
れるようになっている。
【0066】上記の例では、出力レバー215と、連結
バネ216と、ネジ217からなる位置調節機構と、リ
ンク218からなる連結手段とにより電磁石の可動子2
06の変位をコントロールラック101(燃料供給量調
節部材)に伝達する操作出力伝達機構が構成されてい
る。
【0067】図示の例ではまた、リンク218の側方を
出力レバー215の回動軸(支持軸210)と平行に伸
びる駆動軸223がフレーム201に回転自在に支持さ
れている。駆動軸223の一端はフレーム201の外部
に導出されていて、該駆動軸223の一端に手動操作レ
バー224の一端が固定されている。手動操作レバー2
24は、その他端が手動操作し得る位置まで伸びるよう
に設けられていて、該手動操作レバーを図1において時
計方向及び反時計方向に回動させることにより、駆動軸
223を時計方向及び反時計方向に回転させることがで
きるようになっている。
【0068】フレーム201内に位置する駆動軸223
の他端には、強制駆動部材を構成する回動板225の一
端が固定されている。この回動板225は、第1のピン
P1と第2のピンP2 との間の位置でリンク218と非
接触で交差するように配置されていて、第1のピンP1
と第2のピンP2 との間の位置に強制駆動部材(回動
板)225の中立位置が設定されている。図示の状態で
は、回動板225が中立位置に配置されていて、該回動
板225に固定されたピン226と、フレーム201に
対して固定されたピンとの間に回動板225を中立位置
に保持するように付勢する保持バネ(引っ張りバネ)2
27が取り付けられている。回動板225は、手動操作
レバー224側から外力が与えられない状態にあるとき
に、保持バネ227により付勢されて図示の中立位置に
保持される。
【0069】そして、手動操作レバー224により回動
板225が出力レバー215側に回動させられたときに
該回動板225が第1のカラー221に当接してコント
ロールラック101を連結バネ216の付勢力に抗して
燃料供給量減量側に変位させるように出力レバー215
を回動させ、回動板225がコントロールラック101
側に回動させられたときに該回動板225がコントロー
ルラック101の一端101a(図2参照)に当接して
コントロールラック101を燃料供給量増量側に変位さ
せるように構成されている。
【0070】上記の燃料供給装置において、電磁石20
5の励磁コイル208に通電されると、該鉄心207の
磁極部207b,207c及び207dにそれぞれ可動
子206の磁極部206b,206c及び206dが吸
引されて、可動子206が図示の第1の位置から鉄心2
07側の限界位置である第2の位置に向けて回動する。
可動子206が回動すると、該可動子にバネ216を介
して連結されている出力レバー215が可動子206と
同方向に回動させられる。これにより燃料噴射ポンプ1
のコントロールラック101が燃料の供給量を増加させ
る側に変位させられる。可動子206は、鉄心207に
よる吸引力と復帰バネ213の付勢力とが釣り合う位置
で停止する。可動子206の停止位置は励磁コイル20
8に流す電流の大きさにより適宜に調整することができ
る。
【0071】コントロールラック101が図示しないス
トッパ部に当接するとコントロールラック101の移動
が停止し、燃料供給量の増量が止まる。このときのコン
トロールラック101の位置が燃料供給量最大位置とな
る。
【0072】上記の電子ガバナ用燃料供給装置において
は、何らかの原因で電磁石205が出力レバー215を
駆動することができなくなってコントロールラック10
1の操作を行うことができなくなったときに、手動操作
レバー224を手で持って回動させることにより強制駆
動部材225を回動させて、出力レバー215及びコン
トロールラック101を手動にて操作することができる
ようになっている。
【0073】図1に示した例では、出力レバー215を
可動子206と共通の支持軸210により支持して出力
レバー215の回動中心を可動子206の回動中心に一
致させるようにしたが、出力レバー215は可動子の回
動中心軸と共通の軸または該回動中心軸と平行な軸を回
動中心として可動子に対して相対的に回動し得る状態で
フレームに回動可能に支持されていればよい。従って、
出力レバー215の回動中心は必ずしも可動子206の
回動中心に一致している必要はなく、可動子206を支
持する軸と別の軸により出力レバー215を回動自在に
支持するようにしてもよい。
【0074】また図1に示した例では、出力レバー21
5の回動位置を検出する位置センサ5が設けられている
が、コントロールラックの位置を目標位置に保つように
アクチュエータ2を制御する位置制御を行わない場合に
は、この位置センサ5は省略することができる。
【0075】図2は、上記のアクチュエータ2を制御す
るコントローラ12を、制御の対象とする4サイクル3
気筒ディーゼル機関10及び該機関の負荷11等ととも
に示したものである。図2に示したコントローラ12
は、回転センサ3の出力と、機関の指示回転速度を与え
る指示速度信号を出力するアクセルセンサ13の出力と
を入力とする入力処理回路12aと、入力処理回路12
aを通して各センサの出力が入力されるマイクロコンピ
ュータ12bと、マイクロコンピュータ12bの出力を
アクチュエータの電磁石に与える励磁電流に変換して電
磁石205の励磁コイルに与える励磁回路12cと、バ
ッテリ13の出力を入力として、コントローラの各部を
駆動するために必要な電圧を出力する電源回路14とを
備えている。
【0076】マイクロコンピュータ12bは、回転セン
サ3、回転速度指示手段13、及び励磁回路12cとと
もに、内燃機関の回転速度と指示速度との偏差に応じて
電磁石205に励磁電流を与えて、回転速度と指示速度
との偏差を許容範囲内に収めるように制御する制御部を
構成する。
【0077】この制御部の構成は、例えば図3に示す通
りである。図3において、回転速度演算手段21は、機
関の回転速度の脈動の1周期の期間(1燃焼サイクルの
機関)に亘って求めた回転検出パルスの発生間隔の平均
値から内燃機関の回転速度を演算し、偏差演算手段23
は、回転速度演算手段により演算された回転速度と、回
転速度指示手段13から与えられる指示速度との偏差を
演算する。
【0078】また操作量演算部24は、偏差演算手段2
3により演算された偏差を許容値以下に保つためにアク
チュエータの電磁石205に与える必要がある励磁電流
の大きさを操作量として演算する。励磁回路12cは、
操作量演算部24により演算された操作量に応じて電磁
石2に励磁電流を供給する。これによりアクチュエータ
2の出力端を変位させて、コントロールラック101を
所定の位置まで移動させ、機関の回転速度と指示速度と
の偏差を許容範囲に内に収めるように機関の回転速度を
修正する。
【0079】4サイクルディーゼル機関は、クランク軸
が2回転する間に吸気、圧縮、爆発及び排気の4行程を
行うため、3気筒の場合には、2回転当り3回の爆発行
程が行われる。そのため、3気筒の4サイクルディーゼ
ル機関では、図4(A)に示すように、回転速度の脈動
の幅がクランク軸の2/3回転分に相当する幅となり、
前述のように回転センサがクランク軸の1回転当り30
個の回転検出パルスを発生するものとすると、その20
パルス分の幅が回転速度の脈動幅となる。
【0080】この場合、図4(B)に示すように、20
パルス分のパルス間隔の平均値(2/3回転するのに要
する時間の平均値)を求めて、その平均値から回転速度
を演算するようにすれば、回転速度の脈動成分の影響を
受けることなく、機関の回転速度を求めることができ
る。
【0081】また各パルスが発生する毎に前回発生した
パルスとの間のパルス間隔を求めて、逐次20パルス分
のパルス間隔の平均値を求め、その平均値から回転速度
を演算するようにすれば、1パルス毎に脈動成分の影響
を受けずに回転速度を検出することができる。
【0082】なお図10に示した励磁電流が、脈動を補
償する成分を含まない励磁電流であり、図11の回転速
度に重ねて示した脈動のない曲線が、上記の方法により
検出される回転速度である。アクチュエータに不感帯が
ないとすれば、このようにして検出した回転速度に基づ
いて回転速度の変動を補償するために必要な励磁電流の
補償分(制御量)を求めて、該補償分をアクチュエータ
に流す励磁電流に加えることにより、機関の回転速度を
指示速度に保つための制御を安定に行わせることができ
る。
【0083】ところが実際にはアクチュエータ及びコン
トロールラックを含む機械系が有するヒステリシス特性
により生じる不感帯があるため、単に脈動成分の影響を
受けずに検出した回転速度を用いて励磁電流の補償分を
演算しただけでは、回転速度の制御を安定に行わせるこ
とができない。
【0084】そこで、本発明においては、アクチュエー
タの励磁電流の不感帯幅以上の振動幅を持って振動する
ディザ信号電流を、内燃機関の燃焼サイクルにより生じ
る回転速度の脈動に対して一定の位相関係を持たせて、
かつ各脈動の1周期当り整数サイクルずつ発生させて、
該ディザ信号電流を励磁電流に重畳するディザ信号重畳
手段を設ける。
【0085】図5(A)ないし(C)はこのディザ信号
重畳手段が行う信号処理を示したもので、(A)は回転
速度の脈動成分を示し、(B)は回転センサが発生する
回転検出パルスを示している。回転検出パルスの発生間
隔は、回転速度の脈動成分の瞬時値に応じて変化する。
図5(C)はアクチュエータの励磁電流にディザ信号電
流を重畳するために電磁石の励磁コイルに印加される制
御電圧Qに重畳するディザ信号電圧を示したものであ
る。この例では、該ディザ信号電圧が、励磁電流の不感
帯幅の中心を与えるレベルを中心にして該不感帯の幅に
等しい振動幅を持って振動する振動電圧からなってい
て、各脈動の1周期の期間当たり1サイクルのディザ信
号電圧を発生させている。
【0086】図示の例では、回転速度の脈動の1周期当
たり回転検出パルスが20パルス発生するため、回転検
出パルスが20パルス発生する区間をディザ信号の1周
期として、該ディザ信号の周期と脈動の周期とを等しく
し、ディザ信号を回転速度の脈動に対して一定の位相関
係を持たせて発生させている。
【0087】図示の例では、回転検出パルスの10パル
ス間隔で電磁石の励磁コイルに印加する制御電圧Qにデ
ィザ信号電圧の半波の振幅に相当する電圧を加えたり減
じたりして、脈動の1周期当たり1サイクルのディザ信
号電圧を、その零点を回転速度の脈動の谷部(燃料噴射
タイミング)に一致させた状態で発生させている。
【0088】なおディザ信号の周期は、必ずしも回転速
度の脈動の周期に等しくなくてもよく、回転速度の脈動
の周期よりも短くてもよいが、回転速度の脈動の各周期
の期間にディザ信号を整数サイクルずつ発生させること
が必要である。
【0089】ディザ信号電流の振動幅は、制御装置の機
械系の個体差による励磁電流の不感帯幅Ih´のばらつ
きの範囲の下限を与える値よりも僅かに大きい程度に設
定するのが好ましい。
【0090】なおアクチュエータの励磁電流をPWM制
御する場合には、ディザ信号電流の大きさをデューティ
比の形で設定して、励磁電流の大きさ(平均値)を与え
るデューティ比にディザ信号電流の大きさを与えるデュ
ーティ比を加算したり、減算したりすることにより、励
磁電流にディザ信号電流を重畳することができる。
【0091】図3に示した制御部において、回転速度演
算手段21、偏差演算手段23、制御量演算部24及び
ディザ信号重畳手段26は、マイクロコンピュータ12
bに所定のプログラムを実行させることにより実現する
ことができる。
【0092】図6は、ディザ信号重畳手段26を実現す
るために、回転センサ3が回転検出パルスを発生する毎
に実行される回転検出パルス割込みルーチンを示してい
る。回転検出パルスが発生すると、ステップ1において
割込みカウンタの計数値をインクリメントし、次いでス
テップ2において割込みカウンタの計数値が20以下で
あるか否かを判定する。その結果、計数値が20以下の
場合には、次いでステップ3において割込みカウンタの
計数値が10以下であるか否かを判定し、計数値が10
以下である場合には、PWM出力からディザデータを減
算してメインルーチンに戻る。
【0093】ステップ3において、割込みカウンタの計
数値が10を超えていると判断された場合には、ステッ
プ5に進んでPWM出力にディザデータを加えた後にメ
インルーチンに戻る。
【0094】ここで「PWM出力」は、機関の回転速度
と指示速度との偏差にPID演算を施すことにより求め
た制御量(偏差を許容範囲以下に収めるために必要な励
磁電流)であり、メインルーチンで実現される制御量演
算手段により演算される。
【0095】また「ディザデータ」は、ディザ信号の半
波の振幅を与える量であり、電磁石の励磁電流をPWM
制御する場合には、デューティ比の形でROMに記憶さ
せておく。
【0096】ステップ2において割込みカウンタの計数
値が20を超えていると判定されたときには、ステップ
6に進んで割込みカウンタをクリアし、メインルーチン
に戻る。
【0097】アクチュエータ2の励磁電流に振動するデ
ィザ信号電流を重畳すると、ディザ信号の振動に伴って
電磁石の可動部が振動する。このように、電磁石の可動
部が常に振動していると、燃料噴射タイミングで励磁電
流の変化が生じたときに電磁石の可動部が直ちに動き得
る状態にあるため、励磁電流が変化してもコントロール
ラックが動かないといった状態が生じることはなくなる
(ディザ効果が得られる)。しかしながら、噴射タイミ
ング毎に電磁石の可動部が動き始める位置がばらつく
と、励磁電流の変化分に対して燃料の供給量を適確に変
化させることがでないため、回転速度の制御を安定に行
わせることができない。
【0098】しかるに、本発明のように、アクチュエー
タ2の励磁電流の不感帯幅以上の振動幅を持って振動す
るディザ信号電流を内燃機関の燃焼サイクルにより生じ
る回転速度の脈動に対して一定の位相関係を持たせて、
かつ各脈動の1周期当り整数サイクルずつ発生させて、
該ディザ信号電流を励磁電流に重畳するようにすると、
回転速度の脈動の幅または高さの如何に係わりなく、デ
ィザ効果を常に一定にすることができるため、各燃料噴
射タイミングにおいて、コントロールラック101が励
磁電流の変化に応答して動き始める位置を同じにするこ
とができる。
【0099】したがって、各燃料噴射タイミングにおい
て燃料の噴射量を修正すべくアクチュエータの励磁電流
を変化させたときに、常にコントロールラックを同じ位
置から動かし始めることができ、励磁電流の同じ変化量
に対するコントロールラックの変化量が噴射タイミング
毎にばらつくのを防止することができる。そのため、制
御装置の機械系が有するヒステリシス特性により生じる
不感帯が制御に与える影響をなくして、機関の回転速度
の制御を常に安定に行わせることができる。
【0100】本発明においては、ディザ信号電流をアク
チュエータの励磁電流の不感帯幅の中心レベルを中心に
して上下対称に振動させるため、ディザ信号電流の振幅
を大きくしても、何等差し支えない。したがって、前述
のように、ディザ信号電流の振動幅を、制御装置の機械
系の個体差による励磁電流の不感帯幅Ih´のばらつき
の範囲の下限を与える値よりも大きく設定することがで
き、このようにディザ信号電流の振幅を設定することに
より、アクチュエータの特性のばらつきの影響を受ける
ことなく、その不感帯の影響をなくして、良好な制御を
行わせることができる。
【0101】実際に、図10及び図11に示したディー
ゼル機関と同様の機関の回転速度を制御する場合に、図
5(C)に示すように、回転速度の脈動の1周期当たり
1サイクルのディザ信号電圧をアクチュエータの電磁石
に印加して、その励磁電流にディザ信号電流を重畳させ
たところ、図9に示すような良好な制御特性を得ること
ができた。
【0102】図9に示した例では、ディザ信号成分によ
りアクチュエータの励磁電流にヒステリシス幅(不感帯
幅)以上の電流リップルが生じ、これにより不感帯がな
くなって、コントロールラックが励磁電流に迅速に応答
して燃料の供給量を調節している。
【0103】また負荷の投入により、機関の回転速度が
低下し始めると、アクチュエータの励磁電流が増加し始
めるが、コントロールラックは不感帯による応答遅れを
伴うことなく動作して機関の燃料を調節している。
【0104】本発明においては、ディザ信号の振動幅
は、内燃機関の回転速度に応じて適値に設定するか、ま
たは内燃機関の指示速度に応じて適値に設定するのが好
ましい。
【0105】ディザ信号の適値は、機関の回転速度によ
り異なり、一般には、回転速度が低い場合ほどディザ信
号の振動幅を大きくすることが好ましい。したがって、
上記のように、ディザ信号の振動幅を、内燃機関の回転
速度に応じて適値に設定するか、またはディザ信号の振
動幅を、内燃機関の指示速度に応じて適値に設定するよ
うにすると、常に最適のディザ効果を得ることができ
る。
【0106】上記の例では、回転センサから得られる回
転検出パルスを基にして発生させたが、ディザ信号の発
生のさせ方は上記の例に限られるものではなく、例えば
機関の回転速度の脈動成分の周波数を逓倍して得た信号
の波高値を揃えるように波形整形することにより、ディ
ザ信号を得るようにしてもよい。
【0107】上記の例では、ディーゼル機関を例にとっ
たが、ガソリン機関やガス機関の燃料供給量を調節する
ために電磁式アクチュエータを用いて、回転速度の制御
を行う場合にも本発明を適用することができる。ガソリ
ン機関やガス機関の回転速度を制御する場合には、燃料
を気化させる気化器や、燃料と空気とを混合するミキサ
の応答遅れにより、制御系の安定化を図っているが、本
発明によれば、これらの応答遅れによる安定要素に期待
せずに、ディザ信号の振幅を適当に設定することによ
り、安定な回転速度制御を行わせることができる。
【0108】上記の例では、4サイクル3気筒内燃機関
を例にとったが、4サイクル4気筒内燃機関の場合に
は、回転速度の脈動の周期がクランク軸の1/2回転に
相当する期間となり、回転センサが1回転当り30個の
回転検出パルスを発生する場合には、回転速度の脈動の
周期が15パルス分の期間に等しくなる。また4サイク
ル6気筒内燃機関の場合には、回転速度の脈動の周期が
クランク軸の1/3回転に相当する期間となり、回転セ
ンサが1回転当り30個の回転検出パルスを発生する場
合には、回転速度の脈動の周期が10パルス分の期間に
等しくなる。
【0109】また2サイクル機関の回転速度を制御する
場合にも本発明を適用することができる。m気筒の2サ
イクル機関の回転速度を制御する場合には、回転速度の
脈動の1周期の期間がクランク軸の1/m回転に相当す
る期間に等しくなる。
【0110】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、内燃機
関の燃焼サイクルにより生じる回転速度の脈動に対して
一定の位相関係を有し、かつ各脈動の1周期当り整数サ
イクルずつ発生するディザ信号を電磁石の励磁電流に重
畳させるようにしたので、回転速度の脈動の幅または高
さの如何に係わりなく、ディザ効果を常に一定にするこ
とができ、各燃料噴射タイミングにおいて、励磁電流の
変化に応答してコントロールラックが始動する位置を同
じにすることができる。したがって、各燃料噴射タイミ
ングにおいて燃料の噴射量を修正すべくアクチュエータ
の励磁電流を変化させたときに、常にコントロールラッ
クを同じ位置から動かし始めることができ、励磁電流の
同じ変化量に対するコントロールラックの変化量が噴射
タイミング毎にばらつくのを防止することができる。そ
のため、制御装置の機械系が有するヒステリシス特性に
より生じる不感帯が制御に与える影響をなくして、機関
の回転速度の制御を安定に行わせることができる。
【0111】また本発明によれば、ディザ信号の振幅を
大きめに設定しておいても差し支えないため、アクチュ
エータの特性のばらつきや機関の燃料供給量調節部の摺
動抵抗のばらつき等の影響を受けることなく、制御装置
の機械系が有するアクチュエータのヒステリシス特性に
より生じる不感帯の影響をなくして制御性を良好にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内燃機関用速度制御装置で用い
るアクチュエータ及び燃料噴射ポンプの構成例を一部断
面して示した側面図である。
【図2】本発明に係わる速度制御装置で用いるコントロ
ーラの構成を示したブロック図である。
【図3】本発明に係わる速度制御装置で用いる制御部の
構成例を示したブロック図である。
【図4】本発明が制御の対象とする内燃機関の回転速度
の脈動成分と回転検出パルスとを示した波形図である。
【図5】本発明が制御の対象とする内燃機関の回転速度
の脈動成分と回転検出パルスとディザ信号とを示した波
形図である。
【図6】本発明に係わる速度制御装置においてマイクロ
コンピュータが実行するプログラムのアルゴリズムの一
例を示したフローチャートである。
【図7】本発明に係わる内燃機関用速度制御装置に用い
られるアクチュエータの電磁石の可動部の位置と出力ト
ルクとの関係の一例を励磁電流をパラメータとして示し
た線図である。
【図8】本発明に係わる内燃機関用速度制御装置に用い
られるアクチュエータの電磁石の可動部の位置と励磁電
流との関係を与える特性の一例を示した線図である。
【図9】本発明を適用した内燃機関用速度制御装置によ
り得られる制御特性の一例を示した線図である。
【図10】4サイクル3気筒ディーゼル機関の速度制御
装置において、アクチュエータの励磁電流にディザ信号
を重畳しない場合の制御特性を示した線図である。
【図11】4サイクル3気筒ディーゼル機関の速度制御
装置において、アクチュエータの励磁電流に機関の回転
速度の脈動成分をディザ信号として重畳した場合の制御
特性を示した線図である。
【符号の説明】
1…燃料噴射ポンプ、2…アクチュエータ、3…回転セ
ンサ、12…コントローラ、13…回転速度指示手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 378 F02D 45/00 378 390 390Z Fターム(参考) 3G084 AA01 AA02 BA13 EA11 EA12 EA13 EC01 EC06 FA13 FA33 FA38 3G301 HA02 HA03 LB14 LC01 LC10 MA11 NA08 ND41 NE25 NE26 PB04Z PE01A PE01Z PE03Z PG02Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励磁電流の大きさに相応した変位を生じ
    る可動部を有する電磁石と、該電磁石の可動部に連結さ
    れた入力端と内燃機関の燃料供給量調節部材に連結され
    た出力端とを有して前記電磁石の可動部の変位を前記燃
    料供給量調節部に伝達する操作出力伝達機構とを備えて
    いて、前記電磁石に与えられる励磁電流と前記出力端の
    位置との間の関係を与える特性がヒステリシス特性を示
    し、該ヒステリシス特性により、前記励磁電流が変化し
    ても前記出力端の位置が変化しない不感帯が生じる電磁
    式アクチュエータと、前記内燃機関の回転速度と指示速
    度との偏差に応じて前記電磁石に励磁電流を与えること
    により前記偏差を許容範囲内に収めるように制御する制
    御部とを備えた内燃機関用速度制御装置において、 前記アクチュエータの励磁電流の不感帯幅以上の振動幅
    を持って振動するディザ信号電流を前記内燃機関の燃焼
    サイクルにより生じる回転速度の脈動に対して一定の位
    相関係を持たせて、かつ各脈動の1周期当り整数サイク
    ルずつ発生させて、該ディザ信号電流を前記励磁電流に
    重畳するディザ信号重畳手段が設けられていることを特
    徴とする内燃機関用速度制御装置。
  2. 【請求項2】 励磁電流の大きさに相応した変位を生じ
    る可動部を有する電磁石と、前記電磁石の可動部に連結
    された入力端と内燃機関の燃料供給量調節部材に連結さ
    れた出力端とを有して前記電磁石の可動部の変位を前記
    燃料供給量調節部に伝達する操作出力伝達機構とを備え
    ていて、前記電磁石に与えられる励磁電流と前記出力端
    の位置との間の関係を与える特性がヒステリシス特性を
    示し、該ヒステリシス特性により、前記励磁電流が変化
    しても前記出力端の位置が変化しない不感帯が生じる電
    磁式アクチュエータと、前記内燃機関の回転速度と指示
    速度との偏差に応じて前記電磁石に励磁電流を与えるこ
    とにより前記偏差を許容範囲内に収めるように制御する
    制御部とを備えた内燃機関用速度制御装置において、 前記内燃機関の回転速度が設定速度以下になっていると
    きに、前記アクチュエータの励磁電流の不感帯幅以上の
    振動幅を持って振動するディザ信号電流を前記内燃機関
    の燃焼サイクルにより生じる回転速度の脈動に対して一
    定の位相関係を持たせて、かつ各脈動の1周期当り整数
    サイクルずつ発生させて、該ディザ信号電流を前記励磁
    電流に重畳するディザ信号重畳手段が設けられているこ
    とを特徴とする内燃機関用速度制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ディザ信号電流の振動幅は、前記ア
    クチュエータと該アクチュエータにより操作される燃料
    供給量調節部材とを含む機械系の個体差により生じる励
    磁電流の不感帯幅のばらつきの範囲の最大幅よりも僅か
    に大きい値に設定されていることを特徴とする請求項1
    または2に記載の内燃機関用速度制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ディザ信号の振動幅は、前記内燃機
    関の回転速度に応じて適値に設定されることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれか1つに記載の内燃機関用
    速度制御装置。
  5. 【請求項5】 前記ディザ信号の振動幅は、前記内燃機
    関の指示速度に応じて適値に設定されることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれか1つに記載の内燃機関用
    速度制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御部は、 前記内燃機関が単位角度回転する毎に回転検出パルスを
    発生する回転センサと、 前記回転速度の脈動の1周期の期間に亘って求めた前記
    回転検出パルスの発生間隔の平均値から前記内燃機関の
    回転速度を演算する回転速度演算手段と、 前記回転速度演算手段と前記指示速度との偏差を演算す
    る偏差演算手段と、 前記偏差を許容値以下に保つために必要な前記励磁電流
    の制御量を演算する制御量演算部と、 前記制御量演算部により演算された制御量に応じて前記
    アクチュエータに励磁電流を与える励磁回路とを備えて
    いる請求項1,2または3のいずれか1つに記載の内燃
    機関用速度制御装置。
  7. 【請求項7】 前記内燃機関はn気筒(nは1以上の整
    数)の4サイクルディーゼル機関またはn気筒の4サイ
    クルガソリン機関からなっていて、前記回転センサは、
    回転検出パルスを内燃機関の1回転当り(n/2)×m
    個(mは2以上の整数)発生するように構成され、 前記ディザ信号重畳手段は、回転検出パルスがm個発生
    する間にディザ信号電流を回転速度の脈動に対して一定
    の位相関係を持たせて整数サイクルずつ発生させるよう
    に構成されている請求項1,2,3または4のいずれか
    1つに記載の内燃機関用制御装置。
  8. 【請求項8】 前記内燃機関はn気筒(nは1以上の整
    数)の2サイクルディーゼル機関またはn気筒の2サイ
    クルガソリン機関からなっていて、前記回転センサが、
    回転検出パルスを内燃機関の1回転当りn×m個(mは
    2以上の整数)発生するように構成され、 前記ディザ信号重畳手段は、回転検出パルスがm個発生
    する間にディザ信号電流を前記回転速度の脈動に対して
    一定の位相関係を持たせて整数サイクルずつ発生させる
    ように構成されている請求項1,2,3または4に記載
    された内燃機関用速度制御装置。
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