JP2001020320A - 作業車両用運転室 - Google Patents

作業車両用運転室

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JP2001020320A
JP2001020320A JP11193940A JP19394099A JP2001020320A JP 2001020320 A JP2001020320 A JP 2001020320A JP 11193940 A JP11193940 A JP 11193940A JP 19394099 A JP19394099 A JP 19394099A JP 2001020320 A JP2001020320 A JP 2001020320A
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cab
box
driver
floor
air
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JP11193940A
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English (en)
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Hachiro Nakajima
八郎 中島
Yasushi Nakatsuji
裕史 中辻
Hirohiko Nakagawa
啓彦 中川
Kisaburo Suzuki
喜三郎 鈴木
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TAKAHASHI WORKS KK
Takahashi Works Co Ltd
Original Assignee
TAKAHASHI WORKS KK
Takahashi Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転室の気密性を確保して室外からの騒音、
振動、埃の侵入を阻止し、併せてホース、ケーブル、ワ
イヤ類の組付作業性を改善し、かつ室内居住スペースの
増加を図って運転者にとって快適な空間を確保する。 【解決手段】 略平面状の薄板(表板)14とその薄板
の裏面側に設けられる複数の補強部材とによって複数の
略密閉構造の箱状部18,19,21を形成し、運転室
1内と車両本体との間に延設されるホース類38を箱状
部21の内部空間に挿通するとともに、この箱状部21
の出入口部に気密構造の保持部材39,41を設ける。
また、箱状部の一部を空調回路として利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建機車両、産業車
両、農機車両等の作業車両用運転室に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、図8(a)(b)に示されている
ように、この種の作業車両用運転室(油圧ショベルの運
転室が例示されている。)50においては、床部(底
部)51が比較的厚肉の板状部材で形成されるととも
に、この床部51が車両本体の架台52に複数の支持体
53を介して支持されることで、運転室全体が前記架台
52上に支持される構造とされている。
【0003】前記床部51上には、座席取付台54およ
び空調機器55が設置されるとともに、図には明示され
ていないが車両操縦用機器およびその操作用レバー、ペ
ダル、スイッチ類等が設置されている。そして、前記床
部51周りには、空調機器55の回路ホース類や、操縦
・操作用の電気、油圧、コントロールケーブルワイヤ類
等、多くのホース、ケーブル、ワイヤ類56がクランプ
部材57で適宜保持されてその床部51の上下面に沿う
ように、かつその床部51を貫通して取付けられてい
る。また、運転席58の近傍に設置される空調機器55
から運転席58側方もしくは前方に温湿度調整用の空気
を導くために、前記床部51上にはダクト等の空調回路
部品59が配されている。なお、図8中には、温湿度調
整用の空気の流れが破線の矢印にて示されている。
【0004】一方、前記床部51は前述のように板状部
材で形成されていることから、その上面に加わる運転室
の荷重および運転者の荷重による撓み強度を確保するた
めに、板厚を厚くしたり、あるいは多くの補強部材をつ
けたり、支持体53の設置個所を外周部だけではなく、
中央部にも追加するといった対策が採られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の床周り構造では、多くのホース、ケーブル、ワイヤ
類56が床部51の上下面に沿うように、かつその床部
51を貫通して取付けられているために、その貫通個所
における室内外の間の密閉が確実に行えずに隙間が各所
にでき、この隙間から作業時の埃や砂が室内に侵入して
きたり、車両側の騒音が侵入してきたりして、運転室内
の快適な環境が損なわれるという問題点がある。また、
これらホース、ケーブル、ワイヤ類56を床部51を貫
通させて取付ける作業や、床部51の下面側に取付ける
作業は作業者に苦渋を強いる作業であり、また下方から
の組付作業を容易にするための特殊治具装置が必要にな
るなどの問題点がある。さらに、床部51の下面に取付
けるホース、ケーブル、ワイヤ類56については、土砂
や岩石等による損傷を防ぐために、架台52側に保護用
のカバー52’が必要になるという問題点もある。
【0006】また、従来構造では、空調機器55から運
転席58側方もしくは前方に温湿度調整用の空気を導く
ための空調回路部品59が床部51上に配されているの
で、これら空調回路部品59が運転室内空間を狭くして
運転者に不快感を与えたり、あるいは他の機器設置上の
阻害要因になるという問題点がある。また、これら空調
回路部品59は床部51上に、かつ片側方向のみに設置
されているために、その構造上の制約から空気吹出し口
の高さ位置が限定されることになり、この結果最適な運
転者体感を得るには不適切な吹出し口位置になったり、
冷気の吹出し位置が低いことによる運転室内の空気対流
効率が悪いなどの問題点がある。また、吹出し口5
9’,59”の如く空気吹出し口が床面と近接した位置
にあるものは、床上に堆積した砂埃を室内に舞い上がら
せるといった問題点もある。一方、前面ガラス曇り除去
のデフロスタ用吹出し口59’も前面ガラスから離れた
位置での設置となり、デフロスタ効率が悪いという問題
点もある。
【0007】一方、床部上面に加わる荷重による撓み強
度を確保するために床部の板厚を厚くしたり、多くの補
強部材を追加した場合には、全体重量の増加が避けられ
ないだけでなく、コストアップを招いてしまう。また、
支持体53の設置個数を増やした場合には、この追加し
た支持体53を通じて車両架台52側から床部51を介
して運転者に伝播する振動が増大することになり、運転
者に不快感を与える要因になってしまう。
【0008】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、運転室の気密性を確保して室外か
らの騒音、振動、埃の侵入を阻止することができ、併せ
てホース、ケーブル、ワイヤ類の組付作業性を改善し、
かつ室内居住スペースの増加を図って運転者にとって快
適な空間を確保することのできる作業車両用運転室を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前記目
的を達成するために、第1発明(請求項1に係る発明)
による作業車両用運転室は、車両本体の架台に対し独立
して支持される作業車両用運転室であって、略平面状の
薄板とその薄板の裏面側に設けられる複数の補強部材と
によって複数の略密閉構造の箱状部が形成されてなる床
構造体を備え、運転室内と車両本体との間に延設される
ホース、ワイヤ、ケーブル類を前記箱状部の一部の内部
空間に挿通するとともに、この箱状部に対してそれらホ
ース、ワイヤ、ケーブル類を導入・導出する入口部もし
くは出口部の少なくとも一方にそれらホース、ワイヤ、
ケーブル類を取り纏めて保持する気密構造の保持部材を
設けることを特徴とするものである。
【0010】本発明によれば、床構造体が、略平面状の
薄板とその薄板の裏面側に設けられる複数の補強部材と
によって複数の略密閉構造の箱状部を有する構造とされ
ているので、床部の強度および剛性確保を容易に行うこ
とができ、床板として厚肉の板状部材を用いる必要がな
くなり、材料減により重量を大幅に減らすことができる
とともに、コストダウンを図ることができる。また、箱
状部によって十分な剛性が確保できるので、床部の撓み
が少なくなり、その床部を架台に支持する支持体の個数
も減らすことができて架台から室内への振動伝播も軽減
することができる。また、箱状部の一部を利用してその
箱状部の内部空間にホース、ワイヤ、ケーブル類が挿通
されるので、床部下面にそれらホース、ワイヤ、ケーブ
ル類が露出することがなく、それらホース、ワイヤ、ケ
ーブル類の組付け作業を容易に行うことができるととも
に、それらホース、ワイヤ、ケーブル類の保護用カバー
が不要となってコスト低減に寄与することができる。さ
らに、箱状部に対してホース、ワイヤ、ケーブル類を導
入・導出する個所に気密構造の保持部材が設けられてい
るので、室外からの埃、水、騒音の侵入を完全に遮断す
ることができ、いかなる環境に対しても運転室内の快適
性を確保することができる。
【0011】次に、第2発明(請求項2に係る発明)に
よる作業車両用運転室は、車両本体の架台に対し独立し
て支持される作業車両用運転室であって、略平面状の薄
板とその薄板の裏面側に設けられる複数の補強部材とに
よって複数の略密閉構造の箱状部が形成されてなる床構
造体を備え、前記箱状部の一部の内部空間を温湿度調整
用の空気を流通させる空気通路とし、この空気通路の空
気出口を前記箱状部の一部を開口して設けることを特徴
とするものである。
【0012】本発明によれば、第1発明と同様、床構造
体が、略平面状の薄板とその薄板の裏面側に設けられる
複数の補強部材とによって複数の略密閉構造の箱状部を
有する構造とされているので、床部の強度および剛性確
保を容易に行うことができ、床板として厚肉の板状部材
を用いる必要がなくなり、材料減により重量を大幅に減
らすことができるとともに、コストダウンを図ることが
できる。また、箱状部によって十分な剛性が確保できる
ので、床部の撓みが少なくなり、その床部を架台に支持
する支持体の個数も減らすことができて架台から室内へ
の振動伝播も軽減することができる。また、前記箱状部
の一部の内部空間を利用してその空間が温湿度調整用の
空気通路とされ、この空気通路の空気出口が前記箱状部
の一部に設けられているので、室内に空調回路部品を配
置する必要がなくなり、運転者の居住スペースを広くし
て室内の快適性を増すことができる。また、空気吹出し
口を例えば前面ガラスに最近接した最下部位置に設置す
ることも可能となるので、前面ガラスのデフロスタ効率
を向上させるといった効果が得られる。
【0013】前記第1発明および第2発明においては、
前記床構造体における梁を形成する箱状部に、吸音・吸
振機能をもつ発泡充填材および剛性増加機能をもつ発泡
充填材のうちの少なくともいずれかを充填するのが好ま
しい(請求項3に係る発明)。このような構成によれ
ば、吸音・吸振機能をもつ例えばスポンジ状の発泡充填
材により、車両側で発生した騒音や振動が床回りから運
転室内に伝播するのを遮断し、前記第1発明における騒
音侵入の遮断効果を、構造変更を伴うことなく、一層向
上させることができる。また、剛性増加機能をもつ発泡
充填材(例えば発泡後に固結させたもの)を必要部位に
内蔵させることにより、床部品の剛性や曲げ強度をさら
に増加させることが可能になり、構造変更を伴うことな
く、床部材の使用板厚を下げることによる重量軽減、製
造原価低減を可能とすることができる。
【0014】前記第2発明においては、運転室柱を中空
に形成し、この運転室柱の下部開口と前記空気出口とを
連結する箱状部を設けるとともに、前記運転室柱の上部
に空気吹出し口を設けるのが好ましい(請求項4に係る
発明)。こうすることで、室内に空調回路部品を配置す
ることがなく、運転室柱の任意の高さ位置に空気吹出し
口を設置できることになり、室内の空気対流効果を高め
て短時間で所望の快適温度を得るのみならず、風向調節
機構と併せて少量の風量であっても運転者の所望する部
位への冷気の吹出しも行うことが可能となる。したがっ
て、より運転者へ快適な体感温度を与えることができ
る。
【0015】ここで、前記運転室柱内に上端部および下
端部が支持される回路柱を設け、この回路柱の外周面と
前記運転室柱の内周面との間の数箇所に発泡充填材より
なる中間支持部材を介挿する構成とするのが好適である
(請求項5に係る発明)。このような構成を採用するこ
とによって、回路柱が断熱構造となるので、運転室柱内
を通過する空気と室内壁との温度差による結露現象の発
生を回避することができ、また温度効率も向上させるこ
とができる。また、簡単な施工によって運転室柱を二重
構造とすることができて長柱部材の振動を抑制するとと
もに振動強度を容易に確保でき、強度増加も図ることが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明による作業車両用運
転室の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ
説明する。
【0017】図1〜図6は、油圧ショベル用の運転室に
適用した本発明の一実施例を示す図面であって、図1は
同油圧ショベル用運転室の中央部縦断面図、図2は図1
のA−A断面図、図3(a)は図1のB−B(表板の下
面を通る線)断面図、図3(b)は図3(a)のF−F
断面図、図4は図1のC−C断面図(ただし、運転席取
付台部を省略図示)、図5は一部破断して示す図2のD
−D断面図、図6は図2のP部の分解斜視図、図7は本
発明の他の実施例に係る床構造体を示すものであって、
(a)は水平断面図、(b)は(a)のA1−A1断面
図、(c)は(a)のC1−C1断面図、(d)は
(a)のD1−D1断面図である。
【0018】本実施例の油圧ショベル用運転室1は、車
両本体の架台2上に複数個(本実施例では4個)の支持
体3を介して独立して支持されており、これら支持体3
に支持される床構造体4と、この床構造体4の上面に固
定される運転室本体5とにより構成されている。
【0019】前記運転室本体5においては、左右両側部
に角筒状の閉断面で形成される運転室柱6A,6Bが立
設されるとともに、これら運転室柱6A,6Bの上端部
に前後方向に上面部7が延設され、前後面にそれぞれ透
視可能な前面部(前面ガラス)8および後面部9が設け
られ、左右にそれぞれ側面部10,11が設けられてい
る。この箱形の運転室本体5の略中央部下面には運転席
取付台12を介して運転席13が取付けられている。ま
た、図示省略されているが、この運転席13の前方およ
び側方には車両操縦用機器およびその操作用レバー、ペ
ダル、スイッチ類が配されている。
【0020】次に、本実施例における床構造体4の詳細
構造について説明する。
【0021】この床構造体4は、運転室1の床板を構成
する略平面状の薄板にて形成された床板(表板)14
と、この表板14の裏面側に接合される補強部材とによ
り構成されている。ここで、補強部材は、複数の薄板よ
りなり、各薄板を折曲するとともに所要部を接合して複
数の略密閉構造の箱状部(閉断面)とすることにより形
成されている。このような箱状部を設けることで、床板
として厚肉の板状部材を用いずに、床部の十分な強度お
よび剛性を容易に確保することを可能にしている。
【0022】図3に示されるように、主要な箱状部とし
ては、運転室1の左側部に前後にそれぞれ延設される第
1箱状部15Aおよび第2箱状部15B、運転室1の右
側部に前後にそれぞれ延設される第3箱状部16Aおよ
び第4箱状部16B、第1箱状部15Aと第3箱状部1
6Aとを連結するように運転室1の前端部に左右に延設
される第5箱状部17、運転席13の下方に左右に延設
される第6箱状部18、この第6箱状部18の中央部に
一体に設けられて前端部が前記第5箱状部17まで延設
される第7箱状部19、前記第6箱状部18に対して後
方側へ突出するように設けられる第8箱状部20、第2
箱状部15Bと第4箱状部16Bとを連結するように運
転室1の後端部に左右に延設される第9箱状部21およ
び第10箱状部21Aが挙げられる。
【0023】前記箱状部の一部はその内部空間が温湿度
調整用の空調回路を構成する空気通路として利用され
る。すなわち、第8箱状部20の後端部には下向きの開
口22が形成され、この開口22が運転席13の後方に
設置される空調機器23の第1空気出口23aに連通さ
れ、一方第8箱状部20の前端部には前向きの開口24
が形成され、この開口24が第6箱状部18に連通され
ている。また、第6箱状部18の前面中央部には開口2
5が形成され、この開口25が第7箱状部19に連通さ
れている。また、この第7箱状部19の前端部は上り勾
配壁面19aとされて、その上り勾配壁面19aが第7
箱状部19の前端部上面に取り付けられるデフロスタノ
ズル26の上り勾配の空気通路26aと連通されてその
デフロスタノズル26の先端開口27から前面ガラス8
面に空気を導くようにされ(矢印h)、これによって前
面ガラス8のデフロスタ効率の向上が図られている(図
5参照)。なお、前記空調機器23には第1空気出口2
3aのほかに第2空気出口23bが設けられ、この第2
空気出口23bが運転席取付台12の下部に形成される
空気通路28に連通されている。
【0024】一方、前記第6箱状部18には、その左右
両端部に上向きの開口29,30がそれぞれ形成され、
それら開口29,30が中空の運転室柱6A,6Bの下
端部開口に連通されている。これら運転室柱6A,6B
内には、その運転室柱6A,6Bの内周面に上端部およ
び下端部が支持される回路柱31がそれぞれ配されてい
る(図2および図4では左側の回路柱のみが図示されて
いる。)。この回路柱31の外周面と運転室柱6A,6
Bの内周面との間には、数箇所位置に支持剛性を有する
発泡充填材よりなる中間支持部材32が介挿されてい
る。また、これら運転室柱6A,6Bおよび回路柱31
の上部には室内側へ向けて(矢印k)空気を吹出す空気
吹出し口33が穿設されている。このように運転室1の
側部に立設される柱を二重構造とすることで、空調回路
の一部を構成する回路柱31を断熱構造とすることがで
き、運転室柱内を通過する空気と室内との温度差による
結露現象の発生が回避できるのみならず、温度効率の向
上も図ることができる。
【0025】前記開口22を開閉する位置には第1ダン
パー34が配されて、空調機器23から吐出される温湿
度調整用の空気を第6箱状部18側へ導くか(矢印c)
否かが切換えられる。同様に、前記開口25を開閉する
位置には第2ダンパー35が配されて、空調機器23か
らの吐出空気を第6箱状部18側へ導くか第7箱状部1
9側へ導くか(矢印g)が切換えられ、あるいはそれら
両者への空気の分岐割合が調整できるようにされてい
る。また、運転席13下方の空気吹出し口36を開閉す
る位置には第3ダンパー37が配されて、空気通路28
を通して供給される空気をその吹出し口36を介して吹
出させるか否かが切換えられるようにされている。
【0026】なお、前記空調機器23においては、左側
部に外気取入口23cが設けられ、この外気取入口23
cから矢印mで示されるように外気が取り入れられる。
【0027】こうして、空調機器23の第1空気出口2
3aから吐出される温湿度調整用の空気は、第1ダンパ
ー34が開口22を開く位置に回動操作されているとき
には、矢印a,cで示されるように第8箱状部20から
開口24の位置に達する。この送出空気は、第2ダンパ
ー35が開口25を塞ぐ位置に回動操作されているとき
には、矢印cで示されるように第6箱状部18の左右端
部側へ向けて振り分けられ、矢印i,jで示されるよう
に運転室柱6A,6Bにおける回路柱31の内部空間を
通ってそれら回路柱31の上部に設けられた空気吹出し
口33から矢印kで示されるように運転室内、特に運転
者の顔面付近に向けて吹出される。一方、前記第2ダン
パー35が開口25を開く位置に回動操作されていると
きには、前述の矢印cで示される経路のほか、送出空気
は矢印gで示されるように開口25から第7箱状部19
内を通り、デフロスタノズル26の上り勾配の空気通路
26aおよび開口27を経由して前面ガラス8の全面に
吹付けられる。一方、前記第3ダンパー37が吹出し口
36を開く位置に回動操作されているときには、空調機
器23の第2空気出口23bから吐出される送出空気
は、矢印bで示されるように空気通路28を通って運転
席13下方の吹出し口36から矢印fで示されるように
運転者の足元に吹出される。
【0028】このように本実施例の空調回路構成によれ
ば、箱状部の一部の内部空間を利用してその空間が温湿
度調整用の空気通路とされているので、室内に空調回路
部品を配置する必要がなくなり、運転者の居住スペース
を広くして室内の快適性を増すことができる。また、空
気吹出し口を前面ガラス8の最下部位置や、運転者の顔
面に近接した位置に設置することができるので、前面ガ
ラス8のデフロスタ効率の向上および運転者の快適性の
向上をより増進させることができる。また、空気吹出し
口の高さが床面に近接しないので、空調時に床上に堆積
した土砂を舞い上がらせて運転者に不快感を与えること
もない。
【0029】ところで、前記空調機器23に接続される
ホース並びに運転室1内での操縦、操作のために必要な
ホース、電線、コントロールケーブル類(以下、単にホ
ース類という。)38は、運転室1内側においては空調
機器23の直後位置で取り纏められて床面の表板14上
に設置される第1保持部材39に保持され、この第1保
持部材39の下方に配される第9箱状部21の上面に穿
設された開口(図示せず)を通してその第9箱状部21
内に挿通される。このホース類38は、前記第9箱状部
21の後端面21aに穿設された開口40(図6参照)
を通して、かつその開口40を運転室外側から塞ぐよう
に装着される第2保持部材41を介して運転室外へ導出
される。
【0030】前記第1保持部材39および第2保持部材
41は略同一構造を有するものであるので、第2保持部
材41のみについて説明することとする。図6に示され
るように、この第2保持部材41は、ホース類38を通
過させる複数の通過孔42aとそれら通過孔42aに繋
がるように一側面側から切り込まれるスリット42bと
を有する略直方体形状の弾性シール部材42と、この弾
性シール部材42を押さえる第1押さえ板43および第
2押さえ板44と、これら押さえ板43,44を第9箱
状部21の後端面21aに設けられる取付座21b,2
1bに対して固定するボルト45,45とを備える構成
とされている。ここで、第1押さえ板43は上縁側が折
曲されるとともに下縁側に略U字状の切欠き43aが形
成され、第2押さえ板44は下縁側が折曲されるととも
に上縁側に略U字状の切欠き44aが形成され、これら
第1押さえ板43および第2押さえ板44が重ねられる
ことで、前記通過孔42aおよび切欠き43a,44a
に挿通されるホース類38を気密状態で保持できるよう
にされている。
【0031】このように、本実施例におけるホース類3
8の保持構造によれば、ホース類38が、床板の裏面側
に配される箱状部の一部である第9箱状部21を利用し
てその内部空間に挿通され、しかもその箱状部にホース
類38を導入・導出する個所に気密構造の第1保持部材
39および第2保持部材41が設けられているので、室
外からの埃、水、騒音の侵入を完全に遮断することがで
き、運転室内の快適性を確保することができる。また、
床板の下面にホース類38を露出させることがないの
で、これらホース類38の組付け作業を容易に行うこと
ができるとともに、それらホース類38の保護用カバー
が不要となってコスト低減に寄与することができる。
【0032】図7(a)〜(d)には、床構造体の他の
実施例が示されている。この実施例は、床構造体におけ
る梁を形成する箱状部である第1箱状部15A、第2箱
状部15B、第3箱状部16A、第4箱状部16Bおよ
び第10箱状部21Aに、吸音・吸振機能をもつスポン
ジ状の発泡充填材46および剛性増加機能をもつ発泡充
填材(発泡後に固結させたもの)47の両方もしくはい
ずれか一方を充填するように構成したものである。な
お、この図は模式的に示したものであって、実際には、
これら発泡充填材46,47は、箱状部を構成する上下
の板面にそれぞれ密着させるように介挿されている。ま
た、図では左側の箱状部15A,15Bと右側の箱状部
16A,16Bとで各発泡充填材46,47の配置態様
が異なるものとなっているが、これらの配置態様は一例
を示したに過ぎないもので、配置態様を左右で異ならせ
る必要は全くない。勿論、ここで示した配置態様以外の
態様も可能であるのは言うまでもない。
【0033】この図7にて示されるような発泡充填材4
6,47を箱状部に充填することで、吸音・吸振機能を
もつ発泡充填材46により、車両側で発生した騒音や振
動が床回りから運転室内に伝播するのをより確実に遮断
することができ、また剛性増加機能をもつ発泡充填材4
7により、床部品の剛性や曲げ強度をさらに増加させる
ことができる。
【0034】本実施例では、油圧ショベル用の運転室に
適用したものを説明したが、本発明は、その他の建機車
両や、産業車両および農機車両等の各種作業車両用の運
転室にも適用できるのは言うまでもない。
【0035】また、本実施例では、運転室と床とが分離
された構造のものを対象として説明したが、本発明は、
これら運転室と床とが一体型のもの、所謂モノコックタ
イプのものに対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る油圧ショベル
用運転室の中央部縦断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A断面図である。
【図3】図3(a)は図1のB−B(表板の下面を通る
線)断面図、図3(b)は図3(a)のF−F断面図で
ある。
【図4】図4は、図1のC−C断面図である。
【図5】図5は、一部破断して示す図2のD−D断面図
である。
【図6】図6は、図2のP部の分解斜視図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施例に係る床構造体を
示すものであって、(a)は水平断面図、(b)は
(a)のA1−A1断面図、(c)は(a)のC1−C
1断面図、(d)は(a)のD1−D1断面図である。
【図8】図8(a)は、従来の油圧ショベル用運転室の
縦断面図、図8(b)は、図8(a)のG−G断面図で
ある。
【符号の説明】
1 油圧ショベル用運転室 2 架台 3 支持体 4 床構造体 5 運転室本体 6A,6B 運転室柱 12 運転席取付台 13 運転席 14 表板 15A 第1箱状部 15B 第2箱状部 16A 第3箱状部 16B 第4箱状部 17 第5箱状部 18 第6箱状部 19 第7箱状部 20 第8箱状部 21 第9箱状部 21A 第10箱状部 22,24,25,27,29,30 開口 23 空調機器 23a,23b 空気出口 26 デフロスタノズル 26a,28 空気通路 31 回路柱 32 中間支持部材 33,36 空気吹出し口 34 第1ダンパー 35 第2ダンパー 37 第3ダンパー 38 ホース類 39 第1保持部材 41 第2保持部材 46 吸音・吸振機能をもつ発泡充填材 47 剛性増加機能をもつ発泡充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 啓彦 大阪市西淀川区御幣島一丁目6番27号 株 式会社タカハシワークス内 (72)発明者 鈴木 喜三郎 大阪市西淀川区御幣島一丁目6番27号 株 式会社タカハシワークス内 Fターム(参考) 2D015 EA02 EC01 EC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両本体の架台に対し独立して支持され
    る作業車両用運転室であって、略平面状の薄板とその薄
    板の裏面側に設けられる複数の補強部材とによって複数
    の略密閉構造の箱状部が形成されてなる床構造体を備
    え、運転室内と車両本体との間に延設されるホース、ワ
    イヤ、ケーブル類を前記箱状部の一部の内部空間に挿通
    するとともに、この箱状部に対してそれらホース、ワイ
    ヤ、ケーブル類を導入・導出する入口部もしくは出口部
    の少なくとも一方にそれらホース、ワイヤ、ケーブル類
    を取り纏めて保持する気密構造の保持部材を設けること
    を特徴とする作業車両用運転室。
  2. 【請求項2】 車両本体の架台に対し独立して支持され
    る作業車両用運転室であって、略平面状の薄板とその薄
    板の裏面側に設けられる複数の補強部材とによって複数
    の略密閉構造の箱状部が形成されてなる床構造体を備
    え、前記箱状部の一部の内部空間を温湿度調整用の空気
    を流通させる空気通路とし、この空気通路の空気出口を
    前記箱状部の一部を開口して設けることを特徴とする作
    業車両用運転室。
  3. 【請求項3】 前記床構造体における梁を形成する箱状
    部に、吸音・吸振機能をもつ発泡充填材および剛性増加
    機能をもつ発泡充填材のうちの少なくともいずれかを充
    填する請求項1または2に記載の作業車両用運転室。
  4. 【請求項4】 運転室柱を中空に形成し、この運転室柱
    の下部開口と前記空気出口とを連結する箱状部を設ける
    とともに、前記運転室柱の上部に空気吹出し口を設ける
    請求項2に記載の作業車両用運転室。
  5. 【請求項5】 前記運転室柱内に上端部および下端部が
    支持される回路柱を設け、この回路柱の外周面と前記運
    転室柱の内周面との間の数箇所に発泡充填材よりなる中
    間支持部材を介挿する請求項4に記載の作業車両用運転
    室。
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