JP2001019639A - 感冒固形製剤 - Google Patents

感冒固形製剤

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JP2001019639A
JP2001019639A JP11192868A JP19286899A JP2001019639A JP 2001019639 A JP2001019639 A JP 2001019639A JP 11192868 A JP11192868 A JP 11192868A JP 19286899 A JP19286899 A JP 19286899A JP 2001019639 A JP2001019639 A JP 2001019639A
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JP11192868A
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English (en)
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Makoto Shimizu
信 清水
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Nitto Pharmaceutical Industries Ltd
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Nitto Pharmaceutical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イソプロピルアンチピリンの苦みを低減し、極
めて服用しやすいイソプロピルアンチピリン分散液を調
製するために用いられる感冒固形製剤を提供することを
目的とする。 【解決手段】イソプロピルアンチピリンおよびマスキン
グ剤を含有してなる感冒固形製剤であって、前記イソプ
ロピルアンチピリンが水中で速やかな分散状態となるよ
うに、前記マスキング剤がイソプロピルアンチピリンを
マスキングしてなることを特徴とする構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感冒固形製剤に関
し、より詳細には、イソプロピルアンチピリンをマスキ
ング剤とを組み合わせることにより、イソプロピルアン
チピリンの苦みが低減され、水に分散させて用いられる
感冒固形製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】イソプロピルアンチピリン(以下、単に
「IPA」という場合がある)は常温で固体であって、
従来より鎮痛解熱効果を有することが知られており、解
熱、鎮痛を目的とした感冒薬の有効成分として用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、IPAは受容
し難い苦みを有するため、通常用いられる賦形剤などと
組み合わせて処方された固形製剤は、あまりにも苦すぎ
て服用に適しない。そのため、IPAを水や有機溶媒な
どに溶解させた液剤形態で処方することも考えられる
が、IPAは水に対して極めて難溶であるので、水を溶
剤として用いることは極めて困難である。実際に、IP
Aを湯水に溶解させようとした場合には、湯水に溶解す
るIPAは極僅かであって、大部分のIPAが湯水の水
面に油状に浮いてしまう。
【0004】また、多価アルコールなどの有機溶媒を、
単独であるいは水と組み合わせて、溶剤あるいは溶解補
助剤として用いた場合、これら有機溶媒は人体、特に老
人、小児に害をもたらし得る可能性がある。さらに、液
剤形態とした薬剤は固形製剤などと比較して取り扱いに
不便である。このように、IPAは、固体製剤とした場
合には苦みが強すぎて服用に適せず、一方で液剤形態と
することも適さないという問題点があった。
【0005】本発明者らは、IPAの苦みを低減した処
方を開発すべく、鋭意検討した結果、IPAと所定のマ
スキング剤とを組み合わせて処方した固形製剤を湯水に
溶解させようとした場合、IPAが速やかに湯水内に分
散し、そして係る分散液(以下、「IPA分散液」とい
う場合がある)を服用してもIPAの苦みがほとんど感
じられないことを見出し、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明は上記課題を解決するためになされ、その目
的とするところは、イソプロピルアンチピリンの苦みを
低減し、極めて服用しやすいIPA分散液を調製するた
めに用いられる感冒固形製剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る感冒固形製剤は、イソプロピルアンチ
ピリンおよびマスキング剤を含有する構成とした。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る感冒固形製剤は、少なくともイソプロピル
アンチピリンおよびマスキング剤を含有する。このよう
な本発明に係る感冒固形製剤において用いられるマスキ
ング剤としては、アミノアルキルメタアクリレートコポ
リマーE、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートが挙げ
られる。マスキング効果がより高いという観点から、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルア
セタールジエチルアミノアセテートが好ましい。これら
のマスキング剤は単独で用いられてもよく、あるいは複
数組み合わせて混合物として用いられてもよいが、より
高いマスキング効果を得るという観点から、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースおよびポリビニルアセタール
ジエチルアミノアセテートを組み合わせて用いることが
より好ましい。また、マスキング効果を高めるために、
これらのマスキング剤にフマル酸、ステアリン酸などを
添加して用いても良い。このようにマスキング剤と共に
IPAを配合した感冒固形製剤を湯水に投入すると、配
合されているIPAが速やかに湯水中に分散する。この
ようなIPA分散液を服用しても、IPAの苦みがほど
んど感じられず、極めて服用しやすい。また、このよう
にして服用されたIPAは上記の通り解熱、鎮痛作用を
有するので、本発明に係る感冒固形製剤は風邪に罹患し
た患者に特に有効である。
【0008】IPAとマスキング剤との配合比は、本発
明に係る感冒固形製剤を水に分散させた場合に、マスキ
ング剤がIPAの苦みを抑制することができる限り特に
限定されないが、IPA分散液中のIPAの苦みをより
充分に抑制できるという観点から、IPA1重量部あた
り0.01重量部以上0.10重量部以下が好ましく、
0.03重量部以上0.08重量部以下がより好まし
く、0.05重量部以上0.06重量部以下がさらによ
り好ましい。また、ポリビニルアセタールジエチルアミ
ノアセテートおよびヒドロキシプロピルメチルセルロー
スを組み合わせたマスキング剤を用いる場合には、さら
により高いマスキング効果を得るという観点から、ポリ
ビニルアセタールジエチルアミノアセテート1重量部あ
たり2.0重量部以上4.0重量部以下(より好ましく
は2.5重量部以上3.5重量部以下)のヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースを用いることが好ましい。ま
た、この場合に用いられるフマル酸およびステアリン酸
についても同様の理由により、それぞれIPA1重量部
あたり2.5×10-5重量部以上2.0×10-4重量部
以下(より好ましくは5.0×10-5重量部以上1.0
×10-4重量部以下)のフマル酸を、そしてIPA1重
量部あたり2.5×10-4重量部以上2.0×10-3
量部以下(より好ましくは5.0×10-4重量部以上
1.0×10-3重量部以下)のステアリン酸を用いるこ
とが好ましい。
【0009】本発明に係る感冒固形製剤は、IPAおよ
びマスキング剤だけでなく、解熱鎮痛剤、消炎剤、抗ヒ
スタミン剤、鎮咳剤、去痰剤、交感神経興奮剤、ビタミ
ン類、中枢興奮剤などのような、通常、感冒薬に配合さ
れ得る他の有効成分を含有し得る。これらの他の有効成
分は、単独でもまたは複数組み合わせても用いられ得
る。
【0010】解熱鎮痛剤としては、アセトアミノフェ
ン、サリチル酸類(例えば、サリチル酸ナトリウム、サ
リチル酸メチル、サリチル酸コリン、サリチルアミドな
ど)、アスピリン、アスピリンアルミニウム、エテンザ
ミド、フェナセチン、アミノピリン、スルピリンなどが
挙げられる。また、必要に応じて、解熱作用はないが、
リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、アヘンチン
キ、塩酸アヘンアルカロイド、塩酸モルヒネ、塩酸エチ
ルモルヒネ、塩酸ペチジンなどのような、麻薬性鎮痛薬
も用いられ得る。本発明に係る感冒固形製剤を使用した
場合に、IPAと共に解熱鎮痛効果が充分に発揮される
という観点から、アセトアミノフェンおよび/またはリ
ン酸ジヒドロコデインを用いることが好ましく、IPA
1重量部当たり0.50重量部以上3.0重量部以下
(さらにより好ましくは1.0重量部以上2.0重量部
以下)のアセトアミノフェンを用いることがより好まし
く、そしてIPA1重量部当たり0.01重量部以上
0.20重量部以下(さらにより好ましくは0.05重
量部以上0.10重量部以下)のリン酸ジヒドロコデイ
ンを用いることがより好ましい。また、これらの量のア
セトアミノフェンとリン酸ジヒドロコデインとを組み合
わせて用いることがさらにより好ましい。
【0011】消炎剤としては、インドメタシン、スリン
ダク、ジクロフェナクナトリウム、イブプロフェン、ケ
トプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ロ
キソプロフェンナトリウム、オキサプロジン、メフェナ
ム酸、フルフェナム酸、グリチルリチン酸、フェニルブ
タゾン、ピロキシカム、塩酸チアラミド、塩化リゾチー
ム、キモトリプシン、プロメライン、プロナーゼ、セラ
プターゼなどが挙げられる。また、これらの消炎剤の中
には、例えば、イブプロフェンのように、解熱鎮痛効果
を有するものもある。本発明に係る感冒固形製剤を使用
した場合に、IPAと共に消炎効果を充分に発揮させる
という観点から、グリチルリチン酸を用いることが好ま
しく、IPA1重量部当たり0.05重量部以上0.3
0重量部以下(さらにより好ましくは0.10重量部以
上0.20重量部以下)のグリチルリチン酸を用いるこ
とがより好ましい。
【0012】抗ヒスタミン剤としては、エタノールアミ
ン誘導体(例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、タンニン
酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミ
ン、マレイン酸カルビノキサミンなど)、プロピルアミ
ン誘導体(例えば、dl−マレイン酸クロルフェニラミ
ン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸トリプロ
リジンなど)、プロパノールアミン誘導体(例えば、フ
マル酸クレマスチン、塩酸ジフェニルピラリンなど)、
フェノチアジン誘導体(例えば、塩酸プロメタジン、酒
石酸アメリマジン、塩酸イソチペンジルなど)が挙げら
れる。本発明に係る感冒固形製剤を使用した場合に、こ
れらの抗ヒスタミン効果が充分に発揮されるという観点
から、dl−マレイン酸クロルフェニラミンを用いるこ
とが好ましく、IPA1重量部当たり0.01重量部以
上0.05重量部以下(さらにより好ましくは0.02
重量部以上0.03重量部以下)のdl−マレイン酸ク
ロルフェニラミンを用いることがより好ましい。
【0013】鎮咳剤としては、リン酸ジヒドロコデイ
ン、リン酸コデイン、オキシメテバノール、臭化水素酸
デキストロメトルファン、オキシメテバノール、塩酸ノ
スカピン、リン酸ジメモルファン、塩酸クロペラスチ
ン、ヒベンズ酸チペピジン、クエン酸ペントキシベリ
ン、クエン酸オキセラジン、塩酸クロフェダノール、フ
ェミノベンなどが挙げられる。本発明に係る感冒固形製
剤を使用した場合に、これらの鎮咳効果を充分に発揮さ
せるという観点から、リン酸ジヒドロコデインを用いる
ことが好ましく、IPA1重量部当たり0.01重量部
以上0.20重量部以下(さらにより好ましくは0.0
5重量部以上0.10重量部以下)のリン酸ジヒドロコ
デインを用いることがより好ましい。去痰剤としては、
グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、
アンモニア・ウイキョウ精、アセチルシステイン、塩酸
エチルシステイン、L−カルボシステイン、塩酸ブロム
ヘキシン、塩酸アンブロキソール、N−アセチルノイラ
ミン酸、シャゼンソウなどが挙げられる。
【0014】交感神経興奮剤としては、エピネフリン、
塩酸エフェドリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、硫
酸サルブタモール、硫酸テルブタリン、塩酸トリメトキ
ノール、硫酸オキシプレナリン、塩酸プロカテロール、
塩酸ツロブテロール、フマル酸ホルモテロールなどが挙
げられる。本発明に係る感冒固形製剤を使用した場合
に、IPAに悪影響を与えない範囲でこれらの交感神経
興奮効果を充分に発揮させるという観点から、dl−塩
酸メチルエフェドリンを用いることが好ましく、IPA
1重量部当たり0.01重量部以上0.50重量部以下
(さらにより好ましくは0.10重量部以上0.30重
量部以下)のdl−塩酸メチルエフェドリンを用いるこ
とがより好ましい。
【0015】ビタミン類としては、ビタミンA群(例え
ば、レチノール、レチノイン酸、レチナールなど)、ビ
タミンB1群(例えば、チアミン、硝酸チアミン、塩酸
チアミン、チアミンプロピルジスルフィド、O,S−ジ
ベンゾイルチアミン、S−ベンゾイルチアミン−O−モ
ノホスフェートなど)、ビタミンB2群(例えば、リボ
フラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフ
ラビンなど)、ビタミンB6群(例えば、ピロドキシ
ン、ピリドキサル、ピリドキサミン、これらのリン酸
塩、塩酸塩など)、ビタミンB12群(例えば、コバラ
ミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、アデノシ
ルコバラミン、ヒドロキソコバラミンなど)、ビタミン
C群(例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸
エステルマグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、ア
スコルビン酸カルシウム、酢酸トコフェロールアスコル
ビン酸エステルなど)、ビタミンD群(例えば、エルゴ
カルシフェノール、コレカルシフェロールなど)、ビタ
ミンE群(例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロー
ルなど)、ナイアシン群(例えば、ニコチン酸、ニコチ
ン酸アミドなど)、ビタミンK群(例えば、フィナトナ
ジオン、メナジオン、メナキオンなど)、およびその他
のビタミン群(例えば、葉酸、ビオチン、パントテン酸
など)が挙げられる。IPA1重量部当たり0.01重
量部以上0.10重量部以下(より好ましくは0.03
重量部以上0.05重量部以下)のビタミン類を用いる
ことが好ましい。
【0016】中枢興奮剤としては、カフェイン、無水カ
フェイン、安息香酸ナトリウムカフェインなどが挙げら
れる。特に、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d
−マレイン酸クロルフェニラミンなどがのプロピルアミ
ン誘導体が用いられた場合に生じる眠気を充分に防止す
るという観点から、無水カフェインを用いることが好ま
しく、IPA1重量部当たり0.10重量部以上0.5
0重量部以下(さらにより好ましくは0.20重量部以
上0.30重量部以下)の無水カフェインを用いること
が好ましい。
【0017】本発明に係る感冒固形製剤は、上記の有効
成分以外に、添加剤(賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢
剤、矯味剤、着香剤、芳香剤、着色剤など)を含有し得
る。
【0018】賦形剤としては、乳糖、乾燥トウモロコシ
デンプン、結晶セルロース、白糖、ブドウ糖、マンニト
ール、ショ糖脂肪酸エステル、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化
ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ステアリン酸マグネ
シウム、タルク、無水ケイ酸などが挙げられる。後に説
明するが、アスパルテームなどの矯味剤が用いられる場
合には、矯味剤の味覚を調節するために、乳糖、乾燥ト
ウモロコシデンプン、および白糖と共に用いることが好
ましく、アスパルテームが用いられる場合のこれらの量
は、アスパルテーム1重量部当たり50重量部以上15
0重量部以下であることがより好ましく、80重量部以
上90重量部以下であることさらにより好ましい。
【0019】結合剤としては、デンプン、アルファー化
デンプン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリ
ドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、エチルセルロース、プルラ
ン、デキストリン、ブドウ糖、白糖などが挙げられる。
水溶性であるという観点からポリビニルピロリドンを用
いることが好ましく、IPA1重量部当たり1重量部以
上4重量部以下(より好ましくは1.5重量部以上2重
量部以下)のポリビニルピロリドンを用いることがより
好ましい。
【0020】崩壊剤としては、デンプン、カンテン、ゼ
ラチン末、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、
カルボキシメチルセルロースナトリウムカルシウム塩、
結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム
などが挙げられる。IPA1重量部当たり2重量部以下
の崩壊剤を用いることが好ましい。
【0021】滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウ
ム、タルク、マグロゴール、水素添加植物油などが挙げ
られる。IPA1重量部当たり0.1重量部以上0.8
重量部以下(より好ましくは0.3重量部以上0.4重
量部以下)の滑沢剤を用いることが好ましい。
【0022】矯味剤としては、アスパルテーム、サッカ
リン、サッカリンナトリウム、D−ソルビトールなどの
甘味料、リンゴ酸、クエン酸などの酸味料などが挙げら
れる。甘味料については、アスパルテームおよび/また
はD−ソルビトールを単独あるいは組み合わせて用いる
ことが好ましい。また、この場合には、IPA1重量部
当たりのアスパルテームの量は、0.01重量部以上
0.30重量部以下であることがより好ましい。IPA
1重量部当たりのD−ソルビトールの量は、0.1重量
部以上10重量部以下であることがより好ましく、2重
量部以上4重量部以下であることがさらにより好まし
い。また、アスパルテームのように、単独で用いた場合
には甘すぎたり、エグ味が残る矯味剤を用いる場合に
は、賦形剤としても用いられ得る白糖などの糖類と組み
合わせて甘みを調節することもできる。また、IPA1
重量部当たりの酸味料の量は1重量部以上1.5重量部
以下であることが好ましく、2重量部以上3重量部以下
であることがより好ましい。
【0023】本発明に係る感冒固形製剤の剤形は、感冒
固形製剤を湯水に分散させてIPA分散液を調製できる
剤形であれば特に限定されないが、たとえば、散剤、細
粒剤、顆粒剤、丸剤、錠剤(例えば、チュアブル剤)な
どが挙げられる。しかし、感冒固形製剤の剤形は、調剤
が容易であること、調剤量を自由に制御しやすいこと、
矯味しやすいこと、そして湯水に速やかに分散させやす
いことなどの観点から、顆粒剤および散剤であることが
好ましい。
【0024】また、本発明に係る感冒固形製剤をそのま
ま服用した場合には、IPAの苦みを感じる場合がある
が、マスキング剤の量をIPA1重量部あたり0.1重
量部以上、好ましくは0.2重量部以上、より好ましく
は0.5重量部以上にすると、本発明に係る感冒固形製
剤をそのまま服用した場合であっても、IPAの苦みを
感じない。
【0025】本発明に係る感冒固形製剤の製造方法は、
この感冒固形製剤の剤形に応じて適切に選択される製造
方法が用いられる。剤形が散剤、細粒剤、および顆粒剤
の場合における製造方法としては、押出造粒法、転動造
粒法、破砕造粒法(乾燥式、湿式法のいずれでも良
い)、流動層造粒法、噴霧乾燥造粒法、転動流動層造粒
法などの造粒方法が挙げられる。製剤の溶解性が良いと
いう観点から、流動層造粒法が好ましい。また、剤形が
丸剤、錠剤、およびチュアブル剤である場合には、上記
の造粒方法により得られた顆粒剤などを圧縮する顆粒圧
縮法(湿式顆粒圧縮法、乾式顆粒圧縮法)、または有効
成分と賦形剤との粉末混合物を打錠する直接打錠法(直
接打錠法、セミ直接打錠法)が用いられ得る。
【0026】また、複数のマスキング剤が用いられる場
合には、各マスキング剤を混合して予め散剤、細粒剤、
および顆粒剤を予備成形し、次いでこの予備成形された
マスキング剤とIPAなどの有効成分とを混合して、再
度、製剤化することによって本発明に係る感冒固形製剤
を製造してもよい。このように再度製剤化した場合の剤
形もまた、上記と同様の理由で顆粒剤および散剤が好ま
しく、顆粒剤がより好ましい。
【0027】ところで、上記の有効成分の中には、例え
ば、アセトアミノフェン、ヨウ化イソプロパミド、マレ
イン酸クロルファニラミン、臭化水素酸デキストロメト
ルファン、無水カフェイン、アスコルビン酸ナトリウム
などのような、IPAと組み合わせて処方された場合
に、例えばコンプレックス形成により湿潤化するような
配合変化を起こす有効成分(以下、係る配合変化を起こ
す有効成分を「IPA配合禁忌成分」という)がある。
【0028】このようなIPA配合禁忌成分とIPAと
を同時に処方する場合には、IPA配合禁忌成分および
添加剤を含有する固形製剤と、IPA、マスキング剤、
および添加剤を含有する固形製剤とを作成し、これら固
形製剤の間の接触が抑制された状態またはこれらを分離
した状態で処方される群分け配合をすることが好まし
い。この場合においても、各固形製剤の剤形は上記と同
様の理由により顆粒剤および散剤が好ましく、顆粒剤が
より好ましい。このように群分け配合され、これらの各
固形製剤を混合した薬剤も、本発明に係る感冒固形製剤
の趣旨に包含され、本発明に係る感冒固形製剤と考える
べきである。
【0029】また、必要に応じて、本発明に係る感冒固
形製剤の表面、または上記の群分け配合における各固形
製剤の表面を適切にコーティングし、糖衣錠、フィルム
コーティング錠などのようなコーティング剤としてもよ
い。このようなコーティングを施すことにより、IPA
の苦みがさらに抑制され得る。また、群分け配合した場
合には、表面に露出しているIPAとIPA配合禁忌成
分との接触を防止できる。コーティング剤としては、例
えば、糖類(例えば、白糖、グラニュー糖、マンニトー
ルなど)、アラビアゴム、タルク、セラック、エチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセ
ルロースアセテートサクシネート、アクリル酸コポリマ
ー、カルボキシメチルエチルセルロース、ポリビニルア
セタールジエチルアミノアセテート、ワックス類、およ
びポリビニルピロリドンが挙げられる。これらのコーテ
ィング剤は単独で用いても良く、または複数組み合わせ
て用いても良い。コーティングする場合には、通常用い
られるコーティング助剤(例えば、糖類、ポリエチレン
グリコール、ポリソルベートなど)を用いても良い。
【0030】本発明に係る感冒固形製剤の服用方法(使
用方法)は、約15℃以上の湯水に分散させて服用す
る。すなわち、本発明に係る感冒固形製剤を湯水に分散
させてIPA分散液を調製した後、このIPA分散液を
服用する。用いられる湯水の量は、本発明に係る感冒固
形製剤が充分に分散する量であれば良いが、通常、IP
A1重量部あたり約150重量部以上約700重量部以
下であり、好ましくは約300重量部以上約350重量
部以下である。なお、IPAの苦みを感じない限り、本
発明に係る感冒固形製剤をそのまま使用してもよい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を以下の実施例と共により詳細
に説明するが、以下の実施例は例示の目的にのみ用いら
れ、限定の目的に用いられてはならない。また、以下の
実施例において、「日局」とは日本薬局方を、「薬添
規」とは医薬品添加物規格を指す。
【0032】(マスキング剤の予備成形)1.9重量部
のフマル酸(薬添規)、14.7重量部のステアリン酸
(日局)、および20.8重量部のポリビニルアセター
ルジエチルアミノアセテート(薬添規)を水に分散さ
せ、次いで62.6重量部のヒドロキシプロピルメチル
セルロース2910(日局)を混合し、常法に従って造
粒し、乾燥してマスキング剤を作製した。
【0033】(実施例1)次いで、上記のマスキング剤
を用いて以下の表1に示される各成分を混合し、常法に
より散剤(以下、「第1粒」という)を作製した:
【0034】 表1 (第1粒) イソプロピルアンチピリン 300重量部 乳糖 329重量部 リボフラビン 1重量部 ショ糖脂肪酸エステル 34重量部 マスキング剤 16重量部 合計 680重量部
【0035】また、以下の表2に示される各成分を混合
し、常法により散剤(以下、「第2粒」という)を作製
した:
【0036】 表2 (第2粒) アセトアミノフェン 450重量部 リン酸ジヒドロコデイン 24重量部 dl−塩酸メチルエフェドリン 60重量部 dl−マレイン酸クロルフェニラミン 7.5重量部 グリチルリチン酸 50重量部 無水カフェイン 75重量部 白糖 3693.5重量部 D−ソルビトール 500重量部 乾燥トウモコロシデンプン 150重量部 アスパルテーム 90重量部 ポリビニルピロリドン 350重量部 合計 5450重量部
【0037】さらに、以下の表3に示される各成分を混
合し、常法により散剤(以下、「第3粒」という)を作
製した:
【0038】 表3 (第3粒) アスコルビン酸 500重量部 リボフラビン 11重量部 白糖 3289重量部 D−ソルビトール 500重量部 乾燥トウモコロシデンプン 150重量部 ポリビニルピロリドン 250重量部 クエン酸 300重量部 リンゴ酸 450重量部 合計 5450重量部
【0039】作製された第1粒、第2粒、および第3粒
を混合し、さらに240重量部のキサンタンガム(粘稠
化剤)、120重量部のメタケイ酸アルミン酸マグネシ
ウム(賦剤)、および60重量部のレモンミクロンH−
81650(香料)を混合して、12000重量部の感
冒固形製剤を製造した。
【0040】上記のように製造された感冒固形製剤約4
グラムを、温度約90℃、約100mlの湯水に十分分
散させてIPA分散液を調製し、このIPA分散液を服
用すると、IPAの苦みを感じることなく服用すること
ができた。また、上記の感冒固形製剤を打錠して錠剤な
どとすることも可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明により、イソプロピルアンチピリ
ンの苦みが低減され、極めて服用しやすいIPA分散液
を調製するために用いられる感冒固形製剤が提供され
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA30 BB01 CC01 CC03 DD41T DD42T DD43T DD67A DD68F EE07T EE16A EE26T EE32L EE32T EE38A FF04 FF05 FF06 FF52 4C086 AA01 BC36 MA02 MA05 MA43 MA52 NA09 ZA07 ZA08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソプロピルアンチピリンおよびマスキ
    ング剤を含有する感冒固形製剤。
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