JP2001018412A

JP2001018412A - インクジェット記録装置

Info

Publication number: JP2001018412A
Application number: JP19226199A
Authority: JP
Inventors: Toshiyuki Onishi; 敏之大西
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1999-07-06
Filing date: 1999-07-06
Publication date: 2001-01-23

Abstract

(57)【要約】【課題】使用済みとなった交換後の記録ヘッドはイン
クが充填されている状態であり、環境温度の変化等の外
部的な要因によって交換後の記録ヘッドからインクが漏
れたり、また、記録ヘッドを脱着した状態でインクジェ
ット記録装置の本体を放置、または輸送した場合にも同
様にインクタンクおよび供給チューブからインクがイン
クジェット記録装置本体内に漏れることがある。【解決手段】キャリッジ上に設けた交換可能な記録ヘ
ッドと、装置本体上に設けた交換可能なインクタンク
と、該インクタンクから前記記録ヘッドにインクを供給
する供給チューブと、を有したインクジェット記録装置
において、前記記録ヘッドの装着時に記録ヘッドにイン
クを充填する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、直接インク滴を記
録媒体に対して吐出して所望の画像を記録媒体上に形成
するインクジェット記録装置、特に、交換可能なインク
タンクから交換可能なインクジェット記録ヘッド（以
下、単に記録ヘッドと言う）迄のインク供給部を有する
インクジェット記録装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、使用済みとなった交換後の記録ヘ
ッドはインクが充填されている状態であり、そのような
状態のままでは取扱いに問題がある。

【０００３】すなわち、環境温度の変化等の外部的な要
因によって交換後の記録ヘッドからインクが漏れるとい
う欠点がある。また、記録ヘッドを脱着した状態でイン
クジェット記録装置の本体を放置、または輸送した場合
に、同様に環境温度変化等の外部的要因によって、イン
クタンクおよび供給チューブからインクがインクジェッ
ト記録装置本体内に漏れるという欠点がある。

【０００４】さらに、インクタンクを脱着した状態でイ
ンクジェット記録装置本体を放置、または輸送した場合
に、環境温度変化等の外部的要因によって、供給チュー
ブからインクがインクジェット記録装置本体内に漏れる
という欠点がある。

【０００５】さらにまた、記録ヘッドおよびインクタン
クを脱着した状態でインクジェット記録装置本体を放
置、または輸送した場合に、環境温度変化等の外部的要
因により、供給チューブからインクがインクジェット記
録装置本体内に漏れるという欠点がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このように、記録ヘッ
ドまたはインクタンク交換時にインクがインクジェット
記録装置本体内に漏れる場合があるために、記録ヘッド
またはインクタンクを脱着した状態にしないように注意
書等で説明しなければならないという課題が見られる。

【０００７】また、記録ヘッドからインクを抜き取るた
めには、インクタンクを脱着してからインクジェット記
録装置本体の吸引装置によって記録ヘッドおよび供給チ
ューブ内のインクを全て吸引して交換しなければ成らな
いために、操作が複雑になるという課題がある。さら
に、記録ヘッドの交換後には、再度供給チューブおよび
記録ヘッドにインクを充填しなければならないという課
題がある。

【０００８】従って、本発明の目的は、上述の従来にお
ける課題を解決するために、記録ヘッドまたはインクタ
ンクの装着時または脱着時に記録ヘッドや供給チューブ
にインクを充填したり、あるいは記録ヘッドや供給チュ
ーブからインクを吸引することができるインクジェット
記録装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のインクジェット記録装置は、キャリッジ
上に設けた交換可能な記録ヘッドと、装置本体上に設け
た交換可能なインクタンクと、該インクタンクから前記
記録ヘッドにインクを供給する供給チューブと、を有し
たインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの
装着時に記録ヘッドにインクを充填することを特徴とす
る。

【００１０】また、本発明のインクジェット記録装置
は、前記記録ヘッドの脱着時に前記記録ヘッドからイン
クを吸引することを特徴とする。

【００１１】さらに、本発明のインクジェット記録装置
は、前記インクタンクの装着時に前記記録ヘッドおよび
前記供給チューブにインクを充填することを特徴とす
る。

【００１２】さらにまた、本発明のインクジェット記録
装置は、前記インクタンクの脱着時に前記記録ヘッドお
よび供給チューブからインクを吸引することを特徴とす
る。

【００１３】本発明のインクジェット記録装置は、前記
記録ヘッドにインクを充填する、または前記記録ヘッド
からインクを吸引する手段をインク供給部に設けたこと
を特徴とする。

【００１４】また、本発明のインクジェット記録装置
は、前記記録ヘッドにインクを充填する、または前記記
録ヘッドからインクを吸引するインク量は前記記録ヘッ
ド内に貯蔵されるインク量と同量かそれ以上であること
を特徴とする。

【００１５】さらに、本発明のインクジェット記録装置
は、前記記録ヘッドおよび供給チューブにインクを充填
する、または前記記録ヘッドおよび供給チューブのイン
クを吸引する手段をインク供給部に設けたことを特徴と
する。

【００１６】さらにまた、本発明のインクジェット記録
装置は、前記記録ヘッドおよび供給チューブにインクを
充填する、または前記記録ヘッドおよび供給チューブ内
に貯蔵されるインク量と同量かそれ以上であることを特
徴とする。

【００１７】本発明のインクジェット記録装置は、前記
供給チューブが前記記録ヘッドまたは前記インクタンク
に接続するためのジョイント部を有し、該ジョイント部
が、前記記録ヘッドまたは前記インクタンクの挿入部に
差込まれるジョイントシリンダおよびインク供給針を有
することを特徴とする。

【００１８】また、本発明のインクジェット記録装置
は、前記インク供給針が細長く、長手方向軸線に沿って
延びる中空の孔を有し、該孔に連通してインクを吸引す
るための複数個の放射方向に開口した孔が前記インク供
給針に沿って間隔を置いて複数箇所に設けられているこ
とを特徴とする。

【００１９】さらに、本発明のインクジェット記録装置
は、前記インク供給針が前記記録ヘッドまたは前記イン
クタンクの挿入部に差込まれてインクを吸引または充填
することを特徴とする。

【００２０】さらにまた、本発明のインクジェット記録
装置は、前記供給チューブにおけるインクの流れを遮断
する閉鎖手段が設けられたことを特徴とする。

【００２１】本発明のインクジェット記録装置は、前記
記録ヘッドがインクを吐出するために利用される熱エネ
ルギーを発生する電気熱変換体を有することを特徴とす
る。

【００２２】また、本発明のインクジェット記録装置
は、前記電気熱変換体が、インクに膜沸騰を生じさせる
電気エネルギーを発生することを特徴とする。

【００２３】なお、本明細書において、「記録」（以下
においては「プリント」という場合もある）とは、文
字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意
無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在
化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画
像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を
行う場合も言うものとする。

【００２４】ここで、「記録媒体」とは、一般的な記録
装置で用いられる紙のみならず、上述の如く、広く、布
帛、皮革、プラスチック・フィルム、ガラス、木材、セ
ラミックス、金属板等の、インクを受容可能な物も言う
ものとする。

【００２５】さらに、「インク」とは、上記「記録」の
定義と同様広く解釈されるべきものであり、記録媒体上
に付与されることによって、画像、模様、パターン等の
形成または記録媒体の加工に供され得る液体を言うもの
とする。

【００２６】また、ノズルとは、本明細書において、特
に断わらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およ
びインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を
総括して言うものとする。

【００２７】

【発明の実施の形態】このように構成された本発明のイ
ンクジェット記録装置においては、キャリッジ上に設け
た交換可能な記録ヘッドと、装置本体上に設けた交換可
能なインクタンクと、該インクタンクから前記記録ヘッ
ドにインクを供給する供給チューブと、を有したインク
ジェット記録装置において、前記記録ヘッドやインクタ
ンクの装着時または脱着時に記録ヘッドにインクを充填
または吸引すると共に、記録ヘッドにインクを充填す
る、または記録ヘッドからインクを吸引する手段をイン
ク供給部に設け、インクを充填する、または前記記録ヘ
ッドからインクを吸引するインク吸引量または充填量が
記録ヘッド内に貯蔵されるインク量と同量か、或いはそ
れ以上である。従って、このように構成されることによ
って、本発明のインクジェット記録装置においては、環
境温度変化等の外部的要因によって、記録ヘッドやイン
クタンク、インク供給チューブからインクがインクジェ
ット記録装置本体内に漏れるようなことがなく、円滑に
操作することができる。

【００２８】以下に、本発明によるインクジェット記録
装置の実施形態を図１乃至図９を参照して詳細に説明す
る。

【００２９】（実施例１）図１乃至図９は本発明のイン
クジェット記録装置における実施例１を示すもので、図
１は、本発明のインクジェット記録装置の記録ヘッド１
とインクタンク２とインク供給装置３の供給チューブ４
およびジョイント部５、６の簡易断面図、図２はジョイ
ント部５の分解斜視図である。

【００３０】図１に示されるように、本発明が適用され
るインクジェット記録装置は、記録ヘッド１とインクタ
ンク２とインク供給装置３の供給チューブ４およびジョ
イント部５、６とから大体構成されている。このような
本発明のインクジェット記録装置においては、記録ヘッ
ド１にインクタンク２がインク供給装置３の供給チュー
ブ４により、供給チューブ４の両端に設けられた接続用
のジョイント部５、６を介して接続されており、紙や繊
維等の記録媒体（図示しない）に対して記録ヘッド１か
らインクが吐出されて記録が行われるようになってい
る。

【００３１】記録ヘッド１は、記録ヘッド側のジョイン
ト部５を介してインク供給装置３の供給チューブ４の一
端に接続されており、さらに、インクタンク２は、イン
クタンク側のジョイント部６を介してインク供給装置３
の供給チューブ４の他端に接続されている。また、この
ようなインク供給装置３の供給チューブ４の途中の中間
部分には、供給チューブ４内のインクの流れを遮断する
よう閉鎖する押圧カム３５や、インクを吸引する手段と
してのポンプ等（図示しない）が設けられている。

【００３２】記録ヘッド１は、インク流路１１が設けら
れたヘッド本体１０を有しており、インク流路１１の一
端に、インクジェット液滴を形成するノズル部１２が設
けられ、他端にはインク流路１１を遮断するためのイン
クヘッドキャップ１４が設けられた挿入部１３が形成さ
れており、この挿入部１３に、インク供給針２３を介し
て記録ヘッド側のジョイント部５が挿入されて接続され
るようになっている。

【００３３】また、記録ヘッド１のノズル部１２には、
回復処理を行う時の回復部７のヘッドキャップ８が当接
されて、後述するように、記録ヘッド１の回復処理を行
うと共に、記録ヘッド１のノズル部１２が乾かないよう
に被覆されている。

【００３４】インクタンク２は、インクを収容するイン
クタンク本体１５を有し、インクタンク本体１５の一端
に、インクタンク側のジョイント部６に差し込んだ時に
ジョイント部６のインク供給針２３が挿入される挿入部
１６が設けられており、さらに、この挿入部１６にはイ
ンクが漏れないようにするためのシリコンゴム等のイン
クタンクキャップ１７が設けられている。

【００３５】インク供給装置３の供給チューブ４を記録
ヘッド１に接続するために、記録ヘッド１の挿入部１３
に装着されるジョイント部５は、図２に明示されるよう
に、一端が開口し他端の接続部２５に供給チューブ４が
接続されるジョイントシリンダ１８と、ジョイントシリ
ンダ１８の開口端に取付けられるシリンダキャップ１９
と、シリンダキャップ１９に当接されてジョイントシリ
ンダ１８内のインクが漏れないようにするためのシリコ
ンゴム等のインクシール部材から成るジョイントキャッ
プ２０と、ジョイントキャップ２０を押圧保持してジョ
イントキャップ２０の動作を円滑にガイドするキャップ
ホルダ２１と、このキャップホルダ２１を押圧するよう
付勢するジョイントバネ２２と、シリンダキャップ２０
内に固定されて取付けられる細長いインク供給針２３と
を有している。

【００３６】また、インク供給針２３には、インクを吸
引するためにインク供給針２３の軸線に沿って中空の孔
２４が設けられており、この中空の孔２４に沿ってイン
クを吸引するための複数個の孔２４ａ、２４ｂ、２４ｃ
がインク供給針２３に沿って間隔を置いて数箇所に設け
られており、夫々長手方向軸線を中心にして放射方向に
開口すると共に、ジョイントシリンダ１８の閉鎖端側
の、供給チューブ４の接続部２５に取付けられている。
図示されるように、インク供給針２３はジョイントシリ
ンダ１８内に位置されているが、本発明では必ずしも図
示の如くジョイントシリンダ１８内に位置される必要性
が無いことは言うまでもない。

【００３７】さらに、ジョイント部５のジョイントシリ
ンダ１８は、開口側の端部の周辺に溝孔２６が設けられ
ており、これら溝孔２６に、シリンダキャップ１９の爪
２７が係止されてジョイントシリンダ１８にシリンダキ
ャップ１９がしっかり取付けられて固着されるようにな
っている。また、ジョイントシリンダ１８の開口は、記
録ヘッド１の挿入部１３が差込まれるようできる十分な
大きさの直径をなしている。

【００３８】インクタンク２に供給チューブ４を接続す
るジョイント部６は、ジョイント部５と実質的に同様な
構成をなしており、一端が開口していてインクタンク２
の挿入部１６が差込まれ、他端の接続部２４に供給チュ
ーブ４が接続されるジョイントシリンダ２８と、ジョイ
ントシリンダ２８の開口端に取付けられるシリンダキャ
ップ２９と、シリンダキャップ２９に当接されてジョイ
ントシリンダ２８内のインクが漏れないようにするため
のシリコンゴム等のインクシール部材であるジョイント
キャップ３０と、ジョイントキャップ３０を押圧保持し
てジョイントキャップ３０の動作を円滑にガイドするキ
ャップホルダ３１と、このキャップホルダ３１を押圧す
るよう付勢するジョイントバネ３２と、シリンダキャッ
プ３０内に固定されて取付けられる細長いインク供給針
３３とを有している。

【００３９】このように構成された本発明における記録
ヘッド１とインクタンク２とインク供給装置３とを有す
るインクジェット記録装置において、記録ヘッド１の交
換を行うためには、先ず、図３に示される状態にて、回
復部７のヘッドキャップ８を記録ヘッド１のノズル部１
２から離れる方向に駆動装置（図示しない）によって矢
印方向（図示で下方）に移動させる。続いて、圧接カム
３５を駆動装置（図示しない）によって作動して供給チ
ューブ４を圧接カム３５によって押圧して供給チューブ
４の流路を閉鎖する。

【００４０】次いで、記録ヘッド１をジョイント部５か
ら取外すよう記録ヘッド１が図中上方向に移動されて、
挿入部１３がジョイント部５のジョイントシリンダ１８
から引き抜かれるようになり、これによって、ジョイン
トキャップ２０がキャップホルダ２１を介してジョイン
トバネ２２の付勢力によって図中で上方向に押圧されて
ジョイントシリンダ１８内の吸引部３６に負圧が発生さ
れる。従って、この負圧によって、記録ヘッド１のイン
ク流路１１内に残っているインクが、まだ完全に記録ヘ
ッド１の挿入部１３から抜け切らないインク供給針２３
の孔２４から吸引されてジョイントシリンダ１８の吸引
部３６に溜められる。こうして、記録ヘッド１が十分に
上方に移動されて記録ヘッド１が完全にジョイント部５
から取外される。この状態が図４に、記録ヘッド１の脱
着完了状態として示されている。

【００４１】図４のこの記録ヘッド１の脱着完了状態に
おいては、記録ヘッド１のインク流路１１内のインクが
ジョイント部５の吸引部３６内に貯蔵された状態とな
り、この貯蔵されたインクはジョイントキャップ２０で
シールされているために漏れ出ることがない。また、交
換されるべき脱着された記録ヘッド１のインク流路１１
内にはインクが殆ど無く、少量のインクが残っていたと
しても、インクヘッドキャップ１４によってシールされ
ており、記録ヘッド１からのインクの漏れは殆ど無くな
る。

【００４２】図５は本発明のインクジェット記録装置の
記録ヘッドの交換を行う時の断面図である。

【００４３】図示されるように、記録ヘッド１を交換す
るために、新しい記録ヘッド１をジョイント部５に取付
ける時には、記録ヘッド１のインクヘッドキャップ１４
がジョイント部５のジョイントキャップ２０に当接さ
れ、さらにジョイントキャップ２０が下方向に押されて
いき、インク供給針２３がインクヘッドキャップ１４を
突き破るようになる。この時に、ジョイント部５内のイ
ンクは正圧によって下側のインク供給針２３の孔２４ａ
から上側のインク供給針２３の孔２４ｃへと流れ、そし
て記録ヘッド１のインク流路１１へとインクが充填され
るようになる。

【００４４】図６は、本発明のインク記録装置の記録ヘ
ッドを装着した後の状態を示す断面図である。

【００４５】図示されるように、ジョイント部５の吸引
部３５内のインクが記録ヘッド１のインク流路１１内に
充填されている。従って、ジョイント部５内のインクの
量とインク流路１１内の体積を同量またはそれ以上とす
ることによって、記録ヘッド１のインク流路１１すべて
にインクを充填することが可能となる。また、記録ヘッ
ド１のインク流路１１よりも、ジョイント部５における
インクの量が多い場合には、回復部７のヘッドキャップ
８内にインクが溜まる構造となっている。

【００４６】図７は、本発明のインク記録装置のインク
タンクの交換を行う際の動作を示す断面図である。

【００４７】図示されるように、インクタンク２を交換
するために、インクタンク２の交換センサ３７によって
インクタンク脱着を検知することによって、回復部７の
ヘッドキャップ８を記録ヘッド１から、図示しない駆動
装置によって矢印方向に離れるよう作動する。あるいは
また、ヘッドキャップ８に加圧すると解放になる弁（図
示しない）を設けることでもよい。

【００４８】次に、インクタンク２をジョイント部６か
ら取外す時に、インクタンク２が図７において右方向に
移動されて、ジョイントキャップ３０がジョイントバネ
３２の付勢力によって右方向に移動されて吸引部３８に
負圧が発生される。従って、この負圧によって、記録ヘ
ッド１のインク流路１１および供給チューブ４内にある
インクはインク供給針３３の孔３４ａから吸引されて吸
引部３８に貯蔵される。

【００４９】図８は、本発明のインク記録装置のインク
タンクの脱着が終った状態を示す断面図である。

【００５０】図示されるように、記録ヘッド１のインク
流路１１内のインクの殆どがジョイント部６の吸引部３
８に貯蔵されている状態となり、貯蔵されたインクはジ
ョイントキャップ３０でシールされているために漏れ出
ることがない。

【００５１】図９は、本発明のインク記録装置のインク
タンクの装着状態を示す断面図である。

【００５２】図示されるように、インクタンク２を装着
するために、インクタンク２をジョイント部６に取付け
る時に（図中右方向）、インクタンクキャップ１７がジ
ョイント部６のジョイントキャップ３０に当接され、さ
らにジョイントキャップ３０が左方向に押されていき、
インク供給針３３がインクタンクキャップ１７を突き破
るようになる。この時に、ジョイント部６内のインクは
正圧によってインク供給針３３の孔３４ａ、３４ｂから
供給チューブ４と記録ヘッド１のインク流路１１へと流
れて、記録ヘッド１のインク流路１１にインクが充填さ
れるようになる。

【００５３】このように、本発明のインクジェット記録
装置によれば、記録ヘッド１やインクタンク２の装着時
または脱着時に記録ヘッド１にインクを充填または吸引
すると共に、記録ヘッド１にインクを充填、または記録
ヘッド１からインクを吸引するポンプ等のような手段を
インク供給部に設け、インクを充填する、または記録ヘ
ッド１からインクを吸引するインク吸引量または充填量
が記録ヘッド１内に貯蔵されるインク量と同量かそれ以
上である。従って、このように構成されることによっ
て、本発明のインクジェット記録装置においては、環境
温度変化等の外部的要因によって、記録ヘッド１やイン
クタンク２、インク供給チューブ４からインクがインク
ジェット記録装置本体内に漏れるようなことがなく、円
滑に操作することができる。

【００５４】（その他）なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手
段（例えば電気熱変換体やレーザ光等）を備え、前記熱
エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式の
記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすも
のである。かかる方式によれば記録の高密度化、高精細
化が達成できるからである。

【００５５】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４、７２３、１２９号明細書、同第４、
７４０、７９６号明細書に開示されている基本的な原理
を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマ
ンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であ
るが、特に、オンデマンド型の場合には、液体（イン
ク）が保持されているシートや液路に対応して配置され
ている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰
を越える急速な温度上昇を与える少なくとも１つの駆動
信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネル
ギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生
じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液
体（インク）内の気泡を形成できるので有効である。こ
の気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体（イ
ンク）を吐出させて、少なくとも１つの滴を形成する。
この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の
成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体（イ
ンク）の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形
状の駆動信号としては、米国特許第４、４６３、３５９
号明細書、同第４、３４５、２６２号明細書に記載され
ているようなものが適している。なお、上記熱作用面の
温度上昇率に関する発明の米国特許第４、３１３、１２
４号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに
優れた記録を行うことができる。

【００５６】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合せ構成（直線状液流路または直角液流路）の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第４、５５８、３３３号明細書、米国特許第
４、４５９、６００号明細書を用いた構成も本発明に含
まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対し
て、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構
成を開示する特開昭５９−１２３６７０号公報や熱エネ
ルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構
成を開示する特開昭５９−１３８４６１号公報に基いた
構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記
録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明に
よれば記録を確実に効率よく行うことができるようにな
るからである。

【００５７】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された１個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。

【００５８】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。

【００５９】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。

【００６０】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して１個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。

【００６１】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を３０℃以上７０℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギーによる昇温を、インクの固形
状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用
せしめることで積極的に防止するため、またはインクの
蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液
化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネル
ギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、
液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時
点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギ
ーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用す
る場合も本発明は適用可能である。このような場合のイ
ンクは、特開昭５４−５６８４７号公報あるいは特開昭
６０−７１２６０号公報に記載されるような、多孔質シ
ート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持され
た状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態と
してもよい。本発明においては、上述した各インクに対
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。

【００６２】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。

【００６３】

【発明の効果】このように構成された本発明の請求項１
記載のインクジェット記録装置は、キャリッジ上に設け
た交換可能な記録ヘッドと、装置本体上に設けた交換可
能なインクタンクと、該インクタンクから前記記録ヘッ
ドにインクを供給する供給チューブと、を有したインク
ジェット記録装置において、前記記録ヘッドの装着時に
記録ヘッドにインクを充填するので、環境温度変化等の
外部的要因によって、記録ヘッドやインクタンク、イン
ク供給チューブからインクがインクジェット記録装置本
体内に漏れるようなことがなく、円滑に操作することが
できる。

【００６４】本発明の請求項２記載のインクジェット記
録装置は、前記記録ヘッドの脱着時に前記記録ヘッドか
らインクを吸引するので、交換された記録ヘッド内には
インクが無い状態になり、インクがインクジェット記録
装置本体内に漏れることがない。

【００６５】本発明の請求項３記載のインクジェット記
録装置は、前記インクタンクの装着時に前記記録ヘッド
および前記供給チューブにインクを充填するので、装着
された記録ヘッド内にインクを充満させる作用がある。

【００６６】本発明の請求項４記載のインクジェット記
録装置は、前記インクタンクの脱着時に前記記録ヘッド
および供給チューブからインクを吸引するので、インク
がインクジェット記録装置本体内に漏れることがない。

【００６７】本発明の請求項５記載のインクジェット記
録装置は、前記記録ヘッドにインクを充填する、または
前記記録ヘッドからインクを吸引する手段をインク供給
部に設けているので、記録ヘッドの装着時には記録ヘッ
ド内にインクが充満され、脱着時に記録ヘッド内にイン
クが無く、インクがインクジェット記録装置本体内に漏
れることがない。

【００６８】本発明の請求項６記載のインクジェット記
録装置は、前記記録ヘッドにインクを充填する、または
前記記録ヘッドからインクを吸引するインク量が前記記
録ヘッド内に貯蔵されるインク量と同量かそれ以上であ
るので、吸引または充満されるインクが過不足なく円滑
に操作することができる。

【００６９】本発明の請求項７記載のインクジェット記
録装置は、前記記録ヘッドおよび供給チューブにインク
を充填する、または前記記録ヘッドおよび供給チューブ
のインクを吸引する手段をインク供給部に設けているの
で、簡単な構成に形成することができ、好適に製作する
ことができる。

【００７０】本発明の請求項８記載のインクジェット記
録装置は、前記記録ヘッドおよび供給チューブにインク
を充填する、または前記記録ヘッドおよび供給チューブ
内に貯蔵されるインク量と同量か、或いはそれ以上であ
るので、充填または充満されるインクが過不足なく円滑
に操作することができる。

【００７１】本発明の請求項９記載のインクジェット記
録装置は、前記供給チューブが前記記録ヘッドまたは前
記インクタンクに接続するためのジョイント部を有し、
該ジョイント部は、前記記録ヘッドまたは前記インクタ
ンクの挿入部に差込まれるジョイントシリンダおよびイ
ンク供給針を有するので、供給チューブを記録ヘッドや
インクタンクに好適に、確実に接続することができ、イ
ンクの吸引または充填を良好に行うことができる。

【００７２】本発明の請求項１０記載のインクジェット
記録装置は、前記インク供給針は細長く、長手方向軸線
に沿って延びる中空の孔を有し、該孔に連通してインク
を吸引するための複数個の放射方向に開口した孔が前記
インク供給針に沿って間隔を置いて複数箇所に設けられ
ているので、インク供給針を介して供給チューブを良好
に接続してインクの吸引または充填を行うことができ
る。

【００７３】本発明の請求項１１記載のインクジェット
記録装置は、前記インク供給針が前記記録ヘッドまたは
前記インクタンクの挿入部に差込まれてインクを吸引ま
たは充填するので、インクが過不足なく良好に吸引、充
填することができる。

【００７４】本発明の請求項１２記載のインクジェット
記録装置は、前記供給チューブにおけるインクの流れを
遮断する閉鎖手段が設けられているので、供給チューブ
におけるインクの流れを確実に遮断することができる。

【００７５】本発明の請求項１３記載のインクジェット
記録装置は、前記記録ヘッドがインクを吐出するために
利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有す
るので、熱エネルギーを利用してインクを吐出すること
により記録の高密度化と高精細化を達成でき、きれいな
記録が得られる。

【００７６】本発明の請求項１４記載のインクジェット
記録装置は、前記電気熱変換体が、インクに膜沸騰を生
じさせる電気エネルギーを発生するので、電気エネルギ
ーを利用してインクを吐出し、これによって記録の高密
度化と高精細化を達成でき、きれいな記録が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１におけるインクジェット記録
装置の記録ヘッド、インクタンク、供給チューブおよび
ジョイント部を示す断面図である。

【図２】本発明の実施例１におけるインクジェット記録
装置のジョイント部の１つを分解して示す斜視図であ
る。

【図３】本発明の実施例１におけるインクジェット記録
装置の記録ヘッドの交換を行う際の動作を示す断面図で
ある。

【図４】本発明の実施例１におけるインクジェット記録
装置の記録ヘッドの脱着が終わった状態を示す断面図で
ある。

【図５】本発明の実施例１におけるインクジェット記録
装置の記録ヘッドの交換を行う際の動作を示す断面図で
ある。

【図６】本発明の実施例１におけるインクジェット記録
装置の記録ヘッドを装着した後の状態を示す断面図であ
る。

【図７】本発明の実施例１におけるインクジェット記録
装置のインクタンク交換を行う際の動作を示す断面図で
ある。

【図８】本発明の実施例１におけるインクジェット記録
装置のインクタンクの脱着状態を示す断面図である。

【図９】本発明の実施例１におけるインクジェット記録
装置のインクタンクの装着状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１記録ヘッド２インクタンク３インク供給装置４供給チューブ５ジョイント部（記録ヘッド側）６ジョイント部（インクタンク側）７回復部８ヘッドキャップ１０ヘッド本体１１インク流路１２ノズル部１３挿入部１４インクヘッドキャップ１５インクタンク本体１６挿入部１７インクタンクキャップ１８ジョイントシリンダ１９シリンダキャップ２０ジョイントキャップ２１キャップホルダ２２ジョイントバネ２３インク供給針２４、２４ａ、２４ｂ、２４ｃ孔２５接続部２６溝孔２７爪２８ジョイントシリンダ２９シリンダキャップ３０ジョイントキャップ３１キャップホルダ３２ジョイントバネ３３インク供給針３３、３４ａ、３４ｂ、３４ｃ孔３５圧接カム３６吸引部３７交換センサ３８吸引部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】キャリッジ上に設けた交換可能な記録ヘ
ッドと、装置本体上に設けた交換可能なインクタンク
と、該インクタンクから前記記録ヘッドにインクを供給
する供給チューブと、を有したインクジェット記録装置
において、前記記録ヘッドの装着時に記録ヘッドにインクを充填す
ることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項２】前記記録ヘッドの脱着時に前記記録ヘッ
ドからインクを吸引することを特徴とする請求項１記載
のインクジェット記録装置。
【請求項３】前記インクタンクの装着時に前記記録ヘ
ッドおよび前記供給チューブにインクを充填することを
特徴とする請求項１記載のインクジェット記録装置。
【請求項４】前記インクタンクの脱着時に前記記録ヘ
ッドおよび供給チューブからインクを吸引することを特
徴とする請求項１記載のインクジェット記録装置。
【請求項５】前記記録ヘッドにインクを充填する、ま
たは前記記録ヘッドからインクを吸引する手段をインク
供給部に設けたことを特徴とする請求項１乃至４いずれ
か記載のインクジェット記録装置。
【請求項６】前記記録ヘッドにインクを充填する、ま
たは前記記録ヘッドからインクを吸引するインク量は前
記記録ヘッド内に貯蔵されるインク量と同量かそれ以上
であることを特徴とする請求項１または２記載のインク
ジェット記録装置。
【請求項７】前記記録ヘッドおよび供給チューブにイ
ンクを充填する、または前記記録ヘッドおよび供給チュ
ーブのインクを吸引する手段を前記インク供給部に設け
たことを特徴とする請求項３または４記載のインクジェ
ット記録装置。
【請求項８】前記記録ヘッドおよび供給チューブにイ
ンクを充填する、または前記記録ヘッドおよび供給チュ
ーブ内に貯蔵されるインク量と同量かそれ以上であるこ
とを特徴とする請求項３または４記載のインクジェット
記録装置。
【請求項９】前記供給チューブは前記記録ヘッドまた
は前記インクタンクに接続するためのジョイント部を有
し、該ジョイント部は、前記記録ヘッドまたは前記イン
クタンクの挿入部に差込まれるジョイントシリンダおよ
びインク供給針を有することを特徴とする請求項１記載
のインクジェット記録装置。
【請求項１０】前記インク供給針は細長く、長手方向
軸線に沿って延びる中空の孔を有し、該孔に連通してイ
ンクを吸引するための複数個の放射方向に開口した孔が
前記インク供給針に沿って間隔を置いて複数箇所に設け
られていることを特徴とする請求項９記載のインクジェ
ット記録装置。
【請求項１１】前記インク供給針は前記記録ヘッドま
たは前記インクタンクの挿入部に差込まれてインクを吸
引または充填することを特徴とする請求項１０記載のイ
ンクジェット記録装置。
【請求項１２】前記供給チューブにおけるインクの流
れを遮断する閉鎖手段が設けられたことを特徴とする請
求項１記載のインクジェット記録装置。
【請求項１３】前記記録ヘッドはインクを吐出するた
めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
有することを特徴とする請求項１記載のインクジェット
記録装置。
【請求項１４】前記電気熱変換体は、インクに膜沸騰
を生じさせる電気エネルギーを発生することを特徴とす
る請求項１３記載のインクジェット記録装置。