JP2001018336A - 紙基材層を有する多層構造体 - Google Patents
紙基材層を有する多層構造体Info
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Abstract
しコーティングするに際し、熱安定性(ロングラン
性)、高速製膜性を改善することができ、外観良好な多
層構造体を得ること。 【解決手段】 エチレン含有量が10〜60モル%、ケ
ン化度が90%以上、メルトインデックスが0.5〜2
0g/minで、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)で測定したときの分子量分布曲線におけ
る量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で
ある分散度(Mw/Mn)が2.5〜3.5であり、か
つ示差走査熱量測定(DSC)における融解吸熱ピーク
が単一ピークであるエチレン−ビニルアルコール共重合
体からなる層および紙基材層を有する多層構造体、およ
び上記エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層
を含む溶融多層体を基材上に共押出コーティングする上
記多層構造体の製法。
Description
アルコール系共重合体(以下EVOHと略すことがあ
る)の分子量分布を特定の範囲に拡大する事により、熱
安定性(ロングラン性)、高速製膜性を改善したEVO
Hに関する。
性、機械強度等に優れた有用な高分子材料であり、フィ
ルム、シート、容器等各種包装材料として広く用いられ
る。EVOHを各種包装材として用いた場合、使用目的
に対する性能はもとより、外観上のわずかな着色や孔、
フィッシュアイ、ストリーク、肌荒れおよび透明性が問
題視される。
し、着色や孔、フィッシュアイ、ストリーク、肌荒れを
発生しやすいという問題を有している。そこで従来、こ
れらの問題点を抑制する方法として以下のような様々な
手法が提案されている。
重合体に苛性アルカリを加え、鹸化することにより得ら
れるが、該鹸化物をそのまま溶融成形する場合は、熱分
解しやすく、溶融粘度が著しく低下するとともに、激し
く着色して使用できない。この改善について、従来多く
の方策が講じられている。例えば、EVOHを十分水で
洗浄したり、酸あるいは酸溶液に浸漬するなどの操作に
よって、ある程度は改善されることは、特公昭46−3
7664号、特開昭48−25048号、特開昭51−
88544号、特開昭51−88545号、特公昭55
−19242号などに記載されている。
して金属塩を添加し、溶融成形性を改善することも例え
ば特開昭52−954号、特開昭52−955号、特開
昭56−41204号などに開示されている。
ポリオレフィン等をブレンドすることにより、弾性効果
でスジ状の流れムラが改善されることも、特開平3−1
97138号に開示されている。
Hは、通常の溶融押出(押出温度:融点+20℃)で製
膜した場合、ある程度製膜性を改善できるが、EVOH
にとって厳しい条件、すなわち使用するEVOHの融点
より50℃以上の高温で製膜した場合、押出成形機内で
激しく劣化し、フィルム膜面にフィッシュアイ、ストリ
ークを生じ、フィルム外観不良となり、遂には使用に耐
えうるフィルムが得られなくなる。
EVOHでエチレン含有量の差が3モル%以上であると
成形性が向上することが特開昭56−86949号に、
また、DSCで測定した融点の差が10℃以上の2種の
EVOHを溶融ブレンドすると成形性が向上することが
特開昭60−173038号に開示されているが、これ
らのEVOHは高速製膜時にネックインを引き起こしや
すく、改良の余地が残されている。
押出機内の熱劣化が小さく、熱安定性(ロングラン性)
に優れ、且つ高速製膜性に優れたEVOHからなる層お
よび紙基材層を有する多層構造体を提供することであ
る。
レン含有量が10〜60モル%、ケン化度が90%以
上、メルトインデックスが0.5〜20g/minで、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で
測定したときの分子量分布曲線における量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)の比である分散度(M
w/Mn)が2.5〜3.5であり、かつ示差走査熱量
測定(DSC)における融解吸熱ピークが単一ピークで
あるエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層お
よび紙基材層を有する多層構造体を提供することによっ
て達成される。
重合体からなる層を含む溶融多層体を基材上に共押出コ
ーティングする多層構造体の製法を提供することによっ
ても達成される。
%、ケン化度が90%以上、メルトインデックスが0.
5〜20g/minで、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)で測定したときの分子量分布曲線
における量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比である分散度(Mw/Mn)が2.5〜3.5であ
り、かつ示差走査熱量測定(DSC)における融解吸熱
ピークが単一ピークであるエチレン−ビニルアルコール
共重合体100重量部に対し、ホウ酸(H3BO3)換
算で0.01〜0.5重量部のホウ素化合物を含んでな
る樹脂組成物、特に押出コーティング用樹脂組成物を提
供することによっても達成される。
デックスの差が3g/10min以上、エチレン含有量
の差が3モル%以下で、かつ示差走査熱量測定(DS
C)における融解吸熱ピークの温度差が4.5℃以下で
ある2種類のエチレン−ビニルアルコール共重合体から
なり、それらの配合重量比が95/5〜5/95であ
り、かつ平均エチレン含有量が10〜60モル%、ケン
化度が90%以上である樹脂組成物および紙基材層を有
する多層構造体が挙げられる。
脂肪酸ビニル共重合体をケン化して得られるものでエチ
レン含有量10〜60モル%、好適には20〜55モル
%、より好適には20〜50モル%であり、かつ脂肪酸
ビニル成分のケン化度が90モル%以上、好適には95
モル%以上のEVOHである。エチレン含有量が10モ
ル%より小さいと、成形物の耐水性、耐熱水性等の性能
が低下するばかりでなくEVOH自身がゲル化しやす
く、ストリーク、フィッシュアイの発生が顕著となり本
発明の効果が発現しにくくなる。一方、エチレン60モ
ル%を超えるか、あるいはケン化度90%未満ではガス
バリアー性が低下し、EVOH本来の特性を保持しえな
くなる。
0.5〜20g/minであり、好適範囲は3〜15g
/min、より好適には6〜10g/minである。
0.5g/min未満では成形性不良となり、20g/
minを超えると成形品の機械的強度が不足する。
PCで測定したときの量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)の比である分散度(Mw/Mn)を2.5
〜3.5とするのが良く、好適には2.6〜3.5とす
るのが良い。分散度が2.5未満である場合、高速製膜
におけるドローダウン性が不足する。また、ロングラン
性を評価する単層製膜試験において、ストリーク、フィ
ッシュアイが発生し、外観不良となる。
が複数ピークである場合は、高速共押出コート試験で溶
融斑が発生し、端部において耳ゆれが発生する。
特に限定されるものではないが、たとえば2種類のEV
OHを溶融ブレンドする際において、ブレンド樹脂A1
とA2のメルトインデックスの差を3g/min以上と
し、A1:A2の重量比を95:5〜5:95で溶融ブ
レンドする方法が挙げられる。このときのA1とA2の
エチレン含有量の差は3モル%以下とし、融解吸熱ピー
ク温度差は4.5℃以下とするのが良い。
の樹脂A1,A2,A3を溶融ブレンドすることも好適
である。このとき、それぞれのメルトインデックスをA
1<A2<A3とした場合、A1とA3のメルトインデ
ックスの差を10g/min以上とすることが好まし
く、A1とA2、およびA2とA3のメルトインデック
スの差をいずれも3g/min以上とすることが好まし
い。A1,A2,A3の配合重量比は、いずれも5〜9
0重量%であることが好ましく、これら3種の樹脂を同
時に溶融ブレンドしてもよいし、2種の樹脂を溶融ブレ
ンドしてから残りの1種の樹脂と溶融ブレンドしてもよ
い。このときのA1、A2、A3のエチレン含有量の差
の最大値を3モル%以下とし、融解吸熱ピーク温度差の
最大値を4.5℃以下とするのが良い。
/minのEVOHにホウ酸を添加し実質的に分子量分
布を拡大し、本発明で特定する分子量分布を有するEV
OHを得ることもできる。更にこれらの方法を併用して
も良い。
詳しく説明する。エチレンとビニルエステルの重合は溶
液重合、懸濁重合、乳化重合、バルク重合のいずれであ
ってもよく、また連続式、回分式のいずれであってもよ
いが、例えば、回分式の溶液重合の場合の重合条件は次
の通りである。
エチレン、ビニルエステルおよびエチレン−ビニルエス
テル共重合体を溶解し得る有機溶剤(ジメチルスルホキ
シドなど)を用いることができる。アルコール類として
はメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール
等を用いることができ、特にメチルアルコールが好まし
い。
リル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メチル−2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−
(2−シクロプロピルプロピオニトリル)等のアゾニト
リル系開始剤およびイソブチリルパーオキサイド、クミ
ルパーオキシネオデカノエイト、ジイソプロピルパーオ
キシカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカー
ボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、ラ
ウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物系
開始剤等を用いることができる。 温度;20〜90℃、好ましくは40℃〜70℃。 時間;2〜15時間、好ましくは3〜11時間。 重合率;仕込みビニルエステルに対して10〜90%、
好ましくは30〜80%。 重合後の溶液中の樹脂分;5〜85%、好ましくは20
〜70%。 共重合体中のエチレン含有率;10〜60モル%、好ま
しくは20〜55モル%。
れらと共重合し得る単量体、プロピレン、ブチレン、不
飽和カルボン酸またはそのエステル{例えば、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルピロ
リドン(例えばN−ビニルピロリドンなど)]を共重合
成分として使用することもできる。
後、必要に応じて重合禁止剤を添加し、未反応のエチレ
ンガスを蒸発除去した後、未反応ビニルエステルを追い
出す。エチレンを蒸発除去したエチレン−ビニルエステ
ル共重合体から未反応のビニルエステルを追い出す方法
としては、例えば、ラシヒリングを充填した塔の上部か
ら該共重合体溶液を一定速度で連続的に供給し、塔下部
よりメタノール等の有機溶剤蒸気を吹き込み塔頂部より
メタノール等の有機溶剤と未反応ビニルエステルの混合
蒸気を流出させ、塔底部より未反応ビニルエステルを除
去した該共重合体溶液を取り出す方法などが採用され
る。
体溶液にアルカリ触媒を添加し、該共重合体中のビニル
エステル成分をケン化する。ケン化方法は連続式、回分
式いずれも可能である。アルカリ触媒としては水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラート
などが用いられる。例えば、回分式の場合のケン化条件
は次の通りである。 該共重合体溶液濃度;10〜50%。 反応温度;30〜60℃。 触媒使用量;0.02〜0.6当量(ビニルエステル成
分当り)。 時間;1〜6時間。 ケン化反応後のケン化度は目的により異なるが通常ビニ
ルエステル成分の90%以上であり、好ましくは95%
以上である。ケン化度は条件によって任意に調整でき
る。
類、その他不純物等を含有するため、これらを必要に応
じて中和後、洗浄することにより除去する。得られたE
VOHにリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、シュウ酸、コ
ハク酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、リン酸二水素
ナトリウム、リン酸二水素カリウム、酢酸等の酸または
多塩基酸及びその塩を添加することも可能である。
させるためには、EVOHを上記化合物の溶液に浸漬さ
せる方法が望ましい。この処理は、バッチ方式、連続方
式のいずれによる操作でも実施可能である。また、その
際該ケン化物の形状は、粉末、粒状、球状、円柱形チッ
プ状等の任意の形状であってよい。
を含有することが、熱安定性、特に高温下におけるロン
グラン性をさらに改善できることから好ましい。ホウ素
化合物の含有量は、EVOH100重量部に対して、ホ
ウ酸(H3BO3)換算で0.01〜0.5重量部、好
ましくは0.05〜0.3重量部、最も好適には0.0
7〜0.2重量部である。尚、本発明においては、用い
られるホウ素化合物がホウ酸以外の場合には、ホウ素含
有量からホウ酸(H3BO3)含有量に換算した値をも
ってその含有量とした。
ウ酸、ホウ酸エステル、ホウ酸塩等のホウ酸誘導体が好
ましく用いられる。ホウ酸としては、オルトホウ酸、メ
タホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、ホウ酸塩としては
メタホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸
ナトリウム、ホウ砂、ホウ酸リチウム、ホウ酸カリウム
などが挙げられる。ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリ
エチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げられる。このうち
オルトホウ酸(単にホウ酸と表示)、ホウ砂およびこれ
らの誘導体の効果が大きく、しかも廉価であるので好ま
しい。
方法は特に限定されない。例えば、ホウ素化合物が溶解
している溶液に該ケン化物を浸漬させる方法、該ケン化
物を溶融させてホウ素化合物を混合する方法、該ケン化
物を適当な溶媒に溶解させてホウ素化合物を混合させる
方法等がある。
する場合、上記溶液中のホウ素化合物の濃度は特に限定
されるものではない。また溶液の溶媒も特に限定されな
いが、取扱い上の理由等から水溶液であることが好まし
い。該ケン化物を浸漬する際の溶液の重量が、乾燥時の
該ケン化物重量に対して3倍以上、好ましくは20倍以
上であることが望ましい。浸漬時間はEVOHの形態に
よってその好適範囲は異なるが、1〜10mm程度のチ
ップの場合には1時間以上、好ましくは2時間以上が望
ましい。
有することも好ましい。EVOH中のリン化合物濃度
は、リン元素換算で2〜200ppm、好適には3〜1
50ppm、最適には5〜100ppmの範囲であるこ
とが好ましい。組成物中のリン濃度が2ppmより少な
い場合や200ppmより多い場合には、製膜性や熱安
定性に問題を生じることがある。特に、長時間にわたる
製膜を行なう際のゲル状ブツの発生や着色の問題が発生
しやすくなる。
特に限定されるものではない。リン酸、亜リン酸等の各
種の酸やその塩等を用いることができる。リン酸塩とし
ては第1リン酸塩、第2リン酸塩、第3リン酸塩のいず
れの形で含まれていても良く、そのカチオン種も特に限
定されるものではないが、アルカリ金属塩、アルカリ土
類金属塩であることが好ましい。中でも、リン酸2水素
ナトリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2ナト
リウム、リン酸水素2カリウムの形でリン化合物を添加
することが好ましい。
を含有することも好ましい。EVOH中のアルカリ金属
の含有量はEVOH重量に対し、アルカリ金属塩をアル
カリ金属元素換算で5〜5000ppmが好ましい。こ
れにより、EVOHと隣接層との層間接着性が改善され
る。アルカリ金属塩のより好適な含有量はアルカリ金属
元素換算で20〜1000ppm、さらには30〜50
0ppmである。
ナトリウム、カリウムなどがあげられ、アルカリ金属塩
としては、一価金属の脂肪族カルボン酸塩、芳香族カル
ボン酸塩、燐酸塩、金属錯体等が挙げられる。例えば、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、燐酸ナトリウム、燐酸
リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリ
ウム、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩等が挙げ
られる。中でも酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、燐酸ナ
トリウムが好適である。
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を含む溶液に浸漬
する場合、上記溶液中のホウ素化合物、リン化合物、ア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の濃度は、特に限
定されるものではない。また溶液の溶媒も特に限定され
ないが、取扱い上の理由等から水溶液であることが好ま
しい。該ケン化物を浸漬する際の溶液の重量が、乾燥時
の該ケン化物重量に対して3倍以上、好ましくは20倍
以上であることが望ましい。浸漬時間はEVOHの形態
によってその好適範囲は異なるが、1〜10mm程度の
チップの場合には1時間以上、好ましくは2時間以上が
望ましい。
数の溶液に分けて浸漬してもよく、一度に処理しても構
わない。なかでも、ホウ素化合物、リン化合物、アルカ
リ金属塩、アルカリ土類金属塩等の全てを含む溶液で一
度に処理することが、工程の簡素化の点から好ましい。
可塑性樹脂を発明の効果を阻害しない範囲内で配合する
ことも可能である。熱可塑性樹脂としては各種ポリオレ
フィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテ
ン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレンプロピレ
ン共重合体、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィン
との共重合体、ポリオレフィンと無水マレイン酸との共
重合体、エチレンビニルエステル共重合体、エチレンア
クリル酸エステル共重合体、またはこれらのポリオレフ
ィンに不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変
性した変性ポリオレフィンなど)、各種ナイロン(ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン6/66共重合体な
ど)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエス
テル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレ
タン、ポリアセタールおよび変性ポリビニルアルコール
樹脂などが用いられる。また、重合度、エチレン含有率
およびケン化度の異なるEVOHをブレンドし溶融成形
することも可能である。
剤、界面活性剤、色剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、帯
電防止剤、乾燥剤、架橋剤、金属塩、充填剤、各種繊維
等の補強剤などを適量添加することも可能である。
ルム、シート、容器、パイプ、繊維等、各種の成形体に
成形される。このとき、これらの成形物は再使用の目的
で粉砕し再度成形することも可能である。また、フィル
ム、シート、繊維等を一軸または二軸延伸することも可
能である。溶融成形法としては押出成形、インフレーシ
ョン押出、ブロー成形、溶融紡糸、射出成形等を例示す
ることができる。
ティング用として使用されることが好ましい。かかる押
出コーティング成形においては生産効率の向上の観点か
ら高速度での製膜が望まれることが多く、そのためネッ
クイン防止のために通常よりも高温度での溶融製膜が行
われる。かかる場合に熱安定性と高速製膜性に優れた本
発明の樹脂組成物を用いることが好ましいのである。
組成物層を含む溶融多層体を基材上に共押出コーティン
グする方法が以下のような理由から好ましい。すなわち
EVOH樹脂は一般にポリオレフィン等の汎用樹脂に比
べて高コストであるので共押出コーティングにより本発
明の樹脂組成物層を薄くすることができる。また基材と
の接着性を確保する接着性樹脂(以下ADと略すことが
ある)、特にカルボン酸変性ポリオレフィンからなる接
着性樹脂層や樹脂組成物の吸湿を防止する疎水性樹脂層
との積層構成を一度のコーティング操作で形成すること
もできる。さらにポリオレフィン等の押出成形の容易な
樹脂と同時に押し出すことで、樹脂組成物単層でコーテ
ィングするよりも安定な製膜が可能になることも多いか
らである。
るカルボン酸変性ポリオレフィンとは、分子中にカルボ
キシル基を有するポリオレフィンのことをいい、ポリオ
レフィンをα,β−不飽和カルボン酸またはその無水物
を用いてグラフト変性したものや、オレフィン単量体と
α,β−不飽和カルボン酸またはその無水物とをランダ
ム共重合させたものが例示される。α,β−不飽和カル
ボン酸またはその無水物とは、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸などが挙げられるが、無水マレイン酸が好適で
ある。
ては、密度が0.88〜0.94g/cm3、好適には
0.90〜0.93g/cm3、より好適には0.90
5〜0.92g/cm3のカルボン酸変性ポリエチレン
が好ましい。かかるカルボン酸変性ポリエチレンの代表
例としては、高圧法で製造される低密度ポリエチレンや
低圧法でチーグラー型触媒を用いて製造される直鎖上低
密度ポリエチレン(LLDPE)をベース樹脂としたも
のが挙げられるが、なかでもLLDPEをベース樹脂と
したものが製膜性の観点から好ましい。
ルトインデックス(190℃、2160g荷重下)は
0.5〜20g/10分である。好適には15g/10
分以下、より好適には10g/10分以下である。また
好適には3g/10分以上、より好適には6g/10分
以上である。同時に共押出されるEVOHとメルトイン
デックスの差がない方が、界面のムラが発生しにくく、
外観良好な成形品が得られるからである。
重合体の融点や成形方法等により異なり、特に限定され
るものではないが、本発明の効果、すなわち高温成形で
の長時間の安定性をより発揮できるという点からは、ダ
イス温度が240℃以上であることが好ましい。より好
ましくは250℃以上であり、さらに好ましくは260
℃以上である。また、押出コーティングする際の引き取
り速度は200m/分以上であることが、高速製膜安定
性という本発明の効果を効率的に奏することができると
いう点から好ましい。より好適には250m/分であ
り、さらに好適には300m/分である。
層構造体の構成は特に限定されるものではないが、紙、
プラスチックフィルム、金属箔等の基材にコーティング
され、積層されてなる構成が好ましい。特に紙基材は、
それ自体を溶融成形することができないものであり、ま
たガスバリア性を有しない基材であることから、本発明
の樹脂組成物を押出コーティング成形する有用性が最も
大きいものである。コーティングされる紙基材は、紙基
材の上に低密度ポリエチレン(以下LDPEと略すこと
がある)等の樹脂がその両面にまたは片面に既にコーテ
ィングされてなるものであっても構わない。
に隣接するカルボン酸変性ポリオレフィン層からなる溶
融多層体を基材上に共押出コーティングしてなる多層構
造体の層構成は特に限定されるものではないが、以下の
ような構成が好ましいものとして挙げられる。ここで、
カルボン酸変性ポリオレフィン層はAD、熱可塑性樹脂
層はTRと示した。
R:外層 内層:TR/AD/EVOH/AD/TR/TR/基材
/TR:外層 内層:EVOH/AD/TR/基材/TR:外層 内層:TR/AD/EVOH/基材/TR:外層 内層:EVOH/AD/TR/AD/EVOH/AD/
TR/基材/TR:外層 内層:TR/AD/EVOH/AD/基材/TR:外層 内層:AD/EVOH/AD/基材/TR:外層
熱可塑性樹脂は特に限定されるものではなく、異なる種
類のものを一つの多層構造体の中で用いても良い。最も
代表的な熱可塑性樹脂はポリオレフィンであり、中でも
ポリエチレン、特に密度が0.88〜0.94g/cm
3、好適には0.90〜0.93g/cm3、より好適
には0.905〜0.92g/cm3のポリエチレンが
本発明においては重要である。かかるポリエチレンは、
耐湿性、ヒートシール性、柔軟性、低価格といった面か
ら有用である。かかるポリエチレンの代表例としては、
高圧法で製造される低密度ポリエチレンと、低圧法でチ
ーグラー型触媒を用いて製造される直鎖上低密度ポリエ
チレン(LLDPE)が挙げられるが、なかでもLLD
PEが製膜性の観点から好ましい。
H層の厚みは通常2〜30μmである。2μm未満で
は、高速製膜条件下においてピンホールの発生を防止す
ることが困難になる。より好適には3μm以上である。
逆に30μmを超えると材料コストが上昇するととも
に、成形品表面の外観が悪化する。より好適には15μ
m以下であり、さらに好適には8μm以下である。
体は、カートンあるいはカップ等の形状に加工され、各
種紙容器として用いられる。かかる紙容器は、各種飲料
等を長期に保存することが可能である。
体的に説明する。以下「%」、「部」とあるのは特に断
わりのない限り重量基準である。尚、水はすべてイオン
交換水を使用した。
気炉内で灰化させた。得られた灰分を0.01規定の硝
酸水溶液200mLに溶解し、原子吸光分析によってホ
ウ素の量を定量し、かかるホウ素の量からホウ素化合物
の含有量をホウ酸(H3BO3)量に換算した。
紙(厚み500μm、坪量40g/m2)に押出コート
した。成形開始から8時間連続製膜し、フィッシュア
イ、ストリークを目視にて判定した。押出機の仕様は以
下の通り。 形式 単軸押出機(ノンベントタイプ) L/D 26 口径 40mmφ スクリュー 一条フルフライトタイプ、表面窒化鋼 回転数 40rpm モーター容量 DC7.5KW(定格45A) ヒーター 4分割タイプ ダイス幅 300mm ダイス内樹脂温度 240℃ 引取り速度 10m/min フィッシュアイ、ストリーク発生状況は以下のように判
定した。 A;大変良好 B;良好 C;やや不良 D;不良
m2)を用いて、3種5層の共押出コートを行った。共
押出の構成は低密度ポリエチレン/接着層/EVOH/
接着層/低密度ポリエチレンであり、厚み構成は20/
5/5/5/20μmである。低密度ポリエチレン用押
出機、EVOH用押出機、接着層用押出機とそれぞれの
押出機から供給される樹脂を合流、分配するフィードブ
ロックとT型ダイスを使用した。低密度ポリエチレンと
しては線状低密度ポリエチレン(三井石油化学工業製
「ウルトゼックス2022L」)を、また、接着層とし
ては無水マレイン酸で変性されたポリプロピレン(三井
石油化学工業製「アドマーQF−500」)を使用し
た。このときのフィードブロック、T型ダイスの温度条
件を250℃、引取速度は300m/minとした。フ
ィルム外観は、目視にて観察した。 A;大変良好 B;良好 C;やや不良 D;不良
P)+20mMトリフルオロ酢酸ナトリウム 流量 1.0ml/min 温度 40℃ サンプル濃度 0.05% 注入量 200μl ろ過 0.45μフィルター 検出器 RI 標品 ポリマーラボラトリー社製ポリメタクリル酸
メチル(PMMA) 解析ソフト WATERS社製ミレニアム2010J
Ver.2.00 分散度(Mw/Mn)は量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)の比をとることで求める。
用し、温度190℃、荷重2160gの条件にて測定し
た。本発明においては、融点が190℃付近より高いE
VOHについては190℃以上の数点の温度で荷重21
60gにて測定し、温度190℃に外挿した値を用い
る。
イコー電子工業(株)製SSC5200熱分析システム
を用い、試料4〜6mgで測定した。試料の熱履歴の影
響を除去する為に、まず10℃/min.の昇温速度で
230℃まで加熱し、10℃/min.でマイナス50
℃まで冷却した後、10℃/min.で昇温したときの
EVOHの融解に伴う吸熱ピーク曲線を測定値として採
用した。このとき、シングルピークとは極大値が一つで
あることを示す。また、溶融ブレンドにより分子量分布
を拡大する場合は、ブレンド物A1とブレンド物A2を
それぞれ単独で測定したときの融点の差が4.5℃以下
であることを示す。
合槽に酢酸ビニル19600部、メタノール2180
部、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)7.5部
を仕込み、撹拌しながら窒素置換後、昇温、昇圧し内温
60℃、エチレン圧力35.5kg/cm2に調整し
た。3.5時間その温度、圧力を保持し重合させた後、
ハイドロキノン5部を添加し、重合槽を常圧に戻し、エ
チレンを蒸発除去した。引き続き、このメタノール溶液
をラシヒリングを充填した追い出し塔の塔上部より連続
的に流下させ、一方、塔底部よりメタノール蒸気を吹き
込んで未反応酢酸ビニル単量体をメタノール蒸気ととも
に塔頂部より放出させコンデンサーを通して除去するこ
とにより、未反応酢酸ビニル0.01%以下のエチレン
−酢酸ビニル共重合体の45%メタノール溶液を得た。
この時の重合率は仕込み酢酸ビニルに対して47%、エ
チレン含有率は32モル%であった。
タノール溶液をケン化反応器に仕込み、苛性ソーダ/メ
タノール溶液(80g/L)を共重合体中の酢酸ビニル
成分に対し、0.4当量となるように添加し、メタノー
ルを添加して共重合体濃度が20%になるように調整し
た。60℃に昇温し反応器内に窒素ガスを吹き込みなが
ら約4時間反応させた。4時間後、酢酸で中和し反応を
停止させ、円形の開口部を有する金板から水中に押し出
して析出させ、切断することで直径約3mm、長さ約5
mmのチップを得た。得られたチップは遠心分離機で脱
液しさらに大量の水を加え脱液する操作を繰り返し、精
製した。
Lに分散させ、ホウ酸0.4g/L、酢酸0.1g/
L、リン酸二水素カリウム0.3g/Lを添加し、4時
間攪拌した。その後、得られたペレットを取り出し、遠
心脱液後、105℃で熱風乾燥した。乾燥後、このペレ
ットに含まれるホウ酸は0.11重量%、MIが4g/
10min、融解吸熱ピーク温度は183℃であった。
1に準じた方法でエチレン含有量32mol%、MIが
14g/10minの精製したペレット状物300gを
水0.5Lに分散させ、酢酸0.1g/L、リン酸二水
素カリウム0.3g/Lを添加し、4時間攪拌した。そ
の後、得られたペレットを取り出し、遠心脱液後、10
5℃で熱風乾燥した。乾燥後、MIが14g/10mi
n、融解吸熱ピーク温度は183℃であった。
ブレンド後、カットし、ペレット状物を得た。得られた
ペレットのメルトインデックスが8g/minであり、
分散度(Mw/Mn)は2.8であった。また、DSC
測定の融解吸熱ピークはシングルピークであった。
く、フィルム外観は大変良好であった。共押出コートを
行った結果、ネックインは小さく良好であった。
有量32モル%、MIが2g/min、融解吸熱ピーク
温度は183℃のA1とエチレン含有量32モル%、M
Iが14g/min、融解吸熱ピーク温度は183℃の
A2を30/70(重量比)で溶融ブレンドした。得ら
れたEVOHはMI 8g/minであり、GPC測定
法における分散度(Mw/Mn)は2.6であり、融解
吸熱ピークはシングルピークであった。連続製膜試験に
おいて、ストリークがわずかに発生したが、フィルム外
観は良好であった。また、共押出コート試験において、
ネックインは小さく、良好であった。評価結果を表2に
示す。
系、比較例1、2、4、5はGPC測定法における分散
度(Mw/Mn)が2.5未満の系、比較例3はDSC
のピークがダブルピークの系を例示した。試験は実施例
1に準じて行い、表1に示すEVOHを得た。その結果
を表2に示す。
押出しコーティングするに際し、熱安定性(ロングラン
性)、高速製膜性を改善することができ、外観良好な多
層構造体を得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 エチレン含有量が10〜60モル%、ケ
ン化度が90%以上、メルトインデックスが0.5〜2
0g/minで、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)で測定したときの分子量分布曲線におけ
る量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で
ある分散度(Mw/Mn)が2.5〜3.5であり、か
つ示差走査熱量測定(DSC)における融解吸熱ピーク
が単一ピークであるエチレン−ビニルアルコール共重合
体からなる層および紙基材層を有する多層構造体。 - 【請求項2】 エチレン−ビニルアルコール共重合体か
らなる層を含む溶融多層体を基材上に共押出コーティン
グする請求項1記載の多層構造体の製法。 - 【請求項3】 エチレン含有量が10〜60モル%、ケ
ン化度が90%以上、メルトインデックスが0.5〜2
0g/minで、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)で測定したときの分子量分布曲線におけ
る量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で
ある分散度(Mw/Mn)が2.5〜3.5であり、か
つ示差走査熱量測定(DSC)における融解吸熱ピーク
が単一ピークであるエチレン−ビニルアルコール共重合
体100重量部に対し、ホウ酸(H3BO3)換算で
0.01〜0.5重量部のホウ素化合物を含んでなる樹
脂組成物。 - 【請求項4】 押出コーティング用である請求項3記載
の樹脂組成物。 - 【請求項5】 メルトインデックスの差が3g/10m
in以上、エチレン含有量の差が3モル%以下で、かつ
示差走査熱量測定(DSC)における融解吸熱ピークの
温度差が4.5℃以下である2種類のエチレン−ビニル
アルコール共重合体からなり、それらの配合重量比が9
5/5〜5/95であり、かつ平均エチレン含有量が1
0〜60モル%、ケン化度が90%以上である樹脂組成
物および紙基材層を有する多層構造体。
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CN113993910A (zh) * | 2019-03-18 | 2022-01-28 | 芬欧汇川集团 | 一种以熔融状态反应制造热塑性聚乙烯醇衍生物的方法及其产品 |
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-
1999
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