JP2001017823A - オゾン脱臭装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外気に異臭が漏出するのを防止し、外部に漏
出するオゾンを最小限に抑える。 【解決手段】 下水処理場等で汚水を一旦貯留して排出
する処理槽１を設け、その処理槽１の上部に処理槽１を
気密に覆う密閉カバー２を設け、上記処理槽１内にオゾ
ンを供給するオゾン供給装置３を設け、上記密閉カバー
２に上記処理槽内空気Ｇを自然換気するための排気口１
５を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理場や生活
廃水処理場等で汚水をオゾン脱臭するオゾン脱臭装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】家庭から排出される生活排水は、下水処
理場や生活廃水処理場で浄化されている。その浄化過程
で、生活排水である汚水の排水処理に伴って異臭が発生
するが、その異臭の放出を防止するために様々な脱臭方
式が採用されている。

【０００３】その脱臭方法のいくつかを例示すると、
（１）異臭成分を特殊な微生物を担持する担体層に接触
させて微生物の動きで異臭物質を分解、吸収する生物脱
臭方式、（２）浄化装置からの排気を土中に放出して、
土中の微生物の作用で異臭物質を分解、吸収する土壌脱
臭方式、（３）浄化装置からの排気を活性炭に接触させ
て、異臭物質を吸着させる活性炭吸着方式、（４）異臭
物質を酸性、アルカリ性の薬液と化学反応させて、さら
に反応後の雑臭を活性炭で吸着する薬液洗浄・活性炭吸
着方式、（５）アンモニア等の水溶性の異臭物質を水に
溶解させた後、硫化物等を活性炭にて吸着する水洗浄・
活性炭吸着方式等がある。

【０００４】しかし、上述の（１）、（３）〜（５）の
方式では、消耗品の補充や交換が不可欠となり、この補
充、交換の手間やコストが問題とされていた。また、
（２）の方式では、広大な土地を必要とし、この土地の
通気性を良好に保持するための管理が必要であった。

【０００５】そこで、近年は広大な土地等の特別な施設
を必要とせず、消耗品の補充、交換や土地の維持管理等
の特別な作業を必要としないオゾン脱臭方式が多く採用
されている。

【０００６】このオゾン脱臭方式の装置としては、実用
新案登録番号第３００２３１８号に示された脱臭装置が
あった。

【０００７】この脱臭装置は、汚水を貯留した処理槽内
に、吐出管から分岐された分岐管を介してオゾンが吐出
されて汚水の異臭成分を脱臭するようになっており、処
理槽内の空気は、排気ファンによって外部に強制排気さ
れていた。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような脱臭装置では、処理槽の隙間から異臭成分が外部
に漏出するおそれがある。また、処理槽内の空気を排気
ファンによって強制的に排気しているので、反応してい
ない余剰のオゾンが排気ファンに引張られてオゾン濃度
が高い空気が外部に漏出する場合があり好ましくなかっ
た。

【０００９】そこで、本発明は、上記問題を解決するた
めに案出されたものであり、その目的は、外気に異臭が
漏出するのを防止でき、外部に漏出するオゾンを最小限
に抑えることができるオゾン脱臭装置を提供することに
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく、
本発明は、下水処理場等で汚水を一旦貯留して排出する
処理槽を設け、その処理槽の上部に処理槽を気密に覆う
密閉カバーを設け、上記処理槽内にオゾンを供給するオ
ゾン供給装置を設け、上記密閉カバーに上記処理槽内空
気を自然換気するための排気口を設けたものである。

【００１１】上記構成によれば、処理槽に密閉カバーを
設けたことによって、異臭成分が外部に漏出することが
ない。また、処理槽内空気を自然換気としたことで、オ
ゾンが外部に強制的に排気されることがない。

【００１２】そして、上記排気口に、上記処理槽内空気
を上方で排気するための換気筒を設けたものが好まし
い。

【００１３】また、上記処理槽内に、処理槽内空気を撹
拌するための撹拌ファンを設けたものが好ましい。

【００１４】さらに、排気される上記処理槽内空気が通
過する排気通路に、排気空気のオゾン濃度を検出するオ
ゾンセンサを設け、オゾン供給装置に、検出された排気
空気のオゾン濃度に対応してオゾン供給量を制御する制
御装置を設けたものが好ましい。

【００１５】これによれば、処理槽内のオゾンが余剰す
るのを防止でき、処理槽内のオゾン濃度を適度に保つこ
とができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って説明する。

【００１７】図１は、本発明に係るオゾン脱臭装置の実
施の形態を示した構成図である。

【００１８】まず、上記オゾン脱臭装置の構成について
説明する。

【００１９】オゾン脱臭装置は、下水処理場や生活廃水
処理場等に設けられており、図示するように、汚水を一
旦貯留して排出する処理槽１と、その処理槽１の上部を
気密に覆う密閉カバー２と、上記処理槽１内にオゾンを
供給するオゾン供給装置３とを有している。

【００２０】処理槽１は、地中に埋設されており、内部
が複数（図１においては二槽）に分割されている。上流
側には、汚水を流入させる汚水流路４が接続され、下流
側には、処理槽１内で所定の浄化処理が施された汚水が
排出される排出流路５が接続されている。

【００２１】密閉カバー２は、耐オゾン性の材質で形成
されており、地上に突出した処理槽１の上端に設けら
れ、処理槽１に気密に設置するためのシール部（図示せ
ず）を有している。

【００２２】オゾン供給装置３は地上に設置されてお
り、オゾン発生機６とオゾン供給管７とで構成されてい
る。オゾン供給管７は密閉カバー２を気密状態を保持し
つつ貫通して、その先端が処理槽１内に下向きに延出し
ている。オゾン発生機６には、図示しないブロワが設け
られており、このブロワによってオゾンをオゾン供給管
７に押し流すようになっている。

【００２３】密閉カバー２上には、処理槽１内空気を撹
拌するための撹拌ファン８を回転させるためのモータ９
が設けられている。密閉カバー２には、撹拌ファン８の
回転軸１１が貫通する開口部１２が形成されており、こ
の開口部１２を気密に覆うようにモータ基台１４が設け
られている。

【００２４】また、密閉カバー２には、処理槽内空気Ｇ
を自然換気するための排気口１５が設けられている。排
気口１５には、処理槽内空気Ｇを上方で排気すべく上方
に延出した換気筒１６が気密に設けられている。これら
排気口１５と換気筒１６とで排気される処理槽内空気Ｇ
である排気空気Ｇ´が通過する排気通路１７が構成され
ている。

【００２５】換気筒１６の先端部、すなわち排気通路１
７の先端には、排気空気Ｇ´のオゾン濃度を検出するオ
ゾンセンサ１８が設けられている。なお、オゾンセンサ
１８の位置は、排気通路１７の途中であれば、先端に限
られるものではない。

【００２６】一方、オゾン供給装置３を構成するオゾン
発生機６には、オゾンセンサ１８で検出された排気空気
Ｇ´のオゾン濃度に対応してオゾン供給量を制御する制
御装置１９が設けられている。

【００２７】この制御装置１９には、オゾン濃度の下限
値と上限値とが設定されており、オゾンセンサ１８で検
出されるオゾン濃度が、下限値より低い場合にはオゾン
供給量を増加させ、下限値と上限値との間の場合にはオ
ゾン供給量を現状維持させ、上限値より高い場合にはオ
ゾン供給量を減少させるようになっている。上限値は、
人体に影響を及ぼさない濃度である０．１ｐｐｍよりも
小さい値に設定されている。

【００２８】次に、上記構成のオゾン脱臭装置の作用を
説明する。

【００２９】処理槽１において汚水の浄化処理を行いつ
つ、オゾン発生機６でオゾンを生成してオゾン供給管７
を介して処理槽１内の上部空間２１にオゾンを送り込
む。これと共に撹拌ファン８を回転させて、オゾンを処
理槽１内の上部空間２１で撹拌させる。

【００３０】汚水の浄化処理の過程においてアンモニ
ア、メチルメルカンプタン、硫化水素等の異臭成分が、
気体として上部空間２１に放出されるが、これらの異臭
成分は、オゾンと化学反応して酸化分解され、異臭を放
たない物質とされる。

【００３１】このとき、オゾンは撹拌ファン８によって
下方に流されているので、オゾン供給管７から送り込ま
れた後に、汚水の液面へと順次送られ、異臭成分と効率
的に化学反応することができる。

【００３２】そして、消臭された気体は、新たに送られ
てきたオゾンに押し流され、上部空間２１の上方に送ら
れ、密閉カバー２に設けられた排気口１５から換気筒１
６を介して外部に排気され、自然換気される。

【００３３】このとき、オゾンセンサ１８によって排気
空気Ｇ´のオゾン濃度を検出しながら、そのオゾン濃度
が上限値より高い場合には、制御装置１９によって、オ
ゾン供給量を減少させるので、オゾンが余剰することな
く、外部に漏出するオゾンを最小限に抑えることができ
る。さらに、オゾン濃度が下限値より低い場合には、オ
ゾン供給量を増加させるので、処理槽１内のオゾン濃度
は、常時好適な濃度に保たれ、効率的に消臭できる。

【００３４】また、処理槽内空気Ｇを自然換気としたこ
とによって、オゾンの滞留時間が長くなり、異臭成分と
の化学反応の時間を十分にとることができ、確実に消臭
することができる。

【００３５】さらに、密閉カバー２で処理槽１を密閉し
ているので、外気に異臭が漏出することはない。その
上、排気口１５に換気筒１６が設けられているので、悪
天候等によって外気の流れが強い場合であっても、処理
槽内空気Ｇが、外気に引張られて漏出することはなく、
密閉性が高くなっている。

【００３６】

【発明の効果】以上要するに本発明によれば、汚水の異
臭を効率的に消臭することができると共に、外気に異臭
が漏出するのを防止でき、外部に漏出するオゾンを最小
限に抑えることができるという優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るオゾン脱臭装置の実施の形態を示
した構成図である。

【符号の説明】

１ 処理槽 ２ 密閉カバー ３ オゾン供給装置 ８ 撹拌ファン １５ 排気口 １６ 換気筒 １７ 排気通路 １８ オゾンセンサ １９ 制御装置 Ｇ 処理槽内空気 Ｇ´ 排気空気

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4D002 AA03 AA06 AA13 AB02 AC10 BA05 CA20 DA51 GA02 GA03 GB02 GB06

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下水処理場等で汚水を一旦貯留して排出
   する処理槽を設け、その処理槽の上部に処理槽を気密に
   覆う密閉カバーを設け、上記処理槽内にオゾンを供給す
   るオゾン供給装置を設け、上記密閉カバーに上記処理槽
   内空気を自然換気するための排気口を設けたことを特徴
   とするオゾン脱臭装置。
2. 【請求項２】 上記排気口に、上記処理槽内空気を上方
   で排気するための換気筒を設けた請求項１記載のオゾン
   脱臭装置。
3. 【請求項３】 上記処理槽内に、処理槽内空気を撹拌す
   るための撹拌ファンを設けた請求項１または２いずれか
   に記載のオゾン脱臭装置。
4. 【請求項４】 排気される上記処理槽内空気が通過する
   排気通路に、排気空気のオゾン濃度を検出するオゾンセ
   ンサを設け、オゾン供給装置に、検出された排気空気の
   オゾン濃度に対応してオゾン供給量を制御する制御装置
   を設けた請求項１から３いずれかに記載のオゾン脱臭装
   置。