JP2005035811A - 悪臭の揮散を低減する堆肥化処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】畜糞や汚泥などの堆肥材料を堆積し、その堆肥材料堆積層の底部から吸引して通気させ、吸引されたドレイン及びアンモニアを回収処理して悪臭の揮散を低減し、回収したアンモニアを固形肥料として利用する。
【解決手段】堆肥材料堆積層3の底部に配設される吸引管4と、該吸引管4の吸引側端部に入口側が接続され、出口側にアンモニアトラップ8の入口側が接続される第1のドレイントラップ6と、該アンモニアトラップ8の出口側に入口側が接続され、出口側に吸引ファン12の吸引側が接続される第2のドレイントラップ10と、該第2のドレイントラップ10の排出側から残った気体を外部に排出する吸引ファン12と、を備える。アンモニアトラップ8の充填材8aにより回収されたアンモニアは固形肥料として利用する。
【選択図】 図1
【解決手段】堆肥材料堆積層3の底部に配設される吸引管4と、該吸引管4の吸引側端部に入口側が接続され、出口側にアンモニアトラップ8の入口側が接続される第1のドレイントラップ6と、該アンモニアトラップ8の出口側に入口側が接続され、出口側に吸引ファン12の吸引側が接続される第2のドレイントラップ10と、該第2のドレイントラップ10の排出側から残った気体を外部に排出する吸引ファン12と、を備える。アンモニアトラップ8の充填材8aにより回収されたアンモニアは固形肥料として利用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、畜糞や汚泥などの堆肥材料を堆積し、その堆肥材料堆積層の底部から吸引して通気させ、吸引されたドレイン及びアンモニアを回収処理して悪臭の揮散を低減し、回収したアンモニアを固形肥料として利用する堆肥化処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
畜糞や汚泥などの堆肥化処理においては、好気性微生物の働きにより自然昇温するため、病原性菌(O157やクリプトスポリジウムなど)の殺菌効果や雑草種子の死滅効果、またハンドリングの向上や流通における低コスト化(水分蒸発及び有機物分解による減量・減容のため)が得られるため、日本では古くからの処理方法として広く普及している。しかし、悪臭、特にアンモニアの発生を伴うため、堆肥を肥料として利用する場合には肥料成分の損失となる。また、アンモニアは酸性雨の原因物質のひとつであるため、堆肥化は環境負荷の高い処理技術として、特にEU諸国から否定的な意見が出されている。そのため、上述の堆肥化のメリットを生かしつつ、アンモニアの揮散を抑えた新たな堆肥化処理技術を開発する必要がある.
【0003】
現在堆肥化処理で一般的に行われている通気方法は、堆積された堆肥材料の底部より圧力空気が通気される圧送通気式がほとんどであるが、堆肥材料の表層からアンモニアを揮散する点で好ましくない。揮散後の排気を堆肥材料表層上のヘッドスペースで回収し、脱臭工程に送るシステムも多く存在するが、堆肥材料の表層から一旦開放された排気を回収するには、相当量の周辺外気も同時に吸ってしまうため、排気の搬送、その後の脱臭工程に手数がかかり、効率的な方法であるとはいえない。
【0004】
従来周知である堆肥化装置の先行技術について説明する。
発酵槽1から空気3aを吸引し、この空気3aをバーク堆積室5を経て槽7へ案内するようにし、前記発酵槽1の原料投入部1Aのみへ送風2aを行い、前記槽7を経た空気を脱臭装置10を経て外気に排出するようにした堆肥化装置の曝気方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平05−339087号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に開示されている先行技術のものは、発酵槽1の原料投入部1Aのみへ送風2aを行い、発酵槽1から空気3aを吸引しているので、空気3aをバーク堆積室5を経て槽7へ案内したり、槽7を経た空気を脱臭装置10で脱臭処理する必要があった。このため、構造が複雑となってコスト高となり、しかも現在はバークの肥料としての利用価値は低く、効率的な方法とはいえない。
【0007】
そこで本発明においては、通気に吸引方式を採用した。この吸引通気式により微生物の呼吸に消費された後の空気は堆肥から直接吸引回収されるため、搬送、脱臭される排気量は著しく減少する(従来の1/4程度)。周知の吸引通気式では、排気とともにドレインも同時に吸引するため、通気配管の目詰まりが問題となり、ほとんど普及には至っていなかった。そのため本発明では、通気口(吸引管)の径を大きくとり、また、通気口の個数を減らして通気の一極集中化を図った。その結果、一口の通気口あたり0.5〜1.9m半径の通気範囲となることが明らかとなり、吸引通気式であっても圧送通気式と同等な堆肥化が可能であった。本装置においても、従来通りドレインが発生するが、発生したドレインは2つのトラップで受けた後、発酵後半のやや過乾燥となった堆肥の表層に散布することで循環利用できる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の手段及び構成を有することを特徴とする。
A.畜糞や汚泥などの堆肥材料を堆積し、その堆肥材料堆積層に通気して堆肥化を促進する堆肥化処理手段であって、
前記堆肥化処理手段は、堆肥材料堆積層の底部から吸引して堆肥材料表層から堆肥材料底部方向に通気させ、吸引した気体及び液体をドレイントラップとアンモニアトラップを通してドレイン及びアンモニアを回収処理し、残った気体を吸引ファンにより外部に排出する。
B.前記アンモニアトラップは、リン酸とバイオマスを用いてアンモニアを回収し、回収したアンモニアを固形状肥料として利用する。
【0009】
C.畜糞や汚泥などの堆肥材料を堆積し、その堆肥材料堆積層に通気して堆肥化を促進する堆肥化処理装置であって、
前記堆肥化処理装置は、堆肥材料堆積層の底部に配設される吸引管と、該吸引管の吸引側端部に入口側が接続され、出口側にアンモニアトラップの入口側が接続される第1のドレイントラップと、該アンモニアトラップの出口側に入口側が接続され、出口側に吸引ファンの吸引側が接続される第2のドレイントラップと、該第2のドレイントラップの排出側から残った気体を外部に排出する吸引ファンと、を備えた。
D.前記アンモニアトラップは、オガクズや籾殻などのバイオマスにリン酸を添加したものを充填材として充填し、アンモニアを回収した充填材を固形状肥料として利用する。
【0010】
【作用】
上記の手段及び構成により本発明の悪臭の揮散を低減する堆肥化処理方法及び装置は、以下の作用をする。
a.堆肥化処理手段は、堆肥材料堆積層の底部から吸引して堆肥材料表層から堆肥材料底部方向に通気させ、吸引した気体及び液体をドレイントラップとアンモニアトラップを通してドレイン及びアンモニアを回収処理し、残った気体を吸引ファンにより外部に排出することで、堆肥材料に通気させることにより好気性微生物の働きによって堆肥化が促進される。また、微生物の呼吸に消費された後の空気を堆肥から直接吸引回収するため、搬送、脱臭される排気量は著しく減少する。
b.アンモニアトラップは、リン酸とバイオマスを用いてアンモニアを回収し、回収したアンモニアを固形状肥料として利用することで、充填材のコストが安い上、肥料として有効利用でき、ハンドリングも良好となる。
【0011】
c.堆肥化処理装置は、堆肥材料堆積層の底部に配設される吸引管と、該吸引管の吸引側端部に入口側が接続され、出口側にアンモニアトラップの入口側が接続される第1のドレイントラップと、該アンモニアトラップの出口側に入口側が接続され、出口側に吸引ファンの吸引側が接続される第2のドレイントラップと、該第2のドレイントラップの排出側から残った気体を外部に排出する吸引ファンと、を備えたことで、簡単な構成でありながら堆肥材料を効率よく堆肥化する。また、吸引されるドレインとアンモニアを回収し、アンモニアは固形肥料としてそのまま利用する。
d.アンモニアトラップは、オガクズや籾殻などのバイオマスにリン酸を添加したものを充填材として充填し、アンモニアを回収した充填材を固形状肥料として利用することで、充填材は安価である上、アンモニア回収後に固形状肥料としてそのまま利用可能である。また、回収されたドレインは、発酵後半のやや過乾燥となった堆肥の表層に散布して循環利用する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を添付の図面を参照して具体的に説明する。
図1に示す吸引通気式堆肥化処理装置1は、本発明による原理を実用化するために試作した装置の概略図である。該吸引通気式堆肥化処理装置1は、周知の圧送通気式と同様に、畜糞や汚泥などの堆肥材料3を堆肥化施設2の吸引管4(圧送通気式では圧送管)上に堆積し、その堆肥材料3の堆積層に通気して堆肥化を促進する堆肥化処理手段として用いられる。そして、この吸引通気式堆肥化処理装置1を用いて各種の基礎試験や実用化試験を実施した(図2ないし図5参照)。
【0013】
前記吸引通気式堆肥化処理装置1は、堆肥化施設2において堆積された堆肥材料3の堆積層の底部に、塩ビ管からなり、数口の吸気口を穿設した吸引管4を配設している。この吸引管4は、圧送通気式に比べると管数が少なく、管径が大きいものである。吸引管4から吸気すると、吸引通気5は堆肥材料3の表層から底部方向に吸引されて通気し、吸引管4内に導入される。該吸引管4の吸引側端部には、第1のドレイントラップ6の入口側が直接接続され、出口側に通気管7を介してアンモニアトラップ8の入口側が接続されている。該アンモニアトラップ8内には、充填材8aとして、オガクズや籾殻などのバイオマスにリン酸を添加したものが充填されている。
【0014】
前記アンモニアトラップ8の出口側に、連通管9を介して第2のドレイントラップ10の入口側が接続され、該第2のドレイントラップ10の出口側に通気管11を介して吸引ファン12の吸引側が接続されている。そして、吸引ファン12により第2のドレイントラップ10の排出側から残った気体が外部に排出される。前記第1ドレイントラップ6及び第2のドレイントラップ10で回収されたドレインは、発酵後半のやや過乾燥となった堆肥材料3の表層に散布して循環利用される。また、前記アンモニアトラップ8において充填材8aに回収されたアンモニアは、充填材8aと共に固形肥料としてそのまま利用される。
【0015】
ここで、従来周知の脱臭槽に充填される充填材について説明する。
充填材は、▲1▼オガクズや籾殻などのバイオマス、▲2▼脱臭のための微生物を添加したロックウールや椰子ガラ、木質系チップ、▲3▼硫酸やリン酸のシャワリング、スクラバーなど、が多く採用されている。▲1▼に関しては安価に入手可能であるが、脱臭効果が長く続かないこと、▲2▼に関しては高価であり(特にロックウール反応槽)、また微生物を使うため、そのハンドリングが複雑であること、▲3▼については脱臭後の廃液処理(硫酸の場合)や脱臭槽の構造が複雑で高価になること、などが問題となっている。
【0016】
そこで本発明では、▲1▼のオガクズや籾殻といったバイオマスにリン酸を添加した,従来使用されていない充填材を使用した。この充填材は、▲3▼と同様に酸塩基の化学反応でアンモニアを回収するためにハンドリングが容易であり、また、リン酸をスクラバー、またはシャワーとして循環させる必要がないため、脱臭槽(アンモニアトラップ8)の構造は非常にシンプルである。また、脱臭後のリン酸アンモニウム+未利用バイオマスは、化学肥料+土壌改良剤としての用途があるため、▲3▼の硫酸のような廃液処理の問題は生じない。また、微生物脱臭の場合には、処理対象のアンモニア濃度が高濃度になる場合や(一般に200ppm以上)高温になる場合(一般に40℃以上)、微生物の脱臭活動を阻害するため濃度や温度を上記以下にする必要性が指摘されているが、本発明では化学反応によるアンモニア回収であるため、高温、高濃度アンモニアによる脱臭能力の低下はない(図2のアンモニアの吸着能を比較したグラフ参照)。
【0017】
堆肥化施設2からの悪臭、アンモニア揮散が問題になった場合に、今まででは堆肥化施設2の移転や完全密閉化が必要であったが、本発明においては、既存の施設に対し大掛かりな改修をせずに吸引通気式堆肥化処理装置1を導入することが可能であり、本発明のメリットとして特筆できる。
【0018】
次に、上記のように構成された吸引通気式堆肥化処理装置1の動作について説明する。
図1に示す堆肥化施設2の吸引管4の上方に堆肥材料3を堆積した状態で吸引ファン12を駆動すると、吸引管4の吸気孔から吸引作用が働き、吸引通気5が堆肥材料3の表層から底部方向に吸引されて堆肥材料3内を通過し、吸引管4内に吸入される。堆肥材料3内が通気されることで、好気性微生物の働きが活発となり、堆肥材料3の堆肥化が促進される。吸引管4内には空気の吸引と共に、堆肥材料3の発酵によって発生するドレインやアンモニアガスが空気と混合して吸引される。
【0019】
吸引管4内に吸引された空気、ドレイン、アンモニアガスなどの混合物は、吸引管4から第1のドレイントラップ6にもたらされると、ここでドレインが回収され、次いでアンモニアトラップ8内においてアンモニアガスが充填材8aに吸収され、脱臭される。さらに、空気中に残っているドレインは、第2のドレイントラップ10において回収され、吸引ファン12の排出側から残ったきれいな気体(空気)が外部に排出される。第1ドレイントラップ6及び第2のドレイントラップ10において回収されたドレインは、発酵後半のやや過乾燥となった堆肥材料3の表層に散布して循環利用される。また、アンモニアトラップ8において充填材8aにほぼ飽和状態まで吸収され、回収されたアンモニアは、充填材8aと共に固形肥料としてそのまま使用される。
【0020】
図3は、通気方式別にアンモニアの発生状況を測定してグラフ化したものである。吸引通気式では、堆肥化に必要な適正通気量の範囲内(今回の試験では堆肥1m3当たり0.06m3/分)で、堆肥中のアンモニアが堆肥材料表面から揮発することを抑制できることが判明した。さらに、堆肥底部の吸引配管にアンモニアを収集できるため、その後のアンモニア回収が容易になることも判明した。
【0021】
図4は、堆肥材料底部への水分移動に伴う静圧及び通気量の変化を示すグラフである。吸引通気式では堆肥中の水分が底部方向に移動するため、静圧が経時的に大きくなる傾向にあった。堆肥の状態(圧密の程度や水分)や通気孔の形状にもよるが、吸引通気式の場合−1.8〜−4.8kPaの静圧となり、圧送通気式の必要静圧0.98〜2.45kPaより高い能力のファンが必要となる。このため、配管方法や吸引口の形状などを改良し、効率的な吸引通気式にする必要がある。
【0022】
図5は、吸引通気式堆肥化に伴うドレインの発生状況を示すグラフである。堆肥の水分はアンモニアと同時に吸引管内に移動し、ドレイン(堆肥からの褐色の廃液)の発生原因となる。ドレインを分析した結果、吸引配管内での結露水が主成分であった。そのため、高水分堆肥から発生するれき汁とは違い、粘性は水に近いものであった。圧送通気式の堆肥化施設であっても、脱臭系を備えた場合には配管内でドレインが発生するが、吸引通気式のドレインは圧送通気式の場合とほぼ同じものと思われる。何れの場合においてもドレイン処理は不可欠となるため、ドレインの発生量や処理、利用方法について検討を要する。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の悪臭の揮散を低減する堆肥化処理装置によれば、請求項に記載された手段及び構成を有することにより、以下の作用効果を奏することができる。
【0024】
▲1▼.堆肥化処理手段は、堆肥材料堆積層の底部から吸引して堆肥材料表層から堆肥材料底部方向に通気させ、吸引した気体及び液体をドレイントラップとアンモニアトラップを通してドレイン及びアンモニアを回収処理し、残った気体を吸引ファンにより外部に排出するので、堆肥材料に通気させることにより好気性微生物の働きによって堆肥化が促進される。また、微生物の呼吸に消費された後の空気を堆肥から直接吸引回収するため、搬送、脱臭される排気量は著しく減少することができる。
▲2▼.アンモニアトラップは、リン酸とバイオマスを用いてアンモニアを回収し、回収したアンモニアを固形状肥料として利用するので、充填材のコストが安い上、アンモニア肥料として有効利用でき、ハンドリングも良好で、取り扱い性を向上させることができる。
【0025】
▲3▼.堆肥化処理装置は、堆肥材料堆積層の底部に配設される吸引管と、該吸引管の吸引側端部に入口側が接続され、出口側にアンモニアトラップの入口側が接続される第1のドレイントラップと、該アンモニアトラップの出口側に入口側が接続され、出口側に吸引ファンの吸引側が接続される第2のドレイントラップと、該第2のドレイントラップの排出側から残った気体を外部に排出する吸引ファンと、を備えたので、簡単な構成でありながら堆肥材料を効率よく堆肥化する。また、吸引されるドレインとアンモニアを回収し、アンモニアは固形肥料としてそのまま利用することができる。さらに、臭気が外部に漏れることがなく、堆肥化施設の移転や完全密閉化が必要がなく、また、既存の施設に対し大掛かりな改修をせずに導入することが可能である。
▲4▼.アンモニアトラップは、オガクズや籾殻などのバイオマスにリン酸を添加したものを充填材として使用し、アンモニアを回収した充填材を固形状肥料として利用するので、充填材は安価である上、アンモニア回収後に固形状肥料としてそのまま利用可能である。また、回収されたドレインは、発酵後半のやや過乾燥となった堆肥の表層に散布して循環利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による吸引通気式堆肥化処理装置の概略側面図である。
【図2】アンモニアの吸着能を比較したグラフである。
【図3】通気方式別アンモニアの発生状況を示すグラフである。
【図4】堆肥材料底部への水分移動に伴う静圧及び通気量の変化を示すグラフである。
【図5】吸引通気式堆肥化に伴うドレインの発生状況を示すグラフである。
【符号の説明】
1 吸引通気式堆肥化処理装置
2 堆肥化施設
3 堆肥材料
4 吸引管
5 吸引通気
6 第1のドレイントラップ
7,11 通気管
8 アンモニアトラップ 8a 充填材
9 連通管
10 第2のドレイントラップ
12 吸引ファン
【発明の属する技術分野】
本発明は、畜糞や汚泥などの堆肥材料を堆積し、その堆肥材料堆積層の底部から吸引して通気させ、吸引されたドレイン及びアンモニアを回収処理して悪臭の揮散を低減し、回収したアンモニアを固形肥料として利用する堆肥化処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
畜糞や汚泥などの堆肥化処理においては、好気性微生物の働きにより自然昇温するため、病原性菌(O157やクリプトスポリジウムなど)の殺菌効果や雑草種子の死滅効果、またハンドリングの向上や流通における低コスト化(水分蒸発及び有機物分解による減量・減容のため)が得られるため、日本では古くからの処理方法として広く普及している。しかし、悪臭、特にアンモニアの発生を伴うため、堆肥を肥料として利用する場合には肥料成分の損失となる。また、アンモニアは酸性雨の原因物質のひとつであるため、堆肥化は環境負荷の高い処理技術として、特にEU諸国から否定的な意見が出されている。そのため、上述の堆肥化のメリットを生かしつつ、アンモニアの揮散を抑えた新たな堆肥化処理技術を開発する必要がある.
【0003】
現在堆肥化処理で一般的に行われている通気方法は、堆積された堆肥材料の底部より圧力空気が通気される圧送通気式がほとんどであるが、堆肥材料の表層からアンモニアを揮散する点で好ましくない。揮散後の排気を堆肥材料表層上のヘッドスペースで回収し、脱臭工程に送るシステムも多く存在するが、堆肥材料の表層から一旦開放された排気を回収するには、相当量の周辺外気も同時に吸ってしまうため、排気の搬送、その後の脱臭工程に手数がかかり、効率的な方法であるとはいえない。
【0004】
従来周知である堆肥化装置の先行技術について説明する。
発酵槽1から空気3aを吸引し、この空気3aをバーク堆積室5を経て槽7へ案内するようにし、前記発酵槽1の原料投入部1Aのみへ送風2aを行い、前記槽7を経た空気を脱臭装置10を経て外気に排出するようにした堆肥化装置の曝気方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平05−339087号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に開示されている先行技術のものは、発酵槽1の原料投入部1Aのみへ送風2aを行い、発酵槽1から空気3aを吸引しているので、空気3aをバーク堆積室5を経て槽7へ案内したり、槽7を経た空気を脱臭装置10で脱臭処理する必要があった。このため、構造が複雑となってコスト高となり、しかも現在はバークの肥料としての利用価値は低く、効率的な方法とはいえない。
【0007】
そこで本発明においては、通気に吸引方式を採用した。この吸引通気式により微生物の呼吸に消費された後の空気は堆肥から直接吸引回収されるため、搬送、脱臭される排気量は著しく減少する(従来の1/4程度)。周知の吸引通気式では、排気とともにドレインも同時に吸引するため、通気配管の目詰まりが問題となり、ほとんど普及には至っていなかった。そのため本発明では、通気口(吸引管)の径を大きくとり、また、通気口の個数を減らして通気の一極集中化を図った。その結果、一口の通気口あたり0.5〜1.9m半径の通気範囲となることが明らかとなり、吸引通気式であっても圧送通気式と同等な堆肥化が可能であった。本装置においても、従来通りドレインが発生するが、発生したドレインは2つのトラップで受けた後、発酵後半のやや過乾燥となった堆肥の表層に散布することで循環利用できる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の手段及び構成を有することを特徴とする。
A.畜糞や汚泥などの堆肥材料を堆積し、その堆肥材料堆積層に通気して堆肥化を促進する堆肥化処理手段であって、
前記堆肥化処理手段は、堆肥材料堆積層の底部から吸引して堆肥材料表層から堆肥材料底部方向に通気させ、吸引した気体及び液体をドレイントラップとアンモニアトラップを通してドレイン及びアンモニアを回収処理し、残った気体を吸引ファンにより外部に排出する。
B.前記アンモニアトラップは、リン酸とバイオマスを用いてアンモニアを回収し、回収したアンモニアを固形状肥料として利用する。
【0009】
C.畜糞や汚泥などの堆肥材料を堆積し、その堆肥材料堆積層に通気して堆肥化を促進する堆肥化処理装置であって、
前記堆肥化処理装置は、堆肥材料堆積層の底部に配設される吸引管と、該吸引管の吸引側端部に入口側が接続され、出口側にアンモニアトラップの入口側が接続される第1のドレイントラップと、該アンモニアトラップの出口側に入口側が接続され、出口側に吸引ファンの吸引側が接続される第2のドレイントラップと、該第2のドレイントラップの排出側から残った気体を外部に排出する吸引ファンと、を備えた。
D.前記アンモニアトラップは、オガクズや籾殻などのバイオマスにリン酸を添加したものを充填材として充填し、アンモニアを回収した充填材を固形状肥料として利用する。
【0010】
【作用】
上記の手段及び構成により本発明の悪臭の揮散を低減する堆肥化処理方法及び装置は、以下の作用をする。
a.堆肥化処理手段は、堆肥材料堆積層の底部から吸引して堆肥材料表層から堆肥材料底部方向に通気させ、吸引した気体及び液体をドレイントラップとアンモニアトラップを通してドレイン及びアンモニアを回収処理し、残った気体を吸引ファンにより外部に排出することで、堆肥材料に通気させることにより好気性微生物の働きによって堆肥化が促進される。また、微生物の呼吸に消費された後の空気を堆肥から直接吸引回収するため、搬送、脱臭される排気量は著しく減少する。
b.アンモニアトラップは、リン酸とバイオマスを用いてアンモニアを回収し、回収したアンモニアを固形状肥料として利用することで、充填材のコストが安い上、肥料として有効利用でき、ハンドリングも良好となる。
【0011】
c.堆肥化処理装置は、堆肥材料堆積層の底部に配設される吸引管と、該吸引管の吸引側端部に入口側が接続され、出口側にアンモニアトラップの入口側が接続される第1のドレイントラップと、該アンモニアトラップの出口側に入口側が接続され、出口側に吸引ファンの吸引側が接続される第2のドレイントラップと、該第2のドレイントラップの排出側から残った気体を外部に排出する吸引ファンと、を備えたことで、簡単な構成でありながら堆肥材料を効率よく堆肥化する。また、吸引されるドレインとアンモニアを回収し、アンモニアは固形肥料としてそのまま利用する。
d.アンモニアトラップは、オガクズや籾殻などのバイオマスにリン酸を添加したものを充填材として充填し、アンモニアを回収した充填材を固形状肥料として利用することで、充填材は安価である上、アンモニア回収後に固形状肥料としてそのまま利用可能である。また、回収されたドレインは、発酵後半のやや過乾燥となった堆肥の表層に散布して循環利用する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を添付の図面を参照して具体的に説明する。
図1に示す吸引通気式堆肥化処理装置1は、本発明による原理を実用化するために試作した装置の概略図である。該吸引通気式堆肥化処理装置1は、周知の圧送通気式と同様に、畜糞や汚泥などの堆肥材料3を堆肥化施設2の吸引管4(圧送通気式では圧送管)上に堆積し、その堆肥材料3の堆積層に通気して堆肥化を促進する堆肥化処理手段として用いられる。そして、この吸引通気式堆肥化処理装置1を用いて各種の基礎試験や実用化試験を実施した(図2ないし図5参照)。
【0013】
前記吸引通気式堆肥化処理装置1は、堆肥化施設2において堆積された堆肥材料3の堆積層の底部に、塩ビ管からなり、数口の吸気口を穿設した吸引管4を配設している。この吸引管4は、圧送通気式に比べると管数が少なく、管径が大きいものである。吸引管4から吸気すると、吸引通気5は堆肥材料3の表層から底部方向に吸引されて通気し、吸引管4内に導入される。該吸引管4の吸引側端部には、第1のドレイントラップ6の入口側が直接接続され、出口側に通気管7を介してアンモニアトラップ8の入口側が接続されている。該アンモニアトラップ8内には、充填材8aとして、オガクズや籾殻などのバイオマスにリン酸を添加したものが充填されている。
【0014】
前記アンモニアトラップ8の出口側に、連通管9を介して第2のドレイントラップ10の入口側が接続され、該第2のドレイントラップ10の出口側に通気管11を介して吸引ファン12の吸引側が接続されている。そして、吸引ファン12により第2のドレイントラップ10の排出側から残った気体が外部に排出される。前記第1ドレイントラップ6及び第2のドレイントラップ10で回収されたドレインは、発酵後半のやや過乾燥となった堆肥材料3の表層に散布して循環利用される。また、前記アンモニアトラップ8において充填材8aに回収されたアンモニアは、充填材8aと共に固形肥料としてそのまま利用される。
【0015】
ここで、従来周知の脱臭槽に充填される充填材について説明する。
充填材は、▲1▼オガクズや籾殻などのバイオマス、▲2▼脱臭のための微生物を添加したロックウールや椰子ガラ、木質系チップ、▲3▼硫酸やリン酸のシャワリング、スクラバーなど、が多く採用されている。▲1▼に関しては安価に入手可能であるが、脱臭効果が長く続かないこと、▲2▼に関しては高価であり(特にロックウール反応槽)、また微生物を使うため、そのハンドリングが複雑であること、▲3▼については脱臭後の廃液処理(硫酸の場合)や脱臭槽の構造が複雑で高価になること、などが問題となっている。
【0016】
そこで本発明では、▲1▼のオガクズや籾殻といったバイオマスにリン酸を添加した,従来使用されていない充填材を使用した。この充填材は、▲3▼と同様に酸塩基の化学反応でアンモニアを回収するためにハンドリングが容易であり、また、リン酸をスクラバー、またはシャワーとして循環させる必要がないため、脱臭槽(アンモニアトラップ8)の構造は非常にシンプルである。また、脱臭後のリン酸アンモニウム+未利用バイオマスは、化学肥料+土壌改良剤としての用途があるため、▲3▼の硫酸のような廃液処理の問題は生じない。また、微生物脱臭の場合には、処理対象のアンモニア濃度が高濃度になる場合や(一般に200ppm以上)高温になる場合(一般に40℃以上)、微生物の脱臭活動を阻害するため濃度や温度を上記以下にする必要性が指摘されているが、本発明では化学反応によるアンモニア回収であるため、高温、高濃度アンモニアによる脱臭能力の低下はない(図2のアンモニアの吸着能を比較したグラフ参照)。
【0017】
堆肥化施設2からの悪臭、アンモニア揮散が問題になった場合に、今まででは堆肥化施設2の移転や完全密閉化が必要であったが、本発明においては、既存の施設に対し大掛かりな改修をせずに吸引通気式堆肥化処理装置1を導入することが可能であり、本発明のメリットとして特筆できる。
【0018】
次に、上記のように構成された吸引通気式堆肥化処理装置1の動作について説明する。
図1に示す堆肥化施設2の吸引管4の上方に堆肥材料3を堆積した状態で吸引ファン12を駆動すると、吸引管4の吸気孔から吸引作用が働き、吸引通気5が堆肥材料3の表層から底部方向に吸引されて堆肥材料3内を通過し、吸引管4内に吸入される。堆肥材料3内が通気されることで、好気性微生物の働きが活発となり、堆肥材料3の堆肥化が促進される。吸引管4内には空気の吸引と共に、堆肥材料3の発酵によって発生するドレインやアンモニアガスが空気と混合して吸引される。
【0019】
吸引管4内に吸引された空気、ドレイン、アンモニアガスなどの混合物は、吸引管4から第1のドレイントラップ6にもたらされると、ここでドレインが回収され、次いでアンモニアトラップ8内においてアンモニアガスが充填材8aに吸収され、脱臭される。さらに、空気中に残っているドレインは、第2のドレイントラップ10において回収され、吸引ファン12の排出側から残ったきれいな気体(空気)が外部に排出される。第1ドレイントラップ6及び第2のドレイントラップ10において回収されたドレインは、発酵後半のやや過乾燥となった堆肥材料3の表層に散布して循環利用される。また、アンモニアトラップ8において充填材8aにほぼ飽和状態まで吸収され、回収されたアンモニアは、充填材8aと共に固形肥料としてそのまま使用される。
【0020】
図3は、通気方式別にアンモニアの発生状況を測定してグラフ化したものである。吸引通気式では、堆肥化に必要な適正通気量の範囲内(今回の試験では堆肥1m3当たり0.06m3/分)で、堆肥中のアンモニアが堆肥材料表面から揮発することを抑制できることが判明した。さらに、堆肥底部の吸引配管にアンモニアを収集できるため、その後のアンモニア回収が容易になることも判明した。
【0021】
図4は、堆肥材料底部への水分移動に伴う静圧及び通気量の変化を示すグラフである。吸引通気式では堆肥中の水分が底部方向に移動するため、静圧が経時的に大きくなる傾向にあった。堆肥の状態(圧密の程度や水分)や通気孔の形状にもよるが、吸引通気式の場合−1.8〜−4.8kPaの静圧となり、圧送通気式の必要静圧0.98〜2.45kPaより高い能力のファンが必要となる。このため、配管方法や吸引口の形状などを改良し、効率的な吸引通気式にする必要がある。
【0022】
図5は、吸引通気式堆肥化に伴うドレインの発生状況を示すグラフである。堆肥の水分はアンモニアと同時に吸引管内に移動し、ドレイン(堆肥からの褐色の廃液)の発生原因となる。ドレインを分析した結果、吸引配管内での結露水が主成分であった。そのため、高水分堆肥から発生するれき汁とは違い、粘性は水に近いものであった。圧送通気式の堆肥化施設であっても、脱臭系を備えた場合には配管内でドレインが発生するが、吸引通気式のドレインは圧送通気式の場合とほぼ同じものと思われる。何れの場合においてもドレイン処理は不可欠となるため、ドレインの発生量や処理、利用方法について検討を要する。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の悪臭の揮散を低減する堆肥化処理装置によれば、請求項に記載された手段及び構成を有することにより、以下の作用効果を奏することができる。
【0024】
▲1▼.堆肥化処理手段は、堆肥材料堆積層の底部から吸引して堆肥材料表層から堆肥材料底部方向に通気させ、吸引した気体及び液体をドレイントラップとアンモニアトラップを通してドレイン及びアンモニアを回収処理し、残った気体を吸引ファンにより外部に排出するので、堆肥材料に通気させることにより好気性微生物の働きによって堆肥化が促進される。また、微生物の呼吸に消費された後の空気を堆肥から直接吸引回収するため、搬送、脱臭される排気量は著しく減少することができる。
▲2▼.アンモニアトラップは、リン酸とバイオマスを用いてアンモニアを回収し、回収したアンモニアを固形状肥料として利用するので、充填材のコストが安い上、アンモニア肥料として有効利用でき、ハンドリングも良好で、取り扱い性を向上させることができる。
【0025】
▲3▼.堆肥化処理装置は、堆肥材料堆積層の底部に配設される吸引管と、該吸引管の吸引側端部に入口側が接続され、出口側にアンモニアトラップの入口側が接続される第1のドレイントラップと、該アンモニアトラップの出口側に入口側が接続され、出口側に吸引ファンの吸引側が接続される第2のドレイントラップと、該第2のドレイントラップの排出側から残った気体を外部に排出する吸引ファンと、を備えたので、簡単な構成でありながら堆肥材料を効率よく堆肥化する。また、吸引されるドレインとアンモニアを回収し、アンモニアは固形肥料としてそのまま利用することができる。さらに、臭気が外部に漏れることがなく、堆肥化施設の移転や完全密閉化が必要がなく、また、既存の施設に対し大掛かりな改修をせずに導入することが可能である。
▲4▼.アンモニアトラップは、オガクズや籾殻などのバイオマスにリン酸を添加したものを充填材として使用し、アンモニアを回収した充填材を固形状肥料として利用するので、充填材は安価である上、アンモニア回収後に固形状肥料としてそのまま利用可能である。また、回収されたドレインは、発酵後半のやや過乾燥となった堆肥の表層に散布して循環利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による吸引通気式堆肥化処理装置の概略側面図である。
【図2】アンモニアの吸着能を比較したグラフである。
【図3】通気方式別アンモニアの発生状況を示すグラフである。
【図4】堆肥材料底部への水分移動に伴う静圧及び通気量の変化を示すグラフである。
【図5】吸引通気式堆肥化に伴うドレインの発生状況を示すグラフである。
【符号の説明】
1 吸引通気式堆肥化処理装置
2 堆肥化施設
3 堆肥材料
4 吸引管
5 吸引通気
6 第1のドレイントラップ
7,11 通気管
8 アンモニアトラップ 8a 充填材
9 連通管
10 第2のドレイントラップ
12 吸引ファン
Claims (4)
- 畜糞や汚泥などの堆肥材料を堆積し、その堆肥材料堆積層に通気して堆肥化を促進する堆肥化処理手段であって、
前記堆肥化処理手段は、堆肥材料堆積層の底部から吸引して堆肥材料表層から堆肥材料底部方向に通気させ、吸引した気体及び液体をドレイントラップとアンモニアトラップを通してドレイン及びアンモニアを回収処理し、残った気体を吸引ファンにより外部に排出することを特徴とする悪臭の揮散を低減する堆肥化処理方法。 - 前記アンモニアトラップは、リン酸とバイオマスを用いてアンモニアを回収し、回収したアンモニアを固形状肥料として利用することを特徴とする請求項1記載の悪臭の揮散を低減する堆肥化処理方法。
- 畜糞や汚泥などの堆肥材料を堆積し、その堆肥材料堆積層に通気して堆肥化を促進する堆肥化処理装置であって、
前記堆肥化処理装置は、堆肥材料堆積層の底部に配設される吸引管と、該吸引管の吸引側端部に入口側が接続され、出口側にアンモニアトラップの入口側が接続される第1のドレイントラップと、該アンモニアトラップの出口側に入口側が接続され、出口側に吸引ファンの吸引側が接続される第2のドレイントラップと、該第2のドレイントラップの排出側から残った気体を外部に排出する吸引ファンと、を備えたことを特徴とする悪臭の揮散を低減する堆肥化処理装置。 - 前記アンモニアトラップは、オガクズや籾殻などのバイオマスにリン酸を添加したものを充填材として充填し、アンモニアを回収した充填材を固形状肥料として利用することを特徴とする請求項3記載の悪臭の揮散を低減する堆肥化処理装置。
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JP2006089362A (ja) * | 2004-08-23 | 2006-04-06 | Shinya Watabe | 堆肥中の悪臭成分の回収利用方法及び装置 |
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2003
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