JP2001017612A - シンボル可変表示遊技機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遊技者がリールのようなシンボル可変表示器
に視線を向けたままで抽選当たりの告知を認識できるよ
うにする。 【解決手段】 複数個のシンボルを移動表示させること
が可能な３個のリール８ａ，８ｂ，８ｃを有するもの
で、内部抽選処理により抽選が当たると、抽選に当たっ
たシンボルを入賞ライン上へ引き込んで停止させるため
の引込停止制御が実行される。制御装置は、抽選が当た
ったとき、各リール８ａ，８ｂ，８ｃに対し、シンボル
の移動表示の加速度が段階的に変わる停止制御を実行さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えばスロットマシ
ンのように、複数個のシンボルを移動表示させることが
可能な複数のシンボル可変表示器を備えたシンボル可変
表示遊技機に関し、特に、この発明は、機械内部で抽選
処理を実行し、抽選が当たったとき、入賞に関わるシン
ボルを入賞ライン上へ引き込んで停止させるための引込
停止制御を前記シンボル可変表示器に実行させるように
したシンボル可変表示遊技機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の典型的なスロットマシンは、機体
の内部に、外周面に複数個のシンボルが表された３個の
リールが組み込まれて成る。各リールは、外周面が前面
のシンボル表示窓に臨ませてあり、各リールが回転した
とき、シンボル表示窓に複数のシンボルが移動して表示
される。リール毎に停止釦スイッチが設けられており、
メダルの投入および始動レバーの操作により３個のリー
ルが一斉に始動した後、停止釦スイッチが押操作される
毎に、対応するリールが順次停止する。

【０００３】全てのリールが停止したとき、入賞ライン
上に、所定のシンボルの組み合わせが成立すると、その
ゲームは入賞となり、入賞の種類に応じて、予め決めら
れた枚数のメダルがそのゲームの配当として払い出され
る。入賞ライン上に、特定のシンボルの組み合わせが成
立すると、そのゲームは特別入賞となり、遊技者へ付与
される特典として、ボーナスゲームを実施する機会が与
えられる。近年の機種では、ボーナスゲームとして、
「レギュラーボーナス」と称されるボーナスゲームと、
この「レギュラーボーナス」が最大で３回、実施可能な
「ビッグボーナス」と称されるボーナスゲームとが用意
されており、遊技者は、これらのボーナスゲームを実施
することで、多量のメダルが獲得できる。

【０００４】従来のスロットマシンでは、始動レバーの
操作があると、機械内部で抽選処理が実行される。抽選
が当たると、遊技者による停止操作があったとき、抽選
結果に応じて、入賞ライン上に、抽選当たりのシンボル
を引き込んでリールを強制的に停止させる、いわゆる引
込停止制御が実行される。一般に、引込停止制御では、
抽選当たりがあったときは、入賞ライン上に、抽選当た
りのシンボルが停止するようにリールの停止動作が制御
され、一方、抽選当たりがなかったときは、入賞に関わ
るシンボルが入賞ライン上に停止しないようにリールの
停止動作が制御される。

【０００５】前記引込停止制御について、遊技者による
停止操作からリールの停止に至る時間長さの制限値（以
下、「引込制限時間」という。）が法律で定められてお
り、遊技者による停止操作があった後、前記引込制限時
間内であれば、リールを滑らせることができる。現在、
引込制限時間は１９０ミリ秒と定められており、現行の
機種では、停止操作後、シンボルを４駒分滑らせて停止
させることが可能であるとされている。

【０００６】図９には、上記引込停止制御における停止
操作後の時間経過と速度との関係が示してある。同図に
おいて、Ｔ₀は停止操作があった時点を示し、この停止
操作が行われた時点で、引込対象のシンボルが入賞ライ
ン上に位置するときは、速度Ｖで回転中のリールを即時
停止させる。引込対象のシンボルが入賞ラインの１駒手
前に位置するときは、１駒分移動した時点Ｔ₁でリール
を停止させる。２駒手前に位置していれば、２駒分移動
した時点Ｔ₂で、３駒手前に位置していれば、３駒分移
動した時点Ｔ₃で、４駒手前に位置していれば、４駒分
移動した時点Ｔ₄で、それぞれリールを停止させる。

【０００７】抽選当たりのうち、特別入賞に関わる抽選
当たり（以下、「特別抽選当たり」という。）のとき
は、特別入賞が成立するまで、特別抽選当たりの状態が
以後のゲームまで持ち越される。特別入賞以外の入賞に
関わる抽選当たり（以下、「小役抽選当たり」とい
う。）のときは、そのゲーム限りであり、小役抽選当た
りの状態は以後のゲームに持ち越されない。

【０００８】最近の機種では、特別抽選当たりがあった
とき、「リーチ目」と称される特定のシンボルの組み合
わせパターンが出現するよう各リールの停止動作を制御
して、特別抽選当たりがあったことを遊技者へ暗に知ら
せている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな報知方式では、遊技者は、リーチ目を構成する多数
のシンボルの組み合わせパターンを記憶する必要があ
る。特に初心者の場合、仮に「リーチ目」と称されるシ
ンボルの組み合わせパターンが出現しても、これを見過
ごす可能性が大きい。

【００１０】特別抽選当たりがあったことを、より直接
的に遊技者に告知するために、特別抽選当たりがあった
とき、ランプを点灯させたり、可変表示器により「レギ
ュラーボーナス」か「ビッグボーナス」かの種別を表示
したりする機種もある。

【００１１】ところが、前記ランプや可変表示器は、リ
ールの位置と異なる位置に配置されており、これに対し
て、遊技者は、常時、リールの方向へ視線を向けている
ため、ランプや可変表示器による告知動作を見過ごすお
それがある。もし、遊技者がランプや可変表示器に常時
注意を向けるようにすると、リールの停止操作に対する
注意力が散漫となり、ゲームに対する集中力が低下する
という問題がある。

【００１２】この発明は、上記問題に着目してなされた
もので、遊技者がリールのようなシンボル可変表示器に
視線を向けたままで抽選当たりの告知を認識できるよう
構成することにより、抽選当たりの告知を遊技者が見過
ごすことがなく、ゲームに対する遊技者の集中力も低下
させないシンボル可変表示遊技機を提供することを目的
とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】この発明は、複数個のシ
ンボルを移動表示させることが可能な複数のシンボル可
変表示器と、入賞に関わるシンボルを入賞ライン上へ引
き込んで停止させるための引込停止制御を前記シンボル
可変表示器に実行させるかどうかの抽選処理を実行する
抽選手段と、前記抽選手段による抽選処理結果に基づい
てシンボル可変表示器の停止制御を実行する制御装置と
を備えたシンボル可変表示遊技機において、前記制御装
置は、前記抽選手段による抽選処理により抽選が当たっ
たとき、少なくともひとつのシンボル可変表示器に対
し、シンボルの移動表示の加速度が段階的に変わる停止
制御を実行させるようにしている。

【００１４】請求項２の発明では、前記制御装置は、前
記抽選手段による抽選処理により抽選が外れたときも、
少なくともひとつのシンボル可変表示器に対し、シンボ
ルの移動表示の加速度が段階的に変わる停止制御を一定
の頻度で実行させるようにしている。

【００１５】請求項３の発明では、前記制御装置は、前
記抽選手段による抽選処理により抽選が当たったとき、
全てのシンボル可変表示器に対し、シンボルの移動表示
の加速度が段階的に変わる停止制御を実行させるように
している。

【００１６】請求項４の発明では、前記制御装置は、前
記抽選手段による抽選処理により抽選が当たったとき、
一部の特定のシンボル可変表示器に対し、シンボルの移
動表示の加速度が段階的に変わる停止制御を実行させる
ようにしている。

【００１７】請求項５の発明では、前記制御装置は、遊
技者による停止操作に応じて停止制御を実行するもので
あって、前記停止操作後の所定の制限時間内に停止制御
を終了させるようにしている。

【００１８】

【作用】抽選処理により抽選当たりが当たったとき、シ
ンボル可変表示器の停止動作時、シンボルの移動表示の
加速度が段階的に変わるので、この加速度の変化が停止
に至るまでのシンボルの移動表示に反映される。

【００１９】請求項２のシンボル可変表示遊技機では、
抽選処理により抽選が外れたときも、シンボルの移動表
示の加速度が段階的に変わる停止制御が一定の頻度で実
行されるので、遊技者に対し抽選が当たったのではない
かと感じさせる頻度が増す。

【００２０】請求項３のシンボル可変表示遊技機では、
抽選処理により抽選が当たったとき、全てのシンボル可
変表示器について、シンボルの移動表示の加速度が段階
的に変わるので、遊技者に対し抽選が当たったことを認
識させる機会が多くなる。

【００２１】請求項４のシンボル可変表示遊技機では、
抽選処理により抽選が当たったとき、一部の特定のシン
ボル可変表示器について、シンボルの移動表示の加速度
が段階的に変わるので、抽選が当たったかどうかを知る
ために、遊技者は特定のシンボル可変表示器の停止動作
に注意を傾ける。

【００２２】請求項５のシンボル可変表示遊技機では、
遊技者による停止操作があると、シンボルの移動表示の
加速度が段階的に変わりつつ、所定の制限時間内にシン
ボルの移動表示が停止する。

【００２３】

【実施例】図１は、この発明の一実施例であるスロット
マシンの外観を示す。図示例のスロットマシンは、ボッ
クス形状の本体部２の前面開口に扉部３を開閉可能に取
り付けて機体１が構成される。本体部２の中空内部に
は、図２に示すように、上段位置にリールブロック４や
制御装置が実装された回路基板５が、下段位置に多数枚
のメダルを収容するホッパー６ａを有するメダル払出機
６が、それぞれ組み込まれる。なお、図２の３０は、前
記回路基板５などへ電源を供給するための電源装置であ
る。３１は、メダル払出機６のホッパー６ａより溢れ出
たメダルを回収するためのメダル回収箱である。

【００２４】前記リールブロック４は、金属フレーム７
に３個のリール８ａ，８ｂ，８ｃが一体に組み付けられ
て成る。各リール８ａ，８ｂ，８ｃは、リール枠の外周
面に帯状テープを貼設して成る。帯状テープには、特別
入賞を成立させる特別入賞シンボル、その他の入賞を成
立させる小役入賞シンボル、入賞に関わらないシンボル
など、複数のシンボルが印刷されている。このリールブ
ロック４には、各リール８ａ，８ｂ，８ｃを個別に回転
駆動するステッピングモータ９ａ，９ｂ，９ｃが組み付
けてある。各リール８ａ，８ｂ，８ｃと各リールに対応
する、ステッピングモータ９ａ，９ｂ，９ｃとは、複数
のシンボルを移動表示させるためのシンボル可変表示器
を構成するが、シンボル可変表示器はこれに限らず、ベ
ルト状のものを用いたものであってもよく、また、液晶
のような画像表示手段であってもよい。

【００２５】各ステッピングモータ９ａ，９ｂ，９ｃは
駆動パルスにより駆動されるもので、供給される駆動パ
ルスの単位時間当たりのパルス数に相当する回転速度で
回転する。各ステッピングモータ９ａ，９ｂ，９ｃの回
転速度や回転加速度は駆動パルスの数や周期に応じて変
化し、これに従って、各リール８ａ，８ｂ，８ｃのシン
ボルの移動速度や加速度が変化する。

【００２６】前記扉部３の前面は、各リール８ａ，８
ｂ，８ｃのシンボルを移動表示するためのシンボル表示
窓２０ａ，２０ｂ，２０ｃを有する正面パネル１１と、
機種名やゲーム情報を表示するための上部パネル１２お
よび下部パネル１３とで構成される。各パネル１１，１
２，１３は、透明な合成樹脂板または強化ガラスの表面
に、シルクスクリーン印刷を施して形成される。

【００２７】正面パネル１１の下方には、始動レバー１
４，３個の停止釦スイッチ１５ａ，１５ｂ，１５ｃ、お
よびメダル投入口１６が、また下部パネル１３の下方に
は、メダル放出口１７やメダル受け皿１８が、それぞれ
配備される。メダル投入口１６はメダルの投入を受け付
ける部分である。始動レバー１４は３個のリール８ａ，
８ｂ，８ｃを一斉に始動させるためのものである。３個
の停止釦スイッチ１５ａ，１５ｂ，１５ｃは対応するリ
ール８ａ，８ｂ，８ｃを個別に停止させるためのもので
ある。

【００２８】正面パネル１１の板面中央には、図３に示
すように、カラー印刷層で囲まれた無着色で透明のシン
ボル表示窓２０ａ，２０ｂ，２０ｃが３個、横一列に並
設してある。各シンボル表示窓２０ａ，２０ｂ，２０ｃ
の背後位置には、前記リールブロック４の各リール８
ａ，８ｂ，８ｃが、外周面をシンボル表示窓２０ａ，２
０ｂ，２０ｃに向けて配置される。各シンボル表示窓２
０ａ，２０ｂ，２０ｃは、横方向の長さが、各リール８
ａ，８ｂ，８ｃが見えるように、また、縦方向の長さ
が、リール停止時に、３駒分のシンボルＳが見えるよう
に、それぞれ縦に長い矩形状に形成されている。

【００２９】正面パネル１１の表面には、シンボル表示
窓２０ａ，２０ｂ，２０ｃより見える各リール８ａ，８
ｂ，８ｃの３駒分のシンボルを横方向に結ぶ上下に３本
の水平な入賞ラインＬ１〜Ｌ３と、各リール８ａ，８
ｂ，８ｃの３駒分のシンボルを対角方向に結ぶ右下がり
および左下がりの２本の斜めの入賞ラインＬ４，Ｌ５と
が表されている。リール停止時、これら５本の入賞ライ
ンＬ１〜Ｌ５上に各リール８ａ，８ｂ，８ｃのシンボル
が整列する。

【００３０】このスロットマシンでは、複数枚のメダル
を予めメダル投入口１６より投入して機械に貯留してお
き、この貯留メダルを使ってゲームを行うという、いわ
ゆるクレジットのゲーム方式でのゲームが実施できる。
そのために、前記扉部３の前面には、機械に貯留された
メダルの枚数をデジタル表示する貯留枚数表示器３２、
１ゲームに対する貯留メダルの使用枚数を選択してゲー
ムを開始させる３種類のベット釦スイッチ３３，３４，
３５、および貯留メダルの精算を指示するための精算ス
イッチ３６が設けてある。

【００３１】前記入賞ラインＬ１〜Ｌ５は、メダル投入
口１６へ１枚のメダルが投入されるか、第１のベット釦
スイッチ３３が操作されると、中央の水平な入賞ライン
Ｌ１が有効化される。２枚のメダルが投入されるか、第
２のベット釦スイッチ３４が操作されると、３本の水平
な入賞ラインＬ１〜Ｌ３が有効化される。３枚のメダル
が投入されるか、第３のベット釦スイッチ３５が操作さ
れると、５本全ての入賞ラインＬ１〜Ｌ５が有効化され
る。なお、図中、１９は正面パネル１１の内側に配設さ
れた照明用の蛍光灯およびランプである。

【００３２】この実施例では、ゲーム毎に１〜３枚のメ
ダルを投入してゲームを行う従来のゲーム方式と、貯留
メダルを使用してゲームを行うクレジットのゲーム方式
とを遊戯者が選択できるようになっている。そのため
に、いずれかのゲーム方式を選択するための切換スイッ
チ３７が設けてある。

【００３３】このスロットマシンでは、メダル投入口１
６へのメダルの投入またはベット釦スイッチ３３，３
４，３５の操作で入賞ラインを有効化させた後、始動レ
バー１４を操作すると、機械内部で入賞抽選処理が行わ
れる。その後、停止釦スイッチ１５ａ，１５ｂ，１５ｃ
が押操作されたとき、小役抽選当たりであれば、有効化
された入賞ライン上に小役入賞シンボルが停止するよ
う、各リール８ａ，８ｂ，８ｃの停止動作が制御され
る。特別抽選当たりであれば、有効化された入賞ライン
上に特別入賞シンボルが停止するよう、各リール８ａ，
８ｂ，８ｃの停止動作が制御される。

【００３４】前記抽選処理は、乱数発生器が発生する乱
数をサンプリングして、そのサンプリングされた乱数値
が所定の範囲内の値であるかどうかを判断することによ
り、特別入賞シンボルや小役入賞シンボルについての抽
選当たりであるかどうかを決定する。なお、この種の抽
選処理は公知であり、ここでは詳細な説明は省略する。

【００３５】このスロットマシンでは、入賞抽選処理に
よる抽選結果を遊技者に告知するために、特別抽選当た
りがあったときと、特別抽選当たりがなかったときとで
は、異なる態様でリールを停止動作させ、これにより特
別抽選当たりの発生を遊技者へ告知している。

【００３６】具体的には、特別抽選当たりがあったと
き、３個のリール８ａ，８ｂ，８ｃに対し、シンボルの
移動表示の加速度が段階的に変わる停止制御を実行させ
ることにより、特別抽選当たりの発生を遊技者へ告知し
ている。

【００３７】より具体的には、この実施例では、特別抽
選当たりがあった場合において、引込停止制御により特
別入賞シンボルを入賞ライン上に引き込めるタイミング
で遊技者が停止操作を行ったときは、特別入賞シンボル
が入賞ライン上に達した時点でそのリールを即時停止さ
せ、一方、引込停止制御により特別入賞シンボルを入賞
ライン上に引き込めるタイミングで遊技者が停止操作を
行うことができなかったときは、引込停止制御のための
引込制御時間の間に、シンボルの移動表示の加速度が段
階的に変わるような停止制御を実行させている。なお、
この停止制御は、必ずしも引込制限時間の全てを使って
行う必要はなく、引込制限時間より短い時間で行っても
よい。

【００３８】また、内部抽選処理により抽選が外れた場
合は、特別入賞シンボルが入賞ライン上に停止するタイ
ミングで遊技者による停止操作が行われたときは、特別
入賞シンボルが入賞ラインから外れた時点でそのリール
を即時停止させ、一方、特別入賞シンボルが入賞ライン
上に停止しないタイミングで遊技者による停止操作が行
われたときは、遊技者による停止操作のタイミングでそ
のリールを即時停止させている。

【００３９】さらにまた、この実施例では、内部抽選処
理により抽選が外れた場合であっても、引込制限時間の
間に、シンボルの移動表示の加速度が段階的に変わる停
止制御を一定に頻度で実行するようにしている。

【００４０】なお、上記したリールの停止制御は、この
実施例のように、全てのリール８ａ，８ｂ，８ｃを対象
としてもよいが、例えば、左端に位置する特定のリール
８ａのみを対象としたり、最初に停止する任意の１個の
リール、最後に停止する任意の１個のリール、最初と２
番目に停止する任意の２個のリールというように、一部
の特定のリールを対象としてもよい。また、この実施例
では、特別抽選当たりがあったとき、加速度が段階的に
変わる停止制御を実行しているが、小役抽選当たりがあ
ったときも、同様の停止制御を実行してもよい。この場
合、特別抽選当たりのときと小役抽選当たりのときとで
は、停止制御の態様を変えるとよい。

【００４１】図４は、入賞抽選処理により特別抽選当た
りがあったときのリールの停止動作を示している。同図
において、破線は引込停止制御により特別入賞シンボル
を入賞ライン上に引き込めるタイミングで遊技者が停止
操作を行ったときのリールの停止動作を示す。また、実
線は、引込停止制御により特別入賞シンボルを入賞ライ
ン上に引き込めるタイミングで遊技者が停止操作を行う
ことができなかったときのリールの停止動作を示す。遊
技者による停止操作があった時点Ｔ₀で、引込対象の特
別入賞シンボルが入賞ライン上に位置するときは、符号
Ａで示すように、速度Ｖで回転中のリールを即時停止さ
せる。入賞ラインの１駒手前に特別入賞シンボルが位置
するときは、符号Ｂで示すように、１駒分移動した時点
Ｔ₁で、２駒手前に位置するときは、符号Ｃで示すよう
に、２駒分移動した時点Ｔ₂で、３駒手前に位置すると
きは、符号Ｄで示すように、３駒分移動した時点Ｔ
₃で、４駒手前に位置するときは、符号Ｅで示すよう
に、４駒分移動した時点Ｔ₄で、それぞれリールを即時
停止させる。

【００４２】遊技者による停止操作があった時点Ｔ
₀で、引込対象の特別入賞シンボルが入賞ラインに対し
て４駒以内に存在していない場合は、符号Ｆで示すよう
に、まず、ある加速度ａ１（ただしａ１＜０）でリール
を減速させ、所定の時間経過後に、他の加速度ａ２（た
だしａ１＜ａ２＜０）に切り換えてリールを減速させ、
引込制限時間の１９０ミリ秒をかけてリールを停止させ
る。

【００４３】なお、この実施例では、シンボルの移動表
示の加速度が２段階にわたって変わる停止制御を実行し
ているが、図５に示すように、３段階にわたって変わる
停止制御や３段階以上にわたって変わる停止制御を実行
するようにしてもよい。図５に示す例では、第１段階〜
第３段階の各加速度ａ１，ａ２，ａ３は異なっており、
しかも、第２段階ではリールの速度が増す方向の正の加
速度ａ２に設定している。

【００４４】また、この実施例では、引込停止制御によ
り特別入賞シンボルを入賞ライン上に引き込めるタイミ
ングで遊技者が停止操作を行ったときは、図６に一点鎖
線で示すように、特別入賞シンボルが入賞ライン上に達
した時点Ｔ₃でリールを即時停止させているが、遊技者
による停止操作があった時点Ｔ₀で、まず、ある加速度
ａ１（ただしａ１＜０）でリールを減速させ、所定の時
間経過後に、他の加速度ａ２（ただしａ１＜ａ２＜０）
に切り換えてリールを減速させ、特別入賞シンボルが入
賞ライン上に達した時点Ｔ₃でリールを停止させるよう
にしてもよい。

【００４５】図７は、上記したスロットマシンの電気的
な構成を示す。同図中、４０はマイクロコンピュータよ
り成る制御装置であり、制御、演算の主体であるＣＰＵ
４１、プログラムや固定データが格納されるＲＯＭ４
２、データの読み書きに用いられるＲＡＭ４３の他に、
乱数発生器４５を含む。

【００４６】前記ＣＰＵ４１には、バス４９を介して、
各リール８ａ，８ｂ，８ｃのリール駆動部４７ａ，４７
ｂ，４７ｃ、メダル払出機６、貯留枚数表示器３２など
の出力各部や、メダル検知センサ４６、始動レバー１
４、３種類のベット釦スイッチ３３，３４，３５、３個
の停止釦スイッチ１５ａ，１５ｂ，１５ｃ、精算スイッ
チ３６、切換スイッチ３７などの入力各部が接続されて
いる。前記ＣＰＵ４１は、ＲＯＭ４２に格納されたプロ
グラムに従ってＲＡＭ４３に対するデータの読み書きを
行いつつ、前記入出力各部の動作を一連に制御する他、
前記乱数発生器４５が発生した乱数値をサンプリングし
て各種の抽選処理を実行する。

【００４７】前記リール駆動部４７ａ，４７ｂ，４７ｃ
は、各リール８ａ，８ｂ，８ｃの駆動源であるステッピ
ングモータ９ａ，９ｂ，９ｃに駆動パルスを供給して、
所定の回転速度や回転加速度で各ステッピングモータ９
ａ，９ｂ，９ｃを駆動したり駆動を停止したりする。メ
ダル払出機６は、精算スイッチ３６が操作されたときな
どに駆動し、貯留枚数表示器３２に表示された枚数のメ
ダルをメダル放出口１７よりメダル受け皿１８へ払い戻
す。メダル検知センサ４６は、メダル投入口１６に投入
されたメダルを検知してメダル検知信号を出力する。

【００４８】図８は、前記制御装置４０による制御の流
れを示す。なお図中、ＳＴは、一連の制御の流れにおけ
る各ステップを意味する。同図のＳＴ１では、ＣＰＵ４
１は、遊技者によるゲーム開始操作に待機している。遊
技者がメダル投入口１６へのメダルの投入するか、いず
れかのベット釦スイッチ３３，３４，３５を押操作した
後、始動レバー１４を操作すると、ＳＴ１の判定が「Ｙ
ＥＳ」であり、つぎのＳＴ２で、特別抽選当たりがあっ
たことを示す大当たりフラグＦが１にセットされている
かどうかがＣＰＵ４１によりチェックされる。この場
合、ＳＴ２の判定は「ＮＯ」であるから、ＳＴ３へ進
み、ＣＰＵ４１は乱数発生器４５が発生した乱数値をサ
ンプリングすることにより特別入賞や小役入賞を発生さ
せるかどうかの入賞抽選処理を実行する。この抽選処理
で特別抽選当たりがあると、ＳＴ４の判定は「ＹＥＳ」
であり、ＣＰＵ４１は所定のフラグエリアに、前記大当
たりフラグＦと、加速度が段階的に変わる停止制御を実
行するかどうかを表す告知フラグＦＨとを１にセットす
る（ＳＴ５）。

【００４９】特別抽選当たりでないときは、ＳＴ４の判
定が「ＮＯ」であり、加速度が段階的に変わる停止制御
を実行するかどうかの停止動作抽選処理が実行される
（ＳＴ６）。この停止動作抽選処理により抽選が当たる
と、ＳＴ７の判定は「ＹＥＳ」であり、前記告知フラグ
ＦＨが１にセットされる（ＳＴ８）。ＳＴ７の判定が
「ＮＯ」のときは、ＳＴ８はスキップされる。

【００５０】つぎのＳＴ９では、ＣＰＵ４１は３個のリ
ール８ａ，８ｂ，８ｃを一斉に回転させ、遊技者による
停止釦スイッチ１５ａ，１５ｂ，１５ｃの操作に待機す
る（ＳＴ１０）。３個のリール８ａ，８ｂ，８ｃが回転
している状態において、遊技者が、いずれかの停止釦ス
イッチ１５ａ，１５ｂ，１５ｃを押操作すると、ＳＴ１
０の判定は「ＹＥＳ」であり、つぎのＳＴ１１で、ＣＰ
Ｕ４１は大当たりフラグＦが１にセットされているかど
うかを判定する。大当たりフラグＦが１にセットされて
いれば、つぎのＳＴ１２で、ＣＰＵ４１は引込制限時間
内に特別入賞シンボルを入賞ライン上に引き込むことが
可能なタイミングで停止操作が行われたかどうかを判定
する。ＳＴ１２の判定が「ＹＥＳ」であれば、ＣＰＵ４
１は、特別入賞シンボルが入賞ライン上に達した時点で
該当するリールを即時停止させる（ＳＴ１３）。

【００５１】もし、引込制限時間内に特別入賞シンボル
を入賞ライン上に引き込むことが可能なタイミングで停
止操作が行われなかったときは、ＳＴ１２の判定は「Ｎ
Ｏ」であり、ＣＰＵ４１は、シンボルの移動の加速度が
段階的に変わる停止制御を実行させることにより、遊技
者に特別抽選当たりを告知しつつ該当するリールを停止
させる（ＳＴ１４）。

【００５２】前記ＳＴ１１において、大当たりフラグＦ
が１にセットされていないと判定されたときは、ＳＴ１
５へ進み、ＣＰＵ４１は告知フラグＦＨが１にセットさ
れているかどうかを判定する。もし、告知フラグＦＨが
１にセットされていれば、ＳＴ１５の判定は「ＹＥＳ」
であり、ＳＴ１４へ進み、ＣＰＵ４１は、シンボルの移
動の加速度が段階的に変わる停止制御を実行させること
により、遊技者に特別抽選当たりの疑似告知を行いつつ
該当するリールを停止させる（ＳＴ１４）。

【００５３】ＳＴ１５の判定において、もし、告知フラ
グＦＨが１にセットされていなければ、ＳＴ１５の判定
は「ＮＯ」であり、ＳＴ１６へ進み、ＣＰＵ４１は、特
別入賞シンボルが入賞ライン上に停止するタイミングで
遊技者による停止操作が行われたときは、特別入賞シン
ボルが入賞ラインから外れた時点でそのリールを即時停
止させ、一方、特別入賞シンボルが入賞ライン上に停止
しないタイミングで遊技者による停止操作が行われたと
きは、遊技者による停止操作のタイミングでそのリール
を即時停止させる。

【００５４】同様の停止操作が繰り返し行われて、全て
のリール８ａ，８ｂ，８ｃが停止すると、ＳＴ１７の判
定が「ＹＥＳ」となり、ＳＴ１８において、ＣＰＵ４１
は、有効化された入賞ライン上に特別入賞シンボルや小
役入賞シンボルの組み合わせが成立したかどうかを判定
する。

【００５５】もし、特別入賞が成立していれば、ＳＴ１
９の判定が「ＹＥＳ」であり、ＣＰＵ４１は、遊技者に
対して特別入賞の成立に応じたメダル枚数の配当を行
い、前記大当たりフラグＦおよび告知フラグＦＨをリセ
ットした後、ボーナスゲームへ移行する。入賞判定の結
果、小役入賞が成立しているか、または、入賞が成立し
ていない場合は、ＳＴ１９の判定は「ＮＯ」となり、つ
ぎのＳＴ２１で、ＣＰＵ４１は大当たりフラグＦが１に
セットされているかどうかを判定する。その判定が「Ｙ
ＥＳ」であれば、小役入賞処理または外れ処理が行われ
た後、大当たりフラグＦおよび告知フラグＦＨが１にセ
ットされた状態のまま次のゲームへ移行する。

【００５６】もし、大当たりフラグＦが１にセットされ
ていなければ、ＳＴ２１の判定は「ＮＯ」であり、つぎ
のＳＴ２２で、ＣＰＵ４１は告知フラグＦＨが１にセッ
トされているかどうかを判定する。ＳＴ２１の判定が
「ＹＥＳ」であれば、ＳＴ２３へ進み、ＣＰＵ４１は告
知フラグＦＨをリセットした後、小役入賞処理または外
れ処理を行う。ＳＴ２２の判定が「ＮＯ」であれば、Ｓ
Ｔ２３はスキップされる。

【００５７】なお、この発明は上記したスロットマシン
に限らず、リールなどのシンボル可変表示器が組み込ま
れたパチンコ遊技機、特に、遊技者の停止操作によらず
に自動停止するシンボル可変表示器を有するパチンコ遊
技機にも適用できる。

【００５８】

【発明の効果】この発明は上記の如く、抽選手段による
抽選処理により抽選が当たったとき、少なくともひとつ
のシンボル可変表示器に対し、シンボルの移動表示の加
速度が段階的に変わる停止制御を実行させるようにした
から、加速度の段階的な変化がシンボルの移動表示に反
映されるため、遊技者は、シンボル可変表示器に視線を
向けたままで抽選当たりの告知を認識でき、ゲームに対
する集中力を維持することができる。

【００５９】請求項２の発明では、抽選手段による抽選
処理により抽選が外れたときも、少なくともひとつのシ
ンボル可変表示器に対し、シンボルの移動表示の加速度
が段階的に変わる停止制御を一定の頻度で実行させるよ
うにしたから、遊技者に対して抽選が当たったのではな
いかと感じさせる頻度を増すことができるとともに、抽
選が当たったかどうかについての期待感と不安感とを同
時に感じさせることができ、抽選結果の告知とゲームと
に対するスリルが増す。

【００６０】請求項３の発明では、抽選手段による抽選
処理により抽選が当たったとき、全てのシンボル可変表
示器に対し、シンボルの移動表示の加速度が段階的に変
わる停止制御を実行させるようにしたから、遊技者に対
して抽選が当たったことを認識させる機会が多くなる。
従って、１個のシンボル可変表示器で告知動作を見落と
しても、次ぎのシンボル可変表示器で告知動作を認識す
ることができたり、複数のシンボル可変表示器で告知動
作を繰り返し確認したりすることができる。

【００６１】請求項４の発明では、抽選手段による抽選
処理により抽選が当たったとき、一部の特定のシンボル
可変表示器に対し、シンボルの移動表示の加速度が段階
的に変わる停止制御を実行させるようにしたから、抽選
が当たったかどうかを知るために、遊技者は特定のシン
ボル可変表示器の動作に注意を傾ければよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例であるスロットマシンの外
観を示す斜視図である。

【図２】内部構造を示すスロットマシンの正面図であ
る。

【図３】正面パネルの構成を示す正面図である。

【図４】特別抽選当たりがあったときのリールの停止動
作を示す説明図である。

【図５】特別抽選当たりがあったときのリールの停止動
作の他の実施例を示す説明図である。

【図６】特別抽選当たりがあったときのリールの停止動
作の他の実施例を示す説明図である。

【図７】スロットマシンの電気的な構成を示すブロック
である。

【図８】制御装置による制御の流れを示すフローチャー
トである。

【図９】従来の引込停止制御における停止操作後の経過
時間と速度との関係を示す説明図である。

【符号の説明】

８ａ，８ｂ，８ｃ リール ４０ 制御装置 ４５ 乱数発生器

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数個のシンボルを移動表示させること
   が可能な複数のシンボル可変表示器と、入賞に関わるシ
   ンボルを入賞ライン上へ引き込んで停止させるための引
   込停止制御を前記シンボル可変表示器に実行させるかど
   うかの抽選処理を実行する抽選手段と、前記抽選手段に
   よる抽選処理結果に基づいてシンボル可変表示器の停止
   制御を実行する制御装置とを備えたシンボル可変表示遊
   技機において、 前記制御装置は、前記抽選手段による抽選処理により抽
   選が当たったとき、少なくともひとつのシンボル可変表
   示器に対し、シンボルの移動表示の加速度が段階的に変
   わる停止制御を実行させるようにしたシンボル可変表示
   遊技機。
2. 【請求項２】 前記制御装置は、前記抽選手段による抽
   選処理により抽選が外れたときも、少なくともひとつの
   シンボル可変表示器に対し、シンボルの移動表示の加速
   度が段階的に変わる停止制御を一定の頻度で実行させる
   ようにした請求項１に記載されたシンボル可変表示遊技
   機。
3. 【請求項３】 前記制御装置は、前記抽選手段による抽
   選処理により抽選が当たったとき、全てのシンボル可変
   表示器に対し、シンボルの移動表示の加速度が段階的に
   変わる停止制御を実行させるようにした請求項１または
   ２に記載されたシンボル可変表示遊技機。
4. 【請求項４】 前記制御装置は、前記抽選手段による抽
   選処理により抽選が当たったとき、一部の特定のシンボ
   ル可変表示器に対し、シンボルの移動表示の加速度が段
   階的に変わる停止制御を実行させるようにした請求項１
   または２に記載されたシンボル可変表示遊技機。
5. 【請求項５】 前記制御装置は、遊技者による停止操作
   に応じて停止制御を実行するものであって、前記停止操
   作後の所定の制限時間内に停止制御を終了させるように
   した請求項１〜４のいずれかに記載されたシンボル可変
   表示遊技機。