JP2001016983A - 植物の栽培装置 - Google Patents

植物の栽培装置

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JP2001016983A
JP2001016983A JP11196768A JP19676899A JP2001016983A JP 2001016983 A JP2001016983 A JP 2001016983A JP 11196768 A JP11196768 A JP 11196768A JP 19676899 A JP19676899 A JP 19676899A JP 2001016983 A JP2001016983 A JP 2001016983A
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water
cultivation
culture medium
sheet material
cultivation bed
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JP11196768A
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Jinichi Fujiya
仁一 冨士谷
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TOKUNO SHUBYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で、培地の水分率を均一にして、
栽培に理想的な状態に制御して植物の生育を良くする。 【解決手段】 植物の栽培装置は、吸水性と保水性とを
有する培地2を収納している栽培ベッド1の培地2に水
を供給して、培地2に植え付けている植物を生育させ
る。さらに、栽培装置は、栽培ベッド1の内面に沿っ
て、吸水性と保水性とを有するシート材4を延長して敷
設している。栽培装置は、培地2に供給される水をシー
ト材4を介して栽培ベッド2内で移行させて培地2の水
分率を均一にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物栽培に用いる
栽培装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、植物の溶液栽培に用いる栽培
装置には、例えば図1に示すものが知られている。この
栽培装置は、上方に向けて開放する断面略コ字状の栽培
ベッド1の内部に培地2を収容している。培地2の上方
には、給水部材3を配管している。この給水部材3は、
培地2に植えられた栽培植物に、肥料を含んだ水を与え
る。栽培ベッド1の底面には、開ロ1aを設けている。
培地2に供給された余剰な水分は、開ロ1a及び排水管
17を通じて栽培ベッド1の外部に排出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この図
に示す従来の栽培装置は、培地の水分率を理想的な状態
にするのが難しい。とくに、培地が多湿になりやすい傾
向がある。それは、給水部材から供給される余剰の水分
を、栽培ベッドから十分に排出するのが難しいからであ
る。培地が多湿になると、栽培する植物の根が腐った
り、その生育が著しく阻害されるという問題がある。培
地が多湿にならないように、給水部材からの給水量を少
なくすると、培地が過乾燥状態となって、植物により悪
い影響を与えることがある。また、培地の水はけを向上
させるために、開ロを大きくすると、培地が漏出する弊
害がある。このため、開口を大きくして、培地の水分を
理想的な状態に制御できない。
【0004】さらに、図1に示す栽培ベッドは、全体を
相当に長く連結する状態で設置されるが、設置するとき
に水平がずれると、低い部分の培地が多湿な状態とな
る。このため、設置するとき、水平を正確に調整して、
培地全体が均一な水分率となるようにする必要がある。
長い栽培ベッドの水平を正確に調整して設置するのは、
実際には極めて手間がかかる。それは、栽培ベッドを設
置する農地は、狭い範囲ではほぼ水平であっても、栽培
ベッドを設置する面積、たとえば、1000平方メート
ルもの範囲においては、ほとんどの地面が、正確には水
平ではないからである。水平でない地面は、支持してい
る脚の高さを微妙に調整して、栽培ベッドの水平調整を
する必要があり、設置に著しく手間がかかっているのが
実状である。
【0005】本発明者は、このような弊害を解消するた
めに図2と図3に示すような栽培装置を開発した(特許
第2886529号)。この栽培装置は、培地2を収納
している栽培ベッド1を貫通して、栽培ベッド1の内部
から外部に、複数の水分気化排出材6を所定の間隔で設
けている。水分気化排出材6は、可撓性と吸水性を有
し、一端を培地2に連結し、他端を栽培ベッド1の外部
に表出させている。この栽培装置は、培地2に供給され
た水を水分気化排出材6を介して栽培ベッド1の外部に
移行し、水分気化排出材6の表面から気化して除去す
る。さらに、余剰の水分は、水分気化排出材6から滴下
して除去する。この栽培装置は、水分気化排出材6でも
って培地2の水分を調整できるので、多量の水を補給し
て、自動的に培地2の水分率を植物の栽培に適した状態
に制御して植物の生育を良くできる特長がある。
【0006】しかしながら、栽培装置をこの構造として
も、極めて理想的な状態で培地の水分率を調整すること
ができない。それは、栽培ベッド1内の水分気化排出材
6の一端が配設される部分と、水分気化排出材6から離
れた部分とで、培地2の水分率にむらができるからであ
る。たとえば、図2と図3に示す栽培装置において、水
分気化排出材6に接近する部分は、水分が水分気化排出
材6を介して栽培ベッド1の外部にスムーズに移行され
て乾燥しやすくなる。また、培地2の表面付近も、表面
から水分が蒸発するので乾燥しやすくなる。これに対し
て、水分気化排出材6や培地2の表面から離れている部
分は、水分が除去され難く多湿な状態になりやすくな
る。
【0007】この栽培ベッドは、水分気化排出材の数を
増やして栽培ベッドの底にむらなく配設することで、培
地の水分率のむらを少なくできる。しかしながら、水分
気化排出材6の数を多くすると、栽培ベッドの底に水分
気化排出材6を配設するのに極めて手間がかかってしま
う。さらに、水分気化排出材6の数を多くすると、培地
の水分率のむらを少なくできるが、水分気化排出材6か
ら外部に移行される水分量が多くなり、全体として乾燥
傾向となってしまう。このため、必ずしも理想的な水分
状態とはならず、水分量の調整が極めて難しくなってし
まう。
【0008】本発明は、さらにこのような弊害を解消す
ることを目的に開発されたものである。本発明の大切な
目的は、極めて簡単な構造で、培地の水分率を均一にで
きると共に、栽培に理想的な状態に制御して、植物の生
育を良くできる栽培装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の植物の栽培装置
は、吸水性と保水性とを有する培地2を収納している栽
培ベッド1の培地2に水を供給して、培地2に植え付け
ている植物を生育させる。さらに、栽培装置は、栽培ベ
ッド1の内面に沿って、吸水性と保水性とを有するシー
ト材4を延長して敷設している。栽培装置は、培地2に
供給される水をシート材4を介して栽培ベッド2内で移
行させて培地2の水分率を均一にしている。
【0010】本発明の請求項2の植物の栽培装置は、栽
培ベッド1を貫通して、栽培ベッド1の内部から外部に
表出する水分気化排出材6を配設している。この水分気
化排出材6は、シート材4の一部を切欠して設けてい
る。培地2に供給された水は、シート材4と水分気化排
出材6を介して栽培ベッド1の外部に移行される。栽培
ベッド1の外部に導かれた水分は、水分気化排出材6の
表面から気化して除去される。さらに、余剰の水分は、
水分気化排出材6から滴下して除去される。
【0011】本発明の請求項3の植物の栽培装置は、栽
培ベッドの内面に沿って敷設されたシート材の端部を延
長して、培地の表面から外部に表出させている。培地2
に供給された水は、シート材4を介して培地2の外部に
移行される。培地2の外部に導かれた水分は、シート材
4の表面から気化して除去される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための植物の栽培装置を例示す
るものであって、本発明は栽培装置を下記のものに特定
しない。
【0013】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0014】図4に示す植物の栽培装置は、植物を栽培
する培地2を収納している栽培ベッド1と、この栽培ベ
ッド1の内面に沿って延長して敷設しているシート材4
と、栽培ベッド1の培地2に水を供給する給水部材3
と、栽培ベッド1を加温する電熱温床線8とを備える。
図に示す栽培装置は、給水部材と電熱温床線を配設して
いるが、本発明の植物の栽培装置は、必ずしも給水部材
と電熱温床線を設ける必要はない。
【0015】栽培ベッド1は、ビニルハウス等の温室に
複数列に、間に作業者が移動できる隙間ができるよう
に、互いに並列に配置される。栽培ベッド1は、栽培す
る植物を植え付ける培地2を収容する。栽培ベッド1
は、上方を開口している樋のような形状として、培地2
を収容している。栽培ベッド1は、一定の間隔で隔壁を
設けることもできるが、隔壁のない構造とすることもで
きる。間に隔壁のある栽培ベッド1は、複数の成形容器
5を直線状に並べて構成される。各列の栽培ベッド1
は、給水部材3及び電熱温床線8が配設されている。
【0016】図4の栽培ベッド1は、複数の成形容器5
を1列に隙間なく並べている。ただ、栽培ベッドは、単
一の成形容器で構成することもできる。成形容器5は、
プラスチックを箱型に発泡成形したもの、あるいは発泡
成形しないプラスチック箱が使用できる。成形容器5と
して、発泡スチロール箱が最適である。安価に多量生産
できるからである。ただ、成形容器は、発泡スチロール
以外のプラスチック、たとえば、ウレタン等を発泡成形
して製造することもできる。発泡スチロール箱のよう
に、通水性のないプラスチック発泡体で製造された成形
容器は、内部に非通水シートを敷設する必要がない。成
形容器自体が、水漏れしないからである。連続気泡のプ
ラスチック発泡体で製造した成形容器は、内面に非通水
シートを張設し、あるいは、内面に非通水膜を接着して
防水構造にできる。したがって、成形容器は、通水性の
ないプラスチック発泡体、あるいは、通水性のあるプラ
スチック発泡体で製造できる。
【0017】成形容器5は、図5の斜視図に示すよう
に、両端の端面壁12にヒータ溝7を開口している。ヒ
ータ溝7はU字状で、ここにU字状に成形している耐熱
材13を嵌入して、耐熱材13の内側に電熱温床線8を
配設している。耐熱材13は、電熱温床線8の温度に耐
える部材、たとえば、耐熱性のプラスチックやアルミニ
ウム等の金属で製作される。
【0018】耐熱材13は、両側部を、隣接して並べら
れる成形容器5の端面壁12に設けたヒータ溝7に嵌入
して、成形容器5の連結材に併用できる。この耐熱材1
3は、好ましくは全長を、端面壁12の厚さの2倍とす
る。この耐熱材13は、隣接する端面壁12のヒータ溝
7に、それぞれ半分ずつ嵌入して理想的な状態で隣接す
る成形容器を連結できる。この耐熱材13は、図示しな
いが、U曲された周縁から外側に突出する鍔を設けて、
より確実に隣接する成形容器を連結できる。全長を2倍
としない耐熱材13も、両側を隣接する成形容器5の端
面壁12に嵌入して連結できる。さらに、耐熱材13
は、端面壁12の内面に突出させる長さとすることもで
きる。したがって、成形容器5を連結する耐熱材13
は、必ずしも全長を端面壁12の2倍とする必要はな
く、それよりも短く、あるいは長い。
【0019】耐熱材13で隣接する成形容器5を連結す
る栽培ベッド1は、長い栽培ベッド1を能率よく安価に
設置できる。ただ、隣接する成形容器5は、必ずしも耐
熱材13で連結する必要はない。隣接する成形容器を接
着して連結し、あるいは、端面壁を貫通するロッド等で
連結し、あるいは、互いに連結することなく架台等の上
に設置することもできる。
【0020】栽培ベッド1は、内面にシート材4を敷設
している。シート材4は、培地2の水分を吸い取る吸水
性と、吸い取った水分を貯溜する保水性を有する不織布
を使用する。シート材4は、水分率が高い部分の培地2
から水分を吸い取って、毛細管現象によって水分率が低
い部分の培地2に移行させる。栽培ベッド1内の培地2
は、通常、下部が多湿状態となり上部が乾燥状態とな
る。したがって、シート材4に吸収された水分は、図の
矢印Aで示すように上方に移行されて栽培ベッド1内の
水分率を均一にする。ただ、シート材には、毛細管現象
で水分を吸い取って移行できる全てのもの、たとえば、
布、連続気泡を有するプラスチックフォーム、ろ紙等も
使用できる。シート材4は、不織布、布、プラスチック
フォーム、ろ紙等を単独で使用し、あるいは、これらを
積層したものが使用できる。
【0021】シート材は、厚くすると、吸水性と保水性
が向上し強度も高くなるが、コストが高くなる。逆に、
薄くすると、コストは低くなるが、吸水性と保水性が低
下して毛細管現象による水分の移行作用が低下すると共
に、強度も弱くなる。したがって、シート材は、その吸
水性と保水性、および強度を考慮して最適な厚さに決定
する。
【0022】シート材4は、栽培ベッド1の内面に沿っ
て、ほぼ全域に敷設している。シート材4は、栽培ベッ
ド1の開口部よりも大きな長方形のシート材の4隅を切
断して、あるいは切断することなく、栽培ベッド1の内
面に沿って敷き詰められて配設される。シート材4が敷
設された栽培ベッド1の内部に培地2を収納して、シー
ト材4を所定の位置に保持する。シート材4は、栽培ベ
ッド1と培地2に挟着されて、これらの間に介在する状
態で定位置に保持される。
【0023】さらに、図4に示す栽培装置は、シート材
4の端部を延長して、培地2の表面から外部に表出させ
ている。この状態で配設されるシート材4は、培地2に
供給された水を、毛細管現象で培地2の外部に移行させ
る。培地2の外部に導かれた水分は、シート材4の表面
から気化して除去される。すなわち、このシート材4
は、図の矢印Aで示す方向に移行される水分を、培地2
の外部まで移行させて、培地2から表出するシート材4
から除去できる。このシート材4は、栽培ベッド1内の
水分を外部に移行して除去できるので、栽培ベッド1の
内部が多湿状態となるのを有効に防止できる特長があ
る。ただ、シート材4は、図6に示すように、培地2の
表面から突出させることなく、培地2の表面下に配設す
ることもできる。このように配設されるシート材4は、
外部から見えないので栽培ベッド1の外観を良くできる
特長がある。
【0024】栽培ベッド1は、培地2として、ピートと
ロックウールを収納している。ロックウールは、細粒に
破砕した細粒ロックが適している。本発明の栽培装置
は、培地2をこれに特定しない。培地2には、植物の栽
培に適した、繊維材、粒体、多孔質体、栽培土等が単独
で、あるいは混合して使用できる。
【0025】給水部材3は、給水装置(図示せず)から
肥料を含んだ温水が供給されて、各栽培ベッド1の培地
2に散布する。図4の給水部材3はパイプで、栽培ベッ
ド1に水を供給する給水穴を下向きに開口している。
【0026】電熱温床線8は、培地2に埋設して、培地
2を適温に加温する。さらに、この電熱温床線8は、培
地2に埋設されて培地2の温度を検出する温度センサー
(図示せず)からの送出信号に基づいて、培地2を設定
温度に温める。
【0027】以上の構造の栽培装置は、以下のように作
用して、栽培ベッド内の水分率を均一にする。 栽培ベッド1に収納された培地2に水を供給する
と、供給された水は、培地2に浸透しながら培地中を降
下する。 培地2や根に吸収されることなく下部まで到達した
余剰の水分は、シート材4に吸収される。 シート材4に吸収された水分は、シート材4の毛細
管現象によって、栽培ベッド1内の水分率が高い部分か
ら、低い部分へ移行される。栽培ベッド1内の培地2
は、下部が多湿状態となり、上部が乾燥状態となってい
るので、水分は、図4の矢印Aで示すように上方に移行
する。 シート材4によって水分率の低い部分に移行された
水分は、シート材4から水分率の低い培地2に供給され
て、培地2に浸透してこの部分の水分率を上昇させる。
【0028】このように、栽培ベッド1の内面に沿って
敷設されたシート材4は、水分率の高い部分では余剰の
水分を吸収して水分率を低下させ、さらに、吸収した水
分を毛細管現象によって水分率の低い部分への移行し、
さらに、水分率が低い部分では移行された水分を培地に
供給して培地の水分率を上昇させる。栽培装置は、シー
ト材4のこれらの働きによって、栽培ベッド1の培地2
の水分率が均一になる。
【0029】さらに、図6に示す栽培装置は、栽培ベッ
ド1の底に、栽培ベッド1を貫通して栽培ベッド1の内
部から外部に表出する水分気化排出材6を配設してい
る。
【0030】図に示す栽培ベッド1は、水分気化排出材
6を通過させる貫通穴10を成形容器5の底に開口して
いる。貫通穴10は、必ずしも底に開口する必要はない
が、底が理想的な位置である。それは、底の貫通穴10
は、成形容器5の水分を流下させながら排出できるから
である。底に開口されない貫通穴は、ここに入れた水分
気化排出材で、吸い取った水分を栽培ベッドの外部に移
行させて除去する。貫通穴10は、全ての成形容器5に
開口される。それぞれの成形容器5は、1ないし複数の
貫通穴10を開口している。貫通穴10には水分気化排
出材6を挿入している。
【0031】図6に示す栽培装置は、シート材4の一部
を切欠して水分気化排出材6を設けている。この栽培装
置は、シート材4を切欠して設けられた切欠片を、栽培
ベッド1の貫通穴10から外部に表出させて水分気化排
出材6としている。図に示す水分気化排出材6は、シー
ト材4の中央部を細長い帯状に切欠して、貫通穴10か
ら下方に引き出している。この水分気化排出材6は、シ
ート材4に一体的に成形されるので、栽培ベッド1から
抜け出るのを確実に阻止できる特長がある。
【0032】水分気化排出材6は、培地2に供給された
余剰の水分を、図の矢印Bで示すように、栽培ベッド1
の下部から排出する。栽培ベッド1に供給された余剰の
水分は、培地中を降下して下部に到達し、シート材4に
吸収される。水分気化排出材6は、シート材4に連結さ
れているので、シート材4に吸収された余剰の水分は、
毛細管現象により、水分気化排出材6を介して栽培ベッ
ド1の外部へ移行する。水分気化排出材6の下部は、栽
培ベッド1の外部で垂れ下げているので、ここに移行し
てきた水分は、雫となって下端から滴下し、あるいは、
栽培ベッド1の外部で水分気化排出材6の表面から気化
する。雫になって滴下した水分は、図6に示すように、
水分気化排出材6の下方に配設している排水トレイ11
で受け止めることができる。排水トレイ11のある装置
は、受け止めた水を、集めて再び栽培ベッド1に供給で
きる。
【0033】図に示す栽培装置は、シート材4の一部を
切欠して水分気化排出材6を一体的に設けている。た
だ、本発明の栽培装置は、シート材と水分気化排出材と
を別部材として、栽培ベッドの内部でこれ等を連結する
こともできる。この水分気化排出材には、シート材と同
じ材質のもの、たとえば、余剰の水分を吸い取って栽培
ベッドの外部に移行できる不織布が使用される。ただ、
水分気化排出材には、毛細管現象で水分を吸い取って移
行できる全てのもの、たとえば、布、連続気泡を有する
プラスチックフォーム、ろ紙等が使用できる。水分気化
排出材は、これ等の部材を帯状、紐状、筒状、もしくは
袋状に成形して使用される。
【0034】シート材と別部材である水分気化排出材
は、一端を栽培ベッドの内部でシート材に連結し、他端
を栽培ベッドの外部に引き出して表出させる。水分気化
排出材は、上端部を栽培ベッドの内面に沿って折曲し
て、栽培ベッドの内面とシート材とで挟着する状態で、
あるいは、上端部をシート材に貫通させて折曲し、シー
ト材と培地とで挟着する状態で定位置に保持できる。さ
らに、この水分気化排出材は、上端部を複数に分岐し
て、栽培ベッドの内部で均等に広げて配設することもで
きる。この構造の水分気化排出材は、シート材の水分を
むらなく吸収できる特長がある。
【0035】さらに、図6に示す栽培装置は、栽培ベッ
ド1を架台9に載せて水平に設置している。架台9は、
垂直の支柱14に、所定間隔ごとに複数の横ロッド16
を固定し、この横ロッド16に、栽培ベッド1を載置す
る2本の縦ロッド15を平行に固定している。縦ロッド
15は、横ロッド16に水平に固定される。架台9に固
定される縦ロッド15の高さは、これに載せる栽培ベッ
ド1を作業しやすい高さに設定する。さらに、架台9
は、栽培ベッド1の下方に排水トレイ11を配設してい
る。排水トレイ11は、水平の姿勢で支持されており、
水分気化排出材6から滴下する水滴を受け止めている。
【0036】
【発明の効果】本発明の栽培装置は、極めて簡単な構造
で、培地の水分率を均一にし、植物の栽培に理想的な状
態に制御して、植物の生育を良くできる特長がある。そ
れは、本発明の栽培装置が、栽培ベッドの内面に沿っ
て、吸水性と保水性とを有するシート材を延長して敷設
し、培地に供給される水をシート材を介して栽培ベッド
内で移行させているからである。栽培ベッドの内面に沿
って敷設されたシート材は、水分率の高い部分では余剰
の水分を吸収して培地の水分率を低下させ、吸収した水
分を毛細管現象によって水分率の低い部分への移行させ
る。さらに、水分率が低い部分に移行された水分は、培
地に浸透する状態で供給されて培地の水分率を上昇させ
る。このように、本発明の栽培装置は、栽培ベッド内の
培地の水分率のむらを極減して均一にし、理想的な状態
に制御できる。このように、培地の水分率を均一にでき
る栽培装置は、培地が局部的に乾燥したり加湿になるの
を有効に防止して植物を理想の状態で生育できる。
【0037】さらに、本発明の栽培装置は、栽培ベッド
の内面に沿って延長して敷設されたシート材を介して水
分を移行させるので、栽培ベッドを相当に長くしても、
栽培ベッドに収納された培地の水分率を均一にして、理
想的な水分状態に調整できる特長がある。さらにまた、
長い栽培ベッドを完全に水平に設置しない状態として
も、シート材で水分を移行させて、培地の水分率を均一
な状態に制御できる。このことは、長い栽培ベッドを田
畑に設置するときに極めて大切である。それは、長い栽
培ベッドを水平でない田畑に簡単に設置できるからであ
る。
【0038】さらに、本発明の請求項2の栽培装置は、
培地の水分率を均一にできることに加えて、多量の水を
補給しても培地を多湿状態とすることなく、培地の水分
を理想的な状態にできる特長がある。それは、この栽培
装置が、シート材が吸収した水分を、水分気化排出材を
介して栽培ベッドの外部に移行させて、栽培ベッドの外
部に導いた水分を、水分気化排出材の表面から気化させ
て除去しているからである。この栽培装置は、水分気化
排出材でもって水分を自動的に調整して、理想的な状態
に制御できる特長がある。とくに、この水分気化排出材
は、シート材に一体的に成形されるので、栽培ベッドか
ら抜け出るのを確実に阻止できる特長がある。
【0039】さらに、本発明の請求項3の栽培装置は、
培地の水分率を均一にできることに加えて、栽培ベッド
の内部が多湿状態となるのを有効に防止できる特長があ
る。それは、この栽培装置が、栽培ベッドの内面に沿っ
て敷設されたシート材の端部を延長して、培地の表面か
ら外部に表出させており、シート材が吸収した水分を、
シート材を介して培地の外部に移行させて、培地の外部
に導いた水分をシート材の表面から気化させて除去して
いるからである。この栽培装置は、培地に供給された余
剰の水分を、培地の外部に移行させて、表出するシート
材から除去できるので、水分を自動的に調整して、理想
的な状態に制御できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の栽培装置を示す断面図
【図2】本発明者が先に開発した栽培装置の断面図
【図3】図2に示す栽培装置の側面図
【図4】本発明の実施例の植物の栽培装置の断面図
【図5】図4に示す植物の栽培装置の栽培ベッドに使用
される成形容器の斜視図
【図6】本発明の他の実施例の植物の栽培装置の断面図
【符号の説明】
1…栽培ベッド 1a…開口 2…培地 3…給水部材 4…シート材 5…成形容器 6…水分気化排出材 7…ヒータ溝 8…電熱温床線 9…架台 10…貫通穴 11…排水トレイ 12…端面壁 13…耐熱材 14…支柱 15…縦ロッド 16…横ロッド 17…排水管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性と保水性とを有する培地(2)を収
    納している栽培ベッド(1)の培地(2)に水を供給して、培
    地(2)に植え付けている植物を生育させる栽培装置にお
    いて、 栽培ベッド(1)の内面に沿って延長して、吸水性と保水
    性とを有するシート材(4)を敷設し、培地(2)に供給され
    る水を、シート材(4)を介して栽培ベッド(1)内で移行さ
    せて培地(2)の水分率を均一にすることを特徴とする植
    物の栽培装置。
  2. 【請求項2】 栽培ベッド(1)を貫通して栽培ベッド(1)
    の内部から外部に表出する水分気化排出材(6)を、シー
    ト材(4)の一部を切欠してを設けており、培地(2)に供給
    された水が、シート材(4)と水分気化排出材(6)を介して
    栽培ベッド(1)の外部に移行され、栽培ベッド(1)の外部
    に導かれた水分が、水分気化排出材(6)の表面から気化
    して除去されるように構成されてなる請求項1に記載さ
    れる植物の栽培装置。
  3. 【請求項3】 栽培ベッド(1)の内面に沿って敷設され
    たシート材(4)の端部が延長されて培地(2)の表面から外
    部に表出しており、培地(2)に供給された水が、シート
    材(4)を介して培地(2)の外部に移行され、培地(2)の外
    部に導かれた水分が、シート材(4)から気化して除去さ
    れるように構成されてなる請求項1に記載される植物の
    栽培装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020149051A1 (ja) * 2019-01-17 2020-07-23 Jnc株式会社 養液栽培システム用栽培ユニット、養液栽培システム用栽培ユニットの製造方法、養液栽培システムおよび養液栽培システムによる農作物の栽培方法

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