JP2001016010A - ストリップライン共振器 - Google Patents

ストリップライン共振器

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JP2001016010A
JP2001016010A JP11184418A JP18441899A JP2001016010A JP 2001016010 A JP2001016010 A JP 2001016010A JP 11184418 A JP11184418 A JP 11184418A JP 18441899 A JP18441899 A JP 18441899A JP 2001016010 A JP2001016010 A JP 2001016010A
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Kazuya Hashimoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トリミング時間を短縮し、かつ容易な構造で周
波数の調整を可能にしたストリップライン共振器を提供
すること。 【解決手段】誘電体ブロック2の主面にアース電極4を
形成すると共に、誘電体ブロック2内にストリップライ
ン3を形成して成り、ストリップライン3の一端側が誘
電体ブロック2の端面を介してアース電極4に接続され
ているストリップライン共振器1において、ストリップ
ライン3の一端側に誘電体ブロック2の略全面にわたっ
て端面側ストリップライン31を形成するとともに、ア
ース電極4,5のうち端面側ストリップライン31と対
向する領域に共振周波数調整領域42を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は共振回路や高周波回
路用フィルタ等に使用されるストリップライン共振器に
関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、マイクロ波を利用した携帯電話
機等に使用されるフィルタ用の共振器としてストリップ
ライン共振器が多用されている。このようなストリップ
ライン共振器は、例えば、複数の誘電体層が積層してな
る誘電体ブロックにアース電極, ストリップライン, ア
ース電極の順に配置して構成されていた。このような積
層型のストリップライン共振器の製造については、所定
の誘電率を有した誘電体セラミックよりなるグリーンシ
ートを作製し、その後、アース電極用の導体膜を被着形
成したグリーンシートと、ストリップライン用の導体膜
を被着形成したグリーンシートと、導体膜を形成しない
グリーンシートとを積層して誘電体ブロックを形成し、
この誘電体ブロックを焼結することにより、誘電体ブロ
ックにアース電極,ストリップラインを一体形成させて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように形成された
ストリップライン共振器においては、従来から、製造時
における周波数の調整が複雑で困難であることは知られ
ていた。即ち、ストリップライン共振器の共振周波数
は、誘電体層の誘電率とストリップラインの寸法によっ
て定められるため、誘電体層の誘電率とストリップライ
ンの寸法を調整することで所望の共振周波数を持つスト
リップライン共振器を製造するが、実際には、誘電体層
の材質,ストリップライン共振器に用いる導体材料等の
選択によって、また、導体材料の印刷ズレ,ニジミ、さ
らに、焼成後の収縮率の関係等によって、様々な製造条
件や物理定数にバラツキが発生するため、所望の共振周
波数を完成時に得ることができず、ストリップライン共
振器の周波数調整が不可欠となる。
【0004】このような従来のストリップライン共振器
における共振周波数調整方法について説明する。図4に
1/4波長型のストリップライン共振器の斜視図を示
す。ストリップライン共振器100は、誘電体から成る
誘電体ブロック101に主面アース電極102が、ま
た、その端面に端面アース電極103が、さらに、誘電
体ブロック101内の中央にはストリップライン104
が形成され、ストリップライン104の一端が誘電体ブ
ロック101の端面アース電極103に接続させて成
る。
【0005】このようなストリップライン共振器100
の共振周波数の調整については、ストリップライン10
4の開放端側と対向した主面アース電極102の位置
と、ストリップライン104の短絡端側と対向した主面
アース電極102の位置をレーザーによりトリミング領
域105,106を形成することで誘導成分や容量成分
を変化させて共振周波数の調整が行われていた。即ち、
トリミング領域105,106の面積を1×1(mm)
に固定し、ストリップライン104と対向する主面アー
ス電極102の開放端側及び短絡端側にトリミング領域
105,106を形成した場合、所望の共振周波数を得
るには、図5に示すトリミング領域の位置と共振周波数
シフト量の関係のグラフにしたがって、所望の共振周波
数に対応したトリミング領域105,106の位置を作
成しながら周波数の調整を行っていた。
【0006】しかしながら、このようなトリミング領域
105,106を作成する調整の粗調整は簡単にできる
ものの、微調整を行うためには、トリミング位置を変化
させたとしても、図5に示すように、共振周波数が変わ
らないため、トリミング領域105,106の面積を適
宜小さくしながら調整しなければならなかった。具体的
には、共振器の周波数を25MHz上げるときの場合を
考えると、図4のトリミング領域105のように、スト
リップライン104の開放端側に対面する主面アース電
極102をトリミングすると共振周波数は約30MHz
上がる。その後、トリミング領域106のように短絡端
側にトリミングすると共振周波数は約15MHz下が
る。残り10MHzの共振周波数を上げる為には開放端
側に対面するトリミング領域105の面積を小さくしな
ければならない。
【0007】このように、共振周波数の調整を行うため
には、ストリップライン104のトリミング領域10
5,106の部分を互いにトリミングしなければなら
ず、また、微調整を行うためには、トリミング領域10
5,106の面積をその度に小さくしなければならず、
これにより、トリミング時間が多くかかり、この結果、
製造・加工コストを増加させていた。
【0008】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、トリミング時間を短縮し、か
つ容易な構造で周波数の調整を可能にしたストリップラ
イン共振器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明は誘電体ブロックの主面にアース電極を形成
すると共に、前記誘電体ブロック内に前記アース電極に
対向する帯状のストリップラインを形成して成り、該ス
トリップラインの一端側が前記誘電体ブロックの端面を
介して前記アース電極に接続されているストリップライ
ン共振器において、前記ストリップラインの一端側に誘
電体ブロックの略全幅にわたって端面電極を設けるとと
もに、前記アース電極のうち端面電極と対向する領域に
共振周波数調整領域を設けたことを特徴とするストリッ
プライン共振器を提供する。
【0010】本発明者は鋭意検討の結果、上述の共振周
波数調整領域を利用してトリミングを行うと共振周波数
の調整が簡単にできることを見出した。即ち、図3に示
すように、共振周波数調整領域の内のストリップライン
と端面側ストリップラインとが交差した位置のトリミン
グは共振周波数のシフト量(初期の共振周波数からトリ
ミング後の共振周波数の差)が殆どあらわれず、この位
置から離れた位置(共振周波数調整領域内)をトリミン
グするとシフト量が増加していく関係があることを見出
した。
【0011】これにより、共振周波数の設定したい値に
よって共振周波数調整領域のトリミング位置を決めて調
整することができる。この結果、簡単に共振周波数の粗
調整や微調整を行うことができ、トリミング時間が短縮
され、製造・加工コストを軽減させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図に基づい
て説明する。図1は本発明の積層型ストリップライン共
振器1の斜視図である。
【0013】本発明の積層型ストリップライン共振器1
は、例えば、図1に示すように、誘電体ブロック2と、
誘電体ブロック2の中央に配設した帯状のストリップラ
イン3と、誘電体ブロック2の両主面及び端面に形成し
たアース電極4,5と、外部入出力用電極7,8で構成
されている。次に、積層型ストリップライン共振器1の
各構成について説明する。誘電体ブロック 誘電体ブロック2は、例えば、1層あたり50〜300
μm程度の厚みの誘電体層を複数積層して成り、各誘電
体層の材料としては誘電体セラミック材料と低温焼成化
された酸化物及び低融点ガラス材料とから構成されてい
る。なお、本発明では積層型の誘電体ブロック2で説明
したがこれに限定されることはない。
【0014】その誘電体セラミック材料としては、例え
ば、BaO−TiO2 系,Ca−TiO2 系,MgO−
TiO2 系等が用いられ、また、低温焼成化するための
酸化物としては、BiVO4 ,CuO,Li2 O,B2
3 等が含有されている。
【0015】また、誘電体ブロック2の端面の略全面に
はアース電極4,5 と接続する接続電極6が形成されて
いる。接続電極6の材質としてはAg、Cu等を主成分
(Ag単体またはAg−Pd,Ag−Pt等のAg合金
やCu単体またはCu合金)とする導体から成り、この
主成分の必要に応じてガラス成分が含有される。なお、
接続電極6の形成に加えて長尺状ビアホール導体(不図
示)で接続しても構わない。これにより、主面アース電
極4,5における接続の信頼性を上げることができる。
【0016】ストリップライン ストリップライン3は、誘電体ブロック2の内部で、か
つ、その主面に平行に延びた帯状の主面側ストリップラ
イン30と、一端側が接続電極6と接続され、かつ、誘
電体ブロック2の略全幅にわたって形成された端面側ス
トリップライン30(端面電極)とで構成されており、
全体的にT字状に一体形成されている。なお、本発明で
いう誘電体ブロック2の全幅とは、少なくとも誘電体ブ
ロック2の接続電極6の幅で決まる。ストリップライン
3の材質としてはAg、Ag−Pd、Cu等を主成分と
する導体が用いられ、これをスクリーン印刷により被着
してなる。
【0017】主面アース電極 主面アース電極4,5は誘電体ブロック2の両主面に被
着形成してなる。また、主面アース電極4の端面側スト
リップライン31に対向する面には共振周波数調整領域
42を設け、この共振周波数調整領域42に主面アース
電極4の一部を除去するトリミング領域43,44を形
成する。トリミングとしてはレーザを用いて端から徐々
にスキャンするスキャンカット法により略正方形の領域
を形成するが、これに限定されず、サンドプラスト法に
よりトリミング領域43,44を形成しても良い。トリ
ミング領域43,44は2箇所に形成したが、これに限
定されず、3箇所以上に形成してもよい。なお、主面ア
ース電極4,5の材料としては、接続電極6と同じ材料
が用いられ、主面アース電極4,5を誘電体ブロック2
に被着形成する場合には、未焼成状態の誘電体ブロック
2上に主面アース電極4,5をスクリーン印刷により被
着させた後、一体的に焼成して形成される。
【0018】外部入出力用電極 外部入出力用電極7,8は誘電体ブロック2の側面から
中央部にかけて帯状に被着形成され、ストリップライン
3と直交させた状態で対向するように形成されている。
この外部入出力用電極5,6は外部から高周波信号を入
力する入力部と共振した信号を取り出す出力部とにな
る。なお、外部入出力用電極7,8は接続電極6と同じ
材質が用いられる。
【0019】以上のようなストリップライン共振器1が
構成する誘電体ブロック2,ストリップライン3,主面
アース電極4,5の働きにより、ストリップライン3と
主面アース電極4,5との間で容量成分と誘導成分が形
成されてL−C共振回路が構成されることになる。
【0020】次に本発明の構成におけるトリミング領域
43,44を形成することによる共振周波数の調整方法
を説明する。ここで、説明上、トリミング面積を1×1
mmに固定し、共振周波数調整領域42にトリミングし
た場合を説明する。
【0021】まず、ストリップライン共振器1の外部入
出力用電極7,8間に測定器を接続し、共振周波数をモ
ニタできるように設定する。次に、図5に示すトリミン
グ位置と周波数シフト量の関係から、例えば、ストリッ
プライン共振器1の共振周波数を25MHz上げる場
合、最初に粗調整工程を開始する。この粗調整工程で
は、測定器の計測をモニタしながら主面側ストリップラ
イン30と端面側ストリップライン31との交差した位
置と対応する共振周波数調整領域42の領域a中心から
0.5mm離れた位置に1×1mmの面積でトリミング
領域44を形成させる。
【0022】次に、微調整工程が行われる。粗調整工程
で共振周波数を25MHz上げるためのトリミング領域
44を形成したが、若干の共振周波数バラツキがあった
場合、領域aにトリミング領域43を形成して微調整が
でき、トリミング回数は最大2回で済むことができる。
【0023】また、予めトリミングする主面アース電極
4の部分にコの字状に電極を除去させたパターンを複数
個形成し、一辺をトリミングすることにより所望の周波
数に調整させることを行ってもよい。
【0024】かくして、本発明のストリップライン共振
器1によれば、誘電体ブロック2の主面にアース電極4
を形成すると共に、誘電体ブロック2内にアース電極4
に対向するストリップライン3を形成して成り、ストリ
ップライン3の一端側が誘電体ブロック2の端面を介し
てアース電極4に接続されているストリップライン共振
器1において、ストリップライン3の一端側に誘電体ブ
ロック2の略全面にわたって端面側ストリップライン3
1を設けるとともに、アース電極4,5 のうち端面側ス
トリップライン31と対向する領域に共振周波数調整領
域42を設けた構成にしている。
【0025】本発明者は鋭意検討の結果、この共振周波
数調整領域42でトリミングして共振周波数の調整を行
うと簡単に調整ができることを見出した。即ち、図3に
示すように、主面ストリップライン30と端面側ストリ
ップライン31とが交差した位置に対応する共振周波数
調整領域42の領域aで行われるトリミングは共振周波
数のシフト量(初期の共振周波数からトリミング後の共
振周波数の差)が殆どあらわれず、この位置から共振周
波数調整領域42に沿って離れた位置でトリミングする
とシフト量が増加していく関係があることを見出した。
【0026】この原理は以下のように起こると考えられ
る。即ち、主面アース電極4上の領域aの位置は電流が
もっとも流れる位置であり、誘導成分(L成分)として
は大きい。一方、容量成分(C成分)としては主面アー
ス電極4,5とストリップライン3で形成される成分が
存在する。領域aをトリミングするとC成分が減少する
がL成分は逆に増加があり、L/C成分が互いに相殺
し、共振周波数のシフト量としては微少となる。しか
し、領域aから共振周波数調整領域42に沿って離れた
位置でトリミングする場合、端面側ストリップライン3
1には小さなL成分として見ることができ、この端面ス
トリップライン31に対向する主面アース電極4,5に
対し大きいC成分を持つこととなる。そこで、端面スト
リップライン31に対向する共振周波数調整領域42を
トリミングすることによりC成分が減少する。この時、
L成分についても増加するが、もともと小さな成分のた
め増加量も少ない。よって、C成分の減少量が大きい為
に共振周波数のシフト量としては大きくなると考えられ
るからである。なお、端面側ストリップライン31に対
向する共振周波数調整領域32をトリミングする位置を
領域aから徐々に離れるにつれC成分の減少量も変化す
るためシフト量も徐々に大きくなると考える。
【0027】従って、共振周波数の設定したい値によっ
て領域aから共振周波数調整領域42に沿って離れた位
置にトリミング領域44を形成できるため、トリミング
する位置を決めて調整することができ、これにより、粗
調整工程を簡単に行え、この結果、トリミング調整の時
間の短縮,製造コストの低減を行うことができる。
【0028】また、領域aにおいてトリミング領域43
を形成することは、微調整工程が容易に行えることがで
き、製造誤差の少ないストリップライン共振器1を提供
することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の構成によれば、共振周波数調整
領域にトリミングさせるように構成したので、共振周波
数の設定したい値によって共振周波数調整領域のトリミ
ング位置を決めて調整することができ、この結果、簡単
に共振周波数の粗調整や微調整を行うことができ、トリ
ミング時間が短縮され、製造・加工コストを軽減させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のストリップライン共振器を示す斜視図
である。
【図2】本発明のストリップライン共振器の平面図であ
る。
【図3】トリミング領域の位置と周波数シフト量の関係
を示す図である。
【図4】従来のストリップライン共振器を示す斜視図で
ある。
【図5】従来のトリミング領域の位置と周波数シフト量
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1:ストリップライン共振器 2:誘電体ブロック 3:ストリップライン 30:主面側ストリップライン 31:端面側ストリップライン 42:共振周波数調整領域 43,44:トリミング領域 4,5:主面アース電極 7,8:外部入出力用電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体ブロックの主面にアース電極を形
    成すると共に、前記誘電体ブロック内に前記アース電極
    に対向する帯状のストリップラインを形成して成り、該
    ストリップラインの一端側が前記誘電体ブロックの端面
    を介して前記アース電極に接続されているストリップラ
    イン共振器において、 前記ストリップラインの一端側に誘電体ブロックの略全
    幅にわたって端面電極を設けるとともに、前記アース電
    極のうち端面電極と対向する領域に共振周波数調整領域
    を設けたことを特徴とするストリップライン共振器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10680349B2 (en) 2014-01-24 2020-06-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Antenna device and electronic device including the same

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