JP3359381B2 - 誘電体フィルター及びその周波数特性の調整方法 - Google Patents

誘電体フィルター及びその周波数特性の調整方法

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JP3359381B2
JP3359381B2 JP16019093A JP16019093A JP3359381B2 JP 3359381 B2 JP3359381 B2 JP 3359381B2 JP 16019093 A JP16019093 A JP 16019093A JP 16019093 A JP16019093 A JP 16019093A JP 3359381 B2 JP3359381 B2 JP 3359381B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、マイクロ波帯で使用される誘電
体フィルター及びその周波数特性の調整方法に係り、特
に、小型で優れたフィルター特性を発揮し得る誘電体フ
ィルターの構造と、該誘電体フィルターの周波数特性を
簡便に調整する方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】近年、携帯電話や自動車電話等のマイクロ
波を利用した通信機においては、損失を小さくするため
に、各種の誘電体セラミックスを使ったフィルターが使
用されており、その一つに、例えば、特開昭59−51
606号公報において明らかにされている如き、トリプ
レート型の積層構造の誘電体フィルターが知られてい
る。図10、図11には、そのような構造の誘電体フィ
ルターの一例が示されているが、そこに示される誘電体
フィルター2は、誘電体基板6の内部において、図11
に示されている如きパターンで、入出力用電極3と複数
のストリップライン型の共振器用電極4(ここでは3
本)を内蔵している一方、外周面には、アース導体8及
び前記入出力用の電極3に対応する入出力端子10が設
けられてなるものであって、極めてコンパクトに作製さ
れている。そして、各共振器用電極4に対応して、共振
器が構成されているのである。
【0003】而して、そのような従来の誘電体フィルタ
ー2では、コムライン構造やインターデジタル構造等と
いった、共振器用電極4の単純な配置形態によって特性
が調節されていたため、所望のフィルター特性を得難
く、最近のマイクロ波用フィルターに要求される厳しい
特性に十分に対応できなくなってきていた。また、従来
では、誘電体フィルター2の周波数特性を最終的に微調
整する場合に、誘電体基板6に内蔵される共振器用電極
4上に位置する辺りに見当を付けて、アース導体8を適
宜に削り取る方法を採用していたため、作業が面倒とな
る問題があった。
【0004】このため、本発明者らは、先に出願した特
願平4−100652号において、誘電体基板に、複数
の共振器用電極と共に、各共振器用電極を互いに電気的
に結合せしめる結合用電極を内蔵した誘電体フィルター
の構造を提案し、誘電体フィルターの特性を効果的に向
上させたのである。また、誘電体フィルターの共振器用
電極の開放端を外部に露出させることにより、周波数特
性を所望の値に合わせて最終的に微調整する必要がある
場合に、その開放端をトリミングして、周波数特性を調
整する方法を提案して、調整作業の簡便化を有利に図っ
たのである。
【0005】しかしながら、そのような周波数特性の調
整方法においては、共振器用電極の開放端をトリミング
するために、通常、かかる共振器用電極を内蔵する誘電
体基板ごと削らなければならず、また、共振器用電極の
長さを変える程度に深く削らなければならないことか
ら、トリミング作業の作業性において今一つ充分でな
く、そのため、より簡便にトリミングし得るようにする
ことが望まれているのである。
【0006】
【解決課題】このような事情を背景にして、本発明は為
されたものであって、その解決課題とするところは、ト
リプレート構造の誘電体フィルターにおいて、その周波
数特性の調整作業をより一層容易に行ない得るようにす
ることにある。
【0007】
【解決手段】そして、本発明は、上記の如き課題を解決
しようとするものであって、その要旨とするところは、
誘電体基板に、1/4又は1/2波長のTEMモードの
ストリップライン型共振回路を構成するように、複数の
共振器用電極が内蔵されている誘電体フィルターにし
て、前記共振器用電極の開放端が、前記誘電体基板の一
つの側面において、外部に露出せしめられ、該開放端
に、少なくとも一部が外部に露出された調整用電極が設
けられている一方、前記誘電体基板の上面及び下面の略
全面に亘ってアース導体が設けられ、それら上、下面の
アース導体が相互に電気的に導通せしめられていると共
に、前記調整用電極が設けられる前記誘電体基板の一つ
の側面において、前記調整用電極に接触しないように、
所定幅の帯状アース導体が上下方向に延びるように設け
られ、該帯状アース導体によって上、下面のアース導体
が電気的に導通せしめられており、前記調整用電極とそ
れらアース導体との間に容量が形成されていることを特
徴とする誘電体フィルターにある。
【0008】また、本発明は、誘電体基板に、共振器用
電極と共に、各共振器用電極を所定の結合容量を介して
互いに電気的に結合せしめる結合用電極が内蔵されてい
る誘電体フィルターにして、前記と同様に、調整用電極
とアース導体との間に容量が形成されている誘電体フィ
ルターをも、その要旨とするものである。
【0009】さらに、本発明において、有利には、前記
調整用電極が前記誘電体基板上面にまで延出されて形成
され、該調整用電極の延出部と前記上面のアース導体と
の間に容量が形成されると共に、該容量を増加させるた
めに、該調整用電極の延出部および該上面のアース導体
に対向するようにして、容量増加用電極が該誘電体基板
内部に内蔵される構成が、採用されることとなる。
【0010】或いは、前記調整用電極が前記誘電体基板
上面にまで延出されて形成され、該調整用電極の延出部
と前記上面のアース導体との間に容量が形成されると共
に、該容量を増加させるために、該調整用電極の延出部
および該上面のアース導体を覆うようにして、誘電体層
が設けられる構成が、有利に採用される。また、このよ
うに誘電体層を設ける場合には、必要に応じて、前記誘
電体層の誘電率が前記誘電体基板の誘電率と異なるよう
に為される。
【0011】そして、本発明においては、本発明に従う
構成の誘電体フィルターにおいて、前記調整用電極をト
リミングすることによって、対応する各共振回路の共振
周波数を調整することが、有利に行なわれることとな
る。
【0012】
【実施例】以下では、本発明に従う誘電体フィルターの
構成及びその周波数特性の調整方法の代表的な実施例に
ついて、図面に基づいて具体的に説明することとする。
【0013】先ず、図1には、本発明に従うトリプレー
ト構造の誘電体フィルターの一例が示されている。そこ
において、誘電体フィルター12には、その上面及び下
面の全面にアース導体14が設けられており、それら上
面のアース導体14と下面のアース導体14とは、背面
側の一側面及び左右の二側面にそれぞれ設けられた接続
用アース導体15によって、相互に電気的に導通せしめ
られている。また、かかる誘電体フィルター12の左右
の二側面には、それらアース導体14及び接続用アース
導体15とは電気的に非接続な状態で、一対の入出力端
子16が設けられている。
【0014】一方、図2に示されている積層構造より明
らかなように、この誘電体フィルター12は、それぞれ
に所定の電極パターンが形成された4枚の誘電体基板2
4,26,28,30が積層一体化されて、構成されて
おり、内部に共振器用電極18、入出力用電極20及び
結合用電極22が内蔵されている。
【0015】具体的には、上から三番目に位置する一つ
の誘電体基板28上には、図2に示すパターンで、3本
の共振器用電極18が形成されており、各共振器用電極
18に対応して3つの共振器が構成されるようになって
いる。そして、各共振器用電極18のそれぞれは、一端
が短絡端として、誘電体基板の背面側の一側面に形成さ
れた接続用アース導体15に接続されている一方、他端
が開放端として、誘電体基板の正面側の一側面に露出せ
しめられており、所謂コムライン構造となっている。
【0016】また、この誘電体基板28の下側に配置さ
れる誘電体基板30上には、前記共振器用電極18の両
端のものの開放端近くに位置し且つ誘電体フィルター1
2の外面に形成された前記入出力端子16に接続する形
態で、一対の入出力用電極20が形成されている。一
方、前記誘電体基板28の上側に配置される誘電体基板
26上には、前記共振器用電極18の開放端近くに位置
して、隣合う共振器用電極18,18を結合せしめる結
合用電極22が形成されているのである。更に、一番上
の誘電体基板24の上面と、一番下の誘電体基板30の
下面の全面には、それぞれ、アース導体14が設けられ
ている。
【0017】それによって、この誘電体フィルター12
では、隣合う共振器間が共振器用電極18と結合用電極
22の間の容量及び結合用電極22を介して結合される
ため、その容量を調整することによって、共振器間の結
合量を有利に調整して、優れたフィルター特性を得るこ
とができるのである。しかも、該結合用電極22は、共
振器用電極18と共に、誘電体基板内に内蔵されること
から、誘電体フィルター12の大型化や複雑化を招くこ
とがなく、また、このように結合用電極22を多層化す
ることによって、設計の自由度が高くなる利点がある。
【0018】さらに、この誘電体フィルター12にあっ
ては、前述したように、正面側の一側面において、共振
器用電極18の開放端が露出せしめられており、しか
も、該開放端には、外部に露出する調整用電極32が設
けられているのである。また、同じ側面において、該調
整用電極32に接触しないように、所定幅の帯状アース
導体34が上下方向に延びるように設けられており、
上、下面のアース導体14を電気的に導通させている。
それによって、かかる誘電体フィルター12の等価回路
は図3に示すようになり、調整用電極32と帯状アース
導体34との間に調整用の容量36が形成されているの
である。
【0019】このため、かかる誘電体フィルター12の
共振周波数を最終的に微調整する必要が生じた場合に
は、該調整用電極32を適宜にトリミングすることによ
って、調整用の容量36を調整して、共振周波数を所望
の値に調整することができるのである。なお、トリミン
グは、具体的にはデューター等の器具やレーザーを用い
て行なうことができ、例えば図4の如くに調整用電極3
2を切削して、トリミング部38を形成することとな
る。そして、このようなトリミングは、調整用電極32
の一部を削り取る程度の部分的且つ表面的なものである
ことから、共振器用電極18の開放端を誘電体基板ごと
トリミングする方法に比して、著しく容易に共振周波数
の調整作業を行なうことができるようになったのであ
る。
【0020】また、前記帯状アース導体34の存在によ
り、上面のアース導体14と下面のアース導体14との
間のアース電位の差の解消が効果的に図られ得、以てフ
ィルター特性の安定化が達成される特徴を発揮する。更
に、前記調整用の容量36により、共振周波数において
は共振器用電極18は誘導性となっているため、各共振
器間には誘導結合Mが生じている。従って、各共振器に
は、共振器用電極18と結合用電極22との間の容量に
よる結合(容量結合)と誘導結合Mが生じるので、フィ
ルターの通過帯域より低周波数側での減衰量を大きく取
ることが出来、周波数の分離特性が向上せしめられ得る
のである。加えて、前記調整用の容量36の存在によ
り、共振器の長さは、該容量36が存在しない場合より
も、同じ共振周波数で短くすることが出来、以てフィル
ターの小型化にも大いに寄与し得るのである。
【0021】なお、このような誘電体フィルター12
は、通常の積層基板の作製方法に従って作製され得るも
のであり、通常、誘電体フィルター12の側面の各電極
(接続用アース導体15、入出力端子16、調整用電極
32、帯状アース導体34)は、各誘電体基板24,2
6,28,30を積層一体化した後に、形成されること
となる。
【0022】また、本発明では、共振器用電極18及び
結合用電極22を、誘電体基板24,26,28,30
内に完全に内蔵するところから、それらの電極を形成す
る導体には、比抵抗の低いものを用いることが望まし
い。何故なら、電極でのロスがフィルターの通過域での
損失を増加させるからであり、特に、マイクロ波帯での
電磁波を扱う場合には、結合回路の導体の抵抗が低い必
要があり、低抵抗のAu系、Ag系若しくはCu系の導
体を使用することが好ましい。
【0023】而して、Ag系やCu系の導体を使用する
場合には、それらの導体の融点が低く、通常の誘電体材
料と同時焼成することは困難であるところから、それら
の融点(1100℃以下)よりも低い温度で焼成され得
る誘電体材料を用いる必要がある。また、マイクロ波フ
ィルターとしてのデバイスの性格上、形成される共振回
路の共振周波数の温度特性(温度係数)が±50ppm
/℃以下になるような誘電体材料が好ましい。このよう
な誘電体材料としては、例えば、コージェライト系ガラ
ス粉末とTiO2 粉末及びNd2 Ti27 粉末との混
合物等のガラス系のものや、BaO−TiO2 −RE2
3 −Bi23 系組成(RE:レアアース成分)に若
干のガラス形成成分やガラス粉末を添加したものがあ
る。
【0024】そして、図5には、内蔵される電極は図2
と同様のパターンで配置される一方、上面のアース電極
14と調整用電極32との配置パターンが変更された誘
電体フィルターの例が示されている。即ち、この誘電体
フィルター40では、フィルターの正面側の一側面(端
面)に露出する共振器用電極の開放端に設けられた調整
用電極32が、フィルターの上面まで延出されて、延出
部32aが形成されている。そして、この延出部32a
と上面のアース導体14との間に、調整用の容量36が
形成されているのである。従って、この誘電体フィルタ
ー40では、調整用電極の延出部32aを上面側からト
リミングすることができ、調整作業の便宜が図られ得る
のである。
【0025】次に、本発明に従うトリプレート構造の誘
電体フィルターの異なる例について、図6に基づいて説
明することとする。なお、以下の説明において、前記実
施例と同様の構成のものについては、同じ符号を付して
説明を省略した。
【0026】そこに示される誘電体フィルター42は、
5枚の誘電体基板が積層一体化されて、構成されるもの
である。そして、上から3番目、4番目、5番目の誘電
体基板(3枚が重ねて示されている)は、前記実施例で
用いられた誘電体基板26,28,30と同様のもので
あり、図2と同じパターンで結合用電極22、共振器用
電極18、入出力用電極20が形成されている。また、
一番上に位置する誘電体基板44の上面には、側面の調
整用電極32に接続する延出部32aが形成されると共
に、それら延出部32aとは電気的に非接続な状態で、
アース導体14が形成されており、それら延出部32a
とアース導体14との間に調整用の容量(図3における
容量36)が形成されるようになっている。
【0027】さらに、上から2番目の誘電体基板46上
には、図6において左右両側面の接続用アース導体15
および正面側側面の帯状アース導体34に接続するよう
にして、内部アース導体48が形成されている。なお、
該内部アース導体48には切欠き50が設けられてお
り、調整用電極32と電気的に非接続となるようになっ
ている。
【0028】そして、それら各誘電体基板44,46,
26,28,30が積層一体化されることによって、前
記内部アース導体48は、調整用電極の延出部32aお
よび上面のアース導体14に対向するようにして、誘電
体基板内部に内蔵され、調整用電極の延出部32aとの
間において容量を形成することとなる。
【0029】従って、かかる誘電体フィルター42で
は、調整用電極の延出部32aと上面のアース導体14
との間に容量が形成されると共に、調整用電極の延出部
32aと内部アース導体48との間にも容量が形成され
ることから、調節用の容量(図3における容量36)が
有利に増加され得て、共振周波数の調整範囲が大きくな
る利点が得られる。それ故に、延出部32aをトリミン
グすることにより、有利に共振周波数の調整を行なうこ
とができるのである。このようなことから明らかなよう
に、本実施例では、内部アース導体48が、調整用の容
量を増加させる容量増加用電極の役割を持っているので
ある。
【0030】また、この他、容量増加用電極は、図7に
示される誘電体フィルター52の如く、各調整用電極の
延出部32aに対応してそれぞれ別個に形成することも
できる。即ち、この誘電体フィルター52には、図6に
示される誘電体基板46の変わりに誘電体基板54が積
層される。そして、該誘電体基板54の上面には、各調
整用電極の延出部32aに対応する位置に、該延出部3
2a及び上面のアース電極14に対向するようにして、
3つの容量増加用電極56が形成されているのである。
それ故、それら各誘電体基板44,54,26,28,
30が積層一体化されることによって、該容量増加用電
極56は誘電体基板内部に内蔵され、該容量増加用電極
56と調整用電極の延出部32aとの間および該容量増
加用電極56と上面のアース導体14との間に、それぞ
れ、容量が形成されることとなる。
【0031】従って、かかる誘電体フィルター52で
は、調整用電極の延出部32aと上面のアース導体14
との間に直接に容量が形成されると共に、該延出部32
aと容量増加用電極56との間および容量増加用電極5
6と上面のアース導体14との間に、それぞれ、容量が
形成されることとなる。それ故に、かかる誘電体フィル
ター52においても、調節用の容量(図3における容量
36)が有利に増加せしめられ、共振周波数の調整範囲
が大きくなる利点が得られるのであり、調整用電極の延
出部32aをトリミングすることによって、有利に共振
周波数の調整を行なうことができるのである。
【0032】さらに、図8及び図9には、本発明に従う
トリプレート構造の誘電体フィルターのまた別の実施例
が示されている。この誘電体フィルター58は、図7の
誘電体フィルター52に対して、上面のアース導体14
と調整用電極の延出部32aとを覆うようにして、薄い
誘電体層60が積層一体化されているものである。この
ように誘電体層60を設けることによっても、上面のア
ース導体14と調整用電極の延出部32aとの間に形成
される調整用の容量(図3における容量36)を有利に
増加させることができ、共振周波数の調整範囲を更に大
きくすることができるのである。
【0033】なお、かかる誘電体フィルター58におい
て、共振周波数を調整する際には、薄い誘電体層60を
透かして見える調整用電極の延出部32aを、デュータ
ー等の器具やレーザーを用いてトリミングすることとな
るが、該誘電体層60が余り厚いとトリミングが困難に
なるため、該誘電体層60は、10〜100μm程度の
厚みで形成することが好ましい。
【0034】また、通常は、誘電体層60と誘電体基板
(44,54,26,28,30)とは同時焼成するの
が一般的であるから、誘電体層60と誘電体基板には同
じ材料を使用するのが好ましい。而して、かかる誘電体
フィルター58において、調整用の容量を更に増加した
い場合には、誘電体層60の誘電率を誘電体基板の誘電
率より大きくすることが効果的である。また、誘電体層
60を形成して容量を増加したいが、あまりに容量が大
きくなって少しのトリミングで特性が変わり過ぎるよう
なことを防ぎたい場合には、誘電体層60の誘電率を誘
電体基板の誘電率より小さくすることが効果的である。
【0035】そして、誘電体層60と誘電体基板の誘電
率を変える場合には、誘電体層60の組成の成分と誘電
体基板の組成の成分とを、同じもの若しくは似たものと
することが望ましい。例えば、誘電体基板に、コージェ
ライト系ガラス粉末とTiO 2 粉末及びNd2 Ti2
7 系粉末との混合物を使用する場合には、誘電体層60
には、コージェライト系ガラスのみを使用すれば誘電率
は小さくすることができるし、コージェライト系ガラス
とTiO2 のみを使用すれば、誘電率は大きくすること
ができる。また、誘電体基板に、BaO−TiO2 −R
2 3 −Bi2 3 系組成にガラス粉末を加えた材料
を使用する場合には、ガラスを増加すれば、誘電率は小
さくでき、Bi2 3 を多くすれば、誘電率は大きくで
き、そのようにして誘電体層60の誘電率を所望の値に
調整することができる。
【0036】以上、本発明の代表的な実施例について詳
述してきたが、本発明が、そのような実施例の記載によ
って、何等の制約をも受けるものでないことは、言うま
でもないところである。また、本発明には、上記の実施
例の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、誘電体基板の上面及び下面にアース導体が形成さ
れる一方、誘電体基板の内部に共振器用電極が内蔵され
た構造の誘電体フィルターにおいて、外部に露出させた
共振器用電極の開放端に調整用電極を設けると共に、該
調整用電極に接触しないように帯状アース導体を設け
て、調整用電極とアース導体との間に調整用の容量を形
成せしめたのである。それ故に、該調整用電極をトリミ
ングすることにより、周波数特性を微調整することがで
き、フィルター特性の最終的な微調整が極めて簡便に為
され得るのである。そして、そのようなトリミングは、
調整用電極の一部を切削する程度の部分的且つ表面的な
ものであるため、共振器用電極の開放端を誘電体基板と
共に深くトリミングする場合に比して、作業性が大幅に
向上するのである。また、かかる誘電体フィルターにお
いて、誘電体基板の内部に、各共振器用電極を電気的に
結合せしめる結合用電極を更に内蔵させることにより、
フィルター特性を有利に向上させることができる。
【0038】さらに、本発明に係る誘電体フィルターに
おいて、有利には、調整用電極が誘電体基板上面にまで
延出されて延出部が設けられ、該延出部と上面のアース
導体との間に容量が形成されると共に、該容量を増加す
るための容量増加用電極が誘電体基板内部に内蔵され
る。それにより、フィルター上面側より該延出部のトリ
ミングを便利に行なうことができると共に、調整用の容
量が有利に増加されるため、共振周波数の調整範囲が大
きくなる利点が得られるのである。
【0039】或いは、また、本発明に係る誘電体フィル
ターにおいて、有利には、調整用電極が誘電体基板上面
にまで延出されて延出部が設けられ、該延出部と上面の
アース導体との間に容量が形成されると共に、該容量を
増加するために、調整用電極の延出部と上面のアース導
体とを覆うようにして、誘電体層が設けられる。このよ
うな構成によっても、フィルター上面側より該延出部の
トリミングを便利に行なうことができると共に、調整用
の容量が有利に増加されるため、共振周波数の調整範囲
が大きくなる利点が得られるのである。そして、かかる
誘電体層の誘電率を、誘電体基板の誘電率より大きくす
ることにより、調節用の容量を更に増加することがで
き、また、かかる誘電体層の誘電率を、誘電体基板の誘
電率より小さくすることにより、トリミングによる特性
の変化量を小さくすることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う誘電体フィルターの一例を示す斜
視図である。
【図2】図1に示す誘電体フィルターの積層構造を示す
説明図である。
【図3】図1に示す誘電体フィルターの等価回路を示す
図である。
【図4】調整用電極のトリミングの例を示す説明図であ
る。
【図5】調整用電極に延出部を設けた誘電体フィルター
の一例を示す、図1に対応する斜視図である。
【図6】本発明に従う誘電体フィルターの異なる例につ
いて、その積層構造を示す説明図である。
【図7】容量増加用電極の配置パターンを変更した誘電
体フィルターの一例を示す、図6に対応する説明図であ
る。
【図8】本発明に従う誘電体フィルターのまた別の例に
ついて、その積層構造を示す説明図である。
【図9】図8の誘電体フィルターのIX−IX線断面を示す
断面図である。
【図10】従来の誘電体フィルターの例を示す斜視図で
ある。
【図11】図10に示す誘電体フィルターの平面断面図
である。
【符号の説明】
12 誘電体フィルター 14 アース導体 16 入出力端子 18 共振器用電極 20 入出力用電極 22 結合用電極 24,26,28,30 誘電体基板 32 調整用電極 32a 延出部 34 帯状アース導体 36 容量 38 トリミング部 40 誘電体フィルター 42 誘電体フィルター 44,46 誘電体基板 48 内部アース導体 52 誘電体フィルター 54 誘電体基板 56 容量増加用電極 58 誘電体フィルター 60 誘電体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−196701(JP,A) 特開 平3−262303(JP,A) 特開 昭63−38301(JP,A) 特開 平5−95202(JP,A) 特開 平4−30604(JP,A) 特開 平5−315819(JP,A) 実開 昭62−158905(JP,U) 米国特許5010309(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/20 - 1/219 H01P 7/00 - 7/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板に、1/4又は1/2波長の
    TEMモードのストリップライン型共振回路を構成する
    ように、複数の共振器用電極が内蔵されている誘電体フ
    ィルターにして、 前記共振器用電極の開放端が、前記誘電体基板の一つの
    側面において、外部に露出せしめられ、該開放端に、少
    なくとも一部が外部に露出された調整用電極が設けられ
    ている一方、前記誘電体基板の上面及び下面の略全面に
    亘ってアース導体が設けられ、それら上、下面のアース
    導体が相互に電気的に導通せしめられていると共に、前
    記調整用電極が設けられる前記誘電体基板の一つの側面
    において、前記調整用電極に接触しないように、所定幅
    の帯状アース導体が上下方向に延びるように設けられ、
    該帯状アース導体によって上、下面のアース導体が電気
    的に導通せしめられており、前記調整用電極とそれらア
    ース導体との間に容量が形成される一方、更に、前記調
    整用電極は、前記誘電体基板上面にまで延出されて形成
    され、該調整用電極の延出部と前記上面のアース導体と
    の間に容量が形成されると共に、該容量を増加させるた
    めに、該調整用電極の延出部および該上面のアース導体
    に対向するようにして、容量増加用電極が、該誘電体基
    板内部に内蔵されていることを特徴とする誘電体フィル
    ター。
  2. 【請求項2】 誘電体基板に、1/4又は1/2波長の
    TEMモードのストリップライン型共振回路を構成する
    ように、複数の共振器用電極が内蔵され、更に各共振器
    用電極を所定の結合容量を介して互いに電気的に結合せ
    しめる結合用電極が内蔵されている誘電体フィルターに
    して、 前記共振器用電極の開放端が、前記誘電体基板の一つの
    側面において、外部に露出せしめられ、該開放端に、少
    なくとも一部が外部に露出された調整用電極が設けられ
    ている一方、前記誘電体基板の上面及び下面の略全面に
    亘ってアース導体が設けられ、それら上、下面のアース
    導体が相互に電気的に導通せしめられていると共に、前
    記調整用電極が設けられる前記誘電体基板の一つの側面
    において、前記調整用電極に接触しないように、所定幅
    の帯状アース導体が上下方向に延びるように設けられ、
    該帯状アース導体によって上、下面のアース導体が電気
    的に導通せしめられており、前記調整用電極とそれらア
    ース導体との間に容量が形成される一方、更に、前記調
    整用電極は、前記誘電体基板上面にまで延出されて形成
    され、該調整用電極の延出部と前記上面のアース導体と
    の間に容量が形成されると共に、該容量を増加させるた
    めに、該調整用電極の延出部および該上面のアース導体
    に対向するようにして、容量増加用電極が、該誘電体基
    板内部に内蔵されていることを特徴とする誘電体フィル
    ター。
  3. 【請求項3】 前記調整用電極が前記誘電体基板上面に
    まで延出されて形成され、該調整用電極の延出部と前記
    上面のアース導体との間に容量が形成されると共に、該
    容量を増加させるために、該調整用電極の延出部および
    該上面のアース導体を覆うようにして、誘電体層が設け
    られていることを特徴とする請求項1または2に記載の
    誘電体フィルター。
  4. 【請求項4】 前記誘電体層の誘電率が、前記誘電体基
    板の誘電率と異なることを特徴とする請求項に記載の
    誘電体フィルター。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至請求項に記載の誘電
    体フィルターにおいて、前記調整用電極をトリミングす
    ることによって、対応する各共振回路の共振周波数を調
    整するようにしたことを特徴とする誘電体フィルターの
    周波数特性の調整方法。
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