JP2001015316A - 永久磁石部材、マグネットロール及び画像形成方法 - Google Patents

永久磁石部材、マグネットロール及び画像形成方法

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JP2001015316A
JP2001015316A JP11187613A JP18761399A JP2001015316A JP 2001015316 A JP2001015316 A JP 2001015316A JP 11187613 A JP11187613 A JP 11187613A JP 18761399 A JP18761399 A JP 18761399A JP 2001015316 A JP2001015316 A JP 2001015316A
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Keitaro Yamashita
恵太郎 山下
Hiromi Kashiwagi
広美 柏木
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0253Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets
    • H01F41/0273Imparting anisotropy
    • H01F41/028Radial anisotropy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真法による画像形成において高画質が
得られる小粒径現像剤を小粒径の現像剤担持体で搬送す
ると磁力不足のため画像へのキャリア付着や現像剤担持
体の撓みが生じる。 【解決手段】 現像剤担持体に用いる永久磁石部材は磁
性粉を押し出し法で成形し焼結した一体のフェライト材
料からなり、現像剤は磁性キャリアと非磁性トナーとを
有することを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真や静電記録
等において現像ロール用若しくはクリーニングロール用
として使用される永久磁石部材、それを用いたマグネッ
トロールおよびそれを用いた画像形成方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来電子写真法を応用したプリンタ、複
写機、ファクシミリ等においては、例えば円筒状に形成
した静電潜像担持体(感光体ドラム)上に情報に対応し
た静電潜像を形成し、感光体ドラムと対向して設けた永
久磁石部材を内蔵するマグネットロールにより、磁性現
像剤を薄層状態で吸着搬送し、現像領域において磁性現
像剤の磁気ブラシを形成すると共に、この磁気ブラシに
よって前記感光体ドラム上の静電荷像形成面を摺擦し、
トナー像として顕像化する。そしてこの顕像化したトナ
ー像を記録紙に転写した後、熱定着するのが最も一般的
な画像形成手段である。
【0003】磁性現像剤にはトナーと磁性キャリアとを
混合してなる二成分系磁性現像剤と磁性トナーからなる
一成分系磁性現像剤とがあるが、トナーの帯電が安定し
ていることから二成分系磁性現像剤が主に使用されてい
る。二成分系磁性現像剤においてはトナーと磁性キャリ
アとを混合攪拌して相互の摩擦帯電によりトナーを所定
の極性に帯電させ、感光体ドラムの表面に形成された静
電荷像に静電的に付着させることにより、静電荷像を現
像するのである。従ってマグネットロールの表面に滞留
してトナーを帯電させる磁性キャリアとしてはトナーに
対する帯電付与能力の高いものが要求される。
【0004】近年においてはデジタル潜像方式の画像形
成装置に代表されるように画像の高精細化が要求される
ため、磁性現像剤中のトナーは従来の平均粒径10μm
程度のものから5〜9μm程度のより小粒径のトナーが
使用されるようになってきている。従って磁性キャリア
もトナーとの接触面積を増大させ帯電付与能力を確保す
るために従来の平均粒径100μm程度のものから40
〜80μm程度のより小粒径のキャリアが使用されるよ
うになってきている。磁性キャリアがマグネットロール
の表面に吸着保持されるための磁力は、磁性キャリアの
粒径の3乗に比例するから小粒径キャリアほど磁力が小
さく、マグネットロールから離脱して感光体ドラムの表
面などに付着するキャリア付着現象が生じやすくなる。
キャリア付着箇所では転写時に記録紙が感光体ドラム上
のトナー像に密着せず転写不良を生じてトナーのない白
抜け画像になる。またキャリア付着は感光体表面を傷つ
けることもある。これを解決する手段としてマグネット
ロールの表面磁力を増大させ磁性キャリアの離脱を防ぐ
ことが考えられる。
【0005】一方、プリンタ、複写機、ファクシミリ等
はオフィスユース、個人ユースを問わず小型省スぺース
化の要求が強い。特にプリンタや複写機においてフルカ
ラー方式を採用する場合、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックと四台の現像装置を配置する必要があり現
像装置の小型化が必要である。これらの小型化を進める
うえで欠かせないものの一つにマグネットロールの小径
化がある。すなわち表面磁力を増大させ且つ小径化した
マグネットロールが求められるのである。
【0006】マグネットロールは現像剤担持体である円
筒形非磁性金属スリーブとそれに対し同軸かつ相対回転
自在に内蔵された永久磁石部材とを有する構造である。
永久磁石部材はスリーブ表面に磁性現像剤を吸着保持す
るための磁力を発生させるが、永久磁石部材の有効体積
が小さくなるほど磁力は低下するので表面磁力の増大化
と永久磁石部材の小径化とは相反する技術課題である。
現在のマグネットロール要求仕様を満たしうる永久磁石
部材に希土類永久磁石があるが、長尺品は製造が難しく
且つ高コストであり採用は困難である。
【0007】本発明の目的は、希土類磁石を使用せずに
スリーブ表面磁力を増大させ且つ小径化した永久磁石部
材およびそれを用いたマグネットロール、更にそれを用
いた画像形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】近年のデジタル潜像方式
の画像形成装置において求められる高精細画像を得るに
は、トナー粒径が10μm以下、磁性キャリア粒径が1
00μm以下の二成分系磁性現像剤を使用する必要があ
る。この現像剤でキャリア付着なく画像形成し且つ現像
装置の小型化も達成するためにマグネットロールに必要
な仕様は、現像磁極(主極)のスリーブ表面での磁束密
度が1000ガウス(G)以上、且つマグネットロール
(スリーブ)外径が30mm以下、好ましくは20mm以下
である。本発明者はこのようなマグネットロールを得る
ための永久磁石部材として先ず異方性ボンド磁石を検討
した。ボンド磁石はフェライト粒子と熱可塑性結着樹脂
材料との混合物を主成分とするもので、これを加熱混練
し磁場中で配向させながら円筒状に押し出して成形体を
えた。この成形体に着磁をしてボンド磁石とした。ボン
ド磁石は成形性に優れ小径化は容易である。しかも磁場
配向により十分な磁束密度を得ることができた。具体的
には外径16mmのマグネットロールの表面上で主極磁束
密度1050Gが得られた。
【0009】このマグネットロールを図1に示す現像装
置5に組み込んだ。図1で現像装置5はマグネットロー
ル3と現像剤槽4とを有し(感光体ドラム10を含んで
もよい)、マグネットロール3は永久磁石部材1、現像
剤担持体であるスリーブ2及びシャフト9とを有する。
永久磁石部材1は円柱形状又は円筒形状で中実でも中空
でもよい。シャフト9は永久磁石部材1を支持するため
のものであるが省略することも可能である。磁性現像剤
7はスリーブ2が矢印方向に回転すると層厚規制部材6
によりスリーブ表面上に薄層状に形成されて主極1aの
ある現像領域へ搬送される。このような状態でスリーブ
を回転させようとしたところ永久磁石部材1がスリーブ
2の内周面に接触していることが判明した。スリーブ表
面上で1000G以上もの磁束密度を得るには永久磁石
部材の高磁力化だけでは達成困難であり永久磁石部材表
面とスリーブ表面との距離をできる限り小さくしなけれ
ばならない。本発明者は距離0.65mm(スリーブ肉
厚0.5mm、ギャップ0.15mm)で検討をおこな
ったが、永久磁石部材がヤング率の小さいボンド磁石で
あったため永久磁石部材1が磁性現像剤7と引き合う力
8により撓んでいることがわかった。永久磁石部材の撓
みは主極磁束密度分布の直線性も低下させ画像品質を低
下させる。この現象は永久磁石部材が長いほど顕著に現
れる。
【0010】続いて等方性焼結フェライト磁石を検討し
た。この磁石はフェライト粒子、混合媒体および粘結剤
を少なくとも含む混合物を主成分とするもので、これを
混練しラバープレス法により成形し円筒状成形体をえ
た。成形体を乾燥した後焼結することで等方性焼結フェ
ライト磁石とした。シャフト9を永久磁石部材1に接着
固定した後、両者の同軸性と永久磁石部材1の外径寸法
精度を確保するためにシャフト9を基準にして永久磁石
部材1の外周面を円筒研削加工する。
【0011】上記等方性焼結フェライト磁石に研削加工
を施した後所定の着磁を行いスリーブ内に組み込んだ。
外径16mmのマグネットロールの表面上で主極磁束密度
は900Gであった。このマグネットロールをボンド磁
石のときと同様の図1に示す現像装置に組み込んだ。こ
の状態でスリーブを回転させたところ永久磁石部材のス
リーブ内周面への接触はなかったものの、主極磁束密度
が低いため良好な画質は得られなかった。
【0012】本発明者はこれらの検討結果からボンド磁
石では目的達成は困難であり、焼結フェライト磁石にて
検討を進めることとした。しかし等方性では磁力が不十
分であるのでこれを改善しなければならない。この課題
を解決するため先ずラジアル異方性および極異方性によ
る磁力の向上を試みた。
【0013】ラジアル異方性を付与する手段には二つあ
る。一つは圧延異方性を利用する手段である。フェライ
トは六方晶の結晶体であり六角板状であるためそのC軸
は成形時の剪断力により押し出し方向と直角方向に機械
的に配向される。フェライトはC軸方向に磁化しやすい
ため異方性が付与される。マグネットロール用永久磁石
部材のように細長い永久磁石部材でこの性質を利用する
製造手段に押し出し成形法がある。押出成形装置の先端
部を図2(a)に示す。原料20は図示しない押し出し
スクリュウにより押し出されて成形金型21を通過する
際にそれと同じ断面形状に成形される。原料が成形金型
を通過する際に押し出し方向に剪断力を受けるので直角
方向にC軸が向きラジアル異方性が付与される。マンド
レル24は成形体に中空部を設けるためのものである。
【0014】別の手段はフェライト粒子に磁場を印加し
て磁場方向にC軸を向けさせる磁場配向手段である。一
例を図2(b)に示す。この手段は図2(a)の押出成
形装置図に磁気回路22a,23aを生じさせるための
磁場発生コイル22,23を追加して設置したものであ
る。マンドレル24を磁性材料で形成すると磁気回路2
2a,23aを形成しやすい。図2(a)又は(b)の
押出成形装置で作製したラジアル異方性円筒形永久磁石
部材のA−A矢視断面を図2(c)に示す。矢印が配向
されたC軸方向である。図2(a)及び(b)の押出成
形装置による磁場配向度は後者のものがより優れてい
る。
【0015】ラジアル異方性の永久磁石部材は任意の磁
極配置や着磁パターンを形成することができ、着磁装置
にセットする際の位相(周方向位置)も任意である。更
に脱磁と再着磁により新たな磁極配置や着磁パターンを
形成することもできる。これは磁極配置や着磁パターン
が配向パターンに制限され、しかも着磁装置にセットす
る際の位相を着磁装置に対し特定のものにしなければな
らない極異方性の永久磁石部材に比べて大きな利点であ
る。
【0016】図3の押出成形装置は図2(a)の押出成
形装置に原料20を極異方性配向させるための磁場発生
コイル30を追加して設置したものである。図3の押出
成形装置は非対称に極異方性配向させることができる。
【0017】焼結フェライト磁石の磁力を向上させる別
の手段に、その組成の一部を別の元素で置換した高性能
フェライト磁石がある。この高性能フェライト磁石は、
下記一般式: (A1−X)O・n[(Fe1−y
(原子比率) (但し、AはSr及び/又はBaであり、RはYを含む希土
類元素の少なくとも1種であり、MはCo,Mn,Ni及びZn
からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、x,y
及びnはそれぞれ下記条件: 0.01≦x≦0.4, [x/(2.6n)]≦y≦[x/(1.6n)],及
び5≦n≦6 を満たす数字である)により表わされる基本組成を有
し、実質的にマグネトプランバイト型結晶構造を有する
ものである。
【0018】ここで、前記R元素及び/又は前記M元素
は化合物の状態で仮焼き後の粉砕工程で、あるいは仮焼
き前の混合工程と仮焼き後の粉砕工程とで添加されるこ
とが好ましい。R元素の濃度はマグネトプランバイト型
結晶粒内よりも粒界の方が高くなっているのが好まし
い。R元素がLaでM元素がCoのとき、異方性化されたフ
ェライト磁石は20℃において4100G以上の残留磁
束密度Brと4000エルステット゛(Oe)以上の保磁力iHcと9
2.3%以上の角形比(Hk/iHc)とを有する。
【0019】R元素の化合物としてはLa,Nd,Pr,Ceか
らなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物、水酸化
物、炭酸塩又は有機酸塩を添加するのが好ましい。また
M元素の化合物として、Co,Mn,Ni及びZnからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の酸化物、水酸化物、炭酸塩
又は有機酸塩を添加するのが好ましい。またM元素の化
合物としてCo化合物のみを添加するのも好ましい。
【0020】R元素およびM元素の後添加又は前/後添
加によって高性能フェライト磁石を製造すると、前添加
により得られた高性能フェライト磁石と比べてR元素お
よびM元素の置換量(x及びyの値)の増大とともに、
角形比の劣化傾向が著しく抑制される。
【0021】R元素およびM元素の後添加を行う場合は
仮焼き粉の工程でのモル比が後添加により低下するが、
5未満になると磁気特性が大きく低下したり成形体から
焼結体に至る際の収縮率が大きく変化する。対策として
仮焼き粉のモル比を予め高く設定しておくことはBrや角
形比等を大きく低下させてしまうので好ましくなく、仮
焼き粉のモル比を過大にせずに、後添加方式又は前/後
添加方式により得られた焼結フェライト磁石のモル比を
所望の範囲5〜6に設定するのに酸化鉄等の鉄酸化物を
後添加するのが好ましい。後添加前の仮焼き粉のモル比
は5〜6であるのが好ましい。
【0022】後添加方式によりフェライト磁石を製造す
るに際し、仮焼き後の微粉砕時に鉄化合物を添加するこ
とにより磁気特性及び収縮率の変動が低減することを確
認したので以下に説明する。
【0023】SrCO3およびFe2O3をSrO・nFe2O3(n=
5.9)の基本組成になるように配合し、湿式混合した
後1250℃で2時間大気中で仮焼きした。仮焼き粉を
ローラーミルで乾式粉砕し粗粉とした。その後アトライ
ターにより湿式微粉砕を行い平均粒径が約0.8μmの
微粉を含むスラリーを得た。粗粉の微粉砕工程の初期に
粗粉重量を基準にして2.5重量%のLa2O3及び1.2
重量%のCo3O4を添加すると共に、2〜8重量%のFe3O4
(マグネタイト)を添加した。さらに粗粉の微粉砕工程
の初期に粗粉重量を基準にして0.1重量%のSrCo3
1重量%のCaCo3および0.3重量%のSiO2を焼結助剤
として添加した。得られた各微粉スラリーを10kOeの
磁場中で湿式成形し、得られた各成形体を1210〜1
230℃で2時間焼結した。得られた各焼結体の基本組
成はほぼ下記組成式: (Sr1−xLax)O・n[(Fe1−yCoy23](原子比
率) (但し、x=0.15、y=x/2n、n=5.32〜
5.67)に対応している。各焼結体を約10mm×10
mm×20mmの形状に加工し、B−Hトレーサにより20
℃において磁気特性を測定した。結果を5図に示す。
【0024】Fe3O4を添加しない以外は前記と同様にし
て下記基本組成式: (Sr1−XLa)O・5.20[(Fe1−Co
](原子比率) (但し、x=0.15、y=x/2n)により示される
フェライト磁石を作製した。得られたフェライト磁石の
モル比は5.20に低下していた。測定した磁気特性を
図5に示す。
【0025】図5よりFe3O4を2〜8重量%添加した場
合には、Fe3O4の添加量が0重量%の場合と比べて磁気
特性が向上していることが分かる。例えばFe3O4を6重
量%添加した場合には、Fe3O4の添加量が0重量%の場
合と比べて、等しいiHcの値の時に比較して、Brが約1
00G向上しており、また等しいBr値の時に比較してiH
cが約600Oe向上していた。
【0026】更に図5に関連した検討からFe3O4の添加
量を0.1〜11重量%(Fe元素基準)とすれば、Fe3O4
の添加量が0重量%の場合と比べてBr、iHcおよび角形
比を改善できると共に、収縮率も安定化できることが分
かった。またFe3O4の添加量を0.1〜11重量%(Fe元
素基準)とした場合では、20℃におけるBrが4150
〜4400GでiHcが4050〜4500Oeで角形比が
94.5〜96%の高保磁力型高性能フェライト磁石が
得られた。
【0027】上記検討の結果、小口径、高磁力且つ低コ
ストのマグネットロールに用いる永久磁石部材として焼
結フェライト磁石が好適に使用できることを見出した。
例えば、スリーブ外径が30mm以下、好ましくは20mm
以下、更に好ましくは16mm以下のマグネットロールを
使用して、トナー粒径が10μm以下、好ましくは8μm
以下、更に好ましくは6μm以下、磁性キャリア粒径が
100μm以下、好ましくは80μm以下、更に好ましく
は70μm以下の二成分系磁性現像剤でキャリア付着な
く画像形成するには、主極のスリーブ表面での磁束密度
が1000ガウス(G)以上、好ましくは1150G以
上、更に好ましくは1300G以上必要である。本発明
者はラジアル異方性焼結フェライト磁石または組成の一
部を別の元素で置換した高性能フェライト磁石を用い、
且つ永久磁石部材表面−スリーブ表面間距離を小さくす
ることで主極のスリーブ表面上磁束密度1000G以上
を達成した。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図1に示す現像装置(画像
形成装置)を用いて行った本発明の実施例及び比較例に
ついて詳しく説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。以下において「部」は「重量部」を表
す。
【0029】 (実施例1) 材料:Srフェライト粉末(体積平均粒径1μm) 100部 メチルセルロース(粘結剤) 0.5部 水 17部 上記材料をバッチ式ニーダにより混練し原料とする。こ
の原料を図2(a)の押出成形装置を用いて成形体に成
形した。成形体を乾燥させた後、1200〜1250℃
の範囲で2時間焼結してフェライト材料を得た。これに
図4に示すように直径(d)5mmのSUM24製シャフト9
を接着しシャフト基準で外周研削を行って外径(Dm)1
4.7mm×内径(d)5mm×長さ(l)320mmの円筒
状永久磁石部材とした。研削代約0.5mmで同軸性が得
られた。これに図1に示すような4極非対称着磁を施
し、更に330mmの間隔(L)でシャフト9に設けた軸
受けを介して外径(Dso)16mm×内径(Dsi)15mmの
非磁性金属製スリーブ2内に取り付けてマグネットロー
ル3を作製した。主極N1の残留磁束密度は2350
G、スリーブ2表面上磁束密度は1030Gであった。
このマグネットロール3を用いて図1の現像装置5を作
製し、現像剤槽4に体積平均粒径8μmの非磁性トナー
と体積平均粒径80μmのフェライトキャリアとからな
る磁性現像剤7(トナー濃度4.5重量%)を充填し
た。
【0030】前記現像装置5を含む画像形成装置の他の
仕様(画像形成条件)は次の通りであり、これで画像形
成及び評価を行った。 ・ドクターギャップGd(層厚規制部材6とスリーブ2との隙間):200μm ・現像ギャップGP(感光体ドラム10とスリーブ2との隙間):300μm ・感光体ドラム: OPC ・感光体ドラム表面電位: 600V ・プロセス速度(感光体ドラム10の周速): 230mm/sec ・搬送速度(スリーブ2の周速): 400mm/sec ・現像方式: 正規現像 ・バイアス電圧:DC300VにAC1kVを重畳(電圧と周波数は適宜調節) ・環境: 室温25℃,相対湿度40%
【0031】ドクターギャップGdは現像ギャップGp
り小であるが現像剤層はドクター6を通過すると若干膨
らむためドクターギャップより厚くなるので、本実施例
では現像領域で現像剤層が磁気ブラシを形成し感光体ド
ラム10を摺擦する接触現像となっている。現像剤槽4
に磁性現像剤7を十分に充填した状態で永久磁石部材1
はスリーブ2に接触しておらずスリーブ2の回転は滑ら
かであることを確認したうえで画像を形成した。得られ
た画像は画像濃度(マクベス濃度計)1.45,細線再
現性8(本/mm)であり、キャリア付着は印字100枚
当たり8個(10個未満を良好とする)で良好な画質で
あった。
【0032】押し出し成形法では成形体に圧延異方性が
付与されるが、それが必ずしも一様ではないために磁極
の残留磁束密度が軸方向でばらつきやすい。本実施例の
磁束密度のばらつきは25G/cmであった。この磁束密
度のばらつきは画像品質を低下させるが、本実施例では
磁性現像剤中のトナーが非磁性であることや接触現像で
あることなど比較的磁束密度のばらつきの影響を受け難
いと考えられる現像方式であったため良好な画像が得ら
れたものと考えられる。
【0033】(実施例2)図2(b)の押出成形装置を
用いた他は実施例1と同様にして、実施例1とほぼ同寸
法の円筒状永久磁石部材を得た。これを用いて実施例1
と同様のマグネットロールおよび現像装置を作製し、同
様の磁性現像剤を十分に充填した。主極N 1の残留磁束
密度は2800G、スリーブ2表面上磁束密度は110
0Gであった。
【0034】前記現像装置を含む画像形成装置の他の仕
様(画像形成条件)は実施例1と同様であり、これで画
像形成及び評価を行った。現像剤槽に磁性現像剤を十分
に充填した状態で永久磁石部材はスリーブに接触してお
らずスリーブの回転は滑らかであることを確認したうえ
で画像を形成した。得られた画像は画像濃度1.50,
細線再現性10(本/mm)であり、キャリア付着は印字
100枚当たり6個で実施例1より更に良好な画質であ
った。
【0035】(実施例3)Srフェライト粉末を次のよう
にして作製した。SrCO3及びFe2O3をSrO・nFe2O3(n=
5.9)の基本組成になるように配合し、湿式混合した
後、1250℃で2時間大気中で仮焼きした。仮焼き粉
をローラミルで乾式粉砕し粗粉とした。この粗粉にLa2O
3を2.5重量%、Co3O4を1.2重量%およびFe3O
4(マグネタイト)を8重量%添加して体積平均粒径1
μmに微粉砕した。この微粉の最終基本組成は下記式: (Sr1−XLaX)O・n[(Fe1−yCo23](原子
比率) (x=0.15,y=x/2n,n=5.67)に相当
する。このSrフェライト粉末を用いた他は実施例1と同
様にして、実施例1とほぼ同寸法の円筒状永久磁石部材
を得た。これを用いて実施例1と同様のマグネットロー
ルおよび現像装置を作製し、同様の磁性現像剤を十分に
充填した。主極N1の残留磁束密度は2600G、スリ
ーブ2表面上磁束密度は1070Gであった。
【0036】前記現像装置を含む画像形成装置の他の仕
様(画像形成条件)は実施例1と同様であり、これで画
像形成及び評価を行った。現像剤槽に磁性現像剤を十分
に充填した状態で永久磁石部材はスリーブに接触してお
らずスリーブの回転は滑らかであることを確認したうえ
で画像を形成した。得られた画像は画像濃度1.50,
細線再現性9(本/mm)であり、キャリア付着は印字1
00枚当たり2個で良好な画質であった。
【0037】(比較例1)平均粒径1μmのSrフェライ
ト粉末を600〜1100℃の温度範囲で焼成し、焼成
後ライカイ機で解砕して80〜100メッシュの大きさ
に粒子を分粒して粒度を揃えることにより等方性化処理
を施したSrフェライト粉末を作製した。Srフェライト粉
末にこの等方性化Srフェライト粉末を用いた他は実施例
1と同様にして、実施例1とほぼ同寸法の円筒状永久磁
石部材を得た。これを用いて実施例1と同様のマグネッ
トロールおよび現像装置を作製し、同様の磁性現像剤を
十分に充填した。主極N1の残留磁束密度は2200
G、スリーブ2表面上磁束密度は920G、磁束密度の
軸方向のばらつきは7G/cmであった。
【0038】前記現像装置を含む画像形成装置の他の仕
様(画像形成条件)は実施例1と同様であり、これで画
像形成及び評価を行った。現像剤槽に磁性現像剤を十分
に充填した状態で永久磁石部材はスリーブに接触してお
らずスリーブの回転は滑らかであることを確認したうえ
で画像を形成した。得られた画像は画像濃度1.35,
細線再現性6(本/mm)であり、キャリア付着は印字1
00枚当たり28個で不十分な画質であった。
【0039】本比較例の永久磁石部材は磁粉の等方性化
処理により磁力のばらつきは小さくなるものの磁力その
ものがやや小さい。これは磁粉が等方性化しているため
押し出し成形による圧延異方性化の効果が低減したもの
と考えられる。
【0040】 (比較例2) 材料:Srフェライト粉末(体積平均粒径1μm) 100部 ポリビニルアルコール 17部 上記材料をバッチ式ニーダにより混練し原料とする。こ
の原料を造粒、乾燥した原材料粉末を準備する。次のこ
の原材料粉末を、中心部にコアロッドを有し且つゴムか
らなる薄膜の袋体中に充填して、油、グリセリン、水な
どの液体中に入れ液圧を印加することによって周囲から
加圧して成形体を得る。これを1200〜1250℃の
範囲で2時間焼結して実施例1とほぼ同寸法の円筒状永
久磁石部材を得た。これを用いて実施例1と同様のマグ
ネットロールおよび現像装置を作製し、同様の磁性現像
剤を十分に充填した。主極N1の残留磁束密度は215
0G、スリーブ2表面上磁束密度は900Gであった。
フェライト粒子の配向が等方性であるため十分な磁束密
度が得られていない。
【0041】前記現像装置を含む画像形成装置の他の仕
様(画像形成条件)は実施例1と同様であり、これで画
像形成及び評価を行った。現像剤槽に磁性現像剤を十分
に充填した状態で永久磁石部材はスリーブに接触してお
らずスリーブの回転は滑らかであることを確認したうえ
で画像を形成した。得られた画像は画像濃度1.35,
細線再現性6(本/mm)であり、キャリア付着は印字1
00枚当たり30個であり実用不可の画質であった。
【0042】 (比較例3) 材料:Srフェライト粉末(体積平均粒径1μm) 93部 エチレン-エチルアクリレート共重合体 4.7部 分散剤(DH-37) 1部 滑剤(スリハ゜ックスE) 0.5部 シリコーンオイル 0.8部 上記材料を加熱混練し原料とする。この原料を図3の押
出成形装置を用いて成形体に成形し実施例1とほぼ同寸
法の円筒状永久磁石部材(ボンド磁石)を得た。これを
用いて実施例1と同様のマグネットロールを作製し、永
久磁石部材はスリーブに接触しておらずスリーブの回転
は滑らかであることを確認した。主極N 1の残留磁束密
度は2850G、スリーブ2表面上磁束密度は1200
Gであった。このマグネットロールを用いて実施例1と
同様の現像装置を作製し同様の磁性現像剤を十分に充填
した。
【0043】現像剤槽に磁性現像剤を十分に充填した状
態では永久磁石部材はスリーブに接触していることが確
かめられた。これは剛性の小さいボンド磁石が磁性現像
剤に磁気吸引されて撓んだ為である。本比較例のボンド
磁石のヤング率は2.0×104kgf/cm2である。特開平
9−54501号公報ではヤング率1.0×106kgf/c
m2以上の永久磁石部材を用いれば撓みを防止できるとし
ているが、現在知られている樹脂材料を用いて作製した
ボンド磁石のヤング率は2.0×105kgf/cm2程度が限
界である。
【0044】(比較例4)シャフト9の直径(d)を
8.5mmとしたこと以外は比較例3と同様にマグネット
ロールを作製した。主極N1の残留磁束密度は2850
G、スリーブ2表面上磁束密度は870Gであった。こ
のマグネットロールを用いて実施例1と同様の現像装置
を作製し同様の磁性現像剤を十分に充填した。シャフト
の剛性アップにより永久磁石部材の撓みを防ぐことがで
きた。しかし、その分永久磁石部材の体積が減少し残留
磁束密度の低下が見られた。
【0045】前記現像装置を含む画像形成装置の他の仕
様(画像形成条件)は実施例1と同様であり、これで画
像形成及び評価を行った。得られた画像は画像濃度1.
30,細線再現性6(本/mm)であり、キャリア付着は
印字100枚当たり25個であり実用不可の画質であっ
た。
【0046】(実施例4)図3の押出成形装置を用いた
他は実施例1と同様にして、実施例1とほぼ同寸法の円
筒状永久磁石部材を得た。これを用いて実施例1と同様
のマグネットロールおよび現像装置を作製し、同様の磁
性現像剤を十分に充填した。主極N1の残留磁束密度は
3500G、スリーブ2表面上磁束密度は1350Gと
極めて高磁力であった。
【0047】前記現像装置を含む画像形成装置の他の仕
様(画像形成条件)は実施例1と同様であり、これで画
像形成及び評価を行った。現像剤槽に磁性現像剤を十分
に充填した状態で永久磁石部材はスリーブに接触してお
らずスリーブの回転は滑らかであることを確認したうえ
で画像を形成した。得られた画像は画像濃度1.50,
細線再現性10(本/mm)であり、キャリア付着は印字
100枚当たり2個で実施例1より更に良好な画質であ
った。
【0048】(実施例5)実施例1と同様にして、実施
例1とほぼ同寸法の円筒状永久磁石部材を得た。これを
用いて実施例1と同様のマグネットロールおよび現像装
置を作製し、同様の磁性現像剤を十分に充填した。主極
1の残留磁束密度は2350G、スリーブ2表面上磁
束密度は1030Gであった。
【0049】現像剤槽に磁性現像剤を十分に充填した状
態で永久磁石部材はスリーブに接触しておらずスリーブ
の回転は滑らかであることを確認したうえで画像を形成
した。非接触現像法を行うために前記現像装置5を含む
画像形成装置の他の仕様(画像形成条件)を次の通りと
し、これで画像形成及び評価を行った。 ・ドクターギャップGd(層厚規制部材6とスリーブ2との隙間):75μm ・現像ギャップGp(感光体ドラム10とスリーブ2との隙間):300μm ・感光体ドラム: OPC ・感光体ドラム表面電位: 600V ・プロセス速度(感光体ドラム10の周速): 230mm/sec ・搬送速度(スリーブ2の周速): 240mm/sec ・現像方式: 正規現像 ・バイアス電圧:DC250VにAC1.2kVを重畳(電圧と周波数は適宜調節) ・環境: 室温25℃,相対湿度40% 得られた画像は画像濃度1.30,細線再現性9(本/
mm)であり、キャリア付着は印字100枚当たり4個で
良好な画質であった。
【0050】本実施例の軸方向の磁束密度のばらつきは
25G/cmと比較的大きい。本実施例では磁束密度のば
らつきの影響を受け易いと考えられる非接触現像を行っ
たが、磁性現像剤中のトナーが非磁性であったため比較
的良好な画像が得られるものと考えられる。
【0051】(実施例6)Srの一部をLaに、Feの一部を
Coにそれぞれ置換した実施例3のSrフェライト粉末を用
いた他は実施例1と同様にして、実施例1とほぼ同寸法
の円筒状永久磁石部材を得た。これを用いて実施例1と
同様のマグネットロールおよび現像装置を作製し、同様
の磁性現像剤を十分に充填した。主極N1の残留磁束密
度は2600G、スリーブ2表面上磁束密度は1070
Gであった。
【0052】現像剤槽に磁性現像剤を十分に充填した状
態で永久磁石部材はスリーブに接触しておらずスリーブ
の回転は滑らかであることを確認したうえで画像を形成
した。非接触現像法を行うために前記現像装置5を含む
画像形成装置の他の仕様(画像形成条件)を実施例5と
同様とし、これで画像形成及び評価を行った。得られた
画像は画像濃度1.40,細線再現性9(本/mm)であ
り、キャリア付着は印字100枚当たり3個で良好な画
質であった。
【0053】(比較例5)Srフェライト粉末に比較例1
の等方性化Srフェライト粉末を用いた他は実施例1と同
様にして、実施例1とほぼ同寸法の円筒状永久磁石部材
を得た。これを用いて実施例1と同様のマグネットロー
ルおよび現像装置を作製し、同様の磁性現像剤を十分に
充填した。主極N1の残留磁束密度は2200G、スリ
ーブ2表面上磁束密度は920Gであった。
【0054】現像剤槽に磁性現像剤を十分に充填した状
態で永久磁石部材はスリーブに接触しておらずスリーブ
の回転は滑らかであることを確認したうえで画像を形成
した。非接触現像法を行うために前記現像装置5を含む
画像形成装置の他の仕様(画像形成条件)を実施例5と
同様とし、これで画像形成及び評価を行った。得られた
画像は画像濃度1.30,細線再現性5(本/mm)であ
り、キャリア付着は印字100枚当たり30個と不十分
な画質であった。
【0055】(比較例6)体積平均粒径8.5μmの磁
性トナーと体積平均粒径80μmのフェライトキャリア
とからなる磁性現像剤7(トナー濃度20重量%)を使
用した他は実施例1と同様にして、実施例1とほぼ同寸
法の円筒状永久磁石部材を得た。これを用いて実施例1
と同様のマグネットロールおよび現像装置を作製し、前
記の磁性現像剤を十分に充填した。主極N1の残留磁束
密度は2350G、スリーブ2表面上磁束密度は103
0Gであった。
【0056】前記現像装置を含む画像形成装置の他の仕
様(画像形成条件)は実施例1と同様であり、これで画
像形成及び評価を行った。得られた画像は画像濃度1.
40,細線再現性6(本/mm)であり、キャリア付着は
印字100枚当たり20個で不十分な画質であった。
【0057】本比較例では磁束密度のばらつきの影響を
比較的受け難いと考えられる接触現像を行ったものの、
キャリア及びトナーの何れもが磁性であるため磁束密度
のばらつきの影響が大きく、不十分な画像になったもの
と考えられる。
【0058】(比較例7)体積平均粒径8.5μmの磁
性トナーと体積平均粒径80μmのフェライトキャリア
とからなる磁性現像剤7(トナー濃度18重量%)を使
用した他は実施例1と同様にして、実施例1とほぼ同寸
法の円筒状永久磁石部材を得た。これを用いて実施例1
と同様のマグネットロールおよび現像装置を作製し、前
記の磁性現像剤を十分に充填した。主極N1の残留磁束
密度は2350G、スリーブ2表面上磁束密度は103
0Gであった。
【0059】非接触現像法を行うために前記現像装置5
を含む画像形成装置の他の仕様(画像形成条件)を実施
例5と同様とし、これで画像形成及び評価を行った。得
られた画像は画像濃度1.35,細線再現性6(本/m
m)であり、キャリア付着は印字100枚当たり25個
で不十分な画質であった。
【0060】(比較例8)体積平均粒径8.5μmの磁
性トナーからなる磁性現像剤7を使用した他は実施例1
と同様にして、実施例1とほぼ同寸法の円筒状永久磁石
部材を得た。これを用いて実施例1と同様のマグネット
ロールおよび現像装置を作製し、前記の磁性現像剤を十
分に充填した。主極N1の残留磁束密度は2350G、
スリーブ2表面上磁束密度は1030Gであった。
【0061】前記現像装置を含む画像形成装置の他の仕
様(画像形成条件)は実施例1と同様であり、これで画
像形成及び評価を行った。得られた画像は画像濃度1.
45,細線再現性4(本/mm)であり不十分な画質であ
った。
【0062】(比較例9)体積平均粒径8.5μmの磁
性トナーからなる磁性現像剤7を使用した他は実施例1
と同様にして、実施例1とほぼ同寸法の円筒状永久磁石
部材を得た。これを用いて実施例1と同様のマグネット
ロールおよび現像装置を作製し、前記の磁性現像剤を十
分に充填した。主極N1の残留磁束密度は2350G、
スリーブ2表面上磁束密度は1030Gであった。
【0063】非接触現像法を行うために前記現像装置5
を含む画像形成装置の他の仕様(画像形成条件)を実施
例5と同様とし、これで画像形成及び評価を行った。得
られた画像は画像濃度1.50,細線再現性5(本/m
m)であり不十分な画質であった。
【0064】(実施例7)SrCO3及びFe2O3をSrO・nFe2
O3(n=5.95)の基本組成になるよう配合し、湿式
混合した後、1200℃で2時間大気中で仮焼きした。
仮焼き粉をローラミルで乾式粉砕し粗粉とした。その
後、アトライターにより湿式微粉砕を行い、平均粒径
0.80μmの微粉を含むスラリーを得た。この際、各
粗粉の微粉砕工程の初期に、粗粉重量を基準にして0〜
2.5重量%のLa2O3及び0〜2.3重量%のCoOを添加
した。また比較材として粗粉の微粉砕工程の初期に1.
3重量%のCr2O3を添加したスラリーを作製した。何れ
の場合にも粗粉の微粉砕工程の初期に粗粉重量を基準に
して0.50重量%のSrCO3、0.30重量%のSiO2
び0.80重量%(CaO換算で0.45重量%)のCaCO3
を焼結助剤として添加した。例えばLa2O3を2.50重
量%及びCoOを1.15重量%添加した場合の最終基本
組成は、近似的に下記式: (Sr1−xLa)O・n[(Fe1−yCo23](原
子比率) (x=0.15,y=x/2n,n=5.25)に相当
する。
【0065】0.80μmの各微粉を含むスラリーを1
0kOeの磁場中で湿式成形し、得られた成形体を121
0〜1230℃で2時間焼結した。得られた焼結体をマ
グネットロール用として約8mm×8mm×320mmのブロ
ック形状に加工した。また、測定用に約10mm×10mm
×20mmの形状に加工し、B−Hトレーサにより20℃
において磁気特性を測定した。
【0066】結果を図6に示す。La2O3を2.50重量
%及びCoOを1.15重量%添加した場合(▽)には、
無添加の場合(○)に比較して特にiHcが格段に改善さ
れていることが分かる。またiHcを増加させるために通
常添加するCr2O3添加の場合(×)に比べ、高iHc領域に
おけるBrの減少が著しく少ないことが分かる。さらにCo
Oの単独添加の場合(△,□)、又は電荷補償のバラン
スが崩れた場合(◇)にはiHcが低かった。本実施例に
より、Srフェライト磁石の仮焼き粗粉を作製した後で微
粉砕する際に、La化合物及びCo化合物を添加することに
より所望の基本組成に調整する後添加方式を採用する
と、もとのSrフェライト磁石よりも高いBr及びiHcを有
するようになることが分かる。
【0067】次にLa2O3及びCoOを微粉砕工程で添加して
作製した焼結体から適当なサイズに切り出してなる試料
に対して、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行っ
た。この試料のマグネトプランバイト型フェライト結晶
粒内および結晶粒界のSEM分析結果を表1に示す。La
(R元素)及びCo(M元素)はマグネトプランバイト型
フェライト結晶粒内にも十分固溶しているが、結晶粒界
にも多く存在することが分かる。さらにこの試料の結晶
粒内および結晶粒界のそれぞれ20箇所をSEM等により
分析したところ、La(R元素)及び/又はCo(M元素)
がマグネトプランバイト型フェライト結晶粒内よりも結
晶粒界でより高濃度となる傾向があることが分かった。
これは明らかに仮焼き後の微粉砕工程でLa2O3及びCoOを
添加して焼結体の基本組成に調整する後添加方式により
フェライト磁石を作製したことと密接に関連している。
本実施例ではR=La,M=Coの場合を例示したが、他の
R元素及びM元素を組み合わせて形成したフェライト磁
石の場合でも、本実施例と同様のミクロ組織を持つ場合
には高い保磁力iHc(又は高い保磁力iHc及び残留磁束密
度Br)を有する。
【0068】
【表1】
【0069】前記のブロック状焼結体(永久磁石部材)
1を4本作製し、図7に示すようにこれらを非磁性支持
体11を介しシャフト9に固着配設した。各ブロック状
焼結体1は直径29.6mmの円に内接する。永久磁石部
材がブロック状磁石であること及び外径(Dso)32mm
×内径(Dsi)30mmのスリーブとしたことを除き実施
例1と同様にマグネットロール及び現像装置を作製し
た。各ブロック状焼結体の残留磁束密度は4250G、
スリーブ2表面上磁束密度は1260Gであった。
【0070】前記現像装置を含む画像形成装置の他の仕
様(画像形成条件)は実施例1と同様であり、これで画
像形成及び評価を行った。現像剤槽に磁性現像剤を十分
に充填した状態で永久磁石部材はスリーブに接触してお
らずスリーブの回転は滑らかであることを確認したうえ
で画像を形成した。得られた画像は画像濃度1.45,
細線再現性10(本/mm)であり、キャリア付着は印字
100枚当たり4個で実施例1より更に良好な画質であ
った。
【0071】本実施例では全てのブロック状焼結体を上
記の高性能フェライト材としたが、これを一部の磁極
(例えば現像磁極N1)にのみ用い他の磁極用には従来
の永久磁石材(フェライト焼結磁石,フェライトボンド
磁石等)を用いることもできる。また、焼結体は焼結歪
があるため寸法精度が低く、それを高めるために表面を
研削するなどの後加工を通常は行う。そのため本実施例
ではブロック状焼結体の断面形状は矩形としたが、直線
で構成される断面形状であれば後加工は容易であり実施
可能である。また断面形状は一部に円弧等の曲線を取り
込んだ形状としてもよい。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、現像剤搬送スリーブ外
表面に1000G以上の磁界を生じる小口径マグネット
ロールを得ることができる。本発明によれば、磁性現像
剤を現像剤槽に充填してもマグネットロール中の永久磁
石部材が撓み現像剤搬送スリーブと接触することのない
小口径マグネットロールを得ることができる。本発明に
よれば、小粒径二成分現像剤を小口径マグネットロール
で搬送して高品質の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像装置の断面図。
【図2】(a)本発明で用いる永久磁石部材を作製する
のに使用する押出成形装置の軸方向断面図。 (b)(a)の装置にラジアル配向用磁場発生コイルを
配置した押出成形装置の軸方向断面図。 (c)(a)又は(b)の装置により配向された永久磁
石部材の断面図。
【図3】図2(a)の装置に極配向用磁場発生コイルを
非対称配置した押出成形装置の断面図。
【図4】本発明のマグネットロールの軸方向断面図。
【図5】高性能フェライト磁石におけるFe3O4添加量と
磁気特性との相関の一例を示すグラフ。
【図6】実施例7のフェライト磁石の磁気特性を示すグ
ラフ。
【図7】本発明(実施例7)のマグネットロールの断面
図。
【符号の説明】
1 永久磁石部材、1a 主極、2 スリーブ、3 マ
グネットロール、4 現像剤槽、5 現像装置、7 磁
性現像剤、9 シャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H031 AC18 AC33 AD01 BA05 BA09 DA01 DA07 2H034 BE00 5E040 AB04 AB09 BD01 CA20 HB03 HB05 HB06 NN02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉を押し出し法で成形したのち焼結
    し、下記一般式: (A1−X)O・n[(Fe1−y
    (原子比率) (但し、AはSr及び/又はBaであり、RはYを含む希土
    類元素の少なくとも1種であり、MはCo,Mn,Ni及びZn
    からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、x,y
    及びnはそれぞれ下記条件: 0.01≦x≦0.4, [x/(2.6n)]≦y≦[x/(1.6n)],及
    び5≦n≦6 を満たす数字である)により表わされる基本組成を有す
    るフェライト材料からなることを特徴とする永久磁石部
    材。
  2. 【請求項2】 磁性粉を磁場中で押し出すことを特徴と
    する請求項1記載の永久磁石部材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の永久磁石
    部材と、該永久磁石部材によって生じる磁界を表面に有
    し前記永久磁石部材に対し相対移動可能な現像剤担持体
    とを有することを特徴とするマグネットロール。
  4. 【請求項4】 永久磁石部材によって生じる磁界を表面
    に有する現像剤担持体に現像剤を担持させ該現像剤担持
    体と静電潜像担持体とが対向する現像領域へ前記現像剤
    を搬送して静電潜像担持体上の静電潜像を現像する画像
    形成方法において、 前記永久磁石部材は磁性粉を押し出し法で成形し焼結し
    た一体のフェライト材料からなり、前記現像剤は磁性キ
    ャリアと非磁性トナーとを有することを特徴とする画像
    形成方法。
  5. 【請求項5】 前記フェライト材料は下記一般式: (A1−X)O・n[(Fe1−y
    (原子比率) (但し、AはSr及び/又はBaであり、RはYを含む希土
    類元素の少なくとも1種であり、MはCo,Mn,Ni及びZn
    からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、x,y
    及びnはそれぞれ下記条件: 0.01≦x≦0.4, [x/(2.6n)]≦y≦[x/(1.6n)],及
    び5≦n≦6 を満たす数字である)により表わされる基本組成を有す
    ることを特徴とする請求項4記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 磁性粉を磁場中で押し出すことを特徴と
    する請求項4又は請求項5記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 磁性粉を磁場中で成形したのち焼結し、
    下記一般式: (A1−X)O・n[(Fe1−y
    (原子比率) (但し、AはSr及び/又はBaであり、RはYを含む希土
    類元素の少なくとも1種であり、MはCo,Mn,Ni及びZn
    からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、x,y
    及びnはそれぞれ下記条件: 0.01≦x≦0.4, [x/(2.6n)]≦y≦[x/(1.6n)],及
    び5≦n≦6 を満たす数字である)により表わされる基本組成を有す
    るフェライト材料からなる永久磁石部材と、該永久磁石
    部材によって生じる磁界を表面に有し前記永久磁石部材
    に対し相対移動可能な現像剤担持体とを有することを特
    徴とするマグネットロール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007060757A1 (ja) * 2005-11-25 2007-05-31 Hitachi Metals, Ltd. 酸化物磁性材料及びその製造方法、並びにフェライト焼結磁石及びその製造方法

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