JP2001012757A - １缶３回路式給湯装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】給湯用缶体内に暖房用蛇管及び風呂用蛇管を、
上下に位置させた１缶３回路式給湯装置で、出湯温度が
安定した給湯が行えるようにする。 【解決手段】給湯用缶体１の給水口１０を、該缶体１内
上部に備えた暖房用蛇管４と、下部に備えた風呂用蛇管
５との間に形成した所定間隔の給水空間１１と対向する
位置に設けたことで、缶体１内に供給される給水が各蛇
管４、５にぶつかり乱流を起こす心配がなく、スムーズ
に残った温水と混合することで、常に安定した出湯温度
の給湯が行えるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は１つの缶体で、給
湯、暖房、風呂の３回路を有する１缶３回路式給湯装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来よりこの種のものに於いては、例え
ば特開平８−２４７５４５号公報に開示されている如
く、１つの給湯缶体内に、暖房用の熱交換器となる暖房
用蛇管及び風呂用熱交換器となる風呂用蛇管とを備え、
缶体内の温水で給湯を行うと共にこの温水と熱交換して
温水暖房及び風呂の追焚きや保温を行い、１台３役で利
便性を計るものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところでこの従来のも
のでは、給水口が缶体下部で風呂用蛇管より下方にある
ので、給水が蛇管に当たり乱流を起こしてしまい、特に
連続して大量の給水が行われる大出湯時には、図３に示
すように出湯温度が最大１７℃の範囲で上下動し良好な
出湯特性が得られないと言う問題点を有するものであっ
た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明はこの点に着目
し上記欠点を解決する為、特にその構成を、下部に加熱
用のバーナ備えた給湯用缶体内に、放熱器と暖房回路を
介して連通した暖房用蛇管と、浴槽と循環回路を介して
連通した風呂用蛇管とを上下に備えたものに於いて、前
記缶体上部には出湯口を備えると共に、暖房用蛇管と風
呂用蛇管との間には所定間隔の給水空間を設け、この給
水空間と対向する位置に給水口を備えたものである。

【０００５】又、缶体外方に該缶体上部と下部とを連通
する連通パイプと撹拌用ポンプを備え、暖房及び風呂運
転時に撹拌用ポンプを駆動させ、缶体内温水を撹拌すれ
ば、缶体内温水温度が均一となり良好な暖房及び風呂焚
きを行うことが出来るものであり、更にこの時缶体下部
の低温水を上部の高温水に混入するようにすることで、
この撹拌も効率良く行えるものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】下部に加熱用のバーナ部２を備え
た給湯用缶体１内に暖房用蛇管４と風呂用蛇管５とを上
下に配置し、缶体１上端中央には出湯口９を備えると共
に、給水口１０を前記暖房用蛇管４と風呂用蛇管５との
間に形成した給水空間１１と対向するように備えた事
で、給水口１０から供給される給水は給水空間１１で拡
散され各蛇管４、５にぶつかることなく缶体１内にスム
ーズに供給されて、出湯温度の変動を抑え良好な出湯特
性を得ることが出来るものである。

【０００７】更に缶体１外方には連通パイプ７と撹拌用
ポンプ６が備えられ、暖房及び風呂運転時には、缶体１
下部の温水を上部に供給する撹拌作用を確実に行うよう
にしたので、暖房及び風呂運転時には常に缶体１内の温
水温度は均一となり、熱交換ムラが発生せず良好な暖房
及び風呂焚きが行えるものである。

【０００８】

【実施例】次にこの発明に係る１缶３回路式給湯装置を
図面に示された一実施例で説明する。１は下部に加熱用
のバーナ部２を備える燃焼室３を形成した給湯用缶体
で、内方には温水暖房用の熱交換器を構成する暖房用蛇
管４と、風呂焚き用の熱交換器を構成する風呂用蛇管５
とを上下に配設し、給湯と共に温水暖房暖房及び風呂焚
きを同時又はそれぞれ単独でも行えるようにしたもので
ある。

【０００９】６は給湯用缶体１の上下部を結ぶ連通パイ
プ７途中に備えられた撹拌用ポンプで、温水暖房及び風
呂焚き時には連続駆動して、缶体１内の温水温度を上下
均一化させるもので、暖房及び風呂焚きが終了するまで
継続して行うものである。

【００１０】前記給湯用缶体１の上部中央には給湯栓８
と連通し適温水を供給する出湯口９が備えられると共
に、補水用の給水口１０は暖房用蛇管４と風呂用蛇管５
とが、ここでは該風呂用蛇管５と同等の所定間隔離れて
形成した給水空間１１に対向するように缶体１やや中央
部に備えられ、給湯使用で補水される給水が各蛇管４、
５にぶつかり乱流が発生しないようにしているものであ
る。

【００１１】１２は暖房用蛇管４からの温水を暖房用ポ
ンプ１３により放熱器１４を流通させ室内に熱気を放出
した後、再び暖房用蛇管４に戻し、順次この循環を行わ
せて室内の暖房を行う温水式の暖房回路である。

【００１２】１５は途中に風呂用ポンプ１６を備え、浴
槽１７と風呂用蛇管５とを連通させた循環回路で、浴槽
１７内の湯水を風呂用蛇管５に循環させることで風呂焚
きを行うものである。

【００１３】１８は給湯用缶体１上部に備えられたサー
ミスタから成る温度センサーで、暖房運転及び風呂運転
の時には缶体１内の湯温が８０℃〜８５℃となるように
バーナ部２及び撹拌用ポンプ６を駆動制御し、給湯時に
は湯温が６５℃〜７０℃となるようにバーナ部２の燃焼
制御のみを行うものである。

【００１４】次にこの発明一実施例について説明する。
先ず暖房運転を説明すれば、温度センサー１８が缶体１
内湯温を検知し、この温度が８０℃〜８５℃になるよう
にバーナ部２の燃焼を制御すると共に、撹拌用ポンプ６
を駆動して缶体１下部の温水を上部に供給して該缶体１
内の湯温を均一にした状態で、暖房用ポンプ１３を駆動
し暖房用蛇管４内で缶体１内温水と熱交換して高温とな
った不凍液等の熱媒体を放熱器１４に流通し、再び暖房
用蛇管４に戻す循環を繰り返して、放熱器１４によって
室内の暖房を行うものである。

【００１５】次に風呂運転は、缶体１湯温及び撹拌用ポ
ンプ６の駆動は上記暖房運転時と同じ状態で、風呂用ポ
ンプ１６を駆動し浴槽１７内の温水を風呂用蛇管５に順
次循環させて、風呂を沸き上げるものであり、循環回路
１５途中に備えられた湯温センサー（図示せず）の設定
温度検知で自動的に停止されるものである。

【００１６】更に暖房運転及び風呂運転の同時運転も缶
体１内を上記温度状態に保持することで容易に行われる
ものである。

【００１７】又撹拌用ポンプ６によって、缶体１内と下
の温度差をなくし常に同一の熱交換効率で暖房ムラがな
い温水暖房及び、沸き上がり時間が大きく変動しない風
呂焚きを実現出来るものである。

【００１８】次に、給湯は給湯栓８を開くことによる流
水をフローセンサー（図示せず）が検知し、温度センサ
ー１８による缶体１内湯温が予め設定された６５℃〜７
０℃になるようにバーナ部２の燃焼を制御し、そして途
中に備えた湯水混合弁（図示せず）や湯水混合栓（図示
せず）によって、適宜温度の湯水として給湯を行うもの
である。

【００１９】又缶体１内にはこの給湯によって減少した
分の給水が給水口１０から供給されるが、該給水口１０
は缶体１に内蔵された上部の暖房用蛇管４と下部の風呂
用蛇管５との間の給水空間１１と対向する位置に備えら
れているので、供給される給水が２つの蛇管４、５にぶ
つかり乱流を起こす心配がなく、缶体１内に残った温水
と良好に混合するものであり、更に給水口１０はバーナ
部２を下部に備えた缶体１の縦方向ほぼ中央部に位置す
るので、下部のバーナ部２で加熱され上部へ上昇しよう
とする温水に勢い良く供給され、缶体１上部に位置する
温度センサー１８が湯温を検知する前にすばやく混合
し、上昇速度を弱めることが出来るので、検知温度を均
一な缶体１内湯温とすることが出来、大出湯時に於いて
も図２に示すように出湯温度を大きな温度変動がないほ
ぼ一定温度の出湯に安定させることが出来るものであ
る。

【００２０】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、給湯用
缶体への給水が該缶体内に内蔵された暖房用蛇管或いは
風呂用蛇管にぶつかり乱流を起こして、出湯温度が大き
く変動する不具合を極めて簡単な構成で防止することが
出来、１缶３回路式給湯装置でありながら常に安定した
出湯温度の給湯が行え極めて使用勝手が良いものであ
る。

【００２１】又缶体上下を途中に撹拌用ポンプを備えた
連通パイプで連通すれば、缶体内上下の温度差をなくし
全体を均一な温度とすることが出来、暖房及び風呂運転
を良好に行わせることが出来るものであり、しかも下部
の低温水を上部の高温水に供給することで、温度上昇し
てくる高温水との撹拌も同時に行われ、効率の良い撹拌
が行えるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明一実施例を付した１缶３回路式給湯装
置の擬構成図。

【図２】同給湯装置の出湯温度の特性図。

【図３】従来の給湯装置の出湯温度の特性図。

【符号の説明】

１ 給湯用缶体 ２ バーナ部 ４ 暖房用蛇管 ５ 風呂用蛇管 ６ 撹拌用ポンプ ７ 連通パイプ ９ 出湯口 １０ 供給口 １１ 給水空間

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長濱 嘉計 新潟県三条市東新保７番７号 株式会社コ ロナ内 Ｆターム(参考） 3L070 BB03 BC03

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部に加熱用のバーナ部備えた給湯用缶
   体内に、放熱器と暖房回路を介して連通した暖房用蛇管
   と、浴槽と循環回路を介して連通した風呂用蛇管とを上
   下に備えたものに於いて、前記缶体上部には出湯口を備
   えると共に、暖房用蛇管と風呂用蛇管との間には所定間
   隔の給水空間を設け、この給水空間と対向する位置に給
   水口を備えた事を特徴とする１缶３回路式給湯装置。
2. 【請求項２】 上記給湯用缶体外方には、缶体内上下を
   結ぶ連通パイプとこの連通パイプ途中に位置する撹拌用
   ポンプとを備え、暖房運転中及び風呂運転中及び両運転
   中は撹拌用ポンプを駆動し、缶体内温水の撹拌を行うこ
   とを特徴とする請求項１記載の１缶３回路式給湯装置。
3. 【請求項３】 上記撹拌用ポンプ駆動の撹拌は、缶体下
   部の温水を上部に供給するようにした事を特徴とする請
   求項２記載の１缶３回路式給湯装置。