JP2001011790A - 繊維ウェブ製品及びその製造方法 - Google Patents

繊維ウェブ製品及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮脂や水分の拭き取り性に優れ、さらさら
感、しなやか感に優れたティシュペーパー、トイレット
ペーパー、皮脂取り用ペーパー等の繊維ウェブを提供す
る。 【解決手段】 無機物または有機物またはその混合物か
らなる粉体としてのタルクまたはカオリンまたはコーン
スターチまたはその1種以上を0.1〜20重量部、吸
湿性を有する保湿成分としてのグリセリンを1〜30重
量部、水を0.5〜15重量部加えてなる処理液を、紙
や不織布等の繊維ウェブに対し2〜100重量%含浸さ
せる。また、必要に応じて接着成分やシリコーン類、脂
肪酸類、油類物質を併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮脂や水分の拭き
取り性に優れたティシュペーパー、トイレットペーパ
ー、皮脂取り用ペーパー等に使用可能な繊維ウェブ製品
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
清潔志向や素肌の快適性を求める意識の高まりを背景と
して、皮脂や水分の拭き取り性が高く、肌触りのよい繊
維ウェブ製品の提供が要望されている。特に、脂性肌の
人を始めとして、普通肌の人でも高温、多湿の季節には
汗や脂の分泌が多くなることから、さらさらとした触感
があって、しかも皮膚をさっぱりとさせる繊維ウェブ製
品の実現が望まれている。また、近年普及が進んでいる
洗浄装置付水洗トイレを使用する場合、シャワー水が皮
膚に残り、不快感を生じることがある。このような時に
も、水分の拭き取り性が高く、さらさらとした触感があ
って皮膚をさっぱりとさせる繊維ウェブ製品が望まれて
いる。
【0003】この種の繊維ウェブ製品として、例えば特
開平6−319664号公報に記載されているような化
粧用脂取り紙がある。この脂取り紙は、皮脂吸収性の高
い植物繊維を主成分とするパルプ原料に無機質填料を配
合して紙料を調成し、抄紙して得た紙の緊度を所定値以
上とすることによって吸脂性、柔軟性、強度に優れた脂
取り紙を得るものである。これらの脂取り紙は皮脂を取
る専用紙であり、紙の密度が高く、脂の吸収速度は速い
反面、水分の吸収性はほとんどない。加えて、これらの
製品は一般に高価であるため、脂取り紙以外に、ティシ
ュペーパーの代用にするなど広い用途に使うには適さな
い。
【0004】また、脂取り専用ではないが、保湿性の高
いティシュペーパーとして、本出願人による特開平5−
156596号公報及び米国特許第5449551号に
見られるような、しっとりさがあって皮膚刺激性が少な
い繊維ウェブ製品が公知となっている。この繊維ウェブ
製品は、吸湿水分によるパルプの可塑化のために、しっ
とりさと滑らかさはあるものの、さらさら感は少なく、
皮脂等の汚れの拭き取り性は低くなっている。
【0005】更に、粉体を配合したウェットティシュも
知られており、皮膚などを拭き取った後に皮膚の表面か
ら水分等の揮発成分が揮発し、皮膚上に残った粉体がさ
らさら感を生じさせる製品もある。しかるに、この製品
は本来的に水分が過剰なウェット状態で使用するもので
あり、乾燥防止のための密閉容器や特殊な包装を必要と
するため高価になりがちである。
【0006】一方、紙に塗布したおしろい粉を使用時に
皮膚に転移させる紙おしろいも知られているが、携帯用
のおしろいとしての性格が大きく、ティシュペーパー等
の用途には向いていない。
【0007】そこで本発明は、これらの従来技術が有す
る問題点を解消し、皮脂や水分の拭き取り性に優れ、テ
ィシュペーパーを始めとして各種用途に使用可能な低コ
ストの繊維ウェブ製品及びその製造方法を提供しようと
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明にかかる繊維ウェブ製品は、繊維ウェブに、
無機物または有機物またはその混合物からなる粉体と、
吸湿性を有する保湿成分とを含むことにより、粉体によ
る吸脂性、さらさら感の発現、保湿成分によるしっとり
感、しなやか感、皮膚等の対象物への潤滑性の発現を可
能にした。また、必要に応じて接着成分やシリコーン
類、脂肪酸類、油類物質を併用することとした。
【0009】すなわち、本発明の好ましい構成として
は、紙または不織布からなる繊維ウェブに対し、無機物
または有機物またはその混合物の粉体、吸湿性を有する
保湿成分、及び水からなる処理液を、2〜100重量%
含浸させるものである。また、本発明の繊維ウェブ製品
は、紙または不織布からなる繊維ウェブに対し、無機物
または有機物またはその混合物の粉体、吸湿性を有する
保湿成分、接着成分、及び水からなる処理液を、2〜1
00重量%含浸させるものである。処理液中の水の量
は、繊維ウェブに処理液を含浸した後、処理液中の保湿
成分が周囲環境下から自ら吸湿するであろう水分と等し
い量であることが好ましい。更に、本発明の繊維ウェブ
製品は、上記各成分に加えて、シリコーン類、脂肪酸
類、油類物質の何れかを含む処理液を、繊維ウェブに対
し2〜100重量%含浸させたものである。
【0010】本発明の繊維ウェブは、湿式製法の繊維ウ
ェブの抄造中において、前記処理液を、湿潤状態の繊維
ウェブに印刷ロールまたはスプレーを用いて含浸させ、
もしくは、繊維ウェブを抄造して乾燥させた後に印刷ロ
ールまたはスプレーを用いて含浸させる製法により、あ
るいは、乾式製法の繊維ウェブの製造後において、でき
あがった繊維ウェブに対し前記処理液を印刷ロールまた
はスプレーを用いて含浸させる製法によって製造され
る。
【0011】本発明の繊維ウェブ製品において、繊維ウ
ェブとしては、木材繊維(針葉樹、広葉樹)、非木材植
物繊維(麻、靱皮繊維、木綿、わら等)、レーヨン繊維
等からなる紙、または、木材パルプ繊維、天然繊維(木
綿、羊毛、絹等)、半合成繊維(レーヨン等)、合成繊
維(ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル,ポリプロ
ピレン等)等からなる不織布が使用される。
【0012】粉体としては、タルク、カオリン、クレ
ー、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機物粉体や、金
属石鹸(ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸リチウム等)、コーンスターチ、小麦
粉、馬鈴薯澱粉、小麦粉タンパク質等の有機物粉体の一
種以上が含まれる。これらの粉体の粒子径は細かいほど
繊維ウェブの表面を平滑化して皮膚等の対象物との接触
面積を大きくするので吸脂性や滑らか感が向上するの
で、例えば3μm以下とするのが好ましい。粉体の含有
量は、余り微量であると吸脂性やさらさら感がなく、多
過ぎると効果が飽和するため、繊維ウェブに対して0.
01〜50重量%であることが好ましく、0.1〜20
重量%が更に好ましい。このように、本発明における粉
体は、主にその吸脂力によって繊維ウェブ製品の拭き取
り力を高め、ウェブ表面の摩擦力を低減してさらさら
感、滑らか感を向上させる。
【0013】吸水性を有する保湿成分としては、グリセ
リン、ジグリセリン、ポリグリセリン、平均分子量20
0以上1000未満のポリエチレングリコール、ソルビ
ット、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、果
糖、ブドウ糖、オリゴ糖、オリゴ糖アルコール、マルチ
トール、トレハロース、還元澱粉加水分解物、グリシン
ベタイン、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン
酸塩、乳酸ナトリウム等の一種以上が含まれる。これら
の保湿成分の含有量は、適度なしっとり感、しなやか感
を発現させるために、繊維ウェブに対して0.5〜10
0重量%とするのが好ましく、1〜30重量%とするの
が更に好ましい。これらの成分を含有させることによ
り、繊維ウェブが周囲環境の水分を吸収して保湿し、し
っとり感を向上させると共に、保湿水分が繊維を膨潤さ
せて繊維の水素結合を緩ませ、繊維ウェブのしなやか感
を高める。同時に、保湿成分は、繊維ウェブに接触する
皮膚等の対象物との間の潤滑剤としても作用する。ま
た、保湿成分自体や、後述する接着成分と保湿成分との
併用により、前記粉体を繊維ウェブに良く保持させるこ
とができる。
【0014】接着成分には、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム(CMC)、ポリビニルアルコール(PV
A)、澱粉糊、ウレタン樹脂、ラテックス等の一種以上
が含まれる。この接着成分は必要不可欠なものではな
く、添加する場合には少量で粉体の離脱程度を少なくす
ることが可能である。加えて、接着成分の分量を調節す
ることにより、皮膚等へ転移する量(使用時のさらさら
感の程度)の調節が可能である。
【0015】シリコーン類には、アミノ変性、エポキシ
変性、カルボキシル変性、またはポリエーテル変性の変
性シリコーンオイル、ジメチルポリシロキサン等の一種
以上が含まれる。シリコーン類を必要に応じ併用するこ
とで、繊維ウェブ製品のさらさら感と滑らか感が一層向
上する。
【0016】また、脂肪酸類としては、ステアリン酸、
パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸のような脂肪
酸、上記脂肪酸のナトリウム、カリウム、トリエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン
の各塩類、上記脂肪酸のグリセリンモノ脂肪酸エステ
ル、ジグリセリン脂肪酸エステルのようなグリセリン脂
肪酸エステルの一種以上が含まれる。油類物質には、流
動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類や、オリーブ
油、ツバキ油、ヒマシ油、大豆油、やし油、パーム核
油、牛脂等の油脂類、ミツロウ、カルナバロウ、ラノリ
ン等のロウ類、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、オレイルアルコール等の高級アルコール類、ミリス
チン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等のエ
ステル類の一種以上が含まれる。これらの脂肪酸類や油
類物質の併用も、シリコーン類と同様に、繊維ウェブ製
品の滑らかさの向上、触感の改善に寄与する。
【0017】更に本発明の繊維ウェブ製品では、シリコ
ーン類、脂肪酸類及び油類物質の混合状態を均一化し、
更に吸水性の低下を補うため、必要に応じて界面活性剤
を添加することが望ましい。この界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒ
マシ油エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアル
コールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レン縮合物、ショ糖脂肪酸エステル等の非イオン系界面
活性剤や、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン
等の両性界面活性剤、または、アルキル硫酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテルリン酸等のアニオン系界面活性剤
が挙げられる。
【0018】なお、上記に加えて、本発明の繊維ウェブ
製品には、必要に応じてパラオキシ安息香酸エステル等
の防カビ剤を加えても良い。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の繊維ウェブ製品の好まし
い実施形態としては、 タルクまたはカオリンまたはコーンスターチまたはそ
の1種以上を0.1〜20重量部、グリセリンを1〜3
0重量部、水を0.5〜15重量部加えてなる処理液
を、繊維ウェブに対し2〜100重量%含浸させたもの タルクまたはカオリンまたはコーンスターチまたはそ
の1種以上を0.1〜20重量部、グリセリンを1〜3
0重量部、CMCを0.005〜2.0重量部、水を
0.5〜15重量部加えてなる処理液を、繊維ウェブに
対し2〜100重量%含浸させたもの タルクまたはカオリンまたはコーンスターチまたはそ
の1種以上を0.1〜20重量部、グリセリンを1〜3
0重量部、水溶性ウレタン樹脂を0.005〜5.0重
量部、水を0.5〜15重量部加えてなる処理液を、繊
維ウェブに対し2〜100重量%含浸させたもの タルクまたはカオリンまたはコーンスターチまたはそ
の1種以上を0.1〜20重量部、グリセリンを1〜3
0重量部、シリコーンを0.005〜2.0重量部、水
を0.5〜15重量部加えてなる処理液を、繊維ウェブ
に対し2〜100重量%含浸させたもの タルクまたはカオリンまたはコーンスターチ(何れも
平均粒子径:3μm以下)またはその1種以上を0.1
〜20重量部、グリセリンを1〜30重量部、CMCを
0.005〜2.0重量部、水溶性ウレタン樹脂を0.
005〜5.0重量部、シリコーンを0.005〜2.
0重量部、水を0.5〜15重量部加えてなる処理液
を、繊維ウェブに対し2〜100重量%含浸させたもの
等が挙げられる。
【0020】
【実施例】(1)第1実施例 この第1実施例は、繊維ウェブとして紙を使用した例で
ある。NBKP(針葉樹クラフト法漂白パルプ)80
%、LBKP(広葉樹クラフト法漂白パルプ)20%配
合のパルプをフリーネス630〜640ml(CSF)
に叩解し、坪量14.0g/m2、クレープ率18%の
衛生紙用原紙を抄紙した。表1及び表2に示す成分を溶
解混合して処理液を作成し、グラビア印刷ロールを用い
て2枚重ねにした原紙両面に塗布し含浸させた。ここ
で、表1は本発明による実施例1〜12を示し、表2は
比較例1〜3を示しており、これらの表における各成分
の数字は、原紙に対する重量%である。なお、表2の比
較例1は無処理であり、比較例2,3は処理液がタルク
またはグリセリンの何れか一方と水とからなるものであ
る。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】なお、表1、表2における各成分(後述す
る表5、表6についても同様)には、以下のものを使用
した。 ・タルク:日本タルク(株)製 「ミクロエース」 ・カオリン:土屋カオリン工業(株)製 「カオリン」 ・コーンスターチ:王子コーンスターチ(株)製「エー
スK−100」 ・CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム):
第一工業製薬(株)製「セロゲン」 ・PVA(ポリビニルアルコール):日本合成化学工業
(株)製「ゴーセノール」 ・コーンスターチ糊(コーンスターチを80°Cで糊
化):王子コーンスターチ(株)製「エースK−10
0」 ・水溶性ウレタン樹脂:第一工業製薬(株)製「スーパ
ーフレックス」 ・グリセリン:旭電化工業(株)製「食添用グリセリ
ン」 ・ポリエーテル変性シリコーンオイル:信越化学工業
(株)製「シリコーンKF352」 ・ステアリン酸:旭電化工業(株)製「アデカ脂肪酸S
A−910」 ・トリエタノールアミン:三井東圧化学(株)製「トリ
エタノールアミン」 ・流動パラフィン:エッソ石油(株)製「クリストール
70」 ・IPM(ミリスチン酸イソプロピル):東京化成工業
(株)製「ミリスチン酸イソプロピル」 ・乳化剤(ポリオキシエチレンラノリンアルコールエー
テル):第一工業製薬(株)製「ラミゲンET−70」
【0024】次に、含浸処理した原紙を湿度65±10
%、温度20±5℃で20時間静置して安定させた後、
ティシュペーパーの形状(2枚重ね、縦200mm、横
225mm)に加工して、後述する試験A〜Cを行っ
た。前記実施例1〜12についての試験結果を表3に示
し、比較例1〜3についての試験結果を表4に示す。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】(2)第2実施例 この第2実施例は、繊維ウェブとして不織布を使用した
例である。表5及び表6に示す成分を溶解混合して処理
液を作成しておき、目付量が40g/m2の乾式パルプ
不織布(本州キノクロス(株)製“キノクロス”)の両
面にグラビア印刷ロールを用いて塗布し含浸させた。こ
こで、表5は本発明による実施例13〜15を示し、表
6は比較例4〜6を示しており、これらの表における各
成分の数字は、不織布に対する重量%である。なお、表
6の比較例4は無処理であり、比較例5,6は処理液が
タルクまたはグリセリンの何れか一方と水とからなるも
のである。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】次に、含浸処理した不織布を湿度65±1
0%、温度20±5℃で20時間静置して安定させた
後、縦200mm、横225mmの形状に加工して、後
述する試験A〜Cを行った。前記実施例13〜15につ
いての試験結果を表7に示し、比較例4〜6についての
試験結果を表8に示す。
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】第1実施例(実施例1〜12、比較例1〜
3)及び第2実施例(実施例13〜15、比較例4〜
6)に共通する試験内容は、以下のとおりである。 A.粉体の脱落性試験 試験方法としては、試料を指ではたき、飛散する粉体を
クリーンチェッカー「CCW−101型」((有)ヒロ
タック製)の試料室に導入して飛散の程度を観察した。
「飛散がない」場合を4、「飛散の量が少ない」場合を
3、「飛散の量が中程度」の場合を2、「飛散の量が多
い」場合を1とする。
【0034】B.官能試験 10人のパネラーにより、拭き取り性及び肌触りを評価
した。 ・拭き取り性 皮脂の分泌の多い額、鼻の周辺を拭き、汚れの拭き取り
性を比較した。「拭き取り力が大きい」を3、「拭き取
り力が中程度」を2、「拭き取り力が低い」を1とし、
スケール(1〜3)の任意の位置に印を付ける。 ・肌触りの評価 ・さらさら感 「非常にさらさらしている」を4、「さらさらしてい
る」を3、「ややさらさらしている」を2、「さらさら
さがない」を1とし、スケール(1〜4)の任意の位置
に印を付ける。 ・滑らか感 「非常に滑らかである」を4、「滑らかである」を3、
「やや滑らかである」を2、「滑らかさがない」を1と
し、スケール(1〜4)の任意の位置に印を付ける。な
お、表3、表4、表7、表8における上記官能試験結果
を示す数値は、パネラー10人の平均値である。
【0035】C.吸水度試験 JIS S−3104に規定されるティシュペーパーの
吸水度試験に準じて、滴下した蒸留水が完全に吸収され
るまでの時間を測定した。測定は5回行ない、その平均
値を求めた。なお、JIS規格は8秒以下である。
【0036】表3に示した実施例1〜12の試験結果、
表7に示した実施例13〜15の試験結果から明らかな
ように、本発明の実施例によれば、粉体の脱落性につい
てはほとんどの実施例が「飛散の量が少ない」以上の評
価を受け、拭き取り力も極めて高く、さらさら感や滑ら
か感に関する肌触り性についても高い評価を受けてい
る。また、吸水度に関しては、無処理の比較例と同等以
上でJIS規格を遥かに上回る良好な数値を示した。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明の繊維ウェブ製品に
よれば、粉体による滑らか感と保湿成分によるしなやか
感、しっとり感とが複合し、製品にさらさらとして滑ら
かな触感を与えることができる。このため、肌に優しい
ティシュペーパー、トイレットペーパー等を提供するこ
とができる。また、粉体の吸脂力によって皮脂の拭き取
り性が向上するので、専用の脂取り紙と同等の効果を得
ることができる。この粉体は、保湿成分のみまたは保湿
成分と接着成分等の併用によって繊維ウェブに保持され
ているので、保湿成分や接着成分の配合量を変えれば、
使用時における繊維ウェブからの離脱程度を調節して皮
膚等の対象物に適量を転移させ、所望のさらさら感を発
現させることができる。
【0038】更に、粉体や保湿成分、接着成分と共にシ
リコーン類や脂肪酸類、油類物質を併用すれば、さらさ
ら感や滑らか感が一層向上し、より優れた触感を得るこ
とができる。
【0039】本発明の繊維ウェブ製品によれば吸水性が
低下しないことが確認されており、衛生用紙としての機
能を保持しているため、ティシュペーパー、トイレット
ペーパー、タオルペーパー、皮脂取り用ペーパー、赤ち
ゃんや病人のお尻拭き、化粧用ウェブ、その他、皮膚と
直接接触させて清拭等に使用される各種繊維ウェブ製品
に適用可能である。つまり、脂取り紙やウェットティッ
シュ等の従来の各種専用品と比べて、汎用性が著しく高
い。加えて、繊維ウェブが過剰な水分を保有しないの
で、従来のウェットティシュと異なって密閉容器や特殊
包装を必要とせず、製品コストの上昇を招くおそれもな
い。
【0040】また、本発明の繊維ウェブの製造方法は、
大掛かりな製造設備や複雑な工程を要しないので、製造
コストの低減にも寄与することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維ウェブに、無機物または有機物また
    はその混合物からなる粉体と、吸湿性を有する保湿成分
    とを含むことを特徴とする繊維ウェブ製品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の繊維ウェブ製品におい
    て、 更に接着成分を含むことを特徴とする繊維ウェブ製品。
  3. 【請求項3】 無機物または有機物またはその混合物か
    らなる粉体と、吸湿性を有する保湿成分と、接着成分
    と、水とを含む処理液を、繊維ウェブに対し2〜100
    重量%含浸させたことを特徴とする繊維ウェブ製品。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の繊維ウェブ製品におい
    て、 前記処理液は、粉体としてのタルクまたはカオリンまた
    はコーンスターチまたはその1種以上を0.1〜20重
    量部、保湿成分としてのグリセリンを1〜30重量部、
    接着成分としての水溶性ウレタン樹脂を0.005〜
    5.0重量部、水を0.5〜15重量部加えてなること
    を特徴とする繊維ウェブ製品。
  5. 【請求項5】 湿式製法による繊維ウェブの抄造中にお
    いて、請求項3または4に記載の処理液を、湿潤状態の
    繊維ウェブに印刷ロールまたはスプレーを用いて含浸さ
    せ、もしくは、繊維ウェブを抄造して乾燥させた後に印
    刷ロールまたはスプレーを用いて含浸させることを特徴
    とする繊維ウェブ製品の製造方法。
  6. 【請求項6】 乾式製法による繊維ウェブの製造後にお
    いて、請求項3または4に記載の処理液を印刷ロールま
    たはスプレーを用いて含浸させることを特徴とする繊維
    ウェブ製品の製造方法。
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