JP2020169403A - 脂取り紙及び脂取り紙の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる温度及び湿度のもとでも、柔らかく、しっとり感がある脂取り紙及びその製造方法を提供する。【解決手段】密度が0.6g/cm3以上に高密度化処理された脂取り紙であって、坪量(g/m2)が15以上40以下であり、含有する糖アルコールの糖度(°Bx)が0.5以上3.5以下であることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、脂取り紙及び脂取り紙の製造方法に関する。
従来より顔の皮脂等の除去に脂取り紙が用いられている。この脂取り紙は、古くは、金箔製造用の地金を挟み込むために用いられた使用済みの箔打紙の再利用として利用されていた。箔打紙は地金とともに箔打ちをされる結果、高密度化処理され、脂取り紙を肌に押し付けると皮脂等が繊維に吸着される。
脂取り紙は、最近ではコウゾ、三椏、麻、木材パルプ等の天然繊維を主原料として、円網抄紙機等によって工業的に生産されている。また、抄紙した脂取り紙にスーパーキャレンダーあるいは箔打ち処理等を施して高密度化している(特許文献1)。
脂取り紙は、顔の肌等に押し当てて皮脂等を吸着させるため、肌への刺激が少ないものであることが好ましく、また、肌に当てた場合に、柔らかく、しっとり感のある脂取り紙が望まれる。
一方、柔らかさ、しっとり感といった指標は、同じ脂取り紙であっても、その脂取り紙が置かれている外部環境、具体的には温度、湿度によって変化する。このため、脂取り紙をある温度及び湿度の条件のもとで使用した場合には、やわらかさ、しっとり感が良好であったとしても、異なる温度及び湿度のもとで使用した場合には、やわらかさ、しっとり感の評価が異なることがあった。
本発明者は、脂取り紙に糖アルコールを含有させることによって、脂取り紙の柔らかさ、しっとり感が向上することに着目し、また、脂取り紙が含有する糖アルコールの糖度の範囲により、異なる温度及び湿度のもとでも良好な柔らかさ、しっとり感が維持できることを見出した。
本願発明は、異なる温度及び湿度のもとでも、柔らかく、しっとり感がある脂取り紙及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、密度が0.6g/cm3以上に高密度化処理された脂取り紙であって、坪量(g/m2)が15以上40以下であり、含有する糖アルコールの糖度(°Bx)が0.5以上3.5以下であることを特徴とする脂取り紙である。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、脂取り紙の厚みが50μm以下であることを特徴とする。
請求項3の発明は、紙に対する前記糖アルコールの含有量は、1.5g/m2以上6.0g/m2以下であることを特徴とする。
請求項3の発明は、紙に対する前記糖アルコールの含有量は、1.5g/m2以上6.0g/m2以下であることを特徴とする。
請求項4の発明は、脂取り紙原紙に糖アルコールを含有させた後に高密度化処理を行い、脂取り紙に含有された糖アルコールの糖度(°Bx)を0.5以上3.5以下、脂取り紙の坪量(g/m2)を15以上40以下とし、密度を0.6g/cm3以上にすることを特徴とする脂取り紙の製造方法である。
上記脂取り紙及び脂取り紙の製造方法によれば、異なる温度及び湿度のもとでも、柔らかく、しっとり感がある脂取り紙及びその製造方法を提供することができる。
以下、脂取り紙及び脂取り紙の製造方法の一実施形態について説明する。なお、本実施形態において脂取り紙とは原則として糖アルコールを含有させた状態を意味し、糖アルコールを含有する前を意味する場合には脂取り紙原紙という。
脂取り紙は繊維を原料とし、脂取り紙中の繊維全体における天然繊維の割合が50質量%以上となることが好ましい。天然繊維の割合が50質量%を下回ると脂取り紙として使用する際の脂の取れ性が低下するおそれがある。天然繊維には、植物繊維または動物繊維があり、植物繊維には、綿花等の種子からとる繊維、コイヤ等の果実からとる繊維、マニラ麻、サイザル麻等の葉からとる繊維、亜麻、黄麻、楮、ミツマタ、靭皮等の茎や樹皮からとる繊維、広葉樹や針葉樹の木材パルプがある。木材パルプにはクラフトパルプ、マーセル化パルプがあり、パルプには漂白処理をした晒パルプ、同処理をしていない未晒パルプがある。動物繊維には、羊毛、シルク、カシミア等がある。なお、脂取り紙に使用する繊維は、コストや滑らかさ等の点から、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、マニラ麻を使用することが好ましい。
また、天然繊維とあわせて使用することができる他の繊維として、ビスコース・レーヨンやキュプラ等の再生繊維、アセテート、プロミックス等の半合成繊維、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ビニロン、ポリプロピレン等の合成繊維がある。脂取り紙に使用する植物繊維は、ビーター等の叩解機にて所定の叩解度、例えばSR15度から40度に調整することが好ましい。
脂取り紙には、原料となる繊維以外に、吸脂性を高めるためクレー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機填料を含有することが好ましく、さらに定着剤、抗菌剤、香料、着色剤等を含有させることもできる。これらは抄紙時の抄槽内に繊維原料とともに内添する方法により脂取り紙に含有させることが好ましい。
また、脂取り紙は、糖アルコールを含有することが必要である。脂取り紙が糖アルコールを含有することにより、脂取り紙に柔らかさ、しっとり感が生ずる。脂取り紙における糖アルコールの糖度(単位は°Bx)は0.5以上3.5以下であることが必要である。糖度が0.5未満であると、少なくとも一部の温度及び湿度のもとでは、脂取り紙の柔らかさやしっとり感が低下する。また、糖度が3.5を超えると脂取り紙に触ったときにベタつき感が生じる。なお、脂取り紙に含有されている糖アルコールの糖度は実施例において説明する方法で測定することができる。
糖アルコールは、アルドースやケトースのカルボニル基が還元されて生成する糖の一種であり、エリスリトール、グリセリン、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、アルチトール等が含まれる。使用する糖アルコールは、一種の糖アルコールを単独で使用しても、異なる種類の糖アルコールを複数混合して使用してもよく、糖アルコール同士の混合であれば、その配合割合は問わない。糖アルコールは、加熱に対する安定性が高く加熱しながら高圧処理するスーパーキャレンダーの使用にも適している。
糖アルコールの含有方法は、湿紙形成後、乾燥前の脂取り紙原紙に対して糖アルコールを噴霧装置により塗布する方法を採用することができる。糖アルコールが粉体の場合には水溶液として塗布するか、あるいは粉体を脂取り紙原紙の上にふりかけることも可能である。粉体を脂取り紙原紙にふりかける場合には脂取り紙の使用時に粉体によるザラザラした違和感が生じないように、また、ふりかけ後に脂取り紙原紙から粉体がこぼれないように粉体の粒径をなるべく細かくすることが好ましい。
脂取り紙原紙へ糖アルコールを含有させるタイミングは、上記した乾燥前に限らず、乾燥後、キャレンダー加工前であってもよい。例えば、乾燥後キャレンダー加工前に行うダンピング加工の際に脂取り紙原紙に糖アルコールを塗布してもよい。その際にロールコーターを使用することも可能である。
脂取り紙の坪量(1平方メートル当たりの質量)は、15g/m2以上40g/m2以下であることが必要である。坪量が15g/m2未満であると紙自体が薄くなってしまい、高密度化処理の際に破れなどが生じることがある。また、坪量が40g/m2を超えると紙厚が増えて脂取り紙を使用した場合の柔らかさやしっとり感がよくない。
また、脂取り紙は高密度化処理がされていることが必要である。高密度化処理とは脂取り紙に対して厚み方向から圧力を加えて、密度を高めることをいう。この高密度化処理によって脂取り紙に含まれる繊維が潰れて皮膚の脂を吸着しやすくなる。また、高密度化処理により脂取り紙の密度は0.6g/cm3以上となる。
高密度化処理にはスーパーキャレンダー加工や箔打ち、あるいはその双方の処理などがある。なお、高密度化処理は、脂取り紙原紙に糖アルコールを含有させた後に行うことが必要である。
高密度化処理後の脂取り紙の厚みは50μm以下であることが好ましい。先に説明した坪量とも関連するが、脂取り紙の厚みがこれを超えると紙厚が増えて使用した場合の柔らかさやしっとり感がよくない。
以下、脂取り紙の製造方法の一実施形態を図1にしたがって説明する。図1は抄紙機1の模式図である。この抄紙機1は1つの円網を備えたいわゆる円網抄紙機であり基本構成において従来のものと変わりはない。なお、図1の抄紙機1では概要、抄紙工程は図中左側から右側に進むため、図中左側を上流、また右側を下流ともいう。この抄紙機1は大きく分けて上流側に配置されウェットフェルト2が走行するウェットパートWと、下流側に配置され湿紙Pを乾燥させる工程であるドライパートDとから構成される。
ウェットパートWは、ウェットフェルト2、抄槽3、円筒シリンダ4、クーチロール5、プレスロール6、及び複数のガイドローラから構成されている。抄槽3の内部には1台の円筒シリンダ4が回転可能に配置されている。なお、抄紙機1の最も上流側にはヘッドボックス7が配置されており、このヘッドボックス7から抄槽3に対して紙料供給用の配管が延びている(図示しない)。円筒シリンダ4の上部には小径のクーチロール5が配されている。このクーチロール5はウェットフェルト2を円筒シリンダ4の上面に圧接させるものである。
ウェットフェルト2はエンドレス状に形成された毛布であり、円筒シリンダ4の表面に形成された湿紙Pをピックアップして湿紙PをドライパートDへと搬送する。なお、ウェットフェルト2は図示しない駆動機構により駆動され、円筒シリンダ4はウェットフェルト2の駆動に伴って従動し、図中時計回りに回転する。
ドライパートDは、プレスロール6、エンドレス状のドライフェルト8、タッチロール9、ヤンキードライヤー10、及び複数のガイドローラから構成されている。また、ヤンキードライヤー10の上流には、塗布装置11がドライフェルト8上の湿紙Pに対向して配置されており、塗布装置11の噴霧ノズル12からドライフェルト8上の湿紙Pの幅方向全体にわたって糖アルコールを噴霧可能となっている。
この塗布装置11から、移動するドライフェルト8上の湿紙Pに連続して糖アルコールを噴霧することにより、脂取り紙原紙である湿紙Pに糖アルコールを含有させることができる。
以下、実施例を具体的に説明する。
脂取り紙原紙の繊維原料としてNBKP100%を使用し、これをビーターで叩解しSR18度に調整して各試験例の脂取り紙製造用の原料とした。
脂取り紙原紙の繊維原料としてNBKP100%を使用し、これをビーターで叩解しSR18度に調整して各試験例の脂取り紙製造用の原料とした。
同原料を使用して1層の脂取り紙原紙を製造した。脂取り紙原紙は、表1に示すように脂取り紙とした場合の坪量が異なる複数種類を製造した。なお、脂取り紙の坪量は後述するように糖アルコール又はショ糖を含有した状態の質量である。
製造した脂取り紙原紙を脱水した後、乾燥する前に、脂取り紙原紙の片面に糖アルコールを噴霧により塗布した。脂取り紙原紙に塗布する糖アルコールの種類、及び脂取り紙原紙への糖アルコールの塗布量(g/m2)は表1に示している。使用した糖アルコールはグリセリン、ソルビトール、キシリトールの3種類であり、また、糖アルコールではないショ糖も使用した。
グリセリンは、ミヨシ油化株式会社・精製グリセリン(濃度99%以上、常温で液体)を使用した。ソルビトールは、物産フードサイエンス株式会社・ソルビトールS(濃度70%、常温で液体)を使用した。キシリトールは、物産フードサイエンス株式会社・キシリトール(常温で粉体)を使用した。ショ糖は、パールエース株式会社・上白糖(常温で粉体)を使用した。
グリセリン及びソルビトールは常温で液体のため、液体のまま脂取り紙原紙に塗布した。一方、キシリトールとショ糖は常温で粉体のため、粉体を溶解した水溶液としてこれを脂取り紙原紙に塗布した。表1に示す糖アルコール及びショ糖の脂取り紙原紙への塗布量は、それぞれ100質量%濃度に換算した量である。
脂取り紙原紙に糖アルコールを塗布した後、乾燥し、さらにキャレンダー加工を行って各試験例の脂取り紙とした。キャレンダー加工は由利ロール株式会社製のロール対1組を有する熱キャレンダー装置を使用し、キャレンダー加工の条件は温度100℃、線圧100kg/cm、加工速度は1m/分とした。
キャレンダー加工後の各試験例について、厚み、密度、糖度をそれぞれ測定した。なお、密度は坪量と厚みから計算した値である。ただし、試験例8は坪量が10g/m2と少なく、キャレンダー加工の際に破れが生じたため使用不可と判断して、厚みと密度は測定しなかった。
試験例の糖度試験は、株式会社アタゴ製のデジタル糖度計PR−1を使用した。糖度(°Bx)の測定方法は、糖度計の凹状の測定部に0.5mlの水を滴下し、この滴下水に試験例を5cm×5cmに切断したカット片を乗せて5秒放置し水を吸わせる。その後にカット片を指で絞って、絞り汁を糖度計の測定部に滴下し、この絞り汁の糖度を測定した。すなわち、糖度計の測定部に0.5mlの水を滴下し、この滴下水に脂取り紙を5cm×5cmに切断したカット片を乗せて5秒放置して水を吸わせた後の同カット片の絞り汁の糖度が、脂取り紙に含有される糖アルコール又はショ糖の糖度となる。これらの結果を表1に示す。
試験例の柔らかさ試験は、テスター10人による触感で行った。具体的には試験例を肌に当てた際の柔らかさを同じ坪量の基準例と対比する方法で行った。基準例とは試験例と同材料を使用して同工程で製造した、糖アルコールを含有していない脂取り紙である。表1に示した坪量に関して、基準例は糖アルコールを含有していないため、同坪量であっても試験例に比して糖アルコールの塗布量分だけ繊維原料が多い。例えば、試験例4の坪量(20g/m2)は糖アルコール(2.8g/m2)を含む質量のため、坪量20g/m2のうち糖アルコールの塗布量2.8g/m2を差し引いた17.2g/m2が繊維原料の質量となる。一方、これと対比する基準例3は同じ坪量(20g/m2)であっても糖アルコールを含有しないため、坪量(20g/m2)がそのまま繊維原料の質量となる。
柔らかさは、脂取り紙を顔に当てた場合のぱりぱりしたコシのある感じに着目して、試験例が基準例に比べて、ぱりぱりしたコシのある感じが少ない場合に柔らかいとした。
試験の具体的方法として、試験例と基準例とはいずれも同じ坪量のもの、例えば20gの試験例と20gの基準例同士で柔らかさを比較した。まず基準例、例えば坪量20gの基準例3を肌に当てて柔らかさを確認した後、同じ坪量20gの試験例、例えば試験例1を肌に当て、試験例の柔らかさが基準例と変わらない(基準例よりも低い場合を含む)と判断した場合には0点、基準例より柔らかいと感じた場合には1点、基準例より明らかに柔らかいと感じた場合には2点とした。10人のテスターの官能試験の結果を合計し、試験例の合計点が0〜7点は×、8〜14点は○、15点以上は◎とした。
試験の具体的方法として、試験例と基準例とはいずれも同じ坪量のもの、例えば20gの試験例と20gの基準例同士で柔らかさを比較した。まず基準例、例えば坪量20gの基準例3を肌に当てて柔らかさを確認した後、同じ坪量20gの試験例、例えば試験例1を肌に当て、試験例の柔らかさが基準例と変わらない(基準例よりも低い場合を含む)と判断した場合には0点、基準例より柔らかいと感じた場合には1点、基準例より明らかに柔らかいと感じた場合には2点とした。10人のテスターの官能試験の結果を合計し、試験例の合計点が0〜7点は×、8〜14点は○、15点以上は◎とした。
基準例と試験例の柔らかさ試験は、基準例→試験例→評価、基準例→試験例→評価、と対象ごとに先に基準例を肌に当て次に試験例を肌に当てて評価することを繰り返した。
柔らかさ試験は、温度を摂氏10度、20度、30度、かつそれぞれの温度環境において湿度を30%、50%、80%とした合計9パターンの温度及び湿度の条件下で行った。温度及び湿度の調整は、脂取り紙を用意した小部屋を準備し、この小部屋内を冷暖房器具及び加湿器・除湿器にて、特定の温度及び湿度、例えば摂氏20度、湿度50%に調整した。温度及び湿度を調整した後にテスターが同小部屋に入って脂取り紙の柔らかさ試験を行った。
柔らかさ試験は、温度を摂氏10度、20度、30度、かつそれぞれの温度環境において湿度を30%、50%、80%とした合計9パターンの温度及び湿度の条件下で行った。温度及び湿度の調整は、脂取り紙を用意した小部屋を準備し、この小部屋内を冷暖房器具及び加湿器・除湿器にて、特定の温度及び湿度、例えば摂氏20度、湿度50%に調整した。温度及び湿度を調整した後にテスターが同小部屋に入って脂取り紙の柔らかさ試験を行った。
しっとり感試験も、テスター10人による触感で行った。具体的には試験例を肌に当てた際のしっとり感を基準例と対比する方法で行った。使用した基準例は柔らかさ試験と同じである。しっとり感は、脂取り紙を顔に当てた場合にかさかさした感じではなく水分を持ったようなしめり感(ぬめり感)に着目して、試験例が基準例に比べて、しめり感がある場合にしっとり感があるとした。ただし、試験例を肌に当ててベタベタした感じがある場合にはしっとり感がないとした。
まず基準例を肌に当てた後、試験例を肌に当て、しっとり感が基準例と変わらない(基準例よりもない場合を含む)と判断した場合には0点、基準例よりしっとり感があると感じた場合には1点、基準例より明らかにしっとり感があると感じた場合には2点とした。10人のテスターの官能試験の結果を合計し、試験例の合計点が0〜7点は×、8〜14点は○、15点以上は◎とした。
基準例と試験例のしっとり感も、基準例→試験例→評価、基準例→試験例→評価、と試験例ごとに先に基準例を肌に当て次に試験例を肌に当てて評価することを繰り返した。しっとり感試験においても、試験例と基準例とはいずれも同じ坪量のもの、例えば20g同士で比較したことは柔らかさ試験と同じである。また、温度、湿度も柔らかさ試験と同様の合計9パターンの条件下で、同様にテスターによるしっとり感試験を行った。
温度及び湿度を異ならせた場合、柔らかさ試験としっとり感試験の評価が基準例に比して良好(◎、○)であった試験例は、脂取り紙に含有させた糖アルコールの糖度が0.5以上3.5以下のものであった。その結果を表2に示す。
また、糖アルコールに代えてショ糖を含有させた試験例では、糖度の範囲にかかわらず温度、湿度条件を異ならせても多くの範囲で柔らかさ、しっとり感が基準例と変わらなかった。
坪量50gの試験例19は、紙厚が58μmと厚くなってしまい糖アルコールの糖度が1.0にもかかわらず柔らかさ、しっとり感が基準例と変わらなかった。
以上の結果から、脂取り紙に含有させた糖アルコールの糖度が0.5以上3.5以下のものは温度、湿度を異ならせても、脂取り紙の柔らかさ、しっとり感が良好であった。このため、脂取り紙に含有された糖アルコールの糖度が上記範囲内であれば、脂取り紙の柔らかさ、しっとり感が保証されるため、官能試験を省略することも可能になる。
以上の結果から、脂取り紙に含有させた糖アルコールの糖度が0.5以上3.5以下のものは温度、湿度を異ならせても、脂取り紙の柔らかさ、しっとり感が良好であった。このため、脂取り紙に含有された糖アルコールの糖度が上記範囲内であれば、脂取り紙の柔らかさ、しっとり感が保証されるため、官能試験を省略することも可能になる。
糖アルコールの糖度に関して、脂取り紙に糖アルコール以外に糖度に影響を与える他の物質(例えばショ糖)などを含有させた場合には、糖アルコールと同他の物質を含有した脂取り紙の糖度と、同他の物質を含有させ糖アルコールを含有しない脂取り紙の糖度との差で、脂取り紙に含有される糖アルコールの糖度を特定することができる。
脂取り紙に含有された糖アルコールの糖度を0.5以上3.5以下の範囲を糖アルコールの塗布量の観点から見れば、糖アルコールの塗布量は脂取り紙原紙に対して1.5g/m2以上6.0g/m2以下の範囲とすることが好ましい。
1・・抄紙機、2・・ウェットフェルト、3・・抄槽、4・・円筒シリンダ、5・・クーチロール、6・・プレスロール、7・・ヘッドボックス、8・・ドライフェルト、9・・タッチロール、10・・ヤンキードライヤー、11・・塗布装置、12・・噴霧ノズル。
Claims (4)
- 密度が0.6g/cm3以上に高密度化処理された脂取り紙であって、
坪量(g/m2)が15以上40以下であり、
含有する糖アルコールの糖度(°Bx)が0.5以上3.5以下であることを特徴とする脂取り紙。 - 脂取り紙の厚みが50μm以下である請求項1に記載の脂取り紙。
- 紙に対する前記糖アルコールの含有量は、1.5g/m2以上6.0g/m2以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の脂取り紙。
- 脂取り紙原紙に糖アルコールを含有させた後に高密度化処理を行い、脂取り紙に含有された糖アルコールの糖度(°Bx)を0.5以上3.5以下、脂取り紙の坪量(g/m2)を15以上40以下とし、密度を0.6g/cm3以上にすることを特徴とする脂取り紙の製造方法。
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