JP2001011142A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP2001011142A
JP2001011142A JP11182340A JP18234099A JP2001011142A JP 2001011142 A JP2001011142 A JP 2001011142A JP 11182340 A JP11182340 A JP 11182340A JP 18234099 A JP18234099 A JP 18234099A JP 2001011142 A JP2001011142 A JP 2001011142A
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curable composition
film
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copper foil
compound
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JP11182340A
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Hideki Hiraoka
秀樹 平岡
Masao Takei
正雄 武井
Akira Washimi
章 鷲見
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐水性、機械的強度、接着性、電気
特性に優れた硬化物を与え、フィルム化も可能な硬化性
組成物を提供する。 【解決手段】 アルケニル基を有するフェノール化合
物、マレイミド基を有する化合物及び常温において固体
のゴム状弾性物質又はエポキシ基を有するビニル重合体
からなる組成物とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、耐水性、
機械的強度、接着性、電気特性に優れた硬化物を与えフ
ィルム化することも可能な硬化性組成物に関するもので
ある。該硬化性組成物は多層プリント配線板用層間絶縁
材料、特にビルドアップ法用層間絶縁材料などの電気・
電子部品材料、接着剤などの用途に有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、プリント配線基板の多層化や表面
実装技術の発展に伴い、銅張積層板を構成する絶縁材料
としては、耐熱性、信頼性の優れた低誘電率、低誘電正
接のものが要望されている。このような材料としてアル
ケニルフェノール化合物及びマレイミド化合物からなる
硬化性組成物が提案されている(特開平3−12890
8号公報、特開平5−320333号公報)。
【0003】しかし、上記アルケニルフェノール化合物
及びマレイミド化合物からなる硬化性組成物は、フィル
ム化することが困難なものであり、用途によっては使用
が制限されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、耐熱
性、耐水性、機械的強度、接着性、電気特性に優れた硬
化物を与え、フィルム化も可能な硬化性組成物を提供す
べく検討を行ったのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、アルケニル基を有するフェノール化合物、マレイ
ミド基を有する化合物及び常温において固体のゴム状弾
性物質又はエポキシ基を有するビニル重合体からなるこ
とを特徴とする硬化性組成物が、上記課題を解決するこ
とを見出して本発明を完成した。すなわち、本発明は、
アルケニル基を有するフェノール化合物、マレイミド基
を有する化合物及び常温において固体のゴム状弾性物質
又はエポキシ基を有するビニル重合体からなることを特
徴とする硬化性組成物に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるフェノール化合物は、アリル基又はメタ
リル基(以下、合わせて(メタ)アリル基という。)等
のアルケニル基を有するもの(以下アルケニルフェノー
ルという)である。アルケニルフェノールの具体例とし
ては、2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、
2−アリル−4−メチルフェノール、2−アリル−4−
メトキシフェノール、2−アリル−6−メチルフェノー
ル、2−メタリルフェノール、4−メタリルフェノー
ル、2−メタリル−4−メチルフェノール、2−メタリ
ル−4−メトキシフェノール、2−メタリル−6−メチ
ルフェノール、2−クロチルフェノール等のアルケニル
基を1個有するアルケニルフェノール、2,2−ビス
〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニ
ル)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−ヒドロキ
シ−3−(2−プロペニル)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プ
ロペニル)フェニル〕ペンタン、2,2−ビス〔4−ヒ
ドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル〕ペンタ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロ
ペニル)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3
−(2−プロペニル)フェニル〕プロパン、1,1,
1,3,3,3−ヘキサクロロ−2,2−ビス〔4−ヒ
ドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニ
ル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロ
−2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニ
ル)フェニル〕プロパン、ビス〔4−ヒドロキシ−3−
(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕メタン、ビ
ス〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニ
ル〕メタン、1,1−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2
−メチル−2−プロペニル)フェニル〕エタン、1,1
−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェ
ニル〕エタン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ビ
ス(2−メチル−2−プロペニル)ビフェニル、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ビス(2−プロペニ
ル)ビフェニル、ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メ
チル−2−プロペニル)フェニル〕チオエーテル、ビス
〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル〕
チオエーテル、ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチ
ル−2−プロペニル)フェニル〕エーテル、ビス〔4−
ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル〕エーテ
ル、ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プ
ロペニル)フェニル〕スルホン、ビス〔4−ヒドロキシ
−3−(2−プロペニル)フェニル〕スルホン、ビス
〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニ
ル)フェニル〕シクロヘキサン等のアルケニル基を2個
有するアルケニルフェノール、1,1,1−トリス(2
−アルケニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1,1−トリス(2−アルケニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、4−{4−〔1,1−ビス(2−アルケ
ニル−4−ヒドロキシフェニル)エチル〕}−α,α−
ジメチルベンジルフェノール等のアルケニル基を3個以
上有するアルケニルフェノール等が挙げられる。
【0007】アルケニル基を1個有するアルケニルフェ
ノールは、後述する硬化性組成物を熔融粘度の低い作業
性の良好なものとするため好ましい化合物であり、アル
ケニル基を2個以上有するアルケニルフェノールは、後
述する硬化物を特に耐熱性の優れたものにするために好
ましい化合物である。上記アルケニルフェノールのこの
ような特長を生かして、目的に応じて1種類のものを単
独で使用してもよいし、2種類以上のものを併用しても
よい。アルケニル基がメタリル基であるアルケニルフェ
ノールは、マレイミド基を有する化合物との反応性、後
述する硬化物の電気特性が優れているため好ましいもの
である。
【0008】また、上記アルケニルフェノールの内、
2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4
−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル〕プロ
パン、ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−
プロペニル)フェニル〕メタン、ビス〔4−ヒドロキシ
−3−(2−プロペニル)フェニル〕メタンは、後述す
る硬化性組成物を作業性のよいものとし、硬化物を耐熱
性、耐水性に優れたものにするため、本発明にとり好ま
しいものである。
【0009】マレイミド基を有する化合物(以下マレイ
ミド化合物という)の具体例としては、N−メチルマレ
イミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミ
ド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、
N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N
−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−
カルボキシフェニルマレイミド、N−2,5−ジエチル
フェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルフェニルマ
レイミド、N−o−トリルマレイミド、N−m−トリル
マレイミド、N−p−トリルマレイミド、N−α−ナフ
チルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−o−キ
シリルマレイミド、N−p−キシリルマレイミド、N−
m−キシリルマレイミド、ビスマレイミドメタン、1,
2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘ
キサン、ビスマレイミドドデカン、N,N’−m−フェ
ニレンジマレイミド、N,N’−p−フェニレンジマレ
イミド、4,4’−ビスマレイミドジフェニルエーテ
ル、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、4,
4’−ビスマレイミド−ジ(3−メチルフェニル)メタ
ン、4,4’−ビスマレイミド−ジ(3−エチルフェニ
ル)メタン、4,4’−ビスマレイミド−ジ(3−メチ
ル−5−エチル−フェニル)メタン、N,N’−{2,
2−ビス−(4−フェノキシフェニル)プロパン}ジマ
レイミド、N,N’−2,4−トリレンジマレイミド、
N,N’−2,6−トリレンジマレイミド、N,N’−
m−キシリレンジマレイミド等が挙げられる。本発明に
おいて、後述する硬化性組成物は上記マレイミド化合物
の1種類を使用したものであってもよいし、2種類以上
を併用したものであってもよい。
【0010】マレイミド基を2個以上有するマレイミド
化合物は、後述する硬化物を特に機械的強度、耐熱性等
を優れたものにするため好ましい。中でもビスマレイミ
ドジフェニルメタンは、硬化物を機械的強度、耐熱性等
を優れたものにするため及び後述する組成物の溶融粘度
を低くし、作業性の良好なものとするために好ましい化
合物であり、またN,N’−{2,2−ビス−(4−フ
ェノキシフェニル)プロパン}ジマレイミドは、硬化物
を吸水率の低いものにするため好ましい化合物である。
【0011】常温において固体のゴム状弾性物質又はエ
ポキシ基を有するビニル重合体は、後述する硬化性組成
物のフィルム化を容易にし、硬化物の耐衝撃性を向上さ
せる目的で使用する必須成分である。
【0012】常温において固体のゴム状弾性物質の具体
例としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素
化アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、
シリコーンゴム、イソプレンゴム、MBS樹脂、SBS
樹脂等が挙げられる。ここでいう固体とは硬いか柔らか
いかを問わず流動性のないものを意味する。アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリル−ブ
タジエンゴムは、後述する硬化物の耐熱性、電気特性を
特に良好なものとするため好ましいものである。
【0013】ゴム状弾性物質のうち後述する有機溶剤に
可溶なものは、後述する硬化性組成物を特にフィルムを
可とう性の大きいものにしたいときに使用することが好
ましい。有機溶剤に可溶なゴム状弾性物質は、重量平均
分子量が5000〜400000であるものが好まし
く、10000〜300000であるものがより好まし
い。その理由は、分子量が小さすぎると硬化時に分解す
る恐れがあり、分子量が大きすぎると硬化性組成物の熔
融粘度が高くなり作業性の悪いものとなる場合があるた
めである。
【0014】ゴム状弾性物質のうち有機溶剤に不溶な微
粒子は、後述する硬化物を特に耐熱性の良好なものにし
たいときに好ましい。該微粒子は平均粒径が5μm以下
であるものが好ましく、1μm以下であるものがより好
ましい。
【0015】エポキシ基を有するビニル重合体の例とし
ては、(メタ)アクリル系重合体等のビニル重合体であ
ってエポキシ基を有するものが挙げられる。ビニル重合
体にエポキシ基を導入する方法は特に限定されないが、
エポキシ基及びビニル基を有する単量体とその他のビニ
ル単量体を共重合させて得ることができる。エポキシ基
及びビニル基を有する単量体の具体例としては、グリシ
ジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、1,2
−エポキシ−4−メタクリロイルオキシメチルシクロヘ
キサン(ダイセル化学工業株式会社製、サイクロマーM
100)、1,2−エポキシ−4−アクリロイルオキシ
メチルシクロヘキサン(ダイセル化学工業株式会社製、
サイクロマーA100)、1,2−エポキシ−4−メタ
クリロイルオキシメチルシクロヘキサンのメタクリロイ
ル基とシクロヘキサン環の間をラクトン変成した化合物
(ダイセル化学工業株式会社製、サイクロマーM10
1)、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン
(ダイセル化学工業株式会社製、セロキサイド200
0)などが挙げられる。その他のビニル単量体として
は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチ
レン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等のビニル単量体
等が挙げられる。
【0016】エポキシ基を有するビニル重合体のうち、
グリシジルメタクリレートとアクリル酸エステル又はメ
タクリル酸エステルを主要構成単量体とするものは、後
述する硬化性組成物を特に相溶性、可とう性及びフィル
ム形成性の優れたものとし、硬化物の耐衝撃性を向上さ
せるため好ましい重合体である。またエポキシ当量が3
00〜3000g/eqの範囲にある重合体は特に好ま
しいものである。その理由は、エポキシ当量が300g
/eq以下の場合は架橋点が多くなりすぎるために硬化
物がもろくなり、3000g/eq以上の場合は重合体
が硬化中に分離しやすくなったりする場合があるためで
ある。
【0017】エポキシ基を有するビニル重合体は、重量
平均分子量5000〜300000の範囲であるものが
好ましく、10000〜200000の範囲であるもの
がより好ましい。その理由は、分子量が小さすぎると後
述する硬化性組成物が可とう性の不十分なものとなる場
合があり、大きすぎると硬化性組成物の熔融粘度が高く
なって取り扱い作業性の悪いものになる場合があるため
である。
【0018】上記の常温において固体のゴム状弾性物質
又はエポキシ基を有するビニル重合体は、いずれかを単
独で使用してもよいし、両者を併用してもよい。
【0019】本発明の硬化性組成物は、アルケニルフェ
ノールとマレイミド化合物の配合割合は、マレイミド基
1当量に対してアルケニル基0.4〜1.2当量の範囲
になるものが好ましい。その理由は、アルケニル基の使
用量が0.4当量より小さい組成物は形成するフィルム
がもろくなる場合があり、1.2より大きい組成物は未
反応アルケニル基が多くなり、硬化物の耐熱性が悪いも
のになる場合があるためである。
【0020】本発明の硬化性組成物における固体のゴム
状弾性物質又はエポキシ基を有するラジカル重合体の使
用量は、アルケニルフェノール及びマレイミド化合物の
合計量100重量部に対して5〜70重量部であること
が好ましい。その理由は、5重量部未満であると硬化性
組成物が可とう性の不足したフィルム形成性の悪いもの
となる場合があり、70重量部を超えると硬化物が耐熱
性の悪いものとなる場合があるためである。
【0021】本発明の硬化性組成物は、後述するワニス
調製等のために、必要に応じて有機溶剤を添加されたも
のであってもよい。有機溶剤の具体例としては、アセト
ン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル類、トルエン、キシレン等の炭化水素類、
塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン等のハロ
ゲン炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の
エ−テル類、セロソルブアセテ−ト等のエ−テルエステ
ル類、ジグライム、トリグライム等のグライム類、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキ
シド、スルホラン等の非プロトン性有機溶剤が挙げられ
る。
【0022】上記溶剤のうち、グライム類及び非プロト
ン性溶剤は溶解性が優れているため好ましいものであ
る。また低沸点溶剤は、後述するワニスを被膜形成性の
よいものとするために好ましいものである。低沸点溶剤
の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、テ
トラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、
酢酸ブチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等が挙げられる。上記の有機溶
剤は目的に応じて1種または2種以上を組み合わせて使
用することができる。有機溶剤の使用量は、硬化性組成
物の固形分100重量部あたり10〜400重量部であ
るものが、後述するワニスの取り扱い作業性及び硬化性
のバランスが良好なため好ましい。
【0023】本発明の硬化性組成物は、必要に応じてラ
ジカル重合開始剤が添加されたものであってもよい。ラ
ジカル重合開始剤が添加された硬化性組成物は、後述す
る硬化時の温度を低いものにするため好ましいものであ
る。ラジカル開始剤の具体例としては、ジアルキルパー
オキサイドに属する過酸化物で、具体例はジ−t−ブチ
ルパーオキサイド(日本油脂株式会社製、商品名パーブ
チルD)、t−ブチルクミルパーオキサイド(日本油脂
株式会社製、商品名パーブチルC)、ジクミルパーオキ
サイド(日本油脂株式会社製、商品名パークミルD)、
ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン
(日本油脂株式会社製、商品名パーブチルP)、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン(日本油脂株式会社製、商品名パーヘキサ25
B)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシン−3(日本油脂株式会社製、商品名パ
ーヘキシン25B)、トリス−(t−ブチルパーオキ
シ)トリアジン(化薬アクゾ株式会社製、商品名カヤジ
ン)等が挙げられる。
【0024】本発明の硬化性組成物は、シランカップリ
ング剤が添加されたものであってもよい。シランカップ
リング剤が添加された硬化性組成物は、金属等との接着
力が大きいものとなるため好ましいものである。シラン
カップリング剤の具体例としては3-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−
(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン(東芝シリコーン株式会社製TSL820
2)、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルト
リメトキシシラン(東芝シリコーン株式会社製TSL8
223)、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(メチ
ルジメトキシシリル)プロピル]アミン(東芝シリコー
ン株式会社製TSL8227)、N−グリシジル−N,
N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン
(東芝シリコーン株式会社製TSL8228)、3−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(東芝シリ
コーン株式会社製TSL8355)などが挙げられ、エ
ポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング
剤が好ましいものである。シランカップリング剤の配合
割合は、硬化性組成物の固形分100重量部に対して1
〜10重量部の範囲が好ましい。
【0025】本発明の硬化性組成物は、必要に応じて難
燃剤が添加されたものであってもよい。市販の難燃剤は
何れも使用が可能であるが、具体例としてはテトラブロ
モビスフェノ−ルA、テトラブロモビスフェノ−ルAの
ジ(メタ)アクリレ−ト反応物、テトラブロモビスフェ
ノ−ルAジアリルエ−テル、ヘキサブロモベンゼン、ト
リス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレ−ト、
2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブ
ロモフェニル)フェニルプロパン、デカブロモジフェニ
ルエ−テル、臭素化ポリカ−ボネ−ト等の有機難燃剤、
酸化アンチモン、水酸化アルミ、水酸化マグネシウム、
水酸化ジルコニウム、酸化スズ等の無機系難燃剤、トリ
フェニルホスフェ−ト、トリキシレニルホスフェ−ト等
の芳香族リン酸エステル系難燃剤等が挙げられる。臭素
化ポリカーボネートは硬化物を特に耐熱性の優れたもの
にするため好ましいものである。これらの難燃剤は1種
または2種以上を併用することができる。
【0026】本発明の硬化性組成物は、無機フィラーを
添加されたものであってもよい。無機フィラーを添加さ
れた硬化性組成物は、硬化物を寸法精度のよいものとす
るため好ましいものである。無機フィラーの具体例とし
ては、シリカ粉、ケイ酸ジルコニウム、アルミナ、炭酸
カルシウム、石英ガラス粉、クレー、タルク、硫酸バリ
ウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無
機フィラーは、1種または2種以上を併用することがで
きる。これら無機フィラーの配合割合は硬化性組成物の
固形分100容量部に対して5〜300容量部の範囲内
とするのが好ましい。
【0027】本発明の硬化性組成物は、必要に応じてそ
の他の添加剤、例えば分散安定化剤、消泡剤、レベリン
グ剤、流動性調整剤、可塑剤等が添加されたものであっ
てもよい。
【0028】本発明の硬化性組成物の調製方法につい
て、特に制限はないがいくつか例示して説明する。第一
の方法は、アルケニルフェノール、マレイミド化合物と
常温において固体のゴム状弾性物質又はエポキシ基を有
するビニル重合体を直接混合する方法である。
【0029】第二の方法は、アルケニルフェノール及び
マレイミド化合物を100〜200℃で加熱溶融して得
たプレポリマーと、常温において固体のゴム状弾性物質
又はエポキシ基を有するビニル重合体を混合する方法で
ある。上記の各成分はそれぞれ有機溶剤を添加されたも
のであってもよいし、添加されていないものであっても
よい。
【0030】上記第二の方法に記載したプレポリマーと
は、アルケニルフェノール中のアルケニル基とマレイミ
ド化合物中のマレイミド基が一部反応したものを意味す
る。本発明の硬化性組成物は、アルケニルフェノールと
マレイミド化合物をプレポリマーとしたものを使用する
場合は、硬化性組成物が相溶性の良好なものとなるため
好ましいものである。
【0031】上記プレポリマーは、マレイミド基の反応
率が20〜90%以上であるものが好ましく、30〜8
0%であるものがより好ましい。反応率が小さすぎると
相溶性向上効果が不十分な場合があり、大きすぎると成
形性が不良となる場合があるためである。マレイミド基
の反応率は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)などによりマレイミド化合物のピーク
面積の比率を測定することによって測定することができ
る。またプレポリマーの粘度と反応率を予め求めておけ
ば粘度から反応率を推測することができるため、粘度測
定を行えば迅速に測定を行うことができる。
【0032】硬化性組成物からなるフィルムや塗膜を形
成する場合は、上記硬化性組成物を有機溶剤に溶解又は
分散させたもの(以下、ワニスという。)にして使用す
ることが好ましい。有機溶剤は上記に説明したものが使
用可能である。硬化性組成物のいずれかの成分が製造さ
れた時の溶剤を含有しているものである場合はその溶剤
がそのまま使用でき、別途溶剤を添加することもでき
る。
【0033】上記ワニスを基材に塗布し、溶剤を揮発さ
せれば硬化性組成物の塗膜が得られ、該基材としてポリ
エチレンテレフタレート等の離型性のよいものを使用す
れば形成した塗膜を剥離することにより硬化性組成物の
フィルムが得られる。アルケニルフェノール中のアルケ
ニル基とマレイミド化合物中のマレイミド基の一部を反
応させるプレポリマー化は、上記ワニスとした状態で行
うこともでき、また、硬化性組成物を塗膜又はフィルム
とした後に行うこともできる。
【0034】本発明の硬化性組成物は、熱、紫外線、電
子線等のエネルギーにより硬化することができる。熱硬
化は例えば100〜300℃で10分〜5時間加熱する
ことが好ましい。また紫外線硬化を行う場合は硬化性組
成物が、紫外線重合開始剤を添加されているものである
必要がある。
【0035】以下に本発明の硬化性組成物の用途例につ
いて説明する。 (1)耐熱性接着テープまたは接着シートとしての利用 本発明の硬化性組成物からなる塗膜またはフィルムをテ
ープ状またはシート状にしたものは、耐熱性を有する反
応性のホットメルト型接着剤として利用できる。
【0036】(2)ビルドアップ法多層プリント配線板
用絶縁材料への利用 ビルドアップ法多層プリント配線板とは、導体回路を形
成した内層板の両面又は片面に絶縁層と導体回路層を順
次重ねて得られるプリント配線板である。本発明の硬化
性組成物は上記絶縁層として利用でき、具体的利用例と
しては、硬化性組成物からなるフィルムを絶縁層として
内層板と銅箔等の導体薄膜に挟んで硬化させる方法、銅
箔等の導体薄膜に硬化性組成物からなる絶縁塗膜を形成
したもの(以下、絶縁塗膜付き導体薄膜(導体薄膜が銅
箔である場合は絶縁塗膜付き銅箔)という。)の絶縁塗
膜を内層板に接するようにして硬化させる方法等が挙げ
られる。これらの方法は、上記耐熱性接着シートとして
の特殊な利用方法であるが、本発明の硬化性組成物が可
とう性に富むという特長を生かした良い方法である。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。 (合成例1)エポキシ基を有するビニル重合体の製造 攪拌器、温度計、滴下ロート2本、窒素吹き込み管を備
え付けた2リットルフラスコにアクリル酸メチル48
g、メタクリル酸グリシジル12g、メチルエチルケト
ン255gを仕込み窒素を吹き込みながら攪拌し70℃
まで昇温した。ここに重合開始剤であるアゾビスイソブ
チロニトリル(以下、AIBNという。)0.34gを
添加した。そのまま攪拌を続けながら30分かけて74
℃まで昇温し、続いてアクリル酸メチル192g、メタ
クリル酸グリシジル48gの混合液、とAIBN1.4
gをメチルエチルケトン50gに溶かした溶液を別々の
滴下ロートから4時間かけて滴下した。滴下終了後30
分および1時間後にAIBNをそれぞれ0.5gずつ追
加し、さらに4時間(最初のAIBN添加から9.5時
間)加熱攪拌を続けた後、加熱攪拌を停止し、固形分5
0%の重合体溶液を得た。GPCによる得られた重合体
の重量平均分子量はポリスチレン換算で7万であり、エ
ポキシ当量は720であった。
【0038】(合成例2)エポキシ基を有しないビニル
重合体の製造 攪拌器、温度計、滴下ロート2本、窒素吹き込み管を備
え付けた2リットルフラスコにアクリル酸メチル60
g、メチルエチルケトン255gを仕込み窒素を吹き込
みながら攪拌し70℃まで昇温した。ここにAIBN
0.34gを添加した。そのまま攪拌を続けながら30
分かけて74℃まで昇温し、続いてアクリル酸メチル2
40gおよびAIBN1.4gをメチルエチルケトン5
0gに溶かした溶液を別々の滴下ロートから4時間かけ
て滴下した。滴下終了後30分および1時間後にAIB
Nをそれぞれ0.5gずつ追加し、さらに4時間(最初
のAIBN添加から9.5時間)加熱攪拌を続けた後、
加熱攪拌を停止し、固形分50%の重合体溶液を得た。
GPCによる得られた重合体の重量平均分子量はポリス
チレン換算で8万であった。
【0039】(実施例1)4,4’−ビスマレイミドジ
フェニルメタン(三井化学株式会社製、商品名ビスマレ
イミド)200g、3,3’−ジメタリルビスフェノー
ルA150.2g及びジメチルアセトアミド150gを
140℃で3.5時間撹拌して得た混合物に、メチルエ
チルケトン56g、ジクミルパーオキサイド(日本油脂
株式会社製:商品名パークミルD)32.5g、臭素化
ポリカーボネート(帝人化成株式会社製ファイヤーガー
ド8500)55g、合成例1で得た重合体溶液19
1.4g及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製:
商品名A−186)27gを加えて撹拌し、固形分65
%のワニスを調製した。このワニスを銅箔(日鉱グール
ド・フォイル株式会社製:JTC箔、厚さ18μ)の粗
化面にバーコーターを用いて塗布し、70℃で10分、
120℃で5分間乾燥して50μmの厚さの硬化性組成
物塗膜を形成し、絶縁塗膜付き銅箔を得た。この絶縁塗
膜付き銅箔を後述の方法で積層成形して試験片を作製
し、各種試験に用いた。また同じ硬化性組成物につい
て、物性測定用のためにPETフィルム上にワニスを塗
布して同様に乾燥させ、硬化性組成物のフィルムを作製
した。得られたフィルムはひび割れ等のない外観の良好
なものであった。
【0040】(実施例2)4,4’−ビスマレイミドジ
フェニルメタン200g、3,3’−ジメタリルビスフ
ェノールA93.9g、2-アリル−4-クミルフェノー
ル84.5及びジメチルアセトアミド162.2gを1
40℃で3.5時間撹拌して得た混合物に、コアシェル
型MBS樹脂微粒子(呉羽化学工業株式会社製BTA7
51)176.1gを加えて三本ロールで混合し、微粒
子を分散した。つぎにこの分散混合物にメチルエチルケ
トン207.9g、ジクミルパーオキサイド32.5
g、臭素化ポリカーボネート67.7g及び2−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン32.7gを加えて撹拌し、固形分65%のワニスを
調製した。このワニスを用い、実施例1と同様にして絶
縁塗膜付き銅箔を得た。積層成形した試験片の作製、硬
化性組成物のフィルム作製も実施例1と同様に行った。
得られたフィルムはひび割れ等のない外観の良好なもの
であった。
【0041】(実施例3)4,4’−ビスマレイミドジ
フェニルメタン200g、3,3’−ジメタリルビスフ
ェノールA93.9g、2-アリル−4-クミルフェノー
ル84.5及びジメチルアセトアミド162.2gを1
40℃で3.5時間撹拌して得た混合物に、ゴム状弾性
を有するコアシェル型MBS樹脂微粒子BTA751を
117.4gを加えて三本ロールで混合し、微粒子を分
散した。つぎにこの分散混合物にメチルエチルケトン1
49.2g、ジクミルパーオキサイド32.5g、臭素
化ポリカーボネート67.7g、合成例1で得た重合体
溶液117.4g及び2−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン32.7gを加えて
撹拌し、固形分65%のワニスを調製した。このワニス
を用い、実施例1と同様にして絶縁塗膜付き銅箔を得
た。積層成形した試験片の作製、硬化性組成物のフィル
ム作製も実施例1と同様に行った。得られたフィルムは
ひび割れ等のない外観の良好なものであった。
【0042】(実施例4)4,4’−ビスマレイミドジ
フェニルメタン200g、3,3’−ジメタリルビスフ
ェノールA93.9g、2-アリル−4-クミルフェノー
ル84.5及びジメチルアセトアミド162.2gを1
40℃で3.5時間撹拌して得た混合物に、ゴム状弾性
を有するアクリルゴム微粒子(武田薬品工業株式会社
製、スタフィロイドAC3355)117.4gを加え
て三本ロールで混合し、微粒子を分散した。つぎにこの
分散混合物にメチルエチルケトン149.2g、ジクミ
ルパーオキサイド32.5g、臭素化ポリカーボネート
67.7g、合成例1で得た重合体溶液117.4g及
び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシラン32.7gを加えて撹拌し、固形分65
%のワニスを調製した。このワニスを用い、実施例1と
同様にして絶縁塗膜付き銅箔を得た。積層成形した試験
片の作製、硬化性組成物のフィルム作製も実施例1と同
様に行った。得られたフィルムはひび割れ等のない外観
の良好なものであった。
【0043】(比較例1)4,4’−ビスマレイミドジ
フェニルメタン200g、3,3’−ジメタリルビスフ
ェノールA150.2g及びジメチルアセトアミド15
0gを140℃で3.5時間撹拌して得た混合物に、メ
チルエチルケトン91.3g、ジクミルパーオキサイド
32.5g、臭素化ポリカーボネート44.2g、及び
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン21.3gを加えて撹拌し、固形分65%
のワニスを調製した。このワニスを用い、実施例1と同
様にして絶縁塗膜付き銅箔を得た。積層成形した試験片
の作製、硬化性組成物のフィルム作製も実施例1と同様
に行った。このフィルムはひび割れが激しくうろこ状に
なった。
【0044】(比較例2)4,4’−ビスマレイミドジ
フェニルメタン200g、3,3’−ジメタリルビスフ
ェノールA93.9g、2-アリル−4-クミルフェノー
ル84.5及びジメチルアセトアミド162.2gを1
40℃で3.5時間撹拌して得た混合物に、メチルエチ
ルケトン96.9g、ジクミルパーオキサイド32.5
g、臭素化ポリカーボネート47.4g、及び2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン22.9gを加えて撹拌し、固形分65%のワ
ニスを調製した。このワニスを用い、実施例1と同様に
して絶縁塗膜付き銅箔を得た。積層成形した試験片の作
製、硬化性組成物のフィルム作製も実施例1と同様に行
った。このフィルムはひび割れは少なかったが、松やに
状でフィルムとしての強度は無かった。
【0045】(比較例3)4,4’−ビスマレイミドジ
フェニルメタン200g、3,3’−ジメタリルビスフ
ェノールA150.2g及びジメチルアセトアミド15
0gを140℃で3.5時間撹拌して得た混合物に、メ
チルエチルケトン56g、ジクミルパーオキサイド3
2.5g、臭素化ポリカーボネート55g、合成例2で
得たエポキシ基を含まない重合体溶液191.4g及び
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン27gを加えて撹拌し、固形分65%のワ
ニスを調製した。このワニスを用い、実施例1と同様に
して絶縁塗膜付き銅箔を得た。積層成形した試験片の作
製、硬化性組成物のフィルム作製も実施例1と同様に行
った。このフィルムは不均一なものであり、一部はべた
ついており、別の一部はひび割れていた。
【0046】(比較例4)4,4’−ビスマレイミドジ
フェニルメタン200g、3,3’−ジメタリルビスフ
ェノールA93.9g、2-アリル−4-クミルフェノー
ル84.5及びジメチルアセトアミド162.2gを1
40℃で3.5時間撹拌して得た混合物に、メチルエチ
ルケトン207.9g、ジクミルパーオキサイド32.
5g、臭素化ポリカーボネート67.7g、ゴム状弾性
を有しないメラミン・ホルムアルデヒド縮合樹脂微粒子
(日本触媒株式会社製、エポスターS)176.1g及
び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシラン32.7gを加えて撹拌し、ワニスを調
製した。このワニスを用い、実施例1と同様にして絶縁
塗膜付き銅箔を得た。積層成形した試験片の作製、硬化
性組成物のフィルム作製も実施例1と同様に行った。こ
のフィルムはひび割れが激しく、うろこ状になってPE
Tフィルムから剥がれた。
【0047】(多層銅張り積層板試験片の作製)実施例
および比較例の絶縁塗膜付き銅箔を用いた多層銅張り積
層板試験片を作製した。厚さ1.0mmの市販FR−4
両面銅張り積層板(住友ベークライト株式会社製、EL
C4765)を用意し、銅箔表面を金属粗面化剤(メッ
ク株式会社製、メックエッチボンドCZ8100)で粗
化処理した両面銅張り積層板および表面の銅箔をエッチ
ングして除去した2種類の内層用積層板を作製した。次
に、実施例および比較例で作製した絶縁塗膜付き銅箔を
絶縁塗膜層が内層用積層板側になるように重ねあわせ、
熱プレス機を用いて130℃で1時間加圧加熱の後、2
00℃2時間加圧加熱して硬化性組成物を硬化させ、各
種試験用の試験片を作製した。 (電気特性評価用硬化物の作製)実施例および比較例で
PETフィルムに塗布して乾燥した硬化性組成物をPE
Tフィルムから剥がし取り、それぞれを厚さ2mmのフ
ッ素樹脂でできた型に積み重ねて充填し、熱プレス機を
用いて130℃で1時間加圧加熱の後、200℃2時間
加圧加熱して硬化させ、電気特性測定用硬化物を作製し
た。
【0048】以下に上記試験片等の評価方法を説明す
る。評価結果を表1及び表2に示す。 (絶縁塗膜付き銅箔の外観検査)実施例および比較例で
得られた各種絶縁塗膜付き銅箔のカール、ひび割れ、し
わなどの外観、カッターで切り取る際の樹脂の脱落の有
無、180°折り曲げ時の樹脂のひび割れ、脱落の有無
を調べた。 (はんだ耐熱試験)銅箔表面を粗面化した内層板に樹脂
付銅箔を張り合わせて作った各積層板を5cm角に切断
し、最外層の銅箔をエッチングして2.5cm角銅箔を
残したものをテストピースとし、280℃のはんだ浴に
3分間浸漬し、外観を観察した後、最外層の銅箔をエッ
チング除去し内層に関しても観察を行った。 (銅箔引き剥がし試験)銅箔をエッチング除去した内層
板に樹脂付銅箔を張り合わせて作った各積層板にエッチ
ング法により5mm幅で銅箔を残し、クロスヘッド速度
50mm/minで銅箔の90°ピール試験を行った。
試験片の前処理条件は銅張り積層板製造後23℃相対湿
度60%の条件で24時間放置後したものと、121
℃、2気圧、相対湿度97%のプレッシャークッカー試
験機に96時間放置後の2種類の条件について行なっ
た。 (耐衝撃試験)銅箔をエッチング除去した内層板に樹脂
付銅箔を張り合わせて作った各積層板の最外層をエッチ
ング除去し、各実施例及び比較例で形成した樹脂層を露
出させた。次にこの積層板を2cm角の打ち抜き型で打
ち抜き、打ち抜かれた2cm角の試験片に生じるクラッ
クを観察した。 (電気絶縁性)IPC規格に規定される方法に準じて行
った。上記のように製造した試験片のうち、内層の銅箔
をエッチング除去したものを用い、その最外層の銅箔を
エッチング法によってIPCB−25テストパターンの
表面絶縁抵抗測定用Aパターンを形成して電極間の抵抗
値を測定した。試験片の前処理条件は銅張り積層板製造
後23℃相対湿度60%の条件で24時間放置後したも
のと、121℃、2気圧、相対湿度97%のプレッシャ
ークッカー試験機に96時間放置後の2種類の条件につ
いて行なった。 (誘電率及び誘電正接)Qメーター(横川ヒューレット
パッカード株式会社製、Model4342A)を用い
て測定した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】(実施例5)冷却管、攪拌機および温度計
を取り付けた1L三口フラスコに、ビス(4−マレイミ
ドフェニル)メタン100.6g、2,2−ビス[4−
ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェ
ニル]プロパン75.5gおよびN,N−ジメチルアセ
トアミド58.9gを仕込み、130℃で4時間反応さ
せた。反応物のゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー分析(以下GPC分析と言う)を行った結果、未反応
のビス(4−マレイミドフェニル)メタンと2,2−ビ
ス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニ
ル)フェニル]プロパンの合計量は、47.2%であっ
た。反応液を40℃まで冷却した後、メチルエチルケト
ン67.0gおよびジクミルパーオキシド12.8gを配
合し、均一になるまで攪拌した。その後、アクリロニト
リル−ブタジエンゴム(JSR社製、商品名:PNR−
1H)21.0gを溶解した メチルエチルケトン溶液105.1gを加えディスパー
で攪拌することによりアクリロニトリル−ブタジエンゴ
ムが均一に分散したワニスを得た。得られたワニスをポ
リイミドフィルム(デュポン社製、商品名「カプト
ン」、厚み25μm)に乾燥後の組成物厚みが20μm
になるようにバーコーターを用いて塗布し、160℃で
5分乾燥させテープを得た。このテープを180度に折
り曲げた後の組成物面の状態を観察した結果、ひび割れ
等は認められなかった。さらに得られたテープの組成物
面に電解銅箔(福田金属社製、商品名「CF−T9」、
厚み18μm)の粗面を170℃5分、15kg/cm
2の接着し、さらに200℃のオーブンで2時間硬化さ
せて試験片を得た。ポリイミドと銅箔の180度Pee
l強度を室温で測定した結果、1.29kgf/cmで
あり、150℃で測定した結果、1.18kgf/cm
であった。
【0052】(実施例6)実施例5で用いたアクリロニ
トリル−ブタジエンゴムの配合量を81.0g(メチル
エチルケトン溶液で405.0g)に代えた以外は、実
施例5と同様にワニスを調整し、同様の方法でテープを
作成した。得られたテープを180℃に折り曲げた後の
樹脂面の状態を観察した結果、ひび割れ等は認められな
かった。また、実施例5と同様の方法でポリイミドフィ
ルムと銅箔の積層体を得た。ポリイミドと銅箔の180
度Peel強度を室温で測定した結果、1.18kgf
/cmであり、150℃で測定した結果、0.98kg
f/cmであった。
【0053】(比較例5)実施例5で用いたワニスにお
いて、アクリロニトリル−ブタジエンゴムを用いなかっ
た以外は、実施例5と同様の方法でテープを作成した。
得られたテープを180℃に折り曲げた後の樹脂面の状
態を観察した結果、ひび割れおよびポリイミドフィルム
からの剥離が認められた。
【0054】(実施例7)実施例5のワニスに、難燃化
剤として臭素化ポリカーボネートであるファイヤーガー
ド8500を31.0g、2−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン6.3gおよび
メチルエチルケトン24.9gを加え、ディスパーで攪
拌することによりアクリロニトリル−ブタジエンゴムが
均一に分散したワニスを得た。このワニスを電解銅箔
(福田金属社製、商品名「CF−T9」、厚み18μ
m)の粗面に、乾燥後の厚みが70μmとなるようにバ
ーコーターを用いて数回塗布し、160℃で10分間乾
燥させて絶縁塗膜付き銅箔を得た。この絶縁塗膜付き銅
箔を180℃に折り曲げた後の樹脂面の状態を観察した
結果、ひび割れや銅箔からの剥離はは認められなかっ
た。
【0055】(実施例8)実施例7で得られた絶縁塗膜
付き銅箔を、あらかじめ回路を切り黒化処理したFR−
4基板(厚み1.0mm)に110℃で真空ラミネート
し、さらに200℃で2時間プレスで硬化させて積層板
を得た。この積層板について、銅箔の90度Peel強
度を室温および150で測定した結果、室温では1.3
8kgf/cmであり、150℃では1.12kgf/
cmであった。また、JIS C6481記載の方法に
準じてはんだ耐熱試験(試験条件:260℃×3分)を
行った結果、上記積層板は合格であった。
【0056】(実施例9)実施例7で用いたワニスをガ
ラスクロス(厚み:0.1mm)にプリプレグ化装置を
用いて含浸させ、160℃にて10分間乾燥させて、樹
脂含量48%のプリプレグを調製した。このプリプレグ
5枚を厚さ18μmの電解銅箔で挟み、熱プレスを用い
て170℃8分接触圧で加熱した後、200℃で2時
間、30kgf/cm2の圧力で硬化させた。得られた
両面銅張り積層板を260℃のハンダ浴に3分間浸漬し
たが、フクレ等外観上の変化は認められなかった。
【0057】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物はフィルム形成す
ることができ、得られる硬化物が耐熱性、耐衝撃性の優
れるものである。該硬化性組成物は多層プリント配線板
用層間絶縁材料、特にビルドアップ法用層間絶縁材料な
どの電気・電子部品材料、接着剤などの用途に有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J026 AA45 AA48 AA69 AB44 AC11 AC12 AC15 AC32 BA05 BA08 BA20 BA27 BA28 BA30 BA31 BA38 BA39 BA40 BA43 BB03 DA02 DA08 DA12 DB02 DB09 DB13 FA05 GA07

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルケニル基を有するフェノール化合
    物、マレイミド基を有する化合物及び常温において固体
    のゴム状弾性物質又はエポキシ基を有するビニル重合体
    からなることを特徴とする硬化性組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013199627A (ja) * 2012-02-23 2013-10-03 Hitachi Chemical Co Ltd 半導体封止用熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
WO2020262588A1 (ja) * 2019-06-28 2020-12-30 三菱瓦斯化学株式会社 フィルム、積層体、フィルム層付き半導体ウェハ、フィルム層付き半導体搭載用基板、及び半導体装置

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