JP2001010771A - ぜんまい装置 - Google Patents

ぜんまい装置

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JP2001010771A
JP2001010771A JP11185127A JP18512799A JP2001010771A JP 2001010771 A JP2001010771 A JP 2001010771A JP 11185127 A JP11185127 A JP 11185127A JP 18512799 A JP18512799 A JP 18512799A JP 2001010771 A JP2001010771 A JP 2001010771A
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barrel
winding shaft
spring
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JP11185127A
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English (en)
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Yoshikata Rokusha
義方 六車
Hiroshi Tomuro
博史 戸室
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Sunco Spring Co Ltd
Original Assignee
Sunco Spring Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ぜんまい装置において、巻軸又は香箱が回動
する際の巻軸と香箱との間のフリクションを減少し、巻
軸又は香箱が回動する際の重心の移動を防止し、更には
ぜんまいの巻軸からの抜けを防止する。 【解決手段】 巻軸4と香箱2と一枚のばね16とを備
え、前記巻軸4と香箱2とは相対的な回転運動するよう
に配置されると共に、前記一枚のばね16の中心部位が
前記巻軸4に取り付けられ、且つ前記一枚のばね16の
両外端15が等角度で前記香箱2に取り付けられたもの
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば電気のコ
ード、紐などを巻き取るための巻取装置、その他回転を
必要とする装置において、回転の動力源として用いられ
るぜんまい装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のぜんまいを回転の動力源とする機
構としては、図14に示される様な公知の長尺体引出巻
取装置100があり、この長尺体引出巻取装置100
は、ケースとしての役割を果たす香箱101に巻軸10
2が回動自在に取り付けられているもので、巻軸102
の側周面に紐状部材103が巻回されていると共に、一
枚のばね104の内端が巻軸102に取り付けられ、更
に、ばね104の外端が香箱101から突出した突起部
105に取り付けられたものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の長尺体引出巻取装置の構成では、ばね104
が一枚のみで、しかもその内端が巻軸102との一点の
みで固定され、外端が香箱101と一点のみで固定され
ているので、外方に広がろうとする力が常時一方向に働
いていることから、香箱101は絶えず一方向に押され
た状態となり、巻軸102が回動する際に巻軸102と
香箱101との間で無視できないフリクションが生ずる
という不具合を有する。
【0004】そして、香箱101が絶えず一方向に押さ
れた状態にある関係上、巻軸102が回転する場合にそ
のバランスが悪くなるので、香箱101と巻軸102と
の間で偏心をなし、偏心したばね104の回転に従って
巻軸102と一体の回転板106上を摺動することによ
り振動が生ずるという不具合も有する。
【0005】このようなフリクションが生ずる不具合や
振動が生ずる不具合は、図14に示される長尺体引出巻
取装置とは反対に、巻軸が固定されると共に香箱が巻軸
に対し回動自在に取り付けられている場合でも、その内
端が巻軸との一点のみで固定され、外端が香箱と一点の
みで固定されたばねを用いることにより巻軸が絶えず一
方向に押された状態となるので、同様に生ずるものであ
る。
【0006】しかも、図14に示すぜんまい装置の構成
では、巻軸102にばね104の内端を固定する関係
上、ばね104の内端が巻軸104から引き抜けて、ぜ
んまい装置が壊れるという不具合もあった。
【0007】そこで、この発明は、ぜんまい装置におい
て、巻軸又は香箱が回動する際の巻軸と香箱との間のフ
リクションを減少し、巻軸又は香箱が回動する際の重心
の移動を防止すると共に、巻軸からばねの引き抜けをも
防止したぜんまい装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかして、この発明に係
るぜんまい装置は、巻軸と香箱と一枚のばねとを備え、
前記巻軸と香箱とは相対的な回転運動をするように配置
されると共に、前記一枚のばねの中心部位が前記巻軸に
取り付けられ、且つ前記一枚のばねの両外端が等角度で
前記香箱に取り付けられたものとなっている(請求項
1)。
【0009】以上のようなぜんまい装置の構成によれ
ば、中心部位が巻軸に取り付けられている一枚のばねの
両外端が等角度で香箱に取り付けられているため、ばね
の力が釣り合って働くので、香箱又は巻軸が常時一方向
に押された状態となるのを解消でき、巻軸又は香箱が回
動する際の巻軸と香箱との間に生ずるフリクションを著
しく減少させることができる。また、巻軸又は香箱が重
心の移動をほぼ生ずることなくバランス良く回動するの
で、巻軸又は香箱が回動する際の振動を小さくすること
ができる。更には、一枚のばねの中心部位を巻軸に取り
付けるのでばねが巻軸から引き抜けてしまうのを防止す
ることができるものである。
【0010】また、この発明に係るぜんまい装置は、巻
軸と香箱と複数枚のばねとを備え、前記巻軸と香箱とは
相対的な回転運動をするように配置されると共に、前記
複数枚のばねの各中心部位が前記巻軸に取り付けられ、
且つ前記複数枚のばねの各外端が等角度で前記香箱に取
り付けられたものとなっている(請求項2)。
【0011】以上のようなぜんまい装置の構成によれ
ば、中心部位が巻軸に取り付けられている複数枚のばね
の外端が等角度で香箱に取り付けられているため、ばね
の力が釣り合って働くので、香箱又は巻軸が常時一方向
に押された状態となるのを解消でき、巻軸又は香箱が回
動する際に巻軸と香箱との間に生ずるフリクションを著
しく減少させることができる。また、巻軸又は香箱が重
心の移動をほぼ生ずることなくバランス良く回動するの
で、巻軸又は香箱が回動する際の振動を小さくすること
ができる。更には、複数枚のばねの中心部位が巻軸に取
り付けられるので巻軸から引き抜けてしまうのを防止す
ることができるものである。
【0012】更に、この発明に係るぜんまい装置は、巻
軸と香箱と複数枚のばねとを備え、前記巻軸と香箱とは
相対的な回転運動するように配置されると共に、前記複
数枚のばねの各内端が前記巻軸に取り付けられ、前記複
数枚のばねの各外端が等角度で前記香箱に取り付けられ
たものとなっている(請求項3)。
【0013】以上のようなぜんまい装置の構成によれ
ば、内端が巻軸に取り付けられ、且つ、外端が等角度で
香箱に取り付けられているため、ばねの力が釣り合って
働くので、香箱又は巻軸が常時一方向に押された状態と
なるのを解消でき、巻軸又は香箱が回動する際に巻軸と
香箱との間に生ずるフリクションを著しく減少させるこ
とができる。また、巻軸又は香箱が重心の移動をほぼ生
ずることなくバランス良く回動するので、巻軸又は香箱
が回動する際の振動を小さくすることができる。
【0014】その一方で、このぜんまい装置は、前記巻
軸に、ばねへ力を入力する入力手段又はばねからの力を
出力する出力手段の一方が取り付けられていると共に、
前記香箱に、前記入力手段又は出力手段の他方が取り付
けられたものとなっている(請求項4)。また、前記巻
軸又は香箱のいずれか一方に、ばねへ力を入力し、且つ
ばねからの力を出力する入出力手段が取り付けられたも
のとなっている(請求項5)。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の実施形態について、図
面により説明する。
【0016】図1、図2及び図3において、この発明に
係るぜんまい装置を用いた実施形態の一例として長尺体
引出巻取装置1が示され、この長尺体引出巻取装置1
は、密閉ケースとしての役割も果たす香箱2と、この香
箱2内に収納されたぜんまい3(下記する一枚のばね1
6より成る)と、巻軸4とで基本的に構成されたもの
で、香箱2の突起部5と巻軸4の底部に設けられた孔6
とにより、巻軸4が香箱2に対し回動自在に取り付けら
れたものとなっている。
【0017】そして、この巻軸4は、大径部7と小径部
8とで構成されたもので、入出力手段として、大径部7
の側周面に環状の溝部9が形成され(一般にプーリとい
う)、この溝部9に長尺体としてワイヤ等の紐状部材1
0が巻回されていると共に、紐状部材10の先端側は、
香箱2の孔11から外部に引き出された状態にあり、そ
の端部には香箱2内への引き込み防止のため等に金具1
2が取り付けられている。これにより、大径部7の溝部
9から紐状部材10を引き出すことによりぜんまい3へ
の力を貯えると共に、引き出しを緩めることでぜんまい
3に貯えられた力によって紐状部材10が大径部7の溝
部9に巻き取られるものである。
【0018】また、香箱2は、巻軸4の大径部7の外周
近傍において巻軸4の軸方向に当該香箱2と一体に立設
された突起部13,13を有しており、この突起部13
と突起部13とは、巻軸4の軸心を中心として対称とな
るように配置されている。
【0019】更に、巻軸4の大径部7の軸方向香箱内側
面には、前記ぜんまい3が配されており、このぜんまい
3は、巻軸4及び香箱2に取り付けた状態では、2つの
巻軸の周縁から現れる部位14と2つの外端15を有す
ることとなる一枚のばね16からなっている。このばね
16は、図6(a)でも示すように、自然状態において
直線状を成す直線状部17a,17bと、その中心部位
に長手方向に対し巻軸4の直径と略同寸法の幅を備え、
前記直線状部17a,17bと連接した構成の巻軸取付
部18とを有することで階段状に形成されている。そし
て、直線状部17a,17bは、その外端15に突起部
13と係合するための円弧状のフック19が形成されて
いると共に、フック19以外の部位が重ね合わされて巻
回される。実際には、図1,図2に示されるばね16と
突起部13,13との関係及び前記巻軸4との関係につ
いて、図4に示す概略の説明図に示して明らかにしてい
る。
【0020】ところで、前記巻軸の周縁から現れる部位
14が、巻軸4の軸心を中心として対称となるよう、す
なわち各々の中心角が180度の等角度になるように、
巻軸4に軸心を通って径方向に延びるスリット4aを形
成し、そのスリット4aに巻軸取付部18が取り付けら
れている。また、外端15は、香箱2から立設した突起
部13にフック19により取り付けられており、このた
め、外端15も中心角が180度で等しくなるように香
箱に取り付けられたものとなっている。尚、巻軸の周縁
から現れる部位14から外端15までの長さと他方の巻
軸の周縁から現れる部位14から外端15までの長さは
当然ながら等しいものとなっている。
【0021】以上のような構成によれば、ばね16の外
端15,15が突起部13に取り付けられた部位にかか
る力(ベクトル)は、逆の方向でかつ等しいため偶力が
働くことから、巻軸4が回動する際の香箱2の突起部5
とのフリクションが小さくなって、巻軸4は香箱2に対
しバランス良く回動し、ぜんまい3は、図5の(a),
(b),(c)に示すように、巻き締まり又は巻き戻し
の際に、巻軸4を中心として同心円的に拡縮させること
が可能となる。実際に実物を作って、ばね16がほどけ
てゆく過程を観察してみると、ばね16の外端を対向す
る該複数箇所で固定しているため、ばね16に片寄りが
起こらないから、ばね16が香箱2の内部で平均的な広
がりを見せる。このため、ばね16が解放されていく過
程で、ばね16自身に不要な振動が起こったりせず、ば
ね16の各巻き同士のこすれ合いや香箱2とはね16と
のこすれから生ずる異音が発生しにくい。これに伴っ
て、実物を測定したところ、図7に示される特性線が得
られ、紐状部材10を引き出す場合に、最初は紐状部材
10を引き出す力を暫時大きくしなければならないが、
一定以上引き出した後は略均一な力で引き出すことが可
能となり、また、紐状部材10を巻き取る場合に一定条
件下では略均一な出力で紐状部材10を巻き取ることが
できるものとなる。尚、ばね16の中心部位について、
中心角が180度の等角度で巻軸4に取り付けられる旨
を述べたが、必ずしもこれに限定されず、中心角の角度
に幾分の差異があっても、略同様の作用効果が得られる
ものである。
【0022】図1、図2、図3に示されるぜんまい3に
ついて、図6(a)に示されるように一枚のばね16か
ら成るものと説明したが、必ずしもこの図6(a)に示
すものに限定されず、機能上においてこのばね16を用
いるのと同様であれば良い。例えば、図6(b)に示さ
れるように、段差をなくし、巻軸4のスリット4aに取
り付けた状態において、巻軸の周縁から現れる部位14
及び巻軸取付部18が形成されるものとしても良い。ま
た、例えば、図6(c)に示されるように、ぜんまい3
を、あたかも図6(a)のばね16を巻軸取付部位18
にて切断したような構成の一対のばね16a,16bか
ら成るものとしても良い。このばね16a,16bは、
自然状態において直線的な直線状部17を有し、外端1
5に突起部13と係合するためのフック19が形成され
ていると共に、外端15とは反対側に巻軸取付部位18
の代わりに内端14’が形成されているもので、その内
端14’にはのばね16a,16bを巻軸4に取り付け
るための係止片18’が形成されている。更には、図示
しないが、図6(a)のばね16の直線状部16a,1
6bの代わりに一時的な巻き癖を付けた湾曲部としても
良い。また、外端19は、非固定型の形状としても良
い。
【0023】図8、図9及び図10とにより、この発明
に係るぜんまい装置を用いた実施形態として、図1等に
示される長尺体引出巻取装置1とは異なる構成の長尺体
引出巻取装置1を説明する。但し、図面に現れる同一部
分については同一個所に同一符号を付して説明を省略す
る。
【0024】この長尺体引出巻取装置1は、香箱2と、
図6(a)に示す一枚のばね16から成るぜんまい3
と、巻軸4と、ブラケット20とで基本的に構成された
もので、ブラケット20は、背板20a、側板20b及
び底板20cから成り、側板20bに紐状部材10を外
部に引き出すための孔11が形成されている。そして、
ブラケット20の背板20aから内側に巻軸4が立設
し、この巻軸4に、香箱2の底部に形成された孔21を
外挿することにより、香箱2が巻軸4に対して回動自在
に取り付けられたものとなっている。
【0025】この香箱2は、前記孔21と反対側におい
て前記ぜんまい3の径よりも大きな円状の開口部22を
有し、この開口部22内に前記ぜんまい3が収納されて
いると共に、香箱2の底部から開口部22内のぜんまい
3の外周近傍に、ぜんまい3の外端15と係合するため
の突起部13が、巻軸4を中心として回転対称となるよ
うに、すなわち中心角が180度の等角度になるように
突出形成されている。
【0026】そして、香箱2の外周には開口部22側端
と軸方向中央部とにつば部23,24が環状に形成され
て(一般にプーリという)、かかるつば部23,24の
間に紐状部材10が巻回されている。これにより、香箱
2から紐状部材10を引き出すことによりぜんまい3へ
の力を貯えると共に、引き出しを緩めることでぜんまい
3に貯えられた力によって紐状部材10が香箱2に巻き
取られるものである(入出力手段)。
【0027】一方、巻軸4は円柱状をなすと共に、ばね
16の巻軸取付部18を取り付け可能とするために、そ
の軸心を通って径方向に延びるスリット4aが形成され
ている。このため、スリット4aに巻軸取付部18を取
り付けることで、前記巻軸の周縁から現れる部位14
が、巻軸4の軸心を中心として回転対称となるよう、す
なわち巻軸4の中心角が180度で等しくなるように巻
軸4に取り付けられたものとなる。
【0028】但し、ぜんまい3は、必ずしも上述した図
6(a)に示されるばね16に限定されず、図6(b)
に示されるばね16や図6(c)に示されるばね16
a,16bを用いても良いことは、先の実施形態で説明
したのと同様である。
【0029】以上のような構成によれば、ぜんまい3の
外端15,15が突起部13に取り付けられた部位にか
かる力は、逆の方向に等しい力で引っ張られるため相殺
されることから、香箱2が回動する際の巻軸4とのフリ
クションが小さくなって、香箱2は巻軸4に対しバラン
ス良く回動し、ぜんまい3は、図5の(a),(b),
(c)の場合と同様に、巻き締まり又は巻き戻しの際に
巻軸4を中心として同心円的に拡縮する。これに伴っ
て、図7に示される特性線が得られ、紐状部材10を引
き出す場合に、最初は紐状部材10を引き出す力を暫時
大きくしなければならないが、一定以上引き出した後は
略均一な力で引き出すことが可能となり、また、紐状部
材10を巻き取る場合に一定条件下では略均一な出力で
紐状部材10を巻き取ることができるものとなる。尚、
ばね16の中心部位(又は内端14’)について、中心
角が180度の等角度で巻軸4に取り付けられる旨を述
べたが、必ずしもこれに限定されず、中心角の角度に幾
分の差異があっても、略同様の作用効果を得られるもの
である。
【0030】図11と図12とにより、本発明に係るぜ
んまい装置を用いた長尺体引出巻取装置の他の実施形態
を各々説明する。但し、図面に現れる同一部分について
は同一箇所に同一符号を付して説明を省略する。
【0031】このうち、図11に示される長尺体引出巻
取装置1は、密閉ケースとしての役割も果たす香箱2
と、この香箱2内に収納されたぜんまい3と、巻軸4と
で基本的に構成されたもので、香箱2の突起部5と巻軸
4の底部に設けられた孔6とにより、巻軸4が香箱2に
対し回動自在に取り付けられたものとなっている点で
は、図1に示される長尺体引出巻取装置1の構成と同様
である。その一方で、3つの内端14’と3つの外端1
5とを有する3個のばね16a,16b,16c(各ば
ね16a,16b,16cの各構成は図6(c)と同様
である)から成るぜんまい3を用いると共に、各内端1
4’について中心角が120度の等角度となるように巻
軸4に取り付け、各外端15について中心角が120度
で等しくなるように香箱2に取り付けたものとなってい
る点では、図1等に示される長尺体引出巻取装置1とは
異なる。また、内端14’の巻軸4に取り付ける構成
も、巻軸4に溝部26を3つ形成すると共に、各内端1
4の先端部分を環状として、前記溝部26に係合するよ
うになっている点で、図1等に示される長尺体引出巻取
装置1とは異なる。
【0032】以上のような構成によっても、ぜんまい3
を成す3つのばね16a,16b,16cの3つの外端
15が3つの突起部13に取り付けられた部位にかかる
力は、等角度な三方向において等しい力で引っ張られる
ため、互いに相殺されることから、巻軸4が回動する際
の香箱2の突起部5とのフリクションが小さくなって、
巻軸4は香箱2に対しバランス良く回動し、ぜんまい3
の密着部分は巻軸4を中心として同心円的に拡縮するこ
とができるものとなる。尚、ばね16の内端14’につ
いて、中心角が120度の等角度で巻軸4に取り付けら
れる旨を述べたが、必ずしもこれに限定されず、中心角
の角度に幾分の差異があっても、略同様の作用効果を得
ることができるものである。
【0033】図12に示される長尺体引出巻取装置1
は、密閉ケースとしての役割も果たす香箱2と、この香
箱2内に収納されたぜんまい3と、巻軸4とで基本的に
構成されたもので、香箱2の突起部5と巻軸4の底部に
設けられた孔6とにより、巻軸4が香箱2に対し回動自
在に取り付けられたものとなっている点で、図1等又は
図11に示される長尺体引出巻取装置1の構成と同様で
ある。その一方で、巻軸4及び香箱2に取り付けた状態
では、2つの巻軸の周縁から現れる部位14と2つの外
端15を有することとなるばね16(各ばねの構成は、
図6(a)に示すものと同様である。但し、位置関係を
判りやすくするために直線状部を17a,17b,17
c,17dと分けた)を2枚用いていると共に、4つの
巻軸の周縁から現れる部位14が巻軸4の中心角が90
度の等角度となるように巻軸4に取り付け、4つの外端
15について中心角が90度で等しくなるように香箱2
に取り付けたものとなっている点では、図1等又は図1
1に示される長尺体引出巻取装置1とは異なる。また、
巻軸の周縁から現れる部位14を巻軸4に取り付ける構
成も、巻軸4から更に4つの突起部28を形成すると共
に、前記ばね16の中心部位を2対の突起部28に各々
S字状に巻き付けることにより巻軸4に取り付けられて
いる点で、図1等又は図11に示される長尺体引出巻取
装置1とは異なる。
【0034】以上のような構成によっても、ぜんまい3
を成す2つのばね16,16の4つの外端15が4つの
突起部13に取り付けられた部位にかかる力は、等角度
な四方向において等しい力で引っ張られるため、互いに
相殺されることから、巻軸4が回動する際の香箱2の突
起部5とのフリクションが小さくなって、巻軸4は香箱
2に対しバランス良く回動し、ぜんまい3は巻軸4を中
心として同心円的に拡縮することができるものとなる。
尚、ばね16の中心部位について、中心角が90度の等
角度で巻軸4に取り付けられる旨を述べたが、必ずしも
これに限定されず、中心角の角度に幾分の差異があって
も略同様の作用効果を得られるものである。
【0035】尚、これまでにおいて、ぜんまい3の入力
手段と出力手段とを、プーリとしての役割を果たす巻軸
3の大径部7又は香箱2と紐状部材10とで構成したも
のについて説明したことで、ばね16へ力を入力し、且
つばね16からの力の出力の双方を行う場合のみについ
て説明することとなった。しかしながら、必ずしもこれ
に限定されず、ばね16への力の入力とばね16からの
力の出力が別々のものにこのぜんまい装置1を用いても
良く、このような構成の一例を図13を用いて説明す
る。但し、異なる部分を主として説明し、図面に現れる
同一部分については同一箇所に同一符号を付して説明を
省略する。
【0036】図13に示されるぜんまい装置を用いた回
転動伝達装置29は、その一方側にばねへ力を入力する
入力手段となる把手30が一体に形成された回動自在な
巻軸4と、同じく回動自在な香箱2と、図6(a)に示
すぜんまい3と、ばねからの力を出力する出力手段とな
る回転部材31と、巻軸4と回転部材31とが軸支され
るフレーム部材32とで構成されたものである。
【0037】このうち、香箱2は、巻軸4の径方向一方
側に巻軸4が挿通する孔21を有し、他方側にぜんまい
3の径よりも大きな開口部22を有している。また、ぜ
んまい3は、それぞれ中心角が180度で等しくなるよ
うに、巻軸取付部18が巻軸4のスリット4aに取付け
られ、且つ、外端15が香箱2の突起部13に取付けら
れている。そして、巻軸4には、ぜんまい3に入力する
ための一方方向にのみ回動可能なように、例えばワンウ
エイラチェットニードルベアリング等の逆回転防止機構
33を有している。更に、香箱2の側周部にはギア34
が形成されていると共に、回転部材31にも香箱2のギ
ア34と噛合するギア35が形成されて、香箱2の回動
が回転部材31に伝達可能になっている。
【0038】これにより、把手30を回してそのまま巻
軸4を回動することにより、ぜんまい3への力を貯える
と共に、把手30を回す動作を停止すれば、逆回転防止
機構33により回転が止まり、ぜんまい3に貯えられた
力によって、今度は香箱2が回動し、香箱2の回動が回
転部材31に伝達されて回動部材31が回動し、更にこ
の回動部材31と連結された部材が回動するものであ
る。尚、図6(a)に示すばね16の代わりに、図6
(b),図6(c)に示すばね16を用いてもよいこと
及び、中心角が等しくなるのであれば、180度に限定
されないことは、これまでの実施形態と同様である。
【0039】
【発明の効果】以上により、請求項1に記載のぜんまい
装置によれば、中心部位が巻軸に取り付けられている一
枚のばねの外端が等角度で香箱に取り付けられているた
め、ばねの力が釣り合って働くので、香箱又は巻軸が常
時一方向に押された状態となるのを解消でき、巻軸又は
香箱が回動する際に巻軸と香箱との間に生ずるフリクシ
ョンを著しく減少させることができる。また、巻軸又は
香箱が重心の移動をほぼ生ずることなくバランス良く回
動するので、巻軸又は香箱が回動する際の振動や騒音を
小さくすることができる。更には、一枚のばねの中心部
位を巻軸に取り付けるのでばねが巻軸から引き抜けてし
まうのを防止することができ、ぜんまい装置の破壊を回
避できる。
【0040】また、請求項2に記載のぜんまい装置によ
れば、中心部位が巻軸に取り付けられている複数枚のば
ねの外端が等角度で香箱に取り付けられているため、ば
ねの力が釣り合って働くので、香箱又は巻軸が常時一方
向に押された状態となるのを解消でき、巻軸又は香箱が
回動する際に巻軸と香箱との間に生ずるフリクションを
著しく減少させることができる。また、巻軸又は香箱が
重心の移動をほぼ生ずることなくバランス良く回動する
ので、巻軸又は香箱が回動する際の振動や騒音を小さく
することができる。更には、複数枚のばねの中心部位が
巻軸に取り付けられるので巻軸から引き抜けてしまうの
を防止することができ、ぜんまい装置の破壊を回避でき
る。
【0041】更にまた、請求項3に記載のぜんまい装置
によれば、内端が巻軸に取り付けられ、且つ、外端が等
角度で香箱に取り付けられているため、ばねの力が釣り
合って働くので、香箱又は巻軸が常時一方向に押された
状態となるのを解消でき、巻軸又は香箱が回動する際に
巻軸と香箱との間に生ずるフリクションを著しく減少さ
せることができる。また、巻軸又は香箱が重心の移動を
ほぼ生ずることなくバランス良く回動するので、巻軸又
は香箱が回動する際の振動や騒音を小さくすることがで
きる。
【0042】請求項4又は5に記載のぜんまい装置によ
れば、ばねの入出力を円滑におこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係るぜんまい装置を用いた
長尺体引出巻取装置の構成が示された説明図である。
【図2】図2は、同上の長尺体引出巻取装置の巻軸に対
し径方向の断面を示した説明図である。
【図3】図3は、図2に示される長尺体引出巻取装置の
A−A´線の断面図である。
【図4】図4は、この発明に係るぜんまい装置の概略の
構成を示した説明図である。
【図5】図5(a),(b),(c)は、ばねが通常時
の状態から巻き締められる状態若しくは反対に巻き締め
られた状態から巻き戻される状態の経過を示す説明図で
ある。
【図6】図6(a),(b),(c)は、ぜんまいを構
成するばねの態様を示す説明図である。
【図7】図7は、同上のぜんまいを巻き締める際の入力
とぜんまいが巻き戻る際の出力とを示す特性線図であ
る。
【図8】図8は、図1、図2及び図3に示される長尺体
引出巻取装置とは異なる構成の長尺体引出巻取装置の構
成を示す説明図である。
【図9】図9は、同上の長尺体引出巻取装置を側方から
見た状態を示す説明図である。
【図10】図10は、図9に示される長尺体引出巻取装
置のB−B´線断面図である。
【図11】図11は、ばねの内端、外端を巻軸、香箱の
中心角に対し等角度に3箇所に取り付けた状態を示す説
明図である。
【図12】図12は、ばねの内端、外端を、巻軸、香箱
の中心角に対し等角度に4箇所に取り付けた状態を示す
説明図である。
【図13】図13は、入力手段と出力手段とが別々にな
ったぜんまい装置の構成を示す断面図である。
【図14】図14は、一枚のばねから成り、しかもその
内端が巻軸との一点のみで固定され、外端が香箱と一点
のみで固定された従来のぜんまいを用いた長尺体引出巻
取装置において、香箱が常時一定方向に押された状態を
示す説明図である。
【符号の説明】
2 香箱 3 ぜんまい 4 巻軸 7 大径部 10 紐状部材 13 突起部 14 巻軸の周縁から現れる部位 14’ 内端 15 外端 16 ばね 16a ばね 16b ばね 16c ばね 16d ばね 18 巻軸取付部(中心部位) 30 把手 31 回転部材 34 ギア 35 ギア
フロントページの続き Fターム(参考) 3F068 AA12 AA14 FA07 HA03 3J059 AE01 BA37 BB03 BB04 BD03 CA03 CB17 GA50

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻軸と香箱と一枚のばねとを備え、前記
    巻軸と香箱とは相対的な回転運動をするように配置され
    ると共に、 前記一枚のばねの中心部位が前記巻軸に取り付けられ、
    且つ前記一枚のばねの両外端が等角度で前記香箱に取り
    付けられていることを特徴とするぜんまい装置。
  2. 【請求項2】 巻軸と香箱と複数枚のばねとを備え、前
    記巻軸と香箱とは相対的な回転運動をするように配置さ
    れると共に、 前記複数枚のばねの各中心部位が前記巻軸に取り付けら
    れ、且つ前記複数枚のばねの各外端が等角度で前記香箱
    に取り付けられていることを特徴とするぜんまい装置。
  3. 【請求項3】 巻軸と香箱と複数枚のばねとを備え、前
    記巻軸と香箱とは相対的な回転運動するように配置され
    ると共に、 前記複数枚のばねの各内端が前記巻軸に取り付けられ、
    前記複数枚のばねの各外端が等角度で前記香箱に取り付
    けられていることを特徴とするぜんまい装置。
  4. 【請求項4】 前記巻軸に、ばねへ力を入力する入力手
    段又はばねからの力を出力する出力手段の一方が取り付
    けられていると共に、前記香箱に、前記入力手段又は出
    力手段の他方が取り付けられていることを特徴とする請
    求項1、2又は3に記載のぜんまい装置。
  5. 【請求項5】 前記巻軸又は香箱のいずれか一方に、ば
    ねへ力を入力し、且つばねからの力を出力する入出力手
    段が取り付けられていることを特徴とする請求項1、2
    又は3に記載のぜんまい装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108343298A (zh) * 2018-04-27 2018-07-31 金陵科技学院 一种使用发条弹簧的举升机和多层停车位用配重替代机构
CN110280693A (zh) * 2019-07-23 2019-09-27 东莞市杜氏诚发精密弹簧有限公司 一种卷簧处理装置

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