JP2001010217A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP2001010217A
JP2001010217A JP11187128A JP18712899A JP2001010217A JP 2001010217 A JP2001010217 A JP 2001010217A JP 11187128 A JP11187128 A JP 11187128A JP 18712899 A JP18712899 A JP 18712899A JP 2001010217 A JP2001010217 A JP 2001010217A
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JP
Japan
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chlorine
paper
ink
base material
pulp
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JP11187128A
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English (en)
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Shunichiro Mukoyoshi
俊一郎 向吉
Hideo Ikezawa
秀男 池沢
Hiromasa Kondo
博雅 近藤
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、インクジェット記録用紙の紙基材と
して、漂白工程で塩素(Cl2)を使用しないパルプを
使用した紙基材を用いることにより、有害な有機塩素化
合物が発生する可能性を著しく低減させるものである。 【解決手段】漂白工程で塩素(Cl2)を使用しないで
得た漂白パルプを主成分とした紙基材を用いたインクジ
ェット記録体であり、紙基材のCl含有量が200pp
m以下であることを特徴とするインクジェット記録用
紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漂白工程で塩素
(Cl2)を使用しないパルプを使用した紙基材を用い
たインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】水性インクを用いるインクジェット記録
方式は、記録時の騒音が少なく、カラー化が容易である
ことと、高速記録が可能であること等の理由から、末端
用プリンター、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票
印刷などへの応用が進められている。一般の印刷に使用
される上質紙やコーテッド紙はインクの吸収性が劣るた
め、印字されたシートを汚染したり画像が汚れたりする
ため実用性に乏しい。こうした問題を解決するために、
サイズ度の低い記録紙を用いることや(特開昭52−5
3012号公報)、尿素−ホルマリン樹脂を内添した原
紙に水溶性高分子を含浸させる(特開昭53−4911
3号公報)といった提案がなされている。更に、インクの発
色性や再現性を高める目的で表面に無定型シリカをはじ
めとする種々の多孔質無機顔料類を塗布した記録用紙
(特開昭55−51583号公報、特開昭56−148
585号公報)が開示されている。また、ニジミを抑え
た高精細の画像を得る目的でこれらの多孔質顔料の物性
を規定(特開昭58−110287号公報、特開昭59
−185690号公報、特開昭61−141584号公
報)する等の改良が提案されている。また、近年のイン
クジェットプリンタ技術の発展はめざましく、最近で
は、ほとんど銀塩写真の画質に匹敵するものも開発され
ている。さらに、プリンタの印字画像がより銀塩写真に
近くなったため、インクジェット用紙も表面に光沢感を
付与し、印字画像がより銀塩写真に近くなるような光沢
タイプのインクジェット用紙の開発が進んでいる。
【0003】しかしながら、上記のようなインクジェッ
ト用紙においても、環境に対する配慮という点では不十
分である。すなわち、従来、上記のインクジェット用紙
に用いられる紙基材は、漂白工程で塩素(Cl2)を使
用したパルプを使用しており、量的にはわずかであるが
パルプ製造工程で有害な有機塩素化合物が発生する可能
性もあった。また上記パルプを含有する紙基材を使用し
たインクジェット用紙を廃棄し焼却した場合も、量は少
ないがダイオキシン等の有機塩素化合物が発生する可能
性があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクジェ
ット記録用紙の紙基材として、漂白工程で塩素(C
2)を使用しないパルプを使用した紙基材を用いるこ
とにより、有害なダイオキシン等の有機塩素化合物が発
生する可能性を著しく低減させるものである。
【0005】
【本発明が解決するための手段】本発明は下記の態様を
含む。 [1]漂白工程で塩素(Cl2)を使用しないで得た漂
白パルプを主成分とした紙基材を用いたインクジェット
記録体であり、紙基材のCl含有量が200ppm以下
であることを特徴とするインクジェット記録用紙。 [2]漂白パルプが、漂白工程で塩素(Cl2)および
塩素化合物を使用しない漂白パルプであることを特徴と
する[1]記載のインクジェット記録用紙。 [3]紙基材上に、塩素を含有しないカチオン性化合物
含有液を塗工または含浸したことを特徴とする[1]ま
たは[2]記載のインクジェット記録用紙。
【0006】[4]紙基材上に樹脂を含有し、適宜顔料
を含有させた記録層(インク受容層)を設けたことを特
徴とする[1]、[2]または[3]記載のインクジェ
ット記録用紙。 [5]記録層(インク受容層)が塩素を含有しないカチ
オン性化合物を含有することを特徴とする[4]記載の
インクジェット記録用紙。 [6]漂白工程で塩素(Cl2)を使用しないで得た、
Cl含有量が200ppm以下である漂白パルプを使用
した紙基材を用いたことを特徴とするインクジェット記
録用紙。 [7]Cl含有量が1120ppm以下、好ましくは8
00ppm以下、より好ましくは200ppm以下であ
るインクジェット記録用紙。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる紙基材は、木材等
から得られるパルプを原料とする。パルプは各種化学パ
ルプ、機械パルプ、再生パルプ等が使用できる。本発明
におけるパルプは、漂白工程において塩素(Cl2)、
好ましくは塩素(Cl2)および二酸化塩素、次亜塩素
酸塩等の塩素化合物を使用しないことを特徴とする。一
般にパルプ漂白は、塩素(Cl2)、二酸化塩素(Cl
2)、次亜塩素酸ソーダ(NaClO)等の次亜塩素
酸塩、苛性ソーダ(NaOH)等のアルカリ、酸素等の
薬品を使用し、白色度を高めるため、これら使用した複
数の工程を組み合わせて実施されてきた。このような漂
白パルプは、塩素(Cl)の含有量が一般に数百ppm
以上であり、多いものは1000ppmを超える場合も
ある。ところで、1980年代に北欧、北米のパルプ製
造工程から有害なダイオキシン、有機塩素化合物が検出
されたのを契機に、塩素(Cl2)を使用した漂白から
二酸化塩素(ClO2)を使用する無塩素(ECF;E
lementary Chlorine Free)漂白
への転換が進んできた。ECF漂白では、漂白工程での
ダイオキシン、有機塩素化合物の発生が著しく低減され
る。さらにECF漂白パルプは、塩素(Cl)の含有量
が著しく低減することができ、数10ppm以下にする
こともできる。このため、ECF漂白パルプを使用した
紙は、低温焼却の際に問題となるダイオキシン等の有機
塩素化合物の発生が著しく押さえられる。
【0008】さらに、漂白剤として、酸素、オゾン、過
酸化水素等を使用し、塩素系化合物を全く使用しない、
完全無塩素(TCF;Total Chlorine F
ree)漂白への転換も検討されている。TCF漂白で
は、漂白工程でのダイオキシン、有機塩素化合物の発生
がほとんど無い。TCF漂白パルプは、塩素(Cl)の
含有量がほとんど無く、通常1ppm以下である。この
ため、TCF漂白パルプを使用した紙は、低温焼却の際
に問題となるダイオキシン等の有機塩素化合物の発生が
ほとんど無い。
【0009】漂白パルプの塩素(Cl)含有量は、20
0ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ま
しく、更に10ppm以下が好ましく、最も好ましく
は、1ppm以下である。漂白工程の例を以下に示す。 1)従来の漂白工程 C→E→D→D、C→E→H→E→D、C→E→H→D、C
→E→D→E→D、C→E→H→D→E→D、C+D→E
→D→E→D等 2)ECF漂白工程 D→Eop→D→Eo→D、O→D→Eop→D→D、
O→D→Eo→D→E→D 3)TCF漂白工程 O→Q→P→P→P、O→Q→OP→Q→OP、O→Q
→OP→P→Z/E→PO→Q→O→Q→PAA ここで、上記アルファベット記号は次のことを示す。 C: 塩素(Cl2)を使用した漂白処理工程 D: 二酸化塩素を使用した漂白処理工程 H: 次亜塩素酸ソーダを使用した漂白処理工程 OP: 過酸化水素を添加した酸素漂白処理工程 PAA: 過酢酸を使用した漂白処理工程 Z: オゾンを使用した漂白処理工程 O: 酸素を使用した漂白処理工程 E: アルカリを使用した抽出工程 Eo: 酸素を添加したアルカリ抽出工程 Eop: 酸素および過酸化水素を添加したアルカリ抽
出工程 Q: キレート剤による前処理工程 P: 過酸化水素を使用した漂白処理工程
【0010】紙基材は、上記した漂白工程において塩素
(Cl2)を使用しないパルプと、必要に応じ顔料を主
成分として構成される。パルプは紙力、抄紙適性を調整
するために、叩解機により叩解度を調整できる。パルプ
の叩解度は特に限定しないが、一般に250〜550m
l(CSF;JIS P−8121)程度である。顔料
は不透明性等を付与したり、インク吸収性を調整する目
的で配合し、炭酸カルシウム、焼成カオリン、シリカ、
酸化チタン等が使用できる。この場合、配合量は1〜2
0%程度が好ましい。多すぎると紙力が低下するおそれ
がある。助剤としてサイズ剤、定着剤、紙力増強剤、カ
チオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤等を添加
することができる。紙基材の塩素(Cl)含有量は、2
00ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好
ましく、更に10ppm以下が好ましく、最も好ましく
は、1ppm以下である。抄紙機のサイズプレス工程に
おいて、デンプン、ポリビニルアルコール、カチオン樹
脂等を塗布・含浸させ、表面強度、サイズ度等を調整で
きる。サイズ度は1〜200秒程度が好ましい。サイズ
度が低いと、塗工時に皺が発生する等操業上問題となる
場合があり、高いとインク吸収性が低下したり、印字後
のカールやコックリングが著しくなる場合がある。紙基
材の坪量は、特に限定されないが、20〜400g/m
2程度である。厚みは、特に限定されないが、20〜5
00μm程度である。
【0011】また、後述するキャスト方式の光沢タイプ
インクジェット用紙においては、紙基材の空気透過量
(JIS P8117)が2500秒以下になるとキャ
ストドラム上での乾燥の際、塗工層の水蒸気が基材を通
じて抜けやすくなり、光沢性や操業性が向上するため好
ましい。紙基材上には、インク中の染料成分を定着さ
せ、印字濃度を高めインクのにじみを防止し、印字耐水
性を付与する目的で、カチオン性化合物を塗工または含
浸することができる。カチオン性化合物としては、カチ
オン性樹脂や低分子カチオン性化合物(例えばカチオン
性界面活性剤等)が挙げられる。印字濃度向上の効果の
点ではカチオン性樹脂が好ましく、水溶性樹脂あるいは
エマルジョンとして使用できる。更にカチオン性樹脂を
架橋等の手段により不溶化し粒子状の形態としたカチオ
ン性有機顔料としても使用できる。このようなカチオン
性顔料は、カチオン樹脂を重合する際、多官能性モノマ
ーを共重合し架橋樹脂とする、あるいは反応性の官能基
(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル
基等)を有するカチオン樹脂に必要に応じ架橋剤を添加
し、熱、放射線等の手段により架橋樹脂としたものであ
る。カチオン性化合物、特にカチオン性樹脂は接着剤と
しての役割を果たす場合もある。
【0012】カチオン性樹脂は下記のものが例示でき
る。具体的には、1)ポリエチレンポリアミンやポリプ
ロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類
またはその誘導体、2)第2級アミン基や第3級アミン
基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、3)
ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン類、4)ジシア
ンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン
系カチオン樹脂、5)ジシアンジアミド−ジエチレント
リアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹
脂、6)エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合
物、7)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−S
2共重合物、8)ジアリルアミン塩−S02共重合物、
9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、
10)アリルアミン塩の重合物、11)ジアルキルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、12)ア
クリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物等のカチオン
性化合物。上記カチオン性化合物のうち、特に塩素を含
有しないものが好ましい。即ち上記カチオン性化合物の
うち塩を形成しているものは、塩酸塩以外のものが好ま
しく、酢酸塩、硫酸塩等を例示できる。また、第2級ア
ミン基、第3級アミン基を有するものでもよい。ここで
塩素を含有しないとは、不純物として含有される程度の
量は意味しない。紙基材として、漂白工程で塩素(Cl
2)を使用しないパルプを使用していても、塩素を含有
するカチオン性化合物を記録層に使用した場合、インク
ジェット記録用紙を低温焼却した際に、ダイオキシン等
の有機塩素化合物が発生することが懸念される。上記カ
チオン性化合物を紙基材に直接塗工、含浸する場合の付
着量は、0.1〜5g/m2程度が好ましい。0.1g
/m2未満では目的とするニジミ防止、耐水性付与の効
果が得られ難く、5g/m2を超えて多いとインク吸収
性が低下したりする場合が生じる。上記カチオン性化合
物は、必要に応じ樹脂(接着剤)等を配合しサイズプレ
ス装置、ゲートロールコーター等により塗工、含浸され
る。
【0013】樹脂(接着剤)としては、カゼイン、大豆
蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種
澱粉類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセル
ロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブ
タジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、ア
クリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重
合体等のビニル系重合体ラテックス、等一般に塗被紙用
として用いられている従来公知の接着剤が単独、あるい
は併用して用いられる。
【0014】一方、基材上には、より高品位のインクジ
ェット記録を得る目的で、記録層(インク受容層)を設
けることもできる。設ける記録層は、1)インク吸収性
の高い顔料及び接着剤を主成分とするもの、2)インク
吸収性の高い樹脂を主成分とするもの、に大別でき、
1)の場合は、光沢層を表面に設けることにより光沢化
することもできる。2)の場合は通常光沢が高いもので
あるが、マット化剤(顔料、微粒子等)を配合して光沢
を調整することもできる。
【0015】まず1)について述べる。記録層に含有さ
せる顔料としては、非晶質シリカ(コロイダルシリカを
含む)、ゼオライト、カオリン、クレー、焼成クレー、
酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭
酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、セ
ピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、ハイド
ロタルサイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピ
グメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾ
グアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗工紙製
造分野で公知公用の各種顔料が例示でき、単独で、若し
くは併用で使用できる。この中でも、インク吸収性の点
で、非晶質シリカ、ゼオライト、酸化アルミニウムが好
ましく、特に、顔料の主成分として非晶質シリカを含有
させることが好ましい。非晶質シリカとしては、合成非
晶質シリカが好ましい。
【0016】合成非晶質シリカはその製造方法により湿
式法によるものと乾式法によるものとに大別される。湿
式法は珪酸ソーダを原料として酸で中和してシリカを析
出させることにより得られるが、更に沈降法とゲル化法
に分けられる。また、乾式法は四塩化珪素を原料とし
て、水素、酸素と共に燃焼し、シリカを析出することで
得られる。通常、ホワイトカーボンと呼称され、無水珪
酸、含水珪酸等として知られている。前記合成非晶質シ
リカの平均二次粒子径は0.5 〜20μm程度が好ましい。
接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋
白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルア
ルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル
変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等
のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、
メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエ
ン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、
エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテ
ックス、等一般に塗被紙用として用いられている従来公
知の接着剤が単独、あるいは併用して用いられる。
【0017】なお接着剤の配合量は特に限定しないが顔
料100重量部に対し、1〜100重量部、より好まし
くは2〜50重量部の範囲で調節される。ここで接着剤
の量が少ないと、記録層の強度が弱くなり表面が傷つき
やすくなったり、粉落ちが発生する場合がある。逆に接
着剤の量が多いと、インク吸収性が低下し、所望のイン
クジェット記録適性が得られなくなる場合がある。記録
層には、インク中の染料成分を定着させ、印字濃度を高
め印字耐水性を付与する目的で、上述した様なカチオン
性化合物、特に塩素を含有しないカチオン性化合物を配
合するのが好ましい。カチオン性化合物は顔料100重
量部に対し、1〜100重量部、より好ましくは5〜5
0重量部の範囲で使用することができる。配合量が少な
いと印字濃度向上の効果が得られにくく、多いと逆に印
字濃度が低下したり、画像のニジミが発生する場合があ
る。その他、一般塗工紙の製造において使用される分散
剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の
各種助剤が適宜添加される。上記材料をもって構成され
る塗工層用組成物は、一般に固形分濃度を5〜65重量
%程度に調整し、坪量が約20〜400g/m2 程度
の基材上に乾燥重量で1〜50g/m2 、より好まし
くは2〜20g/m2 程度になるようにブレードコー
ター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシ
コーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、
グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター等
の各種公知公用の塗工装置により塗工、乾燥される。さ
らに、必要に応じて塗工層の乾燥後にスーパーキャレン
ダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を施すこともできる。
【0018】さらに、最上層に光沢層を設けることがで
きる。この光沢層は、樹脂を含有させて構成され、顔料
を添加することもできる。光沢層はインクを速やかに通
過または吸収できるよう、光沢を阻害しない範囲で多孔
性もしくは通液性にするのが好ましい。このようにする
ためには、顔料を配合するか、光沢を落とさない範囲
で、樹脂が完全に成膜しないような乾燥条件を選択する
と良い。光沢層に用いる顔料は、下塗り(記録)層に用
いたものと同様のものが挙げられるが、光沢、透明性、
インク吸収性の点で、コロイダルシリカ、非晶質シリ
カ、酸化アルミニウム、ゼオライト、合成スメクタイト
等が好ましい。これらの顔料は塗工層中に10〜80%
含まれることが望ましい。顔料のBET式比表面積が大
きいほど、インクの吸収性に優れるため、150m2
g以上が好ましい。顔料の平均粒子径は、0.01〜5
μmが好ましく、0.05〜1μmのものがより好まし
い。粒子径が0.01μm未満になると、インク吸収性
の改良効果に乏しく、5μmを超えると、光沢や印字濃
度の低下が起こる恐れがある。1μm以下の顔料を使用
することにより優れた光沢が得られる。顔料として一次
粒子の平均粒子径が3nm以上40nm以下で、二次粒
子の平均粒子径が10nm以上600nm以下、好まし
くは10nm以上300nm以下であるシリカ微細粒子
を使用すると、光沢、インクの吸収性に特に優れたもの
となる。光沢層が顔料を主成分(10〜80%)として
形成する場合特に好ましい。この場合、光沢層がインク
吸収性および透明性に優れるため、光沢層にカチオン性
化合物を配合すると、インク染料が効率よく光沢層に定
着し、光沢層の透明性とあいまって印字濃度の極めて優
れたものとなり易い。
【0019】光沢層の樹脂としては、有機高分子、特に
ポリビニルアルコール類、水性ウレタン樹脂、或いはア
クリル酸エステル重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体等のエチレン性不飽和結合を有するモノマー
を重合してなる重合体樹脂等が例示できる。なお、重合
体は、必要に応じて2種類以上のエチレン性モノマーを
併用した共重合体であっても良いし、さらに、これら重
合体あるいは共重合体の置換誘導体でも良い。また、上
記のエチレン性モノマーをコロイダルシリカの存在下で
重合させ、Si−O−R(R:重合体成分)結合によっ
て複合体になった形、あるいは上記重合体または共重合
体にSiOH基等のコロイダルシリカと反応するような
官能基を導入しておき、コロイダルシリカと反応させて
複合体になった形で使用することも可能である。この複
合体を使用した場合、光沢、インク吸収性に優れたもの
となりやすく、更に後述するキャスト方式を用いた際
に、キャストドラムからの離型性に優れたものとなり易
い。複合体粒子は特に限定しないが、例えば平均粒径が
30〜150nm程度である。
【0020】上記の(共)重合体樹脂等は、そのガラス
転移点が40℃以上のものが好ましく、50〜100℃
の範囲であるものがより望ましい。ガラス転移点が低い
と乾燥の際に成膜が進みすぎ、表面の多孔性が低下する
結果、インクの吸収速度が低下するおそれが生じる。ま
た、乾燥温度が重要であり、乾燥温度が高すぎると成膜
が進みすぎ、表面の多孔性が低下する結果、インクの吸
収速度が低下し、逆に乾燥温度が低すぎると、光沢に乏
しくなる傾向が有り、生産性も低下する。光沢層を設け
る方法としては、樹脂および必要に応じて顔料を主成分
として構成される塗工液を塗工し、スーパーカレンダー
等により平滑化処理を施すこともできる。ただし、好ま
しくは樹脂および必要に応じて顔料を主成分として構成
される塗工液を塗工して、該塗工層が湿潤状態にある間
に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる方法
(ウェットキャスト方式)、あるいは該塗工層を一旦乾
燥し再湿潤後、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して
仕上げる方法(リウェットキャスト方式)が、優れた光
沢とインク吸収性を兼ね備えるインクジェット記録用紙
が得られるため好ましい。加熱された鏡面ドラムの温度
は例えば50〜150℃、好ましくは70〜120℃で
ある。
【0021】さらに、加熱された鏡面ドラムに樹脂およ
び必要に応じて顔料を含有して構成される塗工液を直接
塗工して、該塗工層がある程度湿潤状態にある間に記録
層を予め設けた基材に圧接、乾燥して仕上げる方法(プ
レキャスト方式)を採用することもできる。さらに、平
滑なフィルムやシート上に樹脂および必要に応じて顔料
を含有して構成される塗工液を塗工して、塗工層あるい
は、貼り合せようとする記録層面がある程度湿潤状態に
ある間に、基材に圧接、乾燥した後平滑なフィルムやシ
ートを剥離して仕上げる方法(フィルム転写方式)を採
用することもできる。また、樹脂および必要に応じて顔
料を含有して構成される塗工液を基材上に塗工して、塗
工層あるいは、貼り合せようとする記録層面がある程度
湿潤状態にある間に、平滑なフィルムやシートを塗工層
に圧接、乾燥した後平滑なフィルムやシートを剥離して
仕上げる方法(これもフィルム転写方式の1種)を採用
することもできる。
【0022】光沢層用塗工組成物中には白色度、粘度、
流動性等を調節するために、一般の印刷用塗工紙やイン
クジェット用紙に使用されている顔料、消泡剤、着色
剤、帯電防止剤、防腐剤及び分散剤、増粘剤等の各種助
剤が適宜添加される。また、カチオン樹脂を配合し、光
沢層にもインク染料定着性を付与させることが可能であ
る。前述した光沢層用塗工液を記録層上に塗工する場
合、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロール
コーター、ブラシコーター、チャンプレックスコータ
ー、バーコーター、グラビアコーター等の各種公知の塗
工装置が使用できる。またその後、好ましくは前述した
ように塗工層が湿潤状態にある間に、あるいは一旦乾燥
し再湿潤後、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥してキ
ャスト仕上げを行う。この場合の光沢層用塗工液の塗工
量は、乾燥固形分で0.2〜30g/m2、好ましく
は、1〜10g/m2 である。ここで、0.2g/m2
未満では光沢が十分に出ない場合があり、30g/m
2 を越えて多いとインク乾燥性が劣ったり、記録濃度
が低下する恐れがある。光沢層を設けた後で、さらにス
ーパーカレンダー等により平滑化処理を行うこともでき
る。光沢層を設けた場合の、記録する面の表面の75°
光沢度(JIS Z 8741) は30%以上が好ましく、
これにより優れた画質と写真調の高品位の記録が得られ
る。光沢度はより好ましくは40%以上、さらに好まし
くは65%以上である。上限は特にないが、例えば95
%である。
【0023】次に、2)について述べる。このタイプは
インク吸収性樹脂を主成分とする記録層からなる。記録
層で用いられるインク吸収性樹脂はゼラチン、カゼイ
ン、澱粉、カチオン澱粉等の天然樹脂、ポリビニルアル
コール、カチオン性ポリビニルアルコール等の変性ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
などの合成樹脂が挙がられ、特にポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコールおよびヒドロキシプロピルメ
チルセルロース等のセルロース誘導体の中から1種以上
の使用が好ましい。記録層にはインク定着性を付与する
目的でカチオン樹脂を配合することができる。カチオン
樹脂としては、1)のタイプで前述したものと同様のも
のが例示される。カチオン樹脂を配合する場合、その配
合量はインク吸収性樹脂100重量部に対して1〜30
部であり、好ましくは1〜10重量部である。1重量部
より少ないと、十分な耐水性が得られず、30重量部よ
り多いとインク乾燥性が低下する恐れがある。この他記
録層を構成する塗工層中には、発明の効果を阻害しない
範囲で、記録層塗膜のの耐水性を向上させるなどの目的
でポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の樹脂エマルジョ
ンや各種ラテックスを配合することもできる。また、記
録シートの光沢や透明性の調整やブロッキングを防止す
る目的で、各種の無機や有機の顔料および粒子を添加す
ることも出来る。無機顔料としてはシリカ、クレー、タ
ルク、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ゼオライ
ト、アルミナ等が挙げられ、有機顔料や粒子としては、
各種スチレン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の各
種プラスチック粒子や、セルロース微粉末や澱粉粒子が
挙がられる。
【0024】さらに、記録層中には、分散剤、架橋剤、
増粘剤、消泡剤、濡れ剤、蛍光染料、着色剤、帯電防止
剤、防腐剤、紫外線吸収剤等の各種助剤が必要に応じ適
宜添加される。本発明の記録層は、基材の上に直接塗工
することもできるが、基材との接着性を向上させる目的
で、コロナ放電処理や火炎処理などの表面活性化処理を
施したり、或いは下引き層を設けることも出来る。上記
材料をもって構成される記録層用塗工組成物は、公知の
種々の塗工方法により、例えば基材上にバーコーター、
ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコー
ター、グラビアコーター、カーテンコーター、ダイコー
ター等の各種公知公用の塗工装置により塗工、乾燥され
る。記録層の塗工量は所望の印字適性(例えば、インク
吸収性、インク乾燥性、発色性、にじみ、印字濃度、鮮
鋭性など)が得られれば制限はないが、好ましくは、乾
燥重量で2〜50g/m2、さらに好ましくは5〜30g/
2である。2g/m2未満では、インクの吸収が不十分と
なり易く、インクが滲んだり、乾燥が遅くなる傾向が有
り、50g/m2を超えて多いと、効果は飽和しコスト的
に不利なばかりか、カールの制御が困難になるなどの不
都合が生じる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ
重量部および重量%を示す。尚、塩素含有量は、イオン
クロマトグラフィで塩素原子の含有量を測定した値。 「パルプの作製」 (パルプA)広葉樹未漂白クラフトパルプ(カッパ価1
0)を以下に示した6段のECF法により漂白した。得
られた漂白パルプの白色度は86%であった。また、塩
素(Cl)含有量は、15ppmであった。 O→D→Eo→D→E→D ここで、上記アルファベット記号は次の内容を示す。 O: 酸素を使用した漂白処理工程 D: 二酸化塩素を使用した漂白処理工程 E: アルカリを使用した抽出工程 Eo: 酸素を添加したアルカリ抽出工程
【0026】(パルプB)パルプAと同様の未漂白クラ
フトパルプを以下に示したTCF法により漂白した。得
られた漂白パルプの白色度は85%であった。また、塩
素(Cl)含有量は、1ppm以下であった。 O→Q→OP→Z→Q→PO ここで、上記アルファベット記号は次の内容を示す。 O: 酸素を使用した漂白処理工程 Q: キレート剤による前処理工程 OP: 過酸化水素を添加した酸素漂白処理工程 Z: オゾンを使用した漂白処理工程 PO: 加圧した過酸化水素処理工程
【0027】(パルプC)パルプAと同様の未漂白クラ
フトパルプを以下に示した工程により漂白した。得られ
た漂白パルプの白色度は86%であった。また、塩素
(Cl)含有量は、900ppmであった。 C→E→H→D→E→D ここで、上記アルファベット記号は次のことを示す。 C: 塩素(Cl2)を使用した漂白処理工程 E: アルカリを使用した抽出工程 H: 次亜塩素酸ソーダを使用した漂白処理工程 D: 二酸化塩素を使用した漂白処理工程
【0028】「紙基材の作製」上記の各々の漂白パルプ
をカナディアンスタンダードフリーネス450mlまで
叩解した。次いで、叩解パルプ100部、焼成カオリン
(商品名:アンシレックス)10部、市販サイズ剤0.
05部、硫酸バンド1.5部、湿潤紙力剤0.5部、澱
粉0.75部よりなる製紙材料を使用し、長網抄紙機に
て坪量100g/m2の紙基材を製造した。これらの紙
基材のステキヒトサイズ度は8秒であった。ここで、パ
ルプAを使用した紙基材を紙基材A、パルプBを使用し
た紙基材を紙基材B、パルプCを使用した紙基材を紙基
材Cと称する。 (処方1)(塗工層の塩素含有量1.5%) 無定型シリカ(比表面積240〜280m2/g、平均粒
径3μm、一次粒径10nm、商品名:ファインシールX-37(トク
ヤマ製))100部、ポリビニルアルコール(商品名:R-113
0(クラレ製))20部、カチオン樹脂(ホ゜リシ゛アリルシ゛メチルアンモ
ニウム塩酸塩)10部。
【0029】(処方2)(塗工層の塩素含有量0%) 無定型シリカ(比表面積240〜280m2/g、平均粒
径3μm、一次粒径10nm、商品名:ファインシールX-37(トク
ヤマ製))100部、ポリビニルアルコール(商品名:R-113
0(クラレ製))20部、カチオン樹脂(ホ゜リアリルアミン酢酸
塩)5部。 (処方3)(塗工層の塩素含有量0%) ポリビニルアルコール(商品名:PVA420(クラレ
製))95部、カチオン樹脂(ホ゜リアリルアミン酢酸塩)5部、
無定型シリカ(比表面積 325m2/g、商品名:P−7
8D(水沢化学(株)))0.5部。 (処方4)(塗工層の塩素含有量1.5%) 無定型シリカ(比表面積240〜280m2/g、平均粒
径3μm、一次粒径10nm、商品名:ファインシールX-37(トク
ヤマ製))60部、ゼオライト(平均粒子径1.5μm、商
品名:トヨビルダー(トーソー(株)製))40部、シリ
ル変性ポリビニルアルコール(商品名:R-1130(クラレ
製))15部、カチオン樹脂(シ゛シアンシ゛アミト゛ホ゜リエチレンアミン塩
酸塩)10部、ポリリン酸ソーダ(分散剤) 0.5部。
【0030】(処方5) (塗工層の塩素含有量0%) スチレン−2メチルヘキシルアクリレート共重合体とコ
ロイダルシリカの複合体(商品名:モビニール8055
(ヘキスト合成(株))、Tg=75℃、共重合体:コロイタ゛ル
シリカ=50:50) 100部、アルキルビニルエーテ
ル・マレイン酸誘導体共重合体(増粘、分散剤)5部、レ
シチン(離型剤)3部。
【0031】下記製造例において、紙基材Aを用いたも
のを実施例A、紙基材Bを用いたものを実施例B、紙基
材Cを用いたものを比較例とする。 製造例1 各紙基材をそのまま使用した。 製造例2 各紙基材の両面に、カチオン樹脂(ホ゜リアリルアミン酢酸塩)
の5%水溶液を片面当たり乾燥重量で1g/m2となるよう
にサイズプレス装置で含浸させ、乾燥しインクジェット
用紙を得た。 製造例3 各紙基材の片面に処方1の塗工液(18%)を、乾燥重
量で8g/m2となるようにエアーナイフコーターで塗工、
乾燥しインクジェット用紙を得た。 製造例4 各紙基材の片面に処方2の塗工液(18%)を、乾燥重
量で8g/m2となるようにエアーナイフコーターで塗工、
乾燥しインクジェット用紙を得た。 製造例5 各紙基材の片面に処方3の塗工液(15%)を、乾燥重
量で10g/m2となるようにダイコーターで塗工、乾燥し
インクジェット用紙を得た。 製造例6 各紙基材の片面に処方4の塗工液(18%)を、乾燥重
量で8g/m2となるようにエアーナイフコーターで塗工、
乾燥し下塗り記録層を得た。この下塗り記録層の上に、
処方5の光沢層用塗工液(28%)をロールコーターを
用いて塗工した後、直ちに表面温度が85℃の鏡面ドラ
ムに圧接し、乾燥後、離型させ、キャストタイプの光沢
インクジェット用紙を得た。光沢層の塗工量は乾燥重量
で8g/m2であった。
【0032】この様にして得られたインクジェット記録
用紙のインクジェット記録適性、発光強度、白紙光沢を
表1にまとめた。なお、上記の評価については下記の如
き方法で評価をおこなった。 [インクジェット記録適性]インクジェットプリンター
PM700C(セイコーエプソン(株)製)を用いて印
字を行なった。 (印字ニジミ)ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー
の各色インクのベタ印字部を、境界部が互いに接するよ
うに印字し、境界でのニジミを目視にて評価した。 ○:ニジミは見られず良好なレベル。 △:ニジミがやや目立ち、実用上やや問題となるレベ
ル。 (インク乾燥性)シアンインクとマゼンタインクの2色
混合のベタ印字部につきインクの乾燥性を評価した。 ○:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。 △:印字直後に指でふれると若干汚れる。 (印字濃度)黒ベタ印字部分の印字濃度をマクベスRD
−914で測定。 (耐水性)ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各
色インクのベタ印字部に、スポイドで水を3滴たらし、
自然乾燥した後のインクの流れ具合を目視判定。 ◎: インクの流れが全く無い。 ○: インクの流れがわずかにみられるが良好なレベ
ル。 △: インクの流れが若干発生。 〔光沢度〕JIS−P8142に準じて白紙部の75°
光沢を測定した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例A,Bは、紙基材A,Bをそれぞれ
用いたもので、比較例Cは紙基材Cを用いたもの。実施
例A1,B1、比較例C1は、製造例1によるもの。実
施例A2,B2、比較例C2は、製造例2によるもの。
以下同様。表1に示す様に、各実施例のインクジェット
用紙は、各比較例のインクジェット用紙と同様の、良好
なインクジェット適性を有するものであった。ここで、
各実施例A、Bのインクジェット用紙は、パルプの漂白
工程で塩素(Cl2)を使用しておらず、漂白工程や廃
棄後の焼却等で有害な有機塩素化合物の生成が抑えられ
るため、地球環境問題に対応したものである。特に各実
施例Bでは、パルプの漂白工程で塩素(Cl2)および
塩素化合物を使用しておらず、有害な有機塩素化合物の
生成が特に抑えられるものである。また、実施例2、
4、5では、インク定着の目的で配合しているカチオン
樹脂に塩素を含有していないため、さらに好ましいもの
である。
【0035】実施例A1,B1,比較例C1では、それ
ぞれ紙基材をそのまま使用したものであり、紙基材A,
紙基材B,紙基材Cは、それぞれ14ppm,1pp
m,820ppmの塩素含有量である。実施例A2,B
2,比較例C2では、それぞれ実施例A1,B1,比較
例C1よりやや少ない塩素含有量である。実施例A3,
B3,比較例C3では、それぞれ1120ppm,11
10ppm,1940ppmの塩素含有量である。実施
例A4,B4,比較例C4では、それぞれ実施例A1,
B1,比較例C1よりやや少ない塩素含有量である。実
施例A5,B5,比較例C5では、それぞれ実施例A
1,B1,比較例C1よりやや少ない塩素含有量であ
る。実施例A6,B6,比較例C6では、それぞれ10
50ppm,1030ppm,1740ppmの塩素含
有量である。
【0036】
【発明の効果】本発明は、インクジェット記録用紙の紙
基材として、漂白工程で塩素(Cl2)を使用しないパ
ルプを使用した紙基材を用いることにより、有害なダイ
オキシン等の有機塩素化合物が発生する可能性を著しく
低減させたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA21 BA31 4L055 AG18 AG28 AG64 AG65 AG77 AH02 AH37 AH50 AJ04 BB13 BB15 BB17 BB18 BB20 BB22 BE08 BE10 EA25 FA20 GA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】漂白工程で塩素(Cl2)を使用しないで
    得た漂白パルプを主成分とした紙基材を用いたインクジ
    ェット記録体であり、紙基材のCl含有量が200pp
    m以下であることを特徴とするインクジェット記録用
    紙。
  2. 【請求項2】漂白パルプが、漂白工程で塩素(Cl2
    および塩素化合物を使用しない漂白パルプである請求項
    1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】紙基材上に、塩素を含有しないカチオン性
    化合物含有液を塗工または含浸したことを特徴とする請
    求項1または2記載のインクジェット用紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7129637B2 (en) 2003-02-20 2006-10-31 Fuji Photo Film Co., Ltd. Organic EL device including UV shielding layer and its manufacturing method
JP2007301890A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Tokuyama Corp インクジェット記録材
JP2013052654A (ja) * 2011-09-06 2013-03-21 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法および記録物

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US8011987B2 (en) 2003-02-20 2011-09-06 Fuji Photo Film Co., Ltd. Organic EL device and its manufacture method
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