JP2001009659A - 工具交換方法及びその装置 - Google Patents

工具交換方法及びその装置

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JP2001009659A JP11182833A JP18283399A JP2001009659A JP 2001009659 A JP2001009659 A JP 2001009659A JP 11182833 A JP11182833 A JP 11182833A JP 18283399 A JP18283399 A JP 18283399A JP 2001009659 A JP2001009659 A JP 2001009659A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全性及び作業性に優れ簡易に工具交換を行え
る工具交換方法及びその装置を提供する 【解決手段】リニア工具マガジン及び工具交換用受け部
を有する工作機械において、該工具交換用受け部を自動
で降下し、この工具交換用受け部にメカインターロック
を自動でかけた後、前記工具交換用受け部の工具ポット
から工具ホルダを切り離し、該工具ホルダを工具ホルダ
受け部に載置したまま該工具ホルダ受け部を手前に引き
出して工具交換を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具交換方法及び
その装置に関し、さらに詳しくは工具交換用受け部を自
動で降下し工具ホルダ受け部を手前に引き出して工具交
換を行なう工具交換方法及びその装置、より詳しくは降
下した工具交換用受け部に安全装置をかけてから工具ホ
ルダ受け部を手前に引き出して工具交換を行なう工具交
換方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工具交換装置においては、円盤状
工具マガジンが広く採用されているが、この円盤状工具
マガジンは、文字通り円盤状に形成され、その外周に工
具を着脱可能に保持するための複数の保持溝が放射方向
に開口した状態で形成されている。しかし、この従来の
工具交換装置においては、該工具マガジンは、円盤状を
なしてその外周に保持溝を有するため、工具マガジンの
中心部には利用できない大きなスペースが形成され、工
具交換装置がどうしても大型になってしまう問題があっ
た。
【0003】また、加工中に破損した工具を交換する場
合に、この交換は通常主軸又は工具マガジンを介して行
われていた。主軸に工具交換する場合、機械の運転を停
止させる必要があるとともに、作業のためカバーを外し
たりしなければならず、多大な時間が浪費されることに
なる。複数の工具交換では工具マガジンから工具を呼び
出す都合上、前述の作業を繰り返し行なう必要があっ
た。
【0004】さらに、前記工具マガジンにて工具交換す
る場合にも、工具マガジンを割出し回転させて空の保持
溝を工具入替位置に割出し、この位置で作業者が新しい
工具を差し込み、又は該工具マガジンにある旧工具を工
具入替位置に割出し、新工具と差し替え交換する。その
後、再び該工具マガジンを割出し回転させて、新しい工
具を工具交換のための取出し位置に割出し、そこから工
具交換位置へ取り出すことで、初めて工具交換アームに
よる工具交換動作が行われるものであった。このため、
交換に要する時間が長くなると共に、いずれの場合に
も、工具マガジンを介しての作業のため、機械を停止さ
せた状態で工具交換を行なう必要があり、工具交換の作
業中機械を作動することができず、加工作業の能率向上
が妨げられていた。
【0005】そこで、複数の保持部が一方向に開口した
状態で直線上に配列されてなるリニア工具マガジンを備
えた工具交換装置が開発されてきた。この工具交換装置
にあっては、前記リニア工具マガジンの一端側に下降可
能に設けた工具交換用受け部を設け、手動で該工具交換
用受け部を下降して工具交換が行なわれる。
【0006】さらに、補助工具マガジンを垂直方向に設
け、昇降体を自動的に下降させて該補助工具マガジン内
の工具との間で工具交換を自動で行なう工具交換装置も
提案されている(特開平10ー34475号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記の手動
で工具交換用受け部を下降して工具交換を行う技術は、
手動で工具交換用受け部を上下しているため、工具の重
量、手動で降ろす高さなどに制限があった。また、補助
工具マガジンを垂直方向に設け、昇降体を自動的に下降
させて工具交換を行なう前記の技術は、非常に便利であ
るものの、重装備になりすぎるきらいがあった。
【0008】そこで、本発明は、安全性と作業性とを向
上し、しかも重装備でなく簡易に工具交換又は工具補充
を行える工具交換方法及びその装置を提供することを課
題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために次ぎの手段をとるものである。即ち、請求
項1の発明は、リニア工具マガジン及び工具交換用受け
部を有する工作機械において、工具ポットを保持する該
工具交換用受け部を自動で降下し、ついで前記工具交換
用受け部の該工具ポットから工具ホルダを切り離し、該
工具ホルダを工具ホルダ受け部に載置したまま該工具ホ
ルダ受け部を手前に引き出して工具交換又は工具補充を
行なうことを特徴とする工具交換方法である。
【0010】次ぎに、請求項2の発明は、請求項1の発
明において、降下した前記工具交換用受け部に自動で安
全装置がかけられる工具交換方法である。
【0011】さらに、請求項3の発明は、工具ローダが
該リニア工具マガジン上の工具ポットを自動で保持して
前記工具交換用受け部の位置に対応する位置に搬送し、
自動で該工具交換用受け部に引き渡す請求項1又は2に
記載の工具交換方法である。
【0012】また、請求項4の発明は、主軸と、複数の
保持部が一方向に開口した状態で直線上に配列されてな
るリニア工具マガジンと、該工具マガジンの一端側に設
けられた工具交換装置と、該工具マガジンの他端側に設
けられた工具交換用受け部と、工具の受け渡しを行なう
工具ローダとを有する工作機械において、該工具交換用
受け部が自動で上下に移動可能に設けられ、該工具交換
用受け部に装着された工具ポットから工具ホルダを受け
取る工具ホルダ受け部が手前に引き出し可能に設けられ
ていることを特徴とする工具交換装置である。
【0013】さらに、請求項5の発明は、該リニア工具
マガジン上の工具ポットが前記工具ローダにより自動で
前記工具交換用受け部に引き渡されるように構成される
請求項4に記載の工具交換装置である。
【0014】また、請求項6の発明は、降下した工具交
換用受け部の移動を防止する安全装置が設けられた請求
項4又は5に記載の工具交換装置である。
【0015】さらにまた、請求項7の発明は、安全装置
が、工具交換用受け部にロックをかけるとともに、引出
しレバー及び切離しレバーのロックを外すべく自動で動
作するように構成されるものである請求項6に記載の工
具交換装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に示す実施例
に基づいて詳細に説明する。なお、図は、あくまでも説
明のためのものであり、本発明の精神を逸脱しない限り
多少の変更は許容される。図1は本発明の工具交換装置
を備えた工作機械の一例を示す側面図である。図1にお
いて、工作機械Mのベース1上にはコラム2が前後方向
及び左右方向に移動可能に配設され、該コラム2には主
軸ヘッド3が上下動可能に支持されている。主軸4は、
主軸ヘッド3に回転可能に支持され、その先端にはドリ
ル等の工具5が着脱自在に装着される。そして、主軸ヘ
ッド3が図1に2点鎖線で示す下方の加工位置に配置さ
れた状態で、主軸4が回転されながら、コラム2が図示
しないテーブル上のワークに対して移動され、工具5に
よりワークに所定の加工が施される。
【0017】フレーム6は、ベース1上に立設されてい
る。工具交換装置7の工具交換アーム8は、主軸4の上
方に位置するように、フレーム6の側面に主軸4の軸線
と平行な軸線の周りで回動可能及び軸線方向へ進退可能
に支持され、その両端には工具把持部9が形成されてい
る。そして、主軸ヘッド3が図1に実線で示す上方位置
に配置された状態で、該工具交換アーム8が軸線の周り
で回動され及び軸線方向に移動されることにより、主軸
4側の工具5とリニア工具マガジン10側から工具ロー
ダにより移送されてきた工具5とは、工具把持部9にて
把持されて同時に脱着交換される。なお、この際の工具
交換方法は、本出願人が既に出願している特願平10ー
322114号明細書及び図面に詳細に記載されている
ので省略する。
【0018】リニア工具マガジン10は、前記工具交換
アーム8の後方(図に向かって左側)に位置するよう
に、フレーム6上に固定され、主軸4の軸線方向に延び
ている。複数の保持部12は、リニア工具マガジン10
の上側縁に沿って前後に延びる水平な直線上に所定ピッ
チで配列形成され、それぞれ同一方向の上方に向かって
開口している。
【0019】工具ローダ11は、背後に図示しないナッ
トを有し、このナットは駆動モータ13によって回転さ
れるボールねじ14に噛み合っている。工具ローダ11
は、ボールねじ14の回転によって工具ローダ11の一
部を構成する図示しないサドルが図示しないレールの上
を滑ることにより、ボールねじ14の軸方向に移動して
前記工具交換装置7で工具交換された旧工具をリニア工
具マガジン10に収容し、作業者が寿命間近い工具の工
具番号釦をONすることにより該当工具をリニア工具マ
ガジン10から工具交換用受け部15に引き渡すように
制御構成されている。
【0020】なお、工具ローダ11と、リニア工具マガ
ジン10又は工具交換用受け部15との間の工具ポット
の授受は、例えば、前述の特願平10ー322114号
明細書及び図面に記載されているように、工具ポット上
の図示しないピンと、工具ローダに設けられた図示しな
い受け渡し用シリンダのピストンロッドの先端に設けら
れたフック部材の係合溝との間で、ピストンロッドの上
下動と工具ローダの水平移動とによって行われる。
【0021】工具交換用受け部15はレール16上を摺
動するように設けられ、工具交換用受け部15にチエー
ン17の一端が固着されている。チエーン17は、スプ
ロケット18に噛み合いつつその他端が横フレーム19
に取り付けられている。シリンダー20は基台26に立
設されたフレーム23に取り付けられ、シリンダー20
の中にはピストンロッド21が取り付けられたピストン
22が摺動するように設けられ、ピストンロッドの先端
24はスプロケットガイド部材25に固着されている。
27、28は、流体の流入、排出のための開口部であ
る。流体の例としては、気体、液体などが挙げられる
が、そのうちでも液体の油圧が好ましい。以下において
は油圧を例にして説明する。
【0022】開口27から矢印A方向に油圧が供給され
ることにより、ピストン22が押し上げられ、その結果
ピストンロッド21が上昇し、その先端24に取り付け
られたスプロケットガイド部材25が上昇して同図の2
点鎖線の位置までに到達すると、工具交換用受け部15
もチエーン17に引張られてレール16上を昇り2点鎖
線に示す位置に到達し、工具ローダ11から工具ポット
(図示せず)を受け取ることができる。他方、開口部2
8から矢印B方向に油圧が供給されるとともに開口部2
7から油圧が排出されると、ピストンロッド21が降下
し工具交換用受け部15も降下して同図の実線に示され
るようになる。
【0023】30は工具交換予報ランプであり、リニア
工具マガジン10に収容された旧工具の寿命が間近いこ
とを知らせるものであり(カウントアップ)、工具交換
予報ランプ30がカウントアップしたとき、作業者が工
具交換用操作盤(画面付き)34のカウントアップされ
た工具番号釦をONすることにより、工具ローダ11は
該当工具を工具ポットに収容したままリニア工具マガジ
ン10から工具交換用受け部15に搬送して引き渡すこ
とになる。
【0024】工具ローダ11は、工具交換用受け部15
(2点鎖線で示す)に旧工具を引き渡した後、工具交換
用受け部15の位置以外の場所(領域R)内で必要な動
作をしつつ領域R外に移動しないように制御構成され
る。
【0025】工具ポットを受け取った工具交換用受け部
15は、自動で下記の動作により図1に示す最下位の位
置に降下する。すなわち、工具交換用受け部15が工具
ポットを受け取った旨の信号が図示しない油圧供給部に
伝えられると、開口部28から油圧が供給されるととも
に開口部27から油圧が排出されてピストン22、ピス
トンロッド21が下降して工具交換用受け部15は図1
に示すように最下位の位置に降下する。
【0026】29は安全装置であり、この安全装置29
は、図2に示される。図2は、本発明にかかる工具交換
装置の正面図である。同図において、工具交換用受け部
15が図1の最下位の位置に到達した旨の信号が図示し
ない流体供給部に伝えられると、シリンダ37の開口部
35から矢印C方向に流体(例えばエア)が供給される
とともに開口部36からエアが排出され、ピストン38
が図に向かって左方向に押されてピストンロッド39も
左方向に押され、ピストンロッド39に固着されたロッ
クレバー40、ロックキー41も左方向に押され、ロッ
クキーの左部分41aが工具交換用受け部15のキー溝
42に嵌入するように構成される。43はガイドであ
る。
【0027】このようにして、工具交換用受け部15が
最下位の位置で自動でロックされると、工具交換用操作
盤34には工具取出しOKが表示される(図示せ
ず。)。作業者が工具交換用操作盤34のカウントアッ
プされた工具の工具番号釦をONした後、工具取出しO
Kまでの動作は、シーケンス制御され自動的に行われ
る。図1の33は、自動制御を行なうための制御盤であ
る。
【0028】後述の工具交換終了釦をONすることによ
り、シリンダ37の開口部36から矢印D方向に流体
(例えばエア)が供給されるとともに開口部35からエ
アが排出され、ピストン38が右方向に移動してロック
レバー40の溝44が切離しレバー45に嵌合し、切離
しレバー45の動きを拘束することになる。そして、ロ
ックキーの左部分41aも工具交換用受け部15の溝4
2から外れるとともに、引出しレバー47の引出しレバ
ーキー46がEの状態からFの状態に移動した状態でロ
ックキーの右部分41bが右方向に移動して仕切り板4
8に引出しレバーキー46をロックするように構成され
る。49はガイドである。
【0029】図3は、工具交換用受け部15から工具ホ
ルダ受け部52を引き出した状態の斜視図である。同図
において、シリンダ37内のピストン38が左方向に移
動してロックキー41が工具交換用受け部15の溝42
に嵌入することにより、工具交換用受け部15はこの位
置に上方に移動しないようにロックされる。他方、引出
しレバーキー46は引き出される前においてロックキー
41から開放され、また、切離しレバー45もロックレ
バー40の溝44からも開放されることになる。なお、
53はカバーである。
【0030】したがってこの状態にあっては切離しレバ
ー45のノブ51を下に下げることにより、揺動レバー
54が図示しない工具ポットの軸心を押すことにより工
具ポットから工具ホルダが引き出されやすくなる。つい
で、引き出しレバー47のハンドル50を矢印方向に廻
して引出しレバーキー46を仕切り板48の溝48aか
ら外し、ハンドル50を手前に引き出すことにより工具
ホルダ受け部52を図示しないレール上を滑らせて図3
に示す状態が得られる。
【0031】図4は、工具交換用受け部15と工具ポッ
ト55と工具ホルダ57との関係を示す平面図である。
同図において揺動レバー54が矢印方向に押されて軸心
56を押すことにより、その頭部56aが左方向に移動
しボール58が孔59に落ち込み工具ホルダ57が工具
ポット55から引き出され易くなる。
【0032】図5は、工具交換用受け部15(略図)に
工具ポット55が載置され、工具ホルダ57が引き出さ
れる前の状態を示す側面図である。同図において工具ホ
ルダ57はハンドル50を図3の矢印方向に廻すことに
より押板62で押さえ付けられ、工具61の左側部分が
下がらないようにしている。図6は、図5において矢印
X―X方向に見た断面図である。工具ホルダ受け部52
がレール60上を滑るように構成され、押板62で工具
ホルダ57は押さえ付けられている。なお、押板62を
図2のEの位置からFの位置へ戻すために図示しないば
ねを用いるのが好ましい。
【0033】工具交換後、引出しレバー47を元に戻
し、切離しレバー45を上に上げ工具交換操作盤の交換
終了釦(図示せず。)をONにすると、以後自動で安全
装置29のロックが外され(図2においてロックキー4
1が右方向に移動せしめられてロックキーの左部分41
aが工具交換用受け部15のキー溝42から外れ)、工
具交換用受け部15は交換後又は補充後の新工具を収容
した工具ホルダー受け部52を装着した工具ポットを保
持して図2に2点鎖線で示す上方の位置に移動し、さら
に自動で図1に示す工具ローダ11が工具交換用受け部
15の該工具ポットを保持してリニア工具マガジン10
に搬送するように構成される。
【0034】ここで本発明の作用について図をまじえな
がら説明する。なお、以下図において工具ポット、工具
ホルダ及び工具は工具交換用受け部に装着されていると
して説明する。図1において主軸ヘッド3の寿命が間近
い工具は、工具交換装置7において工具ローダ11によ
りリニア工具マガジン10から運ばれてきた新工具と交
換され、交換された旧工具は工具ポットに装着されたま
ま工具ローダ11により左方向に運ばれ図1に示すリニ
ア工具マガジン10に収容される。この場合に工具交換
予報ランプ30が点灯してカウントアップが作業者に知
らされる。
【0035】ついで、作業者が工具交換用操作盤34の
カウントアップされた工具の工具番号釦をONにするこ
とにより、工具ローダ11はリニア工具マガジン10の
該当工具を工具ポットに収容したまま保持、搬送して工
具交換用受け部15に引き渡し、右方向に移動し領域R
内で必要な作業をする。他方、シリンダ20の開口部2
8から油圧が供給されるとともに開口部27から油圧が
排出されてピストン22が下降し、ピストン22のピス
トンロッド21に固着されたスプロケットガイド部材2
5が図の2点鎖線で示される位置から降下して実線で示
される位置に到達し、したがって工具交換用受け部15
も図の2点鎖線の位置から下方の実線位置に示される位
置に降下する。
【0036】さらに、工具交換用受け部15が図2に示
す最下位の位置に到達すると、その旨の信号が図示しな
い流体供給部に伝えられ、開口部35から流体例えばエ
アが供給されるとともに開口部36からエアが排出さ
れ、ピストン38が左方向に移動してピストンロッド3
9も左方向に移動し、ロックキーの左部分41aが左に
移動して工具交換用受け部15の溝42に嵌入して工具
交換用受け部15の上昇を防止するためにロックがかけ
られるとともに、ロックレバー40の左方向への移動に
より切離しレバー45が溝44から外れ、また、ロック
キーの右部分41bが左方向に移動するために引出しレ
バーキー46が矢印方向に移動可能になり、仕切り板4
8から外されることが可能になる。
【0037】ついで、作業者がノブ51を下げることに
より、図4に示されるように揺動レバー54が矢印方向
に軸心56を押しその頭部56aが左方向に移動してボ
ール58が孔59に落ち込み、工具ホルダ57が工具ポ
ット55から容易に引き出され易い状態が形成される。
【0038】引き続いて、引出しレバー47のハンドル
50を矢印方向に廻して引出しレバーキー46を仕切り
板48から外しハンドル50を手前に引き出すことによ
り、図3に示す状態が形成される。図3において、工具
交換用受け部15には工具ポット(図示せず)が装着さ
れ、工具ホルダ受け部52には工具ホルダおよび工具
(図示せず)が装着されていることになる。この状態
で、作業者が新旧工具を交換するか、又は旧工具が無い
場合には新工具を補充するなどの工具交換作業を終了す
る。
【0039】工具交換作業終了後、引出しレバー47を
奥に差し込み、ついで引出しレバーキー46を仕切り板
48の溝48aに嵌合し、切離しレバー45を上に上げ
る。ついで、工具交換用の操作盤34の交換終了釦(図
示せず。)をONにすると、シリンダー37の流体供給
部(図示せず。)にその旨の信号が伝えられ、開口部3
6からエアが供給されるとともに開口部35からエアが
排出され、ロックキー41及びロックレバー40が右方
向に移動し、その結果ロックキーの左部分41aが溝4
2から外れるとともに、ロックキーの右部分41bが仕
切り板48の溝48aに嵌合しロックレバー40の溝4
4が切離しレバー45に嵌合し、引出しレバー47及び
切離しレバー45はそれぞれロックされ、工具交換用受
け部15のロックが解除されることになる。
【0040】ついで、工具交換用受け部15のロックが
解除されると、自動でピストン22、ピストンロッド2
1が上昇してスプロケットガイド部材25、工具交換用
受け部15が図1に示す2点鎖線の状態になり、図1に
示す工具ローダ11が工具交換用受け部15の位置に呼
び出され、工具ローダ11はこの位置で工具交換用受け
部15から工具ポットを受け取り、図1の右方向に走行
してリニア工具マガジン10に工具を収容した工具ポッ
トを載置する。
【0041】これらの一連の自動動作はシーケンス制御
され、叙上の作業者の工具交換のための一連の作業中に
も工作機械は稼働し、工具ローダ11も領域R内で必要
な動作をするので稼働率は大幅に向上される。
【0042】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、工具の上下
をいわゆるアクチュエータ化して安全性を向上し、また
工具ホルダを工具ホルダ受け部に装着させたまま手前に
無理無く引き出して工具交換を可能にし、しかも工具交
換用受け部における工具交換作業の合間においても工作
機械を停止することなく簡易な方法で工具交換を行うこ
とができる顕著な効果が奏される。
【0043】請求項2の発明によれば、叙上の効果に加
えて、降下した工具交換用受け部にロックが自動でかけ
られた後、工具交換作業に入るようにしたので作業の安
全が充分に確保される顕著な効果が奏される。
【0044】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
の効果に加えて、リニア工具マガジン上の工具ポットを
自動で工具交換用受け部に搬送、引き渡すことができる
ので一層の作業能率の向上が図られるという顕著な効果
が奏される。
【0045】請求項4の発明によれば、リニア工具マガ
ジンを備えた工作機械において、簡易な構造でしかも作
業者の安全性と作業性を考慮した構造の工具交換装置が
得られる顕著な効果が奏される。
【0046】請求項5の発明によれば、叙上の効果に加
えて、リニア工具マガジン上の工具ポットを自動で工具
交換用受け部に引き渡す構成にしたので、一層の作業能
率が図られる装置が得られるという顕著な効果が奏され
る。
【0047】請求項6の発明によれば、請求項4又は5
の発明の効果に加えて、降下した工具交換用受け部の上
昇移動をロックする構造にしたので作業者への安全性を
充分に配慮した装置が得られるという顕著な効果が奏さ
れる。
【0048】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
の効果に加えて、工具交換用受け部にロックをかけるの
と同時に引出しレバー及び切離しレバーのロックを外す
ように構成されているので作業性と安全性とがさらに向
上し、いわゆるメカインターロックを採用しているので
故障も少なく稼働率の向上が図られる装置が得られると
いう顕著な効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工具交換装置を備えた工作機械の一例
を示す側面図である。
【図2】本発明に係る工具交換装置の正面図である。
【図3】工具交換用受け部から工具ホルダ受け部を引き
出した状態の斜視図である。
【図4】工具交換用受け部と工具ポットと工具ホルダと
の関係を示す平面図である。
【図5】工具交換用受け部に工具ポットが載置され、工
具ホルダが引き出される前の状態を示す側面図である。
【図6】図5において矢印X―X方向に見た断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ベース 2 コラム 3 主軸ヘッド 4 主軸 5 工具 6 フレーム 7 工具交換装置 8 工具交換アーム 9 工具把持部 10 リニア工具マガジン 11 工具ローダ 12 保持部 13 駆動モータ 14 ボールねじ 15 工具交換用受け部 16 レール 17 チエーン 18 スプロケット 19 横フレーム 20 シリンダー 21 ピストンロッド 22 ピストン 24 ピストンロッドの先端 25 スプロケットガイド部材 29 安全装置 30 工具交換予報ランプ 34 工具交換用操作盤 40 ロックレバー 41 ロックキー 42 キー溝 43 ガイド 44 溝 45 切離しレバー 46 引出しレバーキー 47 引出しレバー 48 仕切り板 49 ガイド 50 ハンドル 51 ノブ 52 工具ホルダ受け部 53 カバー 54 搖動レバー 55 工具ポット 57 工具ホルダ 60 レール

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リニア工具マガジン及び工具交換用受け部
    を有する工作機械において、工具ポットを保持する該工
    具交換用受け部を自動で降下し、ついで前記工具交換用
    受け部の該工具ポットから工具ホルダを切り離し、該工
    具ホルダを工具ホルダ受け部に載置したまま該工具ホル
    ダ受け部を手前に引き出して工具交換又は工具補充を行
    なうことを特徴とする工具交換方法。
  2. 【請求項2】降下した前記工具交換用受け部に自動で安
    全装置がかけられる請求項1に記載の工具交換方法。
  3. 【請求項3】工具ローダが該リニア工具マガジン上の工
    具ポットを自動で保持して前記工具交換用受け部の位置
    に対応する位置に搬送し、自動で該工具交換用受け部に
    引き渡す請求項1又は2に記載の工具交換方法。
  4. 【請求項4】主軸と、複数の保持部が一方向に開口した
    状態で直線上に配列されてなるリニア工具マガジンと、
    該工具マガジンの一端側に設けられた工具交換装置と、
    該工具マガジンの他端側に設けられた工具交換用受け部
    と、工具の受け渡しを行なう工具ローダとを有する工作
    機械において、該工具交換用受け部が自動で上下に移動
    可能に設けられ、該工具交換用受け部に装着された工具
    ポットから工具ホルダを受け取る工具ホルダ受け部が手
    前に引出し可能に設けられていることを特徴とする工具
    交換装置。
  5. 【請求項5】該リニア工具マガジン上の工具ポットが前
    記工具ローダにより自動で前記工具交換用受け部に引き
    渡されるように構成される請求項4に記載の工具交換装
    置。
  6. 【請求項6】降下した工具交換用受け部の移動を防止す
    る安全装置が設けられた請求項4又は5に記載の工具交
    換装置。
  7. 【請求項7】安全装置が、工具交換用受け部にロックを
    かけるとともに、引出しレバー及び切離しレバーのロッ
    クを外すべく自動で動作するように構成されるものであ
    る請求項6に記載の工具交換装置。
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