JP2001009291A - ヒドロキシル化用触媒および芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法 - Google Patents
ヒドロキシル化用触媒および芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法Info
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Abstract
コキシル基のパラ位に高い選択性で直接ヒドロキシル基
を導入することができる新規かつ有用なヒドロキシル化
用触媒を用いて、パラ位にヒドロキシル基が導入された
芳香族ヒドロキシ化合物を簡単に、かつ高収率および高
選択率で製造する。 【解決手段】 親油化結晶性チタノシリケートを含むヒ
ドロキシル化用触媒の存在下に、フェノール、アルコキ
シベンゼンおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれ
る少なくとも一種を過酸化水素と反応させて芳香族ヒド
ロキシ化合物を製造する。
Description
ロキシル化用触媒、およびこの触媒を用いる芳香族ヒド
ロキシ化合物の製造方法、特にフェノール類を過酸化水
素でヒドロキシル化し、対応する芳香族ヒドロキシ化合
物を製造する方法に関する。本発明の製造方法により得
られるヒドロキノンやカテコールなどの芳香族ヒドロキ
シ化合物は種々の有機合成中間体または原料物質として
有用であり、還元剤、ゴム添加剤、染料、医薬、農薬、
重合禁止剤および酸化抑制剤などの分野に利用される。
ロキシル化する方法には、古くから2価の鉄イオンの存
在下に反応させる方法 [Nature, 165, 401(1950)]、ま
たはフッ化水素酸を用いる方法[J. Org. Chem., 35, 40
28 (1970)]などが知られている。また、ピロリン酸と過
塩素酸またはそのアルカリ土類塩を組み合せて用いる方
法が工業的に有用であることが報告さている[特開平3
−240743号(対応USP No. 5245086)]。しか
し、これら従来の方法は、用いる触媒が均一に反応液に
溶解しているため、反応生成物から触媒を分離して目的
物を単離するのが煩雑であったり、腐食性の高い酸を用
いるため高価な材質の反応装置が必要であったり、さら
に触媒である酸を廃棄する際には中和のための塩基が必
要であるなどの問題点がある。
る不均一系の触媒、例えば結晶性チタノシリケートを用
いる方法が提案された[特開平1−149744号(対
応EPNo. 314582A, USP No. 5254746)、特開平2−29
8350号、特開平4−66546号]。これらの方法
において、MFI構造の結晶性チタノシリケートを用い
る方法が記載されており、反応後の生成物から単に触媒
を物理的に分離すれば良く、工業的には有利な方法であ
る。しかしながら、いずれの方法もヒドロキノンとカテ
コールがほぼ等量ずつ生成し、選択率が低いという問題
点がある。
ン等の環状エーテル化合物および結晶性チタノシリケー
トの存在下にフェノール類を過酸化水素でヒドロキシル
化する方法がある[特開平5−170684号(対応US
P No. 5426244)、特開平6−263670号(対応USP
No. 5426244)、特開平7−2714号]。これらの公
報には、環状エーテル化合物の添加によりヒドロキノン
の選択率が向上することが記載されている。しかし、こ
れら従来の方法においてもヒドロキノン/カテコール比
は7程度であり、さらなるカテコール副生の抑制が望ま
れる。
は、芳香環に置換したヒドロキシル基またはアルコキシ
ル基のパラ位に高い選択性で直接ヒドロキシル基を導入
することができる新規かつ有用な芳香族化合物のヒドロ
キシル化用触媒を提供することである。本発明の第2の
課題は、芳香環に置換したヒドロキシル基またはアルコ
キシル基のパラ位にヒドロキシル基が導入された芳香族
ヒドロキシ化合物を簡単に、かつ高収率および高選択率
で製造することができる芳香族ヒドロキシ化合物の製造
方法を提案することである。
ル化用触媒、および芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法
である。 (1) 親油化結晶性チタノシリケートを含む芳香族化
合物のヒドロキシル化用触媒。 (2) 親油化結晶性チタノシリケートが結晶性チタノ
シリケートを有機シロキサンで親油化したものである上
記(1)記載の触媒。 (3) 有機シロキサンがジアルキルシロキサンオリゴ
マーである上記(2)記載の触媒。 (4) 結晶性チタノシリケートがMFI構造を有する
ものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の
触媒。 (5) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の触
媒の存在下に、フェノール、アルコキシベンゼンおよび
これらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種
を過酸化水素と反応させて芳香族ヒドロキシ化合物を製
造する芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法。 (6) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の触
媒およびエーテル結合を有する化合物の存在下に、フェ
ノール、アルコキシベンゼンおよびこれらの誘導体から
なる群から選ばれる少なくとも一種を過酸化水素と反応
させて芳香族ヒドロキシ化合物を製造する芳香族ヒドロ
キシ化合物の製造方法。
単に触媒という場合がある)は公知の結晶性チタノシリ
ケートを親油化した親油化結晶性チタノシリケートを含
む触媒である。親油化する前の結晶性チタノシリケート
としては、組成が(SiO2)x・(TiO2)1-xで示される
ものが制限なく使用できる。結晶性チタノシリケートの
x/(1−x)の値、すなわちSi/Tiの原子比は特
に限定されないが、通常1〜10000、好ましくは5
〜1000、さらに好ましくは10〜500のものが望
ましい。結晶性チタノシリケートはMFI構造を有する
MFI型結晶性チタノシリケートが好ましい。
り製造することができる。例えば、ケイ素源、チタン
源、窒素源、および水からなる反応混合物を調製して、
水熱合成により製造することができる。前記ケイ素源と
しては、ケイ素のアルコキシド、コロイド状シリカなど
があげられる。前記チタン源としては、チタンのアルコ
キシド、ハロゲン化チタン、チタン酸、硫化チタンなど
があげられる。前記窒素源としてはテトラプロピルアン
モニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩などの4級ア
ンモニウム塩などの含窒素化合物があげられる。
法として、次の方法が例示できる。前記ケイ素源、チタ
ン源、窒素源、および水を、pHを適当に調整しながら
混合し、ゲル状の沈殿物を得る。この沈殿物を100〜
250℃の加熱下に1〜100時間水熱合成し、固体生
成物を得る。この固体生成物をイオン交換水で洗浄し、
続いて乾燥した後、空気中で400〜600℃の温度で
焼成することにより結晶性チタノシリケートを得ること
ができる。このような製造方法において、窒素源として
テトラプロピルアンモニウム塩を用いた場合、MFI構
造の結晶性チタノシリケートを容易に得ることができ
る。
開昭56−96720号(対応USPNo. 4410501)、特開
平4−66546号などに記載されており、これらの方
法に従って製造した結晶性チタノシリケートを用いるこ
ともできる。また結晶性チタノシリケートとしては市販
品を使用することもできる。なおMFI型結晶性チタノ
シリケートも市販品を使用することができる。
ては、前記結晶性チタノシリケートを、親油基を有する
化合物で処理し、結晶性チタノシリケートに親油基を有
する化合物を担持する方法などがあげられる。上記親油
基としては、アルキル基等の鎖状炭化水素基;フェニル
基等の芳香族炭化水素基;ハロゲン化アルキル基等のハ
ロゲン化炭化水素基(トリフルオロメチル基等のフッ化
炭素基を含む)などがあげられる。
基を有する化合物であれば制限なく使用できる。親油基
は一種類であってもよいし、二種類以上であってもよ
い。親油基を有する化合物としては、前記親油基を有す
る有機シロキサンが好ましく、特に分子内の一部にSi
−H結合を有し、かつ前記親油基を有する有機シロキサ
ンが好ましい。ここでシロキサンとはSi−O結合を有
する化合物を意味する。このような有機シロキサンとし
ては、分子内の一部にSi−H結合を有する直鎖状のジ
アルキルシロキサンオリゴマー、具体的にはジメチルシ
ロキサンオリゴマーなどをあげることができる。ジアル
キルシロキサンオリゴマーは市販品を使用することもで
きる。例えば、信越化学社のKF−99(商標)および
General Electric社のRTV−615(商標)などがあ
げられる。親油基を有する化合物は一種単独で使用する
こともできるし、二種以上を組み合せて使用することも
できる。
する前の結晶性チタノシリケート100重量部に対して
1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部の割合であ
ることが望ましい。1〜30重量部の範囲にある場合、
触媒の効果が発揮されやすい、触媒の反応活性が低下し
にくい、過酸化水素の消失速度が低下しにくい等の利点
がある。
を担持させて親油化する方法としては、有機シロキサン
を前記結晶性チタノシリケートと接触させた後、酸素分
子による架橋などの処理を施すことにより高分子量化さ
せて、結晶性チタノシリケート表面に有機シロキサンを
固定化する方法などがあげられる。接触処理は、有機シ
ロキサンを溶媒に溶解し、この溶液に結晶性チタノシリ
ケートを添加して混合するなどの方法で行うことができ
る。また、架橋および固定化は、前記のようにして接触
処理した結晶性チタノシリケートを空気中で加熱、焼成
するなどの方法で行うことができる。
化合物で親油化処理する方法について、ジアルキルシロ
キサンオリゴマーを用いた場合を例にして具体的に説明
する。まず、ジアルキルシロキサンオリゴマーを室温で
n−ヘキサンに溶解する。この溶液に前記結晶性チタノ
シリケートを添加し、空気雰囲気中、室温で0.1〜4
8時間撹拌混合する。この時の混合割合は結晶性チタノ
シリケート100重量部に対してジアルキルシロキサン
オリゴマー1〜30重量部であるのが好ましい。次に、
混合液からn−ヘキサンを減圧留去した後、20〜15
0℃で真空乾燥する。その後、100〜300℃で1〜
24時間空気中で焼成し、結晶性チタノシリケートにジ
アルキルシロキサンオリゴマーを結合させる。これによ
り、ジアルキルシロキサンオリゴマーで親油化された結
晶性チタノシリケートが得られる。ジアルキルシロキサ
ンオリゴマーの代わりに他の有機シロキサン化合物を使
用することもできるし、n−ヘキサンの代わりに他の溶
媒を使用することもできる。
ケートを親油化処理する方法は、J.Chem. Soc., Chem.
Commn., 1997, 137.などに記載されており、本発明にお
いてもこれらに記載された方法により結晶性チタノシリ
ケートを親油化することもできる。
直接ヒドロキシル化する、すなわち核ヒドロキシル化す
る触媒作用を有する触媒である。本発明の触媒によれ
ば、原料となる芳香族化合物の芳香環に通常一個のヒド
ロキシル基が導入された反応生成物、特に原料となる芳
香族化合物の芳香族環のヒドロキシル基またはアルコキ
シル基のパラ位にヒドロキシル基が導入された反応生成
物が得られる。本発明の触媒は不均一触媒であり、反応
終了後は反応系から濾過などの方法により容易に分離で
きる。
下、原料化合物という場合がある)は芳香環を有してい
れば制限されないが、芳香環にヒドロキシル基またはア
ルコキシル基が結合した、好ましくは一個結合した単環
の芳香族化合物が好ましい。具体的には、フェノール、
アルコキシベンゼンおよびこれらの誘導体、例えばアル
キル誘導体などが好ましい。この場合、反応生成物とし
て2価フェノール、アルコキシフェノールまたはこれら
の誘導体、例えばアルキル誘導体などが得られる。
導体の具体的なものとしては、フェノール、クレゾー
ル、キシレノール、ヒドロキノンおよびレゾルシンなど
があげられる。またアルコキシベンゼンおよびこの誘導
体の具体的なものとしては、アニソール、ジフェニルエ
ーテルおよびイソプロピルフェニルエーテルなどがあげ
られる。
ロキノン、カテコール、4−メトキシフェノール、2−
メトキシフェノール、2−メチルヒドロキノン、3−メ
チルカテコール、4−メチルカテコール、3−メチルヒ
ドロキノン、1,4−ジメチルヒドロキノン、1,4−
ジメチルカテコール、3,5−ジメチルカテコール、
2,3−ジメチルヒドロキノン、2,3−ジメチルカテ
コール、1,2,4−ベンゼントリオール、4,4’−
ジヒドロキシフェニルエーテル、イソプロピル4−ヒド
ロキシフェニルエーテルなどをあげることができる。
ベンゼンおよびこれらの誘導体を用いた場合、ヒドロキ
シル基またはアルコキシル基のパラ位に高い選択性でか
つ高収率で直接ヒドロキシル基を導入することができ
る。原料化合物としてはフェノールが最も好ましく、こ
の場合カテコールの副生が抑制され、反応生成物として
ヒドロキノンを高選択率かつ高収率で得ることができ
る。
本発明の触媒の存在下に、フェノール、アルコキシベン
ゼンおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれる少な
くとも一種を過酸化水素と反応させて芳香族ヒドロキシ
化合物を製造する方法である。この時使用される原料化
合物および反応生成物は前記の通りである。
基またはアルコキシル基のパラ位にヒドロキシル基が導
入された芳香族ヒドロキシ化合物を簡単に、しかも高選
択率かつ高収率で得ることができる。原料化合物として
はフェノールが好ましく、この場合カテコールの副生が
抑制され、ヒドロキノンを高選択率かつ高収率で得るこ
とができる。
重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは2〜3
0重量部であるのが望ましい。0.5〜50重量部の範
囲で用いると、添加した過酸化水素が消失して反応が完
結するまでの時間が短く、生産性が高い。
して0.02〜0.5モル、好ましくは0.05〜0.
3モルの割合とするのが望ましい。過酸化水素は通常過
酸化水素水として用いられるが、その濃度は特に限定さ
れず、通常の30重量%程度の水溶液を用いても良い
し、また高濃度の過酸化水素水を反応系において不活性
な媒体で希釈して用いても良い。
0〜100℃の範囲であるのが望ましい。50〜130
℃の範囲にある場合、添加した過酸化水素が消失して反
応が完結するまでの時間が短く、生産性が高くなる。ま
た、反応生成物の収率が高くなる傾向がある。反応時間
は0.2〜30時間、好ましくは0.5〜10時間であ
るのが望ましい。反応圧力は特に制限されない。
て行うこともできるし、反応系において不活性な反応媒
体をさらに添加して行うこともできる。反応媒体として
は、アセトニトリル、エタノール、メタノールおよび水
などがあげられる。反応媒体を用いる場合、その使用量
は特に制限されないが、原料化合物100重量部に対し
て通常10〜200重量部、好ましくは20〜150重
量部とするのが望ましい。
合を有する化合物の共存下に反応を行うのが好ましい。
エーテル結合を有する化合物の共存下に反応を行うと、
ヒドロキシル基またはアルコキシル基のパラ位に、より
高い選択性でヒドロキシル基を導入することができる。
1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,3−ジ
オキソラン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル;エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の炭
素数4〜10程度の鎖状のポリエーテルなどをあげるこ
とができる。
原料化合物100重量部に対して1〜100重量部、好
ましくは2〜50重量部であるのが望ましい。1〜10
0重量部の範囲で用いると添加効果が大きく、またエー
テル結合を有する化合物の回収量が少なくて済むので好
ましい。
に反応を行っても良い。連続的に行う場合は、懸濁式の
均一混合槽で行っても良く、固定床流通式のプラグフロ
ー形式で行っても良い。また反応生成物をリサイクル
し、再度反応原料として用いても良い。
テコールなどの芳香族ヒドロキシ化合物は種々の有機合
成中間体または原料物質として有用であり、還元剤、ゴ
ム添加剤、染料、医薬、農薬、重合禁止剤および酸化抑
制剤などの分野に利用される。
置換したヒドロキシル基またはアルコキシル基のパラ位
に高い選択性で直接ヒドロキシル基を導入することがで
きる新規かつ有用なヒドロキシル化用触媒が得られる。
この触媒を用いて、フェノール、アルコキシベンゼンお
よびこれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも
一種を過酸化水素と反応させることにより、ヒドロキシ
ル基またはアルコキシル基のパラ位にヒドロキシル基が
導入された芳香族ヒドロキシ化合物を簡単に、かつ高収
率および高選択率で製造することができる。この際、エ
ーテル結合を有する化合物を併用することにより、選択
率をさらに向上させることができる。
明を説明する。 実施例1 100mlのガラス製ナス型フラスコに、結晶性チタノ
シリケートとして2gのN. E. Chemcat社製TS−1
(Si/Tiの原子比=25)、有機シロキサンとして
0.05gの信越化学社製ジメチルシロキサンオリゴマ
ー(KF−99、商標)、および20mlのn−ヘキサ
ンを入れ、空気雰囲気中、室温で1h撹拌した。次に、
減圧下で溶媒を留去した後、100℃で1h真空乾燥
し、さらに空気中で200℃で1h焼成することにより
ジメチルシロキサンオリゴマー処理TS−1を得た。こ
の触媒のジメチルシロキサンオリゴマーの担持量は、結
晶性チタノシリケート100重量部に対して2.5重量
部であった。
S−1、0.10gの前記KF−99、および20ml
のn−ヘキサンを入れ、空気雰囲気中、室温で1h撹拌
した。次に減圧下で溶媒を留去した後、100℃で1h
真空乾燥し、さらに空気中で200℃で1h焼成するこ
とによりジメチルシロキサンオリゴマー処理TS−1を
得た。この触媒のジメチルシロキサンオリゴマーの担持
量は、結晶性チタノシリケート100重量部に対して5
重量部であった。
に、6.50gの試薬特級フェノール、3.0gの蒸留
水、2.0gの1,4−ジオキサンおよび0.65gの
実施例1で調製したジメチルシロキサンオリゴマー処理
TS−1を加え、窒素雰囲気下において85℃のオイル
バス中で、マグネチックスターラーによる撹拌を行っ
た。ここへ、0.5mlの30重量%濃度の過酸化水素
水をシリンジで加えた後、加熱撹拌を継続した。さら
に、40分後、および80分後各々0.5mlの過酸化
水素水を加え、さらに2時間加熱撹拌を行った。反応終
了後、室温まで放冷し、少量の1,4−ジオキサンを加
えながら、触媒を桐山ロートで分離し、赤褐色の反応混
合物を得た。
およびカテコールの量をガスクロマトグラフィーによっ
て定量した。原料として用いたフェノールの消失量から
転化率を計算し、生成したヒドロキノンおよびカテコー
ルの量をから選択率を計算した。その結果、フェノール
の転化率は19.0モル%であり、ヒドロキノンおよび
カテコールの選択率は各々67.1モル%および6.0
モル%であった。
実施例2で得られた触媒を用いた以外は同じ方法で反応
を行った。その結果、フェノールの転化率は19.8モ
ル%であり、ヒドロキノンおよびカテコールの選択率は
各々66.3モル%および6.3モル%であった。
TS−1を何ら表面処理を施さずにそのまま用いた以外
は同じ方法で反応を行った。その結果、フェノールの転
化率は19.0モル%であり、ヒドロキノンおよびカテ
コールの選択率は各々62.3モル%および6.7モル
%であった。
Claims (6)
- 【請求項1】 親油化結晶性チタノシリケートを含む芳
香族化合物のヒドロキシル化用触媒。 - 【請求項2】 親油化結晶性チタノシリケートが結晶性
チタノシリケートを有機シロキサンで親油化したもので
ある請求項1記載の触媒。 - 【請求項3】 有機シロキサンがジアルキルシロキサン
オリゴマーである請求項2記載の触媒。 - 【請求項4】 結晶性チタノシリケートがMFI構造を
有するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の
触媒。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の触
媒の存在下に、フェノール、アルコキシベンゼンおよび
これらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種
を過酸化水素と反応させて芳香族ヒドロキシ化合物を製
造する芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の触
媒およびエーテル結合を有する化合物の存在下に、フェ
ノール、アルコキシベンゼンおよびこれらの誘導体から
なる群から選ばれる少なくとも一種を過酸化水素と反応
させて芳香族ヒドロキシ化合物を製造する芳香族ヒドロ
キシ化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
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