JP2001007448A - 窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法

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JP2001007448A
JP2001007448A JP11178997A JP17899799A JP2001007448A JP 2001007448 A JP2001007448 A JP 2001007448A JP 11178997 A JP11178997 A JP 11178997A JP 17899799 A JP17899799 A JP 17899799A JP 2001007448 A JP2001007448 A JP 2001007448A
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Toshio Hata
俊雄 幡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Inを含む量子井戸活性層の直上にAlを含
む蒸発防止層を設けた窒化物系化合物半導体発光素子に
おいて、発光効率、発光波長の再現性および面内均一性
を良好にする。 【解決手段】 構成元素の異なる第1下地層2および第
2下地層3を設け、その上方にAlGaN蒸発防止層6
を形成する。蒸発防止層6のAl組成比を変化させなく
ても第1下地層2上と第2下地層3上とで蒸発防止層6
のEgが変化し、Egが小さい領域のみに効率よく電流
を集中させて、量子井戸活性層に効率よく電流(ホー
ル)を注入することができる。さらに、GaN第1下地
層2をAlGaN第2下地層3の開口部から露出させ、
第1下地層2の露出表面16上に電流阻止層の開口部を
設けるか、クラッド層やコンタクト層のストライプ状リ
ッジ部分を設ければ、量子井戸活性層にさらに効率よく
電流(ホール)を注入することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザや発
光ダイオード等の窒化物系化合物半導体発光素子および
その製造方法に関し、特に、In(インジウム)を含む
量子井戸活性層からInやN(窒素)が抜けるのを防ぐ
ため、および電流の注入効率を良好にしてて発光効率を
向上させるために、Al(アルミニウム)を含む蒸発防
止層を設けた窒化物系化合物半導体発光素子およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、特開平8−293643号
公報において、Inを含む量子井戸活性層からInやN
が抜けるのを防ぐためにAlを含む蒸発防止層を設けた
図12に示すような窒化ガリウム系化合物半導体レーザ
を提案している。
【0003】この半導体レーザは、基板100上に、G
aNまたはAlNバッファ層101、n型GaN層10
2、n型AlGaN下部クラッド層103、ノンドープ
またはSiドープInGaN活性層104、薄膜p型A
lGaN蒸発防止層105、p型AlGaN上部クラッ
ド層106およびp型GaNキャップ層107を順次積
層した構造を備えている。p型キャップ層107の上に
はp型電極108が形成され、n型GaN層102の露
出部上にはn型電極109が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の窒化ガ
リウム系化合物半導体レーザの構造においては、単一量
子井戸活性層または多重量子井戸活性層の直上にAlを
含むAlGaN蒸発防止層が積層されている。
【0005】この従来の窒化ガリウム系化合物半導体レ
ーザについて、AlGaN蒸発防止層のAl混晶比を一
定(ここでは0.12)にして膜厚を変化させ、発光波
長と発光強度に関してその影響を調べた結果を図13に
示す。
【0006】この図13によれば、AlGaN蒸発防止
層の膜厚が薄い程、発光強度は増加するが、基準波長
(設定波長)に比して短波長化する傾向を示している。
これは、AlGaN蒸発防止層の膜厚が薄いと、p型窒
化物系化合物半導体層から活性層への注入効率(ホー
ル)が良くなるため、発光強度が増加する傾向にあると
考えられる。また、AlGaN蒸発防止層の膜厚が薄い
と、十分にInやNの抜けを防止することができず、短
波長化を示すと考えられる。
【0007】一方、AlGaN蒸発防止層の膜厚が厚い
程、基準波長に比して漸近しているが、発光強度は減少
する傾向を示している。これは、AlGaN蒸発防止層
の膜厚が厚いと、十分にInやNの抜けを防止すること
ができ、短波長化を防ぐことができると考えられる。ま
た、AlGaN蒸発防止層の膜厚が厚いと、p型窒化物
系化合物半導体層から活性層への注入効率(ホール)が
減少するため、発光強度が減少する傾向にあると考えら
れる。
【0008】さらに、Alを含むAlGaN蒸発防止層
のAl混晶比を0.05から0.2まで変化させ、発光
波長と発光強度に関してその影響を調べた。その結果、
AlGaN蒸発防止層のAl混晶比を小さく設定した場
合、p型窒化物系化合物半導体層から活性層への注入効
率(ホール)が良くなるので発光強度が増加するが、基
準波長に比して短波長化するという問題が生じる。一
方、AlGaN蒸発防止層のAl混晶比を大きく設定し
た場合、基準波長に比して短波長化を防ぐことができる
が、p型窒化物系化合物半導体層から活性層への注入効
率(ホール)が減少し、発光強度が減少するという問題
が生じる。
【0009】従って、従来の素子構造においては、発光
波長の短波長化を防ぐと同時に発光強度が低下するのを
防ぐことはできていなかった。
【0010】本発明はこのような従来技術の課題を解決
すべくなされたものであり、Inを含む量子井戸活性層
に効率良く電流(ホール)を注入して発光効率を向上す
ると共に、発光波長の短波長化を防いで設定通りの波長
の光が再現性良く得られる窒化物系化合物半導体発光素
子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化物系化合物
半導体発光素子は、基板上に、少なくともInを含む単
一または多重量子井戸活性層と、該活性層直上に設けら
れたAlを含む蒸発防止層と、少なくとも1つのクラッ
ド層とを含む半導体積層構造を備えた窒化物系化合物半
導体発光素子において、該基板上に構成元素が異なる第
1下地層と第2下地層を有し、該第1下地層がその上に
設けられた該第2下地層の開口部から露出しているか、
または該第2下地層の上に該第1下地層が部分的に設け
られ、該第1下地層の露出部上または該第1下地層の形
成部上、および該第2下地層上にわたって該半導体積層
構造が形成され、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0012】前記第1下地層が、前記第2の下地層に比
べて前記蒸発防止層のエネルギーギャップを低減させる
材料からなっているのが好ましい。
【0013】前記基板がサファイヤ基板からなり、前記
第1下地層がGaNからなり、前記第2下地層がAly
Ga1-yN(0<y≦1)からなり、前記活性層がInx
Ga1 -xN(0≦x≦1)からなり、前記蒸発防止層が
AlzGa1-zN(0<z<1)からなっているのが好ま
しい。
【0014】本発明の窒化物系化合物半導体発光素子
は、基板上に、少なくともInを含む単一または多重量
子井戸活性層と、該活性層直上に設けられたAlを含む
蒸発防止層と、少なくとも1つのクラッド層とを含む半
導体積層構造を備えた窒化物系化合物半導体発光素子に
おいて、該基板上に、該基板とは構成元素が異なる下地
層が、該基板の一部を露出させる開口部を有して設けら
れ、該基板の露出部上および該下地層上にわたって該半
導体積層構造が設けられ、そのことにより上記目的が達
成される。
【0015】前記基板が、前記下地層に比べて前記蒸発
防止層のエネルギーギャップを低減させる材料からなっ
ているのが好ましい。
【0016】前記基板がGaN基板からなり、前記下地
層がAlyGa1-yN(0<y≦1)からなり、前記活性
層がInxGa1-xN(0≦x≦1)からなり、前記蒸発
防止層がAlzGa1-zN(0<z<1)からなるのが好
ましい。
【0017】電流通路となる開口部を有する電流阻止層
が、該開口部を前記第1下地層の露出部もしくは形成
部、または前記基板の露出部の上方に配して設けられて
いるのが好ましい。
【0018】上部クラッド層が前記第1下地層の露出部
もしくは形成部、または前記下地層の露出部の上方にリ
ッジストライプ状部分を有して設けられているか、また
は該クラッド層と該クラッド層上に設けられたコンタク
ト層が前記第1下地層露出部もしくは形成部、または前
記基板の露出部の上方にリッジストライプ状部分を有し
て設けられているのが好ましい。
【0019】本発明の窒化物系化合物半導体発光素子の
製造方法は、基板上に、構成元素が異なる第1下地層と
第2下地層を積層形成する工程と、該第2下地層の一部
を除去して該第1下地層の一部を露出させる工程と、該
第1下地層の露出部上および該第2下地層上にわたっ
て、少なくとも下部クラッド層と、Inを含む単一また
は多重量子井戸活性層と、Alを含む蒸発防止層と、上
部クラッド層とを積層形成する工程とを含み、そのこと
により上記目的が達成される。
【0020】本発明の窒化物系化合物半導体発光素子の
製造方法は、基板上に、該基板と構成元素が異なる下地
層を形成する工程と、該下地層の一部を除去して該基板
の一部を露出させる工程と、該基板の露出部上および該
下地層上にわたって、少なくとも下部クラッド層と、I
nを含む単一または多重量子井戸活性層と、Alを含む
蒸発防止層と、上部クラッド層とを積層形成する工程と
を含み、そのことにより上記目的が達成される。
【0021】前記基板または前記第1下地層の露出部の
上方に開口部を有する電流阻止層を形成する工程を含む
のが好ましい。
【0022】前記基板または前記第1下地層の露出部の
上方に前記上部クラッド層のリッジストライプ状部分を
形成するか、または該上部クラッド層上にコンタクト層
を形成して該基板または該第1下地層の露出部の上方に
該上部クラッド層と該コンタクト層のリッジストライプ
状部分を形成する工程を含むのが好ましい。
【0023】以下、本発明の作用について説明する。
【0024】本発明にあっては、構成元素の異なる第1
下地層と第2下地層を形成し、その上方にAlを含む蒸
発防止層を設けているので、蒸発防止層のAl組成比を
変えなくても、第1下地層上と第2下地層上とで蒸発防
止層のEgを異ならせることができる。よって、Egが
小さい領域に電流を集中させて、より効率良く活性層に
電流(ホール)を注入することができ、発光効率が増大
する。
【0025】例えば、サファイヤ基板上にGaN第1下
地層とAlN第2下地層を形成し、その上方にAlz
1-zN(0<z<1)蒸発防止層を形成した場合、第
1下地層の上方に形成された蒸発防止層は、歪みの影響
によって、そのエネルギーギャップ(Eg)が図3に●
および○で示すようになり、第2下地層の上方に形成さ
れた蒸発防止層のEg(実線)よりも小さくなる。ここ
で、●はHVPE(ハイドライド気相成長)法により形
成したGaN層であり、○はMOCVD法(有機金属化
合物気相成長法)法により形成したGaN層である。
【0026】従って、単一のAlN下地層上にAlを含
む蒸発防止層を形成した従来の構造よりもEgが小さく
なり、活性層に電流(ホール)を注入しやすくなる。
【0027】なお、下地層がGaN単体の場合にはAl
GaN蒸発防止層全体に歪みがかかり、蒸発防止層全体
のEgは小さくなるが、本願発明は電流通路の位置にあ
る蒸発防止層部分のみのEgを小さくし、さらに、横方
向のEgにΔEgを設けたものである。
【0028】また、第1下地層上と第2下地層上とで蒸
発防止層のEgが異なるので、Egが小さくなった領域
に電流を集中させることができ、より効率良く活性層に
電流(ホール)が注入され、発光効率が増大する。
【0029】さらに、第1下地層の上方に形成されたA
lを含む蒸発防止層のAl混晶比が従来と同じでもEg
を小さくすることができるので、従来に比べてAl混晶
比を大きくすることができる。その結果、活性層のI
n、N抜けを防いで発光波長の制御および発光波長のバ
ラツキの制御が可能となり、さらに注入効率が向上し、
発光効率が増大する。
【0030】このような構成元素が異なる2つの下地層
は、第2下地層の開口部からその下に設けた第1下地層
の一部を露出させてもよく、第2下地層の上に第1下地
層を部分的に形成してもよいが、基板上に基板と構成元
素が異なる下地層を設けて、その開口部から露出した基
板部分を下地層して用いることもできる。
【0031】ここで、第1下地層としては、第2下地層
に比べて蒸発防止層のエネルギーギャップを低減させる
材料を用いるのが好ましく、例えばサファイヤ基板上に
GaN第1下地層およびAlyGa1-yN(0<y≦1)
第2下地層を形成することができる。または、GaN基
板上にAlyGa1-yN(0<y≦1)下地層を形成し、
その開口部から露出したGaN基板部分をGaN下地層
して用いることもできる。
【0032】上記GaN下地層上とAlGaN下地層上
とで蒸発防止層のEgを十分異ならせて発光効率を向上
させるためには、AlyGa1-yN(0<y≦1)下地層
のAl混晶比yが0.5以上1以下であるのが好まし
い。
【0033】さらに、第1下地層の露出部や形成部、基
板の露出部の上方に電流阻止層の開口部を設けたり、ク
ラッド層やコンタクト層のリッジストライプ状部分を設
けることにより、上記Egが小さくなった領域のみに電
流を集中させることができる。よって、活性層に電流
(ホール)が効率良く注入され、発光効率がさらに増大
する。
【0034】単一量子井戸活性層または多重量子井戸活
性層を構成する活性層または量子井戸層は、InxGa
1-xN(0≦x≦1)のIn組成比xが0.05以上で
あるのが好ましく、さらに好ましくは0.30以上であ
る。活性層または量子井戸層のIn組成比が多いほど上
記効果が顕著に得られる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。以下の実施形態では半導体レ
ーザ素子について説明するが、発光ダイオードについて
も適用可能であることは言うまでもない。なお、本発明
において、窒化物系化合物半導体とは、InsAltGa
1-s-tN(0≦s、0≦t、s+t≦1)を含むものと
する。さらに、V族元素としてAsやPを含んでいても
よい。
【0036】(実施形態1)図1は本発明の一実施形態
である窒化ガリウム系化合物半導体レーザの構成を示す
断面図である。
【0037】この半導体レーザは、サファイヤ基板1上
に、GaN第1下地層2、AlN第2下地層3、n型G
aNコンタクト層4、InGaN単一量子井戸活性層
5、p型AlGaN蒸発防止層6、p型AlGaNクラ
ッド層7およびp型GaNコンタクト層9を順次積層し
た構造を備えている。p型コンタクト層9の上にはp型
電極10が形成され、n型コンタクト層4の露出部上に
はn型電極11が形成されている。
【0038】上記GaN第1下地層2上のAlN第2下
地層3にはストライプ状開口部が設けられており、その
開口部からGaN第1下地層の表面15が露出してい
る。
【0039】この半導体レーザは、例えば以下のように
して作製することができる。
【0040】窒化物系半導体層の形成は有機金属化合物
気相成長法(MOCVD法)により行い、基板としてサ
ファイヤ基板、V族原料としてアンモニア(NH3)、I
II族原料としてトリメチルガリウム(TMG)、トリメ
チルアルミニウム(TMA)およびトリメチルインジウ
ム(TMIn)、p型不純物としてビスシクロペンタデ
ィエニルマグネシウム(Cp2Mg)、n型不純物とし
てモノシラン(SiH4)を用い、キャリヤガスとして
2およびN2を用いる。
【0041】まず、図2(a)に示すように、サファイ
ヤ基板1上に基板温度600℃にて厚さ55nmのGa
N第1下地層2および厚さ55nmのAlN第2下地層
3を成長させる。
【0042】次に、このウェハーをMOCVD装置から
一旦取り出してレジストマスク13をウェハー全面に形
成し、このレジストマスク13をストライプ状に幅3μ
m除去する。
【0043】続いて、図2(b)に示すように、エッチ
ングによりAlN第2下地層3を幅3μm除去してスト
ライプ状開口部を形成し、GaN第1下地層2の表面1
5を露出させる。
【0044】その後、このウェハーを再度MOCVD装
置内に導入し、図2(c)に示すように、基板温度10
50℃にて厚さ4μmのn型GaNコンタクト層4を成
長させる。次に、基板温度800℃にて厚さ3nmのI
0.3Ga0.7N量子井戸活性層5および厚さ50nmの
p型Al0.12Ga0.88N蒸発防止層6を成長させる。次
に、基板温度1050℃にて厚さ0.1μmのp型Al
0.05Ga0.95Nクラッド層7および厚さ0.3μmのp
型GaNコンタクト層9を成長させる。
【0045】次に、このウェハーをMOCVD装置から
一旦取り出し、図2(d)に示すようにドライエッチン
グによりn型コンタクト層4表面16を露出させる。
【0046】その後、p型コンタクト層9の表面上にp
型電極10を形成し、n型コンタクト層4の露出表面1
6上にn型電極11を形成する。最後に、幅350μ
m、長さ600μmにスクライブ等によりチップに分割
して本実施形態の半導体レーザが得られる。
【0047】このようにして得られる本実施形態の半導
体レーザは、図3に示すように、GaN第1下地層2の
露出表面15上方のAlを含む蒸発防止層6のEgが従
来に比べて小さくなり、このEgが小さくなった領域の
みに電流を集中させることができる。よって、より効率
良く活性層に電流(ホール)を注入することができ、よ
り発光効率の優れた半導体レーザとすることができる。
【0048】さらに、蒸発防止層6のAl混晶比を従来
よりも大きく設定することができるので、十分に活性層
のInやN抜けを防止することができ、発光波長を設定
通りに制御することができる。
【0049】なお、GaN第1下地層2の表面からp型
AlGaN蒸発防止層6までの距離、つまり、本実施形
態では主としてn型GaNコンタクト層4の層厚である
が、好ましくは1μm以上10μm以下の範囲である。
この距離が1μm未満ではn型コンタクト層4の結晶性
が悪化して第1下地層2からの歪みの影響を蒸発防止層
6に伝搬できず、10μmを超える蒸発防止層6が第1
下地層2からの歪みの影響を受けなくなるからである。
【0050】(実施形態2)本実施形態では、第1下地
層の露出表面上方に電流阻止層の開口部を設けた例につ
いて説明する。
【0051】図4は実施形態2の窒化ガリウム系化合物
半導体レーザの構成を示す断面図である。
【0052】この半導体レーザは、サファイヤ基板1上
に、GaN第1下地層2、AlN第2下地層3、n型G
aNコンタクト層4、InGaN単一量子井戸活性層
5、p型AlGaN蒸発防止層6、p型AlGaNクラ
ッド層7、n型GaN電流阻止層8およびp型GaNコ
ンタクト層9を順次積層した構造を備えている。p型コ
ンタクト層9の上にはp型電極10が形成され、n型コ
ンタクト層4の露出部上にはn型電極11が形成されて
いる。
【0053】上記GaN第1下地層2上のAlN第2下
地層3にはストライプ状開口部が設けられており、その
開口部からGaN第1下地層の表面15が露出してい
る。
【0054】上記電流阻止層8には電流通路となるスト
ライプ状開口部が設けられており、このストライプ状開
口部はGaN第1下地層の露出表面15上に配置されて
いる。
【0055】この半導体レーザは、例えば以下のように
して作製することができる。
【0056】窒化物系半導体層の形成はMOCVD法に
より行い、V族原料、III族原料、p型不純物、n型不
純物およびキャリヤガスは実施形態1と同様のものを用
いる。
【0057】まず、図5(a)に示すように、サファイ
ヤ基板1上に基板温度600℃にて厚さ55nmのGa
N第1下地層2および厚さ55nmのAlN第2下地層
3を成長させる。
【0058】次に、このウェハーをMOCVD装置から
一旦取り出してレジストマスク13をウェハー全面に形
成し、このレジストマスク13をストライプ状に幅3μ
m除去する。
【0059】続いて、図5(b)に示すように、エッチ
ングによりAlN第2下地層3を幅3μm除去してスト
ライプ状開口部を形成し、GaN第1下地層2の表面1
5を露出させる。
【0060】その後、このウェハーを再度MOCVD装
置内に導入し、図5(c)に示すように、基板温度10
50℃にて厚さ4μmのn型GaNコンタクト層4を成
長させる。次に、基板温度800℃にて厚さ3nmのI
0.3Ga0.7N量子井戸活性層5および厚さ50nmの
p型Al0.12Ga0.88N蒸発防止層6を成長させる。次
に、基板温度1050℃にて厚さ0.1μmのp型Al
0.05Ga0.95Nクラッド層7および厚さ0.3μmのn
型GaN電流阻止層8を成長させる。
【0061】次に、このウェハーをMOCVD装置から
一旦取り出してレジストマスク(図示せず)を形成し、
このレジストマスクをストライプ状に幅5μm除去す
る。
【0062】続いて、レジストマスクをドライエッチン
グ用マスクとして用いて、図5(d)に示すように、ド
ライエッチングによりp型クラッド層7の表面14を露
出させる。
【0063】その後、このウェハーを再度MOCVD装
置内に導入し、基板温度1050℃にて、図5(e)に
示すように露出したp型クラッド層7表面14とn型電
流阻止層8の上にわたって厚さ0.3μmのp型GaN
コンタクト層9を成長させる。
【0064】次に、このウェハーをMOCVD装置から
一旦取り出し、図5(f)に示すようにドライエッチン
グによりn型コンタクト層4表面16を露出させる。
【0065】その後、p型コンタクト層9の表面上にp
型電極10を形成し、n型コンタクト層4の露出表面上
にn型電極11を形成する。最後に、幅350μm、長
さ600μmにスクライブ等によりチップに分割して本
実施形態の半導体レーザが得られる。
【0066】このようにして得られる本実施形態の半導
体レーザは、図3に示したようにGaN第1下地層2の
露出表面15上方のAlを含む蒸発防止層6のEgが従
来に比べて小さくなり、さらに、この上方に電流阻止層
の開口部を配置することにより、このEgが小さくなっ
た領域のみにさらに効率よく電流を集中させることがで
きる。よって、より効率良く活性層に電流(ホール)を
注入することができ、より発光効率の優れた半導体レー
ザとすることができる。
【0067】さらに、蒸発防止層6のAl混晶比を従来
よりも大きく設定することができるので、十分に活性層
のInやN抜けを防止することができ、発光波長を設定
通りに制御することができる。
【0068】本実施形態1の半導体レーザについて、A
lGaN蒸発防止層のAl混晶比を一定(ここでは0.
12)にして膜厚を変化させ、発光波長と発光強度に関
してその影響を調べた結果を図6に示す。
【0069】この図6から、本実施形態の半導体レーザ
は、従来の構造に比べて発光波長のシフト量が少なく、
発光強度の低下が少ないことがわかる。
【0070】さらに、発光波長のシフト量を少なくする
と共に発光強度の減少を少なくするためには、Alを含
む蒸発防止層の層厚を25nm以上50nm以下の範囲
であるのが好ましいことがわかる。
【0071】(実施形態3)本実施形態では、第1下地
層の露出表面上方にリッジストライプ状部分を設けた例
について説明する。
【0072】図7は実施形態3の窒化ガリウム系化合物
半導体レーザの構成を示す断面図である。
【0073】この半導体レーザは、サファイヤ基板1上
に、GaN第1下地層2、AlN第2下地層3、n型G
aNコンタクト層4、InGaN単一量子井戸活性層
5、p型AlGaN蒸発防止層6、p型AlGaNクラ
ッド層7およびp型GaNコンタクト層9を順次積層し
た構造を備えている。p型クラッド層7およびp型コン
タクト層9はリッジストライプ状に加工されてその上に
p型電極10が形成され、n型コンタクト層4の露出部
上にはn型電極11が形成されている。さらに、p型ク
ラッド層7の平坦部上からp型電極10の端部にかけて
SiO2絶縁体層12が形成されている。
【0074】上記GaN第1下地層2上のAlN第2下
地層3にはストライプ状開口部が設けられており、その
開口部からGaN第1下地層の表面15が露出してい
る。
【0075】上記p型クラッド層7およびp型コンタク
ト層9のリッジストライプ状部分は、GaN第1下地層
の露出表面15上に配置されている。
【0076】この半導体レーザは、例えば以下のように
して作製することができる。
【0077】窒化物系半導体層の形成はMOCVD法に
より行い、V族原料、III族原料、p型不純物、n型不
純物およびキャリヤガスは実施形態1と同様のものを用
いる。
【0078】まず、図8(a)に示すように、HVPE
法またはMOCVD法により厚さ10μmの厚膜GaN
第1下地層2が形成されたサファイヤ基板1をMOCV
D装置内に導入し、基板温度600℃にて厚さ50nm
のAlN第2下地層3を成長させる。
【0079】次に、このウェハーをMOCVD装置から
一旦取り出してレジストマスク13をウェハー全面に形
成し、このレジストマスク13をストライプ状に幅4μ
m除去する。
【0080】続いて、図8(b)に示すように、エッチ
ングによりAlN第2下地層3を幅4μm除去してスト
ライプ状開口部を形成し、GaN第1下地層2の表面1
5を露出させる。
【0081】その後、このウェハーを再度MOCVD装
置内に導入し、図8(c)に示すように、基板温度10
50℃にて厚さ4μmのn型GaNコンタクト層4を成
長させる。次に、基板温度800℃にて厚さ3nmのI
0.15Ga0.85N量子井戸層の3層と厚さ4nmのIn
0.05Ga0.95N障壁層の2層からなる多重量子井戸活性
層5および厚さ40nmのp型Al0.15Ga0.85N蒸発
防止層6を成長させる。次に、基板温度1050℃にて
厚さ0.2μmのp型Al0.04Ga0.96Nクラッド層7
および厚さ0.3μmのn型GaNコンタクト層9を成
長させる。
【0082】次に、このウェハーをMOCVD装置から
一旦取り出してp型コンタクト層9上に、例えば幅3μ
mのストライプ状のp型電極10を形成する。
【0083】続いて、図8(d)に示すように、ストラ
イプ状のp型電極10の上にレジストマスク13を形成
する。
【0084】その後、レジストマスク13をドライエッ
チング用マスクとして用いて、図8(e)に示すよう
に、ドライエッチングによりp型クラッド層7の表面1
4を露出させる。
【0085】次に、図8(f)に示すように、p型電極
10、p型コンタクト層9およびp型クラッド層7の露
出表面14上にSiO2絶縁体層12を形成し、p型電
極10上の絶縁体層12を除去してp型電極10表面を
露出させる。
【0086】続いて、図8(g)に示すように、ドライ
エッチングによりn型コンタクト層4表面16を露出さ
せ、その上にn型電極11を形成する。最後に、幅35
0μm、長さ600μmにスクライブ等によりチップに
分割して本実施形態の半導体レーザが得られる。
【0087】このようにして得られる本実施形態の半導
体レーザは、図3に示したように、GaN第1下地層2
の露出表面15上方のAlを含む蒸発防止層6のEgが
従来に比べて小さくなり、さらに、この上方にリッジス
トライプ状部分を配置することにより、このEgが小さ
くなった領域のみにさらに効率よく電流を集中させるこ
とができる。よって、より効率良く活性層に電流(ホー
ル)を注入することができ、より発光効率の優れた半導
体レーザとすることができる。
【0088】さらに、蒸発防止層6のAl混晶比を従来
よりも大きく設定することができるので、十分に活性層
のInやN抜けを防止することができ、発光波長を設定
通りに制御することができる。
【0089】本実施形態の半導体レーザにおいても、実
施形態2の半導体レーザと同様に、従来の構造に比べて
発光波長のシフト量を少なくすると共に発光強度の減少
を少なくすることができた。
【0090】(実施形態4)本実施形態では、第1下地
層の露出表面上方にリッジストライプ状部を設けた実施
形態3の応用例について説明する。
【0091】図9は実施形態4の窒化ガリウム系化合物
半導体レーザの構成を示す断面図である。
【0092】この半導体レーザは、サファイヤ基板1上
に、GaN第1下地層2、AlN第2下地層3、n型G
aNコンタクト層4、InGaN単一量子井戸活性層
5、p型AlGaN蒸発防止層6、p型AlGaNクラ
ッド層7およびp型GaNコンタクト層9を順次積層し
た構造を備えている。p型クラッド層7およびp型コン
タクト層9は短冊状に加工され、その上に電流通路とな
るリッジストライプ状部分を除いてSiO2絶縁体層1
2が形成されている。さらにその上にp型電極10が形
成され、n型コンタクト層4の露出部上にはn型電極1
1が形成されている。
【0093】上記GaN第1下地層2上のAlN第2下
地層3にはストライプ状開口部が設けられており、その
開口部からGaN第1下地層の表面15が露出してい
る。
【0094】上記p型クラッド層7およびp型コンタク
ト層9のリッジストライプ状部分(短冊状の中央の部
分)は、GaN第1下地層の露出表面15上に配置され
ている。
【0095】この半導体レーザは、例えば以下のように
して作製することができる。
【0096】窒化物系半導体層の形成はMOCVD法に
より行い、V族原料、III族原料、p型不純物、n型不
純物およびキャリヤガスは実施形態1と同様のものを用
いる。
【0097】まず、図10(a)に示すように、HVP
E法またはMOCVD法により厚さ10μmの厚膜Ga
N第1下地層2が形成されたサファイヤ基板1をMOC
VD装置内に導入し、基板温度600℃にて厚さ55n
mのAlN第2下地層3を成長させる。
【0098】次に、このウェハーをMOCVD装置から
一旦取り出してレジストマスク13をウェハー全面に形
成し、このレジストマスク13をストライプ状に幅5μ
m除去する。
【0099】続いて、図10(b)に示すように、エッ
チングによりAlN第2下地層3を幅5μm除去してス
トライプ状開口部を形成し、GaN第1下地層2の表面
15を露出させる。
【0100】その後、このウェハーを再度MOCVD装
置内に導入し、図10(c)に示すように、基板温度1
050℃にて厚さ4μmのn型GaNコンタクト層4を
成長させる。次に、基板温度750℃にて厚さ2nmの
In0.2Ga0.8N量子井戸層の3層と厚さ4nmのIn
0.05Ga0.95N障壁層の2層からなる多重量子井戸活性
層5および厚さ30nmのp型Al0.2Ga0.8N蒸発防
止層6を成長させる。次に、基板温度1050℃にて厚
さ0.2μmのp型Al0.02Ga0.98Nクラッド層7お
よび厚さ0.3μmのn型GaNコンタクト層9を成長
させる。
【0101】次に、このウェハーをMOCVD装置から
一旦取り出し、図10(d)に示すようにp型コンタク
ト層9上にレジストマスク13を形成し、このレジスト
マスク13をストライプ状に幅5μm残すように除去す
る。
【0102】続いて、レジストマスク13をドライエッ
チング用マスクとして用いて、図10(e)に示すよう
に、ドライエッチングによりp型クラッド層7の表面1
4を露出させる。
【0103】その後、図10(f)に示すように、p型
コンタクト層9およびp型クラッド層7の露出表面14
上にSiO2絶縁体層12を形成する。そして、リッジ
ストライプ状部分上の絶縁体層12を除去してp型コン
タクト層9表面を露出させ、その上にp型電極10を形
成する。
【0104】続いて、ドライエッチングによりn型コン
タクト層4表面を露出させ、その上にn型電極11を形
成する。最後に、幅350μm、長さ600μmにスク
ライブ等によりチップに分割し、電流を供給するための
金属ワイヤー17を接続して本実施形態の半導体レーザ
が得られる。
【0105】このようにして得られる本実施形態の半導
体レーザは、図3に示したように、GaN第1下地層2
の露出表面15上方のAlを含む蒸発防止層6のEgが
従来に比べて小さくなり、さらに、この上方にリッジス
トライプ状部分を配置することにより、実施形態2と同
様に、このEgが小さくなった領域のみにさらに効率よ
く電流を集中させることができる。よって、より効率良
く活性層に電流(ホール)を注入することができ、より
発光効率の優れた半導体レーザとすることができる。
【0106】さらに、蒸発防止層6のAl混晶比を従来
よりも大きく設定することができるので、十分に活性層
のInやN抜けを防止することができ、発光波長を設定
通りに制御することができる。
【0107】本実施形態の半導体レーザにおいても、実
施形態2の半導体レーザと同様に、従来の構造に比べて
発光波長のシフト量を少なくすると共に発光強度の減少
を少なくすることができた。
【0108】なお、上記実施形態では第1下地層として
サファイヤ基板1上にHVPE法やMOCVD法で作製
したGaN層を用いたが、後述する実施形態5に示すよ
うに、n型GaN基板を上に開口部を有するAlGaN
下地層を形成し、基板の露出部を下地層として用いるこ
ともできる。
【0109】さらに、上記実施形態では第1下地層上の
第2下地層に開口部を形成して第1下地層を露出させた
が、第2下地層上に第1下地層を部分的に形成してもよ
い。
【0110】(実施形態5)図11は実施形態5の窒化
ガリウム系化合物半導体レーザの構成を示す断面図であ
る。
【0111】この半導体レーザは、n型GaAs基板2
1上に、AlN下地層23、n型GaNコンタクト層
4、InGaN単一量子井戸活性層5、p型AlGaN
蒸発防止層6、p型AlGaNクラッド層7、n型Ga
N電流阻止層8およびp型GaNコンタクト層9を順次
積層した構造を備えている。p型コンタクト層9の上に
はp型電極10が形成され、n型基板21側にはn型電
極11が形成されている。
【0112】上記GaN基板21上に設けられたAlN
下地層23にはストライプ状開口部が設けられており、
その開口部からn型GaN基板21の表面25が露出し
ている。
【0113】上記n型GaN電流阻止層8にはストライ
プ状開口部が設けられており、そのストライプ状開口部
はストライプ状に露出したn型GaN基板21部分の上
方に配置されている。
【0114】この半導体レーザ素子は、窒化物系半導体
層の成長法、V族原料、III族原料、p型不純物、n型
不純物およびキャリヤガス等として上記実施形態と同様
のものを用いることができる。
【0115】n型GaN基板21は、従来から知られて
いるMOCVD法やHVPE法を用いて厚さ100μm
〜300μmの基板を作製する。次に、基板上にAlN
下地層23からp型コンタクト層9までを順次積層す
る。 その後、p型電極10をp型コンタクト層9上に
形成し、n型電極11とn型基板21の裏面に形成す
る。このときのn型電極11としては、例えばTi層と
Al層を厚さ0.3μmに積層するか、または厚さ0.
3μmのAl層を形成する。
【0116】このように構成された本実施形態の半導体
レーザは、GaN下地層を用いる代わりにn型GaN基
板21上にAlN下地層3を形成し、n型GaN基板2
1の露出表面25の上方にAlを含む蒸発防止層と開口
部を有する電流阻止層を配置することにより、n型Ga
N基板21の露出表面25上方のAlを含む蒸発防止層
6のEgが従来に比べて小さくなり、さらにこのEgが
小さくなった領域のみに電流を集中させることができ
る。よって、より効率良く活性層に電流(ホール)を注
入することができ、より発光効率の優れた半導体レーザ
とすることができる。
【0117】さらに、n型GaN基板21の露出表面2
5上方の蒸発防止層6のAl混晶比は、従来構造のAl
混晶比よりも大きく設定することができるので、十分に
活性層のInやN抜けを防止することができ、発光波長
を設定通りに制御することができる。このように、Ga
N第1下地層の代わりに基板を用いても、本発明の目的
を達成することができる。
【0118】本実施形態においては、導電性基板を用い
ているので基板裏面に電極を形成可能であり、上記実施
形態のようにn型電極を形成する際にドライエッチング
工程を必要とせず、製造工程を簡略化することができ
る。さらに、半導体レーザのマウントに際しても、基板
裏面の電極を直接マウントすることができるので、マウ
ント方法が簡単である。
【0119】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
構成元素の異なる下地層の上方にAlを含む蒸発防止層
を形成することにより、蒸発防止層のAl組成比を変化
させなくてもEgを変化させることができる。よって、
Egが小さくなった領域のみに効率よく電流を集中させ
て、量子井戸活性層に効率よく電流(ホール)を注入す
ることができる。
【0120】さらに、Egを小さくさせる下地層部分
(露出部や形成部)の上方に電流阻止層の開口部を設け
るか、またはクラッド層やコンタクト層のリッジストラ
イプ状部分を設けることにより、Egが小さくなった領
域のみにさらに効率よく電流を集中させることができ
る。よって、量子井戸活性層にさらに効率よく電流(ホ
ール)を注入して、より発光効率の優れた半導体レーザ
とすることができる。
【0121】蒸発防止層上のAl混晶比は従来よりも大
きく設定することができるので、十分に活性層のInや
N抜けを防止することができ、発光波長を設定通りに制
御することができる。
【0122】従って、本発明によれば、発光効率が高
く、発光波長の再現性及び面内均一性に優れた窒化物系
化合物半導体発光素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の窒化ガリウム系化合物半導体レー
ザの構造を示す断面模式図である。
【図2】実施形態1の窒化ガリウム系化合物半導体レー
ザの製造工程を説明するための断面模式図である。
【図3】Alを含む蒸発防止層について、第1下地層上
のEgと第2下地層上のEgの相関を示す図である。
【図4】実施形態2の窒化ガリウム系化合物半導体レー
ザの構造を示す断面模式図である。
【図5】実施形態2の窒化ガリウム系化合物半導体レー
ザの製造工程を説明するための断面模式図である。
【図6】実施形態2の窒化ガリウム系化合物半導体レー
ザについて、AlGaN蒸発防止層の厚さと、発光波長
および発光強度との関係を示す図である。
【図7】実施形態3の窒化ガリウム系化合物半導体レー
ザの構造を示す断面模式図である。
【図8】実施形態3の窒化ガリウム系化合物半導体レー
ザの製造工程を説明するための断面模式図である。
【図9】実施形態4の窒化ガリウム系化合物半導体レー
ザの構造を示す断面模式図である。
【図10】実施形態4の窒化ガリウム系化合物半導体レ
ーザの製造工程を説明するための断面模式図である。
【図11】実施形態5の窒化ガリウム系化合物半導体レ
ーザの構造を示す断面模式図である。
【図12】従来の窒化ガリウム系化合物半導体レーザの
構造を示す断面模式図である。
【図13】従来の窒化ガリウム系化合物半導体レーザに
ついて、AlGaN蒸発防止層の厚さと、発光波長およ
び発光強度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 サファイヤ基板 2 第1下地層 3 第2下地層 4 n型コンタクト層 5 Inを含む単一または多重量子井戸活性層 6 Alを含む蒸発防止層 7 p型クラッド層 8 電流阻止層 9 p型コンタクト層 10 p型電極 11 n型電極 12 絶縁体層 13 レジストマスク 14 p型クラッド層の露出表面 15 第1下地層の露出表面 16 n型コンタクト層の露出表面 21 n型GaN基板 23 AlN下地層 25 n型GaN基板の露出表面

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくともInを含む単一ま
    たは多重量子井戸活性層と、該活性層直上に設けられた
    Alを含む蒸発防止層と、少なくとも1つのクラッド層
    とを含む半導体積層構造を備えた窒化物系化合物半導体
    発光素子において、 該基板上に構成元素が異なる第1下地層と第2下地層を
    有し、該第1下地層がその上に設けられた該第2下地層
    の開口部から露出しているか、または該第2下地層の上
    に該第1下地層が部分的に設けられ、該第1下地層の露
    出部上または該第1下地層の形成部上、および該第2下
    地層上にわたって該半導体積層構造が形成されている窒
    化物系化合物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記第1下地層が、前記第2の下地層に
    比べて前記蒸発防止層のエネルギーギャップを低減させ
    る材料からなる請求項1に記載の窒化物系化合物半導体
    発光素子。
  3. 【請求項3】 前記基板がサファイヤ基板からなり、前
    記第1下地層がGaNからなり、前記第2下地層がAl
    yGa1-yN(0<y≦1)からなり、前記活性層がIn
    xGa1-xN(0≦x≦1)からなり、前記蒸発防止層が
    AlzGa1-zN(0<z<1)からなる請求項1または
    請求項2に記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 基板上に、少なくともInを含む単一ま
    たは多重量子井戸活性層と、該活性層直上に設けられた
    Alを含む蒸発防止層と、少なくとも1つのクラッド層
    とを含む半導体積層構造を備えた窒化物系化合物半導体
    発光素子において、 該基板上に、該基板とは構成元素が異なる下地層が、該
    基板の一部を露出させる開口部を有して設けられ、該基
    板の露出部上および該下地層上にわたって該半導体積層
    構造が設けられている窒化物系化合物半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記基板が、前記下地層に比べて前記蒸
    発防止層のエネルギーギャップを低減させる材料からな
    る請求項4に記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記基板がGaN基板からなり、前記下
    地層がAlyGa1-yN(0<y≦1)からなり、前記活
    性層がInxGa1-xN(0≦x≦1)からなり、前記蒸
    発防止層がAlzGa1-zN(0<z<1)からなる請求
    項3に記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 電流通路となる開口部を有する電流阻止
    層が、該開口部を前記第1下地層の露出部もしくは形成
    部、または前記基板の露出部の上方に配して設けられて
    いる請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の窒化物系
    化合物半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 上部クラッド層が前記第1下地層の露出
    部もしくは形成部、または前記下地層の露出部の上方に
    リッジストライプ状部分を有して設けられているか、ま
    たは該クラッド層と該クラッド層上に設けられたコンタ
    クト層が前記第1下地層露出部もしくは形成部、または
    前記基板の露出部の上方にリッジストライプ状部分を有
    して設けられている請求項1乃至請求項7のいずれかに
    記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 基板上に、構成元素が異なる第1下地層
    と第2下地層を積層形成する工程と、 該第2下地層の一部を除去して該第1下地層の一部を露
    出させる工程と、 該第1下地層の露出部上および該第2下地層上にわたっ
    て、少なくとも下部クラッド層と、Inを含む単一また
    は多重量子井戸活性層と、Alを含む蒸発防止層と、上
    部クラッド層とを積層形成する工程とを含む窒化物系化
    合物半導体発光素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 基板上に、該基板と構成元素が異なる
    下地層を形成する工程と、 該下地層の一部を除去して該基板の一部を露出させる工
    程と、 該基板の露出部上および該下地層上にわたって、少なく
    とも下部クラッド層と、Inを含む単一または多重量子
    井戸活性層と、Alを含む蒸発防止層と、上部クラッド
    層とを積層形成する工程とを含む窒化物系化合物半導体
    発光素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記基板または前記第1下地層の露出
    部の上方に開口部を有する電流阻止層を形成する工程を
    含む請求項9または請求項10に記載の窒化物系化合物
    半導体発光素子。
  12. 【請求項12】 前記基板または前記第1下地層の露出
    部の上方に前記上部クラッド層のリッジストライプ状部
    分を形成するか、または該上部クラッド層上にコンタク
    ト層を形成して該基板または該第1下地層の露出部の上
    方に該上部クラッド層と該コンタクト層のリッジストラ
    イプ状部分を形成する工程を含む請求項9または請求項
    10に記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
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