JP2001006770A - 異方導電性フィルム - Google Patents

異方導電性フィルム

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JP2001006770A
JP2001006770A JP11174726A JP17472699A JP2001006770A JP 2001006770 A JP2001006770 A JP 2001006770A JP 11174726 A JP11174726 A JP 11174726A JP 17472699 A JP17472699 A JP 17472699A JP 2001006770 A JP2001006770 A JP 2001006770A
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conductive
film
film substrate
anisotropic conductive
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JP11174726A
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Fuyuki Eriguchi
冬樹 江里口
Fumiteru Asai
文輝 浅井
Yuji Hotta
祐治 堀田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返しの使用回数がより長くなるよう改善
された異方導電性フィルムを提供する事。 【解決手段】 絶縁性樹脂からなるフィルム基板1中
に、導電性材料からなる複数の導通路2が、互いに絶縁
され、フィルム基板を厚み方向に貫通した状態で配置さ
れた、異方導電性フィルムである。導通路2は、少なく
とも両端面2a、2bが露出するように被覆用樹脂3に
て胴体側面2cを被覆されており、導通路の端部は、被
覆用樹脂3と共にフィルム基板の少なくとも一方の面か
ら突き出している。これによって、導通路の突き出し部
分が被覆用樹脂によって支持され、変形が抑制される。
このような構造の異方導電性フィルムは、絶縁性樹脂と
被覆用樹脂とを、互いに選択的にエッチングし得る関係
とし、フィルム基板を表面から選択的にエッチングする
ことで容易に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異方導電性フィル
ムの技術分野に属し、半導体素子の機能検査の際に素子
との導通に介在させるための異方導電性フィルムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路のさらなる高集積化に伴
い、ベアチップ状態での半導体素子の電極数は増加しそ
の配線パターンは更に挟ピッチで微細化している。その
ため、該素子のコスト上昇のみならず、該素子を実装す
るための回路基板も、配線パターンの微細化によって高
価なものとなっている。従って、半導体素子の機能検査
を行うに際しては、該素子を回路基板に実装した後に機
能検査を行っていたのでは、該素子が不良であった場合
に、良品の回路基板も共に処分されるために、回路基板
の歩留まりが無用に低下し、金額的な損失も大きくな
る。また、その逆に回路基板だけが不良の場合も同様で
ある。
【0003】従って、半導体素子の機能検査を行う際に
は、該素子を回路基板に実装する前の段階で種々の機能
検査を行うことが望まれる。その一つの方法として、半
導体素子を、実装と同様のポジションで、異方導電性フ
ィルムを介在させて回路基板に圧着する事で電気的に接
触させ、該素子の機能検査を行うという方法が挙げられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ベアチップ状態の半導
体素子には反りがあり、製品の回路基板には反りやうね
りがある。そのために、異方導電性フィルムの導通路を
間に介在させて、素子の電極、回路基板の導体部分のい
ずれにも適正に接触させるためには、ある程度の接触荷
重が必要である。
【0005】しかし、本発明者等が、上記のような異方
導電性フィルムによる仮の接触状態での検査の実態をよ
く調べたところ、上記のような接触荷重を作用させる
と、該導通路に、圧縮変形や座屈変形などの塑性変形が
生じ、異方導電性フィルムが繰り返し使用できなくなる
場合があることがわかった。また、この問題は、仮に素
子にも回路基板にも全く反りや変形が無く、理想的な接
触荷重による検査を行なったとしても存在し得る問題で
あり、前記塑性変形は微量ながら存在し、異方導電性フ
ィルムの寿命を短くする要因となっていることがわかっ
た。
【0006】本発明の課題は上記問題を解決し、繰り返
しの使用回数がより長くなるよう改善された異方導電性
フィルムを提供する事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の異方導電性フィ
ルムは、次の特徴を有するものである。 (1)絶縁性樹脂からなるフィルム基板中に、導電性材
料からなる複数の導通路が、互いに絶縁され、フィルム
基板を厚み方向に貫通した状態で配置され、導通路は、
少なくとも両端面が露出するようにその胴体側面を被覆
用樹脂にて被覆されており、かつ被覆用樹脂に被覆され
た状態のままフィルム基板の少なくとも一方の面から突
き出していることを特徴とする異方導電性フィルム。
【0008】(2)導通路のうち、被覆用樹脂に被覆さ
れた部分が金属導線である上記(1)記載の異方導電性
フィルム。
【0009】(3)導通路の端部が、フィルム基板の両
方の面から突き出している上記(1)記載の異方導電性
フィルム。
【0010】(4)導通路の端部のうち、フィルム基板
の面から突き出している部分の胴体側面の10%〜10
0%が被覆用樹脂に被覆されている上記(1)記載の異
方導電性フィルム。
【0011】(5)導通路の端部のうちの先端部が、該
導通路を被覆する被覆用樹脂からさらに突き出して露出
している上記(1)記載の異方導電性フィルム。
【0012】(6)導通路の端面に、導通路形成材料と
は異なる金属が堆積したものである上記(5)記載の異
方導電性フィルム。
【0013】(7)上記絶縁性樹脂と上記被覆用樹脂と
が、互いに選択的にエッチングし得る関係にあり、導通
路の端部が被覆用樹脂と共にフィルム基板の面から突き
出している状態が、フィルム基板を表面から選択的にエ
ッチングする事によって達成されたものである上記
(1)記載の異方導電性フィルム。
【0014】
【作用】導通路がフィルム基板から突き出した態様の異
方導電性フィルムを介在させて半導体素子の機能検査を
行った場合、該異方導電性フィルムの導通路は、接触荷
重によって圧縮を受け、トータルの厚みが5〜30μm
程度減少し、半導体素子や回路基板の反りやうねりを吸
収して適正な接触状態になる。この時、従来の異方導電
性フィルムでは、導通路の突き出した部分に集中的な変
形が生じる。
【0015】これに対して、本発明の異方導電性フィル
ムでは、導通路の突き出している部分の胴体側面を被覆
用樹脂によって被覆している。この構成によって、導通
路はフィルム基板から突起しながらも外周から補強さ
れ、接触荷重による圧縮変形や座屈変形が最小限に押さ
えられ、繰り返し使用回数がより多くなる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の異方導電性フィルムは、
図1に示すように、絶縁性樹脂からなるフィルム基板1
中に、導電性材料からなる複数の導通路2が、互いに絶
縁された状態で、かつ該フィルム基板1を厚み方向に貫
通した状態で配置されている。導通路2は、被覆用樹脂
3にて胴体側面2cを被覆されているが、少なくとも両
端面2a、2bは露出している。そして導通路2は、被
覆用樹脂に被覆された状態で、フィルム基板1の少なく
とも一方の面(同図では両面)から突き出した構成とな
っている。以下、被覆用樹脂が胴体側面を被覆している
部分を「被覆層」とよんで説明し、図では、被覆層3と
して示す。
【0017】フィルム基板を構成する絶縁性樹脂として
は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。例
えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルイ
ミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル
樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミドイミド樹脂な
どが挙げられ、目的に応じて適宜選択される。これらの
樹脂は、単独でもあるいは混合して使用してもよい。機
械的特性、電気絶縁性、耐熱絶縁性の点からは、イミド
樹脂、アミド樹脂、またはポリエステル樹脂が好まし
い。
【0018】フィルム基板の厚さは、20μm〜150
μm程度、特に40μm〜100μm程度が、薄型化を
可能としかつフィルムに柔軟性を与える点で好ましい寸
法である。
【0019】導通路の材料としては、公知の導電性材料
が挙げられるが、電気的な特性の点で銅、金、銀、アル
ミニウム等の良導体金属材料が望ましい。さらには導電
性の点から銅、金がより好ましい。
【0020】導通路の材料は上記の通り良導体金属材料
が好ましいが、同じ金属材料であっても導通路の形成方
法によって導電性や弾性率など種々の特性が異なる。導
通路は、フィルム基板に形成した貫通孔内に金属材料を
メッキで析出させて得たものであってもよいが、本発明
にとって最も好ましい態様は、金属線がフィルム基板を
貫通して導通路となった態様である。金属線のなかで
も、例えばJIS C3101、3103などに規定さ
れた銅線などのように電気を伝導すべく製造された金属
導線が好ましく、電気的特性、機械的特性、さらにはコ
ストの点でも最も優れた導通路となる。
【0021】導通路の断面(導通方向に垂直な断面)の
形状は、円形、各種多角形、異形など限定されないが、
互いの絶縁を確保しながらも最密に集合させ易く、しか
も高品質のものが容易に製造できる点では円形が好まし
い。導通路の断面の大きさは、円形断面の場合では、直
径5μm〜50μm程度が、素子の電極への接触には好
ましい。よって、導通路に金属導線を用いる場合は、線
径5μm〜50μmのものを用いることになる。また、
素子の1つの電極に対しては、2個〜10個程度の導通
路を対応させるのが好ましく、これを達成し得るよう
に、前記導通路の外径や、単位面積あたりの本数を決定
する。
【0022】フィルム基板中における導通路の集合状
態、即ち、フィルム面を見たときの導通路の配列パター
ンは、図2(a)に示すような最密状、図2(b)に示
すような正方行列状、その他、ランダムな集合状態であ
ってもよいが、微細な電極に対応するには最密状に近い
状態が好ましい。
【0023】導通路は、上記のように、胴体側面に被覆
層が設けられており、該導通路の端部は被覆層と共にフ
ィルム基板の少なくとも一方の面から突き出している
(図1)。被覆層の被覆の態様は、導通路の少なくとも
両端面2a、2bを露出させる態様である。即ち、図1
(a)のように導通路の端面2a、2bだけを露出させ
る態様の他に、図1(b)のように突き出した端部のう
ちの先端部の胴体側面をも露出させる態様、または、こ
れらの混合の態様が含まれる。
【0024】導通路の突き出しの有無は、フィルム基板
の片面だけの突き出し、または両面共の突き出しのいず
れであってもよく、また、同一面内においては、特定の
導通路だけの突き出し、同一面内の全ての導通路の突き
出しのいずれであってもよい。これらの突き出しの有無
は自由に選択し組み合わせてよいが、最も有用な態様
は、フィルム基板の片面または両面において全ての導通
路が一様に突き出している態様であり、特に、素子の機
能検査のために介在させるには、図1に示すように、フ
ィルム基板の両面において全ての導通路が一様に突き出
している態様が好ましい。
【0025】フィルム基板の片面または両面において全
ての導通路が一様に突き出している態様では、導通路の
全長が、異方導電性フィルムの厚さ(フィルム基板の厚
さに、導通路の突き出し量を加えたトータル厚さ)とな
る。導通路の全長は、40μm〜170μm、特に60
μm〜120μm程度がフィルム柔軟性の点で好まし
い。
【0026】フィルム基板面からの導通路の突き出し量
は、3μm〜30μm程度、特に5μm〜20μm程度
が電気的な接触の点、および導通路の塑性変形を防止す
る点で好ましい。
【0027】フィルム基板面からの導通路の突き出し量
のうち、基板面からどの程度までを被覆用樹脂で被覆す
るか(換言すると、被覆層から導通路がさらにどれだけ
突き出しているか)は、目的や用途に応じて適宜選択す
ればよい。図1(b)に示すように、フィルム基板面か
らの導通路の突き出し量Hに占める、被覆層の突き出し
量hの割合は、本発明による作用が示されるならば微小
であってもよいが、10%〜100%程度でより好まし
い作用が得られ、なかでも30%〜100%、は、導通
路を突き出した態様でありながら、根元を十分に被覆用
樹脂で補強していることになり、特に好ましい割合であ
る。
【0028】被覆層の厚さは、上記被覆層の突き出し量
hと同様に本発明の作用に大きな影響を与え、集合状態
の密度にも影響するので、これらを考慮して決定すれば
よいが、実使用上では、1μm〜10μm程度、特に、
2μm〜8μm程度が好ましい値となる。被覆層は、多
層構造として何層にも重ねて設けてもよく、本発明によ
る作用、電気的特性、後述のエッチングの選択性などに
応じて材料を選択すればよい。
【0029】導通路は、上記の様に金属導線が好ましい
が、図3(a)のように金属導線だけで形成する態様だ
けでなく、図3(b)、(c)のように端部の露出部分
にさらに金属をめっきや蒸着などで堆積させた態様でも
よい。このように金属が導通路の端部・端面に堆積し、
その部分が一般に「接点」と呼ばれる電気的接続に適し
た形態となっても、本明細書では、それらを含めて、全
体を導通路と呼ぶ。
【0030】図3(a)の態様は、図4の状態から、絶
縁性樹脂1と被覆層3とでエッチング速度の異なるエッ
チング方法を採用することにより得ることができる。図
3(b)の態様では、図1(a)の状態から金属導線2
dの端面に電気的接続に適した金属材料2eが堆積し、
導通路2全体として、被覆層からさらに突き出した態様
となっている。
【0031】図3(a)の態様は、バンプレス半導体素
子との電気的接続を行なう時に、導通路の側面の被覆層
が電気的接続の障害とならない為好ましい。図3(b)
の態様は、塑性変形が起こりにくく、バンプ付きの半導
体素子との電気的接続を行なう時に好ましい。
【0032】被覆用樹脂としては、絶縁性樹脂として選
択した樹脂よりも弾性率が高く、導通路が変形し難いと
いう点を考慮すること、および、次に述べるエッチング
の選択性を考慮すること以外は、フィルム基板に用いら
れる絶縁性樹脂と同じ樹脂材料の中から選択できる。
【0033】図1に示すように、導通路が被覆用樹脂に
て胴体側面を被覆された状態でフィルム基板を厚み方向
に貫通している状態のものを得るには、フィルム基板に
穿孔し、材料を孔内壁面にコーティングしていく方法で
あってもよいが、多数の絶縁電線を密に束ねた状態とし
互いに分離できない様に被覆層同士を結合させ、各絶縁
電線と角度をなす面を切断面として、所望のフィルム厚
さにスライスする方法が好ましい。導通路を突き出させ
る前の形態(図4の形態)を得るための、最も好ましい
製造方法として、次のの工程を有する方法が挙げ
られる。
【0034】金属導線の表面に、被覆用樹脂からなる
被覆層を1層以上形成し、その外側にさらにフィルム基
板となる絶縁性樹脂からなる層を1層以上形成し、絶縁
導線とし、これを芯材に巻線する工程。 上記巻線によって得られたコイルを加熱及び/または
加圧して、巻き付けられた絶縁導線の最外層である絶縁
性樹脂からなる層どうしを融着及び/または圧着させて
一体化しコイルブロックを形成する工程。 前記の工程で得られたコイルブロックを、巻き付け
られた絶縁導線と角度(通常は直角)をなして交差する
平面を断面として所定のフィルム厚さに切断する工程。
この工程によって、図4に示すように、絶縁性樹脂から
なる最外層は、フィルム基板1となっており、被覆層3
を有する金属導線2がフィルム基板1を厚み方向に貫通
している形態が得られる。
【0035】さらに、上記で得られたフィルム状物
の絶縁性樹脂1の部分だけを選択的にエッチングするこ
とで、図1(a)に示す、被覆層3を有する金属導線
(=導通路)2がフィルム基板面から突起した形態が得
られる。従って、この製造方法によって形成する場合
は、フィルム基板となる絶縁性樹脂と、被覆層となる被
覆用樹脂とが、互いに選択的にエッチングし得る関係に
あることが重要となる。
【0036】互いに選択的にエッチングし得る関係は、
一方に対するエッチングが他方を全くエッチングしない
という関係が理想的であるが、エッチングによって除去
されていく速度に差があれば良い。
【0037】選択性を与え得るエッチング法としては、
クレゾール等の有機溶剤によるもの、水酸化ナトリウム
溶液等のアルカリ溶液によるもの、プラズマエッチング
やレーザー等の方法が挙げられる。エッチング法をプラ
ズマによる方法として、互いに選択的にエッチングし得
る関係にある樹脂の組み合わせとしては、(フィルム基
板の絶縁性樹脂/被覆用樹脂)と表記するとして、(ポ
リエステル樹脂/ポリエーテルスルホン樹脂)、(ポリ
アミド樹脂/ポリアミドイミド樹脂)などが例示され
る。
【0038】上記の製造方法は、次のようにすること
で、図3(a)〜(c)に示す形態が容易に得られる。 −a.図4の形態から、絶縁性樹脂1の方が被覆層3
よりエッチング速度が大きくなる方法で一括エッチング
して図3(a)の形態を得る。 −b.図1(a)の形態から、被覆層3だけを選択的
にエッチングして図3(a)の形態を得る。この場合
は、被覆層の厚さも多少は薄くなる。 −c.図1(a)の形態から金属導線の端面に良導体
金属を堆積させて、図3(b)の形態を得る。 −d.図4の形態から、先ず金属導線の端面に良導体
金属を堆積させ、次に絶縁性樹脂1の部分を選択的にエ
ッチングして図3(b)の形態を得る。 −e.図1(a)の形態から金属導線の露出部分に良
導体金属を堆積させて、図3(b)の形態を得る。 −f.図3(a)の形態から金属導線の露出部分に良
導体金属を堆積させて、図3(c)の形態を得る。
【0039】上記製造方法における〜の各工程につ
いては、国際公開公報WO98/07216「異方導電
性フィルムおよびその製造方法」に記載の技術を参照し
ても良い。
【0040】
【実施例】以下に、本発明の異方導電性フィルムを実際
に製作した例、および従来品と性能を比較した結果を示
す。 実施例1 本実施例の異方導電性フィルム全体としての構造は、図
1に示すように、直径18μmの銅線2にポリアミドイ
ミド樹脂からなる被覆層3が設けられた状態で、ポリア
ミド樹脂からなるフィルム基板1を貫通したものであ
る。
【0041】製造方法は、上記、、、−a、
−fの工程を含む方法とした。巻線に用いた絶縁電線
は、直径18μmの導線材料に、ポリアミドイミド樹脂
を3μm厚にコーティングして、さらにその上にポリア
ミド樹脂を6μm厚にコーティングし、全体として直径
36μmとしたものである。
【0042】フィルム基板1(ポリアミド樹脂からなる
部分)の厚さは、スライス時の厚さを90μmとして、
プラズマエッチングによって両面側から各々20μm除
去した結果50μmとした。このとき、被覆層(ポリア
ミドイミド樹脂からなる部分)も緩やかにエッチングさ
れている。この結果、フィルム基板1から突き出した銅
線の量は両面共20μm、フィルム基板1から銅線と共
に突き出した被覆層3の量は12μmである。
【0043】さらにこの突き出した銅線の露出した部分
に厚さ0.5μmのニッケルめっきを施し、さらにその
表面に厚さ0.1μmの金めっきを施し、図3(c)に
示す態様の先端部とした。これによって、個々の導通路
のトータル長さは91.2μmとなった。導通路どうし
は、巻線時の整列巻きによって、図2(a)に示すよう
に、ほぼ最密の状態で集合しており、隣り合った2つの
導通路の中心軸線間距離は約30μmである。
【0044】実施例2 基本的な構造、製造方法は実施例1と同様である。本実
施例では、被覆層の材料を変性ポリエーテルスルホン樹
脂とし、フィルム基板の材料をポリエステル樹脂とし
た。巻線に用いた絶縁導線は、直径18μmの導線材料
に、変性ポリエーテルスルホン樹脂を3μm厚にコーテ
ィングして、さらにその上にポリエステル樹脂を10μ
m厚にコーティングし、全体として直径44μmとした
ものである。
【0045】フィルム基板の表面から突き出した銅線の
量は両面共20μm、フィルム基板1から銅線と共に突
き出した被覆層3の量は10μmである。実施例1と同
様に、突き出した銅線の露出した部分に厚さ0.5μm
のニッケルめっきを施し、さらにその表面に厚さ0.1
μmの金めっきを施した。隣り合った2つの導通路の中
心間距離は約35μmである。
【0046】比較例 基本的な製造方法は、絶縁電線の巻線、加熱加圧による
コイルブロック化、スライスであるが、構造は従来公知
のものであり、フィルム基板の表面から突き出した銅線
側面は樹脂で覆われてない。巻線に用いた絶縁電線は、
1種類のポリアミド樹脂だけを用いた1層の被覆層を有
するものである。銅線の突起の量は、両面共に等しく2
0μmである。突き出した銅線の表面全体に、厚さ0.
5μmのニッケルめっきを施し、さらにその表面に厚さ
0.1μmの金めっきを施した。隣り合った2つの導通
路の中心軸線間距離は約30μmである。
【0047】〔本発明と従来例との比較〕上記実施例
1、2および比較例で得られた異方導電性フィルムを各
々介在させて、半導体素子の検査を行い、異方導電性フ
ィルムの耐久性を比較した。
【0048】評価用の半導体素子の仕様は、次の通りで
ある。チップサイズ(10mm×10mm、厚さ500
μm)、電極のタイプ(Auスタッドバンプ)、電極の
バンプ径(70μm)、バンプ高さ(70μm)、電極
数(156個)、電極配置における中心間ピッチ(20
0μm)。
【0049】評価用の回路基板の仕様は、以下の通りで
ある。基板材料FR−4(ガラスエポキシ)、回路パタ
ーンの銅箔厚さ18μm、基板トータル厚さ1mm、回
路パターンの配線幅100μmと配線間100μm。
【0050】上記評価用の半導体素子と回路基板とを、
必要数だけ用意し、各異方導電性フィルムを介在させて
半導体素子と回路基板を接続し、接触荷重を加えて半導
体素子の電極が全点導通するのに必要な最小荷重を測定
し、1つの電極あたりの接触荷重として算出した。その
結果、上記実施例1、2、比較例の異方導電性フィルム
は、ともに1つの電極あたりの接触荷重が10gfであ
った。
【0051】各異方導電性フィルムに対して、回路基板
と半導体素子とを次々に新しいものに代えてゆき、10
gfの接触荷重を繰り返し加えて半導体素子の導通を調
べた。その結果、実施例1、2で得た異方導電性フィル
ムでは、100回接触荷重を加えても全点導通が得られ
たが、比較例による異方導電性フィルムでは35回目
に、全電極のうち2箇所に導通しない状態が発生した。
この試料の導通しない部分の導通路を調べたところ、突
起した導線が変形していた。一方、実施例1、2による
異方導電性フィルムでは、突起した導通路に変形は見ら
れなかった。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による異方
導電性フィルムは、突き出した導通路が周囲を樹脂によ
って支持されているので、繰り返しの試験にも導通路の
変形が少なく、従来よりも長寿命となっているため、信
頼性の高い機能検査が低コストで出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異方導電性フィルムの構造を模式的に
示す断面図である。ハッチングは、領域を区別するため
に用いている。
【図2】本発明における導通路の配列パターンの一例を
示す図である。同図はフィルム面の一部を拡大して示し
ており、フィルムの外周形状を示すものではない。同図
では、導通路だけにハッチングを施している。
【図3】本発明における導通路の先端部の種々の態様を
拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の異方導電性フィルムにおいて、選択的
なエッチングを施す前の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 フィルム基板 2 導通路 2a、2b 導通路の端面 2c 導通路の胴体側面 3 被覆用樹脂(被覆層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 祐治 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 5E319 BB16 CD51 5F043 AA29 DD15 GG10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性樹脂からなるフィルム基板中に、
    導電性材料からなる複数の導通路が、互いに絶縁され、
    フィルム基板を厚み方向に貫通した状態で配置され、 導通路は、少なくとも両端面が露出するようにその胴体
    側面を被覆用樹脂にて被覆されており、かつ被覆用樹脂
    に被覆された状態のままフィルム基板の少なくとも一方
    の面から突き出していることを特徴とする異方導電性フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 導通路のうち、被覆用樹脂に被覆された
    部分が金属導線である請求項1記載の異方導電性フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 導通路の端部が、フィルム基板の両方の
    面から突き出している請求項1記載の異方導電性フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 導通路の端部のうち、フィルム基板の面
    から突き出している部分の胴体側面の10%〜100%
    が被覆用樹脂に被覆されている請求項1記載の異方導電
    性フィルム。
  5. 【請求項5】 導通路の端部のうちの先端部が、該導通
    路を被覆する被覆用樹脂からさらに突き出して露出して
    いる請求項1記載の異方導電性フィルム。
  6. 【請求項6】 導通路の端面に、導通路形成材料とは異
    なる金属が堆積したものである請求項5記載の異方導電
    性フィルム。
  7. 【請求項7】 上記絶縁性樹脂と上記被覆用樹脂とが、
    互いに選択的にエッチングし得る関係にあり、導通路の
    端部が被覆用樹脂と共にフィルム基板の面から突き出し
    ている状態が、フィルム基板を表面から選択的にエッチ
    ングする事によって達成されたものである請求項1記載
    の異方導電性フィルム。
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