JPH10284156A - 異方導電性シートおよびその製造方法 - Google Patents

異方導電性シートおよびその製造方法

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JPH10284156A
JPH10284156A JP8830297A JP8830297A JPH10284156A JP H10284156 A JPH10284156 A JP H10284156A JP 8830297 A JP8830297 A JP 8830297A JP 8830297 A JP8830297 A JP 8830297A JP H10284156 A JPH10284156 A JP H10284156A
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sheet
anisotropic conductive
hole
conductive sheet
holes
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JP8830297A
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Yuji Hotta
祐治 堀田
Mitsuru Shimizu
満 清水
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/0213Electrical arrangements not otherwise provided for
    • H05K1/0216Reduction of cross-talk, noise or electromagnetic interference
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/325Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by abutting or pinching, i.e. without alloying process; mechanical auxiliary parts therefor

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  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体装置で処理される信号の周波数が超高
周波域となっても、雑音特性の劣化などの障害が発生す
ることの少ない異方導電性シートを提供すると共に、こ
の異方導電性シートの好ましい製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 絶縁性材料からなるシート1に、該シー
トの厚み方向を貫通する1以上の貫通孔2を設け、貫通
孔内には、該貫通孔の全長にわたって連なる導電性材料
からなる1以上の導通路部3と、内部に貫通孔の内壁面
が露出している1以上の空洞部4とを設ける。空洞部4
は、マスク層越しにエッチングし形成するのがよく、特
に、貫通孔がシート中のどのような位置にあるかに関係
なく、シート全面にわたって均一で規則的な縞状のマス
クパターンのマスク層を用いて行なうのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICチップのボン
ディングや、微細な回路同士の面と面とを合わせて行な
う接続などに介在させて用いられる異方導電性シートに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ICやLSIなどにおいて結晶基
板上に形成された配線回路パターンがさらに高集積化す
るに伴い、これらのチップ上の微細な電極や導体部分
を、フィルムキャリアなどの外部基板の微細な配線パタ
ーンに接続するのに、異方導電性シートが使用されてい
る。異方導電性シートは、一定方向にのみ導電性を示す
シートであって、例えば、シートの厚み方向にのみ導電
性を示すが、シートの面が拡がる方向には導電性を示さ
ない。
【0003】従来の異方導電性シートの代表的な構造と
して、図6に断面を示すように、絶縁性材料からなるシ
ート1A中に、多数の導通路2Aが、互いに絶縁された
状態で、かつシート1Aを厚み方向に貫通した状態で配
置された構造のものが挙げられる。各導通路の両端面
は、各々シートの両面に露出している。異方導電性シー
トを介在させて素子の実装などを行なうことによって、
微小なベアチップ上の多数の電極部に現れる電気信号
は、隣同士互いに混ざり合うことなく、シートを貫通し
て外部の基板上の配線パターンに伝達される。
【0004】また、100MHz〜10GHz程度の高
周波回路等で使用される半導体チップを接続、実装する
場合には、異方導電性シートによる接続は、ワイヤーボ
ンディングによる接続に比べて導通路が短いことから、
その部分に発生するノイズは抑制される。その結果、半
導体ベアチップと異方導電性シートとを含めた半導体装
置全体としての雑音特性の劣化など、高周波域において
顕著となる障害が、ワイヤーボンディング接続されたも
のと比べて改善されるという長所がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし近年、半導体装
置で処理される信号の周波数は、1GHz〜50GHz
程度の超高周波域に拡大しつつある。例えば、移動電話
(自動車電話、携帯電話)においては、ニーズの急増に
伴い、利用できる電波を確保するため、より高い周波数
帯域の使用が検討されている。
【0006】本発明者らは、信号の周波数が上記のよう
な超高周波域となった場合には、たとえ異方導電性シー
トによる接続であっても上記障害が顕著になることを新
たなる問題とした。本発明の課題はこの問題を解決し、
半導体装置で処理される信号の周波数が超高周波域とな
っても、雑音特性の劣化などの障害が発生することの少
ない異方導電性シートを提供すると共に、この異方導電
性シートの好ましい製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の異方導電性シー
トは、以下の特徴を有する。 (1)絶縁性材料からなるシートに、該シートの厚み方
向を貫通する1以上の貫通孔が設けられ、貫通孔内に
は、該貫通孔の全長にわたって連なる導電性材料からな
る1以上の導通路部と、内部に貫通孔の内壁面が露出し
ている1以上の空洞部とが設けられていることを特徴と
する異方導電性シート。
【0008】(2)当該異方導電性シートの面上に、二
つの帯状領域が交互に配列された平行縞模様を想定した
とき、上記空洞部のシート面における開口部が、一方の
帯状領域のみに存在するものである上記(1)記載の異
方導電性シート。
【0009】(3)シート面における貫通孔の配置が、
不規則な配列パターンを有するものである上記(2)記
載の異方導電性シート。
【0010】(4)貫通孔が、シート面の垂線に対して
角度をなすよう設けられたものである上記(1)記載の
異方導電性シート。
【0011】(5)絶縁性材料が接着性材料である上記
(1)記載の異方導電性シート。
【0012】(6)貫通孔の内壁面の表層が、シートの
母材となる上記絶縁性材料とは異なる第2の絶縁性材料
によって形成されたものである上記(1)記載の異方導
電性シート。
【0013】(7)シートの母材となる上記絶縁性材料
と第2の絶縁性材料のうちの少なくとも一方が接着性材
料である上記(6)記載の異方導電性シート。
【0014】(8)導通路部の両端部の少なくとも一方
の端部に、シート面から突起し接点材料からなる突起物
が設けられている上記(1)記載の異方導電性シート。
【0015】また、本発明の製造方法は次の特徴を有す
るものである。 (9)絶縁性材料からなるシートに設けられた複数の貫
通孔内に導電性材料が充填されてなる導通路を有する異
方導電性シート部材の、前記導通路をエッチングするこ
とによって、各貫通孔内に貫通孔の全長にわたって連な
る導電性材料からなる導通路部と、内部に貫通孔の内壁
面が露出している空洞とを形成する工程を有することを
特徴とする異方導電性シートの製造方法。
【0016】(10)上記エッチングが、シート全面に
わたって均一で規則的なマスクパターンのマスク層を用
いて行われるものであり、そのマスクパターンが、帯状
のマスク部分と帯状の透過部分とが交互に並んだ平行縞
状のパターンであり、マスク部分の帯の幅および透過部
分の帯の幅が共に貫通孔の内径未満である上記(9)記
載の製造方法。
【0017】(11)異方導電性シート部材が、少なく
とも下記(a)、(b)の工程を経て製造されたもので
ある上記(9)記載の製造方法。 (a)導通路部の材料からなる線材にシートの材料から
なる被覆層が設けられた絶縁導線を、芯材上に巻線しな
がらまたは巻線した後に、巻線コイルを加熱および/ま
たは加圧して、巻線の層内・層間で隣接する絶縁導線の
被覆層どうしを融着および/または圧着させて一体化し
巻線コイルブロックを形成する工程。 (b)前記(a)の工程で得られた巻線コイルブロック
を、巻きつけられた線材と角度をなして交差する平面を
断面として、形成すべきシートの厚さに切り出す工程。
【0018】
【作用】従来の異方導電性シートでは、図6に示すよう
に、導通路の側面外周は全周を誘電体(シートの材料)
によって囲まれた構造であったが、本発明の異方導電性
シートでは、導通路の側面外周のうち少なくとも一部
に、導通路と貫通孔内壁面との間に空隙が存在する。従
って、導通路の周囲での誘電損失は、その空隙の部分で
は軽減される。この異方導電性シートをICチップの実
装に介在させて得られた半導体装置では、例えば高周波
域における雑音特性の劣化が抑制される。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明による異方導電性シートの
構造および製造方法を説明する。図1(a)は、本発明
による異方導電性シートのシート面を示す平面図、図1
(b)は、図1(a)におけるX−X断面図である。図
1(a)では、領域を区別するためのハッチングを施し
ている。本発明による異方導電性シートは、絶縁性材料
からなるシート1に、このシートの厚み方向を貫通する
貫通孔2が1以上設けられている。各貫通孔は、隣同士
が互いに接触し連通することがないように設けられてお
り、各貫通孔内には、1以上の導通路部3(同図では1
つ)と、空洞部4(同図では4a、4bの2つ)とが設
けられている。導通路部3は、貫通孔2の全長にわたっ
て連なる導電性材料からなり、貫通孔の両開口に露出す
るものである。空洞部4は、その内部に貫貫通孔の内壁
面が露出するものである。同図の例では、空洞部は、貫
通孔の全長にわたって連なる空間であって、内部には全
長にわたって貫通孔の内壁面が露出している。
【0020】シートの母材として用いられる絶縁性材料
としては、従来の異方導電性シートに用いられる公知の
絶縁性材料を用いてよい。また、本発明の異方導電性シ
ートを用いて、プリント基板と半導体素子とを導通させ
ると同時に接着させるならば、シートの母材に接着性材
料を用いることが好ましい。接着性材料は、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂を問わず、公知の接着性材料が挙げら
れる。ここで「接着性材料」とは、それ自体がそのまま
の状態で接着性を示すか、あるいはそのままの状態では
接着性を示さないが、加熱および/または加圧により接
着可能となる材料をいい、例えば、加熱および/または
加圧により、融着および/または圧着する熱可塑性樹脂
や、加熱により熱硬化する熱硬化性樹脂をいう。
【0021】接着性材料としては、熱可塑性ポリイミド
樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリア
ミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル
樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、目的に応じ
て適宜選択される。これらの樹脂は単独でもあるいは2
種以上混合して使用してもよい。
【0022】シートの母材として接着性の熱可塑性樹脂
を用いた場合には、リワークが可能であるという利点が
あり、一方、シートの母材として接着性の熱硬化性樹脂
を用いた場合には、高温での接着信頼性が高くなるとい
う利点を有する。熱可塑性樹脂かあるいは熱硬化性樹脂
かの選択は、本発明の異方導電性シートの用途に応じて
適宜決定してよい。またこれらの樹脂には、その用途に
応じ、各種の充填剤、可塑剤等あるいはゴム材料を添加
してもよい。
【0023】シートの厚さは、好ましくは25〜200
μm、より好ましくは50〜100μmである。厚みが
25μm未満の場合、異方導電性シートの接着力が劣る
傾向にあり、逆に200μmを超える場合、後述のエッ
チングによる空洞部の加工が十分になされないために好
ましくない。
【0024】貫通孔の開口形状、大きさ、数は、本発明
の異方導電性シートの用途により適宜選択される。例え
ば図1に示すように、貫通孔の開口形状が円形の場合、
貫通孔の直径は20μm〜200μm程度が好ましい。
貫通孔の中心間ピッチは前記直径に応じて、10μmを
超え100μm程度までが好ましく、隣合った貫通孔が
接触して互いに連通しない程度で配置されていることが
好ましい。各貫通孔の断面積が小さすぎたりあるいは数
が少なすぎると導電性が劣り、逆に各貫通孔が大きすぎ
たりあるいは数が多すぎると、本発明の異方導電性シー
トの強度が劣るとともに、接続ピッチの微細化に対応で
きないので好ましくない。
【0025】図2に例示するように、貫通孔2の内壁面
の表層5を、シートの母材とは異なる第2の絶縁性材料
によって形成してもよい。この表層はさらに多層であっ
てもよい。このような構造とすることによって、シー
トの母材と導通路部の導電性材料との密着性、得られ
る異方導電性シートの強度、耐熱性などを向上させる
ことができ、さらには、シート面の拡張方向に関する
線膨張係数を自在に設定することもできる。
【0026】上記シートの母材の説明で述べたように、
本発明の異方導電性シートに接着性を付与する場合、シ
ートの母材と第2の絶縁性材料とのうち、少なくとも一
方を接着性材料とすればよく、接着性が良好となる点
で、両方の材料が接着性材料であることが好ましい
【0027】導通路部は、少なくともシートの厚み方向
に連なって貫通し、貫通孔の両開口に端面が露出するよ
うに設けられる。導通路部の材料には、公知の導電性材
料を用いてよく、例えば、銅、金、アルミニウム、ニッ
ケル等の金属材料、または、これらの金属材料とポリイ
ミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等
の有機材料との混合物が挙げられる。導電性材料は、本
発明の異方導電性シートの用途により適宜選択される
が、電気特性の点で金属材料が好ましく、特に導電性の
点で銅、金が好ましい。
【0028】空洞部は、スルーホールめっきに見られる
ような導通路内部の空洞とは異なり、導通路部とシート
材料(誘電体)との間に、より多くの空気層を形成する
ように設けられるものである。従って、導通路部に沿っ
て貫通孔の全長にわたって設けられ、かつ、該空洞部内
には貫通孔の全長にわたって貫通孔の内壁が露出してい
るのが好ましい。空洞部を導通路部の周囲にどのような
パターンで設けるかは任意である。例えば、空洞部が導
通路部の外周側面の全周にわたるものであっても、貫通
孔の全長に達しなければ導通路部はシートに支持され
る。また、導通路部が端面において、シート表面に形成
された回路パターンなどを介してシートに支持され得る
のであれば、導通路部の全周・全長にわたってシートと
の間に空隙が設けられるような空洞部でもよい。
【0029】次に、本発明による異方導電性シートの好
ましい製造方法を説明する。本発明による製造方法は、
貫通孔内に導電性材料が充填された状態の導通路を有す
る異方導電性シート部材を用い、その導通路に対して、
貫通孔の内壁が露出するようにマスク層を介してエッチ
ングを施し空洞部を形成し、残部を導通路部として本発
明による異方導電性シートを得るものである。エッチン
グは、公知の方法を用いてよい。
【0030】本発明の製造方法のなかでも特に好ましい
方法として、加工対象として用いる異方導電性シート部
材のシート面中に、貫通孔が、規則的な配置や不規則な
配置など、どのように配置されていても、それとは無関
係に、シート全面にわたって均一で規則的なマスクパタ
ーンを有するマスク層をシートの片面に配置し、エッチ
ングを施す方法が挙げられる。このとき、マスクパター
ンのマスク部分と露出部分とは、共に貫通孔の開口形状
を包含しない大きさとすべきであり、エッチングが全く
なされなかった貫通孔や、導通路部が全く残らなかった
貫通孔が発生しないようにする。
【0031】この製造方法によって得られた異方導電性
シートは、例えば、貫通孔の配置パターンが不規則な場
合、空洞部(その残部である導通路部も同様)の形状は
貫通孔毎に異なるものとなるが、この異方導電性シート
中の全ての空洞部は、一つの規則的な縞模様の一部とし
てシート面中に位置するものとなる。例えば、図3で
は、貫通孔がどのような位置にあっても、全ての導通路
と空洞部とは、一つの縞模様の一部になっている。
【0032】この製造方法は、貫通孔の位置を個々に着
目しない簡単なエッチング工程でありながら、全体とし
て誘電損失が効果的に抑制された好ましい構造が得られ
るものである。
【0033】マスク層は、公知のレジスト層のように加
工対象となる異方導電性シート部材の面上に直接形成す
るものでも、マスクパターンを有する板状に別途形成さ
れた部材であってもよい。
【0034】マスクパターンは、帯状のマスク部分と帯
状の透過部分とが縞模様を成すよう交互に配列された縞
状のマスクパターンや、円形や多角形の透過部分がマス
ク面中に配列された水玉模様状のマスクパターンなどが
挙げられ、貫通孔内に、導通路部と空洞部とをどのよう
な比で存在させるかによって、適宜選択する。
【0035】図3は、縞状のマスクパターンを用いてエ
ッチングした場合に得られる構造を例示する図である。
図中、一点鎖線は縞状のマスクパターンを意味してい
る。同図で明らかなように、各貫通孔毎に導通路部と空
洞部とが占める領域の割合やパターンは異なっている。
例えば、貫通孔21では、円形の開口領域のうち、中央
の部分(ハッチング部分)が導通路部31となり、これ
を挟む両側の部分が空洞部41a、41bとなってい
る。これとは全く逆に、貫通孔22では、中央の部分が
空洞部4となる。また、貫通孔23では、円形の開口領
域は、導通路部と空洞部とによって2分割されている。
【0036】縞状のマスクパターンの場合、マスク部分
の帯の幅、透過部分の帯の幅は、共に貫通孔の内径未満
に設定すべきである。図3における縞状のマスクパター
ンの、マスク部分の帯の幅mと、透過部分の帯の幅nと
の比は任意であるが、m:n=1:3〜3:1程度が好
ましい範囲である。nがこれ未満の小さな比率になれ
ば、空洞部が小さくなって誘電損失を低減する効果が低
下する。逆に、mがこれ未満の小さな比率になれば、導
通路部が小さくなって、導通路としての抵抗値が大きく
なり、また、強度上の問題が発生する。
【0037】貫通孔は、図4に例示するように、シート
面の垂線に対して角度θをなして設けられてもよい。こ
れによって、たとえ空洞部がシートの厚さ方向に形成さ
れたとしても、導通路部にはシート面の垂線に対して角
度をなす斜めの部分が存在するので、この部分によっ
て、シート厚さの方向に接触荷重が作用しても力がシー
トに分散され、クッションの効果となって接触信頼性が
向上する。なお、このクッションの効果がよく発揮され
るためには、貫通孔がシート面の垂線に対してなす角度
θを、10度以上、30度以下の範囲とするのが好まし
い。また、マスクパターンが縞状である場合、マスクの
縞の方向を適宜選択し、斜めの貫通孔内に形成される空
洞部と導通路部の形状を変化させてもよい。
【0038】本発明の製造に用いられる異方導電性シー
ト部材は、貫通孔内へのめっきによる金属の充填など、
どのように形成されたものであってもよく、従来公知の
異方導電性シートを用いてもよいが、好ましい製造方法
として、絶縁導線を芯材に巻き付け、ブロックとして固
めた状態で切り出す方法が挙げられる。この製造方法の
工程を次に概略的に例示する。
【0039】(1)先ず、導通路部の材料からなる線材
の表面に、シートの材料からなる被覆層を形成し、絶縁
導線とする。この例では、被覆層は最終的にシートの母
材部分となる。また、図2で説明したように、貫通孔の
内壁面の表層を、シートの母材とは異なる第2の絶縁性
材料によって形成する場合には、線材の表面に第2の絶
縁性材料からなる被覆層を形成した上に、シートの母材
となるべき絶縁材料にて被覆層を形成する。表層が何層
であっても、貫通孔の表面から深層へ向かう順番通り
に、線材の表面から順に被覆する。
【0040】線材の太さは、本発明の異方導電性シート
の用途により適宜選択されるが、好ましくは直径20μ
m〜200μm程度であって、この値が上記説明した貫
通孔の内径となる。被覆層を形成する方法としては、絶
縁導線の製造に用いられる従来技術を採用してよく、例
えば溶剤コーティング(湿式コーティング)、溶融コー
ティング(乾式コーティング)等が挙げられる。被覆層
の厚みは、所望する貫通孔間の間隔により適宜選択され
るが、好ましくは10〜100μm、より好ましくは2
0〜50μmである。
【0041】(2)上記で得られた絶縁導線を用い、図
5に示すように芯材6を用いて巻線を行なう。送りピッ
チなど巻線仕様は限定されないが、細密に近づくように
巻くことが好ましい。
【0042】芯材は、円柱、角柱などの柱状物が用いら
れる。特に、このロール状物7を切りだして異方導電性
シートとする有用性をより顕著なものとするには、絶縁
導線が部分的に直線状となって束になる四角柱状の芯材
が好ましい。
【0043】(3)巻線を行いながら形成されつつある
コイル、または、巻き終わったコイルに対して、加熱お
よび/または加圧、好ましくは加熱、より好ましくは加
熱および加圧を施し、巻線の層内・層間で隣接する絶縁
導線の被覆層どうしを融着および/または圧着させ、一
体化して巻線コイルブロックとする。
【0044】この工程において、温度は、被覆層の材料
に応じて適宜選択されるが、通常は、材料の軟化点〜3
00℃程度であり、具体的には50〜300℃程度であ
る。絶縁材料として熱硬化性樹脂を使用した場合には、
硬化温度よりも低い温度で加熱される。また圧力は、好
ましくは1〜100kg/cm2 、より好ましくは2〜
20kg/cm2 程度である。
【0045】(4)図5に示すように、巻線コイルブロ
ックを、巻きつけられた線材と角度をなして交差する平
面を断面として、所定の間隔でカットする。同図中、S
は切断工具である。カットするときの所定の間隔は、シ
ートの厚さとなる寸法であり、カットの間隔を変えるこ
とによりシートの厚みを任意に設定できる。また、カッ
ト後にさらに厚みを微調整する加工を施してもよい。
【0046】以上の工程を含む製造方法によって、上記
異方導電性シート部材が得られる。このような製造方法
によれば、シートの面が拡がる方向に関する線膨張係数
を自在に設定でき、また安価に製造できる。また、この
製造方法によって得られる異方導電性シート部材を用い
る場合には、本発明の製造方法の有用性は次のように最
も顕著となる。
【0047】即ち、上記異方導電性シート部材は巻線に
よって得られたものであるから、極細線で一点の巻き乱
れもない完全な最密巻きを得ることは技術的にもコスト
的にも困難である。従って、シート面中の貫通孔の配置
パターンは、ある程度の不規則な部分を含んでいること
が予想される。ところが上記したように、本発明の好ま
しい製造方法では、シート面中における貫通孔の配置パ
ターンが規則的であっても不規則であっても、それとは
無関係に前記マスク層をシートの片面に配置しエッチン
グを施して異方導電性シートを形成するものであるか
ら、巻線によって得られた異方導電性シート部材の短所
である貫通孔の不規則な配置をカバーしながら、上記長
所だけを安価に利用できるものとなる。
【0048】本発明の異方導電性シートでは、導通路部
の両端部の少なくとも一方の端部に、シート面から突起
する電気接点を設けてもよい。突起の形状は限定され
ず、円柱状や半球状など公知のバンプ接点の形状でよ
い。また、導通路部の両端部の少なくとも一方の端部が
シート面から窪んだ態様でもよい。当該異方導電性シー
ト中に形成される導通路部のうちのどの導通路部のどち
らの端面を、突起状の電気接点とし、また、窪みとする
かは、全組合せを自由に選択してよい。このような異方
導電性シートは、例えば、半導体素子の実装、フレキシ
ブル基板の接続および各種コネクターの用途に適してい
る。
【0049】本発明では、シート面中での貫通孔の配置
パターンを規則的にまたは設計通りに精密に加工し、こ
れにマスクパターンを意図どおりに正確に対応させて、
導通路部と空洞部との分割パターンを個々の貫通孔毎に
自在に設定してもよい。例えば、製品として、貫通孔内
に形成された導通路部と空洞部との分割パターンが、全
ての貫通孔にわたって同一のものなどでもよい。
【0050】
【実施例】以下に、本発明による異方導電性シートを実
際に製造した例を示す。 実施例1 直径100μmの銅線の表面に、ポリエーテルイミド樹
脂(ウルテム−1000、日本ポリイミド製)で厚み2
5μmの被覆層を形成し、次いで図5に示すように、ポ
リイミド芯材(断面形状30mm×30mm、幅(全
長)300mmのの角柱状)に、細密充填されるよう
に、層数1000層の巻線をおこなった。
【0051】得られたコイルを約300℃に加熱しなが
ら、60kg/cm2 に加圧し、ポリエーテルイミド樹
脂を融着させ、室温まで冷却し、線材同士が互いに絶縁
状態で一体的となった巻線コイルブロックを得た。図5
に示すように、この巻線コイルブロックを、カット厚1
0mmで、巻き付けられた線材と略垂直に交わる面が切
断面となるように切断して、300mm×約120m
m、厚さ約10mmのシート部材を得た。得られたシー
トをさらに厚さを分割するようにスライスすることによ
り、300mm×約120mm、厚さ約100μmの異
方導電性シート部材を得た。
【0052】このシート部材の一方の面に、幅20μm
の帯状のマスク部分と、幅20μmの帯状の透過部分と
が縞状に交互に配列されたマスク板を密着させて、該マ
スクの上からエッチング液によりエッチング処理を行
い、本発明による異方導電性シートを得た。
【0053】実施例2 本実施例では、実施例1における縞状のマスクパターン
の仕様を変更したこと以外は、実施例1と同様の工程に
て本発明による異方導電性シートを得た。縞状のマスク
パターンの仕様は、マスク部分の帯の幅が30μm、透
過部分の帯の幅が20μmである。
【0054】比較例 公知のキャスティング法によって作成したポリイミドシ
ートの表面に、発振波長248nmのKrFエキシマレ
ーザー光を照射して、孔径40μmの貫通孔を複数設け
た。このポリイミドシートの表裏面のいずれか一方に、
導電層として銅箔を積層して銅箔上にレジスト層を形成
後、水洗し、銅箔部を電極に接続して60℃の無電解C
uメッキ浴に浸漬し、貫通孔内に銅を析出させて充填
し、従来公知の異方導電性シートを得た。
【0055】実施例1、2、および比較例で得られた各
々の異方導電性シートの性能を調べるため、これらを用
いて半導体素子を回路基板に貼着して半導体装置を形成
して、各々の半導体装置の雑音特性を測定した。各々の
半導体装置の試料数は各々20とし、周波数f=4〜1
2〔GHz〕における雑音指数を測定した結果、実施例
1、2の異方導電性シートを用いた半導体装置の雑音指
数が明らかに低減されていることがわかった。
【0056】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
異方導電性シートは、接触対象物が狭ピッチであっても
高い信頼性をもって接続でき、また、雑音特性を劣化さ
せないなど、超高周波域での障害を抑制した半導体装置
を得ることができる。また、本発明の製造方法によれ
ば、この異方導電性シートを簡単に低コストで得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による異方導電性シートの一例を示す図
である。
【図2】本発明による異方導電性シートの他の例を示す
図である。
【図3】本発明による異方導電性シートにおいて、縞状
のマスクパターンを用いてエッチングした場合に得られ
る構造を例示する図である。
【図4】本発明による異方導電性シートの他の例を示す
図である。
【図5】本発明に用いられる異方導電性シート部材の、
好ましい製造方法を示す図である。
【図6】従来の異方導電性シートの代表的な構造を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 シート 2 貫通孔 3 導通路部 4 空洞部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性材料からなるシートに、該シート
    の厚み方向を貫通する1以上の貫通孔が設けられ、貫通
    孔内には、該貫通孔の全長にわたって連なる導電性材料
    からなる1以上の導通路部と、内部に貫通孔の内壁面が
    露出している1以上の空洞部とが設けられていることを
    特徴とする異方導電性シート。
  2. 【請求項2】 当該異方導電性シートの面上に、二つの
    帯状領域が交互に配列された平行縞模様を想定したと
    き、上記空洞部のシート面における開口部が、一方の帯
    状領域のみに存在するものである請求項1記載の異方導
    電性シート。
  3. 【請求項3】 シート面における貫通孔の配置が、不規
    則な配列パターンを有するものである請求項2記載の異
    方導電性シート。
  4. 【請求項4】 貫通孔が、シート面の垂線に対して角度
    をなすよう設けられたものである請求項1記載の異方導
    電性シート。
  5. 【請求項5】 絶縁性材料が接着性材料である請求項1
    記載の異方導電性シート。
  6. 【請求項6】 貫通孔の内壁面の表層が、シートの母材
    となる上記絶縁性材料とは異なる第2の絶縁性材料によ
    って形成されたものである請求項1記載の異方導電性シ
    ート。
  7. 【請求項7】 シートの母材となる上記絶縁性材料と第
    2の絶縁性材料のうちの少なくとも一方が接着性材料で
    ある請求項6記載の異方導電性シート。
  8. 【請求項8】 導通路部の両端部の少なくとも一方の端
    部に、シート面から突起し接点材料からなる突起物が設
    けられている請求項1記載の異方導電性シート。
  9. 【請求項9】 絶縁性材料からなるシートに設けられた
    複数の貫通孔内に導電性材料が充填されてなる導通路を
    有する異方導電性シート部材の、前記導通路をエッチン
    グすることによって、各貫通孔内に貫通孔の全長にわた
    って連なる導電性材料からなる導通路部と、内部に貫通
    孔の内壁面が露出している空洞とを形成する工程を有す
    ることを特徴とする異方導電性シートの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記エッチングが、シート全面にわた
    って均一で規則的なマスクパターンのマスク層を用いて
    行われるものであり、そのマスクパターンが、帯状のマ
    スク部分と帯状の透過部分とが交互に並んだ平行縞状の
    パターンであり、マスク部分の帯の幅および透過部分の
    帯の幅が共に貫通孔の内径未満である請求項9記載の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 異方導電性シート部材が、少なくとも
    下記(a)、(b)の工程を経て製造されたものである
    請求項9記載の製造方法。 (a)導通路部の材料からなる線材にシートの材料から
    なる被覆層が設けられた絶縁導線を、芯材上に巻線しな
    がらまたは巻線した後に、巻線コイルを加熱および/ま
    たは加圧して、巻線の層内・層間で隣接する絶縁導線の
    被覆層どうしを融着および/または圧着させて一体化し
    巻線コイルブロックを形成する工程。 (b)前記(a)の工程で得られた巻線コイルブロック
    を、巻きつけられた線材と角度をなして交差する平面を
    断面として、形成すべきシートの厚さに切り出す工程。
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