JP2001006457A - 異方導電性シート製造用金型及びその製造方法 - Google Patents

異方導電性シート製造用金型及びその製造方法

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JP2001006457A
JP2001006457A JP11174278A JP17427899A JP2001006457A JP 2001006457 A JP2001006457 A JP 2001006457A JP 11174278 A JP11174278 A JP 11174278A JP 17427899 A JP17427899 A JP 17427899A JP 2001006457 A JP2001006457 A JP 2001006457A
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mold
anisotropic conductive
manufacturing
conductive sheet
magnetic pole
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Kazumi Hanawa
一美 塙
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非磁性体部の耐久性がすぐれ、かつ非磁性体
部が剥離しにくく、かつメッキ層形成時間を短縮するこ
とが可能な異方導電性シートの製造用金型の製造方法を
提供すること。 【解決手段】 この製造方法は、銅メッキが付着しない
マスク部材76を小磁極部78上に形成している。この
ため、銅メッキにより凹部に非磁性体部を形成する際、
小磁極部78上にはマスク部材76があるので、小磁極
部78上に銅メッキが付着するのを防ぐことができる。
よって、小磁極部78上に付着しなかったこの銅メッキ
も凹部の埋め込みに使われるので、銅メッキ層82の厚
みを大きくすることなく、凹部を銅メッキ層82で埋め
込むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異方導電性シート
の製造に用いる金型及びその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】異方導電性シートは、ICおよびプリント
回路基板の検査治具、あるいは実装用ICソケットおよ
びプリント回路基板用コネクタ、あるいはその周辺部に
おけるICカード用コネクタなど、特に微細な多点電気
接続を達成するために用いられる。
【0003】従来、前述のような技術分野に用いられて
いる異方導電性シートは、厚さ方向にのみ導電性を有す
るもの、または、加圧されたときに厚さ方向にのみ導電
性を示す多数の加圧導電性導電部を有するものであり、
種々の構造のものが、例えば、特公昭56−48951
号公報、特開昭51−93393号公報、特開昭53−
147772号公報、特開昭54−146873号公
報、特開平7−105741号公報、米国特許第4,2
92,261号公報などにより、知られている。以下
に、異方導電性シートの概略を説明する。
【0004】図16及び図17に示すように、異方導電
性シート200を表面から見ると、例えば、シリコーン
ゴムからなる厚さ1mm程度の絶縁性シート202に、
多数の導電部204が島状にあるいは帯状に形成されて
いる。導電部204は、導電性強磁性粒子(例えば、ニ
ッケル粒子)が異方導電性シート200の厚さ方向に連
続して連なった粒子列が複数個集合して形成されたもの
である。この異方導電性シート200は、厚さ方向には
導電性を有するが、面方向には導電性を有しないので、
異方導電性シートと呼称されている。
【0005】なお、異方導電性シートには、シート材料
のゴム弾性による加圧導電性を利用したものと、単に良
導電性を利用するものとがあるが、基本構成は同じであ
り、本発明においても一方に限定するものではない。ま
た、前記の例では、異方導電性シートにおける導電部2
04と絶縁性シート202とが同じ水平面に形成された
ものであるが、特開平7−105741号に記載された
もの、すなわち、異方導電性シートの導電部が絶縁部の
面から凸状に少し盛り上がった形状であってもよい。ま
た、凹状にへこんだ形状であってもよい。
【0006】異方導電性シートは金型を用いて製造され
る。異方導電性シートの製造用金型の作製方法の一例に
ついて、図18〜図20を用いて説明する。図18に示
すように、まず、フォトリソグラフィ技術及びエッチン
グ技術により、強磁性体からなる基板216に導電部の
パターンに対応したパターンの小磁極部Mを形成する。
小磁極部Mはこの段階では凸状である。次に、図19に
示すように、基板216の凹部を埋め込むように、銅メ
ッキをし、銅メッキ層218を形成する。図20に示す
ように、銅メッキ層218を全面エッチングし、銅メッ
キ層218からなる非磁性体部Nを形成する。以上の工
程により、一方の金型220が完成する。他方の金型も
同様の方法で作製する。
【0007】このような一方の金型と他方の金型とを用
いた異方導電性シートの製造方法を簡単に説明する。一
方の金型と他方の金型とを組み合わせ、二枚一組からな
る金型を組み立てる。この金型は成形空間を有する。成
形空間に、液状のシリコーンゴムに導電性強磁性粒子を
混合したもの(成形材料)を入れる。そして、一対の電
磁石の磁極間にこの金型を置く。成形空間に磁場をかけ
ると、導電性強磁性粒子は一対の小磁極部M間で磁場の
方向に整列する。この状態で液状シリコーンゴムを加熱
して硬化させると、異方導電性シートが出来上がる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、強磁
性体からなる基板をエッチングし、凹部に銅メッキ層を
埋め込むことにより、非磁性体部を形成している。銅メ
ッキ層形成工程について詳述する。図21は小磁極部M
が形成されている状態を示している。小磁極部M間には
凹部222がある。図22に示すように、凹部を埋め込
むように、銅メッキをし、銅メッキ層218を形成す
る。図22に示す状態では、凹部222はまだ銅メッキ
層218で埋め込まれていない。図23に示すように、
銅メッキ層218をさらに厚くし、凹部222に銅メッ
キ層218を完全に埋め込む。
【0009】ところで、導電性強磁性粒子を良好に磁場
配向させるためには、小磁極部Mにより発生する磁場勾
配をできるだけ大きくする必要がある。小磁極部Mによ
り発生する磁場勾配を大きくするためには、図21に示
す小磁極部Mの高さhを大きくしなければならない。小
磁極部Mの高さhが大きくなると、凹部222に銅メッ
キ層を埋め込むためには、図23に示すように、銅メッ
キ層218の厚みtを大きくしなければならない。
【0010】しかし、メッキには時間がかかるので、銅
メッキ層218の厚みtが大きくなればなるほど、メッ
キに要する時間が増える。これは、異方導電性シート製
造用金型の製造に要する時間がそれだけ増えることを意
味する。また、銅メッキ層218の厚みtが大きくなる
と、銅メッキ層218が硬化する際に発生する応力もそ
れにつれて大きくなる。銅メッキ層218が硬化する際
に発生する応力が大きくなると、それだけ、銅メッキ層
218が剥離しやすくなる。
【0011】また、異方導電性シートの導電部間の距離
が微細化することにより、凹部222の横寸法に対する
縦寸法の比率が大きくなる。これにより、銅メッキ層2
18を凹部222に完全に埋め込むことが難しくなり、
非磁性体部に空隙が発生することがある。すなわち、図
22に示すように、小磁極部Mにも銅メッキ層218が
付着している。特に、小磁極部Mの角部224では銅メ
ッキの付着量が多く、凹部222が完全に埋め込まれる
前に、一方の小磁極部Mの角部224に付着した銅メッ
キ層218が他方の小磁極部Mの角部224に付着した
銅メッキ層218とつながり、空隙ができる可能性があ
る。この空隙は非磁性体部の耐久性の劣化、すなわち、
異方導電性シート製造用金型の耐久性の劣化につなが
る。
【0012】本発明は係る従来の課題を解決するために
なされたものであり、本発明の目的は、非磁性体部の耐
久性がすぐれ、かつ非磁性体部が剥離しにくく、かつメ
ッキ層形成時間を短縮することが可能な異方導電性シー
トの製造用金型の製造方法及びこれにより製造される異
方導電性シートの製造用金型を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、異方導電性シ
ートの導電部のパターンに対応するパターンの小磁極部
と、異方導電性シートの絶縁部のパターンに対応するパ
ターンの非磁性体部と、を備えた異方導電性シート製造
用金型の製造方法であって、(a)磁性体基板の表面を
選択的に除去することにより、非磁性体部のパターンに
対応する凹部と、小磁極部のパターンに対応する凸部
と、を磁性体基板に形成する工程と、(b)メッキが付
着しない又は付着しにくいマスク部材を凸部上に形成す
る工程と、(c)メッキにより凹部に非磁性体材料を含
むメッキ層を埋め込むことにより、非磁性体部を形成す
る工程と、を備える。
【0014】本発明にかかる異方導電性シート製造用金
型の製造方法は、工程(b)により、メッキが付着しな
い又は付着しにくいマスク部材を凸部上に形成してい
る。このため、工程(c)において、メッキにより凹部
に非磁性体部を形成する際、凸部上にはマスク部材があ
るので、凸部上にメッキが付着するのを防ぐことができ
る。よって、凸部上に付着しなかったこのメッキ層も凹
部の埋め込みに使われるので、メッキ層の厚みを大きく
することなく、凹部をメッキ層で埋め込むことができ
る。したがって、本発明によれば、剥離しにくい非磁性
体部を形成することができ、かつメッキ層形成時間を短
縮することができる。また、本発明によれば、非磁性体
部に空隙が発生しにくくなるので、耐久性がすぐれた非
磁性体部を形成することができる。このことは実施の形
態で説明する。
【0015】なお、メッキが付着しない又は付着しにく
いマスク部材としては、例えば、紫外線硬化型ドライフ
ィルムレジスト、紫外線硬化型液状レジスト、感光性ポ
ジ型液状レジスト、熱硬化型液状レジスト等がある。ま
た、ここでいう磁性体基板とは、強磁性体材料または常
磁性体材料でできた基板という意味である。また、本発
明に適用できるメッキとしては、例えば、電解メッキ、
無電解メッキがある。メッキ層形成速度が速いという点
で、電解メッキが好ましい。
【0016】本発明にかかる異方導電性シート製造用金
型の製造方法は、工程(c)後、(d)マスク部材を除
去することにより、小磁極部の表面の位置が非磁性体部
の表面の位置より低い状態にする工程を備えるのが好ま
しい。これにより、小磁極部の表面の位置が非磁性体部
の表面の位置より低い異方導電性シート製造用金型を得
ることができる。
【0017】本発明にかかる異方導電性シート製造用金
型の製造方法は、工程(d)後、(e)非磁性体部の表
面部を除去することにより、非磁性体部の表面の位置と
小磁極部の表面の位置とをそろえる工程を備えるのが好
ましい。これにより、非磁性体部の表面の位置と小磁極
部の表面の位置とがそろった異方導電性シート製造用金
型を得ることができる。
【0018】本発明は、絶縁性シートと、絶縁性シート
に局所的に形成され、かつ電気的接点となる導電部と、
を備えた異方導電性シートの製造に用いる金型であっ
て、導電部のパターンに対応するパターンの小磁極部
と、絶縁部のパターンに対応するパターンであり、かつ
メッキ層を含む非磁性体部と、を備え、小磁極部のパタ
ーンのうち、最も高さが大きい部分と最も高さが小さい
部分との差が10μm以下である。好ましくは5μm以
下であり、さらに好ましくは2μm以下である。
【0019】図19に示すように小磁極部上のメッキ層
を除去する工程があると、この工程により、小磁極部が
不可避的に削れる。メッキ層の厚みは均一でないので、
小磁極部の削れる量が場所により異なる。よって、この
工程は小磁極部の高さにばらつきが生じる原因となる。
これに対して、上記した本発明にかかる異方導電性シー
ト製造用金型の製造方法によれば、小磁極部上にマスク
部材があるので、小磁極部上にはメッキ層が付着しな
い。このため、小磁極部上のメッキ層を除去する工程が
不要となる。小磁極部の高さにばらつきが生じる原因を
減らすことができる。よって、本発明にかかる異方導電
性シート製造用金型の製造方法により製造された金型に
おいて、最も高さの大きい小磁極部と最も高さの小さい
小磁極部との差が10μm以下、好ましくは5μm以
下、さらに好ましくは2μm以下にすることができる。
このように、小磁極部の高さのばらつきが小さい金型と
なるので、これを用いて製造した異方導電性シートの突
起高さのばらつきが小さい。このため、この異方導電性
シートを用いて行う電気検査の信頼性が高くなる。ま
た、この異方導電性シートの耐久性も高くなる。
【0020】なお、本発明にかかる異方導電性シートの
製造用金型は二枚一組で使用することもできるし、一枚
で使用することもできる。異方導電性シートの製造用金
型を一枚で使用する場合とは、絶縁層が形成された基板
を準備し、絶縁層に導電部のパターンに対応する孔部を
形成する。この基板を金型の他方とするのである。
【0021】
【発明の実施の形態】[異方導電性シートの製造用金型
の構造]図1は本発明の一実施の形態にかかる製造方法
で作製された異方導電性シートの製造用金型の平面図で
ある。図2は図1に示す金型をA−Aに沿って切断した
断面を示す図である。図1及び図2を参照して、金型8
6は磁性体基板70を備える。磁性体基板70には小磁
極部78が形成されている。小磁極部78は磁性体基板
70を選択的に削ることにより形成される。すなわち、
磁性体基板70を選択的に削り、削られなかった領域が
小磁極部78となる。小磁極部78のパターンは異方導
電性シートの導電部のパターンに対応している。磁性体
基板70上であって、かつ小磁極部78の周囲には非磁
性体部72が形成されている。
【0022】[異方導電性シートの製造用金型の材料]
金型86の材料について説明する。図2を参照して、磁
性体基板70の材料(小磁極部78の材料)としては、
強磁性体が好ましい。磁場勾配を大きくすることができ
るからである。強磁性体としては、例えば、鉄、ニッケ
ル、コバルト及びこれらの合金並びにフェライトがあ
る。
【0023】磁性体基板70の材料(下部小磁極部74
の材料)として用いることができる上記強磁性体のう
ち、鉄が加工容易という点で好ましい。鉄のうち、特
に、SS400材、SPC材、NAK材が加工容易であ
る。
【0024】非磁性体部72の材料としては、メッキに
より形成でき、かつ非磁性を有さなければならない。こ
のような材料としては、銅、アルミニウム、チタン等が
ある。このうち、銅がメッキの付き易さという点から好
ましい。
【0025】[異方導電性シートの製造用金型の製造方
法]本発明の一実施の形態にかかる異方導電性シートの
製造用金型の製造方法を、図2〜図8を用いて説明す
る。図3に示すように、鉄製平板からなる磁性体基板7
0上に、レジストをラミネートする。次に、ホトマスク
を用いて、上方からレジストを露光する。そして、レジ
ストを現像し、レジスト74のパターンを得る。レジス
トがない領域下に非磁性体部が形成される。レジスト7
4をマスクとして、磁性体基板70をウエットエッチン
グする。ウエットエッチングの条件は例えば、以下のと
おりである。
【0026】 エッチング液:40ボーメ濃度の塩化第二鉄水溶液 エッチング時間:5分間 エッチング温度:45℃ エッチング液のスプレー吐出圧:1.5kg/cm2
【0027】図4に示すように、エッチングにより削ら
れた領域が凹部80となる。凹部80は非磁性体部とな
る。エッチングにより削られなかった領域が凸部とな
る。凸部は小磁極部78となる。凹部80の深さ(小磁
極部78の高さ)は、10〜5000μmである。残っ
ているレジスト74を除去する。そして、銅メッキ層が
付着しやすいように、この磁性体基板70に表面粗化の
処理をほどこす。なお、炭酸レーザ等により磁性体基板
70を選択的に削り、凹部80と小磁極部78とを形成
してもよい。
【0028】図5に示すように、磁性体基板70上に、
厚さ10〜200μmのドライフィルムレジストをラミ
ネートする。次に、ホトマスクを用いて、上方からドラ
イフィルムレジストを露光する。そして、ドライフィル
ムレジストを現像し、ドライフィルムレジストのパター
ンを得る。これがマスク部材76となる。マスク部材7
6は小磁極部78上に位置している。
【0029】図6に示すように、電解メッキにより磁性
体基板70に銅メッキを施し、凹部80に厚さ20〜5
200μmの銅メッキ層82を埋め込む。銅メッキの条
件は以下のとおりである。
【0030】電流の種類:ON−OFFパルス又はプラ
スマイナス反転パルス 電流:1A/dm2 電圧:0.6V その他:硫酸銅を主成分とする銅メッキ液 電流の種類としては直流電流も用いることができるが、
ON−OFFパルス又はプラスマイナス反転パルスのほ
うが、より微細な凹部にメッキ層を形成することができ
る。
【0031】マスク部材76はメッキが付着しない性質
を有するので、マスク部材76上には銅メッキ層82が
形成されていない。また、銅メッキ層82の表面がマス
ク部材76の表面より上の位置にくるまで、メッキをす
る。平坦な表面の非磁性体部を得るためである。
【0032】図7に示すように、銅メッキ層82を研磨
し、銅メッキ層82の表面とマスク部材72の表面とを
そろえる。この銅メッキ層82は非磁性体部72とな
る。
【0033】図8に示すように、強酸化材(過マンガン
酸カリウム)を水に溶かした液体を用いて、マスク部材
76を除去する。
【0034】図2に示すように、非磁性体部72を研磨
し、非磁性体部72の表面と小磁極部78の表面とをそ
ろえる。以上の工程により金型86が完成する。なお、
図7に示す構造を金型の完成品としてもよい。また、図
8に示す構造を完成品としてもよい。この場合は、異方
導電性シートの導電部が絶縁部に比べて突き出た状態と
なる。
【0035】また、金型86と同じ方法を用いて金型8
8を作製し、金型86を一方の金型、金型88を他方の
金型とし、図12に示す金型84としてもよい。これは
金型を二枚一組として使用する場合である。すなわち、
金型84は、金型86の小磁極部78と金型88の小磁
極部78とが対向するように、金型86と金型88とが
配置され、その周囲にスペーサ90が配置された構造を
している。金型86と金型88とスペーサ90とによ
り、成形空間92が形成されている。
【0036】[異方導電性シートの製造]本発明の実施
の形態で作製される金型を用いた異方導電性シートの製
造について説明する。まず、異方導電性シート製造装置
の構造を説明する。図13は本発明の実施の形態で作製
される金型を含む異方導電性シート製造装置の断面図で
ある。異方導電性シート製造装置94は、磁力発生部9
6とヒータ部98とから構成される。磁力発生部96
は、電磁石により磁力を発生させる。磁力発生部96
は、互いに対向して配置されている一対の平板状の磁極
部100を備えている。ヒータ部98は板状をしてお
り、磁極部100上に配置されている。ヒータ部98と
磁極部100との間には、断熱層102がある。断熱層
102により、ヒータ部98から発生した熱が磁力発生
部96に伝導するのを防いでいる。金型84は、ヒータ
部98と密着するように、異方導電性シート製造装置9
4に配置されている。
【0037】次に、異方導電性シートの製造について説
明する。導電性強磁性粒子(金メッキが施されたニッケ
ル粒子)を、熱硬化型シリコーンゴムに混合し、導電性
強磁性粒子を均一に分散させ、流動性成形材料を調製す
る。図12に示す金型84の成形空間92に、この流動
性成形材料を充填する。そして、図13に示す異方導電
性シート製造装置94に、金型84を配置する。104
は、導電性強磁性粒子を示している。
【0038】図14に示すように、(1)磁力発生部9
6の電磁石を励磁させ、磁力発生部96から磁力を発生
させる。これにより、互いに対向している小磁極部78
間に磁場が発生し、この磁場に導電性強磁性粒子104
を柱状に局在させる。次に(2)ヒータ部98により流
動性成形材料を加熱硬化させ、導電部106及び絶縁性
シート108を形成する(すなわち、異方導電性シート
を形成する)。そして(3)磁力発生部96の励磁を零
磁場まで下げてから、異方導電性シート製造装置94か
ら金型84を取り出す。金型84の温度が下がった時点
で金型84を開き、異方導電性シート110(図15)
を取り出す。なお、(1)〜(3)の工程は、流動性成
形材料の粘性及び硬化時間、導電性強磁性粒子の材質、
形状及び大きさ、小磁極部の形状及び大きさ、成形され
る異方導電性シートの厚さ等、多くの要因に依存する。
以上により、図15に示す異方導電性シート110が完
成する。
【0039】[効果] (1)本発明の実施の形態にかかる異方導電性シート製
造用金型の製造方法において、図6に示すように、メッ
キが付着しないマスク部材76を小磁極部78上に形成
している。このため、銅メッキにより凹部に銅メッキ層
82を形成する際、小磁極部78上にはマスク部材76
があるので、小磁極部78上に銅メッキが付着するのを
防ぐことができる。よって、小磁極部78上に付着しな
かったこの銅メッキ層も凹部の埋め込みに使われるの
で、銅メッキ層82の厚みを大きくすることなく、凹部
を銅メッキ層82で埋め込むことができる。したがっ
て、本発明の実施の形態によれば、剥離しにくい非磁性
体部を形成することができ、かつ銅メッキ層形成時間を
短縮することができる。
【0040】(2)本発明の実施の形態にかかる異方導
電性シート製造用金型の製造方法において、非磁性体部
に空隙が発生しにくくなるので、耐久性がすぐれた非磁
性体部を形成することができる。このことを図9〜図1
1を用いて説明する。図9〜図11は図6に示す銅メッ
キ層の形成工程の詳細を示す図である。図9〜図11
は、発明が解決しようとする課題で用いた図21〜図2
3と対応している。
【0041】図9は図21と対応し、小磁極部78が形
成されている状態を示している。小磁極部78上にはマ
スク部材76が形成されている。小磁極部78間には凹
部80がある。図10は図22と対応し、凹部80を埋
め込むように、銅メッキがされ、銅メッキ層82が形成
されている。図10に示す状態では、凹部80は完全に
は銅メッキ層82で埋め込まれていない。マスク部材7
6があるので、空隙が発生するのを防ぐことが可能とな
る。すなわち、凹部80が完全に埋め込まれる前に、一
方の小磁極部78の角部に付着した銅メッキ層82が他
方の小磁極部78の角部に付着した銅メッキ層82とつ
ながり、空隙ができる現象を防ぐことが可能となる。こ
れにより、非磁性体部の耐久性の劣化を防ぐことができ
る。
【0042】(3)本発明の実施の形態にかかる異方導
電性シート製造用金型の製造方法において、図6に示す
ように、小磁極部78上にマスク部材76があるので、
小磁極部78上には銅メッキ層82が付着しない。この
ため、小磁極部78上の銅メッキ層82を除去する工程
が不要となる。これにより、図2に示す小磁極部78の
高さhにばらつきが生じる原因を減らすことができる。
よって、本発明の実施の形態にかかる異方導電性シート
製造用金型の製造方法により製造された金型において、
最も高さhが大きい小磁極部78と最も高さhが小さい
小磁極部78との高さの差を10μm以下、さらには5
μm以下、またさらには2μm以下にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる異方導電性シー
トの製造用金型の製造方法で作製される異方導電性シー
トの製造用金型の平面図である。
【図2】図1に示す金型をA−Aに沿って切断した断面
図である。
【図3】本発明の一実施の形態にかかる異方導電性シー
トの製造用金型の製造方法を説明するための第1工程図
である。
【図4】本発明の一実施の形態にかかる異方導電性シー
トの製造用金型の製造方法を説明するための第2工程図
である。
【図5】本発明の一実施の形態にかかる異方導電性シー
トの製造用金型の製造方法を説明するための第3工程図
である。
【図6】本発明の一実施の形態にかかる異方導電性シー
トの製造用金型の製造方法を説明するための第4工程図
である。
【図7】本発明の一実施の形態にかかる異方導電性シー
トの製造用金型の製造方法を説明するための第5工程図
である。
【図8】本発明の一実施の形態にかかる異方導電性シー
トの製造用金型の製造方法を説明するための第6工程図
である。
【図9】本発明の一実施の形態にかかる異方導電性シー
トの製造用金型の製造方法において、銅メッキ層形成を
説明するための第1工程図である。
【図10】本発明の一実施の形態にかかる異方導電性シ
ートの製造用金型の製造方法において、銅メッキ層形成
を説明するための第2工程図である。
【図11】本発明の一実施の形態にかかる異方導電性シ
ートの製造用金型の製造方法において、銅メッキ層形成
を説明するための第3工程図である。
【図12】本発明の一実施の形態にかかる異方導電性シ
ートの製造用金型の製造方法において製造された金型の
断面図である。
【図13】図12に示す金型を用いて異方導電性シート
の製造を説明するための第1工程図である。
【図14】図12に示す金型を用いて異方導電性シート
の製造を説明するための第2工程図である。
【図15】図12に示す金型を用いて製造された異方導
電性シートの断面図である。
【図16】従来の異方導電性シートの一例の斜視図であ
る。
【図17】従来の異方導電性シートの他の例の斜視図で
ある。
【図18】異方導電性シートの製造用金型の製造方法の
一例を説明するための第1工程図である。
【図19】異方導電性シートの製造用金型の製造方法の
一例を説明するための第2工程図である。
【図20】異方導電性シートの製造用金型の製造方法の
一例を説明するための第3工程図である。
【図21】異方導電性シートの製造用金型の製造方法の
一例において、銅メッキ層形成を説明するための第1工
程図である。
【図22】異方導電性シートの製造用金型の製造方法の
一例において、銅メッキ層形成を説明するための第2工
程図である。
【図23】異方導電性シートの製造用金型の製造方法の
一例において、銅メッキ層形成を説明するための第3工
程図である。
【符号の説明】
70 磁性体基板 72 非磁性体部 74 レジスト 76 マスク部材 78 小磁極部 80 凹部 82 銅メッキ層 84 金型 86 金型 88 金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01R 43/00 H01R 43/00 H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異方導電性シートの導電部のパターンに
    対応するパターンの小磁極部と、前記異方導電性シート
    の絶縁部のパターンに対応するパターンの非磁性体部
    と、を備えた異方導電性シート製造用金型の製造方法で
    あって、 (a)磁性体基板の表面を選択的に除去することによ
    り、前記非磁性体部のパターンに対応する凹部と、前記
    小磁極部のパターンに対応する凸部と、を前記磁性体基
    板に形成する工程と、 (b)メッキが付着しない又は付着しにくいマスク部材
    を前記凸部上に形成する工程と、 (c)メッキにより前記凹部に非磁性体材料を含むメッ
    キ層を埋め込むことにより、前記非磁性体部を形成する
    工程と、 を備えた異方導電性シート製造用金型の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記工程(c)後、 (d)前記マスク部材を除去することにより、前記小磁
    極部の表面の位置が前記非磁性体部の表面の位置より低
    い状態にする工程を備えた異方導電性シート製造用金型
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記工程(d)後、 (e)前記非磁性体部の表面部を除去することにより、
    前記非磁性体部の表面の位置と前記小磁極部の表面の位
    置とをそろえる工程を備えた異方導電性シート製造用金
    型の製造方法。
  4. 【請求項4】 絶縁性シートと、前記絶縁性シートに局
    所的に形成され、かつ電気的接点となる導電部と、を備
    えた異方導電性シートの製造に用いる金型であって、 前記導電部のパターンに対応するパターンの小磁極部
    と、 前記絶縁部のパターンに対応するパターンであり、かつ
    メッキ層を含む非磁性体部と、 を備え、 前記小磁極部のパターンのうち、最も高さが大きい部分
    と最も高さが小さい部分との差が10μm以下である、
    異方導電性シートの製造用金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101818182B1 (ko) 2017-06-23 2018-02-21 (주)에스비메탈 초정밀 부분 도금 장치 및 이를 사용한 도금 방법
CN110136894A (zh) * 2019-03-25 2019-08-16 曾建成 一种电缆制造成型用的模具成型装置

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KR101818182B1 (ko) 2017-06-23 2018-02-21 (주)에스비메탈 초정밀 부분 도금 장치 및 이를 사용한 도금 방법
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