JP2001005278A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2001005278A
JP2001005278A JP17258099A JP17258099A JP2001005278A JP 2001005278 A JP2001005278 A JP 2001005278A JP 17258099 A JP17258099 A JP 17258099A JP 17258099 A JP17258099 A JP 17258099A JP 2001005278 A JP2001005278 A JP 2001005278A
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Masanori Shida
昌規 志田
Katsuaki Kobayashi
克彰 小林
Masaru Hibino
勝 日比野
Ichiro Ozawa
一郎 小澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インダクタンス検知センサーに製作上のバラ
ツキがあった場合においても、正確なT/C比制御を行
なう。 【解決手段】 第2搬送スクリュー37に対向して、近
接配置されたインダクタンス検知センサー43のT/C
比に対するセンサー出力のテーブル初期設定として、セ
ンサー43の制御電圧を変化させ、センサー43が出力
する波形のピーク値の最大値を示す制御電圧値を求め、
そのときのセンサー出力波形の1周期における1/整数
倍の平均値を、使用するインダクタンス検知センサー4
3のセンサー感度安定領域の中心値と判別し、トナー濃
度制御の基準出力値とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式ある
いは静電記録方式によって像担持体上に形成された静電
潜像を現像して可視画像を形成する複写機や、プリン
タ、あるいは記録画像表示装置、ファクシミリなどの画
像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、現像剤担持体の表面に顕画剤とし
ての乾式現像剤を担持し、静電潜像を担持した像担持体
の表面近傍に、この現像剤を搬送供給し、像担持体と現
像剤担持体の間に交互(交番)電界を印加しながら静電
潜像を現像して顕像化する現像装置がよく知られてい
る。
【0003】なお、上記現像剤担持体は、一般に現像ス
リーブが用いられる場合が多いので、以下の説明では
「現像スリーブ」といい、また、像担持体は一般に感光
体ドラムが用いられる場合が多いので、以下の説明で
は、「感光体ドラム」という。
【0004】上記現像方法として、従来から、例えば2
成分系組成(キャリア粒子とトナー粒子)からなる現像
剤(2成分現像剤)により、内部に磁石を配置した現像
スリーブの表面に磁気ブラシを形成させ、微小な現像間
隙を保持して対向させた感光体ドラムにこの磁気ブラシ
を摺擦または近接させ、そして現像スリーブと感光体ド
ラム間(S−D間)に連続的に交互電界を印加すること
によってトナー粒子の現像スリーブ側から感光体ドラム
側への転移および逆転移を繰り返して行わせて現像を行
う、いわゆる磁気ブラシ現像法が知られている。(例え
ば、特開昭55−32060号公報、特開昭59−16
5082号公報参照)。
【0005】図9に示すように、上記2成分磁気ブラシ
現像用の現像装置18は、隔壁19によって現像室R1
と攪拌室R2に区画された現像容器18aを備えてお
り、現像室R1と攪拌室R2はそれぞれ攪拌部材である
攪拌搬送スクリュー23、24が回転可能に収容されて
いる。現像室R1の開口部には、所定の方向に回転する
感光体ドラム3と微小間隔をおいて、所定の方向に回転
する現像スリーブ25が対向配置され、その内部にはマ
グネットローラー29が固定配置されている。また、現
像スリーブ25表面に現像剤を薄層形成するための規制
ブレード28が現像スリーブ25に対向配置されてい
る。
【0006】現像容器18a中にはトナー粒子と磁性キ
ャリアが混合された現像剤22が収容されており、トナ
ー粒子と磁性キャリアの混合比(以後「T/C比」とい
う)は、現像により消費されたトナーに見合った量のト
ナーが、補給用トナー20の収容されているトナー貯蔵
室21から落下補給されることで一定に保っている。
【0007】このときの現像容器18a中のトナー粒子
と磁性キャリアの混合比の検知および維持方法は、従来
からさまざまな方式が提案されている。例えば、感光体
ドラム3周辺に検知手段を設け、現像スリーブ25側か
ら感光体ドラム3側へ転移したトナーに光を当て、この
ときの透過光、反射光からトナー補給量を調整し、その
結果T/C比を維持する方式や、現像スリーブ25表層
近傍に検知手段を設け、現像スリーブ25上に塗布され
た現像剤に光を当てたときの反射光からT/C比を検知
する方式、あるいは、現像容器18中にセンサーを設
け、コイルのインダクタンスを利用してセンサー近傍の
一定体積内の現像剤の見掛け透磁率の変化を検知し、T
/C比を検知する方式、などが提案され実用化されてい
る。
【0008】しかし、感光体ドラム3上の現像トナー量
からT/C比を維持する方式は、感光体ドラム3と現像
スリーブ25との間隔の変動や、潜像電位の変動など、
T/C比の変動以外の因子により感光ドラム3上のトナ
ー量が変化してしまい、その結果としてトナー補給誤動
作を生じる場合があり、また、現像スリーブ25上に塗
布された現像剤に光を当てたときの反射光からT/C比
を検知する方式は、トナー飛散等により検知手段が汚れ
てしまった場合には、T/C比を正確に検知できないと
いった問題がある。
【0009】これらに対し、コイルのインダクタンスを
利用してセンサー近傍における一定体積内の現像剤22
の見掛け透磁率変化を検知し、T/C比を検知する方式
の検知手段(以下「トナー濃度センサー」という)は、
センサー単体のコストも安価な上に、トナー飛散による
汚れの問題の影響を受けないため、低コストで小スペー
スの複写機、すなわち画像形成装置において、最適なT
/C比検知手段といえる。
【0010】上記現像剤の透磁率変化を利用したトナー
濃度センサーは、例えば透磁率が大きくなった場合、一
定体積内で現像剤中のT/C比が低くなったことを意味
し、これは現像剤中のトナー量が減少したことを意味す
るのでトナー補給を開始し、逆に透磁率が小さくなった
場合、一定体積内で現像剤中のT/C比が高くなったこ
とを意味するため、現像剤中のトナー量が増加したこと
を意味するためトナー補給を停止、あるいは減じるよう
なシーケンスに基づきT/C比を制御する。
【0011】図10と図11によりトナー濃度センサー
についてさらに詳しく説明する。
【0012】図10はトナー濃度センサーの出力の動作
点を調整する直流電圧(以下「制御電圧」といい、図中
では「Vcont」と記す)と、トナー濃度センサーの
出力との関係を表すグラフである。
【0013】現像剤の透磁率変化を利用したトナー濃度
センサーは、図10に示すように、制御電圧によりセン
サー出力値をトナー濃度センサーの出力変動範囲内で変
化させることができる。なお、図中、センサー出力V1
は上記出力変動範囲の中心値である。
【0014】図11はT/C比とトナー濃度センサーの
出力Voutとの関係を表すグラフである。図11に示
すよう、T/C比の変化に対しトナー濃度センサーの出
力値が変化することから、その時のセンサー出力値から
現像剤のT/C比を検出することができる。その変化量
はトナー濃度センサーの出力変動範囲の中心値であるV
1を中心とし、V2〜V3の間が最も感度(T/C比の
変化に対するトナー濃度センサーの出力変化、以下、
「センサー感度」という)が大きく、安定している。な
お、以降、この領域を「感度安定領域」と称する。
【0015】したがって、画像形成装置が良好な画像を
得ることができる現像剤のT/C比範囲内における、中
心T/C比の現像剤のセンサー出力値を感度安定領域の
中心値V1になるように制御電圧を変化させトナー濃度
制御の基準値として設定し、T/C比制御を行なうこと
によりT/C比の変化に対するセンサー出力変化量が一
定、すなわち1:1の関係となり、センサー出力変化か
らの現像剤のT/C比制御を正確に行なうことができ
る。
【0016】例えば図12に示すように、T/C比が6
〜8%で良好な画像を得ることができる画像形成装置と
現像剤の組み合わせで、出力変動範囲が0〜5V、出力
変動範囲の中心値(2.5V)近傍のT/C比の変動に
対するセンサー出力の変動(センサー感度)が、T/C
比1%の変化につき0.5V変動するようなトナー濃度
センサーを使用した場合、T/C比7%の時のトナー濃
度センサーの出力値を2.5Vに設定し、2.5Vを中
心にセンサーの出力を0.5V増し、3Vになった時に
トナー補給を行い、0.5V減って2Vになった時にト
ナー補給を中止するようにシーケンスを組み、T/C比
を制御すればよい。
【0017】このように、画像形成装置が良好な画像を
得ることができるようにT/C比を制御する場合、セン
サー感度が重要な役割を持つ。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような一定体積内の現像剤の見掛け透磁率変化を検知す
る方式のトナー濃度センサーは、トランスバラツキ、ケ
ース・ボビンバラツキなどのセンサー単体の製作上のバ
ラツキにより、良好な画像を得ることができる現像剤T
/C比内における、中心T/C比の現像剤でのトナー濃
度センサーの出力値を、無条件でトナー濃度センサーの
出力変動範囲の中心値として設定すると、センサー感度
が変化して、正確にT/C比を検知できなくなるという
問題がある。
【0019】これは、上記製法上のバラツキから、出力
変動範囲の中心値=センサー感度安定領域の中心値、と
はならないセンサーが存在するからである。例えば図1
3に示すように、センサー出力変動範囲が0〜5Vのセ
ンサーを使用した場合、センサー感度安定領域がAのよ
うにそのセンサー感度安定領域の中心値がセンサー出力
変動範囲の中心値2.5Vと一致する特性を持つセンサ
ーXa1と、センサー感度安定領域がBのようにその中
心値がセンサー出力変動範囲の中心値からずれた2.3
Vである特性のセンサー感度特性をもつセンサーXb1
が存在することがある。
【0020】この両センサーを図14のグラフに示すよ
うに、センサー出力変動範囲の中心値である2.5Vを
トナー濃度制御の基準値として設定すると、センサー感
度安定領域がBのようなセンサーXb1ではセンサー感
度安定領域から外れた領域も使用しなければならないた
め、図14のようにセンサー感度が変わってしまう領域
がでてくる。従って、センサー感度安定領域がAのよう
なセンサーXa1を基準にすべての画像形成装置のT/
C比に対するセンサー出力のテーブルを決定すると、T
/C比が6%になったとき、Aのセンサーでは正確にT
/C比に対する出力aは検出することができるが、セン
サー感度安定領域がBのようなセンサーではbのような
センサー出力を検出するため、Aの感度テーブル上でB
は6.5%のセンサー出力を検出してしまうことにな
り、正確にT/Cに対するセンサー出力を検出すること
ができない。
【0021】このようなセンサー誤検知により、トナー
を消費していないのにトナーが減少したことを示すセン
サー出力を出してしまい、トナーを補給してしまう、あ
るいはトナー量が減少しているにもかかわらず、トナー
が減少していないようなセンサー出力を出してしまい、
トナー補給をしないなどの問題が起こる。前者の場合、
トナー過補給により、画像濃度が濃くなる問題や、トナ
ー量増加に伴い現像剤量が増加し、現像剤が現像容器か
ら溢れてしまう問題、あるいは現像剤中のトナー量減少
による画像劣化、画像濃度薄、あるいはトナー帯電量増
加による画像濃度薄などの問題を引き起こす。
【0022】従って、本発明の目的は、トナー濃度検知
手段に製作上のバラツキがあった場合においても、正確
なT/C比制御を行なうことができる画像形成装置を提
供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、
非磁性トナーと磁性キャリアを含む2成分現像剤を収容
する現像容器と、前記現像容器内に配設された2成分現
像剤を攪拌搬送する攪拌部材と、前記攪拌部材の近傍に
配置され前記非磁性トナーと磁性キャリアの混合比を現
像剤の透磁率変化を検知することによりトナー濃度を制
御するトナー濃度検知手段と、を有する現像手段を具備
する画像形成装置において、前記トナー濃度検知手段の
基準トナー濃度に対する基準出力を設定する初期設定時
に、前記現像容器内に充填されていて前記攪拌部材の回
転により流動状態である2成分現像剤に対し、前記トナ
ー濃度検知手段の出力の動作点を調整し、前記トナー濃
度検知手段の出力が前記攪拌部材の回転の影響により変
動する周期的な波形のピーク値が最大値となるように、
前記トナー濃度検知手段の出力の動作点を調整し、その
時の波形出力の1周期を1/整数倍の時間で分割した平
均値をトナー濃度制御の基準トナー濃度に対する基準出
力値とすることを特徴とする画像形成装置である。
【0024】前記トナー濃度検知手段の設置場所は、現
像剤攪拌時に前記トナー濃度検知手段の検知面を流れる
現像剤の流速が一定であり、且つその流動が規則的であ
る場所とすることが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像形成装置
を図面に則して更に詳しく説明する。なお、つぎに説明
する実施例にては、本発明は、例えば図2に示されるよ
うな電子写真画像形成装置に具現化されるものとして説
明するが、これに限定されるものではない。
【0026】図2において、電子写真画像形成装置は、
像担持体である感光体ドラム3を回転自在に設け、該感
光体ドラム3を一次帯電器1で一様に帯電し、つぎに、
例えばレーザのような発光素子2によって情報信号を露
光して静電潜像を形成し、現像装置31で可視像化す
る。次に該可視像を転写帯電器4により転写紙5に転写
し、更に定着装置6にて定着して永久画像を得る。ま
た、感光体ドラム3上の転写残トナーはクリーニング装
置7により除去する。
【0027】本発明に係る現像装置の一実施例につい
て、図1、および図3〜図8により説明する。
【0028】図1にて現像装置31は現像容器32を備
え、その内部は隔壁44によって現像室R1と攪拌室R
2に区画され、攪拌室R2の上方にはトナー貯蔵室R3
が設けられ、中には補給用トナー33が収容されてい
る。トナー貯蔵室R3下部にある補給口34からは、現
像で消費されたトナーに見合った量のトナーが攪拌室R
2内に落下補給される。一方、現像室R1、および攪拌
室R2内には、上記トナー粒子と磁性キャリアが混合さ
れた現像剤35が収容されている。
【0029】また、現像室R1内には現像剤攪拌、およ
び搬送性に優れた機能を有するスパイラル形状をした第
1搬送スクリュー(攪拌部材)36が収容されており、
矢印方向への回転駆動により現像剤35を現像剤担持体
である現像スリーブ38の長手方向に沿って搬送する。
【0030】同様に、攪拌室R2内には、スパイラル形
状の第2搬送スクリュー(攪拌部材)37が矢印方向へ
回転可能に収容されており、第2搬送スクリュー37に
よる現像剤搬送方向は現像室R1の第1搬送スクリュー
36によるそれとは反対方向である。隔壁44には手前
側と奥側に図に示さない開口が設けられており、第1搬
送スクリュー36で搬送された現像剤35がこの開口の
1つから第2搬送スクリュー37に受け渡され、第2搬
送スクリュー37で搬送された現像剤35が上記の開口
の他の1つから第1搬送スクリュー36に受け渡され
る。
【0031】また、現像容器32の感光体ドラム3に近
接する部位には開口部が設けられ、該開口部にアルミニ
ウムや非磁性ステンレス鋼等の材質で、その表面に適度
な凹凸を有する現像剤担持体である現像スリーブ38が
設けられている。
【0032】現像スリーブ38は、本実施例において
は、矢印b方向(感光体回転方向と同方向)に周速度V
bで回転し、現像容器32の開口部上端に設けられた層
厚規制ブレード41にて適正な現像剤層厚に規制された
後、該現像剤を現像領域39に担持搬送する。現像スリ
ーブ38に担持された現像剤の磁気ブラシは現像領域3
9で矢印a方向に周速度Vaで回転する感光体ドラム3
に接触し、静電潜像はこの現像領域39で現像される。
現像スリーブ38の周速度Vbは感光体ドラム周速比1
30〜200%が望ましく、150〜180%なら更に
よい。上記の範囲以下では十分な画像濃度が得られず、
またそれ以上では現像剤の飛散が生じる。
【0033】現像スリーブ38内にはローラ状の磁界発
生手段である磁石42が固定配置されている。この磁石
42は、現像領域39に対向する現像磁極N1を有して
いる。現像磁極N1が現像領域39に形成する現像磁界
により現像剤の磁気ブラシが形成され、この磁気ブラシ
が感光体ドラム3に接触して静電潜像を現像する。その
際、磁気ブラシに付着しているトナーと、スリーブ表面
に付着しているトナーも、該静電潜像の画像領域に転移
して現像する。本実施例では、磁石は上記現像磁極N1
の他にN2、S1、S2、S3の各搬送極を有してい
る。
【0034】斯かる構成により、従来と同様に、現像ス
リーブ38の回転によりS2極にて塗布された現像剤3
5は層厚規制ブレード41を通過して現像磁極N1に至
り、その磁界中で穂立ちした現像剤35が感光体ドラム
3上の静電潜像を現像する。その後S2極、S3極間の
反発磁界により現像スリーブ38上の現像剤は、攪拌室
R1内へ落下する。攪拌室R1内に落下した現像剤35
は第1、第2搬送スクリュー36、37により攪拌搬送
される。
【0035】本実施例におけるトナー濃度検知手段であ
るインダクタンス検知センサーすなわちトナー濃度セン
サー43は、図1に示すように攪拌室R2の側面でスク
リュー37に近接した場所に配置されている。第2搬送
スクリュー37の側面部は、現像剤35の流速が規則的
で滞留を起こしにくいため、この部分にインダクタンス
検知センサー43を配置すると、現像容器32内の他の
部分に配設するより、かなり検知精度が上がる。
【0036】このトナー濃度検知用インダクタンス検知
センサー43は、「従来の技術」の項でも述べたよう
に、現像剤攪拌時に現像剤35が一定の流動を示さなけ
れば、現像剤のT/C比変化に対してセンサー出力が追
従できなくなってしまうため、センサー面(検知面)4
3aは第2搬送スクリュー37と対向し、且つ近接させ
ることが好ましい。このため、センサー面43aには第
2搬送スクリュー37の外周部45が一定周期で近接通
過するため、図3(a)のように、第2攪拌スクリュー
37の外周部45がセンサー面43aに近接したとき、
センサー面43a上(センサーの検知範囲)に存在する
現像剤量がもっとも少なく、逆に図3(b)のように第
2攪拌スクリュー37の外周部45がセンサー面43a
を外れたときがセンサー面43a上に存在する現像剤量
がもっとも多くなることから、図4に示すように、セン
サー面43aに第2攪拌スクリュー37の外周部45が
近接している場合、センサーの出力値が最小値(図中V
n)を、第2攪拌スクリュー37の外周部45がセンサ
ー面43aを外れたとき、センサーの出力値が最大値
(図中Vm)となるような第2攪拌スクリュー37の回
転に依存した一定周期の波形を出力する。
【0037】本実施例にて使用されるトナー濃度センサ
ーは、「従来の技術」の項で述べたように、現像剤の透
磁率変化を検知するものを使用する。
【0038】本実施例で使用されるトナー濃度センサー
のT/C比に対するセンサー出力のテーブル初期設定方
法は、トナー濃度センサーの動作点調整用の直流電圧
(以下、「制御電圧」という)を変化させ、センサーが
出力する波形のピーク値(出力最大値−出力最小値)の
最大値を示す制御電圧値を求め、そのときのセンサー出
力波形の1周期の1/整数倍の平均値を、使用するトナ
ー濃度センサーのセンサー感度安定領域の中心値と判別
し、トナー濃度制御の基準出力値とすることである。
【0039】図5はトナー濃度センサーの制御電圧と出
力電圧とその時のピーク値の関係を示したグラフ、図6
は現像剤のT/C比とセンサー出力電圧の関係を示した
グラフである。
【0040】トナー濃度センサーの制御電圧Vcont
と出力電圧Voutとそのときのピーク値の関係は、本
発明者らの実験によれば、トナー濃度センサーの出力の
ピーク値はトナー濃度センサーのセンサー感度安定領域
の中心値となるような制御電圧値で最も大きく、図5に
示したように、センサー感度安定領域にバラツキのある
2つのセンサーM、Nを用意した場合、一方のセンサー
Mはセンサー感度安定領域の中心値が2.5V、そのと
きの制御電圧値が11.8Vでセンサー出力のピーク値
PMが最大を示し、また、他方のセンサーNは、センサ
ー感度安定領域の中心値が2.3V、そのときの制御電
圧値が11.6Vでセンサー出力のピーク値PNが最大
を示した。
【0041】このように制御電圧を変化させたときのセ
ンサー出力電圧における感度安定領域の中心値は、セン
サー出力のピーク値から求めることができ、その制御電
圧でのセンサー出力波形の1/整数倍の平均値からトナ
ー濃度制御の基準出力値を求めることができる。
【0042】上記の方法で求めたトナー濃度制御の基準
出力値から、センサーM、NのT/C比の変化に対する
センサー出力のテーブルを作成したのが図6である。図
6に示すようにセンサーNのT/C比の変化に対するセ
ンサー出力のテーブルはトナー濃度制御の基準出力値の
値がセンサー出力範囲の中心値2.5Vから外れ2.3
Vになっているが、T/C比の変化に対するセンサー出
力の変化量はセンサーMの変化量と変わりなく、また良
好な画像を得ることができるT/C比範囲でT/C比の
変化に対する出力の変化量が一定で、すなわち1:1の
関係であることが分かる。
【0043】以下に、本実施例のトナー濃度センサーに
おける初期設定の手順について主に図7と図8により説
明する。
【0044】1)図7を基に、現像容器32に所定(図
中ではT/C比T1)のT/C比の初期現像剤を入れ、
この現像剤に対しトナー濃度センサーの出力変動範囲の
中心値(例えば、出力範囲が0〜5Vの場合2.5V)
になるように制御電圧を設定する。このとき、現像装置
31は駆動状態である。
【0045】2)1)で設定した制御電圧値を中心値と
し、図7のように設定された中心値から制御電圧を連続
的に変化させる。変化させた制御電圧でセンサー出力が
安定したときのピーク値をそれぞれ比較し、ピーク値が
最大値(図中Vp1)を示す制御電圧値を調べる。図中
においては、曲線X1は制御電圧値がVc1となる。
【0046】3)図8は、2)から求めた制御電圧値V
c1での出力波形から、出力波形の1周期の1/整数倍
の平均値(図8中Va1)を求め、センサー感度安定領
域の中心値としてトナー濃度制御の基準出力値として設
定し、T/C比変化に対するトナー濃度センサーの出力
の変化量(センサー感度)を示したテーブルである。
【0047】4)このテーブルを画像形成装置内のトナ
ー濃度センサーによるT/C比制御のシーケンス内に組
み込むことでトナー濃度センサーの初期設定を完了す
る。
【0048】上記の初期トナー濃度センサー設定を行な
うことで、常にセンサー出力安定領域の中心値をトナー
濃度制御の基準出力値として設定できることから、正確
にT/C比制御を行なうことができる。
【0049】上記のように、本実施例によれば、トナー
濃度センサーのトランスバラツキ、ケース・ボビンバラ
ツキ、組立てバラツキなどの製作上のバラツキによるセ
ンサー感度安定領域のバラツキを、現像容器内にトナー
濃度センサーを設置した状態で補正し、T/C比変化に
対するトナー濃度センサーの出力の変化量が1:1に保
つようにトナー濃度制御の基準値を設定することにより
正確にT/C比制御を行なうことができる。
【0050】なお、上記実施例では、攪拌部材を搬送ス
クリューとしたが、トナー濃度センサーのセンサー面上
を一定の周期で通過するものであれば、本発明の系にて
同様の効果を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の画像形成装置によれば、トナー濃度検知手段の基準ト
ナー濃度に対する基準出力を設定する初期設定時に、現
像容器内に充填されていて攪拌部材の回転により流動状
態である2成分現像剤に対し、前記トナー濃度検知手段
の出力の動作点を調整し、前記トナー濃度検知手段の出
力が前記攪拌部材の回転の影響により変動する周期的な
波形のピーク値が最大値となるように、前記トナー濃度
検知手段の出力の動作点を調整し、その時の波形出力の
1周期を1/整数倍の時間で分割した平均値をトナー濃
度制御の基準トナー濃度に対する基準出力値とすること
により、トナー濃度検知手段のセンサー感度安定領域に
バラツキがあった場合においても、正確にT/C比制御
を行なうことができ、良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る現像装置を示す構成図
である。
【図2】本発明の一実施例に係る電子写真画像形成装置
を示す概略構成図である。
【図3】トナー濃度センサーのセンサー面近傍の様子を
搬送スクリューとの関係にて示す説明図である。
【図4】図3に応じたトナー濃度センサーの出力変動を
示すグラフである。
【図5】2つのトナー濃度センサーにおける制御電圧と
出力電圧とその時のピーク値との関係を示すグラフであ
る。
【図6】トナー濃度制御の基準出力値から作成された、
トナー濃度センサーのT/C比変化に対するセンサー出
力のテーブルを示すグラフである。
【図7】トナー濃度センサーの初期設定を行なう際の、
トナー濃度センサーにおける制御電圧と出力電圧とその
時のピーク値との関係を示すグラフである。
【図8】図7のトナー濃度制御の基準出力値から作成さ
れた、トナー濃度センサーのT/C比変化に対するセン
サー出力のテーブルを示すグラフである。
【図9】従来の2成分磁気ブラシ現像用現像装置の一例
を示す構成図である。
【図10】制御電圧とセンサー出力の関係を示すグラフ
である。
【図11】T/C比とセンサー出力の関係を示すグラフ
である。
【図12】T/C比とセンサー出力の具体的な関係を示
すグラフである。
【図13】2つのトナー濃度センサーにおけるT/C比
とセンサー出力の具体的な関係を示すグラフである。
【図14】センサー感度の異なる2つのトナー濃度セン
サーにおけるT/C比とセンサー出力の関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
3 感光体ドラム(像担持体) 31 現像装置(現像手段) 32 現像容器 35 2成分現像剤 37 第2搬送スクリュー(攪拌部材) 43 インダクタンス検知センサー(トナー濃度
センサー/トナー濃度検知手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日比野 勝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小澤 一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H077 AB02 AC02 AD02 AD06 AD13 DA10 DA42 DA54 EA03 EA15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性トナーと磁性キャリアを含む2成
    分現像剤を収容する現像容器と、前記現像容器内に配設
    され2成分現像剤を攪拌搬送する攪拌部材と、前記攪拌
    部材の近傍に配置され前記非磁性トナーと磁性キャリア
    の混合比を現像剤の透磁率変化を検知することによりト
    ナー濃度を制御するトナー濃度検知手段と、を有する現
    像手段を具備する画像形成装置において、 前記トナー濃度検知手段の基準トナー濃度に対する基準
    出力を設定する初期設定時に、前記現像容器内に充填さ
    れていて前記攪拌部材の回転により流動状態である2成
    分現像剤に対し、前記トナー濃度検知手段の出力の動作
    点を調整し、前記トナー濃度検知手段の出力が前記攪拌
    部材の回転の影響により変動する周期的な波形のピーク
    値が最大値となるように、前記トナー濃度検知手段の出
    力の動作点を調整し、その時の波形出力の1周期を1/
    整数倍の時間で分割した平均値をトナー濃度制御の基準
    トナー濃度に対する基準出力値とすることを特徴とする
    画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記トナー濃度検知手段の設置場所は、
    現像剤攪拌時に前記トナー濃度検知手段の検知面を流れ
    る現像剤の流速が一定であり、且つその流動が規則的で
    ある場所としたことを特徴とした請求項1の画像形成装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008170816A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Fuji Xerox Co Ltd 現像器、画像形成装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008170816A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Fuji Xerox Co Ltd 現像器、画像形成装置

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