JP2005017713A - 画像形成装置 - Google Patents
画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005017713A JP2005017713A JP2003182659A JP2003182659A JP2005017713A JP 2005017713 A JP2005017713 A JP 2005017713A JP 2003182659 A JP2003182659 A JP 2003182659A JP 2003182659 A JP2003182659 A JP 2003182659A JP 2005017713 A JP2005017713 A JP 2005017713A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- developer
- toner
- image
- image forming
- sensor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Dry Development In Electrophotography (AREA)
- Control Or Security For Electrophotography (AREA)
Abstract
【課題】現像剤におけるトナー帯電量の変化に適応した画像形成条件の制御を実行し、環境が変化しても、好適な画像制御を実現する画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1上に形成された静電像を非磁性トナー及び磁性キャリアを含む現像剤48にて現像する現像器4を備えた画像形成手段と、現像器4内のトナー濃度を検出する濃度センサ100と、現像器4内の現像剤48の磁気特性を検出する磁気センサ200と、を有する画像形成装置において、濃度センサ100の出力に応じて現像器4内のトナー濃度が制御された状態のとき、磁気センサ200により検出された出力に応じて画像形成手段による画像形成条件を制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】像担持体1上に形成された静電像を非磁性トナー及び磁性キャリアを含む現像剤48にて現像する現像器4を備えた画像形成手段と、現像器4内のトナー濃度を検出する濃度センサ100と、現像器4内の現像剤48の磁気特性を検出する磁気センサ200と、を有する画像形成装置において、濃度センサ100の出力に応じて現像器4内のトナー濃度が制御された状態のとき、磁気センサ200により検出された出力に応じて画像形成手段による画像形成条件を制御する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式等によって像担持体上に形成された静電潜像を現像して可視画像を形成する複写機、プリンタ、記録画像表示装置、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置が具備する現像器には、トナー粒子とキャリア粒子を主成分とした二成分現像剤が用いられている。特に、電子写真方式によりフルカラーやマルチカラー画像を形成するカラー画像形成装置には、殆どの現像器が二成分現像剤を使用している。
【0003】
周知のように、この二成分現像剤において、トナー帯電量は、現像剤の潜像へと向かう力の大きさに影響し、画像品質を安定化させる上で極めて重要な要素になっている。このトナー帯電量は主に現像器周辺の温湿度や、現像剤の攪拌回数による現像剤劣化の影響を受ける。
【0004】
温湿度変化によるトナー帯電量変化に対して具体的に説明すると、現像剤のトナー帯電量は現像剤の吸湿状態によって変化し、低湿環境下においてトナー帯電量は高く、高湿環境下においてトナー帯電量は低くなる傾向がある。
【0005】
このトナー帯電量変化は、画像品質の安定化、特に画像濃度安定化に大きな影響を及ぼすため、この問題に対し従来は、現像器周辺に温湿度センサを設置し、温湿度の変化により、像担持体を一様に帯電して、その帯電位を変化させることで静電潜像を形成する画像形成装置における像担持体の静電潜像形成前の帯電量等の帯電条件、現像器に印加する現像バイアス電位等の現像条件、その他では転写電流等の画像形成条件を調整することで、温湿度変化とそれによって生じるトナー帯電量変化に対する画像濃度変化を防止してきた。
【0006】
又、トナー帯電量の変化は現像剤のトナー濃度制御にも影響を与える場合があり、その対策として特許文献1のような技術が開示されている。
【0007】
つまりは温湿度変化に対するトナー帯電量変化量を、現像器近傍に設置させた温湿度センサの検知値から見越して画像形成条件を制御してきた。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−215763号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らの検討では、現像器近傍の雰囲気温度、湿度の変化に対して、現像容器中の現像剤が完全に調湿されて、その環境のトナー帯電量になるまでにはタイムラグがあることが分かった。
【0010】
よって、従来の技術で述べたように温湿度センサの出力値に基づいて画像形成条件を変えると、画像濃度が濃すぎたり薄すぎたりするという問題が生じることが分かった。
【0011】
図13(a)は、従来の画像形成装置において、装置本体が設置された環境を高温高湿(30℃80%水分量21.6g)側から、低温低湿(20℃6%水分量0.9g)側に変化させたときの温湿度センサの出力する外気の絶対水分量の推移を示し、図13(b)は、従来の画像形成装置を高湿環境下から低湿環境下へと移動した時のトナー帯電量推移を示し、図13(c)は従来例通りに温湿度センサの出力に応じて、像担持体の帯電量・現像バイアスを制御した場合の現像コントラスト推移を示したものである。
【0012】
図13(b)における点線Bは現像器内部に収容されたものと同じ現像剤を、低湿環境下に十分に調湿した時のトナー帯電量、点線Aは同じ現像剤を、高湿環境下に十分調湿した時のトナー帯電量を示す。
【0013】
又、現像器周辺の温湿度が、高温・高湿側ではトナー帯電量が低く、現像部においてトナーは、像担持体と現像器における現像剤担持体の電位差(現像コントラスト電位)により現像剤担持体から像担持体に移動しやすく、逆に低温・低湿側ではトナー帯電量が高く、現像部においてトナーは、現像コントラスト電位により現像剤担持体から像担持体に移動しにくくなる。
【0014】
このため、図13(c)の制御において、上記の2つの環境で画像濃度を均一に、即ち像担持体上に付着するトナーの乗り量を一定にするために、高温・高湿側では、現像コントラストを低く、低温・低湿側では、現像コントラストを高く設定するようにする。
【0015】
図13(a)と図13(b)とを比べると、温湿度センサの出力に対して、つまりは現像器周辺の温湿度変化に対して、現像剤のトナー帯電量が変化後の環境のトナー帯電量になるまでには両矢印Cのタイムラグが生じる。つまり、温度センサの出力値が完全に低温低湿における数値、ここでは0.9gに変化した時、図13(a)では絶対水分量が固定された時刻Mにおいて、未だ、図13(b)に示すトナー帯電量は、完全に上がりきらず、B値よりもやや低い状態であり、B値になるには、時刻NまでタイムラグCだけの時間が必要である。
【0016】
このタイムラグCに対して像担持体の帯電量又は現像バイアスを変化させて現像コントラストを図13(c)のように制御した場合、時刻Mにおいて、未だトナー帯電量が上がりきってない状態で帯電量が上がりきった場合と同様の現像コントラストの条件にて画像形成されるため、現像コントラストを上げた時刻Mとトナー帯電量が所定値に均一化されるNの時刻での画像濃度に対して、時刻Mにおける画像濃度が高くなってしまう問題が生じる。
【0017】
つまりは、現像剤の調湿度が周囲の温湿度変化に対して遅く、現像剤が完全に低湿環境下に調湿されていない、即ち低湿環境下のトナー帯電量に均一化されてない状態で、現像コントラストが高く設定され、像担持体に付着するトナー量が多くなり、結果的に画像濃度が濃いという問題が起こる。
【0018】
逆に、低温・低湿環境から高温・高湿環境に外気が変わっていった場合、逆に濃度薄の問題が生じる。
【0019】
上記の問題点に対しては、画像形成装置・現像器の密閉度、現像剤のトナー帯電量と、環境変化に対するトナー帯電変化量によって条件が大きく変わるため、特に数値等は特定していないが、現像器の完全密閉でない程に密閉度が高く、環境変化に対してトナー帯電量が大きく変化する現像剤を使用した場合は特に顕著な問題となる。
【0020】
従って、本発明の目的は、現像剤におけるトナー帯電量の変化に適応した画像形成条件の制御を実行し、環境が変化しても、好適な画像制御を実現する画像形成装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、像担持体と、前記像担持体上に形成された静電像を非磁性トナー及び磁性キャリアを含む現像剤にて現像する現像器を備えた画像形成手段と、前記現像器内のトナー濃度を検出する濃度センサと、前記現像器内の現像剤の磁気特性を検出する磁気センサと、を有する画像形成装置において、
前記濃度センサの出力に応じて前記現像器内のトナー濃度が制御された状態のとき、前記磁気センサにより検出された出力に応じて前記画像形成手段による画像形成条件を制御することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0023】
実施例1
図1に、本発明が適用できる画像形成装置の一実施例である、電子写真方式を採用した画像形成装置の概略構成図を示す。この画像形成装置は、中間転写体5上へ未定着現像剤像(トナー像)を形成するまでのプロセス手段を一体化した4つの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを備え、各画像形成部において、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を、それぞれが備えた像担持体1a〜1d上に形成し、各トナー像を中間転写体5上に順次重ね合わせて転写して、その後、この中間転写体5上に重ね合わされたカラー未定着トナー像を転写材Pに一括して転写し、定着してカラー画像を得るものである。
【0024】
各画像形成部Pa〜Pdは、それぞれに像担持体である感光体ドラム1a〜1dを有するが、各感光体ドラム1a〜1dは同じ構成のものなので、ここでは、感光体ドラム1a〜1dを「感光体ドラム1」と総称し、各感光体ドラム1a〜1dの周囲に配置された画像形成手段も同様に、帯電器2a〜2dを「帯電器2」、のように総称する。
【0025】
この画像形成装置では、これらの画像形成部Pa〜Pd内部において、像担持体としての矢印方向に回転する感光体ドラム1を備え、その周囲には、帯電器2、転写ローラ6、現像器4、及び感光体ドラム1の図上方に配置したレーザービームスキャナ3の画像形成手段を有する。レーザービームスキャナ3に内蔵された半導体レーザーは、CCD等の光電変換素子を有する原稿読み取り装置が出力する、原稿の白黒画像情報に対応する画像信号に対応して制御され、レーザー光を射出する。
【0026】
この画像形成装置全体のシーケンスは、まず感光体ドラム1が、帯電器2によって一様に帯電される。感光体ドラム1は、矢示の時計方向に150mm/sec.のプロセススピード(周速度)で回転する。
【0027】
次に、上記のレーザービームスキャナ3により、画像信号により変調されたレーザー光25により走査露光が行われ、そのことによって、帯電器2によって帯電された感光体ドラム1の表面電位が画像部において変化して、感光体ドラム1上に静電潜像が形成され、現像器4によってこの静電潜像は反転現像される。本実施例では現像剤としてトナーとキャリアを混合した現像剤を使用する、二成分接触現像方式を用いる。又、ここまでの工程を各画像形成部Pa〜Pd毎に、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色の画像について行うことによって、フルカラー画像を得ることができる。
【0028】
感光体ドラム1上のトナー像は、一度中間転写体である中間転写ベルト5に転写され、給紙カセット12から取り出され、給紙ローラ13、給紙ガイド11を経由して進行した紙などの転写材Pに、二次転写ローラ10により転写される。転写されずに中間転写ベルト5表面に残ったトナーは中間転写ベルトクリーニング手段18に回収される。
【0029】
一方、トナーが転写された転写材Pは、定着器(熱ローラ定着器)16に送られ、画像の定着が行われ、排紙トレー17に排出される。
【0030】
尚、本実施例においては感光体ドラム1が用いられているが、特にそれらに限定されるものではなく、たとえば感光体ベルト等であってもかまわない。
【0031】
次に、本発明の特徴部分としての、本実施例の現像器4について図2を用いて説明する。
【0032】
現像器4は感光体ドラム1に対向して配置されており、その内部は垂直方向に延在する隔壁40によって第1室(現像室)R1と第2室(撹拌室)R2とに区画されている。第1室R1には、現像剤担持体としての矢印方向に回転する非磁性中空の円筒体である現像スリーブ41が配置されており、この現像スリーブ41内に磁界発生手段であるマグネット42が固定配置されている。現像スリーブ41は現像剤規制部材としてのブレード44によって層厚規制された二成分現像剤(磁性キャリアと非磁性トナーを含む)の層を担持搬送し、感光体ドラム1と対向する現像領域で現像剤を感光体ドラム1表面に供給して静電潜像を現像する。そして、現像スリーブ41には、現像効率、即ち潜像へのトナーの付与率を向上させるために、電源45から直流電圧を交流電圧に重畳した現像バイアス電圧が印加されている。
【0033】
第1室R1及び第2室R2にはそれぞれ現像剤撹拌スクリュー46及び47が配置されている。スクリュー47は第1室R1中の現像剤を撹拌搬送し、又、スクリュー46は、後述するトナー補給部R3のトナー補給口50から搬送スクリュー49の回転によって供給されたトナー48’と既に現像器4内にある現像剤48とを撹拌搬送し、トナー濃度を均一化する。
【0034】
隔壁40には図2における手前側と奥側の端部において第1室R1と第2室R2とを相互に連通させる現像剤通路(図示せず)が形成されており、上記スクリュー46、47の搬送力により、現像によってトナーが消費されてトナー濃度の低下した第1室R1内の現像剤が一方の通路から第2室R2内へ移動し、第2室R2内でトナー濃度の回復した現像剤が他方の通路から第1室R1内へ移動するように構成されている。
【0035】
本実施例では、静電潜像の現像により現像器4内の現像剤濃度が変化するのを補正するために、即ち、現像器4に補給するトナー量を制御するために、現像スリーブ41の対向位置に、現像剤の濃度センサとして、光反射式のトナー濃度センサ100を設置し、スリーブ41上の現像剤に照射した光の反射量を検知することで現在の現像剤トナー濃度を検知し、基準値との比較によりトナーを補給するようにしたものである。
【0036】
ここで、図3を参照して光反射式のトナー濃度センサ(以下「ATR」と称す。)について説明する。
【0037】
ATR100は、現像スリーブ41表面に対向するようにして配置されており、現像スリーブ41表面にて担持搬送される現像剤43が摺擦される。ATR100は、箱状の本体101と、その開口部に取り付けられた検出窓102と、本体101の内側に配置された赤外線のLED発光素子(発光部)103と、赤外線の受光素子(受光部)104と、を備えている。
【0038】
LED発光素子103の発光により赤外線が検出窓102を透過して現像剤43に照射されると、現像剤43のトナー濃度に応じた量の赤外線が反射される。これは、現像剤43のキャリヤとトナーとのうちのキャリヤには赤外線の反射能力が殆どなく、トナーのみが赤外線を反射するからである。従って、現像剤43中のトナーが多い場合は赤外線の反射光量が多く、一方、トナーが少ない場合は赤外線の反射光量が少なくなる。この赤外線の反射光量の多少を受光素子104により検知すれば、現像剤43中のトナー量を測定することができる。
【0039】
そしてATR100は、トナー量が少ないと判断した場合には、図2のトナー補給装置(ホッパー)R3からトナーをスクリュー49により送り出し、攪拌室R2内の現像剤48に補給する。トナー量が多いと判断した場合には、上記動作を行わない。
【0040】
図4に、トナー濃度とATR100出力との関係を示す。同図において、TWは現像剤中のトナー重量、DWは現像剤43の重量、CWはキャリア重量を示すとした場合、TW/DW比はトナー濃度、つまり{TW/(TW+CW)}×100を示す。即ち、トナー濃度とは現像剤中のトナーとキャリアの混合比であり、T/D比のことである。
【0041】
同図から分かるように、本例では、TW/DW比が中心値の5%(重量%)であるとき、受光素子104からのATR出力が4Vとなるように調整されている。ATR出力は、TW/DW比がそこから1%減って4%になると3.5Vに減り、逆に、1%増して6%になると4.5Vに増える。
【0042】
図5は、ATR出力とトナー補給量との関係を示す補給テーブルである。トナー量が多いと判断した場合、即ちTW/DW比が高いこと、ここではATR出力が4V以上であることを検知した場合には、上述したようにトナーの補給は行わず、トナー量が少ないと判断した場合、即ちTW/DW比が低いこと、ここではATR出力が4%より少ないことを検知した場合には、その検知レベルに応じてトナー補給量を多くしていく。尚、同図においては、トナー補給量は、トナーの補給時間(秒)、即ち、図2における補給スクリュー49の動作時間で示してある。
【0043】
以上のように、本実施例では、ATR100を現像スリーブ41との対向位置に設置することで、連続コピーにおいてTW/DW比の変化が±1%以内に収めるべく、現像剤43の濃度検知からトナー補給の一連の動作を制御するように構成されている。
【0044】
そして、ATR100は現像剤に照射した赤外光の反射光量により現像剤のT/D比を検知するため、現像剤の嵩密度変動の影響が少ない。
【0045】
本実施例においてのトナー濃度検知方法としては、上記のように光の反射光量によるトナー濃度検知方法を使用しているが、他のトナー濃度検知方法でも実施できる。但し、後述する本発明の効果を十分に得るためには、トナー濃度検知方法は上述のような現像剤のトナー帯電量変化・温湿度変化による現像剤嵩密度変動の影響が少ないものの方が、より効果が高いことは言うまでもない。
【0046】
そして、この画像形成装置は、更に、従来例に説明した温湿度センサの代わりに、現像剤の環境変化によるトナー帯電量変化を現像剤嵩密度に伴って変化する磁気特性から導く磁気センサを採用することを特徴とする。そして、磁気センサとして、現像器4の第2室(攪拌室)R2の側壁にインダクタンス検知センサ200が設置され、このインダクタンス検知センサ200の検知結果により現像条件や帯電条件等の画像形成条件を制御する画像形成装置である。
【0047】
温湿度センサにて画像形成条件を制御するのに代わって、現像剤の嵩密度に伴って変化する磁気特性にから直接トナー帯電量を検知するインダクタンス検知センサ200を使用することで、従来例に説明したような、温湿度変化に伴う絶対水分量等の環境の変化によるトナー帯電量の変化値が現像剤において均一となるまでのタイムラグを回避しようとするものである。
【0048】
インダクタンス検知センサ200の設置場所に関しては、本実施例では現像器4の第2室(攪拌室)R2の側壁に設置しているが、現像剤の滞留がなく、剤の流動が安定し、現像剤の剤面の変動に影響を受けない場所であれば別の場所に設置してもかまわない。
【0049】
ここで、本実施例の現像剤磁気センサとして使用するインダクタンス検知センサ200について説明する。
【0050】
インダクタンス検知センサ200は、現像剤の嵩密度変化を、見かけの透磁率変化として検知する。本実施例においては23℃60%の状態で空気中に含まれる水分量を10.5gとする時の初期現像剤の常温室での嵩密度に対するインダクタンス検知センサ200の検出信号を現像剤嵩密度制御の基準値に設定する。そして、例えばその基準値に対し検出信号が高く、現像剤の見かけの透磁率が大きいと検知された場合、一定体積内で現像剤中のキャリア粒子が占める割合が多く、嵩密度が高くなったことを意味する。逆に、基準値に対し検出信号が低く、見かけの透磁率が小さくなったと検知された場合、一定体積内で現像剤中のキャリアが占める割合が少なく、嵩密度が低くなったことを意味する。
【0051】
つまり、インダクタンス検知センサ200は現像剤の嵩密度を磁気特性より直接検知することで、環境による現像剤の嵩密度の変化を検知することが出来、温湿度センサよりも、的確に現像剤のトナー帯電量の変化を検知できる。
【0052】
又、図6(a)は現像器4周辺の温湿度から導き出される空気中に含まれる水分量とトナー帯電量の関係を、図6(b)は現像器4周辺の空気中に含まれる水分量とインダクタンス検知センサ200の出力の関係を現像剤のトナー濃度を加味して示したものである。
【0053】
詳しく説明すると、一定水分量では、インダクタンス検知センサ200は一定体積内で現像剤中のキャリア粒子量の変動を、見かけ透磁率変動として検知するため、微小なトナー濃度の変化によって変化する。
【0054】
即ち、図6(b)のように、トナー濃度の変動によってもインダクタンス検知センサの出力は比例して変化する。ここでは、絶対水分量が10.5gの環境において、このセンサ200の出力はトナー濃度が本実施例における基準値5%においては出力B値(図6(b))とすると、4%においては一定体積内で現像剤中のキャリア粒子の量が5%に対して増えるため出力は上昇して、図6(b)に示すA値となる。逆に6%になると、一定体積内で現像剤中のキャリア粒子の量が減り、トナー量が増えるため出力は下がって図6(b)に示すC値となる。
【0055】
又、図6(a)に示すトナー帯電量と空気中の水分量の関係と、図6(b)に示すトナー濃度5%における温湿度とインダクタンス検知センサ200出力の関係、を見れば分かるように、外気の環境変化により現像剤に吸湿される水分量が低くなるとトナー帯電量が増加し、インダクタンス検知センサ200の出力が低下し、現像剤に吸湿される水分量が高くなるとトナー帯電量が低下し、インダクタンス検知センサ200の出力が増加している。
【0056】
これは、トナー帯電量の変動による現像剤間の反発力の変化を示すと考えられ、現像剤間の反発力はトナー帯電量が大きい程反発しやすく、反発によって現像剤間が広がるため現像剤のかさ密度が減少してしまうと考えられる。
【0057】
つまり、同じトナー濃度で現像剤の嵩密度検知を行わねば、現像剤のトナー帯電量が定まらない。
【0058】
このことから、現像剤のトナー濃度をトナー濃度センサ100にて検知し、それに対し、インダクタンス検知センサ200にて現像器4周辺の温湿度変化にともなう現像剤の吸湿状態を検知するのが好適と考えられる。
【0059】
つまり、本発明の特徴としては、現像剤のトナー濃度を、上記に説明したような現像剤の嵩密度変動の影響が少ないトナー濃度センサにより検知し、検知したトナー濃度に対して、現像剤の吸湿度合い及びトナー帯電量を本実施例ではインダクタンス検知センサである現像剤磁気センサにより検知することが挙げられる。即ち、現像器内のトナー濃度が濃度センサの出力に応じて所定値となるよう制御された状態のときインダクタンス検知センサにより得られた複数の検出値の変動分(差分)が「現像剤の吸湿状態」を表していると言え、このように、インダクタンス検知センサの出力値の変動分(差分)に応じて画像形成条件を制御することが好ましい。
【0060】
そして、トナー濃度センサにて検知されたトナー濃度に対応させて、そのトナー濃度に応じたインダクタンス検知センサの出力と現像剤に吸湿される水分量との関係を記憶させたテーブルが、装置本体の制御手段に数種類記憶されている。そして、インダクタンス検知センサの検知結果に対応するテーブルが、トナー濃度センサの検知結果によって切り替わるようにされており、選択されたテーブルを使用して、画像形成条件を制御する。
【0061】
本実施例においては、図7のようにトナー濃度4%〜6%までを5分割しトナー濃度4.00〜4.25%までをテーブルTa、4.25〜4.75%までをテーブルTb、4.75〜5.25%までをテーブルTc、5.25〜5.75%までをテーブルTd、5.75〜6%までをテーブルTeとした。
【0062】
しかし、トナー濃度やトナー濃度に対するテーブル数は上記に限らず、より検知結果の精度を上げたい場合はテーブル数を増やしてもかまわない。
【0063】
次に、図8のフローチャートと図7、図9を使用して本発明による画像形成条件の制御を説明する。本実施例では、現像剤の嵩密度変化に基づき、画像形成条件として、帯電器2にて印加される帯電バイアス等の帯電条件や現像器4に印加される現像バイアス等の現像条件を制御して現像コントラストを変更する。そのことによって、トナー帯電量に応じた現像コントラストで現像動作が実行され、感光体ドラム1へ移動するトナー量を好適に制御できる。
【0064】
1.まず、ユーザーが画像形成装置のスタートボタンを押すと(S101)、画像形成前の前回転時にトナー濃度センサ100が現像剤トナー濃度を検知する(102)。
【0065】
2.次に、そのトナー濃度の検知結果によりインダクタンス検知センサ200のテーブルTa〜Teを選択する(103)。そして、例えばトナー濃度が4.3%の場合、テーブルTbを選択する。
【0066】
3.次に、インダクタンス検知センサ200の出力を検知する(104)。このインダクタンス検知センサ200の出力から、本実施例ではテーブルTbから、現在の現像剤の嵩密度に対応した数値を導き出す(105)。
【0067】
4.そして、その数値に応じて現像コントラストを、画像形成装置本体の不図示の制御手段に記憶されている、図9に示す現像コントラストとセンサ出力のテーブルから選定して(106)、画像形成を開始する(107)。
【0068】
この制御により、インダクタンス検知センサ200で常に現像剤の嵩密度変化に相関してトナー帯電量変化を管理することが可能なため、従来例で述べたような、温湿度センサによる温湿度変化と現像剤吸湿度合いのタイムラグの問題が生じることはない。
【0069】
以上のように、インダクタンス検知センサ200は温湿度変化による現像剤の嵩密度変化から、トナー帯電量変化を直接検知できるため、従来例にて説明したように、現像器4周辺の温湿度変化に対し、現像剤の調湿度合いにタイムラグがあっても、正確に現像剤の調湿度合いを検知することができる。
【0070】
そして、インダクタンス検知センサ200の検知結果を画像形成条件の制御と組み合わせることにより、より精度が高く、環境変動に左右されない画像形成条件の制御を実現することができる。
【0071】
実施例2
実施例1においてはトナー濃度センサ100の出力(現像剤のT/D比)に応じて、現像剤磁気センサとなるインダクタンス検知センサ200のテーブルを数種類持ったが、本実施例ではインダクタンス検知センサ200の検知出力値を制御してテーブル数を減らしたことを特徴とする。
【0072】
インダクタンス検知センサ200の出力はセンサの出力を制御する制御電圧によって、変化させることができる。本実施例では、図10のようなトナー濃度とインダクタンス検知センサ200の制御電圧値の変更量の関係を示したテーブルを記憶するだけで、実施例1のような各T/D比に対する複数のテーブルを使用しないで、本発明の制御が行えることを特徴とする。
【0073】
図10は、現像剤のT/D比変化によりインダクタンス検知センサ200の値が基準値から変化した場合、その変化量に対して制御電圧を何V変化させれば基準値に戻せるかを示したテーブルである。
【0074】
図10のテーブルは図11、図12から決定される。図11はトナー濃度に対するインダクタンス検知センサ200の出力値の関係を示したもので、図12はインダクタンス検知センサ200の制御電圧に対する出力の関係を示したものである。
【0075】
図11から、例えばT/D比が基準の5%から4%に変動したとき、インダクタンス検知センサ200の出力がV1からV2に変動することが分かる。又、図12から、例えば、変動した値V2から出力をV1に戻すために必要な制御電圧変動量ΔVがわかる。
【0076】
ここから、トナー濃度センサ100から現像剤のT/D比が5%から4%に変化した信号を受けとった時点で図10から4%に該当する制御電圧変化量ΔV(V)分だけ、もとの制御電圧設定値から減少させてセンサの出力をV2からV1に戻すような制御を行うことで、実施例1においては現像剤のT/D比に応じて持っていた数種類の現像剤磁気センサのテーブルを、基準T/D比の5%のテーブルだけに減らしても同様の効果が得られる。
【0077】
即ち、図10に示す制御電圧変化量とトナー濃度との関係をテーブルとして画像形成装置に記憶させることで、トナー濃度とセンサ出力のテーブルを複数用意しなくとも、好適な磁気センサの出力制御を行うことが出来る。
【0078】
実施例1、2においては、現像剤磁気センサをインダクタンス検知センサとし、現像剤濃度センサを光反射式の光学センサとして、現像器内部に設置するものとし、それが好ましいが、必ずしも検知手段がこの構成とは限らず、構成によっては、設置場所も現像器内部でなくとも良い。
【0079】
尚、実施例1、2に説明した画像形成装置において、全体の構成はこれに限るものではなく、単色の画像形成装置でも、中間転写体を使用しないで像担持体から直接転写材にトナー像を転写するものでも、本発明は適用でき、又、画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置は、像担持体上に形成された静電像を非磁性トナー及び磁性キャリアを含む現像剤にて現像する現像器を備えた画像形成手段と、現像器内のトナー濃度を検出する濃度センサと、現像器内の現像剤の磁気特性を検出する磁気センサと、を有する画像形成装置において、濃度センサの出力に応じて現像器内のトナー濃度が制御された状態のとき、磁気センサにより検出された出力に応じて画像形成手段による画像形成条件を制御するので、現像器周辺の温湿度変化と現像剤の調湿度合いのタイムラグを防止し、画像形成装置周辺の環境が変化しても、好適な画像制御を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る現像器の一例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る濃度センサの一例を示す概略構成図である。
【図4】実施例1におけるトナー濃度と濃度センサ出力との関係を示すグラフである。
【図5】実施例1におけるトナー補給時間と濃度センサ出力の関係を示すグラフである。
【図6】空気中の水分量のトナー帯電量との関係(図6(a))、及び磁気センサ出力との関係(図6(b))を示すグラフである。
【図7】トナー濃度の違いにおける磁気センサの出力と空気中の水分量との関係テーブルを示すグラフである。
【図8】本発明に係る画像形成条件制御動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】現像コントラストと磁気センサ出力との関係を示すグラフである。
【図10】実施例2におけるトナー濃度と制御電圧変化量との関係テーブルを示すグラフである。
【図11】磁気センサ出力とトナー濃度との関係を示すグラフである。
【図12】磁気センサ出力と制御電圧値との関係を示すグラフである。
【図13】空気中の絶対水分量の変化とトナー帯電量の変化と従来の画像形成装置における現像コントラストの推移を示す説明図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体)
4 現像器
41 インダクタンス検知センサ(磁気センサ)
100 トナー濃度検知センサ(濃度センサ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式等によって像担持体上に形成された静電潜像を現像して可視画像を形成する複写機、プリンタ、記録画像表示装置、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置が具備する現像器には、トナー粒子とキャリア粒子を主成分とした二成分現像剤が用いられている。特に、電子写真方式によりフルカラーやマルチカラー画像を形成するカラー画像形成装置には、殆どの現像器が二成分現像剤を使用している。
【0003】
周知のように、この二成分現像剤において、トナー帯電量は、現像剤の潜像へと向かう力の大きさに影響し、画像品質を安定化させる上で極めて重要な要素になっている。このトナー帯電量は主に現像器周辺の温湿度や、現像剤の攪拌回数による現像剤劣化の影響を受ける。
【0004】
温湿度変化によるトナー帯電量変化に対して具体的に説明すると、現像剤のトナー帯電量は現像剤の吸湿状態によって変化し、低湿環境下においてトナー帯電量は高く、高湿環境下においてトナー帯電量は低くなる傾向がある。
【0005】
このトナー帯電量変化は、画像品質の安定化、特に画像濃度安定化に大きな影響を及ぼすため、この問題に対し従来は、現像器周辺に温湿度センサを設置し、温湿度の変化により、像担持体を一様に帯電して、その帯電位を変化させることで静電潜像を形成する画像形成装置における像担持体の静電潜像形成前の帯電量等の帯電条件、現像器に印加する現像バイアス電位等の現像条件、その他では転写電流等の画像形成条件を調整することで、温湿度変化とそれによって生じるトナー帯電量変化に対する画像濃度変化を防止してきた。
【0006】
又、トナー帯電量の変化は現像剤のトナー濃度制御にも影響を与える場合があり、その対策として特許文献1のような技術が開示されている。
【0007】
つまりは温湿度変化に対するトナー帯電量変化量を、現像器近傍に設置させた温湿度センサの検知値から見越して画像形成条件を制御してきた。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−215763号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らの検討では、現像器近傍の雰囲気温度、湿度の変化に対して、現像容器中の現像剤が完全に調湿されて、その環境のトナー帯電量になるまでにはタイムラグがあることが分かった。
【0010】
よって、従来の技術で述べたように温湿度センサの出力値に基づいて画像形成条件を変えると、画像濃度が濃すぎたり薄すぎたりするという問題が生じることが分かった。
【0011】
図13(a)は、従来の画像形成装置において、装置本体が設置された環境を高温高湿(30℃80%水分量21.6g)側から、低温低湿(20℃6%水分量0.9g)側に変化させたときの温湿度センサの出力する外気の絶対水分量の推移を示し、図13(b)は、従来の画像形成装置を高湿環境下から低湿環境下へと移動した時のトナー帯電量推移を示し、図13(c)は従来例通りに温湿度センサの出力に応じて、像担持体の帯電量・現像バイアスを制御した場合の現像コントラスト推移を示したものである。
【0012】
図13(b)における点線Bは現像器内部に収容されたものと同じ現像剤を、低湿環境下に十分に調湿した時のトナー帯電量、点線Aは同じ現像剤を、高湿環境下に十分調湿した時のトナー帯電量を示す。
【0013】
又、現像器周辺の温湿度が、高温・高湿側ではトナー帯電量が低く、現像部においてトナーは、像担持体と現像器における現像剤担持体の電位差(現像コントラスト電位)により現像剤担持体から像担持体に移動しやすく、逆に低温・低湿側ではトナー帯電量が高く、現像部においてトナーは、現像コントラスト電位により現像剤担持体から像担持体に移動しにくくなる。
【0014】
このため、図13(c)の制御において、上記の2つの環境で画像濃度を均一に、即ち像担持体上に付着するトナーの乗り量を一定にするために、高温・高湿側では、現像コントラストを低く、低温・低湿側では、現像コントラストを高く設定するようにする。
【0015】
図13(a)と図13(b)とを比べると、温湿度センサの出力に対して、つまりは現像器周辺の温湿度変化に対して、現像剤のトナー帯電量が変化後の環境のトナー帯電量になるまでには両矢印Cのタイムラグが生じる。つまり、温度センサの出力値が完全に低温低湿における数値、ここでは0.9gに変化した時、図13(a)では絶対水分量が固定された時刻Mにおいて、未だ、図13(b)に示すトナー帯電量は、完全に上がりきらず、B値よりもやや低い状態であり、B値になるには、時刻NまでタイムラグCだけの時間が必要である。
【0016】
このタイムラグCに対して像担持体の帯電量又は現像バイアスを変化させて現像コントラストを図13(c)のように制御した場合、時刻Mにおいて、未だトナー帯電量が上がりきってない状態で帯電量が上がりきった場合と同様の現像コントラストの条件にて画像形成されるため、現像コントラストを上げた時刻Mとトナー帯電量が所定値に均一化されるNの時刻での画像濃度に対して、時刻Mにおける画像濃度が高くなってしまう問題が生じる。
【0017】
つまりは、現像剤の調湿度が周囲の温湿度変化に対して遅く、現像剤が完全に低湿環境下に調湿されていない、即ち低湿環境下のトナー帯電量に均一化されてない状態で、現像コントラストが高く設定され、像担持体に付着するトナー量が多くなり、結果的に画像濃度が濃いという問題が起こる。
【0018】
逆に、低温・低湿環境から高温・高湿環境に外気が変わっていった場合、逆に濃度薄の問題が生じる。
【0019】
上記の問題点に対しては、画像形成装置・現像器の密閉度、現像剤のトナー帯電量と、環境変化に対するトナー帯電変化量によって条件が大きく変わるため、特に数値等は特定していないが、現像器の完全密閉でない程に密閉度が高く、環境変化に対してトナー帯電量が大きく変化する現像剤を使用した場合は特に顕著な問題となる。
【0020】
従って、本発明の目的は、現像剤におけるトナー帯電量の変化に適応した画像形成条件の制御を実行し、環境が変化しても、好適な画像制御を実現する画像形成装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、像担持体と、前記像担持体上に形成された静電像を非磁性トナー及び磁性キャリアを含む現像剤にて現像する現像器を備えた画像形成手段と、前記現像器内のトナー濃度を検出する濃度センサと、前記現像器内の現像剤の磁気特性を検出する磁気センサと、を有する画像形成装置において、
前記濃度センサの出力に応じて前記現像器内のトナー濃度が制御された状態のとき、前記磁気センサにより検出された出力に応じて前記画像形成手段による画像形成条件を制御することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0023】
実施例1
図1に、本発明が適用できる画像形成装置の一実施例である、電子写真方式を採用した画像形成装置の概略構成図を示す。この画像形成装置は、中間転写体5上へ未定着現像剤像(トナー像)を形成するまでのプロセス手段を一体化した4つの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを備え、各画像形成部において、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を、それぞれが備えた像担持体1a〜1d上に形成し、各トナー像を中間転写体5上に順次重ね合わせて転写して、その後、この中間転写体5上に重ね合わされたカラー未定着トナー像を転写材Pに一括して転写し、定着してカラー画像を得るものである。
【0024】
各画像形成部Pa〜Pdは、それぞれに像担持体である感光体ドラム1a〜1dを有するが、各感光体ドラム1a〜1dは同じ構成のものなので、ここでは、感光体ドラム1a〜1dを「感光体ドラム1」と総称し、各感光体ドラム1a〜1dの周囲に配置された画像形成手段も同様に、帯電器2a〜2dを「帯電器2」、のように総称する。
【0025】
この画像形成装置では、これらの画像形成部Pa〜Pd内部において、像担持体としての矢印方向に回転する感光体ドラム1を備え、その周囲には、帯電器2、転写ローラ6、現像器4、及び感光体ドラム1の図上方に配置したレーザービームスキャナ3の画像形成手段を有する。レーザービームスキャナ3に内蔵された半導体レーザーは、CCD等の光電変換素子を有する原稿読み取り装置が出力する、原稿の白黒画像情報に対応する画像信号に対応して制御され、レーザー光を射出する。
【0026】
この画像形成装置全体のシーケンスは、まず感光体ドラム1が、帯電器2によって一様に帯電される。感光体ドラム1は、矢示の時計方向に150mm/sec.のプロセススピード(周速度)で回転する。
【0027】
次に、上記のレーザービームスキャナ3により、画像信号により変調されたレーザー光25により走査露光が行われ、そのことによって、帯電器2によって帯電された感光体ドラム1の表面電位が画像部において変化して、感光体ドラム1上に静電潜像が形成され、現像器4によってこの静電潜像は反転現像される。本実施例では現像剤としてトナーとキャリアを混合した現像剤を使用する、二成分接触現像方式を用いる。又、ここまでの工程を各画像形成部Pa〜Pd毎に、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色の画像について行うことによって、フルカラー画像を得ることができる。
【0028】
感光体ドラム1上のトナー像は、一度中間転写体である中間転写ベルト5に転写され、給紙カセット12から取り出され、給紙ローラ13、給紙ガイド11を経由して進行した紙などの転写材Pに、二次転写ローラ10により転写される。転写されずに中間転写ベルト5表面に残ったトナーは中間転写ベルトクリーニング手段18に回収される。
【0029】
一方、トナーが転写された転写材Pは、定着器(熱ローラ定着器)16に送られ、画像の定着が行われ、排紙トレー17に排出される。
【0030】
尚、本実施例においては感光体ドラム1が用いられているが、特にそれらに限定されるものではなく、たとえば感光体ベルト等であってもかまわない。
【0031】
次に、本発明の特徴部分としての、本実施例の現像器4について図2を用いて説明する。
【0032】
現像器4は感光体ドラム1に対向して配置されており、その内部は垂直方向に延在する隔壁40によって第1室(現像室)R1と第2室(撹拌室)R2とに区画されている。第1室R1には、現像剤担持体としての矢印方向に回転する非磁性中空の円筒体である現像スリーブ41が配置されており、この現像スリーブ41内に磁界発生手段であるマグネット42が固定配置されている。現像スリーブ41は現像剤規制部材としてのブレード44によって層厚規制された二成分現像剤(磁性キャリアと非磁性トナーを含む)の層を担持搬送し、感光体ドラム1と対向する現像領域で現像剤を感光体ドラム1表面に供給して静電潜像を現像する。そして、現像スリーブ41には、現像効率、即ち潜像へのトナーの付与率を向上させるために、電源45から直流電圧を交流電圧に重畳した現像バイアス電圧が印加されている。
【0033】
第1室R1及び第2室R2にはそれぞれ現像剤撹拌スクリュー46及び47が配置されている。スクリュー47は第1室R1中の現像剤を撹拌搬送し、又、スクリュー46は、後述するトナー補給部R3のトナー補給口50から搬送スクリュー49の回転によって供給されたトナー48’と既に現像器4内にある現像剤48とを撹拌搬送し、トナー濃度を均一化する。
【0034】
隔壁40には図2における手前側と奥側の端部において第1室R1と第2室R2とを相互に連通させる現像剤通路(図示せず)が形成されており、上記スクリュー46、47の搬送力により、現像によってトナーが消費されてトナー濃度の低下した第1室R1内の現像剤が一方の通路から第2室R2内へ移動し、第2室R2内でトナー濃度の回復した現像剤が他方の通路から第1室R1内へ移動するように構成されている。
【0035】
本実施例では、静電潜像の現像により現像器4内の現像剤濃度が変化するのを補正するために、即ち、現像器4に補給するトナー量を制御するために、現像スリーブ41の対向位置に、現像剤の濃度センサとして、光反射式のトナー濃度センサ100を設置し、スリーブ41上の現像剤に照射した光の反射量を検知することで現在の現像剤トナー濃度を検知し、基準値との比較によりトナーを補給するようにしたものである。
【0036】
ここで、図3を参照して光反射式のトナー濃度センサ(以下「ATR」と称す。)について説明する。
【0037】
ATR100は、現像スリーブ41表面に対向するようにして配置されており、現像スリーブ41表面にて担持搬送される現像剤43が摺擦される。ATR100は、箱状の本体101と、その開口部に取り付けられた検出窓102と、本体101の内側に配置された赤外線のLED発光素子(発光部)103と、赤外線の受光素子(受光部)104と、を備えている。
【0038】
LED発光素子103の発光により赤外線が検出窓102を透過して現像剤43に照射されると、現像剤43のトナー濃度に応じた量の赤外線が反射される。これは、現像剤43のキャリヤとトナーとのうちのキャリヤには赤外線の反射能力が殆どなく、トナーのみが赤外線を反射するからである。従って、現像剤43中のトナーが多い場合は赤外線の反射光量が多く、一方、トナーが少ない場合は赤外線の反射光量が少なくなる。この赤外線の反射光量の多少を受光素子104により検知すれば、現像剤43中のトナー量を測定することができる。
【0039】
そしてATR100は、トナー量が少ないと判断した場合には、図2のトナー補給装置(ホッパー)R3からトナーをスクリュー49により送り出し、攪拌室R2内の現像剤48に補給する。トナー量が多いと判断した場合には、上記動作を行わない。
【0040】
図4に、トナー濃度とATR100出力との関係を示す。同図において、TWは現像剤中のトナー重量、DWは現像剤43の重量、CWはキャリア重量を示すとした場合、TW/DW比はトナー濃度、つまり{TW/(TW+CW)}×100を示す。即ち、トナー濃度とは現像剤中のトナーとキャリアの混合比であり、T/D比のことである。
【0041】
同図から分かるように、本例では、TW/DW比が中心値の5%(重量%)であるとき、受光素子104からのATR出力が4Vとなるように調整されている。ATR出力は、TW/DW比がそこから1%減って4%になると3.5Vに減り、逆に、1%増して6%になると4.5Vに増える。
【0042】
図5は、ATR出力とトナー補給量との関係を示す補給テーブルである。トナー量が多いと判断した場合、即ちTW/DW比が高いこと、ここではATR出力が4V以上であることを検知した場合には、上述したようにトナーの補給は行わず、トナー量が少ないと判断した場合、即ちTW/DW比が低いこと、ここではATR出力が4%より少ないことを検知した場合には、その検知レベルに応じてトナー補給量を多くしていく。尚、同図においては、トナー補給量は、トナーの補給時間(秒)、即ち、図2における補給スクリュー49の動作時間で示してある。
【0043】
以上のように、本実施例では、ATR100を現像スリーブ41との対向位置に設置することで、連続コピーにおいてTW/DW比の変化が±1%以内に収めるべく、現像剤43の濃度検知からトナー補給の一連の動作を制御するように構成されている。
【0044】
そして、ATR100は現像剤に照射した赤外光の反射光量により現像剤のT/D比を検知するため、現像剤の嵩密度変動の影響が少ない。
【0045】
本実施例においてのトナー濃度検知方法としては、上記のように光の反射光量によるトナー濃度検知方法を使用しているが、他のトナー濃度検知方法でも実施できる。但し、後述する本発明の効果を十分に得るためには、トナー濃度検知方法は上述のような現像剤のトナー帯電量変化・温湿度変化による現像剤嵩密度変動の影響が少ないものの方が、より効果が高いことは言うまでもない。
【0046】
そして、この画像形成装置は、更に、従来例に説明した温湿度センサの代わりに、現像剤の環境変化によるトナー帯電量変化を現像剤嵩密度に伴って変化する磁気特性から導く磁気センサを採用することを特徴とする。そして、磁気センサとして、現像器4の第2室(攪拌室)R2の側壁にインダクタンス検知センサ200が設置され、このインダクタンス検知センサ200の検知結果により現像条件や帯電条件等の画像形成条件を制御する画像形成装置である。
【0047】
温湿度センサにて画像形成条件を制御するのに代わって、現像剤の嵩密度に伴って変化する磁気特性にから直接トナー帯電量を検知するインダクタンス検知センサ200を使用することで、従来例に説明したような、温湿度変化に伴う絶対水分量等の環境の変化によるトナー帯電量の変化値が現像剤において均一となるまでのタイムラグを回避しようとするものである。
【0048】
インダクタンス検知センサ200の設置場所に関しては、本実施例では現像器4の第2室(攪拌室)R2の側壁に設置しているが、現像剤の滞留がなく、剤の流動が安定し、現像剤の剤面の変動に影響を受けない場所であれば別の場所に設置してもかまわない。
【0049】
ここで、本実施例の現像剤磁気センサとして使用するインダクタンス検知センサ200について説明する。
【0050】
インダクタンス検知センサ200は、現像剤の嵩密度変化を、見かけの透磁率変化として検知する。本実施例においては23℃60%の状態で空気中に含まれる水分量を10.5gとする時の初期現像剤の常温室での嵩密度に対するインダクタンス検知センサ200の検出信号を現像剤嵩密度制御の基準値に設定する。そして、例えばその基準値に対し検出信号が高く、現像剤の見かけの透磁率が大きいと検知された場合、一定体積内で現像剤中のキャリア粒子が占める割合が多く、嵩密度が高くなったことを意味する。逆に、基準値に対し検出信号が低く、見かけの透磁率が小さくなったと検知された場合、一定体積内で現像剤中のキャリアが占める割合が少なく、嵩密度が低くなったことを意味する。
【0051】
つまり、インダクタンス検知センサ200は現像剤の嵩密度を磁気特性より直接検知することで、環境による現像剤の嵩密度の変化を検知することが出来、温湿度センサよりも、的確に現像剤のトナー帯電量の変化を検知できる。
【0052】
又、図6(a)は現像器4周辺の温湿度から導き出される空気中に含まれる水分量とトナー帯電量の関係を、図6(b)は現像器4周辺の空気中に含まれる水分量とインダクタンス検知センサ200の出力の関係を現像剤のトナー濃度を加味して示したものである。
【0053】
詳しく説明すると、一定水分量では、インダクタンス検知センサ200は一定体積内で現像剤中のキャリア粒子量の変動を、見かけ透磁率変動として検知するため、微小なトナー濃度の変化によって変化する。
【0054】
即ち、図6(b)のように、トナー濃度の変動によってもインダクタンス検知センサの出力は比例して変化する。ここでは、絶対水分量が10.5gの環境において、このセンサ200の出力はトナー濃度が本実施例における基準値5%においては出力B値(図6(b))とすると、4%においては一定体積内で現像剤中のキャリア粒子の量が5%に対して増えるため出力は上昇して、図6(b)に示すA値となる。逆に6%になると、一定体積内で現像剤中のキャリア粒子の量が減り、トナー量が増えるため出力は下がって図6(b)に示すC値となる。
【0055】
又、図6(a)に示すトナー帯電量と空気中の水分量の関係と、図6(b)に示すトナー濃度5%における温湿度とインダクタンス検知センサ200出力の関係、を見れば分かるように、外気の環境変化により現像剤に吸湿される水分量が低くなるとトナー帯電量が増加し、インダクタンス検知センサ200の出力が低下し、現像剤に吸湿される水分量が高くなるとトナー帯電量が低下し、インダクタンス検知センサ200の出力が増加している。
【0056】
これは、トナー帯電量の変動による現像剤間の反発力の変化を示すと考えられ、現像剤間の反発力はトナー帯電量が大きい程反発しやすく、反発によって現像剤間が広がるため現像剤のかさ密度が減少してしまうと考えられる。
【0057】
つまり、同じトナー濃度で現像剤の嵩密度検知を行わねば、現像剤のトナー帯電量が定まらない。
【0058】
このことから、現像剤のトナー濃度をトナー濃度センサ100にて検知し、それに対し、インダクタンス検知センサ200にて現像器4周辺の温湿度変化にともなう現像剤の吸湿状態を検知するのが好適と考えられる。
【0059】
つまり、本発明の特徴としては、現像剤のトナー濃度を、上記に説明したような現像剤の嵩密度変動の影響が少ないトナー濃度センサにより検知し、検知したトナー濃度に対して、現像剤の吸湿度合い及びトナー帯電量を本実施例ではインダクタンス検知センサである現像剤磁気センサにより検知することが挙げられる。即ち、現像器内のトナー濃度が濃度センサの出力に応じて所定値となるよう制御された状態のときインダクタンス検知センサにより得られた複数の検出値の変動分(差分)が「現像剤の吸湿状態」を表していると言え、このように、インダクタンス検知センサの出力値の変動分(差分)に応じて画像形成条件を制御することが好ましい。
【0060】
そして、トナー濃度センサにて検知されたトナー濃度に対応させて、そのトナー濃度に応じたインダクタンス検知センサの出力と現像剤に吸湿される水分量との関係を記憶させたテーブルが、装置本体の制御手段に数種類記憶されている。そして、インダクタンス検知センサの検知結果に対応するテーブルが、トナー濃度センサの検知結果によって切り替わるようにされており、選択されたテーブルを使用して、画像形成条件を制御する。
【0061】
本実施例においては、図7のようにトナー濃度4%〜6%までを5分割しトナー濃度4.00〜4.25%までをテーブルTa、4.25〜4.75%までをテーブルTb、4.75〜5.25%までをテーブルTc、5.25〜5.75%までをテーブルTd、5.75〜6%までをテーブルTeとした。
【0062】
しかし、トナー濃度やトナー濃度に対するテーブル数は上記に限らず、より検知結果の精度を上げたい場合はテーブル数を増やしてもかまわない。
【0063】
次に、図8のフローチャートと図7、図9を使用して本発明による画像形成条件の制御を説明する。本実施例では、現像剤の嵩密度変化に基づき、画像形成条件として、帯電器2にて印加される帯電バイアス等の帯電条件や現像器4に印加される現像バイアス等の現像条件を制御して現像コントラストを変更する。そのことによって、トナー帯電量に応じた現像コントラストで現像動作が実行され、感光体ドラム1へ移動するトナー量を好適に制御できる。
【0064】
1.まず、ユーザーが画像形成装置のスタートボタンを押すと(S101)、画像形成前の前回転時にトナー濃度センサ100が現像剤トナー濃度を検知する(102)。
【0065】
2.次に、そのトナー濃度の検知結果によりインダクタンス検知センサ200のテーブルTa〜Teを選択する(103)。そして、例えばトナー濃度が4.3%の場合、テーブルTbを選択する。
【0066】
3.次に、インダクタンス検知センサ200の出力を検知する(104)。このインダクタンス検知センサ200の出力から、本実施例ではテーブルTbから、現在の現像剤の嵩密度に対応した数値を導き出す(105)。
【0067】
4.そして、その数値に応じて現像コントラストを、画像形成装置本体の不図示の制御手段に記憶されている、図9に示す現像コントラストとセンサ出力のテーブルから選定して(106)、画像形成を開始する(107)。
【0068】
この制御により、インダクタンス検知センサ200で常に現像剤の嵩密度変化に相関してトナー帯電量変化を管理することが可能なため、従来例で述べたような、温湿度センサによる温湿度変化と現像剤吸湿度合いのタイムラグの問題が生じることはない。
【0069】
以上のように、インダクタンス検知センサ200は温湿度変化による現像剤の嵩密度変化から、トナー帯電量変化を直接検知できるため、従来例にて説明したように、現像器4周辺の温湿度変化に対し、現像剤の調湿度合いにタイムラグがあっても、正確に現像剤の調湿度合いを検知することができる。
【0070】
そして、インダクタンス検知センサ200の検知結果を画像形成条件の制御と組み合わせることにより、より精度が高く、環境変動に左右されない画像形成条件の制御を実現することができる。
【0071】
実施例2
実施例1においてはトナー濃度センサ100の出力(現像剤のT/D比)に応じて、現像剤磁気センサとなるインダクタンス検知センサ200のテーブルを数種類持ったが、本実施例ではインダクタンス検知センサ200の検知出力値を制御してテーブル数を減らしたことを特徴とする。
【0072】
インダクタンス検知センサ200の出力はセンサの出力を制御する制御電圧によって、変化させることができる。本実施例では、図10のようなトナー濃度とインダクタンス検知センサ200の制御電圧値の変更量の関係を示したテーブルを記憶するだけで、実施例1のような各T/D比に対する複数のテーブルを使用しないで、本発明の制御が行えることを特徴とする。
【0073】
図10は、現像剤のT/D比変化によりインダクタンス検知センサ200の値が基準値から変化した場合、その変化量に対して制御電圧を何V変化させれば基準値に戻せるかを示したテーブルである。
【0074】
図10のテーブルは図11、図12から決定される。図11はトナー濃度に対するインダクタンス検知センサ200の出力値の関係を示したもので、図12はインダクタンス検知センサ200の制御電圧に対する出力の関係を示したものである。
【0075】
図11から、例えばT/D比が基準の5%から4%に変動したとき、インダクタンス検知センサ200の出力がV1からV2に変動することが分かる。又、図12から、例えば、変動した値V2から出力をV1に戻すために必要な制御電圧変動量ΔVがわかる。
【0076】
ここから、トナー濃度センサ100から現像剤のT/D比が5%から4%に変化した信号を受けとった時点で図10から4%に該当する制御電圧変化量ΔV(V)分だけ、もとの制御電圧設定値から減少させてセンサの出力をV2からV1に戻すような制御を行うことで、実施例1においては現像剤のT/D比に応じて持っていた数種類の現像剤磁気センサのテーブルを、基準T/D比の5%のテーブルだけに減らしても同様の効果が得られる。
【0077】
即ち、図10に示す制御電圧変化量とトナー濃度との関係をテーブルとして画像形成装置に記憶させることで、トナー濃度とセンサ出力のテーブルを複数用意しなくとも、好適な磁気センサの出力制御を行うことが出来る。
【0078】
実施例1、2においては、現像剤磁気センサをインダクタンス検知センサとし、現像剤濃度センサを光反射式の光学センサとして、現像器内部に設置するものとし、それが好ましいが、必ずしも検知手段がこの構成とは限らず、構成によっては、設置場所も現像器内部でなくとも良い。
【0079】
尚、実施例1、2に説明した画像形成装置において、全体の構成はこれに限るものではなく、単色の画像形成装置でも、中間転写体を使用しないで像担持体から直接転写材にトナー像を転写するものでも、本発明は適用でき、又、画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置は、像担持体上に形成された静電像を非磁性トナー及び磁性キャリアを含む現像剤にて現像する現像器を備えた画像形成手段と、現像器内のトナー濃度を検出する濃度センサと、現像器内の現像剤の磁気特性を検出する磁気センサと、を有する画像形成装置において、濃度センサの出力に応じて現像器内のトナー濃度が制御された状態のとき、磁気センサにより検出された出力に応じて画像形成手段による画像形成条件を制御するので、現像器周辺の温湿度変化と現像剤の調湿度合いのタイムラグを防止し、画像形成装置周辺の環境が変化しても、好適な画像制御を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る現像器の一例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る濃度センサの一例を示す概略構成図である。
【図4】実施例1におけるトナー濃度と濃度センサ出力との関係を示すグラフである。
【図5】実施例1におけるトナー補給時間と濃度センサ出力の関係を示すグラフである。
【図6】空気中の水分量のトナー帯電量との関係(図6(a))、及び磁気センサ出力との関係(図6(b))を示すグラフである。
【図7】トナー濃度の違いにおける磁気センサの出力と空気中の水分量との関係テーブルを示すグラフである。
【図8】本発明に係る画像形成条件制御動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】現像コントラストと磁気センサ出力との関係を示すグラフである。
【図10】実施例2におけるトナー濃度と制御電圧変化量との関係テーブルを示すグラフである。
【図11】磁気センサ出力とトナー濃度との関係を示すグラフである。
【図12】磁気センサ出力と制御電圧値との関係を示すグラフである。
【図13】空気中の絶対水分量の変化とトナー帯電量の変化と従来の画像形成装置における現像コントラストの推移を示す説明図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体)
4 現像器
41 インダクタンス検知センサ(磁気センサ)
100 トナー濃度検知センサ(濃度センサ)
Claims (2)
- 像担持体と、前記像担持体上に形成された静電像を非磁性トナー及び磁性キャリアを含む現像剤にて現像する現像器を備えた画像形成手段と、前記現像器内のトナー濃度を検出する濃度センサと、前記現像器内の現像剤の磁気特性を検出する磁気センサと、を有する画像形成装置において、
前記濃度センサの出力に応じて前記現像器内のトナー濃度が制御された状態のとき、前記磁気センサにより検出された出力に応じて前記画像形成手段による画像形成条件を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像形成条件は、前記像担持体を帯電する帯電条件、前記現像器による現像条件の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003182659A JP2005017713A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003182659A JP2005017713A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005017713A true JP2005017713A (ja) | 2005-01-20 |
Family
ID=34182978
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003182659A Pending JP2005017713A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005017713A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006330199A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、トナー及びキャリア |
JP2007079232A (ja) * | 2005-09-15 | 2007-03-29 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成装置 |
JP2011191531A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Fuji Xerox Co Ltd | 現像装置及び画像形成装置 |
JP2015049424A (ja) * | 2013-09-03 | 2015-03-16 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
JP2015060213A (ja) * | 2013-09-20 | 2015-03-30 | カシオ電子工業株式会社 | トナー濃度制御方法及び画像形成装置 |
-
2003
- 2003-06-26 JP JP2003182659A patent/JP2005017713A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006330199A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、トナー及びキャリア |
JP2007079232A (ja) * | 2005-09-15 | 2007-03-29 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成装置 |
JP2011191531A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Fuji Xerox Co Ltd | 現像装置及び画像形成装置 |
JP2015049424A (ja) * | 2013-09-03 | 2015-03-16 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
US9811022B2 (en) | 2013-09-03 | 2017-11-07 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus having development contrast control |
JP2015060213A (ja) * | 2013-09-20 | 2015-03-30 | カシオ電子工業株式会社 | トナー濃度制御方法及び画像形成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4438050B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP4480066B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP3720720B2 (ja) | 画像形成装置 | |
US7149437B2 (en) | Image forming apparatus, and control system, cartridge and memory medium for the same apparatus | |
US5819132A (en) | Image forming apparatus capable of toner replenishment based on density of reference toner image and toner replenishment based on ratio of toner to carrier | |
JPH1039608A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2008276118A (ja) | トナー濃度測定感度測定方法、トナー濃度制御方法、トナー濃度制御装置、現像装置、画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP2005017713A (ja) | 画像形成装置 | |
JP4822822B2 (ja) | 画像形成装置 | |
US6731888B2 (en) | Image forming control using density detection | |
JP2001305808A (ja) | 画像形成装置 | |
JP3113561B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP3053915B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2885680B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2003280356A (ja) | 画像形成装置 | |
JPH0611965A (ja) | 画像形成装置 | |
JPH01291274A (ja) | 電子写真装置の現像装置 | |
JP2002023436A (ja) | 現像方法及び現像装置 | |
JP2009053329A (ja) | トナー濃度制御装置及び画像形成装置 | |
JP3927775B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JPH10333420A (ja) | 画像形成装置 | |
JP3466943B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2942018B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2006145951A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2000227682A (ja) | 画像形成装置 |