JP2001005205A - 電子写真感光体用基板および電子写真感光体ならびにこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体用基板および電子写真感光体ならびにこれを用いた画像形成装置

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JP2001005205A
JP2001005205A JP17781799A JP17781799A JP2001005205A JP 2001005205 A JP2001005205 A JP 2001005205A JP 17781799 A JP17781799 A JP 17781799A JP 17781799 A JP17781799 A JP 17781799A JP 2001005205 A JP2001005205 A JP 2001005205A
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Shinichi Komazawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱変形および成膜変形が顕著に軽減され、高
寸法精度が得られる電子写真感光体用基板および電子写
真感光体、ならびに当該電子写真感光体を用い高速複
写、高速印字を可能とする軽量、高耐久の画像形成装置
を提供する。 【解決手段】 電子写真感光体用基板は、軟化処理され
たアルミニウム合金の押出管または押出、引抜き管を基
板用素材とし、基板にアモルファスシリコンの感光層を
形成する感光体用基板において、該アルミニウム合金
が、Mn:0.7%を越え1.5%以下、Mg:0.1
〜1.0%で、且つ条件式4Mn%+5Mg%≦9%を
満たすMn量およびMg量を含み、Cu:0.5〜1.
5%を含有し、残部がAlおよび不純物からなり、押出
管状態での導電率が38%IACS以下である。この基
板にアモルファスシリコンからなる感光層を積層し、こ
の感光層の表面はアモルファスシリコンカーバイトで構
成して電子写真感光体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
の押出管または押出、引抜き管を基板用素材とし、基板
にアモルファスシリコンの感光層を形成する電子写真感
光体用基板および電子写真感光体ならびにこれを用いた
画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アモルファスシリコン(以下、a
−Siと称する)を感光層とする電子写真感光体用基板
(以下、基板と称する)の素材としては、主としてアル
ミニウム(以下、Alという)合金が使用されている。
基板の形状は、一般的には円筒形状であり、電子写真感
光体の製造は、まず、Al合金を押出加工または押出加
工と引抜き加工を行うことにより所定の円筒形状に成形
し、成形された円筒体の外周部、内周部、両端部などを
粗切削し、インロー内径部を切削加工して所定の基板形
状に加工する。さらに、基板形状に加工したものに所定
の表面性状を与えるために、仕上げ切削、各種のブラス
ト処理、化学処理などを行い、表面に付着した油分や汚
れなどを除去するための脱脂、洗浄工程を経て、感光体
用基板を得る。
【0003】つぎに、得られたAl合金の感光体用基板
に、a−Si感光層を10〜100μmの厚さで成膜形
成して電子写真感光体とする。a−Si感光層は、例え
ば、プラズマCVD法により基板側からキャリア注入阻
止層、光導電層、表面保護層を順次積層することにより
形成される。このa−Si感光層を有する電子写真感光
体を搭載した画像形成装置の電子写真プロセスは、一般
にカールソン法が多く用いられ、複写機、プリンタなど
として商品化されている。
【0004】近年、電子写真技術の飛躍的な進歩によっ
て、画像形成装置の高速化、軽量化、高分解能化が進
み、これらの高性能を達成するためには、電子写真感光
体の感光層の特性向上のみでなく、電子写真感光体の寸
法精度やこの電子写真感光体を画像形成装置に組付ける
際の機械的な寸法精度が要求されるようになっている。
【0005】電子写真感光体の寸法精度には、基板製作
工程におけるAl合金の押出、引抜き工程での寸法精度
と、粗切削加工、仕上げ切削加工工程における寸法精度
とが大きく影響するが、現状ではこれら各工程における
技術の進歩により、十分対応可能となっている。しか
し、Al合金の基板とa−Si感光層との密着性を向上
させ、また良好なa−Si感光層形成を目的として、基
板温度を高温にして感光層の成膜形成するようになった
ため、基板が変形し(以下、熱変形という)、さらに、
高温で感光層を成膜形成した基板を室温まで冷却する
際、a−Si感光層とAl合金の基板の線膨張係数の違
いにより電子写真感光体が変形する(以下、成膜変形と
いう)という問題が生じるようになった。
【0006】上記基板の熱変形は、基板の肉厚が薄くな
るほど顕著であり、基板形状が円筒形状のものでは、両
端部およびこれに近い部分の外径部、内径部およびイン
ロー内径部において熱変形、成膜変形が大きい。とくに
電子写真感光体の両端部に設けられたインロー内径部
は、画像形成装置と電子写真感光体とをつなぎ合わせる
重要な部分で高寸法精度が要求されるから、これらの変
形を生じるのは好ましくない。これらの変形を防ぐため
に、Al合金の基板に軟化処理を行って残留応力を除去
し、予め変形させたO材のAl合金を用い、電子写真感
光体の寸法精度の低下を軽減している。
【0007】従来、a−Si感光層を成膜するAl合金
の基板の材質としては、Mgの添加により強度向上を図
り、不純物元素の混入を少なくして晶出物を生成を抑制
したAl−Mg合金が提案、使用されている(特公昭6
2−32261号公報など)。しかし、このAl−Mg
合金からなる基板は、感光層を成膜形成するための下地
として、超精密仕上げ面を得るには適しているものの、
a−Si感光層を成膜形成した後の寸法精度については
配慮されていないため、切削加工などで基板が高寸法精
度に加工されても、a−Si感光層を形成する際の熱変
形、成膜変形により、結局電子写真感光体の寸法精度が
低下していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、a−Si
を感光層とするAl合金による電子写真感光体用基板に
おける上記従来の不都合な点を解消するために、熱変形
および成膜変形のメカニズムを解析し、とくにこれらの
変形とAl合金の内部性状、成分組成などとの関連性に
ついて、多角的な実験、検討を繰り返した結果、基板の
押出後の導電率が一定値以下になると、熱変形および成
膜変形が大きく低下することを見出した。
【0009】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
ものであり、その目的は、押出または押出、引抜きによ
り得られた基板用素材を切削加工することにより高寸法
精度が得られるとともに、軟化処理にのみ頼ることな
く、熱変形および成膜変形を顕著に軽減することを可能
とした電子写真感光体用基板および電子写真感光体、な
らびにこれを用いて高速複写、高速印字を可能とする軽
量、高耐久の画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の請求項1に係る電子写真感光体用基板は、
軟化処理したアルミニウム合金の押出管または押出、引
抜き管を基板用素材とし、基板にアモルファスシリコン
の感光層を形成する感光体用基板において、該アルミニ
ウム合金が、Mn:0.7%を越え1.5%以下、M
g:0.1〜1.0%で、且つ条件式4Mn%+5Mg
%≦9%を満たすMn量およびMg量を含み、Cu:
0.5〜1.5%を含有し、残部がAlおよび不純物か
らなり、押出管状態での導電率が38%IACS以下で
あることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項2に係る電子写真感光体
は、上記の電子写真感光体用基板にアモルファスシリコ
ンからなる感光層を積層すると共に、該感光層の表面を
アモルファスシリコンカーバイトで構成してなることを
特徴とする。
【0012】本発明の請求項3に係る画像形成装置は、
上記の電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面に電
荷を付与する帯電手段と、前記電子写真感光体の帯電領
域に対して光照射する露光手段とからなり、これら帯電
手段と露光手段とにより前記電子写真感光体の表面に静
電潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応したトナ
ー像を前記電子写真感光体の表面に形成する現像手段
と、前記トナー像を被転写材に転写する転写手段と、該
転写手段による転写後に前記電子写真感光体表面の残留
トナーを除去するクリーニング手段と、前記転写後に残
余の静電潜像を除去する除電手段とを配設したことを特
徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1〜2は、本発明の実施形態
を示す電子写真感光体用基板の作製状態を示す断面図で
ある。図1に示すように、後述するAl合金にて、前記
従来例で述べたように、押出または押出、引抜により円
筒形状のAl合金管1aを製作し、残留応力を除去する
ための軟化処理を行う。軟化処理は、押出または引抜き
後、450〜550℃の温度で0.5〜2時間行うのが
好ましく、軟化処理温度が450℃未満では残留応力が
完全に除去され難い。ついで、図2に示すように、Al
合金管1aの外周部2、内周部3、両端部4を、例え
ば、NC旋盤で粗切削して寸法精度を上げ、インロー内
径部5などを切削加工し、さらに、Al合金管1aの表
面の平滑性を向上させるため、あるいは後述の感光層1
1を密着させるための所定の表面性状を与えるために、
仕上げ切削、各種のブラスト処理、化学処理などを行
い、最終的にAl合金管1aの表面に付着している油分
や汚れなどを除去するために、有機溶剤や水系洗浄剤を
用いて洗浄を行って、円筒形状の電子写真感光体用基板
1を得る。
【0014】この電子写真感光体用基板1は、後述のよ
うに、アモルファスシリコンからなる感光層、すなわ
ち、a−Si感光層11が成膜形成されるが、その際の
熱変形および成膜変形を軽減するため、基板素材を構成
するAl合金は、Mn:0.7%を越え1.5%以下、
Mg:0.1〜1.0%で、且つ条件式4Mn%+5M
g%≦9%を満たすMn量およびMg量を含み、Cu:
0.5〜1.5%を含有し、残部がAlおよび不純物か
らなり、円筒形状に押出された後の導電率が38%IA
CS以下、さらに好ましくは37%IACS以下のもの
とする。
【0015】以下、本発明の電子写真感光体用基板1に
使用されるAl合金における合金成分の意義およびその
限定理由について説明すると、Mnは、マトリックス中
に固溶あるいは析出することにより、強度を向上させる
よう機能する。Mnの好ましい含有範囲は0.7%を越
え1.5%以下であり、0.7%以下では強度不足とな
るため成膜変形を生じ易くなり、1.5%を超えると鋳
造時に粗大な晶出物を形成するため切削時に良好な切削
面を得ることが難しくなる。Mnのさらに好ましい含有
範囲は0.7%を越え1.2%以下である。
【0016】Cuは、マトリックス中に固溶あるいは析
出することにより、強度を向上させるよう機能する。C
uの好ましい含有範囲は0.5〜1.5%であり、0.
5%未満ではその効果が小さく、1.5%を越えると押
出性が低下し易くなる。Cuのさらに好ましい含有範囲
は0.7〜1.2%である。
【0017】Mgは、とくにCuと共存することによっ
て強度を向上させるよう機能する。Mgの好ましい含有
範囲は0.1〜1.0%であり、0.1%未満ではその
効果が小さく、1.0%を越えると押出性が低下し易く
なる。Mgのさらに好ましい含有範囲は0.2〜0.6
%である。
【0018】本発明において、Mn量とMg量について
は、上記の含有範囲に加え、条件式4Mn%+5Mg%
≦9%を満たすMn量およびMg量とすることが必要で
ある。4Mn%+5Mg%>9%では、押出性が低下
し、また切削性にも問題が生じ易い。なお、上記のAl
合金に、0.5%以下のFe、0.5%以下のSi、あ
るいは、通常、Al合金に添加される0.8%以下のT
i、0.2%以下のBが含有していても、その特性に悪
影響を及ぼすことはない。
【0019】基板形状に押出成形した際のAl合金素材
の導電率は、含有するMn、Cu、Mgのマトリックス
中への固溶量を示す指標であり、この導電率が大きいと
Mn、Cu、Mgの合金マトリックス中への固溶量が少
ないことを示し、小さいと固溶量が多いことを示す。導
電率の好ましい範囲は38%IACS以下であり、導電
率が38%IACSより大きいとMn、Cu、Mgの合
金マトリックス中への固溶量が少ないため、熱変形およ
び成膜変形が起こり易い。導電率のより好ましい範囲は
37%IACS以下である。この導電率は、上記特定範
囲内のAl合金素材の成分組成と均質化処理条件の組合
わせを調整することにより得ることができる。
【0020】図3、4は本発明の実施形態を示す電子写
真感光体を示す断面図である。図3に示すように、電子
写真感光体10は、電子写真感光体用基板1の外周部2
にa−Si感光層11を積層したものであり、このa−
Si感光層11は、外周部2上にキャリア注入阻止層1
2、光電導層13、表面保護層14を、例えば、プラズ
マCVD法にて順次積層してなる。キャリア注入阻止層
12は、ホウ素1500ppm、酸素1.0%、窒素
0.7%を含むアモルファスシリコンであり、光電導層
13は、ホウ素0.5ppmを含むアモルファスシリコ
ンであり、表面保護層14は、アモルファスシリコンカ
ーバイトである。a−Si感光層11の成膜形成方法と
しては、他に真空蒸着法、イオンプレーティング法、ス
パッタ法などがあり、いずれを適用することもできる。
【0021】電子写真感光体10は、上述のように構成
されているから、電子写真感光体用基板1の外周部2に
a−Si感光層11を積層する際、密着性の良好なa−
Si感光層11を得るために、電子写真感光体用基板1
の温度を高温にしたり、高温で成膜形成された電子写真
感光体10を室温に冷却しても、電子写真感光体用基板
1の薄肉部分である両端部4のインロー内径部5におい
て、図5に示すような熱変形および成膜変形6が生じる
ことはない。したがって、電子写真感光体用基板1の寸
法精度が、そのまま電子写真感光体10の寸法精度に反
映され、電子写真感光体10の寸法精度向上が達成され
る。
【0022】上述の電子写真感光体10は、図6に示す
ような画像形成装置20に搭載される。この画像形成装
置20は、上記の電子写真感光体10の表面に電荷を付
与する帯電手段であるコロナ帯電器21と、原稿からの
反射光を通すレンズやミラーを配設し、これらを通った
反射光を電子写真感光体10の帯電領域に対して光照射
する露光手段である露光器22とからなり、これらコロ
ナ帯電器21と露光器22とにより電子写真感光体10
の表面に静電潜像を形成するとともに、この静電潜像に
対応したトナー像を電子写真感光体10の表面に形成す
るためのトナー23を備えた現像手段である現像器24
と、トナー像を被転写材25に転写する転写手段である
転写器26と、この転写器26による転写後に電子写真
感光体10表面の残留トナーを除去するクリーニング手
段27と、転写後に残余の静電潜像を除去する除電手段
28とを配設したものである。なお、29は、被転写材
25に転写されたトナー像を熱もしくは圧力により固着
するための定着器である。
【0023】上記の装置構成になる画像形成装置20の
電子写真プロセス(カールソン法)は、以下の工程〜
を繰り返す。 電子写真感光体10の周面をコロナ帯電器21により
帯電する工程。 露光器22により画像を露光することにより電子写真
感光体10の表面上に電位コントラストとして静電潜像
を形成する工程。 静電潜像を現像器24により現像し、現像により黒色
のトナー23が静電潜像として静電引力により電子写真
感光体10表面に付着し、可視化する工程。 電子写真感光体10表面のトナー像を紙などの被転写
材25の裏面よりトナー23と逆極性の電界を加えて静
電転写し、これにより画像を被転写材25上に得る工
程。 電子写真感光体10表面の残留トナーを、クリーニン
グ手段27によって機械的に除去する工程。 電子写真感光体10表面を強い光で全面露光し、除電
手段28により残余の静電潜像を除去する工程。
【0024】なお、画像形成装置20は、複写機構成で
あるが、露光器22に代えてLEDヘッドなどを用いて
光照射を行えば、プリンタ構成の画像形成装置となる。
この画像形成装置20では、通常の乾式現像を用いてい
るが、湿式現像に使用される液体現像剤も適用できる。
【0025】本発明による画像形成装置の大きな特徴と
しては、搭載する電子写真感光体の寸法精度向上によ
り、電子写真感光体の振れを抑えるためのコロなどの部
品が不要となり、画像形成装置の軽量化が実現できる。
他の特徴としては、搭載する電子写真感光体の寸法精度
向上によって、画像形成装置の構成部品の配置精度が向
上し、均一な画像出力が実現出来ることである。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明すると共に、それに基づいてその効果を実証する。な
お、これらの実施例は、本発明の好ましい一実施態様を
説明するためのものであって、これにより本発明が制限
されるものではない。
【0027】実施例 表1に示す組成(合金A〜F)のアルミニウム合金をD
C鋳造で造塊し、得られた鋳塊を表2に示す基板No.
1〜8の均質化処理条件で均質化処理した後、400℃
の温度で管形状に熱間押出加工し、さらに抽伸加工を行
って、切削加工に供するアルミニウム管寸法(外径3
0.3mm、内径27.1mm)に加工した。その後、
450〜550℃で1時間の軟化処理を行って切削に供
した。
【0028】まず、各アルミニウム管をNC旋盤にて外
径30mm、内径27.1mm、全長254mm、イン
ロー内径27.5mm、インロー内径深さ11mmに高
寸法精度の粗切削加工を行い、ついで外径仕上切削精密
旋盤にて天然ダイヤモンド切削バイトを用いて各アルミ
ニウム管外周面を0.05mm程度の切込量で鏡面仕上
げ切削を行った。切削後、油分、切削粉等を除去するた
めに水系洗浄剤にて洗浄して電子写真感光体用基板と
し、この電子写真感光体用基板の寸法、特にインロー内
径寸法を内径測定用高精度プラグゲージで0.001m
m単位まで正確に測定した。
【0029】その後、電子写真感光体用基板を反応炉内
にセットし、プラズマCVD法にて、ホウ素1500p
pm、酸素1.0%、窒素0.7%を含むアモルファス
シリコンであるキャリア注入阻止層、ホウ素0.5pp
mを含むアモルファスシリコンである光電導層、アモル
ファスシリコンカーバイトである表面保護層を順次積層
してa−Si感光層を成膜形成した。この成膜形成時の
電子写真感光体用基板の温度は300℃であり、a−S
i感光層厚みは40μmとした。このプラズマCVD法
における出発原料ガスとしては、シランガス、メタンガ
ス、水素ガス、ジボランガス、酸化窒素ガスを用いて上
記各層の成膜形成に応じ各種ガスを適宜反応炉内に導入
し続けて高電圧でプラズマを発生させることで、各層を
順次形成し、表2に示す基板No.1〜8の各電子写真
感光体を得た。
【0030】得られた各電子写真感光体について、以下
に示す(1)押出性の評価を行い、(2)押出後の導電
率、(3)寸法変化量、(4)画像特性を測定した。結
果を表2に示す。なお、表2において、軟化処理条件
は、記号aは500℃で1時間、記号bは450℃で1
時間、記号cは550℃で1時間、記号dは400℃で
1時間の条件である。 (1)押出性 各電子写真感光体の素管となる各押出材について、ポー
トホール押出の可否を観察し、○:可能、×:不可能の
2段階で評価した。 (2)押出後の導電率 ポートホール押出後のAl合金管について、測定温度2
0℃で渦電流法にて導電率を測定し、その測定値により
評価した。
【0031】(3)寸法変化量 a−Si感光層を成膜形成する前後の各電子写真感光体
について、インロー内径部寸法の変化量を測定する。す
なわち、最も熱変形および成膜変形し易いインロー内径
部における深さ方向2箇所(図7に示すように、は端
部から2mm、は端部から9mm)の変化量を測定す
る。この変化量の測定値が正の場合は拡大変形を示し、
負の場合は収縮変形を示す。
【0032】(4)画像特性 各電子写真感光体を画像形成装置に搭載し、出力画像の
濃度ムラを目視観察するとで、画像特性を評価した。す
なわち、電子写真感光体のインロー内径部の変形が大き
くなると、画像形成装置に電子写真感光体を搭載した
際、電子写真感光体の振れが大きくなり、出力画像の濃
度ムラが発生するので、その出力画像の濃度ムラの発生
具合を観察することにより全体的に画像品質を、○:
良、△:可、×:不可の3段階で画像特性として評価し
た。なお、画像特性の評価のための画像形成装置は、高
画質画像を得るため高精度寸法となっており、さらに、
軽量化を図るため、搭載する電子写真感光体の振れを抑
える目的の部品あるいは制御系は削除あるいは簡略化し
ている。
【0033】比較例 表1に示す組成(合金G〜M)のアルミニウム合金をD
C鋳造で造塊し、得られた鋳塊を表2に示す基板No.
9〜17の均質化処理条件で均質化処理した後、実施例
と同じ条件で処理することにより、各電子写真感光体用
基板を得た。これらの各電子写真感光体用基板に、実施
例と同じ条件でa−Si感光層を成膜形成して表2に示
す基板No.9〜17の各電子写真感光体を得た。得ら
れた各電子写真感光体について、実施例と同様に、
(1)押出性の評価を行い、(2)押出後の導電率、
(3)寸法変化量、(4)画像特性を測定した。結果を
表2に示す。なお、表1〜2において、本発明の条件を
外れたものには下線を付した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表2にみられるように、本発明に従う実施
例の基板No.1〜10は、いずれも良好な押出性が得
られ、また、合金組成と均質化処理条件の組合わせを調
整することにより押出後の導電率をコントロールしたた
め、寸法変化量が少なくなって電子写真感光体の寸法精
度が向上し、画像形成装置搭載時の振れが小さくなる結
果、濃度ムラの無い高画質画像が得られた。
【0037】これに対して、本発明に従わない比較例の
基板No.11〜20は、いずれかの評価項目をクリア
ー出来ず、総合判定は全て×である。比較例の基板N
o.11、12は550℃未満で均質化処理したため、
押出後の導電率が大きくなり、寸法変化量が大きく、電
子写真感光体の振れの影響による画像濃度ムラが認めら
れ十分な高画質画像が得られなかった。比較例の基板N
o.13、15、17は、それぞれCu添加量が0.5
%未満、Mn添加量が0.7%以下、Mg添加量が0.
1%未満であるため、強度が不足し寸法変化量が大き
く、電子写真感光体の振れの影響による画像濃度ムラが
認められ十分な高画質画像が得られなかった。
【0038】比較例の基板No.14、18は、Cu添
加量が1.5%を越え、あるいはMg添加量が1.0%
を越えたため、押出性が低下した。比較例の基板No.
16は、Mn添加量が1.5%を越えたため、鋳造時に
Mn系晶出物が多くなったため鏡面仕上げ性を阻害した
ので、寸法変化量は満足しているが、画像に黒点状の欠
陥が生じた。基板No.19は、MnとMgの関係式を
満足しないものであり、押出性が劣り、また切削性がわ
るく十分な鏡面仕上げが得られず、画像濃度ムラが認め
られた。基板No.20は、軟化温度が低く残留応力が
除去しきれなかったため、寸法変化量が大きくなり、電
子写真感光体の振れの影響により、画像濃度ムラが認め
られ、十分な高画質感が得られなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、アモルファスシリコン
系の感光層成膜形成時の熱変形および成膜変形が低減さ
れた電子写真感光体用基板を得ることができ、この電子
写真感光体用基板を使用することにより、高精度の寸法
特性を有する電子写真感光体が得られ、また、当該電子
写真感光体を搭載することによって、各プロセスの配置
精度が向上して、高速複写、高速印字を可能とする軽量
且つ高耐久性を備えた画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す電子写真感光体用基板
の作製状態の断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す電子写真感光体用基板
の作製状態の断面図である。
【図3】本発明の実施形態を示す電子写真感光体の断面
図である。
【図4】本発明の実施形態を示す電子写真感光体の一部
の拡大断面図である。
【図5】電子写真感光体の不良状態を示す断面図であ
る。
【図6】本発明の実施形態を示す画像形成装置の構成図
である。
【図7】電子写真感光体のインロー内径部における測定
位置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体用基板 1a アルミニウム管 2 外周部 3 内周部 4 両端部 5 インロー内径部 6 熱変形および成膜変形 10 電子写真感光体 11 a−Si感光層 12 キャリア注入阻止層 13 光電導層 14 表面保護層 20 画像形成装置 21 コロナ帯電器 22 露光器 23 トナー 24 現像器 25 被転写材 26 転写器 27 クリーニング手段 28 除電手段 29 定着器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 晃一 滋賀県蒲生郡蒲生町川合10番地の1 京セ ラ株式会社滋賀工場内 (72)発明者 八太 秀周 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 松田 眞一 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 駒澤 真一 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 Fターム(参考) 2H035 CA07 CB02 2H068 CA32 CA42 CA48 CA54 DA05 DA23 DA72 EA07 FA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟化処理したアルミニウム合金の押出管
    または押出、引抜き管を基板用素材とし、基板にアモル
    ファスシリコンの感光層を形成する感光体用基板におい
    て、該アルミニウム合金が、Mn:0.7%(重量%、
    以下同じ)を越え1.5%以下、Mg:0.1〜1.0
    %で、且つ条件式4Mn%+5Mg%≦9%を満たすM
    n量およびMg量を含み、Cu:0.5〜1.5%を含
    有し、残部がAlおよび不純物からなり、押出管状態で
    の導電率が38%IACS以下であることを特徴とする
    電子写真感光体用基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子写真感光体用基板に
    アモルファスシリコンからなる感光層を積層すると共
    に、該感光層の表面をアモルファスシリコンカーバイト
    で構成してなることを特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された電子写真感光体
    と、該電子写真感光体の表面に電荷を付与する帯電手段
    と、前記電子写真感光体の帯電領域に対して光照射する
    露光手段とからなり、これら帯電手段と露光手段とによ
    り前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成するとと
    もに、該静電潜像に対応したトナー像を前記電子写真感
    光体の表面に形成する現像手段と、前記トナー像を被転
    写材に転写する転写手段と、該転写手段による転写後に
    前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリー
    ニング手段と、前記転写後に残余の静電潜像を除去する
    除電手段とを配設したことを特徴とする画像形成装置。
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