JP2001005170A - ペリクルフレームの乾燥仕上げ方法および乾燥仕上げ装置 - Google Patents

ペリクルフレームの乾燥仕上げ方法および乾燥仕上げ装置

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JP2001005170A
JP2001005170A JP17237899A JP17237899A JP2001005170A JP 2001005170 A JP2001005170 A JP 2001005170A JP 17237899 A JP17237899 A JP 17237899A JP 17237899 A JP17237899 A JP 17237899A JP 2001005170 A JP2001005170 A JP 2001005170A
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pellicle frame
drying
frame
pure water
pellicle
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Kazutoshi Sekihara
一敏 関原
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Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系の洗浄剤で洗浄したペリクルフレーム
を、表面を清浄に保ちつつ、低コストかつ高い生産性で
乾燥仕上げするペリクルフレームの乾燥仕上げ方法並び
に乾燥仕上げ装置を提供する。 【解決手段】 水系洗浄剤で洗浄後のペリクルフレーム
の乾燥仕上げ方法であって、ペリクルフレームを純水中
に浸漬した後、速度0.5〜10mm/secで水面上
に鉛直に引上げながら風乾と赤外線照射を併用して乾燥
するペリクルフレームの乾燥仕上げ方法並びに乾燥仕上
げ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リソグラフィー用
ペリクル、特にはLSI、超LSIなどの半導体デバイ
スあるいは液晶表示用デバイスを製造する際のゴミよけ
として使用されるリソグラフィー用ペリクルの構成部品
であるペリクルフレームの乾燥仕上げ技術に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】LSI、超LSIなどの半導体用デバイ
スまたは液晶表示用デバイスなどの製造においては、半
導体ウエーハ或いは液晶用原板上に露光原版(本明細書
中ではフォトマスク、レチクル等を総称した意味で用い
る)を配置し、この露光原版に光を照射してこれを透過
した光によりパターンを転写すること、すなわちリソグ
ラフィが行われている。
【0003】しかしながら、このような工程において、
露光原版に異物(以下、ゴミ、塵埃ということがある)
が付着していると、このゴミが光を吸収したり、光を曲
げてしまうために、転写したパターンが変形したり、エ
ッジががさついたものとなるほか、下地が黒く汚れたり
して、寸法、品質、外観などが損なわれる。その結果、
半導体用デバイスや液晶表示用デバイスの性能や製造歩
留の低下をもたらすといった問題が生じる。
【0004】このような問題を回避するため、通常、リ
ソグラフィは、クリーンルーム内で行われる。しかしな
がら、このクリーンルーム内でも露光原板を常に正常に
保つことは難しい。そこで露光原版の表面にゴミよけの
ための露光用の光をよく透過させるペリクルを貼着する
方法が採られている。
【0005】この場合、異物は露光原版の表面には付着
せず、ペリクル上に付着するため、リソグラフィ時に焦
点を露光原版のパターン上に合わせておけば、このよう
なペリクル上の異物の存在は転写とは無関係となり、上
述したような問題が生じることはない。
【0006】このようなペリクルについて、図3を用い
て簡単に説明する。このペリクル61は、ペリクルフレ
ーム62と、このペリクルフレーム62の上端面に接着
されたペリクル膜63とから概略構成されてなるもので
ある。このペリクル膜63は通常ペリクルフレーム62
の上端面に接着剤層(不図示)を介して接着される。ま
た、ペリクルフレーム62の下端面には、ペリクル61
を露光原版60に密着させるための粘着層(不図示)が
設けられ、その表面には粘着層を保護するためのライナ
ー(不図示)が貼り付けられている。リソグラフィー時
には、このライナーを剥してペリクル61を露光原版6
0上に置き密着させる。
【0007】このペリクルに使用されるペリクル膜63
は、通常光を良く透過させるニトロセルロース、酢酸セ
ルロースなどからなり、アルミニウム、ステンレス、ポ
リエチレンなどからなるペリクルフレーム62の上端面
にペリクル膜の良溶媒を塗布し、風乾して接着している
(特許第4861402号明細書、特公昭63−277
07号公報参照) 。さらに粘着層は、ポリブテン樹脂、
ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等から形成されてい
る。
【0008】また、このペリクル61には、ペリクルを
露光原版60に貼り付けた状態において、ペリクルフレ
ーム62と露光原版60に囲まれた空間と外部との気圧
差をなくすために、ペリクルフレームの一部に気圧調整
用の通気孔65を開け、通気孔65を通じて移動する空
気からの異物侵入を防ぐためのろ過膜64を設ける等の
工夫がされている( 実公昭63−393703号公報参
照) 。
【0009】ところで現状では、ペリクルフレームにつ
いては、強度、寸法精度、製作コスト等の観点からアル
ミニウム合金製が一般的に使用されている。アルミニウ
ム合金製ペリクルフレームは、圧延或いは押出し板材よ
り切削加工により製作され、機械加工終了後に、表面は
腐食防止のため、アルマイト処理が施される。
【0010】一般に、これら一連の作業を行う加工工場
においては、切削油、加工用クーラントのほか工作機械
用の潤滑油、グリース等の油脂類、加工切り粉等の金属
性粉塵並びに作業者の着衣等からの繊維くず等の異物
が、機械周辺及び空間中に大量に存在し、清浄でない環
境となっている。そのため、製造後のペリクルフレーム
の表面には各種汚染物が付着しており、ペリクルを組み
立てる前に充分に洗浄しておく必要がある。
【0011】ペリクルフレームの一般的な洗浄方法は、
乾燥したまま洗浄するドライ洗浄と、洗浄液を用いるウ
エット洗浄に大別される。ドライ洗浄としては、エアブ
ロー等の異物を吹き飛ばすものや、紫外線を照射して異
物を分解除去するもの等が挙げられるが、充分な洗浄性
を得ることは困難である。そのため、ペリクルフレーム
の洗浄方法には、ウエット洗浄を採用することが多い。
【0012】このウエット洗浄法としては、フロンや石
油系の溶剤を使用する溶剤洗浄法、界面活性剤水溶液な
ど水系の洗浄剤を使用する水系洗浄法の2通りの方法が
考えられるが、設備のランニングコスト及び地球環境問
題を考慮すれば、水系の方がより好ましい。しかし、溶
剤洗浄法では、溶剤による仕上げ洗浄後、ペリクルフレ
ームの表面に残留する溶剤はほとんどなく、残っていて
も蒸発速度が速いので乾燥が迅速に行えるのに対して、
水系洗浄法の場合は、洗浄後の乾燥に長時間を必要とす
る。これは純水による仕上げ洗浄後、ペリクルフレーム
の表面に水滴が多数残留するためである。そこでこの乾
燥速度を迅速化するため、スピン乾燥、温風乾燥、赤外
線照射といった種々の乾燥方法が提案されてきた。
【0013】例えばスピン乾燥の場合、乾燥処理そのも
のは高い生産性で行うことができるが、被乾燥ペリクル
フレームのスピン乾燥装置ヘの着脱が煩雑であり、複数
のワークを同時に処理することができないことから、乾
燥工程全体での生産性は極めて低くなる。
【0014】温風乾燥の場合、ペリクルフレームはその
表面を極めて清浄に保たなければならないため、温風は
HEPA(High Efficiency Part
iculate Air filter)あるいはUL
PA(Ultra LowPenetration A
ir filter)といった微細粒子捕集率に優れた
フィルタを通して流す必要がある。そのため乾燥温度の
上限は、被乾燥ペリクルフレームの材質だけでなく、使
用するフィルタの耐熱温度によっても制約を受けること
になる。ULPAを用いた場合は70℃前後が限界であ
り、乾燥には極めて効率が悪い。そこで生産性を上げる
ために、トンネル型の乾燥庫を構成して乾燥時間の短縮
を図ろうとするが、手法自体は簡便でありながら、装置
は大型化し設備費がかかる。さらに、乾燥庫内の温風は
フィルタにより常に清浄化されているものの、乾燥庫を
密閉するためにシャッターが必要になり、開閉の都度発
生する異物が付着する恐れがある。また、赤外線照射の
場合には、ペリクルフレーム表面に付着した水滴が多い
場合には乾燥に長時間を要する欠点があった。
【0015】以上の経過から、水系洗浄法の場合、一般
的には仕上げ洗浄後にペリクルフレーム表面に残留した
水滴を蒸発速度の速いイソプロピルアルコールなどの親
水性溶剤で置換してから、前述の種々の乾燥法を実施し
てきた。しかし、この場合、イソプロピルアルコールな
どの排気設備や回収設備が必要となり、コストアップの
原因となる欠点があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
のような問題点に鑑みてなされたもので、水系の洗浄剤
で洗浄したペリクルフレームを、表面を清浄に保ちつ
つ、低コストかつ高い生産性で乾燥仕上げするペリクル
フレームの乾燥仕上げ方法並びに乾燥仕上げ装置を提供
することを主たる目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に記載した発明は、水系洗浄剤で
洗浄後のペリクルフレームの乾燥仕上げ方法であって、
ペリクルフレームを純水中に浸漬した後、速度0.5〜
10mm/secで水面上に鉛直に引上げながら乾燥す
ることを特徴とするペリクルフレームの乾燥仕上げ方法
である。
【0018】このようにすれば、水系洗浄剤で洗浄後の
ペリクルフレームの表面には不純物、異物等は殆ど存在
せず清浄化されているので、ペリクルフレームを純水中
に浸漬した後、引上げ速度を0.5〜10mm/sec
の範囲で鉛直に引上げると、フレームの表面が水面上に
現れた時点で、フレーム表面を濡らしていた水膜が表面
張力によりすばやくフレーム表面を伝って垂れるので、
引上げられるフレーム表面に残留する水滴は殆どなく、
いわゆる水切れ良く引上げることができる。従って、フ
レーム表面を清浄に保ちつつ短時間に乾燥仕上げするこ
とができる。
【0019】この場合、請求項2に記載したように、ペ
リクルフレームを浸漬する純水の温度は30〜95℃が
好ましく、より好ましくは40〜60℃である。このよ
うに、純水の温度が高い程水面上での乾燥速度は速くな
るが、あまり高いと、例えばアルミニウム合金製フレー
ムの場合、表面のアルマイト層が破壊されて脱色が起こ
る恐れもあり、前記範囲が好ましい。
【0020】また、この場合、請求項3に記載したよう
に、ペリクルフレームを浸漬する純水が、フィルタを通
して常時循環されていることが望ましい。このようにペ
リクルフレームを浸漬する純水をフィルタを通して常時
循環すれば、水系洗浄剤による洗浄工程を終えて送られ
てきたペリクルフレームにより微量ながら持ち込まれる
汚染物質が、ペリクルフレームを浸漬する純水中に蓄積
され、それらが乾燥後のペリクルフレーム表面に残留す
るという懸念を解消することができる。
【0021】そして、本発明の請求項4に記載したよう
に、乾燥方法として風乾と他の乾燥方法を併用して乾燥
することが望ましい。このように、純水水面上に引上げ
られてきたペリクルフレームを乾燥する方法としては、
フレームが水切れ良く、その表面に水滴を殆ど残さない
で引上げられてくるので、クリーンルーム内の清浄空気
流による風乾だけでも乾燥可能であるが、クリーンルー
ム内の常温空気だけでは乾燥速度が遅い場合があるの
で、他の積極的な乾燥方法として温風乾燥、赤外線乾燥
等を併用すれば、乾燥時間を短縮化し、生産性の向上と
コストの削減を図ることができる。
【0022】この場合、特に他の乾燥方法を赤外線照射
とするのが好ましく(請求項5)、この照射する赤外線
の波長範囲を2〜25μmとするのが望ましい(請求項
6)。この赤外線照射は、例えば複数の赤外線ランプを
取付けた反射板付きボード2面を純水水面の上部に対向
して設け、純水中から引上げられてくるペリクルフレー
ムに照射すれば、極めて短時間にフレームを乾燥するこ
とができ、特にこの照射する赤外線の波長範囲を2〜2
5μmとすれば、例えばアルミニウム合金製ペリクルフ
レームの場合には、吸収され易く、効率よく乾燥するこ
とができる。
【0023】次に、本発明の請求項7に記載した発明
は、水系洗浄剤で洗浄後のペリクルフレームの乾燥仕上
げ装置であって、少なくとも純水仕上げ洗浄槽と純水循
環ろ過手段とフレーム保持移動手段と前記純水仕上げ洗
浄槽の水面直上に設けたフレーム乾燥手段とから成るこ
とを特徴とするペリクルフレームの乾燥仕上げ装置であ
る。
【0024】このような装置とすれば、安価に構成でき
ると共に、純水による水切りと乾燥をほぼ同時に進行さ
せて、短時間で不純物や異物の付着しない清浄な高品質
ペリクルフレームに仕上げることができるので、乾燥仕
上げ工程の歩留りと生産性の向上を図ることができる。
また、処理能力が高いので、従来の各種乾燥仕上げ方法
と比較して設備費もランニングコストも低減化し、乾燥
仕上げ処理のコストダウンを図ることのできるペリクル
フレーム乾燥仕上げ装置となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付した図面に基づいて具体的に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。本発明者は、水系
洗浄剤で洗浄後のペリクルフレームを純水中に浸漬した
後、ゆっくりと鉛直方向に引上げると、ペリクルフレー
ム表面の水滴を減少させることが可能となり、引上げな
がら同時に乾燥すれば大幅に乾燥時間を短縮できること
を知見し、さらに、諸条件を精査した上で本発明を完成
させた。
【0026】図1は、本発明のペリクルフレーム乾燥仕
上げ装置の構成例の一つを示す概要図である。ここで、
ペリクルフレーム乾燥仕上げ装置20は、例えば、純水
仕上げ洗浄槽1と純水循環ろ過手段30とフレーム保持
移動手段40と前記洗浄槽1の水面直上に設けたフレー
ム乾燥手段50とから構成されている。
【0027】純水仕上げ洗浄槽1は、複数のペリクルフ
レーム2を同時処理できるようにした上部開放型のステ
ンレススチール製の水槽で、槽の上部外周にはオーバー
フロー水の受け樋11が設けられている。純水循環ろ過
手段30は、循環ポンプ8、ヒータ9、フィルタ10を
直列に繋いだ循環ライン14から構成され、前記洗浄槽
1の受け樋11からのオーバーフロー水を加熱ろ過して
清浄化し、洗浄槽1の下部に送り込んで常時循環してい
る。また、新しい純水を一定量給水ライン13から補給
し、同量をオーバーフロー水として排水ライン12から
排水して液交換を行い、洗浄槽1内の純水の純度を確保
するようにしている。
【0028】フレーム保持移動手段40は、ペリクルフ
レーム2を懸架した複数の洗浄治具3をアーム7に懸架
または把持し、アーム7を上下、左右、前後あるいは主
軸を中心に回転可能とした単軸ロボット6で構成されて
いる。ロボット6の駆動源は圧空、油圧、電動のいずれ
でも良いが、特に、フレーム2の引上げ速度は0.5〜
10mm/secと低速で作動するものが好ましい。
【0029】フレーム乾燥手段50は、クリーンル−ム
内を流れる清浄空気流による風乾を基本とするが、例え
ば赤外線ランプ4による輻射加熱乾燥を併用して、乾燥
速度を速めることが望ましい。この場合、赤外線ランプ
4の配置は、フレームの大きさ、処理個数、引上げ時の
フレームの姿勢等によっても異なるが、図1(a)に示
すように、少なくとも対向する2面のボードに配置する
のが良い。要は、可能な限りペリクルフレーム2の表面
の全面に影ができないように配置することである。
【0030】また、高さ方向についても、ペリクルフレ
ーム2全体が水面上に引上げられた時に全表面を赤外線
でカバーできるように、フレームの大きさに合わせて配
置することが必要である。この場合、赤外線ランプ4の
本数は特に限定されるものではなく、何本か配置しても
良いし、長尺物を曲げ加工して配置しても良い。さらに
赤外線ランプの背面や側面には、適切な形状の反射板5
を設けて放射される赤外線が無駄なく乾燥に用いられる
ようにする。
【0031】尚、この乾燥に用いる赤外線源は、ペリク
ルフレームの材質に応じて、吸収され易い波長特性を有
する赤外線ランプを選択するのがよい。一般的なアルミ
ニウム合金製のペリクルフレームについては、波長2〜
25μmの範囲で効率の良い放射を行う赤外線ランプを
用いるのがよい。
【0032】使用する赤外線ランプの出力は、ペリクル
フレームの材質に応じて適切なものを選択する。当然の
ことながら、出力の大きなランプほど乾燥時間を短縮す
ることができるが、加熱が強力すぎてペリクルフレーム
の表面に損傷を与える恐れがあるため、きめ細かな出力
制御が必要になり、取り扱いが不便になるのでおのずか
ら限度がある。一般的なアルミニウム合金製のペリクル
フレームの場合、1000〜2000W程度の出力のも
のを対向して配置するのが適当である。
【0033】以上、その概要を示したペリクルフレーム
の乾燥仕上げ装置を使用して、乾燥仕上げする方法を説
明する。本発明が対象とするペリクルフレームは、材
質、形状等には特にとらわれず、どのような材質、形状
であっても適用が可能であり、特にこれらを限定するも
のではないが、本発明の乾燥仕上げ効果を十分に発揮さ
せるには、本発明の乾燥仕上げ処理を施す前の水系洗浄
剤による洗浄工程において、油脂類、金属粉塵、繊維く
ず等の各種汚染物を十分に洗浄除去した清浄なものであ
ることが望ましい。例えば、界面活性剤水溶液中で超音
波洗浄を行い、次いで純水中で超音波洗浄を施した清浄
なペリクルフレームを本発明の乾燥仕上げ工程に導入す
るようにする。
【0034】先ず、純水循環ろ過手段30を起動して、
純水仕上げ洗浄槽1の純水温度を30〜95℃に、より
好ましくは40〜60℃に加熱し、所定流量で洗浄槽1
の下部から送り込んで上部からオーバーフローさせ、常
時循環しておく。さらに望ましくは、新しい純水を所定
流量で洗浄槽1の下部から補給し、上部からオーバーフ
ローさせて、同量を排水として排水処理設備(不図示)
に送り込んでおく。
【0035】次に、フレーム保持移動手段40を使用し
て、複数のフレーム2を洗浄槽1内の純水1a中に浸漬
する。フレーム2を浸漬し終えたら、直ちに0.5〜1
0mm/secの引上げ速度で水面上に鉛直に引上げ
る。この範囲の引上げ速度でフレームを引上げると、水
面上に現れると同時に、フレーム表面を覆っていた水膜
は表面張力によりすばやくフレーム表面上を伝って落下
して行くので、いわゆる水切れ良く、殆ど水滴の着かな
いフレームを引上げることができる。
【0036】そして、このように純水水面上に引上げら
れてきたペリクルフレームを乾燥する方法としては、フ
レームが水切れ良く、表面に水滴を殆ど残さないで引上
げられてくるので、クリーンルーム内の清浄空気流によ
る風乾だけでも乾燥可能である。しかし、クリーンルー
ム内の常温空気だけでは乾燥条件が必ずしも安定せず乾
燥速度が遅い場合もあるので、他の積極的な乾燥方法と
して温風乾燥、赤外線乾燥等を併用して乾燥時間を短縮
化している。この併用方法によれば、フレーム引き上げ
終了時に乾燥もほぼ同時に完結することができる。これ
らの併用方式の中でも、赤外線乾燥は、安定した乾燥条
件を設定できるので効率よく乾燥することができ、風乾
と併用して生産性の向上とコストの削減を図ることがで
きる。
【0037】純水仕上げ洗浄槽1の純水1aの温度は、
高いほど乾燥効率は高いが、ペリクルフレームの材質に
よって適宜選択することが望ましい。一般的なアルミニ
ウム合金製ペリクルフレームに対しては、あまり高温だ
と表面のアルマイト層が破壊されて染料の脱色が生ずる
ため、30〜95℃が好ましいが、より好ましくは40
〜60℃である。
【0038】また、純水仕上げ洗浄槽1内の純水1a
は、槽内の清浄性を保つため、循環ポンプ8を用いて、
槽体積の50%/min以上の流量で常時フィルタ10
を通して循環させておくことが望ましい。さらに望まし
くは、常時循環に加えて、比抵抗率10MΩ以上の新し
い純水を、常時洗浄槽体積の10%/min以上の流量
で給水ライン13より供給し、同量を洗浄槽上部のオー
バーフロー水受け樋11に設けられた排水ライン12よ
り排出して液交換を行うことで、槽内の純水の純度を保
つことが良い。このようにする理由は、被乾燥ペリクル
フレームにより微量ながら持ち込まれる前工程の洗浄剤
洗浄槽の汚染物質が、槽内の純水に蓄積され、それらが
乾燥後のペリクルフレーム表面に残留することが懸念さ
れるためである。
【0039】引上げ時のペリクルフレームの姿勢は、図
2(a)に示すようにペリクルフレーム内側のコーナー
部2aで垂直に懸架保持する方法、図2(b)のように
フレームの外側から垂直に懸架する方法、図2(c)の
水平に保持する方法などによって決められるが、何れの
方法によっても適用は可能である。これらの中では、図
2(a)あるいは(b)のようにフレームを斜めに傾け
て鉛直に引上げる方法が水切れを良くする点で好まし
い。
【0040】以上、詳述したように本発明によれば、水
系の洗浄剤で洗浄したペリクルフレームを、その表面を
清浄に保ちつつ、低コストかつ高い生産性で乾燥仕上げ
することができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例と比較例を挙げて本発明をさら
に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。 (実施例)クラス10のクリーンルーム内において、図
1に示したペリクルフレーム乾燥仕上げ装置20を用い
てペリクルフレーム2の乾燥仕上げを行った。ステンレ
ス製の純水仕上げ洗浄槽1を純水1aで満たし、オーバ
ーフロー分をフィルタ10を通して循環ポンプ8で循環
しながらヒータ9で純水を50℃に加熱した。また、同
時に給水ライン13より比抵抗18MΩの純水を導入し
た。
【0042】次に、前工程において界面活性剤水溶液及
び純水中にて超音波洗浄を行って清浄化したペリクルフ
レーム2のコーナー部2aの一端を単軸ロボット6のア
ーム7の先端に装着した洗浄治具3に懸架し、洗浄槽1
内の純水1a中に速やかに浸漬した後、鉛直方向に引き
上げた。このときのロボット6の引上げ速度は、0.5
〜10mm/secの範囲内で可変とし、引上げられる
フレーム表面への水滴付着量ができるだけ少なくなるよ
うに制御した。
【0043】純水中からの引上げと同時に、ペリクルフ
レーム2を挟んで対向する2面のボードに各面4本ずつ
配置した遠赤外線ランプ4・「ハイレックス」((株)
八光電機製作所製商品名、300W/本)でフレームを
照射し乾燥した。引上げ開始から4分後、ペリクルフレ
ームは純水中から完全に引上げられた。
【0044】引上げを終了したペリクルフレームの表面
を、直ちに40万ルクスの集光ランプを使用して、水滴
及び異物の有無を観察した。その結果、同時に乾燥を行
った5個のサンプル全てについて、表面には水滴は全く
残留せず、完全に乾燥させることができた。また、目視
観察で確認できる異物の付着はなかった。
【0045】(比較例)実施例において、引き上げ速度
を30mm/secにした以外は同様の条件でペリクル
フレームの乾燥仕上げを行った。実施例と同様に、引き
上げ終了後のペリクルフレームの表面を観察したとこ
ろ、同時に乾燥した5本のサンプル全てについて、ペリ
クルフレームの治具孔、コーナー部および洗浄治具との
接触部に水滴の残留が認められた。
【0046】このようなテストを繰り返し、ペリクルフ
レーム表面の乾燥状態を調べたところ、10mm/se
c以下では、ペリクルフレームを引上げた時に、表面の
水切れが良く、すばやく乾燥できることが判った。一
方、0.5mm/secより遅い速度だと生産性に問題
が生じる。
【0047】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0048】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、水系の洗浄剤を用いて洗浄したペリクルフレーム
を、フィルタを通して循環している温純水に浸漬した
後、0.5〜10mm/secの速度で鉛直方向に引上
げることで、表面張力を利用してフレーム表面から水滴
を除去し、それと同時に水面上に現れてくるフレーム表
面に赤外線を照射して加熱乾燥することによって、極め
て清浄な表面を有する高品質のペリクルフレームを、簡
便な装置により低コストかつ高い生産性で乾燥仕上げす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペリクルフレーム乾燥仕上げ装置の構
成例を示す概略図である。 (a)正面図、 (b)側面図(A−A線断面図)。
【図2】本発明において使用するペリクルフレームの懸
架方法を例示する説明図である。 (a)フレームコーナー部を内側から洗浄治具で懸架す
る、(b)フレームコーナー部を外側から洗浄治具で懸
架する、(c)フレームを洗浄治具で水平に保持する。
【図3】ペリクルの構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…純水仕上げ洗浄槽、 1a…純水、 2…ペリクル
フレーム、2a…フレームコーナー部、 3…洗浄治
具、 4…赤外線ランプ、5…反射板、 6…単軸ロボ
ット、 7…アーム、 8…循環ポンプ、9…ヒータ、
10…フィルタ、 11…受け樋、 12…排水ライ
ン、13…給水ライン、 14…循環ライン、20…ペ
リクルフレーム乾燥仕上げ装置、 30…純水循環ろ過
手段、40…フレーム保持移動手段、 50…フレーム
乾燥手段、60…露光原版、 61…ペリクル、 62
…ペリクルフレーム、63…ペリクル膜、 64…ろ過
膜、 65…通気孔。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系洗浄剤で洗浄後のペリクルフレーム
    の乾燥仕上げ方法であって、ペリクルフレームを純水中
    に浸漬した後、速度0.5〜10mm/secで水面上
    に鉛直に引上げながら乾燥することを特徴とするペリク
    ルフレームの乾燥仕上げ方法。
  2. 【請求項2】 前記ペリクルフレームを浸漬する純水の
    温度が30〜95℃であることを特徴とする請求項1に
    記載のペリクルフレームの乾燥仕上げ方法。
  3. 【請求項3】 前記ペリクルフレームを浸漬する純水
    が、フィルタを通して常時循環されることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のペリクルフレームの乾
    燥仕上げ方法。
  4. 【請求項4】 前記乾燥方法として、風乾と他の乾燥方
    法を併用して乾燥することを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれか1項に記載のペリクルフレームの乾燥仕上
    げ方法。
  5. 【請求項5】 前記他の乾燥方法が赤外線照射であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載のペリクルフレームの乾
    燥仕上げ方法。
  6. 【請求項6】 前記照射する赤外線の波長範囲が2〜2
    5μmであることを特徴とする請求項5に記載のペリク
    ルフレームの乾燥仕上げ方法。
  7. 【請求項7】 水系洗浄剤で洗浄後のペリクルフレーム
    の乾燥仕上げ装置であって、少なくとも純水仕上げ洗浄
    槽と純水循環ろ過手段とフレーム保持移動手段と前記純
    水仕上げ洗浄槽の水面直上に設けたフレーム乾燥手段と
    から成ることを特徴とするペリクルフレームの乾燥仕上
    げ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007504646A (ja) * 2003-08-29 2007-03-01 東京エレクトロン株式会社 基板を乾燥させる方法とシステム。
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