JP2001003545A - 建築物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材及びその製造方法 - Google Patents

建築物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材及びその製造方法

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JP2001003545A
JP2001003545A JP11177367A JP17736799A JP2001003545A JP 2001003545 A JP2001003545 A JP 2001003545A JP 11177367 A JP11177367 A JP 11177367A JP 17736799 A JP17736799 A JP 17736799A JP 2001003545 A JP2001003545 A JP 2001003545A
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finishing
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Hisashi Takii
尚志 滝井
Shigenori Toda
重憲 戸田
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YAMAMOTO YOGYO KAKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽く、取り扱いや施工作業が楽で、不定形の
帯状ないし筋状の模様が形成された堆積岩や大理石調の
重厚で優美で深みに富んだ建築物または構築物表面仕上
用磨き仕上調装飾材並びにその製造方法を提供する。 【解決手段】 基材シート(1)表面にノズルから骨材
が分散された合成樹脂エマルション塗材b(2)を不定
形の紐状に複数本間隔を空けて押出し、塗材層列B
(2)を形成し、次いでその表面ほぼ全面を覆うよう薄
めの厚みで同様な素材からなり塗材層列B(2)とは色
調の異なる塗材dを塗布して塗材層D(3)を形成し、
次いで押出し用ノズルから、同様な素材からなり塗材層
Dとは色調が異なる塗材cを塗材層D(3)の各凹部上
に押出して塗材層列C(4)を形成し、乾燥後、表面を
研磨平坦化し、表面に塗材層列B、C並びに塗材層Dの
一部を露出させた不定形の帯状ないし筋状の模様が表面
に現れている装飾材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内外装壁
面或は床面や構築物の表面仕上用装飾材として、重厚
さ、深みに富んだ堆積岩調ないし変成岩調模様を有する
磨き仕上調装飾材ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂エマルションと大理石粉末(寒
水石粉)その他の骨材や着色硅砂あるいは有色陶磁器粉
などの着色骨材などの骨材を含む塗材を合成繊維やガラ
ス繊維あるいはその他の無機繊維からなる寒冷紗や不織
布その他の布帛類や適宜の固体基材上に吹付けガンを用
いて圧搾空気で霧状または微細液滴状にして勢いよく吹
付けることにより塗布して天然石調に仕上げた装飾材は
建築物の内外装壁面或は床面の装飾用など建築物表面仕
上用シートとして用いられている。(特開平4−761
51号、特開平3−279561号)。
【0003】ところで天然の砂岩、粘板岩、泥岩などの
堆積岩は、岩石の機械的風化で生じた砕屑物が流水、
風、氷河などによって運ばれ堆積し固結して生じた岩石
類であり、一般に成層構造を有している。そのため、成
層方向を横切ったりやや斜めに横切るように切り出し、
表面を平らに研磨すると層によって若干の色調の違いが
あるため、その違いが不定形の帯状及び/又は筋状模様
となり、ほんのわずかの微妙な色調の相違によっても、
例えば若干の明度の差異や、彩度の違い、あるいは色相
の違い、あるいはこれらの2つ以上の違いにより、落ち
着いた不定形の前記模様がうっすらと現れ、重厚な独特
の風合の磨き仕上げ装飾材が得られる。また、場合によ
っては層と層の境目が不定形の筋状ないしは線状(筋状
のより細い概念を線状と称している。したがって筋状と
言えば線状も含む概念で使用している。)に表面に現れ
て重厚な独特の風合の装飾材が得られる。また、色調の
相違が比較的大きい場合には、その色調の違うところが
明確に現れてそれなりの独特の美観が生じる。
【0004】また、大理石は、堆積岩の1種である石灰
岩が地殻の変動やマグマの熱によって変性作用を受け再
結晶したもので、石灰岩の含有成分やその変成作用の状
態で種々の大理石となることが知られており、例えば大
理石のある種のものは、表面を研磨して平らな平板状に
すると、そこに独特の不定形の筋状又は線状の模様と
か、及び/又は不定形の帯状の模様などが現れ、具体的
には、黄土色のベースにやや赤みのかかった濃色の茶色
の細い不定形の線状模様及びややや白味を帯びた細長い
不定形の帯状模様が現れるので、重厚感、高級感のある
光沢のある高級な建築物の表面仕上用磨き仕上調装飾材
などとして使用されている。
【0005】そのため、これら天然の堆積岩や変成岩
は、高級建築物の壁材や床材などの表面仕上用装飾材と
して用いられてきている。
【0006】しかし、天然の堆積岩や大理石は高価であ
り、非常に重く運搬に極めてコストがかかり、また、重
いので例えば高所などでは作業がしにくい、重くて脆い
ので運搬中や取り付け作業中の取り扱い方によっては、
衝撃により、例えばトラックから作業現場に荷を降ろす
際の不注意な衝撃などにより角などの一部が欠けたりす
る、産地が限られ従って同一品種のものを長期間に亘っ
て安定して供給しにくい、同一色調で揃えて建築物を装
飾しようと思っても、必ずしも同様なトーンの品質のも
のが大量に入手できるとは限らない、曲面に加工するこ
とが難しいなどの問題がある。また、天然の大理石など
は、非常に美しい磨き仕上げ模様を形成できるが、炭酸
カルシウムが主成分であるため、酸に弱く、酸性雨など
の影響や大気中の酸成分が雨などで濡れた場合に作用す
るため、屋外では一般に用いられていないなどの問題も
ある。
【0007】一方、前述した合成樹脂エマルションと天
然石粉末、硅砂、陶磁器粉あるいは着色硅砂、有色陶磁
器粉などの適宜の骨材を含む塗材からなる吹付材を適宜
の基材上に吹付けガンで圧搾空気の噴出作用で吹付けて
塗布し、乾燥して天然石調の凹凸模様に仕上げた装飾材
は天然の岩石に比べて比較的安価であり、耐水・耐酸性
があり、重さも軽くなり運搬コストの面でも有利であり
同一品種のものを長期間に亘って安定して生産でき、比
較的軽くて施工時の取扱が容易な事から、高所などにお
いても施工作業がしやすいなどの利点があり、近年、建
築物の内外装壁面或は床面の装飾用など建築物表面仕上
用装飾材などとして頻繁に用いられてきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般にこれら
の合成による装飾材の製造は、工業的に実際に行われて
いるものは基材シート表面への噴霧状吹付けによるもの
であるので、帯状ないし筋状模様を表現するには不適で
あり、前述したような堆積岩や大理石で見られるような
不定形の帯状ないし筋状の模様が形成された建築物また
は構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材はあまり提案され
ていない。
【0009】本発明は、比較的簡単な構造で、天然石に
比べて軽く、取り扱いや施工作業が楽で、不定形の帯状
及び/又は筋状の模様が形成された天然の堆積岩や大理
石の様な重厚で優美で深みに富んだ合成品からなる建築
物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材並びにこれ
を工業的に容易に製造し得る方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次ぎの様な建築物または構築物表面仕上用
磨き仕上調装飾材ならびにその製造方法を提供する。
【0011】(1)基材シート上に、塗材層Aが形成さ
れている表面が平坦な建築物または構築物表面仕上用磨
き仕上げ調装飾材であって、前記塗材層Aは不定形の畝
状の塗材層列B、Cが交互に複数本並列して設けられて
おり、且つ前記塗材層列Cの表面露出部分を除いた周囲
が塗材層Dで覆われており、前記塗材層列B、Cの間に
塗材層Dが不定形の帯状及び/又は筋状模様の形で表面
に露出している塗材層からなり、塗材層列B、Cと塗材
層Dとは色調が異なっており、かつ、塗材層列B、C
は、それぞれ骨材が分散された合成樹脂層からなり、塗
材層Dは、骨材及び/又は顔料が分散された合成樹脂層
からなることを特徴とする不定形の帯状及び/又は筋状
の模様が表面に現れている建築物または構築物表面仕上
用磨き仕上調装飾材。
【0012】(2)基材シートと塗材層Aとの間に下地
塗材層Eが更に形成されている前記(1)項に記載の建
築物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
【0013】(3)塗材層Dが比較的薄い厚さの塗材層
である前記(1)または(2)項のいずれかに記載の建
築物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
【0014】(4)塗材層Dが、骨材を実質上含有しな
い顔料が分散された合成樹脂層からなる前記(1)〜
(3)項のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕
上用磨き仕上調装飾材。
【0015】(5)基材シートが布状物である前記
(1)〜(4)項のいずれかに記載の建築物または構築
物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
【0016】(6)骨材が主として粒径0.01〜3m
mの骨材である前記(1)〜(5)項のいずれかに記載
の建築物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
【0017】(7)骨材が天然石粉、硅砂、陶磁器粉、
ガラス粉、プラスチック粉またはこれらの人工着色物の
少なくとも1種からなる骨材である前記(1)〜(6)
項のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用磨
き仕上調装飾材。
【0018】(8)骨材が分散されてなる合成樹脂層に
おける合成樹脂の割合が、骨材100重量部に対し、5
〜20重量部である前記(1)〜(7)項のいずれかに
記載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾
材。
【0019】(9)塗材層列B、Cと塗材層Dとの色調
の差異が、色相、明度、彩度の少なくとも1つが異なる
ものである前記(1)〜(8)項のいずれかに記載の建
築物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
【0020】(10)塗材層列B、Cと塗材層Dとの色
調の差異が、マンセル値で0.5以上の明度の差異であ
る前記(1)〜(9)項のいずれかに記載の建築物また
は構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
【0021】(11)塗材層列B、Cと塗材層Dとの色
調の差異が、マンセル値で1以上の彩度の差異である前
記(1)〜(10)項のいずれかに記載の建築物または
構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
【0022】(12)合成樹脂層を形成している合成樹
脂がアクリル系樹脂である前記(1)〜(11)項のい
ずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕上
調装飾材。
【0023】(13)表面側全面に更に透明な合成樹脂
からなるトップコート層が設けられている前記(1)〜
(12)項のいずれかに記載の建築物または構築物表面
仕上用磨き仕上調装飾材。
【0024】(14)基材シート表面に塗材を塗布する
際に、基材シート表面より上方に離れた位置に位置する
ように間隔をおいて複数個の塗材層列B形成用の塗材b
押出し用ノズルを設け、当該ノズルから骨材が分散され
た合成樹脂エマルションまたは溶液からなる塗材bを不
定形の紐状に押出し、基材シート上に複数本の不定形の
紐状に押出された塗材bを間隔を空けて並列して塗布す
ることにより不定形の畝状の塗材層列Bを形成し、次い
でその表面ほぼ全面を覆うように且つ塗材層列Bの畝と
その間の谷間からなる凹凸が平坦にならない程度の厚み
で骨材及び/又は顔料が分散された合成樹脂エマルショ
ンまたは溶液からなり、塗材層列Bとは色調の異なる塗
材層D形成用塗材dを塗布して、複数本の不定形の畝状
の凹凸立体模様が形成された塗材層Dを形成し、次いで
その表面より上方に離れた位置に位置するように間隔を
おいて複数個並列して設けられた塗材層列C形成用の塗
材c押出し用ノズルから、骨材が分散された合成樹脂エ
マルションまたは溶液からなる塗材層Dとは色調が異な
る塗材層列C形成用塗材cを不定形の紐状に押出し、塗
材層Dの各凹部上に当該凹部を埋めるように塗材cを塗
布することにより不定形畝状の塗材層列Cを形成し、乾
燥後、表面を研磨または切削して平坦にし、表面に塗材
層列B、C並びに塗材層Dの一部を露出させてなる不定
形の帯状及び/又は筋状の模様が表面に現れている建築
物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材の製造方
法。
【0025】(15)基材シート上にあらかじめ、下地
塗材層E形成用の骨材が分散された合成樹脂エマルショ
ンまたは溶液からなる塗材eを、ほぼ基材シート表面の
全面を覆うように塗布して下地塗材層Eを形成しておく
工程を更に含んでいる前記(14)項に記載の建築物ま
たは構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材の製造方法。
【0026】(16)塗材層Dを形成するための塗材d
の厚みを比較的薄い厚みで塗布する前記(14)または
(15)項のいずれかに記載の建築物または構築物表面
仕上用磨き仕上調装飾材の製造方法。
【0027】(17)塗材層Dを形成するための塗材d
が実質上骨材を含有しない顔料が分散された合成樹脂エ
マルションまたは溶液からなる塗材である前記(14)
〜(16)項のいずれかに記載の建築物または構築物表
面仕上用磨き仕上調装飾材の製造方法。
【0028】(18)塗材層列BまたはCを形成する際
に、塗材押出し用ノズルから塗材bまたはcを押出しな
がら、基材シートまたはそれを含む塗布対象物を前記塗
材押出し用ノズルの下を移動させて塗材を基材シートま
たはそれを含む塗布対象物上に塗布することにより塗材
層列BまたはCを形成する前記(14)〜(17)項の
いずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕
上調装飾材の製造方法。
【0029】(19)基材シートが布状物である前記
(14)〜(18)項のいずれかに記載の建築物または
構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材の製造方法。
【0030】(20)骨材が主として粒径0.01〜3
mmの骨材である前記(14)〜(19)項のいずれか
に記載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾
材の製造方法。
【0031】(21)骨材が天然石粉、硅砂、陶磁器
粉、ガラス粉、プラスチック粉またはこれらの人工着色
物の少なくとも1種からなる骨材である前記(14)〜
(20)項のいずれかに記載の建築物または構築物表面
仕上用磨き仕上調装飾材の製造方法。
【0032】(22)塗材の合成樹脂エマルションまた
は溶液の割合が合成樹脂固形分で骨材100重量部に対
し、5〜20重量部である前記(14)〜(21)項の
いずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕
上調装飾材の製造方法。
【0033】(23)塗材層列B、C形成用塗材b、c
と塗材層D形成用塗材dとの乾燥後における色調の差異
が、色相、明度、彩度の少なくとも1つが異なるもので
ある前記(14)〜(22)項のいずれかに記載の建築
物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材の製造方
法。
【0034】(24)塗材層列B、C形成用塗材b、c
と塗材層D形成用塗材dとの乾燥後における色調の差異
が、マンセル値で0.5以上の明度の差異である前記
(14)〜(23)項のいずれかに記載の建築物または
構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材の製造方法。
【0035】(25)塗材層列B、C形成用塗材b、c
と塗材層D形成用塗材dとの乾燥後における色調の差異
が、マンセル値で1以上の彩度の差異である前記(1
4)〜(24)項のいずれかに記載の建築物または構築
物表面仕上用磨き仕上調装飾材の製造方法。
【0036】(26)合成樹脂エマルションまたは溶液
がアクリル系樹脂のエマルションまたは溶液である前記
(14)〜(25)項のいずれかに記載の建築物または
構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材の製造方法。
【0037】(27)表面を研磨または切削して平坦に
した後、更にその表面に乾燥後透明な樹脂層を形成し得
る合成樹脂エマルションまたは溶液を塗布し乾燥してト
ップコート層を形成する工程を含む前記(14)〜(2
6)項のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕上
用磨き仕上調装飾材の製造方法。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の装飾材を構成する塗材層
列B、C並びに塗材層Dの骨材が分散された合成樹脂層
の構成成分の合成樹脂成分としては、通常、その原料と
して、製造方法の請求項に記載したように、合成樹脂エ
マルションあるいは合成樹脂溶液が用いられ、天然石調
模様を有する装飾材の製造の際に従来より用いられてい
る原料成分となる各種の合成樹脂エマルションや溶液を
用いることができる。有機溶剤の回収や環境問題などを
余り考慮する必要がないという点からは、合成樹脂エマ
ルションが好ましく用いられる。特に耐候性、対アルカ
リ性、耐水性、接着性、柔軟性、耐吸水性等を満足する
合成樹脂エマルションが好ましく、具体的な例として
は、例えばアクリル系樹脂エマルション(アクリル樹脂
エマルションはもとより、アクリル−スチレン樹脂エマ
ルション、アクリル−ウレタン樹脂エマルション、アク
リル−シリコン樹脂エマルション、アクリル−弗素樹脂
エマルションも含まれる)、エチレン−酢酸ビニル樹脂
などの酢酸ビニル系樹脂エマルション、塩化ビニル系樹
脂エマルション、ウレタン系樹脂エマルション等が挙げ
られる。これらのいずれの樹脂も乾燥後の合成樹脂成分
からなるマトリックスは適宜の柔軟性を有しており、基
材が可撓性の基材であれば得られた装飾材シートを曲面
へ接着して施工することも可能である。中でもアクリル
系樹脂エマルションが比較的安価な割りには、耐候性の
点でより優れているので建築物や構築物の内外装壁面或
は床面などの表面仕上用シートとして用いた場合など長
期の耐久性を有し好ましい。
【0039】本発明で用いる塗材の合成樹脂エマルショ
ンまたは溶液に配合される骨材としては、従来より天然
石調模様を有する装飾材の製造の際に用いられている各
種の公知の骨材を用いる事ができ、大理石粉や御影石
粉、硅砂その他の天然石粉、陶磁器粉、ガラス粉あるい
はこれらを人工的に着色した例えば着色焼成硅砂や有色
陶磁器粉などのいわゆる着色骨材と称されているものな
どのような、天然石細粒状物、硅砂、陶磁器細粒状物、
ガラス細粒状物またはこれらの着色物の少なくとも1種
からなる骨材で代表される無機材料が好ましく用いられ
るが、これらに限定されるものではなく、プラスチック
などの有機材料から成る骨材を用いてもよい。プラスチ
ックなどの有機材料から成る骨材は、無機材料から成る
骨材に比べて若干コスト的に高くなる傾向がある。
【0040】骨材の大きさは主として粒径0.01〜3
mmの大きさの骨材を用いることが好ましい。ここで粒
径とは骨材が球状でない場合には、測定時に顕微鏡など
の適宜の器具で観測する場合にその観測している骨材の
粒子が見えている状態で、その粒子1つの最も大きな径
をもってその骨材粒子の粒径としている。
【0041】なお、人工的に着色を施した着色骨材ある
いは特に人工的に着色を施していない素材そのままの色
の骨材などの中から適宜1種または2種以上を併用する
ことによって塗材を乾燥して形成される塗材層の所望の
色調や風合を調整することができる。勿論必要に応じて
更に顔料加えて色調を調整してもよい。顔料が多くなり
すぎると、ペイントのような塗材層になり、天然石調の
風合いが出しにくくなる。
【0042】骨材と合成樹脂成分との配合割合はどの様
な風合いの堆積岩調あるいは大理石調の装飾材とするか
とか、あるいはどのような色調の塗材とするかなど、目
的に応じて若干の相違があるが、骨材100重量部に対
し、合成樹脂エマルションまたは溶液の割合が固形分で
5〜20重量部程度が好ましい。
【0043】この範囲の好ましい態様とすることによ
り、合成樹脂成分は、骨材のバインダーとしての役割も
果たすに十分な量であり、収縮やクラックの発生が生じ
る程合成樹脂成分が多すぎることもなく、しかも堆積岩
調あるいは大理石調の風合いの発現を良好とし、且つ耐
久性のある強度を有する装飾材が提供できる。
【0044】塗材層の色調を調整するには各種骨材やこ
れらを人工的に着色したいわゆる着色骨材などの1種ま
たは2種以上の配合量や、添加する骨材の種類、粒度、
色を適宜選定して配合したり、着色剤を必要に応じて添
加するなどすることによって達成される。
【0045】また、骨材が分散された合成樹脂エマルシ
ョンまたは溶液からなる塗材には、必要に応じて軽量化
材を添加して軽量化してもよい。軽量化材としては、例
えば微細な中空のほぼ球状の合成樹脂カプセル状物が好
ましく用いられる。これらの具体例としては、例えば
“EXPANCEL”(アクゾーノーベル社製:発泡剤
を内包した塩化ビニリデン−アクリロニトリルコーポリ
マーの核を発泡したもの)、“マツモトマイクロスフェ
アー”F−30EやMFL(松本油脂製薬株式会社製:
高分子中空微小球コンポジットフィラーで発泡剤を内包
した塩化ビニリデン−アクリロニトリルコーポリマーの
核を発泡したもの、またはその表面を不活性無機粉体で
コーティングしたハイブリッド中空微小球)などの合成
樹脂中空微小球状のカプセル状物などが挙げられる。
【0046】また、本発明の塗材には、更に必要に応じ
て軽量骨材を添加してもよい。軽量骨材は前記骨材に代
えてその一部を置き換える態様で添加してもよい。尚、
軽量骨材とは骨材の役割をある程度保持し、かつ、通常
の骨材より、見かけ比重の小さい骨材であり、一般に中
空や多孔質のものが多い。
【0047】軽量骨材の具体例としては、例えば、パー
ライト、シラスバルーン、ポリスチレン発泡体粉砕物、
主成分が炭酸カルシウム粉末その他の適宜の無機物粉末
であり合成樹脂成分が前記無機物粉末のバインダー成分
として配合された発泡体(例えば、フジ化成工業株式会
社製“ロックセルボード”など)の粉砕物などが挙げら
れる。
【0048】また、塗材には、必要に応じて独特の風合
を出すために、別途、1色または2色以上の着色薄片状
合成樹脂フレークを添加してもよい。
【0049】着色薄片状合成樹脂フレークとしては、公
知の各種のものを用いることができる。その内でも不定
形で柔軟な着色薄片状樹脂フレークを用いることが好ま
しい。
【0050】前記薄片状不定形柔軟樹脂フレークの厚み
は、平均厚みで好ましくは1mm以下、特に0.2〜
0.9mm程度が、塗材中に添加されてノズルから基材
シート上に押出されて塗布される場合においても、容易
にノズルを通り、極めて柔軟なので、塗布された後もフ
レーク末端が装飾材面から跳ね上がるなどの現象もなく
好ましい。
【0051】また、更に必要に応じて独特の風合を出す
ために、前記各種塗布材には、別途、雲母や着色雲母な
どで代表されるマイカ薄片を加えてもよい。合成樹脂エ
マルションまたは溶液の合成樹脂固形分とマイカ薄片の
割合は、マイカ薄片1重量部に対して合成樹脂固形分5
〜100重量部の割合が好ましい。
【0052】尚、塗材層D形成用の塗材dについては、
塗材dを比較的薄く塗布して薄い塗材層Dとし、最終的
に表面を研磨ないし切削して磨き仕上げ調装飾材とした
際にその表面に塗材層Dを塗材層列B、C間に細い筋状
ないし線状模様として出現させる場合には、骨材を実質
上含まず、顔料で着色された、すなわち顔料が分散され
た合成樹脂エマルションまたは溶液からなる塗材を用い
ることも好ましい。
【0053】すなわち、塗材d塗布後、乾燥させる段階
で骨材が存在しないことによる塗材層の収縮による亀裂
の発生などの欠陥が発生する影響は、塗材層が薄いので
少なく、また、表面に現れる模様も細いので骨材が存在
しないことによる重厚性、高級感、風合いの低下の影響
も少なく、骨材が存在しないことにより、より薄く塗布
できる可能性があることから、細い線状模様を装飾材表
面に発現させる場合に好適に用いられる。
【0054】以下、本発明の理解を容易にするため、図
面を参照しながら本発明の不定形の帯状及び/又は筋状
の模様が形成された建築物または構築物表面仕上用磨き
仕上げ調装飾材ならびにその製造方法について説明する
が、この図面に例示したものは、本発明の一実施の形態
であって、本発明はこれのみに限定されるものではな
い。
【0055】図1は本発明の装飾材の製造方法の一実施
の形態の工程を断面図で示した工程断面図、図2は図1
(a)に示した工程の一実施の形態を示す斜視図、図3
は図1(c)に示した工程の一実施の形態を示す斜視
図、図4は図1(d)に示した工程で得られた本発明の
磨き仕上げ調装飾材の一実施の形態を示す斜視図であ
る。
【0056】図2に示すように、まず基材シート1の表
面に前記骨材が分散された合成樹脂エマルションまたは
溶液からなる塗材層列B形成用の塗材b(図中符号2a
で示す)を間隔をおいて塗材層列B(図中符号2で示
す)が複数列形成されるように塗布するのであるが、基
材シート1表面より上方に離れた位置に位置するように
塗材b(図中符号2a)を適宜の太さの不定形紐状に押
出すためのノズル6が設けられており、これらの塗材押
出し用ノズル6は間隔をおいて複数個所定位置に設置さ
れている。各ノズル6から塗材b(図中符号2a)を適
宜の太さの不定形の紐状に押出して、表面から見た場合
に不定形の帯状及び/又は筋状の模様が形成されるよう
に不定形の畝状の塗材層列B(図中符号2)を間隔を空
けて並列して形成する。この時各塗材押出し用ノズル6
から押出される各塗材b(図中符号2a)は、それぞれ
同一の色調でもよいし、それぞれ異なる色調のものを押
出してもよい。なお、ここで不定形の紐状ないし畝状と
か、不定形の帯状ないし筋状とは、直線状とか、真円の
円弧状とかのように幾何学的な規則的な形の定まったも
のではなく、比較的不規則的に蛇行又はカーブしている
ような紐状ないし畝状、帯状ないし筋状の状態のことを
意味している。勿論、上述のような人工的な幾何学模様
を作りたい場合には、そのようにすれば良く、不定形に
ならないように、後で詳述するような不定形にするため
の条件、操作をしなければよい。
【0057】7は各ノズル6へ塗材bを供給するパイプ
である。各塗材層列Bの表面から見た場合の形状が不定
形の帯状及び/又は筋状の模様になるように塗材bをノ
ズル6から不定形の紐状で押出し基材シート1上に不定
形の畝状の形が形成できるように塗布するには、ノズル
6を矢印Z、Z´方向に往復運動させたり、ノズル6を
上下方向に動かしたり、ノズル6からの塗材の押出し量
(吐出量)を不規則的に変化させたり、あるいはこれら
の手法を組み合わせて実行しながら塗材をノズルから押
出して塗布することにより達成することができる。た
だ、あまりに押出し圧力を高くしすぎて、あまり勢い良
く吹き出すように吐出させると塗材がノズルから出た直
後にその径が広がってしまい、紐状に押出しにくくなる
ので、その場合には、押出し圧力を低めたり、押出し速
度を遅く調整すれば容易に前記手法で不定形の畝状に塗
材層列を形成できる。
【0058】なお、図2では、複数個のノズル6の相互
の位置をZ、Z´方向に一列にそろえて並列配置した例
を図示しているが、特にこのようにZ、Z´方向に一列
にそろえて配置しておく必要はなく、一部のノズルが上
下方向にずれて存在していたり、XないしY方向にずれ
て配置されていても本発明の目的が達成される限り何ら
差し支えない。各ノズルから押出されて形成された塗材
層列をそれぞれ違った形の不定形の畝状にする場合に
は、より好適である。
【0059】ノズル6をZ、Z´方向に往復運動させる
場合には、形成したい目的とする塗材層列の蛇行模様に
よって当然変わってくるが、例えば5mm以上の距離を
往復運動させることが好ましく、大きなカーブ模様の場
合には、例えば基材シート1の幅いっぱいに往復運動さ
せてもよい。ノズル6を上下方向に往復させて動かす場
合も、出現させたい模様に応じて且つノズルからの塗材
の吐出量によって適宜調整すれば良く、一般的にはノズ
ルからの塗材の吐出量が一定の場合には、ノズルを上方
に動かしながら塗布している場合には、幅が細くなる傾
向になり、場合によっては途切れた形になる。また、ノ
ズルを下方に動かしながら塗布している場合には、幅が
太くなる傾向になる。各ノズル6の上述した矢印Z、Z
´方向の往復運動の距離や速度、上下往復運動の距離や
速度、塗材の吐出量、ノズルの口径などの条件は同じで
も差し支えないが、各ノズル毎に異ならせると、それぞ
れのノズルから押出されて形成される塗材層列の不定形
畝状形状が、相互に異なったものにしやすくなり好まし
い。
【0060】なお、図2に示したような塗布方法におい
ては、塗材押出し用ノズル6を所定位置に設置し(但
し、必要に応じて前述したZ、Z´方向への往復運動と
か、上下方向への運動は行ってよい。)、前記塗材押出
し用ノズル6から塗材2aを押出しながら、基材シート
1を前記塗材押出し用ノズル6の下を矢印Xの方向に移
動させて塗材2aを基材シート1上に塗布する方法が、
コンベアーベルトなどで基材シート1を塗材押出し用ノ
ズル6の下を移動させれば良く、簡便であり好ましい
が、場合によっては、基材シート1を静置しておいて、
その上方を基材シート1上に形成すべき塗材層列B(図
中符号2)の長手方向にほぼに沿った方向(矢印Yの方
向)に塗材押出し用ノズル6を塗材2aを押出しながら
移動させて塗材を基材シート1上に塗布する方法(この
際、前記の場合と同様に、必要に応じてノズル6の前述
したZ、Z´方向への往復運動とか、上下方向への運動
は伴ってもよい。)、あるいは必要に応じて基材シート
1を矢印Xの方向に移動させ且つノズル6を矢印Yの方
向に移動させて(この際、前記の場合と同様に、必要に
応じてノズル6の前述したZ、Z´方向への往復運動と
か、上下方向への運動は伴ってもよい。)塗布してもよ
い。そして、いずれにせよ、このような塗布方法の場合
には、X及び/又はY方向へのノズル及び/又は基材シ
ートの移動速度によっても塗布される塗材層列の太さや
形が変化するので、これらのファクターを目的とする模
様に応じて調整すればよい。勿論、この際ノズルのZ、
Z´方向への往復運動とか、上下方向への運動を伴う場
合には、その速度や移動距離も模様を左右するファクタ
ーとなるので、これらも考慮して、目的の模様に応じて
これらのファクターを適宜調整すればよい。
【0061】かくして基材シート1上に各塗材押出し用
ノズル6から塗材bを不定形の紐状に押出し、基材シー
ト1上に間隔をおいて形成された複数本の不定形畝状の
(表面側から見た場合に不定形の帯状及び/又は筋状模
様となる)塗材層列B(図中符号2)が形成された工程
の断面図が図1(a)である。
【0062】次にかくして形成された塗材層列Bを必要
に応じて乾燥させた後(乾燥させずに未乾燥のままで
も、半乾燥してもよい。他の色調の塗材層または塗材層
列との境界がはっきり明快に現れるようにしたい場合
は、乾燥または半乾燥しておくことが好ましく、境界を
若干ぼかし模様のような感じに仕上げたい場合には乾燥
しない方が好ましい。以下の場合も同様である。)、図
1(b)に示すように、その表面ほぼ全面を覆うように
且つ塗材層列Bの畝とその間の谷間(この場合は基材シ
ート1の表面が露出している部分)からなる凹凸が平坦
にならない程度の厚みで骨材及び/又は顔料が分散され
た合成樹脂エマルションまたは溶液からなり、塗材層列
Bとは色調の異なる塗材層D形成用塗材dを塗布して、
複数本の不定形の畝状(上から見た場合に帯状ないし筋
状の凹凸立体模様)の模様が形成された形になる塗材層
Dを形成する。図1(b)において塗材層Dは符号3で
示されている。この時の塗材dの塗布は、塗材層列Bの
畝とその間の谷間からなる凹凸が平坦にならない程度の
厚みで塗布できる方法であれば任意の手段が採用でき、
例えば吹付けガンによる噴霧状吹付けによる塗布が一般
的であるが、刷毛などで塗布してもよい。塗材層Dの塗
布厚みを薄くすると、最終的に研磨した後の得られる装
飾材の表面に塗布厚みに応じた細い不定形の線状及び/
又は筋状の塗材層D(図中符号3)からなる模様が現れ
ることになる。従って、塗布厚みを厚くすると、より幅
の広い不定形の帯状及び/又は筋状の模様になる。特に
限定するものではないが、本発明では、塗材層Dの塗布
厚みを薄くして、細い不定形の線状及び/又は筋状の塗
材層D(図中符号3)からなる模様が装飾材表面に現れ
る様にすると、独特の細い不定形の線状及び/又は筋状
の模様が適宜形成された高級感のある、ある種の大理石
の磨き仕上調の装飾材を得ることができるが、この様な
場合、本発明方法は好適に用いられる。
【0063】このように細い不定形の線状模様を形成す
るには、塗材層Dを薄く形成すれば良く、薄くする場合
には、乾燥時骨材が存在しないことによる塗材層の収縮
によるクラックの発生などの欠陥が発生する影響や、骨
材が存在しないことによる重厚性、高級感、風合いの低
下の影響も少ないので、骨材が存在しないことにより、
より薄く塗布できる可能性があることから、骨材を実質
上含まず、顔料で着色された、すなわち顔料が分散され
た合成樹脂エマルションまたは溶液からなる塗材dを用
いて塗材層Dを形成することも好ましい。
【0064】次いで必要に応じて塗材層Dを乾燥させた
後(乾燥させずに未乾燥のままでも、半乾燥してもよ
い)、図1(c)に示すように、骨材が分散された合成
樹脂エマルションまたは溶液からなる塗材層列C形成用
塗材c(図中符号4a)を押出し、塗材層Dの各凹部上
に当該凹部を埋めるようにそれぞれ不定形の紐状の塗材
cを塗布することにより不定形の畝状の(上から見た場
合に不定形の帯状及び/又は筋状の模様)塗材層列C
(図中符号4)を形成する。
【0065】図3に図1(c)に示した工程の一実施の
形態を斜視図で示した。図3に示すように、塗材層D
(図中符号3)の各凹部上に当該凹部を埋めるようにそ
れぞれ不定形の紐状の塗材c(図中符号4a)を押出す
ことにより不定形の畝状の(上から見た場合に不定形の
帯状及び/又は筋状の模様)塗材層列C(図中符号4)
を形成する。図3の場合も、ほぼ図2で説明したと同様
に、基材シート1を含む塗布対象物[図1(b)の基材
シート1上に塗材層列B(図中符号2)が形成され、そ
の上に更に塗材層D(図中符号3)が形成されたものな
ど、基材シート1上に何らかの層が形成されているもの
を「基材シート1を含む塗布対象物」と略称している。
他の態様の場合も同様である。]表面より上方に離れた
位置に位置するように塗材c(図中符号4a)を適宜の
太さの不定形紐状に押出すためのノズル16が設けられ
ており、これらの塗材押出し用ノズル16は間隔をおい
て複数個並列して設けられている。各ノズル16から塗
材c(図中符号4a)を適宜の太さの紐状に押出して、
表面から見た場合に不定形の帯状及び/又は筋状の塗材
層列C(図中符号4)を塗材層Dの各凹部上に当該凹部
を埋めるようにそれぞれ不定形紐状に押出して、不定形
の畝状の(表面側から見た場合に、不定形の帯状及び/
又は筋状の模様となる)塗材層列Cを形成する。
【0066】17は各ノズル16へ塗材cを供給するパ
イプである。各塗材層列Cの表面から見た場合の形状が
不定形の帯状及び/又は筋状の模様になるように塗材c
をノズル16から不定形の紐状にして基材シート1を含
む塗布対象物上に塗布し、不定形の畝状の塗材層列Cを
形成するには、前記不定形の畝状の塗材層列Bの形成の
場合とほぼ同様の手法を用いれば良く、その時、塗材層
列Cの形状すなわち目的とする模様を左右するファクタ
ーは前記不定形の畝状の塗材層列Bの形成の場合とほぼ
同様であるから、同様の部分には同様の符号を付して重
複説明を省略した。
【0067】なお、この場合においても、すでに図2の
説明の際に説明したと同様に、塗材押出し用ノズル16
を所定位置に設置し(但し、必要に応じて前述したZ、
Z´方向への往復運動とか、上下方向への運動は行って
よい。)、前記塗材押出し用ノズル16から塗材4aを
押出しながら、基材シート1を含む塗布対象物を前記塗
材押出し用ノズル16の下を矢印Xの方向に移動させて
塗材4aを基材シート1を含む塗布対象物上に塗布する
方法が、コンベアーベルトなどで基材シート1を含む塗
布対象物を塗材押出し用ノズル16の下を移動させれば
良く、簡便であり好ましいが、場合によっては、基材シ
ート1を含む塗布対象物を静置しておいて、その上方を
基材シート1を含む塗布対象物上に形成すべき塗材層列
C(図中符号4)の長手方向にほぼに沿った方向(矢印
Yの方向)に塗材押出し用ノズル16を塗材4aを押出
しながら移動させて塗材を基材シート1を含む塗布対象
物上に塗布する方法(この際、前記の場合と同様に、必
要に応じてノズル16の前述したZ、Z´方向への往復
運動とか、上下方向への運動は伴ってもよい。)、ある
いは必要に応じて基材シート1を含む塗布対象物を矢印
Xの方向に移動させ且つノズル16を矢印Yの方向に移
動させて(この際、前記の場合と同様に、必要に応じて
ノズル16の前述したZ、Z´方向への往復運動とか、
上下方向への運動は伴ってもよい。)塗布してもよい。
【0068】かくして図1(c)に示すように、骨材が
分散された合成樹脂エマルションまたは溶液からなる塗
材層列C形成用塗材c(図中符号4a)を押出し、塗材
層Dの各凹部上に当該凹部を埋めるようにそれぞれ不定
形の紐状の塗材cを塗布することにより不定形の畝状の
(上から見た場合に不定形の帯状及び/又は筋状の模
様)塗材層列C(図中符号4)が形成される。
【0069】なお、ここで各塗材層列Cの色調は互いに
同じでも異なっていてもよいし、各塗材層列Bの色調と
互いに同じでも異なっていてもよいが、塗材層Dとは色
調が異なっていることが必要である。
【0070】かくして形成された塗材層列B、C並びに
塗材層Dからなる塗材層Aを乾燥して固化した後、塗材
層A側から図1(c)のA−A´ラインまで、すなわち
表面に塗材層列B、C並びに塗材層Dの一部が露出する
ように研磨または切削して平坦にし、表面に塗材層列
B、C並びに塗材層Dの露出部分が現れて不定形の帯状
ないし筋状の模様が形成された本発明の建築物または構
築物表面仕上用磨き仕上調装飾材が得られる。この工程
を示しているのが図1(d)であり、これを斜視図で示
したものが図4である。
【0071】尚、必要に応じて、図1(e)に示すよう
に、更にこの平坦な塗材層上に乾燥後透明な樹脂層を形
成し得る合成樹脂エマルションまたは溶液を塗布し乾燥
してトップコート層5を形成してもよい。
【0072】次に本発明の建築物または構築物表面仕上
用磨き仕上調装飾材及びその製造方法に関する更に別の
実施の形態である基材シート1と塗材層Aとの間に下地
塗材層Eが更に形成されている本発明の建築物または構
築物表面仕上用磨き仕上調装飾材及びその製造方法に関
し、図5〜7を参照しながら説明する。
【0073】図5は本発明の装飾材の製造方法の別の一
実施の形態の工程を断面図で示した工程断面図、図6は
図5(a)に示した工程の一実施の形態を示す斜視図、
図7は図5(b)に示した工程段階の別の一実施の形態
を示す断面図である。
【0074】図5(a)に示すように、まず基材シート
1の表面ほぼ前面に骨材が分散された合成樹脂エマルシ
ョンまたは溶液からなる下地塗材層E形成用の塗材eを
適宜の厚みに塗布し下地塗材層E(図中符号10で示し
た)を形成する。
【0075】この時の塗材eの基材シート1上への塗布
手段は、必要な厚みに塗布できる方法であれば任意の手
段が採用でき、得に限定するものではない。例えば吹付
けガンによる噴霧状吹付けによる塗布が一般的である
が、刷毛やロール、鏝などで塗布してもよい。
【0076】図6に、塗材eを吹付けガン18によって
基材シート1上へ塗布し、下地塗材層E(図中符号1
0)を形成している状態を斜視図で示した。
【0077】なお、ここで下地塗材層Eの色調は特に制
限はなく、塗材層列B、塗材層列C塗材層Dと色調は互
いに同じでも異なっていてもよい。
【0078】次いで下地塗材層Eを必要なら乾燥し(未
乾燥のままでもよいし、半乾燥させてもよい)、図5
(b)に示すように、下地塗材層E(図中符号10)の
表面に骨材が分散された合成樹脂エマルションまたは溶
液からなる塗材層列B形成用の塗材bを間隔をおいて塗
材層列B(図中符号2で示す)が複数列形成されるよう
に下地塗材層E上に間隔をおいて不定形の紐状に押出し
て塗布して、複数本の不定形の畝状の(表面側から見た
場合に不定形の帯状及び/又は筋状模様となる)塗材層
列B(図中符号2)を形成する。この際の塗材bの塗布
の仕方などは図1〜図3を参照しながら説明した手法と
同様の手法が適用できるので、重複説明は省略する。ま
た、もし、塗材層列Bを形成するための塗材bと下地塗
材層E形成用の塗材eとが同一組成の同一の色調の塗材
の場合の図5(a)の工程に相当する断面図を図7に示
した。塗材層列B(図中符号2)を形成するための塗材
bと下地塗材層E(図中符号10a)形成用の塗材eと
が同一組成の同一の色調の塗材の場合には、下地塗材層
E(図中符号10a)と塗材層列B(図中符号2)とが
一体となって、1つの塗材で、不定形の畝状の塗材層列
B(図中符号2)の下部ベース部(図中符号10aに相
当する部分)が連結された形の塗材層が形成されている
形となる。このような場合も本発明の範囲に含まれる。
【0079】次に、図5(c)〜図5(f)までの工程
は、基材シート1上に下地塗材層Eが存在するか否かの
違いだけであって、その他の点は実質上、図1の(b)
から(e)や図3を参照しながら説明した手法と同様の
手法が適用できるので、同一部分には同一の符号を付し
て重複説明を省略した。
【0080】このように図5に示したような基材シート
上に下地塗材層を形成しておく本発明の装飾材及びその
製造方法は、かかる装飾材の構成や製造方法としても、
表面側から見た場合には図1などで示した不定形の帯状
ないし筋状の模様が表面に現れている建築物または構築
物表面仕上用磨き仕上調装飾材とほぼ同様のものを得る
事ができる。また、場合により、塗材層の全体の厚みを
厚くすると、より重厚な品位のものが得られるが、この
ような場合など、下地層を形成して塗材層を厚くするこ
とが考えられるが、その際、下地塗材層Eを形成するた
めの塗材eとして、各種の色調の塗材の残ったものを混
合したものや、工場内で基材シートに塗材を吹付けた際
に基材シートよりはみ出して吹付けられた塗材を受け容
器に受けて回収した塗材などの回収塗材なども使用でき
好ましい。
【0081】尚、図8に、上記図1〜3や、図5〜7を
引用して説明したと同様な手法により得られる本発明の
更に別の態様の磨き仕上げ調装飾材であって、塗材層が
形成されている側から見た磨き仕上げ調装飾材の平面図
を示した。この図8に示したものは、各塗材層列B(図
中符号2)と塗材層列C(図中符号4)との間にこれら
とは色調の異なる極めて細い塗材層D(図中符号3)が
形成されたものであり、風格のある大理石調模様が出現
している。この場合には塗材層D(図中符号3)を形成
するための塗材をかなり厚みを薄くして塗布し、各塗材
層列B(図中符号2)と塗材層列C(図中符号4)の幅
も、適宜、あるものは細い幅にしたり、他のものは広い
幅にしている。なお、この様な態様の場合、各塗材層列
B(図中符号2)と塗材層列C(図中符号4)とは同系
統の類似の色調にするか、場合によっては同一の色調に
してもよく、そうすることにより、ある種の高級な天然
の大理石調の磨き仕上調の品位のある高級感を有する装
飾材に仕上げることもできる。
【0082】なお、本発明において、塗材層列B、Cや
塗材層Dから形成される装飾材表面に現れる帯状及び/
又は筋状模様は、連続した帯状及び/又は筋状模様であ
ってもよいし、そのうちの一部が部分的に途切れた形に
なっていてもよい。
【0083】以上、説明したような本発明の磨き仕上げ
調装飾材においては、前述したように、必要に応じてこ
の表面に乾燥後透明な樹脂層を形成し得る合成樹脂エマ
ルションまたは溶液を塗布し乾燥して薄いトップコート
層を形成してもよい。
【0084】一般に表面を研磨ないし切削した場合に
は、研磨や切削の程度にもよるが、表面の荒さにより、
光が乱反射するため、全体の色調がやや白っぽくなるこ
とがあり、これをもう少し白味を抑える色調としたり、
より光沢を持たせたい場合には、透明なトップコート層
を設ける事が好ましい。
【0085】トップコート層に用いられる乾燥後透明な
樹脂層を形成し得る合成樹脂エマルションまたは溶液と
しては、前述した塗材用の合成樹脂エマルションまたは
溶液成分として例示したと同様な合成樹脂エマルション
または溶液を用いることができる。トップコート層は、
装飾材に表面光沢を付与したい場合とか、耐候性、耐水
性、防汚性などの性質を更に付与するために用いられる
が、すべての種類の表面仕上用装飾材に施されることが
必須のものではなく、余り表面光沢を出したくない装飾
材に仕上げる場合には使用されないか、艶消し剤が添加
されたトップコート剤が用いられる。
【0086】本発明において上述したように適宜色調の
異なる塗材を用いることにより、不定形の帯状ないし筋
状の模様が形成されるが、目的に応じて各塗材の骨材や
着色骨材あるいはその他の着色材などの配合を調整して
色調を調整することができる。目的とする色調差によっ
て異なるが、色調差をつけなければならない場合におい
ては、塗材の乾燥後の色相、明度、彩度の少なくとも1
つが異なるように調整することによって達成される。そ
して、好ましくは塗布材の乾燥後の明度の差異の範囲
が,マンセル値で0.5以上、砂岩調とする場合は好ま
しくは0.5〜4、大理石調などの場合は好ましくは3
以上とする。また、その他、彩度の差異の範囲をマンセ
ル値で1以上、岩石の種類にもよるがより好ましくは1
〜5の範囲にするか、前述の明度と彩度の両者を満足さ
せる範囲にするか、更にこの両者の範囲を満足し色相を
異ならせる範囲の色調差とすることが、堆積岩や変成岩
により類似した重厚性、深みが付与できることからも好
ましい。尚、塗布材の色調差を乾燥後の色調で比べるの
は、乾燥前で色調を整えておけば通常の場合十分である
が、一部のものには乾燥前と乾燥後で色調が若干異なっ
てくるものもあるので、乾燥後の色調で比べることが好
ましいためである。もし、表面に現れるいずれか少なく
とも1つの塗材層または塗材層列中に斑点状模様に肉眼
ではっきり認識できる程度の骨材や、色彩の異なる斑点
状模様が存在する場合には、通常色調の相違は斑点状模
様部分を除いたベースとなる部分の色調で比較する。
【0087】尚、マンセル値は、色彩学などの各種書籍
に掲載されていて、著名であるので説明は省略する。例
えぱ「マンセル ブック オブ カラー 、ネーバリン
グヒューズ 版」(米国メリーランド州ボルチモアの
マンセル カラー カンパニー インコーポレーテッド
発行)(MUNSELL BOOK OF COLOR, NEIGHBORING HUES E
DITION, MUNSELL COLOR COMPANY, Inc. BALTIMORE ・
MARYLAND U.S.A.)などに掲載されている。
【0088】なお、各塗材には、更に必要に応じて充填
材、造膜助剤、増粘剤、消泡剤、pH調整剤、顔料など
を加えたり、粘度を小さめにするために水などや適宜の
溶剤などを加えてもよい。
【0089】例えば、充填材としては炭酸カルシウムな
ど、増粘剤としては例えばメチルセルロース系のもの
(たとえば“ハイメトローズ90SH−30000”、
信越化学(株)社製)、造膜助剤としては例えばブチル
カルビトールアセテートなど、消泡剤としては例えば
“ノプコサントNXZ”(サンノプコサン(株)社製)
など、pH調整剤としては濃アンモニア水などが好適に
用いられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0090】本発明の装飾材に於てはその裏側に基材シ
ートが存在するが、基材シートとしては、布状物が特に
好ましく、具体的には、例えば合成繊維や無機繊維から
なる織物や不織布、たとえば具体的には、アクリル繊維
やポリエステル繊維からなる寒冷紗や不織布、ガラス繊
維織物、グラスウール不織布、合成紙などの布帛類が好
ましい。吸水性のない又は吸水性の小さい布帛類が好ま
しいのは、吸水性の大きいものは水分により膨張し、乾
燥時に収縮しやすい傾向があり、乾燥後の製品が反った
りして変形する恐れがあるが、吸水性のない又は吸水性
の小さい布帛類を用いた場合にはこの様な問題が生じな
いので好ましい。
【0091】また、布状シート基材が好ましいのは、装
飾材の可撓性を阻害しないので、曲面にも施工できる点
である。布状物以外に用いられる基材シートとしては、
例えば木材板、木材合板、コンクリートパネル押出成形
セメント板、石膏ボード、硅カル板(硅酸カルシウム
板)、アルミニウムシートや亜鉛引鋼板その他の金属
板、金属金網、エキスパンドメタル、ゴムシート、合成
樹脂シート、発泡体シートなどを用いてもよい。
【0092】本発明の装飾材は天然石に比べて軽いし、
天然石の様に脆くないので作業中に落したり、運搬中の
不注意などによる多少の衝撃が加わっても欠けたりする
恐れが少ないので、取り扱いが容易であり、高所などで
の作業もやりやすくなる。又、大理石などの酸性雨など
に弱い変成岩では使用できない屋外用としても用いるこ
とができる。
【0093】そして本発明は従来の合成品では実際には
あまり達成されていない不定形の帯状及び/又は筋状の
模様が形成された天然の堆積岩や大理石の様な重厚で優
美で深みに富んだ合成品からなる建築物または構築物表
面仕上用装飾材を提供できる。
【0094】従って本発明の装飾材は、建築物や構築物
の表面、例えば、建築物内外装壁面や床面、支柱の表
面、塀の表面、宅地造成の法面、建築物用擁壁、高架道
路や橋梁などの壁面や脚柱の外装、横断歩道橋の外壁、
トンネルなどの出入口などの表面仕上げ用の装飾材とし
て、好適に用いられる。
【0095】
【実施例】以下、より具体的な実施例を挙げて更に本発
明を説明するが、本発明はこの実施例のもののみに限定
されるものではない。
【0096】実施例1 基材シートとして幅650mmの連続長尺状のポリエス
テル不織布(目付け60g/m2)を用い、図1〜図3
で説明したと同様の方法で塗材押出し用ノズル6として
口径が5(短軸)×15〜50(長軸)mmの開口部形
状が楕円形のノズルを12個(12個は、前記長軸の範
囲で長軸長さが異なるものを用いた。)、間隔を空けて
並列にポリエステル不織布面から高さ1〜2cmの位置
(ノズルごとに高さが前記範囲内でランダムな高さに位
置している。)に位置するようにならべて設置し、図2
に示したZ、Z´方向への往復運動(移動距離3cm、
一往復の時間3秒)をさせながら、コンベアーベルトで
ポリエステル不織布を前記ノズルの下を3m/分の速度
で移動させつつ、下記する第1の塗材(塗材2a)をお
よそ7000g/分で紐状に連続的に押出すことによ
り、ポリエステル不織布基材シート上に複数本の不定形
の畝状の(上から見た場合に不定形の帯状模様の)塗材
層列2を間隔を空けて並列して形成した。次いで1時間
室温で放置し、塗材層列2を半乾燥した状態で、図1
(b)に示したように塗材層3を形成するための第2の
塗材をこの表面全面にアジャスト式リシンガン(吹付け
ガン)口径5mm(豊岡製作所製)を用いて塗布量が約
0.5kg/m2となるように吹付けて塗材層3を形成
した。次いで1時間室温で放置し、塗材層3を半乾燥し
た状態で、図3並びに図1(c)で説明した手法により
塗材層3の各凹部上に当該凹部を埋めるようにそれぞれ
不定形の紐状の第3の塗材4aを押出すことにより不定
形の畝状の(上から見た場合に不定形の帯状ないし筋状
の模様)塗材層列4を形成した。すなわち、図3で説明
したと同様の方法で塗材層列4形成用の塗材4a押出し
用ノズル16として口径が5×15〜50mmの開口部
形状が楕円形のノズルを12個、間隔を空けて並列にポ
リエステル不織布面から高さ1〜2cmの位置に位置す
るようにならべて設置し、図3に示したZ、Z´方向へ
の往復運動(移動距離3cm、一往復の時間3秒)をさ
せながら、コンベアーベルトで前記塗材層列2と塗材層
3がその表面に形成されたポリエステル不織布を前記ノ
ズルの下を3m/分の速度で移動さつつ、下記する第3
の塗材(塗材4a)をおよそ6000g/分で紐状に連
続的に押出すことにより、塗材層3の各凹部上に当該凹
部を埋めるようにそれぞれ不定形の紐状の塗材4aを塗
布することにより不定形畝状の(上から見た場合に不定
形の帯状の模様)塗材層列4を形成した。
【0097】次いで24時間室温で乾燥し、図1(c)
のA−A´ラインで示したような位置まで形成された塗
材層をベルトサンダーで研磨することにより、図1
(d)並びに図4に示したような表面に塗材層列2、4
並びに塗材層3の一部が露出することにより、不定形の
帯状ないし筋状の模様が表面に現れている重厚で高級感
のある大理石・セルパジャンテ調の建築物または構築物
表面仕上用磨き仕上調装飾材を得た。
【0098】第1の塗材からなる塗材層列2がやや明る
いベージュ系の色を呈し、第2の塗材からなる塗材層3
がこげ茶系の色を有し、第3の塗材からなる塗材層列4
が第1の塗材よりやや濃いめのベージュ系の色を呈し、
第1の塗材からなる塗材層列2と第2の塗材からなる塗
材層3の明度のマンセル値の差が4、彩度のマンセル値
が同じで、第2の塗材からなる塗材層3と第3の塗材か
らなる塗材層列4との明度のマンセル値の差が3で、彩
度のマンセル値の差が1で大理石の成層構造の如く、落
ち着いた塗材層列2、4からなる不定形の帯状模様とそ
の間にやや細幅の筋状に形成された塗材層3からなる筋
状模様が形成され、これを適宜の大きさにカットし、大
理石・セルパジャンテ調の装飾材を得た。 第1の塗材組成: (1)[合成樹脂エマルション]:アクリル樹脂系エマ
ルション(旭化成工業(株)製“ポリトロンE−30
0、このうち樹脂固形分は49重量%”)3000g、 (2)[骨材]: 天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルファイン製
“KD−1”(粒径0.35〜0.55mm)]650
0gと、 天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルファイン製
“KD−100”(粒径0.075〜0.15mm)]
2000g、 (3)[着色骨材]: ベージュ系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“20Y
205”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]500gと、 イエロー系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“67イ
エロー”(粒子サイズ6号と7号の混合:粒径0.30
〜0.35mm)]300gと、 オレンジ系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“No.
8バフ”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]700g、 とから調整された第1の塗材(調合乾燥後の色がやや明
るいベージュ系の色、マンセル値が10YR 8/4、
ここで10YRは色相を表す記号で赤色よりの黄色を示
している。8/4の8は明度を示す記号で、数値が大き
い方が明るい色であることを示している。4は彩度を示
す記号で、数値が大きい方が鮮やかな色であることを示
している。)。 第2の塗材組成: (1)[合成樹脂エマルション]: アクリル樹脂系エマルション(旭化成工業(株)製“ポ
リトロンE−300”、このうち樹脂固形分は49重量
%)3000g、 (2)[骨材]: 天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルファイン製
“KD−1”(粒径0.35〜0.55mm]2500
gと、 天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルファイン製
“KD−100”(粒径0.075〜0.15mm)]
2000g、 (3)[着色骨材]: ベージュ系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“20Y
205”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]2000gと、 ブラウン系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“20R
201”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]1500gと、 オレンジ系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“No.
8バフ”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]2000g、 とから調整された第2の塗材(調合乾燥後の色がこげ茶
色、マンセル値が10YR 4/4)。 第3の塗材組成: (1)[合成樹脂エマルション]:アクリル樹脂系エマ
ルション(旭化成工業(株)製“ポリトロンE−30
0、このうち樹脂固形分は49重量%”)3000g、 (2)[骨材]: 天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルファイン製
“KD−1”(粒径0.35〜0.55mm)]650
0gと、 天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルファイン製
“KD−100”(粒径0.075〜0.15mm)]
2000g、 (3)[着色骨材]: ベージュ系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“20Y
205”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]800gと、 ブラウン系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“20R
201”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]100gと、 オレンジ系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“No.
8バフ”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]600g、 とから調整された第3の塗材(調合乾燥後の色がやや明
るいベージュ系の色、マンセル値が10YR 7/
3)。
【0099】実施例2 基材シートとして実施例1に用いたと同じポリエステル
不織布を用い、その表面に図6並びに図7で示したよう
に、下地用塗材として実施例1の第1の塗材組成と同じ
組成の塗材を用い、基材シート表面全面にアジャスト式
リシンガン(吹付けガン)口径5mm(豊岡製作所製)
を用いて塗布量が約3kg/m2となるように吹付けて
下地塗材層10aを形成した。次いで8時間室温で放置
し、下地塗材層10aを半乾燥した状態で、あとは図5
に示したと同様な方法により、実施例1と全く同様に同
様の塗材を使用して実施例1と同様の落ち着いた塗材層
列2、4からなる不定形の帯状模様とその間にやや細幅
の筋状に形成された塗材層3からなる筋状模様が形成さ
れ大理石・セルパジャンテ調の装飾材を得た。
【0100】実施例3 基材シートとして実施例1に用いたと同じポリエステル
不織布を用い、塗材組成を下記のものに変え、また、第
2の塗材から形成される塗材層3が細い線状模様に装飾
材表面に現れるように第2の塗材として骨材を実質上含
まない顔料でこげ茶色に着色された水性アクリル塗料を
用い、基材シート表面に口径2mmの塗料ガンを用いて
塗布量が約0.2kg/m2となるように薄く吹付けて
塗材層3を形成した点、また、塗材層列2と4の幅があ
る部分では比較的細い幅の塗材層列、他の部分では比較
的それより太い幅の塗材層列となるように図2や図3に
示したノズル6やノズル16の口径などを適宜変えたノ
ズルを用意し、各ノズルからの第1の塗材2aや第3の
塗材4aの押出し量もその形成すべき塗材層列の幅に応
じて変化させ、更に、図2に示したノズル6から押出す
塗材を第1の塗材2aのみでなく適宜複数個のノズル6
のうちのいくつかのノズル6からは第3の塗材4aを押
出すようにし、また、一方、図3に示したノズル16か
ら押出す塗材を第3の塗材4aのみでなく適宜複数個の
ノズル16のうちのいくつかのノズル16からは第1の
塗材2aを押出すようにし、その他は実施例1と同様に
して、図8に示したような表面が平滑面からなる磨き仕
上調に仕上げ、次いでこの表面に、トップコートとして
乾燥すると透明になるアクリル−シリコーン系樹脂エマ
ルション塗料を口径1.0mmの塗料ガンを用いて2回
塗布により0.2〜0.3kg/m2となるように均一
に塗布仕上げた。
【0101】得られた装飾材は、第1の塗材からなる塗
材層列がやや濃いめのベージュ系の色を有し、第2の塗
材からなる塗材層がこげ茶色を呈し、第3の塗材からな
る塗材層列がそれよりやや白めのベージュ系の色を有
し、第1の塗材からなる塗材層列と第2の塗材からなる
塗材層との明度のマンセル値の差が1で、彩度のマンセ
ル値の差が3.5、また、第2の塗材からなる塗材層と
第3の塗材からなる塗材層列との明度のマンセル値の差
が2で、彩度のマンセル値の差が2.5で、大理石・セ
ルパジャンテ調のような変成岩の成層構造の如く、落ち
着いた塗材層列2、4からなる不定形の帯状模様とその
間に極めて細い細線状に形成された塗材層3からなる筋
状模様が形成され、これを適宜の大きさにカットし、表
面光沢のある重厚で優美な高級感のある大理石・セルパ
ジャンテ調の磨き仕上げ調装飾材を得た。 第1の塗材の組成: (1)[合成樹脂エマルション]:アクリル樹脂系エマ
ルション(旭化成工業(株)製“ポリトロンE−30
0”、このうち樹脂固形分は49重量%)3000g、 (2)[骨材]: 天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルファイン製
“KD−1”(粒径0.35〜0.55mm]6500
gと、 天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルファイン製
“KD−100”(粒径0.075〜0.15mm)]
2000g、 (3)[着色骨材]: ベージュ系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“20Y
205”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]800gと、 ブラウン系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“20R
201”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]100gと、 オレンジ系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“No.
8バフ”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]600g、 とから調整された第2の塗材(調合乾燥後の色がやや黒
めのベージュ系の色、マンセル値が10YR 7/
3)。 第2の塗材の組成:顔料入りアクリル樹脂エマルション
塗料(山本窯業化工(株)製“セラトップE”、このう
ち樹脂固形分は10重量%、乾燥後の色がこげ茶色、マ
ンセル値が5YR 6/6.5)。
【0102】第3の塗材の組成: (1)[合成樹脂エマルション]:アクリル樹脂系エマ
ルション(旭化成工業(株)製“ポリトロンE−30
0”、このうち樹脂固形分は49重量%)3500g、 (2)[骨材]: 天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルファイン製
“KD−1”(粒径0.35〜0.55mm)]650
0gと、 天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルファイン製
“KD−100”(粒径0.075〜0.15mm)]
2000g、 (3)[着色骨材]: ベージュ系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“20Y
205”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]500gと、 イエロー系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“67イ
エロー”(粒子サイズ6号と7号の混合:粒径0.30
〜0.35mm)]300gと、 オレンジ系着色焼成硅砂[新東陶料(株)製“No.
8バフ”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜0.25m
m)]700g、とから調整された第3の塗材(調合乾
燥後の色がやや白めのベージュ系の色、マンセル値が
2.5Y 8/4)。
【0103】
【発明の効果】本発明は、比較的簡単な構造で、天然石
に比べて軽く、運搬中や作業中のちょっとした衝撃によ
り欠けたりする欠点が改良され、取り扱いや施工作業が
楽で、酸性雨などによる酸性環境に対して耐久性があ
り、不定形の帯状及び/又は筋状の模様が形成された天
然の堆積岩や大理石の様な重厚で優美で深みに富んだ合
成品からなる建築物または構築物表面仕上用装飾材並び
にこれを工業的に容易に製造し得る方法が提供できる。
【0104】本発明は、合成品でありながら、天然の堆
積岩や大理石調の不定形の帯状及び/又は筋状の模様が
形成された建築物または構築物表面仕上用装飾材が提供
でき、また、その製法も工業的に容易で、且つ、効率よ
く大量生産が可能な製造方法が提供され、従って天然石
の如く産地が限られているため同一品種のものを長期間
に亘って安定して供給しにくい、同一色調で揃えて建築
物を装飾しようと思っても、必ずしも同様なトーンの品
質のものが大量に入手できないと言う問題もなく、同一
品種のものを長期間に亘って安定して供給でき、同様な
トーンの品質のものが大量に生産し得る。したがって堆
積岩調や大理石調の不定形の帯状及び/又は筋状の模様
が形成された優美な建築物または構築物表面仕上用装飾
材としてその工業的価値は大きい。
【0105】また、合成樹脂成分がアクリル系樹脂、合
成樹脂エマルションまたは溶液がアクリル系樹脂のエマ
ルションまたは溶液である本発明の好ましい態様とする
ことにより、比較的安価な割りには、耐候性、耐水性、
接着性、柔軟性などのすべての性質が十分満足できるの
で、耐久性が良く長期の使用に耐え、加工や施工がしや
すく、例えば布状物などの可撓性のある基材シートを用
いた場合には、曲面への施工も可能な堆積岩調や大理石
調の不定形の帯状及び/又は筋状の模様が形成された優
美な装飾材を容易に提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装飾材の製造方法の一実施の形態の工
程を断面図で示した工程断面図。
【図2】図1(a)に示した工程の一実施の形態を示す
斜視図。
【図3】図1(c)に示した工程の一実施の形態を示す
斜視図。
【図4】図1(d)に示した工程で得られた本発明の磨
き仕上げ調装飾材の一実施の形態を示す斜視図。
【図5】本発明の装飾材の製造方法の別の一実施の形態
の工程を断面図で示した工程断面図。
【図6】図5(a)に示した工程の一実施の形態を示す
斜視図。
【図7】図5(b)に示した工程段階の別の一実施の形
態を示す断面図。
【図8】本発明の更に別の態様の磨き仕上げ調装飾材で
あって、塗材層が形成されている側から見た磨き仕上げ
調装飾材の平面図。
【符号の説明】
1 基材シート 2 塗材層列B 2a 塗材層列B形成用の塗材b 3 塗材層D 4 塗材層列C 4a 塗材層列C形成用塗材c 5 トップコート層 6 塗材bを押出すためのノズル 7 ノズル6へ塗材bを供給するパイプ 10 下地塗材層E 10a 塗材層列Bと同一組成の同一の色調の塗材から
なる下地塗材層E 16 塗材cを押出すためのノズル 17 ノズル16へ塗材cを供給するパイプ 18 吹付けガン
フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AA26 AA46 AA48 AA57 AB04 AB05 AB22 AB23 BA03 BA04 BB04 EA09 GA23W GA24X GA32W GA32X GA33X GA42X GA43W GB01X GB02X GB06X GB13W GB16X GB17X GB23X GB28W GB32W GB32X GB42W GB42X GB43W GB44W GB44X GB45W GB46W GB52X GB54W GB55X GB62X GB63X 4F100 AA20B AA20C AG00B AG00C AK01B AK01C AK01E AK25B AK25C AT00A BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10E CA13B CA13C CC00B CC00C CC00D DC27B DD20C DG11A EH46 GB08 JL01 JL03 JL05 JL10B JL10C JN01E

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シート上に、塗材層Aが形成されて
    いる表面が平坦な建築物または構築物表面仕上用磨き仕
    上げ調装飾材であって、前記塗材層Aは不定形の畝状の
    塗材層列B、Cが交互に複数本並列して設けられてお
    り、且つ前記塗材層列Cの表面露出部分を除いた周囲が
    塗材層Dで覆われており、前記塗材層列B、Cの間に塗
    材層Dが不定形の帯状及び/又は筋状模様の形で表面に
    露出している塗材層からなり、塗材層列B、Cと塗材層
    Dとは色調が異なっており、かつ、塗材層列B、Cは、
    それぞれ骨材が分散された合成樹脂層からなり、塗材層
    Dは、骨材及び/又は顔料が分散された合成樹脂層から
    なることを特徴とする不定形の帯状及び/又は筋状の模
    様が表面に現れている建築物または構築物表面仕上用磨
    き仕上調装飾材。
  2. 【請求項2】 基材シートと塗材層Aとの間に下地塗材
    層Eが更に形成されている請求項1に記載の建築物また
    は構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
  3. 【請求項3】 塗材層Dが比較的薄い厚さの塗材層であ
    る請求項1または2のいずれかに記載の建築物または構
    築物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
  4. 【請求項4】 塗材層Dが、骨材を実質上含有しない顔
    料が分散された合成樹脂層からなる請求項1〜3のいず
    れかに記載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕上調
    装飾材。
  5. 【請求項5】 基材シートが布状物である請求項1〜4
    のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用磨き
    仕上調装飾材。
  6. 【請求項6】 骨材が主として粒径0.01〜3mmの
    骨材である請求項1〜5のいずれかに記載の建築物また
    は構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
  7. 【請求項7】 骨材が天然石粉、硅砂、陶磁器粉、ガラ
    ス粉、プラスチック粉またはこれらの人工着色物の少な
    くとも1種からなる骨材である請求項1〜6のいずれか
    に記載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾
    材。
  8. 【請求項8】 骨材が分散されてなる合成樹脂層におけ
    る合成樹脂の割合が、骨材100重量部に対し、5〜2
    0重量部である請求項1〜7のいずれかに記載の建築物
    または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
  9. 【請求項9】 塗材層列B、Cと塗材層Dとの色調の差
    異が、色相、明度、彩度の少なくとも1つが異なるもの
    である請求項1〜8のいずれかに記載の建築物または構
    築物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
  10. 【請求項10】 塗材層列B、Cと塗材層Dとの色調の
    差異が、マンセル値で0.5以上の明度の差異である請
    求項1〜9のいずれかに記載の建築物または構築物表面
    仕上用磨き仕上調装飾材。
  11. 【請求項11】 塗材層列B、Cと塗材層Dとの色調の
    差異が、マンセル値で1以上の彩度の差異である請求項
    1〜10のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕
    上用磨き仕上調装飾材。
  12. 【請求項12】 合成樹脂層を形成している合成樹脂が
    アクリル系樹脂である請求項1〜11のいずれかに記載
    の建築物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材。
  13. 【請求項13】 表面側全面に更に透明な合成樹脂から
    なるトップコート層が設けられている請求項1〜12の
    いずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕
    上調装飾材。
  14. 【請求項14】 基材シート表面に塗材を塗布する際
    に、基材シート表面より上方に離れた位置に位置するよ
    うに間隔をおいて複数個の塗材層列B形成用の塗材b押
    出し用ノズルを設け、当該ノズルから骨材が分散された
    合成樹脂エマルションまたは溶液からなる塗材bを不定
    形の紐状に押出し、基材シート上に複数本の不定形の紐
    状に押出された塗材bを間隔を空けて並列して塗布する
    ことにより不定形の畝状の塗材層列Bを形成し、次いで
    その表面ほぼ全面を覆うように且つ塗材層列Bの畝とそ
    の間の谷間からなる凹凸が平坦にならない程度の厚みで
    骨材及び/又は顔料が分散された合成樹脂エマルション
    または溶液からなり、塗材層列Bとは色調の異なる塗材
    層D形成用塗材dを塗布して、複数本の不定形の畝状の
    凹凸立体模様が形成された塗材層Dを形成し、次いでそ
    の表面より上方に離れた位置に位置するように間隔をお
    いて複数個設置された塗材層列C形成用の塗材c押出し
    用ノズルから、骨材が分散された合成樹脂エマルション
    または溶液からなる塗材層Dとは色調が異なる塗材層列
    C形成用塗材cを不定形の紐状に押出し、塗材層Dの各
    凹部上に当該凹部を埋めるように塗材cを塗布すること
    により不定形畝状の塗材層列Cを形成し、乾燥後、表面
    を研磨または切削して平坦にし、表面に塗材層列B、C
    並びに塗材層Dの一部を露出させてなる不定形の帯状及
    び/又は筋状の模様が表面に現れている建築物または構
    築物表面仕上用磨き仕上調装飾材の製造方法。
  15. 【請求項15】 基材シート上にあらかじめ、下地塗材
    層E形成用の骨材が分散された合成樹脂エマルションま
    たは溶液からなる塗材eを、ほぼ基材シート表面の全面
    を覆うように塗布して下地塗材層Eを形成しておく工程
    を更に含んでいる請求項14に記載の建築物または構築
    物表面仕上用磨き仕上調装飾材の製造方法。
  16. 【請求項16】 塗材層Dを形成するための塗材dの厚
    みを比較的薄い厚みで塗布する請求項14または15の
    いずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕
    上調装飾材の製造方法。
  17. 【請求項17】 塗材層Dを形成するための塗材dが、
    実質上骨材を含有しない顔料が分散された合成樹脂エマ
    ルションまたは溶液からなる塗材である請求項14〜1
    6のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用磨
    き仕上調装飾材の製造方法。
  18. 【請求項18】 塗材層列BまたはCを形成する際に、
    塗材押出し用ノズルから塗材bまたはcを押出しなが
    ら、基材シートまたはそれを含む塗布対象物を前記塗材
    押出し用ノズルの下を移動させて塗材を基材シートまた
    はそれを含む塗布対象物上に塗布することにより塗材層
    列BまたはCを形成する請求項14〜17のいずれかに
    記載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 基材シートが布状物である請求項14
    〜18のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕上
    用磨き仕上調装飾材の製造方法。
  20. 【請求項20】 骨材が主として粒径0.01〜3mm
    の骨材である請求項14〜19のいずれかに記載の建築
    物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 骨材が天然石粉、硅砂、陶磁器粉、ガ
    ラス粉、プラスチック粉またはこれらの人工着色物の少
    なくとも1種からなる骨材である請求項14〜20のい
    ずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕上
    調装飾材の製造方法。
  22. 【請求項22】 塗材の合成樹脂エマルションまたは溶
    液の割合が合成樹脂固形分で骨材100重量部に対し、
    5〜20重量部である請求項14〜21のいずれかに記
    載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕上調装飾材の
    製造方法。
  23. 【請求項23】 塗材層列B、C形成用塗材b、cと塗
    材層D形成用塗材dとの乾燥後における色調の差異が、
    色相、明度、彩度の少なくとも1つが異なるものである
    請求項14〜22のいずれかに記載の建築物または構築
    物表面仕上用磨き仕上調装飾材の製造方法。
  24. 【請求項24】 塗材層列B、C形成用塗材b、cと塗
    材層D形成用塗材dとの乾燥後における色調の差異が、
    マンセル値で0.5以上の明度の差異である請求項14
    〜23のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕上
    用磨き仕上調装飾材の製造方法。
  25. 【請求項25】 塗材層列B、C形成用塗材b、cと塗
    材層D形成用塗材dとの乾燥後における色調の差異が、
    マンセル値で1以上の彩度の差異である請求項14〜2
    4のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用磨
    き仕上調装飾材の製造方法。
  26. 【請求項26】 合成樹脂エマルションまたは溶液がア
    クリル系樹脂のエマルションまたは溶液である請求項1
    4〜25のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕
    上用磨き仕上調装飾材の製造方法。
  27. 【請求項27】 表面を研磨または切削して平坦にした
    後、更にその表面に乾燥後透明な樹脂層を形成し得る合
    成樹脂エマルションまたは溶液を塗布し乾燥してトップ
    コート層を形成する工程を含む請求項14〜26のいず
    れかに記載の建築物または構築物表面仕上用磨き仕上調
    装飾材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013064269A (ja) * 2011-09-16 2013-04-11 Hama Cast:Kk 建築物用壁面材及びその製造方法
CN104609731A (zh) * 2015-01-19 2015-05-13 朱晓明 具有彩色纹路的微晶石材的制作工艺

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