JP2001003133A - 水素吸蔵合金およびその製造方法 - Google Patents
水素吸蔵合金およびその製造方法Info
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Abstract
なプラトー領域の平坦性を有し、急冷処理を必要とせ
ず、均質化処理に高真空を必要としない低コストの水素
吸蔵合金を提供する。 【解決手段】 一般式がV100−x−y−zTixC
ryMnzで表され、5≦x≦15、5≦y≦25、
0.5≦z<5の範囲にあることを特徴とする水素吸蔵
合金およびその水素吸蔵合金の組成となる原料を溶解、
固化してインゴットを製造し、該インゴットを600〜
1400℃で1〜100時間保持する均質化処理を施す
ことを特徴とした水素吸蔵合金の製造方法。
Description
る水素吸蔵合金およびその製造方法に関する。
蔵・放出できるため、エネルギー媒体としての水素の貯
蔵、輸送用材料として利用が期待されている。その一つ
として自動車など車載用燃料電池システム、家庭用など
民生用燃料電池システムの燃料である水素の貯蔵用材料
としての利用がある。また、反応熱を利用したヒートポ
ンプ等の熱利用システムの材料などとして幅広い用途へ
の利用が期待されている。
型合金、ZrMn2等のAB2型ラーベス合金、TiF
e等のAB型合金、Mg2Ni等のA2B型合金、Ti
−V等の固溶体型合金などが知られている。
素化物まで水素を吸蔵する。常温、常圧付近で放出でき
る水素は、吸蔵できる水素の半分の1水素化物までであ
る。それでも1水素化物までしか水素を吸蔵できない他
のAB5型合金等に比べ大量の水素を可逆的に吸蔵・放
出できることから、水素吸放出量が大きい水素吸蔵合金
として実用化が望まれている。
きる水素吸放出量が大きいこと、活性化が容易であるこ
と、プラトー領域の平坦性が良好であることなどが挙げ
られる。
を必要とすることや、Ti濃度分布により、プラトー領
域の平坦性に乏しいなどの欠点を持つ。また、実用的に
はさらに大きな水素吸放出量が必要とされている。活性
化条件を緩和する方法としてCr、Mn等のVより5%
以上原子半径の小さな元素の添加が有効であるとされて
いる。プラトー領域の平坦化のためには高温での熱処理
によりTi濃度分布を平坦にする均質化が有効であると
されている。
25号公報には、V−Ti−Cr三元系合金BCC相の
中にスピノーダル分解により形成した微細構造を有し、
この微細構造の制御により活性化温度を低下させ、水素
吸放出量を増大させた水素吸蔵合金とその製造方法が開
示されている。
2560号公報には、一般式Ti100−x−y−zC
rxAyBzで表され、AがV、Nb、Mo、Ta、W
の一種以上、BがZr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu
の二種以上からなる、体心立方構造を有する5元素以上
からなり、0<z<20の範囲でのBの元素の添加によ
りプラトー領域の平坦性が改善し、平衡解離圧特性の制
御ができる水素吸蔵合金が開示されている。
術1は、プラトー領域の平坦性に劣り、実用的な圧力範
囲1.0〜0.1MPaでの水素放出量が2.0wt%
程度と低い問題点がある。
質化処理が考えられるが、V系合金は非常に酸化されや
すいので、この均質化処理に高真空が必要である問題点
がある。
ために1200℃から1400℃の熱処理を施した後、
直ちに水冷処理により急冷する必要があり、製造工程が
複雑になる問題点がある。
化が容易で、大きな水素吸放出量と良好なプラトー領域
の平坦性を有し、急冷処理を必要とせず、均質化処理に
高真空を必要としない低コストの水素吸蔵合金およびそ
の製造方法を提供する。
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、一般式がV
100−x−y−zTixCryMnzで表され、5≦
x≦15、5≦y≦25、0.5≦z<5の範囲にある
ことを特徴とする水素吸蔵合金である。
のようである。
との反応性が向上するので、活性化を容易にでき、水素
吸放出量を大きくできる。また結晶相を単相にしなくて
もよいので、急冷処理を必要とせず低コストな水素吸蔵
合金ができる。さらにMnの添加により酸化しやすさが
軽減できるので、均質化処理に高真空を必要とせずにプ
ラトー領域の平坦性が良好な水素吸蔵合金ができる。均
質化処理に高真空を必要としないため、工程や設備が簡
単になるので低コストな水素吸蔵合金ができる。
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、前記一般式におけるx、y、
zの合計が、x+y+z≦20の範囲にあることを特徴
とする請求項1記載の水素吸蔵合金である。
のようである。
り水素吸放出量を大きくできる。
の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技
術的手段と称する。)は、請求項1、2のいずれかに記
載の水素吸蔵合金の組成となる原料を溶解、固化してイ
ンゴットを製造し、該インゴットを600〜1400℃
で1〜100時間保持する均質化処理を施すことを特徴
とした水素吸蔵合金の製造方法である。
のようである。
よりTi濃度分布が均一化できるので、プラトー領域の
平坦性が良好な水素吸蔵合金ができる。
5%以上小さい元素であるMnを添加し、組成と諸特性
の関係を詳細に検討した結果、特定範囲の組成におい
て、活性化が容易になると同時にプラトー領域の平坦性
や水素吸放出量においても顕著な効果を確認し、本発明
を完成させたものである。また、本発明者は、研究の過
程で、この組成の水素吸蔵合金の場合、熱処理によりT
i濃度分布を均一化する均質化処理に高真空を必要とし
ないことを見いだした。
100−x−y−zTixCryMnzで表され、5≦
x≦15、5≦y≦25、0.5≦z<5の範囲にある
ことを特徴とする。
整が可能である。Ti濃度が増加すると解離圧が低下
し、逆に低下すると解離圧が上昇する。Ti濃度が5原
子%未満の範囲では、水素との反応速度が遅い、すなわ
ち、水素との反応性に劣り、水素吸蔵量が低下する。ま
た、この範囲では使用温度を低温とした場合でも解離圧
が実用範囲より高く、解離圧を下げるためにはCr濃度
をさらに下げる必要がある。ところが、後述するように
Cr濃度が5原子%を下回ると、初期活性化ならびに再
活性化特性が極端に低下することとなり、実用には適さ
ない。
傾斜の原因であるTi濃度分布が助長されるためプラト
ー領域の平坦性は低下する。x=15を超える場合はプ
ラトー領域の平坦性に劣り、実用化できるものではな
い。
の調整が可能である。Cr濃度が増加すると解離圧が上
昇し、Cr濃度が低下すると解離圧が低下する。前述の
ように活性化を容易にすることも、Crを添加する理由
である。Cr濃度が5%未満の場合、活性化に高温が必
要になり、実用には適さない。解離圧を実用範囲に調整
する場合、Ti濃度の上限からCr濃度の上限は25原
子%であり、これ以上では解離圧が高くなりすぎるため
実用には適さない。
合金が使用される温度、圧力範囲に合わせ適宜決定され
る。
吸放出量の増加、および活性化を容易にするため添加す
る。その最適な範囲は0.5≦z<5である。Mn濃度
が0.5原子%未満では効果がみられず、5原子%以上
では平坦性、放出量ともに低下する。
で、水素との反応性が向上し、水素吸蔵量が増加したと
考えられる。また、プラトー領域が平坦化されることか
ら、プラトー領域の低圧部において放出される水素がよ
り不安定になることで、一定の圧力範囲で放出される水
素量が増加したと考えられる。
chな組成における水素吸蔵量および水素放出量が若干
増加する傾向があり、活性化特性の低下や水素解離圧調
整範囲が狭くなる欠点があるものの、水素吸放出量の点
からはx+y+z≦20の範囲が最適である。
化処理によりプラトー領域の平坦性を向上することがで
きる。熱処理温度は600℃以下ではプラトー領域の平
坦化の効果がみられず、1400℃以上ではMnの蒸発
が激しく、目標組成からの狂いが大きくなるので600
〜1400℃の範囲にするのが好ましい。
ラトー領域の平坦性が得られるように適宜選択される
が、工業的な応用を考えた場合、1〜100時間が好ま
しい。
る必要がないので、均質化処理の冷却速度は徐冷で十分
である。高温の水素吸蔵合金を急冷するには特別の装置
と工程が必要であるが、本発明の水素吸蔵合金ではその
必要がないので、製造が容易になり低コスト化される。
もちろん、均質化の観点から急冷の方が好ましいので、
急冷してもかまわない。
ところを明確にする。
でV70−zTi10Cr20Mnz、z=1.05に
なるように市販のV、Ti、Cr、Mnを秤量し、アー
ク溶解法により溶解し、10gのインゴットを得た。こ
のインゴットをステンレス製乳鉢等を用いて5〜10m
mの粗粉砕した。この粗粉砕物を反応容器に入れ、ロー
タリーポンプによる真空排気を行いながら400℃で3
0分加熱した。その後、3MPaの水素ガスを反応容器
に導入後5分間保持し、室温まで放冷し水素化し初期活
性化処理した。
圧を0.5MPaまで排気した後、空気中に取り出し、
数100μm程度の粒径まで乳鉢を用い粉砕した。
性は、ジーベルツ装置を用いて、JIS−H−7201
「水素吸蔵合金の圧力-組成等温線の測定方法」により
評価した。
いるが、空気中での粉砕中に酸化膜の生成により水素に
対する活性は失われ、真空排気中で試料を加熱する再活
性化が必要であり、この加熱温度から活性化特性を評価
した。真空排気中で試料を加熱することにより、水素吸
蔵合金内に吸蔵されている水素が放出される。この水素
が表面の酸化膜を還元するため初期活性化よりも低温で
再活性化が可能になると考えられる。この水素が放出さ
れる温度を活性化温度とした。
でV70−zTi10Cr20Mnz、z=0になるよ
うに市販のV、Ti、Cr、Mnを秤量し原料とした。
すなわち、Mnを含有しない組成である。この原料を用
いて、実施例1と同じ方法で水素吸蔵合金を製造した。
その評価も実施例1と同じ方法で行った。
でV70−zTi10Cr20Mnz、z=5.00に
なるように市販のV、Ti、Cr、Mnを秤量し原料と
した。この原料を用いて、実施例1と同じ方法で水素吸
蔵合金を製造した。その評価も実施例1と同じ方法で行
った。
較例1、2の20℃における圧力−組成等温線(20℃
放出曲線)図である。横軸は水素吸蔵合金中の水素濃度
CH(wt%)である。縦軸は水素吸蔵合金が置かれて
いる雰囲気の水素圧P(MPa)である。400℃、3
時間の真空排気により脱水素化処理を行い、原点とし
た。
の水素吸蔵合金ではプラトー領域の平坦性が向上し、実
用的な圧力範囲1.0〜0.1MPaでの水素放出量が
増加していることがわかる。比較例2のz=5.00の
水素吸蔵合金では実施例1のz=1.05の水素吸蔵合
金と比較して、プラトー領域の平坦性、水素放出量とも
に低下している。
ガス導入後、24時間以上経過しても、水素吸蔵による
圧力変化はみられなかった。Mnを添加していない比較
例1では再活性化に200℃の加熱が必要であったのに
対し、実施例1では170℃で再活性化し活性化特性が
向上していることがわかる。なお、比較例2では150
℃で再活性化し活性化特性が向上しているが、上記に示
したようにプラトー領域の平坦性、水素放出量ともに低
下する欠点がある。
でV70−zTi10Cr20Mnz、z=1.05に
なるように市販のV、Ti、Cr、Mnを秤量し原料と
した。この組成は実施例1と同じである。この原料をア
ーク溶解法により溶解しインゴットを得た。
気、約10−3Torrの真空度)、1000℃で24
時間保持し均質化処理を施した。昇温速度は600℃/
hで行い、降温は炉冷で行った。熱処理したインゴット
を実施例1の方法で粉砕し試料とした。すなわち、実施
例2は実施例1に均質化処理を付加したものである。
水素吸蔵放出特性は、実施例1と同じ方法で評価した。
でV70−zTi10Cr20Mnz、z=0になるよ
うに市販のV、Ti、Cr、Mnを秤量し原料とした。
この組成は比較例1と同じであるこの原料を用いて実施
例2と同じ方法で水素吸蔵合金を製造し、均質化処理を
施した。すなわち、比較例3は比較例1に均質化処理を
付加したものである。
水素吸蔵放出特性は、実施例1と同じ方法で評価した。
ラトー領域の傾きは、Ti濃度分布に起因している。熱
処理によりTi濃度分布を均一化する均質化処理をする
ことでプラトー領域の平坦性が向上することが知られて
いる。均質化処理した試料の再活性化に必要な温度は、
熱処理前と変わらなかった。
における圧力−組成等温線(20℃放出曲線)図であ
る。横軸は水素吸蔵合金中の水素濃度CH(wt%)で
ある。縦軸は水素吸蔵合金が置かれている雰囲気の水素
圧P(MPa)である。
実施例1に比べプラトー領域の平坦性が向上し、水素放
出量も増加した。一方比較例3では、均質化処理を施し
ていない比較例1に比べプラトー領域の平坦性、水素放
出量ともに低下した。
熱処理する場合の雰囲気を、特に酸素について厳格に制
御する必要がある。比較例3の結果については均質化処
理における試料の酸化の影響が考えられ、Mnを添加す
ることにより、酸化の影響を低減できることがわかり、
工業的な応用を考えた場合、均質化処理雰囲気を厳格に
制御する必要がなく有利である。
10−5Torr以下)した石英管にインゴットを真空
封管して行った以外は、実施例2と同じ条件水素吸蔵合
金を製造し、評価も同じ方法で行った。
10−5Torr以下)した石英管にインゴットを真空
封管して行った以外は、比較例3と同じ条件水素吸蔵合
金を製造し、評価も同じ方法で行った。
較例3の20℃における圧力−組成等温線(20℃放出
曲線)図である。横軸は水素吸蔵合金中の水素濃度CH
(wt%)である。縦軸は水素吸蔵合金が置かれている
雰囲気の水素圧P(MPa)である。
をしめし、均質化処理時の真空度により水素放出特性の
変化はみられなかった。実施例1に比べると、プラトー
領域の平坦性が向上し、水素放出量も増加した。
で均質化処理することによりプラトー領域の平坦性が向
上している。しかし、均質化処理による水素吸放出量の
向上は見られない。比較例4では、比較例3に比べてプ
ラトー領域の平坦性、水素放出量ともに大幅に向上し、
均質化処理時の真空度の影響が大きく、先の推論を証明
している。高真空による熱処理は、例えば真空封管が必
要になるなど工業上不利となる。
化の影響が比較的少なく真空度が低い均質化処理でもプ
ラトー領域の平坦性が向上でき、水素吸放出量を大きく
できるので、低コスト化でき工業上有利である。
炉冷しており、急冷しなくても大きな水素放出量で、良
好なプラトー領域の平坦性が実現できた。これは、本発
明の組成では、結晶相を単相にしなくても十分な特性が
得られることを示している。高温の合金材料を急冷する
ためには、特別の装置が必要になるため工業上不利とな
る。本発明は、急冷のための工程と装置が必要ないた
め、低コスト化でき工業上有利である。
を添加することで、プラトー領域の平坦性が向上し、水
素放出量が増大することがわかる。また、結晶相を単相
にする必要がないので、急冷処理を必要とせず、かつ均
質化処理に高真空を必要としないことがわかる。
組成を変えた水素吸蔵合金について本発明例を、本発明
の範囲外の比較例と比較して説明する。
蔵合金について、組成と圧力−組成等温線(60℃放出
曲線)におけるプラトー領域の平坦性、水素放出量、再
活性化温度の相関について調べた。なお、Mnはアーク
溶解、熱処理中に蒸発し、秤量値からズレるため分析値
を用いた。
方法で行った。なお、ここでは脱水素化は60℃で3時
間の真空排気を行った。プラトー領域の平坦性、水素放
出量は、以下の方法で数値化して表した。
成等温線図である。横軸は水素吸蔵合金中の水素濃度C
H(wt%)である。縦軸は水素吸蔵合金が置かれてい
る雰囲気の水素圧P(MPa)である。
(Pa/Pb)=0.4の関係を互いに有する任意の水
素圧である。 CHaは水素圧Pa時の水素吸蔵合金中
の水素濃度であり、 CHbは水素圧Pb時の水素吸蔵
合金中の水素濃度である。ΔCHは水素圧Pa時と水素
圧Pb時の水素吸蔵合金中の水素濃度差、すなわちΔC
H=CHa−CHbである。
ln(Pa/Pb)=0.4の関係を保持したまま移動
したとき最大になるΔCHであるでΔCHmax表され
る。この値が大きいほどプラトー領域の平坦性が良い。
1MPaである。 CH1.0MPaは水素圧1.0M
Pa時の水素吸蔵合金中の水素濃度であり、C
H0.1MPaは水素圧0.1MPa時の水素吸蔵合金
中の水素濃度である。 Ceffは実用的な圧力範囲
1.0〜0.1MPaの圧力変化における合金の水素濃
度変化、すなわちCeff=CH1.0MPa−C
H0.1MPaであり、水素放出量を表している。
ΔCHmax、Ceffの結果を示す。
Ceffの相関を表した図である。横軸はMn濃度、縦
軸はΔCHmax、Ceffである。Mn濃度が0.5
原子%から効果が表れはじめ、Ceff、ΔCHともに
3原子%付近で極大値をとることがわかる。
る範囲では水素放出量が極端に低下する。以上からMn
濃度は0.5≦z<5.0の範囲が最適である。また、
脱水素化を400℃で3時間行い、1水素化物の水素ま
で完全に放出させた試料の20℃、3.3MPaでの水
素吸蔵量は、最大で3.8wt%に達した。
12.5Mn2の組成式でTi濃度xを変えて水素の解
離圧を試験した。表2に本発明例と比較例の、 Ti濃
度と水素の解離圧の結果を示す。
12.5Mn2の60℃におけるTi濃度と水素の解離
圧の関係を示した図である。横軸はTi濃度、縦軸は水
素の解離圧である。Ti濃度が5原子%未満の範囲で
は、使用温度を低温とした場合でも、解離圧が実用範囲
より高く、解離圧を下げるためにはCr濃度をさらに下
げる必要がある。ところが、後述にあるようにCr濃度
が5原子%を下回ると、初期活性化ならびに再活性化特
性が極端に低下することとなり、実用には適さない。
平坦性は低下する。これはプラトー領域の傾斜の原因で
あるTi濃度分布が助長されるためと考えられる。ま
た、x=15の合金まではMn濃度を増加することによ
りプラトー領域の平坦性は保たれた。 x=17.5の
合金では再活性化に280℃の加熱が必要であり、実用
には適さない。以上の結果から、Ti濃度は実用の観点
から5≦x≦15が最適である。
性、水素放出量は変化せず、Cr濃度によりこれら特性
に影響を与えずに解離圧の調整が可能である。但し、C
r濃度5at%未満の合金では、初期活性化に450℃
以上の高温が必要であったり、再活性化温度が高く、数
サイクルの水素吸蔵・放出を繰り返さなければ、平衡圧
に到達するのに長時間を要し、十分な反応速度が得られ
ない。このCr濃度の下限値とTi濃度範囲から、Cr
濃度は5≦y≦25が最適である。
100−x−y−zTixCryMnzで表され、5≦
x≦15、5≦y≦25、0.5≦z<5の範囲にある
ことを特徴とする水素吸蔵合金およびこの組成となる水
素吸蔵合金原料を溶解、固化してインゴットを製造し、
該インゴットを600〜1400℃で1〜100時間保
持する均質化処理を施すことを特徴とした水素吸蔵合金
の製造方法であるので、活性化が容易で、大きな水素吸
放出量と良好なプラトー領域の平坦性を有し、急冷処理
を必要とせず、均質化処理に高真空を必要としない低コ
ストの水素吸蔵合金ができる。
圧力−組成等温線(20℃放出曲線)図
−組成等温線(20℃放出曲線)図
−組成等温線(20℃放出曲線)図
した図
0℃におけるTi濃度と水素の解離圧の関係を示した図
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式がV100−x−y−zTixC
ryMnzで表され、5≦x≦15、5≦y≦25、
0.5≦z<5の範囲にあることを特徴とする水素吸蔵
合金。 - 【請求項2】 前記一般式におけるx、y、zの合計
が、x+y+z≦20の範囲にあることを特徴とする請
求項1記載の水素吸蔵合金。 - 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載の水素吸
蔵合金の組成となる原料を溶解、固化してインゴットを
製造し、該インゴットを600〜1400℃で1〜10
0時間保持する均質化処理を施すことを特徴とした水素
吸蔵合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17438499A JP4062819B2 (ja) | 1999-06-21 | 1999-06-21 | 水素吸蔵合金およびその製造方法 |
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---|---|---|---|
JP17438499A JP4062819B2 (ja) | 1999-06-21 | 1999-06-21 | 水素吸蔵合金およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001003133A true JP2001003133A (ja) | 2001-01-09 |
JP4062819B2 JP4062819B2 (ja) | 2008-03-19 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114427045A (zh) * | 2021-12-10 | 2022-05-03 | 厚普清洁能源股份有限公司 | 一种高均匀性钒钛基储氢合金及其制备方法 |
-
1999
- 1999-06-21 JP JP17438499A patent/JP4062819B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114427045A (zh) * | 2021-12-10 | 2022-05-03 | 厚普清洁能源股份有限公司 | 一种高均匀性钒钛基储氢合金及其制备方法 |
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