JP2001003026A - 粘着剤組成物、粘着剤付きフィルム及び粘着剤付きフィルムの貼着方法 - Google Patents

粘着剤組成物、粘着剤付きフィルム及び粘着剤付きフィルムの貼着方法

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JP2001003026A
JP2001003026A JP11175727A JP17572799A JP2001003026A JP 2001003026 A JP2001003026 A JP 2001003026A JP 11175727 A JP11175727 A JP 11175727A JP 17572799 A JP17572799 A JP 17572799A JP 2001003026 A JP2001003026 A JP 2001003026A
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pressure
sensitive adhesive
adhesive composition
film
layer
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Tetsuo Kitano
徹夫 喜多野
Hideshi Kotsubo
秀史 小坪
Takahito Inamiya
隆人 稲宮
Yasuhiro Morimura
泰大 森村
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部応力に対する形状維持性が良好で、ま
た、リワークが容易で生産性に優れ、耐候性にも優れた
粘着剤組成物を提供する。 【解決手段】 基材フィルム表面に層状に形成されたポ
リマーを主成分とした粘着層1はシランカップリング剤
及び光重合開始剤を含む。粘着層1の外面を酸素含有雰
囲気に晒した状態で、紫外線を照射することにより粘着
層1の内層1B側が硬化され、表層1A側はタック性を
有する。 【効果】 表層1Aのタック性でリワーク性が発現す
る。内層1Bの硬化部でフィルムの位置ズレを防止す
る。シランカップリング剤の配合で耐候性に優れたもの
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CRT(陰極線
管)、LCD(液晶表示装置)、PDP(プラズマ表示
パネル)等の表示装置の表面にプラスチックフィルム等
を貼着する際に使用される粘着剤組成物と、この粘着剤
組成物を用いた粘着剤付きフィルム並びにこの粘着剤付
きフィルムの貼着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CRT、LCD、PDP等の表示装置の
表面に、反射防止フィルム、視野角調整フィルム、カラ
ーフィルター等の光学補正フィルムや、熱線防止フィル
ム、電磁波遮蔽フィルム等の各種の機能性プラスチック
フィルムを貼着することがある。この場合、このプラス
チックフィルムの一方の面に粘着剤を塗布して粘着層を
形成し、この粘着層を介して各種表示装置のガラス等の
被貼着面に貼着する。
【0003】このプラスチックフィルムの貼着に際して
は、次のような貼着特性が要求される。
【0004】即ち、まず、貼着に際して、フィルムが位
置ずれしたり、被貼着面とフィルムとの間に異物、気泡
が混入した場合には、一旦フィルムを剥して再度貼り合
せする必要があることから、この貼り直し(リワーク)
を容易に行えることが要求される。
【0005】また、一旦、貼着した後は、外部から応力
が加えられてもフィルムが位置ずれしない位置維持性が
要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の貼着剤は、弾性
率が低いため外部応力に対する位置維持性に乏しい。こ
のため、被貼着面に貼着した後、外部から応力がかかる
とフィルムが位置ずれし易い。
【0007】また、従来の粘着剤では、被貼着面に貼り
合わせた後に貼り直し(リワーク)すると、被貼着面に
粘着剤が残る。このため、被貼着面からまず粘着剤を取
り除く作業を必要とすることとなり、貼り直し作業に手
間がかかり、生産性が悪い。
【0008】また、接着力の耐候性において十分である
とは言えず、例えば、これを環境試験に供した場合、発
泡、剥離等で外観不良を生じる。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、被貼
着面に貼着した後の外部応力に対する位置維持性が良好
であり、且つリワークが容易で耐候性にも優れたな粘着
剤組成物とこの粘着剤組成物を用いた粘着剤付きフィル
ム並びにこの粘着剤付きフィルムの貼着方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の粘着剤組成物
は、ポリマーを主成分とし、層状とされた粘着剤組成物
において、該粘着剤組成物は、シランカップリング剤及
び光重合開始剤を含み且つ一方の層面を酸素含有雰囲気
に晒した状態にて紫外線が照射されたものであり、これ
により他方の層面側が硬化され、該一方の層面側はタッ
ク性を有したものとなっていることを特徴とする。
【0011】ベースポリマーに光重合開始剤を配合した
粘着剤組成物層の一方の層面を酸素含有雰囲気に晒した
状態にて該粘着剤組成物層に紫外線を照射すると、該粘
着剤組成物層のうち酸素含有雰囲気に晒されていない他
方の層面側は硬化する。これに対し、該一方の層面側は
酸素による重合阻害効果で未硬化となり、タック性(自
着性)が維持される。この一方の層面側ののタック性で
良好なリワーク性が発現する。また、他方の層面側に形
成された硬化部により良好なフィルム位置維持性が発現
する。
【0012】また、接着促進作用に優れたシランカップ
リング剤の配合により耐候性に優れたものとなる。
【0013】本発明において、この粘着剤組成物の主成
分ポリマーはゴム弾性を有し、その弾性率が1×105
〜1×1010dyne/cm2(25℃)であることが
好ましい。
【0014】また、本発明の粘着剤組成物は、次の,
及びを含有することが好ましい。
【0015】 炭化水素樹脂 アクリロキシ基、メタクリロキシ基及びアリル基よ
りなる群から選ばれる1種又は2種以上を有する化合物 可塑剤 本発明の粘着剤付きフィルムは、このような本発明の粘
着剤組成物よりなる粘着層が基材フィルム上に形成さ
れ、粘着剤層の外面側がタック性を有していることを特
徴とする。
【0016】また、本発明の粘着剤付きフィルムの貼着
方法は、この発明の粘着剤付きフィルムを被貼着物に貼
着する方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0018】本発明の粘着剤組成物の主成分となるポリ
マー(ベースポリマー)としては、ゴム弾性を有するも
のが好ましく、このベースポリマーは、25℃における
弾性率が1×105〜1×1010dyne/cm2、特に
1×105〜1×108dyne/cm2であることが好
ましい。この弾性率が1×105dyne/cm2未満で
は軟らかすぎて、加工性が悪くなり、1×1010dyn
e/cm2を超えると硬すぎてそり、歪みが生じる。
【0019】このようなベースポリマーの具体例として
は、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン
ゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、
エチレン−プロピレンターポリマー、ブチルゴム、アク
リルゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム、
その他、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体、スチレン−ポリエチレン/ブチレン−スチレンブロ
ック共重合体、スチレン−ポリエチレン/プロピレン−
スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマー、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアク
リレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、
エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等のオ
レフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0020】本発明の粘着剤組成物の硬化のために添加
される光重合開始剤(光増感剤)としては、ラジカル光
重合開始剤が好適に用いられる。
【0021】ラジカル光重合開始剤のうち、水素引き抜
き型開始剤としては、ベンゾフェノン、オルソベンゾイ
ル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフ
ェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントン、ジ
エチルチオキサントン、エチル−4−(ジエチルアミ
ノ)ベンゾエート等が使用可能である。また、ラジカル
光重合開始剤のうち、分子内開裂型開始剤としては、ベ
ンゾイルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が、α
−ヒドロキシアルキルフェノン型としては2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキル
フェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン
等が、α−アミノアルキルフェノン型としては2−メチ
ルー1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフ
ォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミ
ノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1
等が使用可能であり、更にアミルフォスフィンオキサイ
ド等も用いることができる。
【0022】光重合開始剤としては、これらの1種を単
独で或いは2種以上を混合して用いることができ、通常
その添加量は、前記ベースポリマー100重量部に対し
て0.1〜10重量部とされる。
【0023】本発明の接着組成物に接着促進剤として添
加されるシランカップリング剤としては、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
等が挙げられ、これらは1種を単独で、或いは2種以上
を混合して用いることができる。これらシランカップリ
ング剤の添加量は、前記ベースポリマー100重量部に
対し、通常0.01〜5重量部とされる。
【0024】本発明の粘着性組成物は、炭化水素樹脂を
含有することが好ましく、これにより粘度を高めて加工
性や貼り合わせ等の作業性を向上させることができる。
この場合、添加される炭化水素樹脂は天然樹脂系、合成
樹脂系のいずれでも差し支えない。天然樹脂系としては
ロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂等が好適に用い
られる。このうち、ロジンとしてはガム系樹脂、トール
油系樹脂、ウッド系樹脂等を用いることができる。ロジ
ン誘導体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均一化、
重合、エステル化、金属塩化したものを用いることがで
きる。テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネン等の
テルペン系樹脂の他、テルペンフェノール樹脂を用いる
ことができる。また、その他の天然樹脂としてダンマ
ル、コーバル、シェラックを用いても差し支えない。一
方、合成樹脂系としては石油系樹脂、フェノール系樹
脂、キシレン系樹脂等が好適に用いられる。このうち、
石油系樹脂としては脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹
脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水素化石油
樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロンインデン樹脂等
を用いることができる。フェノール系樹脂としてはアル
キルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂等を用いるこ
とができる。キシレン系樹脂としてはキシレン樹脂、変
性キシレン樹脂等を用いることができる。
【0025】上記炭化水素樹脂は1種を単独で用いて
も、2種以上を混合して用いても良い。その添加量は適
宜選択されるが、ベースポリマー100重量部に対して
1〜200重量部が好ましく、より好ましくは5〜15
0重量部である。この添加量が1重量部未満では添加効
果が得られず、200重量部を超えると加工性、貼り合
わせ等の作業性を損なう。
【0026】本発明の粘着剤組成物は、その物性、即
ち、機械的強度、接着性、光学的特性、耐熱性、耐湿熱
性、耐候性、架橋速度などの改良や調節のためにアクリ
ロキシ基、メタクリロキシ基、又はアリル基を含有する
化合物を含有することが好ましい。
【0027】この架橋助剤としての化合物としては、ア
クリル酸又はメタクリル酸の誘導体、例えばそのエステ
ル又はアミドが最も一般的であり、エステル残基として
はメチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリルの
ようなアルキル基のほかに、シクロヘキシル基、テトラ
ヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシ
エチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。また、エチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコ
ールとのエステルも同様に用いられる。また、アミドと
しては、ダイアセトンアクリルアミドが代表的である。
多官能架橋助剤として、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、グリセリン等のアクリル酸又はメタ
クリル酸エステルを用いることもできる。また、アリル
基含有化合物としては、トリアリルシアヌレート、トリ
アリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタ
ル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等を用いることがで
きる。
【0028】これらの化合物はその1種を単独で用いて
も良く、2種以上を混合して用いても良い。その添加量
は通常ベースポリマー100重量部に対し、0.1〜5
0重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜30重量
部である。この添加量が0.1重量部未満では添加効果
が得られず、50重量部を超えると粘着剤組成物調製時
の作業性や成膜性を低下させることがある。
【0029】また、本発明の粘着性組成物には可塑剤を
配合することができ、これにより加工性が向上し、ま
た、そり、歪みを防止することができる。可塑剤として
は、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチ
ルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタ
レート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等のフタル
酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリオクチ
ルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸
エステル類、ジオクチルアジペート、ジイソオクチルア
ジペート、ジ−n−オクチルアジペート等のアジピン酸
エステル類、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケー
ト等のセバチン酸エステル類、ジオクチルアゼレート、
ジヘキシルアゼレート等のアゼライン酸エステル類、ト
リエチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート等
のクエン酸エステル類、メチルフタリルエチルグリコレ
ート、エチルフタリルエチルグリコレート等のグリコー
ル酸エステル類、トリオクチルトリメリテート、トリ−
n−オクチル−n−デシルトリメリテート等のトリメリ
ット酸エステル類、ジオクチルイソフタレート、ジオク
チルテレフタレート等のフタル酸異性体エステル類、メ
チルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレー
ト等のリシノール酸エステル類、ポリプロピレンアジペ
ート、ポリプロピレンセバケート等のポリエステル類、
エポキシ化大豆油、エポキシブチルステアレート等のエ
ポキシ類、その他、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エ
ステルなどが挙げられる。
【0030】これらの可塑剤は1種を単独で用いても2
種以上を混合して用いても良い。その添加量は、通常ベ
ースポリマー100重量部に対し1〜200重量部、よ
り好ましくは5〜150重量部であり、この範囲を外れ
ると加工性、貼り合わせ性が低下する。
【0031】更に、本発明の粘着剤組成物は、必要に応
じて老化防止剤、その他の添加剤を含有していても良
い。
【0032】本発明の粘着剤組成物は、前記ベースポリ
マーに光重合開始剤と必要に応じて炭化水素樹脂や前記
アクリロキシ基等の官能基を有する架橋助剤、可塑剤等
を常法に従って混合することにより製造することがで
き、この粘着剤組成物は、シート状又は液状で粘着層の
形成に用いられる。
【0033】本発明の粘着剤付きフィルムは、このよう
な粘着剤組成物よりなる粘着層を基材フィルム上に形成
したものであり、ここで基材フィルムとしては、ポリエ
ステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリメチルメタアクリレート
(PMMA)、アクリル、ポリカーボネート(PC)、
ポリスチレン、トリアセテート、ポリビニルアルコー
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、セ
ロファン等、好ましくはPET、PC、PMMAの透明
フィルムを用いることができる。
【0034】基材フィルムの厚さは得られる粘着剤付き
フィルムの用途による要求特性(例えば、強度、薄膜
性)等によって適宜決定されるが、通常の場合、1μm
〜10mmの範囲とされる。
【0035】このような基材フィルムに、本発明の粘着
剤組成物よりなる粘着層を形成するには、粘着剤組成物
をシート状にしたものを基材フィルムに積層するか、基
材フィルムに粘着剤組成物を塗布すれば良く、粘着剤組
成物を塗布する場合には、これを、トルエン、テトラヒ
ドロフラン、メチルエチルケトン等の溶剤に適当な粘度
となるように溶解し、塗工機等で基材フィルム上に塗工
すれば良い。
【0036】このようにして形成される粘着層の厚さは
通常10〜50μm程度とするのが好ましい。
【0037】本発明の方法は、このような粘着層を形成
した粘着剤付きフィルムを、表示装置の前面パネル等の
被貼着面に貼着する方法であって、該粘着層に紫外線を
照射して、図1に示す如く、該粘着層1の内層側(基材
フィルム2側)を硬化させ、表層側は未硬化の状態で貼
着対象物3の被貼着面に貼着することで表層1Aのタッ
ク性で良好なリワーク性を得ると共に、内層1Bの硬化
層で良好な位置維持性を得るものである。
【0038】従って、本発明では、この紫外線の照射に
当り、粘着層1の未硬化表層1Aと硬化内層1Bとで良
好なリワーク性と位置維持性が兼備できるように、粘着
剤組成物中の光重合開始剤量や粘着層の厚さ等に応じて
紫外線照射量を調節する。通常、粘着層1の全厚さの8
0〜99%の厚さの硬化内層1Bが形成され、残部の表
層1Aがタック性を維持するように紫外線を照射するこ
とが好ましい。
【0039】本発明の粘着剤組成物は、CRT、LC
D、PDP等の表示装置への光学フィルム等のプラスチ
ックフィルムの貼着に好適であるが、何らこの分野に限
定されるものではなく、その他、本発明は、EL素子、
太陽電池素子、タッチパネル、各種電極(ITO、銅、
銀、半田等)、ICドライバ等の電子デバイスの封止、
保護のために用いたり、また、記録媒体(デジタルビデ
オディスク等)に代表される精密な貼り合せを要求され
る用途など、その特性を利用して幅広い用途に適用可能
である。
【0040】ところで、粘着剤付きフィルムをテレビの
ディスプレイ等に貼着した場合、静電気の発生で埃等が
付着し易いという問題がある。
【0041】本発明においては、この静電気に起因する
汚れを防止すべく、基材フィルム及び/又は粘着層(即
ち粘着剤組成物)に帯電防止機能を付与するのが好まし
い。
【0042】基材フィルムに帯電防止機能を付与するに
は、基材フィルムの成形材料に適当な帯電防止剤や導電
性粒子を混合して成形すれば良い。
【0043】また、粘着層に帯電防止機能を付与するに
は、同様に本発明の粘着剤組成物に適当な帯電防止剤や
導電性粒子を混合すれば良い。
【0044】ここで、帯電防止剤としては、次のような
ものを用いることができる。
【0045】 カチオン活性剤 第一級アミン塩、第三級アミン、第四級アンモニウム化
合物、ピリジン誘導体等。
【0046】 アニオン活性剤 硫酸化油、石鹸、硫酸化エステル油、硫酸化アミド油、
オレフィンの硫酸エステル塩類、脂肪アルコール硫酸エ
ステル塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスル
フォン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタ
レンスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、ナフタレンスルフォン酸とホルマリンの混合物、コ
ハク酸エステルスルフォン酸塩、リン酸エステル塩等。
【0047】 ノニオン活性剤 多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコー
ルのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキ
サイド付加物、脂肪アミノ又は脂肪酸アミドのエチレン
オキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキ
サイド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイ
ド付加物、多価アルコールの部分脂肪酸エステルのエチ
レンオキサイド付加物等。
【0048】 両性活性剤 カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘導体等。
【0049】また、導電性粒子としては、導電性を有す
るものであれば良く、特に制限はないが、例えば、次の
ようなものが挙げられる。
【0050】(i) カーボン粒子ないし粉末 (ii) ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウ
ム、すず、カドミウム、銀、プラチナ、アルミニウム、
銅、チタン、コバルト、鉛等の金属又は合金或いはこれ
らの導電性酸化物の粒子ないし粉末 (iii) ポリスチレン、ポリエチレン等のプラスチック粒
子の表面に上記(i), (ii) の導電性材料のコーティング
層を形成したもの これらの導電性粒子の粒径は、過度に大きいと光透過性
や基材フィルム,粘着層の厚さに影響を及ぼすことか
ら、0.5mm以下であることが好ましい。好ましい導
電性粒子の粒径は0.01〜0.5mmである。
【0051】なお、導電性粒子の色、光沢は、目的に応
じ適宜選択されるが、PDPの前面に貼着する場合は、
黒、茶等の暗色で無光沢のものが好ましい。この場合
は、導電性粒子がフィルタの光線透過率を適度に調整す
ることで、画面が見やすくなるという効果もある。
【0052】上記帯電防止剤や導電性粒子の使用割合
は、過度に多いと光透過性が損なわれ、過度に少ないと
帯電防止機能が不足するため、通常の場合、基材フィル
ムに混合する場合には基材フィルム中に0.1〜10重
量%程度の割合で帯電防止剤や導電性粒子を配合するの
が好ましい。また、粘着層に混合する場合には、粘着剤
組成物のベースポリマー100重量部に対して0.1〜
10重量部とするのが好ましい。
【0053】また、このように基材フィルム及び/又は
粘着層に帯電防止機能を付与した場合には、基材フィル
ム及び/又は粘着層から電極を取り出し、接地すること
が好ましい。
【0054】更に、粘着層及び/又は基材フィルムは可
視光透過率調整機能を有することが好ましく、この場
合、粘着層に可視光透過率調整機能を付与するには、粘
着剤組成物にカーボン粒子又は粉末を混合する方法が挙
げられる。また、基材フィルムに可視光透過率調整機能
を付与するには、基材フィルムの成形材料にカーボン粒
子又は粉末を混合する方法、基材フィルムに基材又は金
属の薄膜を積層する方法が挙げられる。
【0055】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0056】実施例1 下記配合の粘着剤組成物をトルエンに溶解しPETフィ
ルム(厚さ100μm)の一方の表面に塗布、乾燥して
厚さ30μmの粘着層を形成した。
【0057】〔粘着剤配合〕 ベースポリマー(スチレン−イソプレン−スチレン ブ
ロックコポリマー(シェル社製「SIS D−110
7」弾性率1.0×108dyne/cm2(25
℃))):100重量部 炭化水素樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学社製
「アルコンM−135」)):100重量部 光重合開始剤(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニ
ルエタン−1−オン(チバガイギー社製「イルガキュア
651」)):1重量部 アクリルモノマー(トリメチロールプロパントリアクリ
レート(新中村化学社製「A−TMPT」)):5重量
部 シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン(信越化学社製「KBM50
3」)):1重量部 この粘着層にメタルハライドランプにより紫外線を積算
量1000mJ/cm2になるように照射し、ガラス面
に貼り合わせた。なお、紫外線の照射により、粘着層の
内層の80〜99%の部分が硬化し、それよりも表層側
は未硬化でタック性を有していた。
【0058】この粘着剤付きフィルムをガラス面に貼着
し、面方向に局部的に1000gfの力を加えてフィル
ムの変形(位置ズレ)が生じるか否か試験した。また、
貼り合せ後剥離した際の粘着剤のガラス面への残留の有
無によりリワーク性を調べた。また、温度60℃,湿度
90%RHの条件に500時間放置した後の発泡、剥離
の有無等の外観の良否から耐候性を調べ、これらの結果
を表1に示した。
【0059】実施例2 実施例1において、下記配合の粘着剤組成物を用いたこ
と以外は同様にして粘着層を形成し、同様にガラス面に
貼着してその位置維持性、リワーク性及び耐候性を調
べ、結果を表1に示した。
【0060】なお、紫外線の照射により、粘着層の80
〜99%の部分が硬化し、それよりも表層側は未硬化で
タック性を有していた。
【0061】〔粘着剤配合〕 ベースポリマー(スチレン−イソプレン−スチレン ブ
ロックコポリマー(シェル社製「SIS D−111
1」弾性率1.0×109dyne/cm2(25
℃))):100重量部 炭化水素樹脂(水添テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社
製「クリアロンM−115」)):100重量部 光重合開始剤(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニ
ルエタン−1−オン(チバガイギー社製「イルガキュア
651」)):1重量部 アクリルモノマー(トリメチロールプロパントリアクリ
レート(新中村化学社製「A−TMTP」)):5重量
部 シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン(信越化学社製「KBM50
3」)):1重量部 比較例1 綜研化学社製アクリル系粘着剤の主剤「1831」10
0重量部と硬化剤「E−AX」2重量部とを攪拌混合し
てPETフィルムに塗布、乾燥、養生させて粘着層を形
成し、同様にガラス面に貼着してその位置維持性、リワ
ーク性及び耐候性を調べ、結果を表1に示した。
【0062】
【表1】
【0063】表1より本発明の粘着剤組成物は位置維持
性、リワーク性及び耐候性に優れることがわかる。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、位
置維持性、リワーク性及び耐候性に優れた粘着剤組成物
及び粘着剤付きフィルムが提供される。このフィルムは
表示装置等の被貼着面に対して良好な作業性のもとに安
定に貼着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着剤組成物を用いた粘着剤付きフィ
ルムを示す断面図である。
【符号の説明】
1 粘着層 1A 表層 1B 内層 2 基材フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 11/06 C09J 11/06 121/00 121/00 Fターム(参考) 4J004 AA01 AA04 AA05 AA06 AA07 AA10 AA11 AA12 AA17 AB01 CA02 CA03 CA04 CA05 CA06 CC02 FA05 4J040 CA011 CA041 CA071 CA081 CA141 DA051 DA061 DA121 DA141 DF021 DM011 DN032 EE041 EK031 FA012 HD32 JA09 JB08 JB09 KA13 KA31 MA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーを主成分とし、層状とされた粘
    着剤組成物において、 該粘着剤組成物は、シランカップリング剤及び光重合開
    始剤を含み、且つ一方の層面を酸素含有雰囲気に晒した
    状態にて紫外線が照射されたものであり、これにより他
    方の層面側が硬化され、該一方の層面側はタック性を有
    したものとなっていることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該主成分のポリマー
    がゴム弾性を有し、その弾性率が1×105〜1×10
    10dyne/cm2(25℃)であることを特徴とする
    粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、炭化水素樹脂
    を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、アクリロキシ基、メタクリロキシ基及びアリル基よ
    りなる群から選ばれる1種又は2種以上を有する化合物
    を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、可塑剤を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の粘着剤組成物よりなる粘着層が基材フィルム上に形成
    され、粘着層の外面側がタック性を有していることを特
    徴とする粘着剤付きフィルム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の粘着剤付きフィルムを
    被貼着物に貼着することを特徴とする粘着剤付きフィル
    ムの貼着方法。
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