JP2001002859A - 熱成形用ポリプロピレン系樹脂シート及び熱成形品 - Google Patents
熱成形用ポリプロピレン系樹脂シート及び熱成形品Info
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Abstract
らの物性バランスの良好な熱成形用シート、及び、該シ
ートよりなる透明性と剛性に優れた熱成形品を提供す
る。 【解決手段】メルトフローレイトが0.1〜5g/10
分であり、昇温溶離分別法により分別された、横軸を溶
出温度(℃)、縦軸を溶出成分の積算重量割合で表した
溶出曲線において、20℃未満での溶出成分(A成分)
の量が0〜10重量%、20℃以上110℃未満での溶
出成分(B成分)の量が15〜70重量%、110℃以
上での溶出成分(C成分)が30〜85重量%、且つ、
C成分におけるピークトップ温度が120℃以上のポリ
プロピレン系樹脂に透明核剤を配合したポリプロピレン
系樹脂組成物をシート及び熱成形品に成形することで達
成される。
Description
形性に優れ、しかも、それらの物性バランスが良好な熱
成形用ポリプロピレン系樹脂シート及び該シートよりな
る透明性、剛性に優れる熱成形品に関する。
の包装材を得るための材料としては、塩化ビニル樹脂や
ポリスチレンが主に使用されてきたが、近年の環境意識
の向上からポリオレフィンへの代替要求が高まってい
る。
レンは、比較的機械強度が高く、耐熱性、耐薬品性に優
れる等の性質を有する事から、上記の用途にも多く使用
が検討されている。特に、ポリオレフィン化の代替要求
が強い食品分野、例えば、コンビニエンスストアー等で
使用される弁当、惣菜等の透明容器や蓋材などの原料と
してポリプロピレン化の要求が活発化している。
製造されている。そのため、上記シート材料の要求性能
としては、前記透明性の向上に加え、熱成形時の製品の
偏肉やしわの発生を抑え、生産性を向上するための熱成
形性改良や、使用時の製品変形を改善するための剛性改
良が挙げられ、それらの物性バランスに優れた材料開発
が望まれている。
る方法としては、例えば、ソルビトール系化合物等の透
明核剤を添加する方法が知られており、特開昭56−3
0449号公報、特開昭62−209151号公報等で
透明性に優れるポリプロピレンが提案されている。
はある程度改善されるものの、剛性、熱成形性に対して
改良の余地を残していた。
は、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、ジベンジリ
デンソルビトールを配合した、熱成形用ポリプロピレン
が提案されている。上記発明によれば得られるシートの
熱成形性はある程度改善されているものの、透明性に関
しては、満足できるレベルでなく、また、低密度ポリエ
チレンを必須成分とするため、得られるシートの剛性を
ある程度犠牲にする結果となり、未だ改良の余地があっ
た。
は、透明性、剛性、熱成形性に優れ、しかも、それらの
物性バランスの良好な熱成形用ポリプロピレン系樹脂シ
ート及び該シートよりなる熱成形品を提供することにあ
る。
課題をすべく、透明性、剛性及び熱成形性が共に向上し
た熱成形用シートについて鋭意検討を行った。その結
果、驚くべきことには、昇温溶離分別法により分別され
た溶出成分の比率によって示される特定の結晶性分布と
特定のメルトフローレイトとを満足するポリプロピレン
系樹脂に透明核剤を配合したポリプロピレン系樹脂組成
物を成形してなるシートによって、上記課題が全て解決
できることを見い出し、本発明を完成した。
トが0.1〜5g/10分、(2)昇温溶離分別法によ
り分別された溶出成分について、20℃未満での溶出成
分(A成分)の量が0〜10重量%、20℃以上110
℃未満での溶出成分(B成分)の量が15〜70重量
%、110℃以上での溶出成分(C成分)が30〜85
重量%、且つ、C成分に於けるピークトップ温度が12
0℃以上、であることを特徴とするポリプロピレン系樹
脂100重量部に対して透明核剤0.05〜1重量部を
含有するポリプロピレン系樹脂組成物よりなることを特
徴とする熱成形用ポリプロピレン系樹脂シート(以下単
に熱成形用シートともいう)である。
成形して得られる、透明性、剛性に優れた熱成形品をも
提供する。
脂は、プロピレン単位を主成分とする重合体であれば特
に制限されない。具体的には、プロピレンの単独重合
体、2種以上のプロピレン単独重合体の混合物、プロピ
レン単独重合体及びプロピレンとプロピレン以外のα−
オレフィンとのランダム共重合体(以下、プロピレン−
α−オレフィン共重合体ともいう)の混合物等が挙げら
れる。上記混合の方法にしても特に制限なく、例えば、
ブレンド法や多段重合による方法が挙げられる。
しては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、3−
メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等を挙
げることができ、これらの中でも、エチレン、1−ブテ
ンが好ましい。
フィンが含有される場合の、α−オレフィン含有量につ
いても、本発明の構成を満足する範囲内で特に限定され
ないが、通常、α−オレフィンに基づく単量体単位が
0.1〜5重量%の範囲が一般的である。
脂は昇温溶離分別法により分別された溶出成分につい
て、特定の温度範囲における溶出成分の積算重量割合が
特定の範囲となるように結晶性分布が制御されたもので
あることが極めて重要である。
は、例えば、Journal ofApplied P
olymer Science;Applied Po
lymer Symposium 45,1−24(1
990)に詳細に記述されている方法である。まず高温
の高分子溶液を、珪藻土を充填剤として用いた充填カラ
ムに導入し、カラム温度を徐々に低下させることにより
充填剤表面に融点の高い成分から順に結晶化させ、次に
カラム温度を徐々に上昇させることにより、融点の低い
成分から順に溶出させて溶出ポリマー成分を分取する方
法である。
としてセンシュー科学社製SSC−7300型を用い、
溶媒:o−ジクロロベンゼン、流速:2.5ml/mi
n、昇温速度:4℃/Hr、カラム:φ30mm×30
0mmの条件で測定した値を示している。
満での溶出成分(A成分)は、後記のB成分と同様、得
られる熱成形用シートの透明性を向上させる効果を発揮
する。即ち、本発明の目的とする熱成形用シートの透明
性の改良効果はB成分によって達成することができる
が、A成分の存在によって更に透明性を向上せしめるこ
とができる。しかし、かかるA成分は分子量が小さいた
めに多量に存在する場合、熱成形用シート表面からのブ
リードアウトの要因となる。
の範囲とすることが必要であり、特に、0〜8重量%の
範囲であることが好ましい。
0℃以上110℃未満での溶出成分(B成分)は、本発
明で使用される透明核剤を配合して、熱成形用シートに
成形する場合に、特に、良好な透明性と熱成形性を発現
させるために必要な成分である。即ち、B成分の量が1
5重量%未満では、得られる熱成形用シートに良好な透
明性が達成されず、また、該熱成形用シートを熱成形す
る際、製品の偏肉やしわが発生しやすくなり、熱成形性
が低下するため好ましくない。また、B成分の量が70
重量%を越える場合には剛性が不足するため、好ましく
ない。得られる熱成形用シートの透明性、熱成形性を維
持し、剛性を向上させることを勘案すると、B成分の量
は、20〜65重量%の範囲であることが好ましい。
10℃以上での溶出成分(C成分)は、本発明で使用さ
れる透明核剤との相互作用により、得られる熱成形用シ
ートに優れた剛性を発現させるために必要な成分であ
る。即ち、C成分の量が30重量%未満である。即ち、
C成分の量が30重量%未満である場合には、得られる
熱成形用シートの剛性が損なわれる。また、C成分の量
が85重量%を越える場合には、熱成形用シートの透明
性と熱成形性が損なわれる。得られる熱成形用シートの
剛性を維持し、透明性、熱成形性をより向上させること
を勘案すると、C成分の量は、特に、35〜80重量%
の範囲であることが好ましい。
20℃以上であることが得られる熱成形用シートに優れ
た剛性と耐熱性を付与するために重要である。即ち、C
成分におけるピークトップ温度が120℃未満では耐熱
性が低下し、同時に剛性も低下する。より優れた剛性と
耐熱性を得るためには、C成分が120℃以上の溶出成
分を60重量%以上有する高結晶性ポリプロピレン成分
であることが好ましい。
重量%である。
ローレイトは0.1〜5g/10分の範囲にあることが
必要である。即ち、メルトフローレイトが0.1g/1
0分未満の場合には、熱成形用シート成形時の生産性が
著しく低下し、また、メルトフローレイトが5g/10
分を越える場合には、得られる熱成形用シートの熱成形
性が著しく低下する。より好ましい上記メルトフローレ
イトの範囲は、0.3〜4g/10分であり、更には
0.3〜3g/10分である。
リプロピレン系樹脂シートは、A〜C成分の組成によっ
て示される特定の結晶性分布及び特定のメルトフローレ
ートを有するポリプロピレン系樹脂を選択することによ
り、これに後で詳述する透明核剤を組み合わせたポリプ
ロピレン系樹脂組成物より得られる熱成形用シートは、
従来からのポリプロピレン系樹脂と透明核剤を組み合わ
せて得られる熱成形用シートに比較して、透明性、剛
性、熱成形性に優れ、しかも、それらの物性バランスが
良好な熱成形用シートとなり、熱成形用途に対して極め
て高い適合性を有するものである。
樹脂について、他の諸物性は特に制限されるものではな
い。好適な物性を示せば、例えば、分子量分布は、シー
ト製造時の加工性および得られる熱成形用シートと熱成
形品の剛性を勘案すると、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー法(GPC)により測定した、重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で表される分
子量分布(Mw/Mn)が4〜15である事が好まし
く、5〜10であることが特に好ましい。
は、示差走査熱量測定法(DSC)で測定された融点
が、150℃以上で且つ、融解熱が100J/g以下で
あることが好ましい。該融点が150℃未満の場合は、
得られる熱成形用シートと熱成形品の耐熱性が低下し、
また該融解熱が100J/gを越える場合には、透明性
が低下する傾向にある。
の製造方法は、本発明の要件を満たす限り、特に限定さ
れるものではないが、例えば、以下の方法で得ることが
できる。
移金属化合物触媒成分または、それらを塩化マグネシウ
ム等のハロゲン化マグネシウムを主成分とする担体に担
持させてなる触媒成分とトリエチルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムクロライド等の有機アルミニウム化合
物とを組み合わせてなる触媒、所謂チーグラー・ナッタ
触媒及びそれをベースにした種々の改良触媒、或いはメ
タロセン触媒を用いて重合されるプロピレン単独重合体
と、上記触媒を用いて重合されるプロピレン−α−オレ
フィンランダム共重合体の中から少なくとも2種以上の
重合体を特定の割合でブレンドする方法。上記プロピレ
ン単独重合体は、アイソタクチックペンタッド分率(m
mmm)が0.95以上である事が好ましく、また、プ
ロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は、共重合
体中のα−オレフィンに基づく単量体単位が0.1〜1
0重量%である事が好ましい。
リプロピレン系樹脂を条件の異なる2段階以上の多段階
で重合する方法。各段階での重合条件は特に限定されな
いが、例えば、1段目でプロピレン単独重合を実施し、
引き続き、2段目の重合でプロピレン−α−オレフィン
共重合体を重合する2段重合を用いる方法。1段目で重
合されるプロピレン単独重合体はアイソタクチックペン
タッド分率(mmmm)が0.95以上である事が好ま
しく、また、得られるポリプロピレン系樹脂中のα−オ
レフィンに基づく単量体単位は0.1〜5重量%である
事が好ましい。また、各段で重合されるプロピレン単独
重合体とプロピレン−α−オレフィン共重合体の重合割
合は、特に限定されず、得られるポリプロピレン系樹脂
が本発明の要件を満足するよう適宜決定すれば良い。
428号公報として提案している低結晶性ポリプロピレ
ンの中から、本発明の要件を満足するポリプロピレン系
樹脂を選択し、単独で使用する方法。
重合体と、上記低結晶性ポリプロピレンをそれぞれ少な
くとも1種以上ブレンドする方法。
−オレフィンランダム共重合体と、上記低結晶性ポリプ
ロピレンをそれぞれ少なくとも1種以上ブレンドする方
法。
れるポリプロピレン系樹脂の生産性を勘案すると、
(イ)の製造方法が好ましく採用でき、また、本発明で
得られる熱成形用シート及び熱成形品の剛性と耐熱性
を、より向上させることを勘案すると、(ハ)または
(ニ)の製造方法で得られるポリプロピレン系樹脂の中
から、プロピレン以外のα−オレフィンを含有しないポ
リプロピレン系樹脂を使用する方法が、好ましく採用で
きる。
れるポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、透明
核剤を0.05〜1重量部が配合することにより熱成形
用熱成形用シートの材料となるポリプロピレン樹脂組成
物を得る。
は、通常、ポリプロピレンの透明性改善の目的で使用さ
れる結晶核剤が何ら制限なく使用できるが、得られる熱
成形用シートと熱成形品の透明性により優れた効果を発
現させることを勘案すると、例えば、下記に示すジベン
ジリデンソルビトール系化合物、有機リン系化合物等が
好適に使用できる。
としては、例えば、1・3,2・4−ジベンジリデンソ
ルビトール、1・3,2・4−ジ(4−メチルベンジリ
デン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(4−エチル
ベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(ジ
メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−(4−メ
チルベンジリデン)−2,4−ベンジリデンソルビトー
ル、1・3−(ジメチルベンジリデン)−2・4−ベン
ジリデンソルビトール、1・3−(4−クロルベンジリ
デン)−2・4−(4−メチルベンジリデン)ソルビト
ール等が挙げられる。
えば、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6
−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム
−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスフェート、リチウム−2,2’−メチ
レン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,
6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、カルシウ
ム−ビス−[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスフェート]、マグネシウム−
ビス−[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスフェート]、アルミニウム−トリ
ス−[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスフェート]、ビス(2,4,8,1
0−テトラ−t−ブチル−ヒドロキシ−12H−ジベン
ゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン−6−
オキシド)水酸化アルミニウム、2,2’−メチレンビ
ス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート塩
基性アルミニウム塩等が挙げられる。
4−ジ(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・
3−(ジメチルベンジリデン)−2・4−ベンジリデン
ソルビトール、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ビ
ス(2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−ヒドロキ
シ−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキ
サホスホシン−6−オキシド)水酸化アルミニウムが好
ましく、更には、1・3,2・4−ジ(4−メチルベン
ジリデン)ソルビトール、1・3−(ジメチルベンジリ
デン)−2・4−ベンジリデンソルビトールが特に好ま
しい。
複数を同時に使用しても良く、例えば、本発明の熱成形
用シートの透明性と耐熱性をより向上させることを目的
に、上記ジベンジリデンソルビトール系化合物と有機リ
ン系化合物の中からそれぞれ少なくとも1種以上を選択
し併用する方法も、好適に採用できる。
リプロピレン系樹脂100重量部に対して0.05〜1
重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部である。即
ち、透明核剤の配合量が0.05重量部未満の場合は透
明性の改良効果が十分でなく、また1重量部を越える場
合は、配合量に見合う物性の向上効果が十分に発揮され
ず、また、コスト高となるために好ましくない。
成物には、必要に応じて他の添加剤、例えば熱安定剤、
塩素捕捉剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、
防曇剤、抗菌剤、顔料、無機フィラー等が配合されても
良い。
レン系樹脂組成物をシートに成形することにより、本発
明の熱成形用シートを得る。かかるシートの製造方法
は、公知の方法が何等制限なく採用できる。例えば、T
−ダイ法やカレンダー法が一般的である。シートの成形
温度は特に限定されないが、好ましくは、230〜28
0℃である。また、T−ダイ法においての冷却方法につ
いても特に限定されず、例えば、3段ロール、タッチロ
ール、エアーナイフ、無縁ベルト等を使用するか、或い
はそれらを併用する等の冷却方法が採用できる。更に、
得られるシートの透明性をより向上させるために、シー
ト成形時のT−ダイから押出された溶融樹脂の冷却温度
を60℃以下、特に、40℃以下とすることが好まし
い。
されないが、通常、0.2〜3mm程度の範囲が一般的
である。
に優れた特性を有するため、これを熱成形することによ
り、かかる特性を反映し、透明性と剛性に著しく優れ、
また、偏肉やしわのない熱成形品を効率よく製造するこ
とができる。
形、圧空成形、真空圧空成形等の公知の熱成形方法が何
等制限なく採用できる。熱成形時の加熱方法に関しても
特に限定されず、例えば、直接熱版で加熱する方法や遠
赤外線ヒーターで加熱する方法等が挙げられる。
弁当箱型、丼型、プリン型容器、或いは、これら容器の
蓋材等、目的に応じて任意に選択することができる。
明の熱成形用ポリプロピレン系樹脂シートは、透明性、
剛性、熱成形性に優れ、しかも、それらの物性バランス
が良好であり、熱成形時の成形精度、生産性等において
優れた特性を発揮する。
極めて優れるため、各種透明包装材料として使用でき、
特に食品分野における透明容器、蓋材等として、好適に
使用することができる。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
脂原料及び透明核剤としては以下のものを使用した。 (A−1)プロピレン単独重合体:メルトフローレイト
1.7g/10分 A−1製造例 〔固体チタン化合物の調製〕固体チタン化合物の調製法
は、特開昭58−83006号公報の実施例1の方法に
準じて行った。即ち、無水塩化マグネシウム0.95g
(10mmol)、デカン10ml、及び2−エチルヘ
キシルアルコール4.7ml(30moml)を125
℃で2時間加熱撹拌した。この溶液中に無水フタル酸
0.55g(6.75mmol)を添加し、125℃に
て更に1時間撹拌混合を行い均一溶液とした。室温まで
冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタン40m
l(0.36mol)中に1時間にわたって全量滴下装
入した。その後、この混合溶液の温度を2時間かけて1
10℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチ
ルフタレート0.54mlを添加し、これより2時間1
10℃にて撹拌下に保持した。2時間の反応終了後、濾
過し固体部を採取し、この固体部を200mlのTiC
l4にて再懸濁させた後、再び110℃で2時間の加熱
反応を行った。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採
取し、デカン及びヘキサンにて、洗液中に遊離のチタン
化合物が検出されなくなるまで十分洗浄した。固体チタ
ン化合物の組成はチタン2.1重量%、塩素57重量
%、マグネシウム18重量%、及びジイソブチルフタレ
ート21.9重量%であった。 〔予備重合〕N2置換を施した内容積1lのオートクレ
ーブに、精製n−ヘキサン200ml、トリエチルアル
ミニウム50mmol、ジフェニルジメトキシシラン1
0mmol及び固体チタン化合物成分をTI原子換算で
5mmol装入した後、プロピレンを固体チタン触媒成
分1gに対し約3gとなるように30分間連続的にオー
トクレーブに導入した。なお、この間の温度は10℃に
保持した。30分後に反応を停止し、オートクレーブ内
をN2で充分に置換した。得られたスラリーの固体部分
を精製n−ヘキサンで4回洗浄し、固体チタン触媒を得
た。該固体チタン触媒を分析した結果、固体チタン化合
物成分1gに対し2.1gのプロピレンが重合されてい
た。 〔本重合〕N2置換を施した内容積400lの重合槽
に、プロピレンを100kg装入し、トリエチルアルミ
ニウム75mmol、シクロヘキシルメチルジメトキシ
シラン7.5mmol、更に水素ガスを装入した後、重
合槽の内温を65℃に昇温し、上記予備重合で得られた
固体チタン触媒をTi原子として0.25mmol装入
した。続いて重合槽の内温を70℃まで昇温し2時間の
重合を行った。重合終了後、未反応プロピレンをパージ
し、白色顆粒状のプロピレン単独重合体A−1を得た。
得られた重合体は70℃で1時間の乾燥を行った。 (A−2)プロピレン単独重合体:メルトフローレイト
7.0g/10分 A−2製造例 A−1の製造において、本重合時の水素濃度を変更した
以外は、A−1製造例と同様の操作を行って、A−2を
得た。 (A−3)プロピレン−エチレンランダム共重合体:メ
ルトフローレイト2.0g/10分、エチレン含量3.
5重量% (A−4)プロピレン−エチレンランダム共重合体:メ
ルトフローレイト6.5g/10分、エチレン含量3.
5重量% A−3、A−4製造例 A−1の製造において、本重合時の水素濃度を調整し、
また、本重合時、重合槽にエチレン導入した以外は、A
−1製造例と同様の操作を行って、A−3及びA−4を
得た。 (A−5)プロピレン単独重合体:メルトフローレイト
1.9g/10分 〔予備重合〕N2置換を施した内容積1lのオートクレ
ーブに、精製n−ヘキサン400ml、酢酸ブチル0.
18mmol、ヨウ化エチル22.7mmol、ジエチ
ルアルミニウムクロライド18.5mmol、及び三塩
化チタン(丸紅ソルベイ化学社製)22.7mmolを
加えた後、プロピレンを三塩化チタン1g当たり3gと
なるように30分間連続的に反応器に導入した。なお、
この間の温度は10℃に保持した。30分後に反応を停
止し、オートクレーブ内をN2で充分に置換した。得ら
れたスラリーの固体部分を精製n−ヘキサンで4回洗浄
し、固体チタン触媒を得た。分析の結果、三塩化チタン
1g当たり2.9gのプロピレンが重合されていた。 〔本重合〕上記予備重合で得られた固体チタン触媒を用
い、以下の多段重合を行った。
00lの重合槽に、プロピレンを100kg装入し、ジ
エチルアルミニウムクロライド140mmol、エチル
アルミニウムセスキエトキシド(Et1.5Al1.5(OE
t)1.5)140mmolを加え、重合槽の内温を65
℃に昇温し、上記予備重合で得られた固体チタン触媒を
Ti原子として4.9mmol加え、続いて重合槽の内
温を70℃まで昇温し90分の重合を行った。引き続
き、重合槽中に酢酸ブチル28mmol及び水素を導入
し、さらに1時間の重合を行った。重合終了後、未反応
プロピレンをパージし、白色顆粒状のプロピレン単独重
合体A−5を得た。得られた重合体は70℃で1時間の
乾燥を行った。 (A−6)プロピレン単独重合体:メルトフローレイト
2.3g/10分 A−6製造例 A−5製造例の本重合で使用する酢酸ブチルの使用量を
2.8mmolとした以外は、A−5製造例と同様にし
てプロピレン単独重合体A−6を得た。 (B−1)1・3−(ジメチルベンジリデン)−2・4
−ベンジリデンソルビトール(商品名ゲルオールDH、
新日本理化社製) (B−2)1・3,2・4−ジ(4−メチルベンジリデ
ン)ソルビトール(商品名ゲルオールMD、新日本理化
社製) (B−3)ビス(2,4,8,10−テトラ−t−ブチ
ル−ヒドロキシ−12H−ジベンゾ[d,g][1,
3,2]ジオキサホスホシン−6−オキシド)水酸化ア
ルミニウム(商品名NA−21、旭電化工業社製) また、実施例において用いた測定方法について説明す
る。 (1)メルトフローレイト(以下、MFRと略す。) JIS K 7210に準拠した。 (2)昇温溶離分別法 (株)センシュー科学社製、SSC−7300型を用
い、以下の測定条件により行った。
esh カラム冷却速度;2.0℃/Hr (3)透明性(ヘイズ値) JIS K 6714に準拠した。 (4)引張弾性率 JIS K 7113に準拠した。 (5)ドローダウン時間 得られた熱成形用シートをクランプ枠(400mm×4
00mm)に挟み、300℃に設定した遠赤外線ヒータ
ーで上下から加熱した。加熱されたシートは一旦垂れ下
がり、垂れ戻った後、再び垂れ下がる。垂れ戻った位置
(時間T1)からのシートの垂れ量が、10mm(時間
T2)となるまでの時間を測定し、ドローダウン時間と
した。
成形時の成形条件範囲が広いシートの指標となる。 (6)熱成形性 得られた熱成形用シートについて、コスミック成形機F
K−0431−40(浅野製作所製)により、ヒーター
温度350℃、真空度700mg/Hg、圧空度5kg
/cm2で真空圧空成形を行い、開口部200mm×2
00mm、底部180mm×180mm、深さ50mm
の丼容器を作成した。本容器を50個作成し、目視によ
りシワや偏肉の発生したものを不良品とし、不良品の数
により以下の判定を行い、熱成形性の評価とした。
レンジで一定時間加熱を行い、サラダ油の温度を上昇さ
せた。加熱後、サラダ油を攪拌し、温度を測定した後、
1分間放置し、サラダ油を容器から出し、容器の変形を
確認した。加熱前、底部と水平であった容器上部の縁
が、熱変形により水平から角度10°以上にずれた時の
温度を電子レンジ耐熱温度とした。
を、T−ダイを備えた65mmφ二軸押出機で、ダイ温
度250℃で溶融押出を行い、金属ロール表面が鏡面処
理された、3段ロール式の冷却ユニットにより、ロール
温度40℃でシート成形を行い、厚み0.35mmのシ
ートを得た。更に、得られたシートについてコスミック
成形機FK−0431−40(浅野製作所製)により、
ヒーター温度350℃、真空度700mg/Hg、圧空
度5kg/cm2で真空圧空成形を行い、熱成形品を得
た。得られたシート及び熱成形品についての評価結果を
表2に示した。 実施例2〜11、比較例1〜6 使用するポリプロピレン系樹脂組成物を、表1に記載し
た配合に変更した以外は、実施例1と同様の操作により
熱成形用シート及び熱成形品の製造を行った。得られた
シート及び熱成形品についての評価結果を表2に示し
た。
Claims (2)
- 【請求項1】 (1)メルトフローレイトが0.1〜5
g/10分、(2)昇温溶離分別法により分別された溶
出成分について、20℃未満での溶出成分(A成分)の
量が0〜10重量%、20℃以上110℃未満での溶出
成分(B成分)の量が15〜70重量%、110℃以上
での溶出成分(C成分)が30〜85重量%、且つ、C
成分に於けるピークトップ温度が120℃以上、である
ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して透明核剤
0.05〜1重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組
成物よりなることを特徴とする熱成形用ポリプロピレン
系樹脂シート。 - 【請求項2】 請求項1記載の熱成形用ポリプロピレン
系樹脂シートよりなる熱成形品。
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