JP2004307671A - 高強度・高透明性ポリプロピレンシート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結晶核剤を配合して成形したポリプロピレンシートで、弾性率1.2GPa以上、破断強さ90MPa以上であり、ヘーズ値が11%以下であることを特徴とする透明性ポリプロピレンシート、及びポリプロピレンに結晶核剤を配合し、シートを押出成形し、ポリプロピレンの融点をTmとしたとき、(Tm−90)℃以上で、(Tm−40)℃以下の温度のチルロール表面で結晶化したシートを、周波数1Hzの非共振強制振動法動的粘弾性温度曲線における損失係数の結晶分散ピーク温度をαcとしたときに、(αc−30)℃から(αc+20)℃の温度範囲で圧延加工して、弾性率1.2GPa、最大応力90MPa以上であり、ヘーズ値が11%以下であることを特徴とする透明性ポリプロピレンシートの製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明で、機械的強度を有する厚物のアイソタクチックポリプロピレンシート及びその製造方法に関するものである。このアイソタクチックポリプロピレンシートは、例えば、結束用テープ、重包装用シート、文房具シート等の各種シート、ファイルケースや、カード類として使用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン、ポリエステル等の未配向フィルムを延伸することで、透明性のよいフィルムを得ることができる(特許文献1)。しかし、延伸加工では、比較的薄いフィルムの場合に加工が成功しても、厚物のシートでは、不均一な変形が生じて、表面状態も良好な透明性のシートを得ることは困難であった。このようなことから、圧延工程を行った後に延伸し、その延伸前には熱処理を施すことが要求される(特許文献2)。厚物のシートを圧延加工して配向効果をもたらすことも行われている(特許文献3)。その操作は、比較的煩雑な操作を必要とされる。しかしながら、通常、大きな圧延圧下力が必要であり、装置上の制約があり、また、加工時に材料表面にも無理な荷重が加わり、十分に良好な表面状態、透明性が得られないという問題もあった。さらに、低結晶化度の結晶性樹脂シートを高剛性化するため、樹脂シートを特定の温度で直接加熱するアニール処理すること、又、間接加熱することが行われる(特許文献4)。
アイソタクチックポリプロピレンについては、密度が0.91g・cm−3であり、プラスチックの中で最も小さく、しかも機械的性質はポリエチレンに比べて勝れている。半透明であり、表面硬度が大きく傷つきにくいなどの、シートとして好ましい特性を有している(非特許文献1から3)。この優れている特性に着目し、弾性率、破断強さ、及びヘーズ値の点でより好ましい材料とし、さらに、透明性を有する材料とすることが、望まれている。
このアイソタクチックポリプロピレンに従来知られている成形加工の条件を適用しても、望ましい材料を得ることはできない。
【0003】
【特許文献1】特開平10−329207
【特許文献2】特開平10−272687
【特許文献3】特公昭55−31725
【特許文献4】特開平10−217342
【非特許文献1】大木道則ら編化学大辞典1998・6・1株式会社東京化学同人発行2251頁
【非特許文献2】
栗原福次編、高分子材料大百科、1999・7・30日刊工業株式会社発行205頁
【非特許文献3】
Polymer Handbook 4版 1999JohnWiley&Sons,Inc.発行 v/21〜V/28、V/160
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、アイソタクチックポリプロピレンのシートに関し、透明性を有し、機械的強度を有する、優れた材料及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、アイソタクチックポリプロピレンに、特定の結晶核剤を添加した後に、特定の条件下に溶融、冷却結晶化及び圧延加工すると、圧延倍率の高い条件下に圧延することができること、又、高い圧延倍率の場合には、ヘーズ値が低いものが得られることを見出し、又、前記課題を解決できることを見いだして、本発明を完成させた。
具体的には、アイソタクチックポリプロピレンに特定の結晶核剤を配合した後に、Tダイからシート状に溶融押出し、前記ポリプロピレンの融点をTmとしたとき、(Tm−90)℃以上で、(Tm−40)℃以下の温度のチルロール表面で結晶化させて、アイソタクチックポリプロピレンからなるシートを得る。
このシートを、周波数1Hzの非共振強制振動法動的粘弾性温度曲線における損失係数の結晶分散ピーク温度をαcとしたときに、(αc−30)℃から(αc+20)℃の温度範囲で圧延加工することにより、弾性率1.2GPa以上、最大応力90MPa以上であり、ヘーズ値が11%以下である、透明性を有し、機械的性質に優れたアイソタクチックポリプロピレンからなるシートを得ることができることを見いだして、本発明を完成させた。
【0006】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)透明であり、弾性率1.2GPa以上、破断強さが90MPa以上、ヘーズ値が11%以下である、成形されているアイソタクチックポリプロピレンシートからなることを特徴とするアイソタクチックポリプロピレンシート。
(2)前記成形されているアイソタクチックポリプロピレンシートが、アイソタクチックポリプロピレンに結晶核剤を配合し、Tダイからシート状に溶融押出し、ポリプロピレンの融点をTmとしたとき、(Tm−90)℃以上で、(Tm−40)℃以下の温度のチルロール表面で結晶化させたシートを、周波数1Hzの非共振強制振動法動的粘弾性温度曲線における損失係数の結晶分散ピーク温度をαcとしたときに、(αc−30)℃から(αc+20)℃の温度範囲で圧延加工して、得られるものであることを特徴とする(1)記載のアイソタクチックポリプロピレンシート。
(3)前記圧延加工が、長さL1の未配向シートを圧延して、長さL2にしたときに、圧延倍率λ(=L2/L1)を2.3以上であることを特徴とする(2)記載のアイソタクチックポリプロピレンシート。
(4)アイソタクチックポリプロピレンに結晶核剤を配合し、Tダイからシート状に溶融押出し、ポリプロピレンの融点をTmとしたとき、(Tm−90)℃以上で、(Tm−40)℃以下の温度のチルロール表面で結晶化させてシートを製造し、周波数1Hzの非共振強制振動法動的粘弾性温度曲線における損失係数の結晶分散ピーク温度をαcとしたときに、(αc−30)℃から(αc+20)℃の温度範囲で圧延加工することを特徴とするアイソタクチックポリプロピレンシートの製造方法。
(5)前記圧延加工が、長さL1の未配向シートを圧延して、長さL2にしたときに、圧延倍率λ(=L2/L1)を2.3以上であることを特徴とする(4)記載のアイソタクチックポリプロピレンシートの製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルムの素材としては、アイソタクチックポリプロピレンが用いられる。製造工程から得られる粉末のアイソタクチックポリプロピレンのほか、ペレット状のアイソタクチックポリプロピレンを用いることができる。未処理のアイソタクチックポリプロピレンは、半透明性であり、機械的強度も低い。
【0008】
本発明では、粉末状又はペレット状のアイソタクチックポリプロピレンに、結晶核剤が添加される。
結晶核剤には、ソルビトール系化合物、ロジン系化合物、安息香酸塩系化合物、有機リン酸塩系化合物などがあり、これらの中ののいずれを用いてもよい。
ソルビトール系化合物には、ジベンジリデンソルビトール、ビス(4−エチルベンジリデンソルビトールなどを挙げることができる。
ロジン系化合物には、ジヒドロアビエチン酸金属塩などを挙げることができる。
安息香酸塩系化合物には、ヒドロキシ−ジ−(4−tert−ブチル安息香酸)アルミニウムなどを挙げることができる。
有機リン酸塩化合物には、リン酸ビス(4−tert−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウム塩、メチルビス(2,4−tert−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウム塩などを挙げることができる。
これらの結晶核剤は、粉体状で用いられ、ペレットに対して重量比で0.1%から1%、好ましくは、0.3%から0.8%配合される。
【0009】
ペレット状又は粉末状のアイソタクチックポリプロピレンに、結晶核剤を混合した状態で、溶融処理を行う。
溶融温度は、融点以上の温度が設定される。
加熱温度は、アイソタクチックポリプロピレンの融点である160℃以上の温度が設定される。通常、融点の40℃以上の値が採用される。上限は、熱分解温度を考慮して、適宜設定される。必要以上に高温度とする必要はない。
溶融操作は、通常のプラスチック加工で用いられる条件が採用される。溶融装置には、スクリュー混練装置が用いられる。二軸スクリューの押出機を有し、加熱溶融するすることができるように加熱手段を有している。
結晶核剤を予めドライブブレンドしたアイソタクチックポリプロピレンが、ホッパーから供給される。
溶融混練した後に、Tダイからシート状で、溶融押出される。
【0010】
溶融混練した後に、Tダイからシート状に溶融押出されたアイソタクチックポリプロピレンシートは、ロール上に導かれ、冷却されて結晶化される。
設定温度は、ポリプロピレンの融点をTmとしたとき、(Tm−90)℃以上で、(Tm−40)℃以下の温度である。溶融混練して得られる生成物を、冷却結晶化させる温度としては、特別の範囲にあるというものではない。この温度範囲未満であると、十分な結晶成長が起こらず、この温度範囲を超えると、固化が遅くなり、シート成形が困難となる。
この状態で得られるシートの厚さは、適宜選択できるが、一般には、1.2mm以上であり、上限も適宜選択できるが、5mmの程度であれば、十分に対応することができる。
【0011】
前記のシートを、圧延加工する。この圧延加工では、どの程度の範囲の温度で処理するかという温度管理が、重要である。
本発明では、アイソタクチックポリプロピレンを、「周波数1Hzの非共振強制振動法動的粘弾性温度曲線における損失係数の結晶分散ピーク温度をαcとしたときに、(αc−30)℃から(αc+20)℃の温度範囲」で圧延加工を行う。
「周波数1Hzの非共振強制振動法動的粘弾性温度曲線」とは、シートに周波数1Hzの正弦波の応力を加えたときの応答としての歪みを正弦波として測定し、応力の振幅と歪の振幅から求める動的弾性率と、応力と歪の位相角δから求まる損失係数tanδとを測定温度に対してプロットした曲線であり、通常、引張りモードの動的粘弾性測定装置により測定される。
「損失係数」は、高分子の分子運動の度合を表す。
「結晶分散ピーク温度」は、「結晶領域の分子鎖どおしの滑りが盛んになる温度」を意味する。
結局、前記の「周波数1Hzの非共振強制振動法動的粘弾性温度曲線における損失係数の結晶分散ピーク温度をαcとしたときに、(αc−30)℃から(αc+20)℃の温度範囲」とは,ポリプロピレンの結晶自体が変形するために良好な範囲であるということができる。この程度で処理することは、ポリプロピレンの圧延方法の温度としては、特異的な温度範囲ではない。
実施例では、αcは110℃を採用している。
本発明の圧延加工では、圧延倍率(λ)として、2.3倍以上、好ましくは、λが4以上の変形を与える。具体的には、長さL1の未配向シートを圧延して、長さL2にしたときに、圧延倍率λ(=L2/L1)を2.3以上であることを、意味する。
この程度の条件の下で圧延すると、分子鎖を高度に配向させることができる。
【0012】
前記特定の温度範囲に関し、本発明で規定される「結晶核剤を配合して成形したアイソタクチックポリプロピレンシート」に、適用したことにより、結晶核剤を混合して結晶化したポリプロピレンシートの微小な球晶を圧延操作により、さらに微細なラメラ結晶に細分化することが可能となったものである。
通常の薄いフィルム成形において、結晶核剤を配合して成形すると、多数の微小な球晶が形成され、可視光の散乱は少なく、透明性がよりフィルムが得られることが通例であるが、厚物シートにおいては、このようなこは当てはまらない。すなわち、微細な球晶の厚さ方向の積層構造が可視光を散乱して、十分な透明性は確保できない結果となる。
本発明の結晶核剤を配合して成形した厚物のシートで、シート厚さが大きいにもにもかかわらず、優れた透明性を有する理由は、圧延により微細な球晶が破壊され、数ナノメーターの厚さを有するラメラ結晶に細分化され、もはや可視光は散乱されなくなるものと考えられる。
さらに、結晶核剤を配合して、結晶化したシートの圧延では、圧延に際して、結晶の滑りのために平均圧延圧力は低く抑えられ、無理なく分子が配向して、ボイド等の発生も抑制され、優れた透明性を付与できるものと考えられる。
また、本発明のシートが高い破断強さを示す理由は結晶鎖が高度に配列し、さらに、非晶鎖も高度に配列した構造であり、ボイド等の欠陥も少ない構造を付与できるためと考えられる。すなわち、本発明により得られる、透明性を有し、機械的強度及び機械的特性を有する、厚物の「アイソタクチックポリプロピレンシート」を得ることができたのは、「結晶核剤を配合して成形したアイソタクチックポリプロピレンシート」を、特定の温度条件下に圧延操作を施したことによるによるものと考えられる。
本発明による方法では、結晶核剤を配合するので、平均圧延圧力も低い値でも圧延することができ(図1)、また、高度の圧延倍率まで圧延が可能であることがわかる(図1)。さらに、結晶核剤を配合して、結晶化したシートの圧延では、圧延に際して、結晶の滑りのために平均圧延圧力は低く抑えられ、無理なく分子を配向することができるので、ボイド等の発生も抑制され、良好な値のものが、得られる(図1)。
また、圧延倍率を高くすることができることが好ましいことは、前記の通りであるが、圧延倍率を高くすることによりヘーズ値も低い値のものが得られることが、わかる(図2)。
表1は、得られたシートの23℃における引張試験の結果を示す。前記圧延操作により、強度、弾性率ともに、大きく向上していることがわかる。
【0013】
本発明によれば、「弾性率1.2GPa以上、破断強さが90MPa以上であり、ヘーズ値が11%以下であり、成形されているアイソタクチックポリプロピレンシート」が得られる。実施例1では、 一軸方向に圧延倍率(λ)が7.6倍の条件で圧延加工したところ、表面状態の良好な、透明性の良好なシートを得ることができ、このフィルムの23℃においての長手方向の破断応力は370MPaで、弾性率は3.55GPaであった。
本発明では、結晶核剤を用いるので、高い圧延倍率を採用できる結果、平均圧延圧力として低い値においても行うことができ、また、圧延倍率を高くすることができるので、低いヘーズ値のものを得ることができる。
以上の特性を有する本発明のアイソタクチックポリプロピレンシートは、結束用テープ、重包装用シート、文房具シート、ファイルケース等の各種シートや、カード類の加工用材料として有利に使用することができる。
【0014】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。本発明は、これに限定されるものではない。
【0015】
実施例1
原料のアイソタクチックポリプロピレンとして、チッソ石油化学製チッソPP K1011のペレットを用いた。結晶核剤として、ロジン系結晶核剤であるジヒドロアビエチン酸金属塩(荒川化学工業(株)製KM1500)を用いた。
前記ポリプロピレンペレットに結晶核剤を0.3重量%配合し、二軸押出機で240℃に加熱溶融、混練したのち、幅60mm、隙間2mmのT−ダイからシート状に押出し、80℃に設定したチルロールを介して、結晶化、及び冷却操作後に巻き取った。
こうして得られた厚さ約1.5mmのシートの周波数1Hzの非共振強制振動法動的粘弾性温度曲線における損失係数の結晶分散ピーク温度αcは120℃であった。このシートを所定の温度(110℃)に加熱した圧延ロールで、一軸方向に圧延倍率(λ)として7.6倍に圧延加工したところ、表面状態が良好であり、透明なシートを得ることができた。
このフィルムの23℃における長手方向の破断応力は370MPaで、弾性率は3.55GPaであった。ヘーズ値は、2.7%であった。
【0016】
実施例2
実施例1において、ポリプロピレンシートの圧延倍率を変えた条件で、圧延した際の、平均圧延圧力と圧延倍率の関係を測定し、その結果を図1に示した。
比較例として、結晶核剤を配合しない場合のポリプロピレンシートの平均圧延圧力も示した。圧延倍率を高くすると、平均圧延圧力は予定されるより低い値で圧延ができることを示している。また、比較例と実施例を比較すると、
結晶核剤を配合した場合(実施例)は、 結晶核剤を配合しない場合(比較例)と比較して、平均圧延圧力は小さい値で行うことができることを示している。すなわち、本発明による方法では、平均圧延圧力も低い値で行うことができ、また、高度の圧延倍率まで圧延が可能であることがわかる。
また、図2には、圧延シートのヘーズ値と圧延倍率の関係を示した。また、比較例として、結晶核剤を配合していないニートなポリプロピレンを、用いた場合を示した。圧延倍率を高くすると、ヘーズ値を低い値とすることができることを示している。又、本発明のアイソタクチックポリプロピレンを用いる場合(実施例)では、ニートなポリプロピレンを用いる場合と比較して、低い値のヘーズ値のシートが得られることを示している。
さらに、表1に、得られたシートの23℃における引張試験の結果を示す。圧延倍率を大きくすると、それに応じて強度、弾性率ともに、大きく向上していることがわかる。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】
本発明で得られるアイソタクチックポリプロピレンシートは、結晶性で、かつ、シート厚さがおおきいにもかかわらず、透明性に優れたものであり、「弾性率1.2GPa以上、破断強さが90MPa以上であり、ヘーズ値が11%以下であり、成形されているアイソタクチックポリプロピレンシート」(機械特性が高いもの)が得られる。
又、本発明のアイソタクチックポリプロピレンシートの製造方法によれば、特定の結晶核剤を添加するので、圧延倍率の高い条件下に圧延することができること、又、高い圧延倍率の場合にはヘーズ値が低いものが得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧延倍率と平均圧延圧力の関係を示す図
【図2】圧延倍率とへーズ値の関係を示す図
Claims (5)
- 透明であり、弾性率1.2GPa以上、破断強さが90MPa以上、ヘーズ値が11%以下である、成形されているアイソタクチックポリプロピレンシートからなることを特徴とするアイソタクチックポリプロピレンシート。
- 前記成形されているアイソタクチックポリプロピレンシートが、
アイソタクチックポリプロピレンに結晶核剤を配合し、Tダイからシート状に溶融押出し、ポリプロピレンの融点をTmとしたとき、(Tm−90)℃以上で、(Tm−40)℃以下の温度のチルロール表面で結晶化させたシートを、周波数1Hzの非共振強制振動法動的粘弾性温度曲線における損失係数の結晶分散ピーク温度をαcとしたときに、(αc−30)℃から(αc+20)℃の温度範囲で圧延加工して、得られるものであることを特徴とする請求項1記載のアイソタクチックポリプロピレンシート。 - 前記圧延加工が、長さL1の未配向シートを圧延して、長さL2にしたときに、圧延倍率λ(=L2/L1)を2.3以上であることを特徴とする請求項2記載のアイソタクチックポリプロピレンシート。
- アイソタクチックポリプロピレンに結晶核剤を配合し、Tダイからシート状に溶融押出し、ポリプロピレンの融点をTmとしたとき、(Tm−90)℃以上で、(Tm−40)℃以下の温度のチルロール表面で結晶化させてシートを製造し、周波数1Hzの非共振強制振動法動的粘弾性温度曲線における損失係数の結晶分散ピーク温度をαcとしたときに、(αc−30)℃から(αc+20)℃の温度範囲で圧延加工することを特徴とするアイソタクチックポリプロピレンシートの製造方法。
- 前記圧延加工が、長さL1の未配向シートを圧延して、長さL2にしたときに、圧延倍率λ(=L2/L1)を2.3以上であることを特徴とする請求項4記載のアイソタクチックポリプロピレンシートの製造方法。
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