JP2001002476A - アルミニウム−炭化珪素系複合材料およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム−炭化珪素系複合材料およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放熱基板、特に半導体装置に有用な高い熱伝
導率のAl−SiC系の炭化珪素系複合材料を提供す
る。 【解決手段】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなる第一成分と、炭化珪素粒子からなる第二成分とを
主成分とするアルミニウム−炭化珪素系複合材料であっ
て、炭化珪素を50〜80重量%含み、気孔率が1〜4
%、25℃の熱伝導率が230W/m・K以上のアルミ
ニウム−炭化珪素系複合材料である。この材料は、第一
成分と第二成分との混合粉末を調製し、同混合粉末を成
形し成形体とし、同成形体を第一成分の融点以上の温度
で加熱して開気孔率が閉気孔率より高い多孔質の焼結体
とした後、同焼結体を熱間鍛造するかまたはそれを容器
に封入して第一成分の融点以上の温度でHIP処理する
方法で得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高熱伝導性の炭化
珪素粉末、同粉末粒子を金属マトリックス中に分散させ
た各種装置・機器、特に半導体装置の放熱基板に有用な
複合材料および同複合材料を用いた半導体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年半導体装置の高速演算・高集積化に
対する市場の要求は急速に高まりつつある。それととも
に、同装置の半導体素子搭載用放熱基板には、同素子か
ら発生する熱をより一層効率良く逃がすため、その熱伝
導率のより一層の向上が求められてきた。さらに同素子
ならびに同基板に隣接配置された同装置内の他の部材
(周辺部材)との間の熱歪みをより一層小さくするため
に、より一層それらに近い熱膨張係数を有するものであ
ることも求められてきた。 具体的には、半導体素子と
して通常用いられるSi、GaAsの熱膨張係数がそれ
ぞれ4.2×10-6/℃、6.5×10-6/℃であり、
半導体装置の外囲器材として通常用いられるアルミナセ
ラミックスのそれが6.5×10-6/℃程度であること
から、同基板の熱膨張係数はこれらの値に近いことが望
まれる。
【0003】また近年のエレクトロニクス機器の応用範
囲の著しい拡張にともない、半導体装置の使用範囲はよ
り一層多様化しつつある。その中で、高出力の交流変換
機器・周波数変換機器等のいわゆる半導体パワーデバイ
ス機器への利用が増えつつある。これらのデバイスで
は、半導体素子からの発熱が半導体メモリーやマイクロ
プロセッサーに比べ数倍から数十倍(通常例えば数十W)
にも及ぶ。このためこれらの機器に使われる放熱基板
は、その熱伝導率を格段に向上させるとともに、その熱
膨張係数の周辺部材のそれとの整合性を高めることが重
要である。したがってその基本構造も、通常は例えば以
下のようになっている。まずSi半導体素子を第一の放
熱基板である高熱伝導性の窒化アルミニウム(以下単に
AlNとも言う)セラミック基板上に載せる。次いでそ
の第一の放熱基板の下に銅等のより高熱伝導性の金属か
らなる第二の放熱基板を配置する。さらにこの第二の基
板の下に、これを水冷または空冷可能な放熱機構を配置
する。以上のような構造によって外部に遅滞なく熱を逃
がす。したがって複雑な放熱構造とならざるを得ない。
この構造においては、第一の放熱基板であるAlNセラ
ミックスに170W/m・K程度のものを用いるとする
と、第二の放熱基板は、この第一の基板から伝達された
熱をその下の放熱機構に遅滞なく逃がす必要がある。こ
のため第二の基板としては、室温で少なくとも200W
/m・K以上の高い熱伝導率と第一の基板との熱膨張係
数の整合のため、10×10-6/℃以下、特に8×10
-6/℃以下の低い熱膨張係数を有するものが要求され
る。
【0004】またこのような基板には、従来より例えば
Cu−W系やCu−Mo系の複合合金からなるものが用
いられてきた。これらの基板は、原料が高価なためにコ
スト高になるとともに重量が大きくなるという問題があ
った。そこで、最近は安価で軽量な材料として各種のア
ルミニウム(以下単にAlとも言う)複合合金が注目され
るようになってきた。中でもAlと炭化珪素(以下単に
SiCとも言う)を主成分とするAl−SiC系複合合
金は、それらの原料が比較的安価であり、軽量かつ高熱
伝導性である。なお通常市販されている純粋なAl、S
iC単体の密度は、それぞれ2.7g/cm3程度、
3.2g/cm3程度、熱伝導率は、それぞれ240W
/m・K程度、200〜300W/m・K程度までであ
るが、さらにその純度や欠陥濃度を調整すれば、その熱
伝導率のレベルはさらに向上するものと思われる。その
ため、特に注目されている材料である。また純粋なSi
C単体、Al単体の熱膨張係数はそれぞれ4.2×10
-6/℃程度、24×10-6/℃程度であり、それらを複
合化することによって、その熱膨張係数が広い範囲で制
御可能となる。したがってこの点でも有利である。
【0005】かかるAl−SiC系複合合金およびその
製造方法については、(1)特開平1−501489号公
報、(2)特開平2−343729号公報、(3)特開昭6
1−222668号公報および(4)特開平9−1577
73号公報に開示されている。(1)は、SiCとAlの
混合物中のAlを溶融させて鋳造法によって固化する方
法に関するものである。 (2)、(3)は、いずれもSi
C多孔体の空隙にAlを溶浸する方法に関するものであ
る。この内(3)は、加圧下でAlを溶浸する、いわゆる
加圧溶浸法に関するものである。また(4)は、SiCと
Alの混合粉末の成形体かまたはそれをホットプレスし
たものを型内に配置し、これを真空中、Alの融点以上
の温度で液相焼結する方法に関するものである。
【0006】特開平10−335538号公報には、
(5)液相焼結法によって得られ、その熱伝導率が180
W/m・K以上のアルミニウム−炭化珪素系複合材料が
開示されている。この複合材料は、例えば10〜70重
量%の粒子状SiC粉末とAl粉末との混合粉末を成形
した後、99%以上の窒素を含み、酸素濃度が200p
pm以下、露点が−20℃以下の非酸化性雰囲気中、6
00〜750℃で焼結する工程によって得られる。ま
た、特開平10−280082号公報には、(6)その熱
膨張係数が18×10-6/℃以下、その熱伝導率が23
0W/m・K以上であり、焼結後の寸法が実用寸法に近
い、いわゆるネットシェイプなアルミニウム−炭化珪素
系複合材料も提示している。本発明者等は、特願平11
−28940号にて、(7)常圧焼結法とHIP法とを組
み合わせた同複合材料の製造方法を提案している。それ
によれば、例えば粒子状SiCを10〜70重量%混合
したAl−SiC系混合粉末の成形体を、窒素ガスを9
9%以上含む非酸化性雰囲気中、600℃以上、Alの
溶融温度以下の温度範囲で常圧焼結し、その後金属容器
に封入して700℃以上の温度でHIPすることによっ
て、均質でその熱伝導率が200W/m・K以上のアル
ミニウム−炭化珪素系複合材料が得られている。
【0007】さらに(8)特開平9−157773号公報
には、Al粉末とSiC粉末との混合物をホットプレス
し、成形と焼結とを同時に行う方法が開示されている。
その方法は、Al10〜80体積%、残部SiCの混合
粉末を成形し、Alの溶融点以上の温度下500kg/
cm2以上の圧力でホットプレスするものである。この
方法によって150〜280W/m・Kの熱伝導率のア
ルミニウム−炭化珪素系複合材料が得られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたような複合
材料を大きな放熱量を要求される基板、特に半導体パワ
ーデバイス用の基板のように実用サイズが比較的大きく
放熱量の多い放熱基板として使用するためには、以下に
述べる解決すべきいくつかの課題が残っている。例えば
上記(1)に記載のAl−SiC系複合材料の製造方法で
は、Al溶湯を鋳型に流し込み、SiC粒子を分散させ
て固化する鋳造法を用いる。したがってAlとSiCの
密度差により冷却時に成形体中のSiC粒子の偏析が生
じ、固化体の組成が不均一になり易い。このため固化体
の表面がAlまたはAl合金からなる被覆層(以下この
層をAl被覆層とも言う)により覆われるのは避けられ
ない。通常この被覆層の厚みは、固化体の表面の部所に
よってかなりばらつく。さらにこの被覆層からなる固化
体の表面部とその内部との間では熱膨張係数にかなり差
があるため、両者の界面に熱が伝わるとそこに熱応力が
生じることになる。 それ故この被覆層を残してこの素
材を半導体素子搭載用の放熱基板に用いると、発生した
熱応力によって基板に反りや変形が生じ、その結果半導
体素子や周辺部材と基板との間に亀裂が生じたり、半導
体素子や周辺部材が変形したり、破壊したりする。した
がって、この被覆層は予め完全に除去する必要がある。
しかもこの除去は、上記のように被覆層の厚みにばらつ
きがあるため、軟質延性のAlを主成分とする相と剛性
の高いSiCを含む相とが共存する部分の加工となる。
したがって難加工となる。
【0009】上記(2)および(3)のAl−SiC系複合
材料の製造方法では、AlがSiC多孔体の空隙に溶浸
される。この場合鉄鋼の鋳造時に発生するような溶融A
lの引け巣を防ぎ、またSiCの空隙内にAlを完全に
充填して緻密な複合合金を得る必要がある。このため通
常SiC多孔体の外周に過剰なAlが溶浸剤として配置
される。溶浸後この過剰なAlが溶浸体の外周に溶出固
着し、その除去に多大の手間がかかる。また予めAlと
SiCを主成分とする混合粉末を成形し、焼結する上記
(5)に記載された方法でもAlの融点を越える温度で焼
結すると、軽度ではあるがこれと同じ現象が生じる。
【0010】そこでこのような外周へのAlの溶出固着
を防止するために、上記(6)に記載されたように、Al
を溶浸する前にSiC多孔体の外周にその溶出防止剤と
同溶浸を促す溶浸促進剤との混合物からなる薄い層を塗
布・形成することも一策ではある。しかしながらこれら
の層の塗布および溶浸後の除去には手間がかかる。
【0011】また上記(3)の加圧溶浸法では、一軸加圧
可能な型内にSiC多孔体を配置し、その上部にAlま
たはAl合金を置いて、真空中でAlを溶融させつつこ
れを外部から一軸加圧してSiC多孔体内に強制的に充
填する工程を踏む。この場合最終的に溶浸体は温度勾配
をつけて下部から徐々に冷却する。この時溶浸体内部の
SiC骨格部とAlによって充填された部分の熱膨張係
数の差が大きいために、冷却時にAlが溶浸体内に引け
てAlが未溶浸の部分(上述の引け巣に相当する)ができ
易い。したがって、冷却時の温度勾配と加圧・加熱のプ
ログラムとを同時に精度良く制御できる複雑な制御機構
が必要になる。したがってその装置はかなり高価なもの
となる。
【0012】さらに上記(4)に記載された型内ホットプ
レスによる方法では、以下に述べるような生産上・品質
上の問題がある。例えばホットプレス装置に連続式のも
のを用いると、真空雰囲気にするとともにその温度をA
lの溶融点以上に上げるため、型の外への溶融物の流出
を抑える必要がある。したがって成分量のばらつきを抑
え目的とする均一組成のものを得ようとすると、非常に
高価な製造装置が必要となる。一方同装置をバッチ式に
する場合には、溶融物の型外への流出は、連続式のもの
に比べいくぶん抑えることはできる。しかしその一方で
成形体の型への装填、所定の温度プログラムでの保持と
冷却の一連の工程を断続的に繰り返すことになるため、
この方式は生産性に欠ける。
【0013】以上詳述したように、従来のAl−SiC
系に代表される金属−SiC系の複合材料の製造には品
質上・生産上のいくつかの課題をかかえている。したが
ってAl−SiC系の複合材料は、特に半導体パワーモ
ジュールのような高い放熱性を要求される基板の一つと
して、その性能面で最近有望視されているにもかかわら
ず、従来から行われてきた鋳造法、溶浸法、焼結法、ホ
ットプレス法やそれらを組み合わせたいずれの方法でも
満足のゆく本来の性能レベルのものは得られていない。
【0014】本発明者等は、上記した従来の課題を解決
するために、特にSiC量の多い組成域の熱伝導性の向
上を重点に置いて研究を重ねてきた。その結果、既に特
願平10−260003号で紹介したように、予め不純
物を減らしたSiC粉末を準備し、これとアルミニウム
またはアルミニウム合金との混合物を熱間鍛造すること
によって、この課題克服の見通しを得た。この手段では
加熱時間が長くなればなるほど、両成分粒子間に生成す
る低熱伝導性の炭化アルミニウムの量が増えるため、加
熱時間はできるだけ短くしている。このため鍛造前の成
形体は、蓄熱量が少ない。また一旦溶融したアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金が、SiC粒子表面を十分に
濡らしていない場合もある。それ故これを量産した際
に、鍛造型に移す時間がばらついて眺めになると、成形
体の温度がアルミニウムの融点以下に下がり易く、鍛造
圧力を上げないとアルミニウムがSiC粒子間に十分に
回り込まず、緻密な鍛造体が得られないこともあった。
特にSiC量が50重量%以上の場合には、例えば9t
on/cm2以上の高い圧力を加えないと、アルミニウ
ムとSiC粒子との間に隙間(気孔)が残り、その結果
熱伝導率が、大幅に(例えば200W/m・K未満に)
低下することもあった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記し
た量産時の熱間鍛造条件のばらつきによって生じる気孔
の形態を制御し、SiC量の多い組成域の熱伝導性の低
下を最小限に抑えることである。すなわち本発明の提供
するアルミニウム−炭化珪素系複合材料は、炭化珪素を
50〜85重量%含み、気孔率が1〜4%、25℃の熱
伝導率が230W/m・K以上である複合材料である。
本発明には、この複合材料を用いた半導体装置も含まれ
る。
【0016】本発明の複合材料の第一の製造方法は、ア
ルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第一成分
と、SiC粒子からなる第二成分とを主成分として含む
混合粉末を調製する工程と、同混合粉末を成形し成形体
とする工程と、同成形体を第一成分の融点以上の温度で
加熱して開気孔率が閉気孔率より高い多孔質の焼結体と
する工程と、同焼結体を熱間鍛造する工程とを含む。ま
た本発明の第二の製造方法は、以上の方法において、多
孔質の焼結体を得た後、同焼結体を真空下で容器に密封
して封入体とする工程と、同封入体を第一成分の融点以
上の温度で熱間静水圧成形する工程とを含む。
【0017】さらに本発明の焼結体とする工程におい
て、焼結体の閉気孔率を7%以下、さらには5%以下に
制御する方法が、本発明には含まれる。またさらに上記
の焼結体とする工程または熱間静水圧成形する工程の加
熱温度が、前記第一成分の融点より50〜250℃高い
温度範囲内にある方法も、本発明には含まれる。
【0018】
【発明の実施の形態】特願平10−260003号で紹
介した方法では、短時間加熱された後の鍛造前の成形体
には、開気孔とともに特にSiC粒子の隙間に閉気孔が
多く存在する。このような閉気孔の多い成形体を再び第
一成分の融点以上の温度で加熱し鍛造すると、閉気孔中
のガスが外部に放出され難い。ただし前述のような十分
高い圧力が加えられるとガスはそこから追い出されると
ともに、SiC粒子の隙間に第一成分が侵入して緻密化
される。しかし第一成分の一部が固化している場合に
は、閉気孔中のガスはそのまま残り、鍛造後の固化体中
に両主成分粒子が互いに濡れていない巣が発生する。こ
のため鍛造体の熱伝導率は大幅に低下する。
【0019】本発明では、最終固化工程である鍛造工程
や熱間静水圧成形工程に先だって焼結を行って予め閉気
孔を減らし、開気孔率が閉気孔率よりも高い多孔質の焼
結体を調製する。これによって固化工程後に残り易い閉
気孔を減らし、固化した後に気孔が残っても優れた熱伝
導性のものが得られる。この過程は以下のようになる。
焼結工程で溶融したAlを含む第一成分とSiC粒子と
の濡れは、式(1)のように炭化アルミニウム(Al4
3)を形成しながら進むため、比較的濡れ性が良い。 SiC(固)+4Al(液)→Al43(固)+3Si(固) 式(1) この過程で溶融した第一成分は、SiC粒子の隙間に侵
入しながら濡れるが、溶融した第一成分の表面張力が小
さいほど、これは促進される。温度Tでの第一成分の融
液の表面張力γ′は、式(2)で示される。 γ′=γ′0+(T−T0)(dγ′/dT) 式(2) ここでγ′は、温度T0(第一成分の融点)での表面張
力である。純Alの場合、T0は650℃であり、また
dγ′/dTおよびγ′0はそれぞれ−0.35m・N/
m・K程度および914m・N/m程度である。これら
は第一成分の組成が決まれば決まる。したがって第一成
分の融液の表面張力は、その融液からの温度差(T−T
0)で決まる。
【0020】焼結温度が上がれば上がるほど、第一成分
の融液の表面張力は下がり、より一層均一にSiC粒子
表面を濡らす。その結果閉気孔は減り、開気孔が増え
る。その様子を模式的に図1に示す。同図において灰色
の粒子1はSiCの粒子、黒色の粒子2は第一成分の粒
子である。(1)は焼結の始まる前の成形体であり、両
粒子間には閉気孔3が多数存在する。(2)は焼結後の
状態であり、第一成分は溶融しSiC粒子の表面の一部
を濡らしており、開気孔4が生成している。図2は、S
iC粉末70重量%とAl粉末30重量%とからなる混
合物を8ton/cm2の圧力で成形し、これを窒素中
純Alの融点650℃から900℃の温度範囲で2時間
加熱焼結した場合、同焼結体中に生成する気孔率の変化
を示す。同図から明らかなように、例えば650℃での
焼結体は開気孔率が6.7%、閉気孔率が9.6%であ
るが、750℃に上がると開気孔率は11.9%に増加
し、一方閉気孔率は5.7%に減少する。さらに900
℃に上がると、開気孔率は12.7%、閉気孔率は4.
9%に減少する。このような作用は、主にSiCの量が
50〜85重量%の組成域で生じる。50重量%未満で
は、第一成分の体積比率が大きくなるため、成形や鍛造
での加圧によって比較的容易に第一成分の粒子同士が接
触するので熱伝導性への閉気孔の影響は小さい。一方8
5重量%を越えると、第一成分の体積比率が小さく焼結
による上記の効果が小さくなる。
【0021】開気孔率の高い焼結体は、図1の(2)の
ようにSiC粒子の周囲を第一成分が密着して覆ってい
る。このため鍛造時の加圧によって、溶融した第一成分
同士が接触する部分が顕著に多くなる。そのため焼結体
の温度が、第一成分の融点以下に下がっても、同成分同
士の接触部分では固相反応によって互いに密着する。そ
のため複合材料の熱伝導性を損ねることが無い。なお本
発明の焼結体とする工程においては、焼結体の閉気孔率
を7%以下とするのが熱伝導性向上には望ましく、さら
には5%以下とするのがより望ましい。
【0022】前記したように、閉気孔率を下げるために
は基本的に焼結温度(TS)と第一成分の融点(T0)の
間の温度差を大きくすればよい。しかしながら温度が上
がるほど式(1)の反応が進み、炭化アルミニウムが生
成し熱伝導性を低下させるとともに、開気孔率の上昇効
果も飽和する。したがって本発明の焼結温度は、第一成
分の融点T0より50〜250℃高い温度範囲内に制御
するのが望ましい。よりのぞましくは60〜150℃高
い温度範囲内である。保持時間は30分程度で十分であ
り、3時間を越えると式(1)の反応が進み熱伝導性の
低下が顕著になることが多い。なお本発明の第二の製造
方法の固化工程である熱間静水圧成形時の温度について
も、同じ理由によりこれと同じ温度範囲とするのが望ま
しい。例えばこの望ましい焼結温度の範囲は、第一成分
が純Alであれば、T0が650℃であるから700〜
900℃であり、より望ましくは710〜850℃であ
る。また第一成分が例えばSiを5重量%含む合金であ
れば、T0が580℃であるから630〜830℃であ
り、より望ましくは640〜730℃である。
【0023】なお本発明の複合材料の製造方法では、前
述のように成形体を焼結する前に第一成分と第二成分と
を主成分として含む混合粉末を調製する工程と、同混合
粉末を成形し成形体とする工程とを含む。原料の第一成
分および第二成分の粉末は、市販のものでもよいが、最
終的な熱伝導性を高めるためには、可能な限り純度の高
いものを用いるのが好ましい。第二成分のSiC粉末
は、主な結晶型が熱伝導性に優れた6H型や4H型であ
り、鉄のような遷移金属(陽イオン)不純物や酸素量の
少ないものが好ましい。特に原料SiC粉末中の鉄(F
e)の量は、100ppm以下、特に50ppm以下で
あるのが好ましい。これらの成分は、SiC粒子中の積
層欠陥や転移密度を増加させるだけでなく、それら自体
がフォノンを散乱させSiC結晶粒子の熱伝導率を低下
させるからである。このような粉末は、市販の粉末に適
切な酸処理や熱処理を加えることのによって得られる。
第一成分の粉末も可能な限り同様の不純物の少ないもの
が好ましい。
【0024】本発明の原料粉末の混合工程および混合粉
末の成形工程は、通常の方法であればよい。また本発明
の焼結後の固化工程は、第一の製造方法では前記の方法
によって得られた焼結体を予熱された金型に入れて熱間
鍛造する。第二の製造方法では同焼結体を真空下で容器
に密封した後、これを第一成分の融点以上の温度、好ま
しくは前述の温度範囲内で熱間静水圧成形(HIP)す
る。その際のガス圧は、100気圧(約103kg/c
2)以上が望ましい。なお密封に使う容器は、700
℃以上の温度に耐え、溶融した第一成分と反応せず、ま
た処理後の固化体との分離が容易なものが望ましい。例
えばステンレス鋼や軟鋼のような鉄系材料、銅もしくは
銅合金のような材料が用いられる。固化体(処理体)と
容器との分離を良くするためには、容器と焼結体との間
にセラミックス材を介在させて置いてもよい。焼結体の
容器への装入は、容器をそれに密着させる真空封入が望
ましい。
【0025】以上の方法によって得られる本発明の複合
材料は、SiCを50〜85重量%含み、気孔率が1〜
4%、25℃の熱伝導率が230W/m・K以上であ
る。また前述のように、予め不純物や欠陥の量を低下さ
せたSiC粉末を用いることによって、25℃の熱伝導
率が260W/m・K以上の複合材料も得られる。この
ような複合材料からなる部材は、優れた熱伝導性を有す
るとともに、半導体装置に用いられる半導体素子やその
周辺部材との熱膨張係数の整合性が良い。このため本発
明の複合材料からなる部材を同装置の構成材として用い
ることにより、実用上高い信頼性の半導体装置が提供で
きる。
【0026】
【実施例】実施例1 平均粒径が50μmで、表1に記載の結晶型とFe含有
量のSiC粉末と、平均粒径が25μmで、同表に記載
の種類の第一成分の粉末とを同表記載の各試料毎の配合
量にて、それぞれ秤取した。これらの粉末にバインダー
として3重量%パラフィンを添加した後、SiC内張り
のポットとSiCボールを用い、エタノール中でボール
ミル混合した。なお表1の試料20〜25の第一成分
は、5重量%のSiを含むアルミニウム合金である。得
られたスラリーを噴霧乾燥して各混合粉末の顆粒を調製
した。これらの粉末を圧力7ton/cm2で、外径1
00mm、厚み20mmの成形体を作製し、その後窒素
気流中バインダーを除き、さらに表1に記載の焼結条件
で焼結した。次いで焼結体の開気孔率を水銀圧入法によ
って実測した。またその寸法から出した体積と実測重量
から嵩密度を算定し、その値から全気孔率を出した。閉
気孔率は、それらの差とした。これらの結果を表1に示
す。
【0027】その後各焼結体を高周波誘導加熱炉内に配
置し、空気中表1の「鍛造」欄に記載の加熱温度(焼結
体の温度)まで600℃/分の昇温速度で昇温して10
秒間保持した。その後250℃に予熱した型内に装入
し、表1に記載の圧力で熱間鍛造した。各鍛造体を用い
て、それらの相対密度(水中法によって実測した密度を
理論密度で割った値)、その値から全気孔率を確認し
た。またレーザーフラッシュ法によって25℃の熱伝導
率を、差動トランス法によって熱膨張係数をそれぞれ確
認した。その結果も表1に示す。
【0028】なお表1には記載しないが、別途試料11
の成形体を高周波誘導加熱炉内に配置して、上記と同じ
昇温速度で昇温し660℃で10秒間保持し、その後試
料11と同じ条件で熱間鍛造した。この試料を上記同様
に評価したところ、相対密度は100%、25℃の熱伝
導率は260W/m・Kであった。なお同じ成形体を圧
力5ton/cm2未満で熱間鍛造したものでは、相対
密度は99.2%、25℃の熱伝導率は242W/m・
Kであった。このように成形体を焼結しなくても鍛造時
の温度を第一成分の融点以上とすれば、高い熱伝導性の
ものが得られる。さらに試料9と同じSiC原料粉末を
予めフッ硝酸(フッ酸と硝酸の混合水溶液)に浸漬して
陽イオン不純物、特にFeの量を10ppm以下にした
粉末を用い、試料9と同じ成形、焼結、熱間鍛造の条件
で作製された鍛造体は、相対密度が試料9と同じ98.
8%であったが、25℃の熱伝導率は268W/m・K
であった。
【0029】
【表1】
【0030】以上の結果から以下のことが分かった。ま
ず(1)成形体を焼結しないか、または第一成分の融点
未満の温度で焼結すると、閉気孔率が開気孔率よりも高
い多孔質の焼結体が得られる。これらの焼結体は、第一
成分の融点未満の温度で熱間鍛造すると、気孔率(表1
の全気孔率に同じ)は4%を越え、25℃の熱伝導率は
230W/m・K未満となる(試料11、12および2
0)。一方(2)成形体を第一成分の融点以上の温度で
焼結すると、閉気孔率が開気孔率よりも低い焼結体が得
られる。これらの焼結体は、第一成分の融点未満で熱間
鍛造したとしても、鍛造後の気孔率は4%以下となる。
この場合SiC量50〜85重量%の組成域で、気孔率
1〜4%かつ25℃の熱伝導率は230W/m・K以上
となる(試料2〜6)。SiC量が50重量%未満かま
たは85重量%を越えると、25℃の熱伝導率は230
W/m・K未満となる。前者は、気孔率は低いが熱伝導
率の高いSiCの量が少なくなるため、また後者は、S
iCの量が多くなり第一成分の融点以下では緻密化が進
まないためである。
【0031】また(3)第一成分が純Alの場合、熱伝
導性を高めるには700〜900℃(純Alの融点より
50〜250℃高い温度範囲)で焼結するのが望まし
く、710〜850℃の温度範囲がさらに望ましい(試
料13〜19)。このような気孔率ならびに熱伝導性と
焼結温度との関係は、第一成分がAl合金であっても同
様である(試料20〜25)。なお第一成分の合金元素
としてSi以外に周期律表のIa〜VIIa族、VII
I族およびIIIb〜IVb族の各元素成分を少量添加
した場合も、Siの場合とほぼ同様な結果が得られた。
さらに(4)熱伝導性向上のためには、0.5時間の焼
結時間までで十分であり、3時間を越えると気孔率は下
がるものの第一・第二両成分間の反応が進むため、その
向上は余り見込めない(試料26〜28)。またさらに
(5)熱間鍛造の焼結体の温度(表1の加熱温度欄に記
載の温度)が第一成分の融点以上であると、鍛造後は1
00%緻密化し、25℃の熱伝導率は260W/m・K
を越える(試料30)。
【0032】実施例2 実施例1の焼結段階の試料の内表2に記載のものを使
い、これらを焼結体と相似形状(ディスク形状)で厚み
が0.2mmのSUS304の容器に、薄いアルミナの
層を介挿して真空下で密着封入した。その後これらの封
入体を熱間静水圧成形(HIP)装置内に置いて、表2
の温度と圧力にて30分間HIP処理した。これらの処
理体を実施例1と同様に評価し、その結果を表2に示
す。
【0033】
【表2】
【0034】以上の結果から、以下のことが分かった。
まず(1)成形体を容器に封入して第一成分の融点以上
の温度でHIP処理するか、または第一成分の融点以上
の温度で焼結たものを、同様に容器に封入して第一成分
の融点未満の温度でHIP処理すると、処理体の25℃
の熱伝導率は230W/m・K未満となる(試料40お
よび41)。一方(2)成形体を第一成分の融点以上の
温度で焼結し、これらの焼結体を第一成分の融点以上の
温度で容器に封入後HIP処理すると、処理後の気孔率
は4%以下になる。その場合SiC量が50〜85重量
%の組成域で、気孔率が1〜4%の範囲内であり、25
℃の熱伝導率が230W/m・K以上となる(試料34
〜38)。SiC量が50重量%未満かまたは85重量
%ヲ越えると、25℃の熱伝導率が230W/m・K未
満となる(試料33および39)。前者は、気孔率は低
いが熱伝導率の高いSiCの量が少なくなるため、また
後者は、SiC量が多くなって緻密化が進み難いためで
ある。また(3)熱伝導性を高めるためには、第一成分
の融点より50〜250℃高い温度範囲で焼結したもの
を容器に封入して、同じ範囲内の温度でHIP処理する
のが望ましい(試料42〜45)。またさらに(4)熱
伝導性向上のためには、HIP処理の圧力は100気圧
以上が好ましい。
【0035】実施例3 実施例1の試料2、5、6、15、16、23および3
0と、実施例2の試料36、43および48と同じ製法
で得た焼結体50個ずつを長さ200mm、幅200m
m、厚み3mmの基材に仕上げ加工した。これを図3に
模式的に示すようなパワーモジュールに放熱基板として
実装して、各実装段階も含めて温度サイクル試験を行っ
た。図3において、6は本発明の上記複合材料からなる
第二の放熱基板、7は同基板上に配置され、その上面に
(図示しないが)銅回路が形成されたセラミックスからな
る電気絶縁性の第一の基板、8はSi半導体素子、9は
第二の放熱基板の下に配置された放熱構造体である。な
おこのジャッケットは、本実施例では水冷ジャケットで
あるが、他に空冷のフィン等もある。なお同図には半導
体素子周辺の配線等については省略してある。本実施例
では、Si半導体素子を第一のセラミックス製基板を介
して6個搭載したモジュールとした。
【0036】実装に先立ち第二の基板に直接第一の基板
を半田付けできないため、第二の基板の主面に予め平均
厚み5μmの無電解ニッケルメッキ層と平均厚み3μm
の電解ニッケルメッキ層を形成した。この内各4個の試
片は、ニッケルメッキ上に直径5mmの半球状のAg−
Sn系半田によって直径1mmの銅線をメッキ面に垂直
な方向に取り付けた。この試片の基板本体を治具に固定
して銅線を掴みメッキ面に垂直な方向に引っ張り、基板
へのメッキ層の密着強度を確認した。その結果いずれの
基板のメッキ層も1kg/mm2以上の引っ張り力でも
剥がれなかった。またメッキ層が形成された別の試片の
内から10個を抜き取って、−60℃で30分保持、1
50℃で30分保持の昇降温を1000サイクル繰り返
すヒートサイクル試験を実施し、試験後上記と同様の密
着強度を確認したところ、いずれの試片もメッキの密着
性で上記レベルを満足する結果が得られた。以上の結果
より本発明の複合材料からなる基板へのメッキの密着性
は、実用上問題の無いレベルであることが判明した。
【0037】次に第二の基板上に搭載するセラミックス
製の第一の基板として、熱伝導率が150W/m・K、
熱膨張係数が4.5×10-6/℃、3点曲げ強度450
MPaの窒化アルミニウムセラミックス製の基板Aおよ
び熱伝導率が120W/m・K、熱膨張係数が3.7×
10-6/℃、3点曲げ強度1300MPaの窒化珪素セ
ラミックス製の基板Bの二種の銅回路を形成した第一の
基板を、それぞれ18個ずつ準備した。これらの基板の
形状は、いずれも長さ90mm、幅60mm、厚み1m
mとした。これらの基板を第二の基板の200mm角の
主面上に2行3列で等間隔に配置し、同基板のニッケル
メッキ層を形成した面上にAg−Sn系半田によって固
定した。次にこのアッセンブリーの第二の基板の裏面側
と水冷ジャケットとを、その接触面にシリコンオイルコ
ンパウンドを塗布介在させてボルト閉め固定した。なお
この場合の第一の基板の取り付け穴は、予め素材段階で
その四隅に開けておいた下穴部に炭酸ガスレーザーを照
射して、それを直径3mmまで拡げる方法によって形成
した。この加工は他のセラミックス材やCu−W、Cu
−Moを対象とした場合に比べ、高精度かつ高速で行う
ことができた。この傾向は特に熱伝導率が高くなればな
るほど顕著であった。
【0038】これらの各試片の中から第一の基板がAと
Bの物を各15個ずつ選び、上記と同じ単サイクル条件
で、実用上問題が無いとされる1000サイクルまでの
ヒートサイクル試験を行い、その100サイクル毎のモ
ジュールの出力の変化を確認した。その結果、最後まで
出力の低下は観測されなかった。以上の結果より、本発
明の炭化珪素系複合材料からなる第一の基板を用いたパ
ワーモジュールは、実用上問題の無いレベルのものとな
ることが分かる。
【0039】なお本発明の材料をこの種のモジュールに
比べ低出力・低熱(サイクル)負荷の高容量のパーソナル
コンピューター等の半導体素子搭載装置に放熱基板とし
て実装・評価も行ったが、その信頼性・実用性能上何ら
問題は無かった。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第一成分
と、炭化珪素(SiC)粒子からなる第二成分とを含む混
合粉末の成形体を、直接熱間で加圧固化せず、予め第一
成分の融点以上の温度で焼結して閉気孔率が開気孔率よ
りも低い焼結体を作製しておく。これによって固化前の
加熱温度がばらついて固化時の温度が第一成分の融点未
満に低下した場合でも、気孔率を1〜4%の範囲内に抑
えることができる。それによって25℃で230W/m
・K以上の高い熱伝導率のアルミニウム−炭化珪素系複
合材料が得られる。この複合材料からなる部材は、以上
のように優れた熱伝導性を有するとともに、半導体装置
に用いられる半導体素子やその周辺部材との熱膨張係数
の整合性が良い。このため本発明の複合材料からなる部
材を同装置の構成材として用いることにより、高い実用
信頼性の半導体装置が提供できる。例えば高出力のパワ
ーモジュール用の放熱基板にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形体の焼結過程を模式的に説明する
図である。
【図2】本発明の焼結体の焼結温度による気孔率の変化
を説明する図である。
【図3】本発明の材料を基板に用いた半導体装置(パワ
ーモジュール)を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1、炭化珪素粒子 2、アルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子 3、閉気孔 4、開気孔 6、炭化珪素系複合材料からなる第一基板 7、第二基板 8、半導体素子 9、放熱構造体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    らなる第一成分と、炭化珪素粒子からなる第二成分とを
    主成分とするアルミニウム−炭化珪素系複合材料であっ
    て、炭化珪素を50〜80重量%含み、気孔率が1〜4
    %、25℃の熱伝導率が230W/m・K以上であるア
    ルミニウム−炭化珪素系複合材料。
  2. 【請求項2】 25℃の熱伝導率が260W/m・K以
    上である請求項1に記載のアルミニウム−炭化珪素系複
    合材料。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のアルミニウム
    −炭化珪素系複合材を用いた半導体装置。
  4. 【請求項4】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    らなる第一成分と、炭化珪素粒子からなる第二成分とを
    主成分とするアルミニウム−炭化珪素系複合材料の製造
    方法であって、第一成分と第二成分とを含む混合粉末を
    調製する工程と、該混合粉末を成形し成形体とする工程
    と、該成形体を第一成分の融点以上の温度で加熱して開
    気孔率が閉気孔率より高い多孔質の焼結体とする工程
    と、該焼結体を熱間鍛造する工程とを含むアルミニウム
    −炭化珪素系複合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    らなる第一成分と、炭化珪素粒子からなる第二成分とを
    主成分とするアルミニウム−炭化珪素系複合材料の製造
    方法であって、第一成分と第二成分とを含む混合粉末を
    調製する工程と、該混合粉末を成形し成形体とする工程
    と、該成形体を第一成分の融点以上の温度で加熱して開
    気孔率が閉気孔率より高い多孔質の焼結体とする工程
    と、該焼結体を真空下で容器に密封して封入体とする工
    程と、該封入体を第一成分の融点以上の温度で熱間静水
    圧成形する工程とを含むアルミニウム−炭化珪素系複合
    材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記焼結体とする工程は、閉気孔率が7
    %以下の焼結体とする工程である請求項4または5に記
    載のアルミニウム−炭化珪素系複合材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記焼結体とする工程は、閉気孔率が5
    %以下の焼結体とする工程である請求項4または5に記
    載のアルミニウム−炭化珪素系複合材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記焼結体とする工程または熱間静水圧
    成形する工程の加熱温度が、前記第一成分の融点より5
    0〜250℃高い温度範囲内にある請求項4または5に
    記載のアルミニウム−炭化珪素系複合材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記焼結体とする工程または熱間静水圧
    成形する工程の加熱温度が、前記第一成分の融点より6
    0〜150℃高い温度範囲内にある請求項4または5に
    記載のアルミニウム−炭化珪素系複合材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003031946A (ja) * 2001-07-18 2003-01-31 Kyocera Corp 多層配線基板
CN108358641A (zh) * 2018-03-23 2018-08-03 陕西科技大学 一种Al4SiC4陶瓷材料的制备方法
CN111138198A (zh) * 2019-12-30 2020-05-12 珠海凯利得新材料有限公司 一种铝碳化硅复合材料的制备方法及其应用

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