JP2001002259A - 板状物体の引き離し方法および板状物体の搬送装置 - Google Patents

板状物体の引き離し方法および板状物体の搬送装置

Info

Publication number
JP2001002259A
JP2001002259A JP11180964A JP18096499A JP2001002259A JP 2001002259 A JP2001002259 A JP 2001002259A JP 11180964 A JP11180964 A JP 11180964A JP 18096499 A JP18096499 A JP 18096499A JP 2001002259 A JP2001002259 A JP 2001002259A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk
plate
vacuum suction
substrate
holder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11180964A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhide Ebisawa
勝英 蛯沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP11180964A priority Critical patent/JP2001002259A/ja
Publication of JP2001002259A publication Critical patent/JP2001002259A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • De-Stacking Of Articles (AREA)
  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩雑な工程が伴うスペーサ挿入の手段を用い
ず、なおかつ、イオン中和作用の効果が得られない場合
においても確実な効果を得ることができる板状物体の引
き離し方法を提供する。 【解決手段】 複数枚積層された可撓性を有する第一の
ディスク基板1aのうち、最表層の一枚1aにたわみを
生じさせ、しかる後に、最表層の一枚1aを他の第一の
ディスク基板1aから引き離す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層されたプラス
チック製のカードやディスクあるいは厚紙などの板状物
体を、一枚ずつ引き離すための方法、および、板状物体
を一枚ずつ引き離して取り出すための装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】周知のように、貼り合わせ方式のデジタ
ル・ビデオ/バーサタイル・ディスク(以下、DVDと
略記する。)を製造する際には、2つの板状物体(ディ
スク基板)を紫外線硬化性組成物等を接着材として貼り
合わせる手法が採用されている。
【0003】このようにディスク基板を貼り合わせるに
は、被貼り合わせ体である2種類のディスク基板を、保
管場所から一枚ずつ取り出すことが必要となる。この
際、ディスク基板は、通常、実際の製造ラインのスペー
ス上等の問題により、積み重ねられた状態で保管されて
いる。
【0004】ところで、ディスク基板のように表面が平
滑であり、かつ、厚さの薄い物体を積層させると、ディ
スク同士の間に、真空吸着力や静電気力などの付着力が
生じやすくなる。このような付着力が存在すると、ディ
スク基板を一枚ずつ取り出そうとしても、取り出し対象
のディスク基板に、他のディスク基板が付着したまま取
り出しが行われ、結果として2枚あるいはそれ以上のデ
ィスク基板が一度に取り出されてしまうこととなる。
【0005】従来、ディスク基板等の積層された板状物
体から表側の一枚だけを取り出して次工程に搬送する場
合、2枚取りを防止するために、 (1)加工の対象である板状物体間にあらかじめスペー
サを挿入する。 (2)板状物体の積層した側面から静電気除去のための
イオン化空気を吹き付ける。 などの方法が採用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】積層された板状物体間
にあらかじめ形状の小さい離間用のスペーサを挿入する
上記(1)の方法においては、静電気力による付着力、
真空吸着力が大幅に低減され、2枚取りが確実に防止で
きる。しかしながら、このようにスペーサを挿入する場
合、対象とする板状物体数と同数のスペーサが必要であ
るばかりでなく、スペーサを挿入する手段と除去する手
段が必要となり、これらは著しく生産のスループットを
低下させていた。
【0007】また、上記(2)のように、イオン化空気
を側面から吹き付ける場合、積層された板状物体間のわ
ずかな隙間からイオン空気を供給することにより、板状
物体同士間の静電気付着力をイオン中和作用で低減さ
せ、2枚取りを防止することができる。しかし、板状物
体の表面が互いに滑らかで、積層した側面に隙間が殆ど
生じないような場合、あるいは、真空吸着力が強いとき
では、せっかくイオン化空気を吹き付けたとしてもイオ
ン中和作用が働かず、確実な効果を得られないことがあ
る。しかも、イオン化空気を吹き付ける場合では、高価
なイオン化空気発生装置と圧縮空気の供給源が必要であ
り、これらは生産設備コストひいては製品コストを引き
上げる要因となる。
【0008】このような事情に鑑み、本発明において
は、煩雑な工程が伴うスペーサ挿入の手段を用いず、な
おかつ、イオン中和作用の効果が得られない場合におい
ても確実な効果を得ることができる板状物体の引き離し
方法、および、このような引き離し方法を用いて板状物
体を搬送することのできる装置を提供することを課題と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては、複数枚積層された可撓性を有する
板状物体のうち、最表層の板状物体にたわみを生じさ
せ、しかる後に、該最表層の一枚を他の板状物体から引
き離すことを特徴とする。
【0010】このように、最表層の一枚にたわみを生じ
させると、最表層の一枚の下側に付着した板状物体にも
同様にたわみが生じることとなる。これにより、最表層
の一枚の下側に付着した板状物体に、たわみを解消しよ
うとする復元力が働くが、この復元力が、最表層の一枚
との間に作用する付着力を上回ると、最表層の一枚と、
その下側に付着した板状物体との付着が解消し、下側の
板状物体は、元の形状に復元するようになる。
【0011】この場合、最表層の一枚のたわみを維持し
たまま前記最表層の一枚を引き離すようにすれば、最表
層の一枚の再付着を防止することができる。
【0012】また、複数回前記たわみを生じさせるよう
にすれば、より確実に最表層の一枚と、その下側の板状
物体との付着を解消することができる。
【0013】また、たわみを生じさせるには、最表層の
一枚のうちの一部を機械的に拘束しつつ、他の一部に負
荷を与えるようにすればよい。この場合、負荷の与え方
としては、最表層の一部を真空吸着により吸着するよう
にすれば、板状物体に表面傷が付くことを防止できる。
【0014】また、本発明においては、複数枚積層され
た可撓性を有する板状物体のうち、最表層の一枚を保持
し搬送するための装置において、最表層の一枚をたわま
せるたわみ付与手段と、たわみ状態の前記最表層の一枚
を保持して他の板状物体から引き離す保持手段と、引き
離された前記最表層の一枚を搬送するための搬送手段と
を具備することを特徴とする。
【0015】このようにすることにより、最表層の一枚
を確実に引き離して、他の工程に搬送する装置を実現す
ることができる。
【0016】この場合、前記たわみ付与手段は、前記板
状物体の板面に吸着する真空吸着部と、前記真空吸着部
を前記板面に対して往復動作させる往復動作部と、前記
真空吸着部が動作する際に、前記板状物体の一部を機械
的に拘束する変位抑制部とを有する構成とされているこ
とが望ましい。
【0017】また、前記たわみ付与手段は、前記板状物
体の板面に一部に吸着する複数の真空吸着部と、前記真
空吸着部を前記板面に対して往復動作させる往復動作部
とを有し、前記往復動作部は、複数の前記真空吸着部を
独立に往復動作させる構成であってもよい。
【0018】また、これらの場合において、前記往復動
作の可動範囲が調整可能とされていれば、板状物体に付
与するたわみの程度を調整することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】[第一の実施の形態]以下、本発
明の第一の実施の形態の一例を、DVDの製造を例にし
て図面を参照しつつ説明する。なお、図1は本実施の形
態を実施する装置構成を示す平面図、図2は、積み重ね
たディスク基板を他の処理ステージに移載する際の方法
を説明するための図、図3はカチオン型紫外線硬化性組
成物に紫外線を照射しつつディスク基板へ落下、塗布す
る方法を示す図、図4は、2枚のディスク基板を重ね合
わせる方法を説明するための図、図5は重ね合わせた後
に軸心合わせを行いつつ搬送する装置を示す図、図6は
展延工程を説明するための図、図7は端面処理工程を説
明するための図である。
【0020】まず、図1に基づき、本実施の形態による
DVD製造工程の概略を説明する。ディスク基板取り出
し領域R1におけるストックエリアA1に積み重ねた第
1のディスク基板1aをディスク作成領域R2に供給す
る。ストックエリアA1においては、後述するディスク
保持器7,7,…上に複数の第一のディスク基板1aが
積層状態に収納されており、ディスク保持器7をストッ
クエリアA1から取り出しエリアA2に移動させると、
実線と鎖線との間で揺動旋回するアーム21を備えた搬
送装置2が、ディスク保持器7上に積層された第一のデ
ィスク基板1aのうち、最表層の一枚を、ディスク作成
領域R2における塗布ステージBの回転テーブル3上の
供給位置B1に移載する。これにより、順次、第一のデ
ィスク基板1aをディスク作成領域R2側に供給してい
くようにする。
【0021】また、取り出しエリアA2上のディスク保
持器7に積層された第一のディスク基板1aが、全て無
くなった際には、ディスク保持器7をディスク保持器ス
トックエリアA3に移動させるとともに、ストックエリ
アA1から新たに第一のディスク基板1aの積層された
ディスク保持器7を、取り出しエリアA2に移動させる
ようにする。
【0022】一方、塗布ステージBの供給位置B1に供
給された第1のディスク基板1aは、回転テーブル3が
図中矢印方向に回転することにより塗布位置B2に移動
する。
【0023】塗布位置B2にある第1のディスク基板1
a上に、落下照射装置4により紫外線が照射されたカチ
オン型紫外線硬化性組成物45をリング状に落下、塗布
する。カチオン型紫外線硬化性組成物45の塗布が終了
すると、第1のディスク基板1aが搬送位置B3に移動
するまで回転テーブル3が図中矢印方向に回転する。搬
送位置B3の第1のディスク基板1aは、搬送装置2の
アーム21により、ディスク作成領域R2における重ね
合わせステージCの重ね合わせ装置5に搬送される。
【0024】重ね合わせステージCには、ディスク基板
ストックエリアA4から搬送手段2により搬送された第
二のディスク基板1bが待機している。この第二のディ
スク基板1bは、ディスク基板取り出し領域R1’にあ
るディスク基板ストックエリアA4に配列されたディス
ク保持器7,7,…上に積層状態に収納されており、デ
ィスク保持器7を取り出しエリアA5に移動させると、
アーム21を備えた搬送装置2が、ディスク保持器7上
に積層された第二のディスク基板1bのうち最表層に位
置するものを把持して、重ね合わせステージC上に移載
する。これにより、順次、第二のディスク基板1bを重
ね合わせステージC側に供給していくようにする。
【0025】また、取り出しエリアA5上のディスク保
持器7に積層された第二のディスク基板1bが、全て無
くなった際には、ディスク保持器7をディスク保持器ス
トックエリアA6に移動させるとともに、ディスク基板
ストックエリアA4から新たに第二のディスク基板1b
が積層されたディスク保持器7を取り出しエリアA5に
移動させるようにする。
【0026】重ね合わせステージCにおいては、待機し
ている第二のディスク基板1b上に重ね合わせ装置5に
より第一のディスク基板1aを重ね合わせる。勿論、2
枚のディスク基板はカチオン型紫外線硬化性組成物45
を介して重ね合わされる。なお、重ね合わされたもの
を、以下単にディスクと称する。
【0027】ディスク10は、軸心合わせ搬送装置6に
より搬送路9に沿って、ディスク作成領域R2内に設け
られたディスク積層・分離装置Dに搬送され、ディスク
積層・分離装置Dにおける第一の位置11に配置された
ディスク保持器7上に搬送される。このディスク積層・
分離装置Dにおいては、複数枚のディスク10を積み重
ねた状態で、カチオン型紫外線硬化性組成物45の展延
処理が行われる。これは、限られたスペースで展延処理
を実現するためである。ただし、単にディスク10を積
み重ねただけでは、ディスクに変形・ずれが生じてしま
うため、ディスク10がディスク積層・分離装置D上の
第一の位置11に搬送されると、当該ディスク10上に
剛体ディスク8を剛体ディスク搬送装置12により載置
する。そして、その剛体ディスク8上に次のディスク1
0を搬送、載置する。従って、各ディスク10間には剛
体ディスク8が存在することとなるとともに、第一の位
置11に配置されたディスク保持器7上に、ディスク1
0および剛体ディスク8が交互に重ね合わせられること
となる。ここに、剛体ディスク8は、ディスク積層・分
離装置D上における第四の位置13に配置されたディス
ク保持器7上に積層配置されたものである。
【0028】このようにディスク10を積層状態に搭載
したディスク保持器7は、ディスク積層・分離装置Dに
設けられたコンベア(ディスク保持器循環手段)14に
より、上の第五の位置15に移動させられる。そして、
この第五の位置15において、所定時間を経過させるこ
とにより、展延処理が行われる。
【0029】この展延処理が終了すると、ディスク10
を搭載したディスク保持器7は、コンベア14により、
ディスク積層・分離装置D上の第六の位置16に設けら
れた端面硬化処理装置Eへ搬送される。端面硬化処理と
は以下のことを目的とする処理である。ディスク10の
貼合せ面から外部に露出しているカチオン型紫外線硬化
性組成物は硬化が遅れるため、ディスクハンドリング上
支障を来す。そこで、この端面に紫外線を照射する、あ
るいはディスクを加温する等の手段により、カチオン型
紫外線硬化性組成物の硬化を促進しようというものであ
る。
【0030】端面処理が終了すると、ディスク10を搭
載したディスク保持器7は、コンベア14により、ディ
スク積層・分離装置D上の第二の位置17に搬送され
る。この第二の位置17において、搬送装置2により、
ディスク10はディスク検査領域R3へ移載され、ま
た、剛体ディスク8は、ディスク積層・分離装置D上の
第三の位置18に配置されたディスク保持器7上に積層
配置される。
【0031】そして、第三の位置18に配置されたディ
スク保持器7上の剛体ディスク8の数が所定量に達した
ら、第三の位置18に配置されたディスク保持器7をコ
ンベア14により、第四の位置13に移動させる。
【0032】そして、第四の位置13に移動したディス
ク保持器7上に積層された剛体ディスク8は、剛体ディ
スク搬送手段12により、再び、第一の位置11に配置
されたディスク保持器7上に、ディスク10と交互に積
み重ねられる。
【0033】以上が本実施の形態の全体的な流れである
が、以下、ディスク基板の取り出しエリアからの移載、
カチオン型紫外線硬化性組成物の落下照射、ディスク基
板の重ね合わせ、軸心合わせ搬送、展延処理、端面処理
について、各々具体例を説明する。
【0034】図2に、取り出しエリアA2,A5に積層
された第一または第二のディスク基板1a,1bを、搬
送装置2により移載する際の手順を示す。なお、図中に
示したディスク基板は、第一のディスク基板1aとなっ
ているが、第二のディスク基板1bを移載する際にも、
以下に示す手順と同様の手順が採用される。したがっ
て、図中の第一のディスク基板1aは、第二のディスク
基板1bであってもよい。
【0035】搬送装置2には、図2中に示すようなたわ
み付与手段22が設けられている。たわみ付与手段22
は、第一のディスク基板1aに真空吸着するための真空
吸着部221と、真空吸着部221を第一のディスク基
板1a,1bの板面に対して直交する方向に往復動作さ
せる往復動作部222と、真空吸着部221が動作する
際に、第一のディスク基板1aの一部を機械的に拘束す
る変位抑制部223とを備えた構成となっている。ま
た、このたわみ付与手段22は、真空吸着部221が動
作することにより、第一のディスク基板1aを保持する
ための保持手段としての機能も有している。
【0036】第一のディスク基板1aを移載するには、
搬送装置2を第一のディスク基板1aのうちの最表層の
一枚1a’に対向配置し、(a)に示すように、その真
空吸着部221および変位拘束部223を第一のディス
ク基板1a’に接触させる。
【0037】次に、真空吸着部221を第一のディスク
基板1a’の板面に真空吸着させ、さらに、(b)に示
すように往復動作部222を縮退させる。この場合、往
復動作部222の先端に設けられた真空吸着部221
は、第一のディスク基板1aに吸着したまま、上方に持
ち上げられることとなり、これにより、第一のディスク
基板1aのうち、真空吸着部221が吸着した部分が、
上方に変位する。
【0038】このとき、第一のディスク基板1a’のう
ち、変位抑制部223が接触した部分は、変位抑制部2
23により機械的に拘束され、変位が抑制されることと
なるために、結果的に、可撓性を有する材料により形成
された第一のディスク基板1a’は、(b)に示すよう
に湾曲状態に変形し、これにより第一のディスク基板1
a’には、ひずみが生じることとなる。
【0039】ところで、最表層の第一のディスク基板1
a’と、その下側に接する他の第一のディスク基板1a
(以下、第一のディスク基板1a”と呼ぶ。)とは、と
もに表面平滑性が高いため、静電気力や真空吸着力によ
り、擬似的に接着した状態となっていることがある。こ
の場合、最表層の第一のディスク基板1a’を、上述の
ように変形させると、第一のディスク基板1a’と疑似
付着した第一のディスク基板1a”にも、最表層の第一
のディスク基板1a’に沿って変形しようとする力が働
くこととなる。これにより、下側の第一のディスク基板
1a”にも歪みが生じ、同時に、歪みを解消しようとす
る復元力が働く。
【0040】下側の第一のディスク基板1a”に生じた
歪みは、最表層の第一のディスク基板1a’との間に作
用する付着力により生じたものであるから、この付着力
が、復元力以上である際には、下側の第一のディスク基
板1a”の歪みが解消されることはない。
【0041】しかしながら、第一のディスク基板1a”
の歪みが大きくなり、それに伴い発生する復元力が、第
一のディスク基板1a’との間の付着力を上回った場合
には、下側の第一のディスク基板1a”は、第一のディ
スク基板1a’からはずれ、もとの平板状に復元する。
これにより、最表層の第一のディスク基板1a’を下側
の第一のディスク基板1a”から引き離すことが可能と
なり、第一のディスク基板1aの2枚取りを確実に防止
することができる。
【0042】このように、下側の第一のディスク基板1
a”から第一のディスク基板1a’を引き離した後、真
空吸着部221により、第一のディスク基板1a’を吸
着したまま、搬送装置2を上方に移動させる。この場
合、第一のディスク基板1a’は、たわみ状態が維持さ
れたままで引き離される。これにより、第一のディスク
基板1a’が1a”に対して再付着することを防ぐこと
ができる。その後、往復動作部222をもとの位置に戻
し、これにより、第一のディスク基板1a’をもとの平
板状に復元する。そして、このようにして引き離した第
一のディスク基板1a’を、次の処理工程に移動する。
【0043】なお、上述のように第一のディスク基板1
a’を湾曲変形させる場合、湾曲の曲率を小さくすれば
するほど、発現する歪みが大きくなる。これにより、第
一のディスク基板1a’に生じる復元力も大きくなり、
第一のディスク基板1a’の離間力を調整することがで
きる。また、湾曲の曲率を大きくするには、真空吸着部
221と変位抑制部223との距離を小さくするか、あ
るいは、往復動作部222の移動距離を大きくするよう
にすればよい。
【0044】次に、紫外線を照射しつつディスク基板へ
カチオン型紫外線硬化性組成物を落下する装置の構成
を、図3を参照して説明する。図3において、41はカ
チオン型紫外線硬化性組成物を落下するためのディスペ
ンサ(ノズル)、42は紫外線照射手段、43は内面に
反射板を有する筐体、44はディスク基板載置テーブル
である。
【0045】ディスペンサ41としては米国EFD社の
モデル1500DV(ノズル内径0.83mm)を、紫
外線照射手段42としてはフュージョン社製の紫外線照
射装置I250型、Dバルブ(発光長約25cm)を用
いた。また、ディスク基板載置テーブル44は不図示の
モータにより回転可能とされている。なお、紫外線照射
手段42と落下するカチオン型紫外線硬化性組成物との
距離は50mmとし、また、紫外線照射手段42と落下す
るカチオン型紫外線硬化性組成物の周囲を内面が反射板
で構成された筐体43で取囲み、紫外線照射の均一性向
上を図っている。また、筐体43には図中矢印方向に移
動するシャッタ43aを設けてある。
【0046】カチオン型紫外線硬化性組成物45を落下
している間に紫外線照射手段42を発光させることによ
りカチオン型紫外線硬化性組成物45に紫外線を照射す
る。この間にディスク基板載置テーブル44を回転する
ので、カチオン型紫外線硬化性組成物45は第1のディ
スク基板1aにリング状に塗布されることになる。な
お、第1のディスク基板1aのリング状凸部は省略して
いる。所定量のカチオン型紫外線硬化性組成物45の落
下が終了すると、シャッタ43aを図中左方向に作動さ
せることにより、カチオン型紫外線硬化性組成物45が
通過する孔を閉じる。そして、次にカチオン型紫外線硬
化性組成物45を落下すべき第1のディスク基板1aが
移動してきたならば、シャッタ43aを図の状態に作動
させて、カチオン型紫外線硬化性組成物45の落下を再
開する。カチオン型紫外線硬化性組成物45を落下しな
い間も紫外線照射手段42により発光は連続的に行われ
ているため、シャッタ43aの開閉を行うことにより、
ディスペンサ41への紫外線照射を防ぎ、その閉塞を防
止する。
【0047】次に、2枚のディスク基板の重ね合わせに
ついて図4に基づき説明する。図4において、重ね合わ
せ装置5は、一対のディスク基板保持テーブル51、5
2、このテーブル51、52をつなぐヒンジ53、図示
しない真空ポンプに接続された吸引路54により構成さ
れている。
【0048】図4(a)に示すように、ディスク基板保
持テーブル51にはリング状にカチオン型紫外線硬化性
組成物45が塗布された第1のディスク基板1aが、ま
た、ディスク基板保持テーブル52には第2のディスク
基板1bが載置される。不図示の真空ポンプを駆動する
ことにより、吸引路54を介して第1および第2のディ
スク基板1a、1bは各々ディスク基板保持テーブル5
1、52に吸着される。そして、図4(a)の状態から
ディスク基板保持テーブル51をヒンジ53を中心とし
て高速で回転する。図4(b)の状態までディスク基板
保持テーブル51がディスク基板保持テーブル52に接
近したならば、回転速度を減速し、その後は1秒間にミ
クロン単位の速度で両ディスクが接近するよう制御す
る。そして、第1および第2のディスク基板1a、1b
の間隔が所期の値となると接近は停止するととも、真空
ポンプの駆動を停止する。
【0049】重ね合わせられたディスク10は、軸心合
わせ搬送装置6により次のディスク積層・分離装置Dに
搬送される。軸心合わせ搬送装置6の主要部およびその
作用を図5に示す。図5に示すように、軸心合わせ搬送
装置6は、エア流通路64と、その先端に設けられた円
盤状の真空吸着部62と、真空吸着部62の下面中央部
から突出する円柱状のエアピッカ63により構成され
る。エアピッカ63はゴム製であり、内部は中空となっ
ている。また、エア流通路64の供給路64aは図示し
ないエア供給手段に連通し、吸引路64bは不図示の真
空ポンプに連通している。エアピッカ63の中空部分に
供給路64aを介してエアを供給することでその径を変
化させることができる。また、軸心合わせ搬送装置6
は、図1の搬送路9を往復動可能に配置されている。
【0050】軸心合わせ搬送装置6は、重ね合わされた
ディスク10に対して図5(b)のように真空吸着部6
2が接触すると真空吸引する。次に、ディスク10の孔
部10aより小径となっているエアピッカ63内にエア
を供給するとその径が拡大し図5(c)に示すようにデ
ィスク10の孔部10aを内側から一様に押圧する。こ
れにより、第1のディスク基板1aと第2のディスク基
板1bとの軸心がずれていたとしても、その軸心を合わ
せることができる。このままの状態で軸心合わせ搬送装
置6を搬送路9に沿ってディスク積層・分離装置Dまで
移動させることにより、ディスク積層・分離装置Dに搬
送されたディスク10のディスク基板1a、1bの軸心
は合っている。
【0051】ディスク積層・分離装置Dに搬送されたデ
ィスク10は、以下のようにして処理される。図6は、
ディスク積層・分離装置Dにおいて用いられるディスク
保持器7の構成を示す図である。なお、このディスク保
持器7の構成は、ディスク基板取り出し領域R1および
R1’において用いられるもの(図1参照)と共通の構
成となっている。
【0052】図6中において、符号70は基台、71は
基台70に立設するスピンドル、72はスピンドル71
に沿って昇降する昇降台である。軸心合わせ搬送装置6
により最初に搬送されたディスク10は、ディスク積層
・分離装置Dにおける第一の位置11に配置されたディ
スク保持器7に移載される。このとき、ディスク保持器
7においては、昇降台72上に、剛体ディスク8がすで
に配置されており、搬送されたディスク10は、この剛
体ディスク8上に載置される。続いて、昇降台72をス
ピンドル71の先端が該ディスク10より突出するまで
下降させた後、剛体ディスク搬送装置12(図1参照)
により、該ディスク10の上に次の剛体ディスク8を載
置する。この場合、剛体ディスク8は、第四の位置13
(図1参照)に配置されたディスク保持器7上に積層さ
れたものが供給される。
【0053】剛体ディスク8は、厚さ2mmのAl製デ
ィスクであり、ディスク10のリング状突起10bとの
干渉を避けるためのリング状溝8bを形成している。剛
体ディスク8の外径は、ディスク10の外径よりも小さ
く設定してある。これは、ディスク10を構成するディ
スク基板の外周縁部に射出成形に起因するカエリが発生
していることがあり、このカエリと剛体ディスク8との
干渉を回避するためである。
【0054】上述のようにディスク10上に剛体ディス
ク8を配置したら、昇降台72を同様に下降させ、搬送
されたディスク10を剛体ディスク8上に載置する。こ
のような動作の繰り返しにより、第一の位置11(図1
参照)に配置されたディスク保持器7上に所定枚数のデ
ィスク10を積み重ねる。この段階では、カチオン型紫
外線硬化性組成物は、2枚のディスク基板間の全面には
展延していない。
【0055】この後、図1に示すコンベア14を駆動し
て、ディスク10を積層状態に載置したディスク保持器
7を第五の位置15に搬送し、ここで、ディスク10を
所定時間経過するまで放置する。この間に、2枚のディ
スク基板間の全面にカチオン型紫外線硬化性組成物は行
き渡り、展延処理が終了する。
【0056】展延終了後には、ディスク10を搭載した
ディスク保持器7を端面硬化処理装置E内に搬送し、端
面硬化処理を行う。端面硬化処理装置Eは、図示略の恒
温室と、恒温室内に設けられたヒータ等の加熱手段とを
備えており、この恒温室内に、展延処理後の積層状態の
ディスクを所定時間保持することにより端面硬化処理が
行われる。
【0057】なお、端面硬化処理としては前述のよう
に、加温処理の他に、紫外線を照射する方法がある。図
7に、その具体例をを示す。すなわち、展延処理が終了
した後、積み重ねられたままの状態でディスク10を回
転させつつ紫外線照射手段73から紫外線を照射する。
紫外線の照射は連続的な照射、閃光的な照射のいずれで
あっても構わない。また、ディスク10、紫外線照射手
段73の周囲を反射板で取り囲むことが望ましい。な
お、この図7では剛体ディスク8の記載およびディスク
10のリング状突起10bの記載は省略してある。
【0058】カチオン型紫外線硬化性組成物は、空気中
の湿度による硬化阻害を受けやすく、空気中の湿気と接
している部分は硬化が遅れ、場合によっては硬化せずに
ねばねばした状態のままとなることがあるので、以上の
ように加温処理を施すか、あるいは、端面に紫外線照射
することはきわめて有効である。
【0059】このような端面硬化処理を行った後、ディ
スク10を搭載したディスク保持器7は、第二の位置1
7に搬送される。第二の位置17においては、搬送装置
2が、交互に重ね合わされたディスク10および剛体デ
ィスク8を、それぞれディスク検査領域R3および第三
の位置18に配置されたディスク保持器7に振り分け
る。
【0060】これにより、第二の位置17のディスク保
持器7上のディスク10および剛体ディスク8が、すべ
て、ディスク検査領域R3および第三の位置18のディ
スク保持器7のそれぞれに移載されることとなり、第二
の位置17のディスク保持器7は、空の状態となる。一
方、このとき、第三の位置18のディスク保持器7上に
は、所定量の剛体ディスク8が積み重ねられることとな
る。
【0061】この状態で、コンベア14を駆動させるこ
とにより、第二の位置17のディスク保持器7を第三の
位置18に、第三の位置18のディスク保持器7を第四
の位置13にそれぞれ移動させる。この後、第三の位置
18に移動された空のディスク保持器7上には、これに
後続して第二の位置17に到着したディスク保持器7に
搭載された剛体ディスク8が、搬送装置2により移載さ
れる。また、第四の位置13に移動させられたディスク
保持器7に搭載された剛体ディスク8は、第一の位置1
1に配置されたディスク保持器7上に、ディスク10と
剛体ディスク8とを交互に積み重ねる際に利用される。
【0062】第四の位置13から第一の位置11に剛体
ディスク8が移載されることにより、第四の位置13の
ディスク保持器7が空の状態となったら、この空のディ
スク保持器7を第一の位置11に移動させる。また、こ
の際、第一の位置11にあったディスク保持器7は、第
五の位置15に移動させられる。
【0063】以上述べたDVDの製造装置においては、
剛体ディスク8が、第一の位置11から第二の位置1
7、第三の位置18、および、第四の位置13を経て、
再び、第一の位置11に到達し、再利用されることとな
る。したがって、剛体ディスク8を限られた枚数で効率
的に運用することができ、装置のコストを低減化させる
ことが可能となる。
【0064】また、ディスク保持器7についても同様
に、コンベア14により、第一の位置11から第二の位
置17、第三の位置18、および、第四の位置13を経
て、再び、第一の位置11に搬送されることとなるた
め、ディスク保持器7が、ディスク積層・分離装置Dに
おいて循環・再利用されるとともに、ディスク保持器7
を限られた台数で効率よく運用することができる。この
場合、特に、ディスク保持器7を、第一、第二、第三、
第四の位置11,17,18,13に一台ずつ配置して
おけば、第四の位置13から第一の位置11への剛体デ
ィスク8への移載作業を行っている間に、第三の位置1
8から第四の位置13への剛体ディスク8の移載作業を
行うことができ、生産性が高い。
【0065】さらに、第一の位置11と第二の位置17
との間の第五の位置15にディスク保持器7を配置し、
この第五の位置15において展延処理を行うようにすれ
ば、上述の移載作業を行う間に展延処理を行うことが可
能であり、さらに生産性を向上させることができる。
【0066】また、第一の位置11と第二の位置17と
の間の第六の位置16にディスク保持器7を配置し、こ
の第六の位置16において加熱処理を行うようにすれ
ば、上述の移載作業を行う間に端面硬化処理を行うこと
が可能であり、さらに生産性を向上させることができ
る。
【0067】そして、第五の位置15を、第六の位置1
6に比較して、第一の位置11側に位置させるようにす
れば、展延工程後に、すぐに、カチオン型紫外線硬化性
組成物を硬化させることができ、それ以後の、ディスク
10のハンドリングが容易となる。
【0068】次に、本発明による効果を確認するために
行った実験について説明する。使用したディスク基板は
外径120mm、内径15mmのポリカーボネート製基
板表面に80nmの厚さのAl膜を形成したDVD用の
ディスク基板である。剛体ディスクとしては、旋盤加工
により厚さ2mm、外径100mm、内径15.2mm
の純Al製中空ディスクを用意した。
【0069】また、カチオン型紫外線硬化性組成物は、
水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル60部、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(阪本
薬品(株)製の「16H−DGE」低塩素品、全塩素量
=0.2重量%)40部、光カチオン重合開始剤「RH
ODORSIL PHOTOINITIATOR207
4」(ローディア社製の4−メチルフェニル−4−(1
−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート)0.5部、シリ
コーンオイル「L7604」(日本ユニカー社製)0.
2部を60℃で1時間混合溶解したもので、その粘度は
226mPas(25℃)である。なお、前記水添ビス
フェノールAジグリシジルエーテルは、ビスフェノール
Aジグリシジルエーテル(大日本インキ化学工業(株)
製の「エピクロン850S」全塩素量=0.14重量
%)をルテニウム触媒存在下に、水素圧40kg/cm
2、温度40℃で7時間水添することにより得た。
【0070】前記ディスク基板上に、前述の米国EFD
社のモデル1500DV(ノズル内径0.83mm)を
用いて前記カチオン型紫外線硬化性組成物を塗布量が
0.4gとなるようにリング状に落下、塗布した。紫外
線照射手段42としては、フュージョン社製の紫外線照
射装置I250型、Dバルブ(発光長約25cm)を用
い、最大出力の70%の出力で照射した。
【0071】塗布後、カチオン型紫外線硬化性組成物が
塗布されていないディスク基板を重ね合わせ、そのディ
スクを図6に示すように剛体ディスク8上に載置する。
上側に位置するディスク基板の自重により2枚のディス
ク基板間のカチオン型紫外線硬化性組成物は展延を開始
する。その上に剛体ディスク8を載置し、引き続き得ら
れたディスクを剛体ディスク8上に載置する。以下同様
の作業を繰り返して、60枚のディスクと剛体ディスク
を積み重ねた。
【0072】60枚目のディスクを積み重ねた後、24
℃の温度下で5分間放置し、その後図7に示すように紫
外線照射による端面処理を行った。紫外線照射手段73
としては、管径が10.5mm、有効発光長が約200
mmの円筒状長尺のクセノンフラッシュランプ(ウシオ
電機株式会社製のFQ−20004型)を用い、ディス
ク10および紫外線照射手段73の周囲を反射板で取り
囲んだ。照射条件は、放電電流のパルス幅が650マイ
クロ秒となるように放電回路のコンデンサの容量Cとイ
ンダクタンスL(図示せず)を調節し、ランプ入力エネ
ルギは200Jとなるように充電電圧を調節し、5回/
秒の繰り返し速度で10ショット照射とした。なお、照
射はスピンドル71を2秒間で1回転する速度で回転さ
せながら行い、またクセノンフラッシュランプ(紫外線
照射手段)とディスク10との距離は40mmとした。
【0073】端面処理の後、ディスクの変形具合を評価
した。なお、剛体ディスクを用いない以外は上記と同様
の条件で得たディスク(比較例1)、剛体ディスクを用
いないとともにリング状凸部を有しない平面ディスクと
した以外は上記と同様の条件で得たディスク(比較例
2)、展延が終了した後に剛体ディスクを介在させてデ
ィスクを積み重ねる以外は上記と同様の条件で得たディ
スク(比較例3)についても変形具合を評価した。評価
は本発明者等が特開平10−320838号で開示した
方法を用いた。結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】表1からわかるように、剛体ディスクを用
いた実施例においては、比較例に比べて反り角が低い値
となっている。特に、半径方向の反り角が、実施例では
ディスク上面で0.32°、下面で0.29°であるの
に対して、比較例1ではディスク上・下面ともに0.6
9°、比較例2ではディスク上面で0.48°、下面で
0.46°、比較例3ではディスク上面で0.65°、
下面で0.67°と半径方向の反り防止効果が大きいこ
とがわかる。なお、積み重ね位置により反り角に大・小
が生ずるという傾向は認められなかった。
【0076】また、実施例と比較例3との対比により、
反り防止を行うためには展延処理を静置平坦面上で行う
必要があることがわかる。すなわち、展延が終了した時
点で発生している反りをその後解消しようとしても極め
て困難なものと判断される。ちなみに、DVD−RAM
の規格によれば、半径方向の反り角は0.7°以下、円
周方向の反り角は0.3°以下であることが要求されて
いる。さらに、比較例2の結果より、リング状凸部のな
いディスクであっても、複数枚を積み重ねていくと静置
平坦面が形成されないために反り角が大きくなってしま
うことが確認できる。
【0077】上記評価により得られたデータに基づき、
ディスクの外観形状を表示したものを図8に示す。図8
において、(a)は本実施例、(b)は比較例1による
ディスクの外観形状を示している。なお、両者ともディ
スク上面の評価結果を表示したものである。
【0078】図8(a)、(b)において、反りがない
と仮定した理想的なディスクの外観形状を点線で、評価
されたディスクの外観形状を実線(螺旋状)で表示して
いるが、本実施例によるディスクは反りが少なく理想的
なディスクに近似した外観形状を有していることが判
る。
【0079】なお、上記実施の形態において、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲内で、他の構成を採用するように
してもよい。例えば、図2に示した搬送装置2における
たわみ付与手段(保持手段)22に代えて、図9に示す
たわみ付与手段22’や図10に示すたわみ付与手段2
2”を採用するようにしてもよい。
【0080】図9に示した搬送装置2におけるたわみ付
与手段22’は、真空吸着部221および往復動作部2
22を一対備えている。二つの往復動作部222は、と
もに独立に動作可能とされている。
【0081】この構成において、第一のディスク基板1
aを移載するには、搬送装置2を第一のディスク基板1
aのうちの最表層の一枚1a’に対向配置し、(a)に
示すように、その真空吸着部221の双方を第一のディ
スク基板1a’に接触させる。
【0082】次に、真空吸着部221を第一のディスク
基板1a’の板面に真空吸着させ、さらに、(b)に示
すように往復動作部222のうちの一方を縮退させる。
この場合、縮退した往復動作部222は、第一のディス
ク基板1a’のうち、先端に設けられた真空吸着部22
1によって吸着された部分を、上方に持ち上げることと
なる。
【0083】このとき、第一のディスク基板1a’のう
ち、縮退しない方の往復動作部222およびその先端に
設けられた真空吸着部221は、第一のディスク基板1
a’を機械的に拘束し、その変位を抑制するように作用
する。これにより、可撓性を有する材料により形成され
た第一のディスク基板1a’は、(b)に示すように湾
曲状態に変形し、これにより第一のディスク基板1a’
には、ひずみが生じることとなる。
【0084】これにより、第一のディスク基板1a’と
疑似付着した第一のディスク基板1a”にも、最表層の
第一のディスク基板1a’に沿って変形しようとする力
が働き、歪みが生じ、同時に、歪みを解消しようとする
復元力が働く。
【0085】そして、この復元力が、最表層の第一のデ
ィスク基板1a’との間の付着力を上回った場合には、
下側の第一のディスク基板1a”は、第一のディスク基
板1a’からはずれ、もとの平板状に復元する。これに
より、最表層の第一のディスク基板1a’のうち、縮退
した方の真空吸着部221により吸着された部分は、下
側の第一のディスク基板1a”から離間する。
【0086】一般に、静電気力や動力による吸引が伴わ
ない真空吸着力は、いったんわずかな空隙が発生する
と、その後は、急激にその力が弱まる性質をもつ。した
がって、(b)のように第一のディスク基板1a’の一
部を、下側の第一のディスク基板1a”から離間させた
場合、離間させた部分の付着力を大幅に減ずることがで
きる。
【0087】次に、(c)に示すように、いままで縮退
させていた方の往復動作部222を元の位置に戻すとと
もに、もう一つの往復動作部222を縮退させる。これ
により、上述と同様の作用により、新たに縮退させた真
空吸着部221により吸着させた部分を下側の第一のデ
ィスク基板1a”から離間させるとともに、離間させた
部分の付着力を大幅に減ずることができる。
【0088】このように独立に伸縮可能な二つの往復動
作部222を交互に縮退させることにより、第一のディ
スク基板1a’において、たわみを二回生じさせるよう
にすると、擬似的付着力が相対的に強い場合において
も、付着力を第一のディスク基板1a’の全域にわたっ
て確実に減ずることができ、これにより、第一のディス
ク基板1aの2枚取りをより確実に防止することができ
る。
【0089】さらに、図10に示すたわみ付与手段2
2”のように、独立に動作可能とされた往復動作部22
2および真空吸着部221を三箇所備えるようにしても
よい。この構成においては、(a)のように、真空吸着
部221を第一のディスク基板1a”にそれぞれ吸着さ
せた後、例えば(b)のように、中央に位置する真空吸
着部221を上方に変位させ、続いて(c)に示すよう
に、中央の真空吸着部221を元の位置に戻した後、両
端の真空吸着部221を上方に変位させる。これにより
最表層の第一のディスク基板1a’に作用する付着力
を、ディスク基板全面に亘って確実に低減させ、第一の
ディスク基板1a’のみを引き離すことができる。
【0090】このように、往復動作部222および真空
吸着部221を三箇所設けることにより、第一のディス
ク基板1a’に与える歪みをより大きなものとすること
ができ、離間力を高めることができる。
【0091】なお、図9、図10に示したディスク基板
の引き離し方法においても、真空吸着部221同士の間
隔、あるいは、往復動作部222の可動範囲を調節する
ことにより、離間力を調整することが可能である。ただ
し、これらの調節は、ディスク基板の弾性変形範囲内に
とどめるべきであることはいうまでもない。また、図
9,10に示した第一のディスク基板1aは、第二のデ
ィスク基板1bであってもよい。また、図2、あるい
は、図9,10に示したディスク基板の引き離し方法に
おいては、第一のディスク基板1a’にたわみを生じさ
せるための負荷を与える手段として、真空吸着が採用さ
れている。この場合、真空吸着部221がゴム製であれ
ば、特に、ディスク基板に対する表面傷の発生を防止す
ることができる。もっとも、第一のディスク基板1a’
に負荷を与える手段としては、真空吸着に限らず他の手
段であってもよい。
【0092】[第二の実施の形態]次に、本発明の第二
の実施の形態について、DVDの製造を例に、図面を参
照して説明する。なお、この第二の実施の形態において
説明するDVDの製造装置は、第一の実施の形態に示し
たDVDの製造装置と、その主要な部分が同一の構成と
されているため、ここでは、第一の実施の形態と異なる
箇所のみを説明するとともに、第一の実施の形態と共通
する構成については、同一符号を付し、その説明を省略
する。
【0093】図11に示すDVDの製造装置が、上記第
一の実施の形態と異なる部分は、ディスク積層・分離装
置D’の構成に係る部分である。このディスク積層・分
離装置D’においては、第一の位置11から第二の位置
17にディスク保持器7を搬送するためのコンベア14
に加えて、第三の位置18から第四の位置13にディス
ク保持器7を搬送するためのコンベア141が設けられ
ている。さらに、図12に示すように、第一、第二、第
三、第四の位置11,17,18,13のなす平面P1
の下方に位置する平面P2には、コンベア14の下方
に、コンベア14と逆方向にディスク保持器7を搬送す
るコンベア142が、コンベア141の下方に、コンベ
ア141と逆方向にディスク保持器7を搬送するコンベ
ア143が設けられている。
【0094】さらに、第二の位置17とコンベア142
の起点142aとの間には、第二の位置17からコンベ
ア142の起点142aに向けてディスク保持器7を下
降させる図示しない昇降手段が設けられている。また、
コンベア142の終点142bと第一の位置11との間
にも、図示しない昇降手段が設けられ、ディスク保持器
が、コンベア142の終点142bから第一の位置11
に向けて上昇可能となっている。これにより、第一の位
置11から、第二の位置17,コンベアの起点142a
および終点142bを経て再び第一の位置11に戻るデ
ィスク保持器7の搬送経路CP1が、平面P1と直交す
る平面をなすように形成される。
【0095】同様に、さらに、第四の位置13とコンベ
ア143の起点143aとの間には、第四の位置13か
らコンベア143の起点143aに向けて、ディスク保
持器7を下降させる図示しない昇降手段が設けられてい
る。また、コンベア143の終点143bと第三の位置
18との間にも、図示しない昇降手段が設けられ、ディ
スク保持器7が、コンベア143の終点143bから第
三の位置18に向けて上昇可能となっている。これによ
り、第四の位置13から、コンベア143の起点143
a、コンベア143の終点143b、および、第三の位
置18を経て再び第一の位置11に戻るディスク保持器
7の搬送経路CP2が、平面P1と直交する平面をなす
ように形成される。
【0096】このディスク積層・分離手段D’による剛
体ディスク8およびディスク保持器7の循環は以下のよ
うになる。図13に、第一の搬送経路CP1を模式的に
示す。軸心重ね合わせ搬送装置6により搬送されたディ
スク10は、第一の位置11に配置されたディスク保持
器7上に剛体ディスク8と交互に重ね合わせられる。次
に、このように積層されたディスク10を搭載したディ
スク保持器7が、第五の位置15に移動することによ
り、第五の位置15においてディスク10の展延処理が
行われ、さらに、ディスク10を搭載したディスク保持
器7が、第六の位置16に移動することにより、ディス
ク10の加温処理が行われる。そして、ディスク保持器
7が第二の位置17に搬送され、ここで、ディスク10
と剛体ディスク8とが分離される。
【0097】分離されたディスク10は、ディスク検査
領域R3に移載され、また、剛体ディスク8は、後述す
るように、第四の位置13に配置されたディスク保持器
7上に移載される。
【0098】すべてのディスク10および剛体ディスク
8を、ディスク検査領域R3および第四の位置13に移
載し終えると、第二の位置17のディスク保持器7は空
の状態となる。こんどは、空となったディスク保持器7
をコンベア142の起点142aに降下させ、さらに、
コンベア142により、ディスク保持器7を終点142
bにまで搬送する。
【0099】コンベア142の終点142bにまで搬送
された空のディスク保持器7は、終点142bから上昇
させられて、第一の位置11にまで搬送される。この
後、このディスク保持器7は、剛体ディスク8およびデ
ィスク10が積層させられ、再び、第二の位置17に向
けて搬送される。
【0100】一方、図14は、第二の搬送経路CP2を
模式的に表したものである。ここでは、前述したよう
に、第二の位置17において分離された剛体ディスク8
が、第三の位置18に配置されたディスク保持器7上に
移載させられる。そしてディスク保持器7上の剛体ディ
スク8が所定量となった後、ディスク保持器7は、剛体
ディスク8を搭載した状態で、コンベア141により、
第四の位置13に搬送される。ここで、第四の位置13
に到着した剛体ディスク8は、第一の位置11における
ディスク10および剛体ディスク8の重ね合わせに利用
される。
【0101】剛体ディスク8が第一の位置11に移載さ
れることにより、第四の位置13に配置されたディスク
保持器7は空の状態となるが、今度は空の状態となった
ディスク保持器7は、下降させられ、コンベア143の
起点143aに搬送される。
【0102】そして、このディスク保持器7は、コンベ
ア143により終点143bに向けて搬送される。コン
ベア143の終点143bにおいては、複数の空のディ
スク保持器7が待機状態とされており、第三の位置18
において剛体ディスク8を積み終えたディスク保持器7
が第四の位置13に向けて搬送された後、コンベア14
3の終点143b側から第三の位置18に向けてディス
ク保持器7が供給される。
【0103】第三の位置18に供給された空のディスク
保持器7には、第二の位置17において分離された剛体
ディスク8が積層され、さらに所定量の剛体ディスク8
を積み終えたディスク保持器7は、第四の位置13に向
けて搬送させられる。
【0104】以上述べたDVD製造装置によれば、ディ
スク積層・分離装置D’の、第一、第二、第三、第四の
位置11,17,18,13において、剛体ディスク8
が循環利用させられ、また第一および第二の搬送経路C
P1,CP2において、ディスク保持器7が循環利用さ
れることとなる。これにより、剛体ディスク8およびデ
ィスク保持器7の循環利用を図って、効率的な製造工程
を実現することが可能となる。
【0105】この場合、第一および第二の搬送経路CP
1,CP2が、平面P1と直交するように形成されるた
めに、ディスク保持器7を循環利用するにあたって、平
面的なスペースを多く要することがなく、限られた空間
内において効率的にディスク保持器7の循環利用を図る
ことができる。
【0106】[第三の実施の形態]次に、本発明の第三
の実施の形態について、DVDの製造を例に、図面を参
照して説明する。なお、ここで、上記第一および第二の
実施の形態と共通する構成については、同一符号を付
し、その説明を省略する。図15に示すDVD製造装置
は、ディスク基板取り出し領域R1、ディスク作成領域
R2、ディスク検査領域R3、および、ディスク積層領
域R4とにより概略構成されている。
【0107】ディスク基板取り出し領域R1は、第一の
ディスク基板1aおよび第二のディスク基板1bが積層
状態でディスク保持器7により保持されたストックエリ
アA1と、ディスク保持器7において保持された第一お
よび第二のディスク基板1a.1bを一枚ずつ取り出す
取り出しエリアA2とにより構成されている。
【0108】また、ディスク作成領域R2は、第一のデ
ィスク基板1aにカチオン型紫外線硬化樹脂を落下する
落下照射装置4、第一のディスク基板1aのカチオン型
紫外線硬化樹脂が落下された面を第二のディスク基板1
bに対向させ、これら第一および第二のディスク基板1
a,1bを重ね合わせる重ね合わせ装置5、重ね合わせ
装置5において形成されたディスク10を搬送する搬送
装置19、ディスク10の展延、端面硬化処理を行うデ
ィスク積層・分離装置D”、ディスク積層・分離装置
D”からディスク10をディスク検査領域R3に移載す
るための移載装置20により構成されている。
【0109】さらに、ディスク検査領域R3は、形成さ
れたディスク10の良・不良を検査するディスク検査装
置31により構成されており、ディスク積層領域R4
は、不良品のディスク10を排出するとともに、不良品
でないと判定されたディスク10をディスク保持器7上
に積層させるディスク選別・積層装置32により構成さ
れている。
【0110】これらディスク基板取り出し領域R1、デ
ィスク作成領域R2、ディスク検査領域R3、および、
ディスク積層領域R4は、平面視した場合に略U字状を
なすように順次配置され、このU字の支点および終点に
ディスク基板取り出し領域R1およびディスク積層領域
R4がそれぞれ配置されている。そして、ディスク基板
取り出し領域R1とディスク積層領域R4との間には、
空のディスク保持器7を搬送するための搬送路33が形
成されている。
【0111】次に、本実施の形態におけるDVD製造工
程の概略を説明する。ディスク基板取り出し領域R1に
おいては、まず、取り出しエリアA2においてディスク
保持器7上に積層された第一および第二のディスク基板
1a,1bが取り出される。この場合、ディスク基板の
二枚取りを防ぐために、図2、図9、図10に示したよ
うなたわみ付与手段22,22’,22”が好適に用い
られる。所定量のディスク基板が取り出されると、ディ
スク保持器7は、空の状態となるが、この空となったデ
ィスク保持器7は、搬送路33を通って、ディスク積層
領域R4側へ搬送される。
【0112】このようにして取り出された第一および第
二のディスク基板1a,1bのうち、第一のディスク基
板1aは、上記第一の実施の形態と同様の手順により、
落下照射装置4により、その片面にカチオン型紫外線硬
化性組成物が落下され、さらに、重ね合わせ装置5にお
いて、第二のディスク基板1bと重ね合わされる。
【0113】第一および第二のディスク基板1a,1b
が重ね合わせられることにより形成されたディスク10
は、重ね合わせ装置5から搬送装置19によりディスク
積層・分離装置D”側に搬送される。搬送装置19は、
図16に模式的に示すように、ディスク10および剛体
ディスク8を把持・解放可能な把持部191,192,
193,194を備えている。
【0114】これら把持部191から194のうち把持
部193は、図5に示した軸心合わせ搬送装置6におけ
る真空吸着部62およびエアピッカ63と同様の構成を
備えており、第一および第二のディスク基板1a,1b
の軸心を合わせた状態で、ディスク10を搬送すること
ができる。また、把持部191から194は、一直線上
に等間隔に配置されており、その間隔は、ディスク積層
・分離装置D”における第一の位置11”および第四の
位置13”の間隔と一致している。さらに、把持部19
1から194は、平面視した場合に、ディスク積層・分
離装置D”における第一の位置11”と第四の位置1
3”とを結ぶ直線L1上に沿って連動することが可能と
なっている。
【0115】この搬送装置19により、重ね合わせ装置
5側からディスク積層・分離装置D”側にディスク10
を移載するには、まず、把持部191から194のう
ち、最も重ね合わせ装置5側に配置された把持部191
により重ね合わせ装置5において形成されたディスク1
0を把持し、把持部191を、192,193,194
とともに直線L1に沿って移動させ、ディスク10を押
圧装置35(図15参照)に供給する。
【0116】押圧装置35は、図17に示すように、デ
ィスク10の上面および下面を把持可能な相対する一対
の押圧部36,36を備えている。ディスク10を押圧
装置35に供給すると、押圧装置35は、その押圧部3
6により、ディスク10をその上面および下面から押圧
する。ここで、押圧装置35は、押圧部36,36間
に、図17に示すような所定の間隔Δhを保つように形
成されており、これにより、ディスク10を構成する第
一および第二のディスク基板1a,1bもまた、所定間
隔を保持した状態で対向配置されることとなる。この状
態で所定時間を経過させることにより、第一および第二
のディスク基板1a,1b間のカチオン型紫外線硬化性
組成物45を展延させることができる。なお、上述の間
隔Δhは、上記展延が良好に行われるような値に定めら
れている。
【0117】押圧装置35において展延処理が行われた
ディスク10は、今度は把持部192により把持され
る。把持部192は、ディスク10を軸心合わせ搬送バ
ッファ195(図15参照)に搬送する。そして、軸心
合わせ搬送バッファ195に供給されたディスク10
は、把持部193により把持されて、第一および第二の
ディスク基板1a,1bの軸心を合わせた状態で、ディ
スク積層・分離装置D”の第一の位置11”に配置され
たディスク保持器7上に供給される。
【0118】このとき、ディスク積層・分離装置D”に
配置されたディスク保持器7には、既に剛体ディスク8
が配置されており、ここでは、剛体ディスク8上に、デ
ィスク10を重ねて配置する。
【0119】把持部193により第一の位置11”に配
置されたディスク保持器7にディスク10を供給する
際、把持部194は、図16(b)に示すように、ディ
スク積層・分離装置D”の第四の位置13”上にある。
ここで把持部194は、把持部193が第一の位置1
1”においてディスク10を解放するのと同時に、剛体
ディスク8を把持する。そして、図16(a)に示すよ
うに、把持部194を、把持部191,192,193
とともに、第一の位置11”に移動させ、剛体ディスク
8を解放すると、第一の位置11”に配置されたディス
ク10上に剛体ディスク8を積み重ねることができる。
【0120】このとき、把持部193は、ディスク待機
部195上に、把持部192は、押圧装置35に、把持
部191は、重ね合わせ装置5に対して移動することと
なるから、把持部191,192,193により、重ね
合わせ装置5、押圧装置35、ディスク待機部195に
位置するディスク10を把持し、さらに、これら把持部
191、192,193を図16中(b)に示す位置に
移動させ、ディスク10を解放することにより、ディス
ク10を順次重ね合わせ装置5からディスク積層・分離
装置D”側に移載することが可能となる。
【0121】さらに再度、図16(b)の状態におい
て、把持部194により剛体ディスク8を把持し、把持
部194を図16(a)のような状態として剛体ディス
ク8を解放すると第一の位置11”に剛体ディスク8を
積み重ねることができる。すなわち、この搬送装置19
によれば、ディスク10を順次重ね合わせ装置5からデ
ィスク積層・分離装置D”側に移載することが可能であ
るとともに、第一の位置11”において、剛体ディスク
8およびディスク10を交互に積み重ねることができ
る。
【0122】ディスク積層・分離装置D”は、図15に
示すように同一円周上に配置された第一の位置11”、
第五の位置15”、第六の位置16”、第二の位置1
7”、第三の位置18”、第四の位置13”において中
心Rを回転中心としてディスク保持器7を順次、移動循
環させるようになっている。上述の搬送装置19によ
り、ディスク10および剛体ディスク8が、第一の位置
11”におけるディスク保持器7上に所定量重ねられる
と、ディスク積層・分離装置D”は、このディスク保持
器7を第五の位置15”に移動させ、所定時間経過させ
る。これにより、ディスク10におけるカチオン型紫外
線硬化性組成物の展延が確実に行われる。
【0123】続いて、ディスク積層・分離装置D”は、
ディスク10を搭載したディスク保持器7を第六の位置
16”に移動させ、ここでヒータ38を用いて加温処理
を行う。これにより、ディスク10の端面硬化処理が完
了する。
【0124】次に、ディスク積層・分離装置D”は、デ
ィスク10を搭載したディスク保持器7を第二の位置1
7”に移動させる。この第二の位置17”において、移
載装置20により、ディスク10と剛体ディスク8とが
分離される。移載装置20は、図18に示すように、把
持部201,202,203を備えている。把持部20
1,202,203は、ディスク10および剛体ディス
ク8を把持・解放可能に形成されるとともに、一直線上
に等間隔に配置されている。さらに、これら把持部20
1,202,203の間隔は、第二の位置17”および
第三の位置18”間の間隔と一致している。また、把持
部201,202,203は、平面視した場合に、第二
の位置17”と第三の位置18”とを結ぶ直線L2上に
沿って連動することが可能となっている。
【0125】これら把持部201,202,203のう
ちディスク積層・分離装置D”に近い側の把持部201
は、まず、図18(a)に示すように、第二の位置1
7”のディスク保持器7上の剛体ディスク8を把持す
る。そして、把持部201を、図18(b)に示すよう
に第三の位置18”に移動させ、ここで剛体ディスク8
を解放することにより、第三の位置18”のディスク保
持器7上に剛体ディスク8を積層配置することができ
る。このとき、把持部202は、第二の位置17”上に
あるために、把持部202によりディスク10を把持さ
せるとともに、把持部202を図18(a)に示すよう
に、後述するディスク検査装置31上に移動させ、ディ
スク10を解放させると、第二の位置17”からディス
ク検査装置31にディスク10を移載することができ
る。また、このとき、把持部201は、図18(a)に
示すように、第二の位置17”上にあるために、剛体デ
ィスク8を把持することができる。このような動作の繰
り返しにより、第二の位置17”上において、ディスク
10および剛体ディスク8を分離することができるとと
もに、第三の位置18”のディスク保持器7上に分離し
た剛体ディスク8を積層させることができる。また図1
8(b)においては、把持部203は、ディスク検査装
置31上にあり、図18(a)においては、把持部20
3は、後述するディスク選別・分離装置32にある。し
たがって、図18(b)の位置に把持部203があると
きに、ディスク検査装置31上のディスク10を把持す
るようにし、さらに、図18(a)の位置に把持部20
3があるときに、ディスク10を解放するようにするこ
とによって、ディスク検査装置31からディスク選別・
分離装置32に対して、ディスク10を移載することが
できる。一方、第三の位置18”のディスク保持器7上
に積層された剛体ディスク8は、第四の位置13”に搬
送され、ここで、第一の位置11”におけるディスク1
0と剛体ディスク8との重ね合わせ作業に利用される。
【0126】ディスク積層・分離装置D”からディスク
検査装置31に移載されたディスク10は、ここで、良
・不良の検査が行われる。検査後のディスク10は、上
述のように、把持部203により、ディスク選別・積層
装置32に移載される。ここでは、ディスク検査装置3
1において不良品と判定されたものが選別され、不良品
でないと判定されたもののみが、搬送路33を通じてデ
ィスク基板取り出し領域R1側から移動してきたディス
ク保持器7上に積層配置される。このように積層配置さ
れたディスク10は、ディスク保持器7に搭載されて、
さらに次工程に搬送される。
【0127】以上述べたDVD製造装置によれば、ディ
スク積層・分離装置D”において、同一円周上に配置さ
れた第一の位置11”、第五の位置15”、第六の位置
16”、第二の位置17”、第三の位置18”、第四の
位置13”においてディスク保持器7を順次、移動循環
させるようになっているために、簡易な構成で、ディス
ク保持器7の循環・再利用を実現できる。
【0128】また、搬送装置19の把持部183,18
4が直線L1上を連動することにより、第一の位置1
1”において剛体ディスク8およびディスク10を交互
に積み重ねることができるために、ディスク10の搬送
効率がよく、生産性が高い。
【0129】加えて、移載装置20においても把持部2
01,202が直線L2上を連動することにより、第二
の位置17”において、剛体ディスク8およびディスク
10を分離することとなるために、効率よくこれら剛体
ディスク8およびディスク10を分離することができ、
生産性が高い。
【0130】しかも、ディスク基板取り出し領域R1と
ディスク積層領域R4とが搬送路33によって連絡さ
れ、空のディスク保持器7を循環利用することができる
ために、より、効率的なディスク保持器7の運用が可能
である。さらに、ディスク基板取り出し領域R1、ディ
スク作成領域R2、ディスク検査領域R3、および、デ
ィスク積層領域R4を略U字状に配置したために、搬送
路33を短くすることができ、なおかつ、空間効率にお
いても優れている。
【0131】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の板状物体
の引き離し方法においては、スペーサやイオン化空気の
吹き付け等の手段を用いず、確実かつ安価に、積層され
た板状物体のうちの最表層の一枚を引き離すことができ
る。また、本発明の板状物体の搬送装置においては、積
層された板状物体のうちの表層の一枚を確実に引き離し
て他の場所に搬送することができ、DVD製造工程等に
好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の搬送装置が適用された光ディスク製
造装置の第一の実施形態を模式的に示す平面図である。
【図2】 本発明の搬送装置において、ディスク基板を
把持する際の手順を示す図である。
【図3】 第一の実施の形態で用いたカチオン型紫外線
硬化性組成物の落下照射装置の構成を示す図である。
【図4】 重ね合わせを説明するための図である。
【図5】 軸心合わせを行いつつ搬送を行う装置の要部
を示す図である。
【図6】 ディスクと剛体ディスクを積み重ねた状態を
示す図である。
【図7】 ディスクを積み重ねたままで紫外線照射によ
り端面処理を行う状態を示す図である。
【図8】 実施例および比較例のディスク外観形状を示
す図である。
【図9】 本発明の搬送装置の他の実施の形態を示す図
であって、ディスク基板を把持する際の手順を示す図で
ある。
【図10】 同、さらに他の実施の形態を示す図であっ
て、ディスク基板を把持する際の手順を示す図である。
【図11】 本発明の搬送装置が適用された光ディスク
製造装置の第二の実施形態を模式的に示す平面図であ
る。
【図12】 図11の光ディスク製造装置に用いられる
ディスク積層・分離装置を模式的に示す斜視図である。
【図13】 図12のディスク積層・分離装置における
第一の搬送経路を示す立面図である。
【図14】 図12のディスク積層・分離装置における
第二の搬送経路を示す立面図である。
【図15】 本発明の搬送装置が適用された光ディスク
製造装置の第三の実施形態を模式的に示す平面図であ
る。
【図16】 図15の光ディスク製造装置に用いられる
ディスクの搬送装置を模式的に示す立面図である。
【図17】 同、押圧装置を模式的に示す立断面図であ
る。
【図18】 同、ディスクの移載装置を模式的に示す立
面図である。
【符号の説明】
A1,A4・・・ディスク基板ストックエリア A2,A5・・・ディスク基板取り出しエリア A3,A6・・・ディスク保持器ストックエリア B・・・塗布ステージ C・・・重ね合わせステージ CP1・・・第一の搬送経路 CP2・・・第二の搬送経路 D,D’,D”・・・ディスク積層・分離装置 E・・・端面硬化処理装置 L1,L2・・・直線 P1,P2・・・平面 R1,R1’・・・ディスク基板取り出し領域 R2・・・ディスク作成領域 R3・・・ディスク検査領域 R4・・・ディスク積層領域 1a・・・第一のディスク基板 1b・・・第二のディスク基板 2・・・搬送装置 22・・・たわみ付与手段 221・・・真空吸着部 222・・・往復動作部 223・・・変位抑制部 4・・・落下照射手段 41・・・ディスペンサ(ノズル) 42・・・紫外線
照射手段 5・・・重ね合わせ装置 6・・・軸心合わせ搬送装置 7・・・ディスク保持器 8・・・剛体ディスク 10・・・ディスク 11,11”・・・第一の位置 12・・・剛体ディスク搬送装置 13,13”・・・第四の位置 14,141,142,143・・・コンベア 15,15”・・・第五の位置 16,16”・・・第六の位置 17,17”・・・第二の位置 18,18”・・・第三の位置 19・・・搬送装置 191,192,193,194・・・把持部 20・・・移載装置 201,202,203・・・把持部 31・・・ディスク検査装置 32・・・ディスク選別・積層装置 33・・・搬送路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚積層された可撓性を有する板状物
    体のうち、最表層の板状物体にたわみを生じさせ、しか
    る後に、該最表層の一枚を他の板状物体から引き離すこ
    とを特徴とする板状物体の引き離し方法。
  2. 【請求項2】 前記たわみを維持したまま前記最表層の
    一枚を引き離す請求項1に記載の板状物体の引き離し方
    法。
  3. 【請求項3】 複数回前記たわみを生じさせる請求項1
    または2記載の板状物体引き離し方法。
  4. 【請求項4】 前記たわみを生じさせるには、前記最表
    層の一枚のうちの一部を機械的に拘束しつつ、他の一部
    に負荷を与える請求項1から3のいずれかに記載の板状
    物体の引き離し方法。
  5. 【請求項5】 前記他の一部に負荷を与えるには、該他
    の一部を真空吸着により吸着する請求項4に記載の板状
    物体の引き離し方法。
  6. 【請求項6】 複数枚積層された可撓性を有する板状物
    体のうち、最表層の一枚を保持し搬送するための装置で
    あって、 前記最表層の一枚をたわませるたわみ付与手段と、 たわみ状態の前記最表層の一枚を保持して他の板状物体
    から引き離す保持手段と、 引き離された前記最表層の一枚を搬送するための搬送手
    段とを具備する板状物体の搬送装置。
  7. 【請求項7】 前記たわみ付与手段は、前記板状物体の
    板面に吸着する真空吸着部と、前記真空吸着部を前記板
    面に対して往復動作させる往復動作部と、前記真空吸着
    部が動作する際に、前記板状物体の一部を機械的に拘束
    する変位抑制部とを有する請求項6に記載の板状物体の
    搬送装置。
  8. 【請求項8】 前記たわみ付与手段は、前記板状物体の
    板面に一部に吸着する複数の真空吸着部と、前記真空吸
    着部を前記板面に対して往復動作させる往復動作部とを
    有し、前記往復動作部は、複数の前記真空吸着部を独立
    に往復動作させる請求項6に記載の板状物体の搬送装
    置。
  9. 【請求項9】 前記往復動作の可動範囲が調整可能とさ
    れている請求項7または8に記載の板状物体の搬送装
    置。
JP11180964A 1999-06-25 1999-06-25 板状物体の引き離し方法および板状物体の搬送装置 Withdrawn JP2001002259A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11180964A JP2001002259A (ja) 1999-06-25 1999-06-25 板状物体の引き離し方法および板状物体の搬送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11180964A JP2001002259A (ja) 1999-06-25 1999-06-25 板状物体の引き離し方法および板状物体の搬送装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001002259A true JP2001002259A (ja) 2001-01-09

Family

ID=16092370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11180964A Withdrawn JP2001002259A (ja) 1999-06-25 1999-06-25 板状物体の引き離し方法および板状物体の搬送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001002259A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007161354A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Dainippon Printing Co Ltd 開包システムおよび開包方法
WO2007142439A1 (en) * 2006-06-08 2007-12-13 Jusung Engineering Co., Ltd Method of transferring substrate using vacuum absorption
JP2008087883A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板取出装置およびその方法
KR101400096B1 (ko) * 2006-06-08 2014-05-30 주성엔지니어링(주) 진공흡착을 통한 기판운송방법
CN106494898A (zh) * 2016-12-21 2017-03-15 东莞市超业精密设备有限公司 一种用于传送片材的取料装置及提取片材的方法
JP2019167208A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 株式会社Screenホールディングス 合紙除去装置および合紙除去方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007161354A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Dainippon Printing Co Ltd 開包システムおよび開包方法
WO2007142439A1 (en) * 2006-06-08 2007-12-13 Jusung Engineering Co., Ltd Method of transferring substrate using vacuum absorption
KR101400096B1 (ko) * 2006-06-08 2014-05-30 주성엔지니어링(주) 진공흡착을 통한 기판운송방법
TWI478266B (zh) * 2006-06-08 2015-03-21 Jusung Eng Co Ltd 使用真空吸力移動基板之方法
JP2008087883A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板取出装置およびその方法
CN106494898A (zh) * 2016-12-21 2017-03-15 东莞市超业精密设备有限公司 一种用于传送片材的取料装置及提取片材的方法
JP2019167208A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 株式会社Screenホールディングス 合紙除去装置および合紙除去方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101662183B1 (ko) 투광성 경질 기판 적층체의 제조 방법 및 투광성 경질 기판 접합 장치
KR100470855B1 (ko) 광디스크 제조 장치 및 제조 방법
KR101861891B1 (ko) 접합 방법 및 접합 시스템
JP2001002259A (ja) 板状物体の引き離し方法および板状物体の搬送装置
JP6412786B2 (ja) 搬送方法
WO2000057414A1 (fr) Dispositif de production de disque optique
WO2020213571A1 (ja) 成形装置、成形方法、および物品の製造方法
KR102431793B1 (ko) 초박형 유리용 합착시트 정렬장치
TWI616346B (zh) 基板處理系統、包含於其中之層壓設備及基板處理方法
CN113526211A (zh) 供膜装置
JP2001014732A (ja) 物体積層・分離装置および光ディスク製造装置
JP2001014733A (ja) 光ディスク製造装置
WO2023100831A1 (ja) チップ周部剥離装置、チップ供給装置、チップ供給システム、チップ接合システム、ピックアップ装置、チップ周部剥離方法、チップ供給方法、チップ接合方法およびピックアップ方法
TW202010574A (zh) 點膠裝置
KR102252128B1 (ko) 초박형 유리 적층 시스템
JP7142738B2 (ja) 積層装置及び積層方法
JP2001256681A (ja) 貼り合せ方法、スペーサ及び貼り合せ装置
JP2002042386A (ja) 軸心合わせ方法、軸心合わせ装置及びディスク製造装置
JP2002028975A (ja) 貼り合わせ方法、貼り合わせ装置及びディスク製造装置
JP2011057882A (ja) 枚葉の粘着剤層積層シートの製造方法
JP2001149839A (ja) 紫外線硬化性組成物落下照射装置及びそれを備えた光ディスク製造装置
US20020166627A1 (en) Method for maintaining flatness, flatness maintaining unit and device, and disc manufacturing method and device
US20070113969A1 (en) Optical disk laminating method and optical disk laminating device
JP2007109311A (ja) 上下基板の貼合わせ方法
JPH0733247A (ja) 光ディスク搬送装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060905