JP2001001449A - ゴム積層体 - Google Patents
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Abstract
せしめられて構成されてなるゴム積層体にして、有効な
耐オゾン劣化性を発揮すると共に、硬質板とゴム層との
接着性の長期安定性に優れるゴム積層体を提供するこ
と。 【解決手段】 ゴム積層体10のゴム層16を、ゴム材
料の100重量部に対して5重量部以下のアミン系老化
防止剤を配合してなるゴム組成物を用いて形成すると共
に、ゴム層16の外表面に、分子量が260以上の高分
子アミン系老化防止剤を塗布せしめた。
Description
や建築用等の構造物を支承するゴム積層体、中でも、橋
梁の橋脚への支承のために好適に用いられる橋梁用ゴム
積層体(支承体)に関するものである。
造物の支持に使用されている、ゴム積層体たるゴム支承
体は、上部構造体と下部構造体との間に介在せしめられ
て、配置されるものであるが、通常、それらの構造体の
重量が極めて大きいために、金属板等の剛性を有する硬
質板とゴム層とが交互に積層せしめられてなる積層体構
造とされており、それによって、建物の防振支持乃至は
免震支持や、橋梁の荷重支持、更には免震支持等の、ゴ
ム支承体としての機能が効果的に果たされ得るようにな
っている。
く、ゴム積層体10は、ゴムブロック12内に硬質板と
しての金属板14の複数枚が互いに所定距離を隔てて埋
設されると共に、ゴムブロック12の上部及び下部に、
それぞれ、硬質板としての金属製の取付板18,18が
固着せしめられることによって、そのような金属板14
及び取付板18と、それら金属板14,14間及び金属
板14と取付板18との間に位置するゴムブロック12
部分であるゴム層16とが、交互に、一体的に積層され
てなる構造となっている。そして、そのようなゴム積層
体10は、その上下の取付板18,18において、橋梁
等の上部構造体と橋脚等の下部構造体との間に挟持、配
置されて、固定せしめられ、コンクリート橋脚等の大な
る重量の上部構造体を支持するようになっているのであ
り、以て、ゴム積層体としての本来の機能が奏せしめら
れ得るようになっている。即ち、地震、強風或いは橋上
を通過する車両等による重量や加速度の影響によって生
じる撓み及び変位が、ゴム積層体の剪断方向の緩衝作用
によって吸収され、また上下方向の振動も、ゴム積層体
の緩衝作用によって吸収され得るようになっているので
ある。
の設置場所からして、外気に晒され易く、特に、橋梁の
支承のために使用される橋梁用ゴム積層体にあっては、
厳しい自然環境下におかれることとなるところから、ゴ
ム積層体に良好な耐オゾン劣化性を付与するべく、従来
より、そのゴム層を与えるゴム組成物として、アミン系
の老化防止剤を配合してなるものが、広く用いられてい
る。即ち、このアミン系老化防止剤は、ゴム積層体を構
成するゴム層に練り込まれて用いられることにより、ゴ
ム層の伸縮に伴ってその表面に滲出(ブルーム)して、
外気中のオゾンや酸素等によるゴム層に対する攻撃を、
効果的に阻止せしめ得るという機能を有するものであ
り、それ故、このようなアミン系老化防止剤を配合して
なるゴム組成物にて形成されたゴム層、更にはかかるゴ
ム層を有してなるゴム積層体においては、耐オゾン劣化
機能が有効に発揮され得て、その表面における傷乃至は
クラックの発生が、効果的に防止されることとなるので
ある。
は、そのゴム層を与えるゴム組成物における前記アミン
系老化防止剤の配合量、換言すれば、アミン系老化防止
剤のゴム層中への練り込み量が少ないと、そのブルーム
量が減少して、それがゴム表面に滲出するまでに時間を
要することとなり、それによって、ゴム積層体の製造,
設置後における初期段階や、低温環境下で使用される場
合等において、充分な耐オゾン劣化特性を実現し得なく
なるといった不具合が生じるところから、一般に、アミ
ン系老化防止剤は、比較的に多い配合量において使用さ
れることが望まれているのであるが、それは、ゴム層の
表面だけでなく、ゴム層と金属板や取付板との接着界面
にも、ゴム層の伸縮に伴ってブルームすることから、そ
のゴム層への練り込み量が多い場合には、接着界面に滲
出した老化防止剤により、かかる接着界面における接着
層に悪影響が及ぼされて、ゴム層と金属板或いは取付板
との接着剥離が惹起されることとなり、結果的に、上述
の如きゴム積層体乃至はゴム支承体としての機能が有効
に奏され得なくなる等といった問題が内在しているので
ある。
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、有効な耐オゾン劣化性を発揮すると共に、剛性
を有する硬質板とゴム層との接着性の長期安定性に優れ
るゴム積層体を、提供することにある。
題を解決するために、剛性を有する硬質板とゴム層とが
交互に積層せしめられて構成されてなるゴム積層体にし
て、前記ゴム層が、ゴム材料の100重量部に対して5
重量部以下のアミン系老化防止剤を配合してなるゴム組
成物を用いて形成されていると共に、該ゴム層の外表面
に、分子量が260以上の高分子アミン系老化防止剤を
塗布せしめてなることを特徴とするゴム積層体を、その
要旨とするものである。
ては、硬質板の間に位置せしめられるゴム層の外表面に
おいて、所定の高分子アミン系老化防止剤が塗布され
て、耐オゾン劣化性を発現する塗膜が形成されていると
ころから、その設置場所の環境条件に影響されることな
く、製造,設置後の早期から、耐オゾン劣化性能が充分
に奏され得るのであり、また、そのような高分子アミン
系老化防止剤が、所定以上の分子量を有するものにて構
成されて、水等に溶出され難くなっていること等によ
り、前記ゴム層表面上に形成された耐オゾン劣化性塗膜
の欠損乃至は剥落が、効果的に抑制されると共に、ゴム
層が、所定のアミン系老化防止剤を配合してなるゴム組
成物にて形成されていることにより、ゴム層表面上の前
記耐オゾン劣化性塗膜の欠損,剥落が生じた場合には、
かかるアミン系老化防止剤がゴム層の外表面に滲出し
て、耐オゾン劣化機能を奏し得るようになっているとこ
ろから、経年使用後においても、ゴム層におけるオゾン
劣化が良好に防止され得るのである。しかも、本発明に
おいては、ゴム層を与えるゴム組成物において、アミン
系老化防止剤が、所定量以下の割合で配合せしめられて
いるところから、それがゴム層と硬質板との接着界面に
滲出して、接着剥離を引き起こすようなことが、効果的
に阻止乃至は解消され得て、ゴム層と硬質板との接着性
が、長期間に亘って安定的に保持され得るのである。
層体にあっては、従来では相反していた、有効な耐オゾ
ン劣化性の実現と、硬質板とゴム層との接着性における
長期安定性の確保とを、両立的に達成し得るものであ
り、従って、土木や建築用等の構造物を支承するゴム積
層体、中でも、橋梁を橋脚に対して支承せしめる橋梁用
ゴム積層体として有利に用いられ得、以て、優れた支承
乃至は支持機能を有効に発揮することとなるのである。
て、有利には、前記ゴム組成物は、前記アミン系老化防
止剤と共に、石油系ワックスを更に含んでいることが望
ましいのであって、そのような2成分の併用によって、
耐オゾン劣化性がより一層有効に発揮され得るのであ
る。
ましい態様の一つによれば、前記高分子アミン系老化防
止剤としては、N,N’−ジ−1−メチルヘプチル−p
−フェニレンジアミンが、有利に用いられることとな
る。
うゴム積層体は、代表的には、図1に示される如き構造
を呈するものであって、ゴムブロック12内に、剛性を
有する硬質板として互いに所定間隔を空けて配置された
複数の金属板14によって、それら金属板14,14間
に、ゴム層16が形成されると共に、かかるゴムブロッ
ク12の上部及び下部において、硬質板としての金属か
らなる取付板18,18が固着せしめられて、以て、そ
れらゴム層16と金属板14及び取付板18とが交互に
積層せしめられた積層構造とされている。そして、そこ
において、それを構成するゴムブロック12、具体的に
は、ゴム層16が、本発明に従って、所定のゴム組成物
を用いて形成されていると共に、かかるゴム層16の外
表面の全面には、図2に示される如く、特定のアミン系
老化防止剤が塗布せしめられて、耐オゾン劣化性を有す
る塗膜20が形成されているのである。
いて、ゴム層16を与えるゴム組成物は、天然ゴム及び
/又はジエン系合成ゴムからなるゴム材料の100重量
部に対して、必須の成分として、従来と同様な耐オゾン
劣化性を発揮するアミン系老化防止剤を、5重量部以下
の割合において、好ましくは2〜5重量部、更に好まし
くは2〜3重量部の割合にて、配合せしめてなるもので
ある。
必須の耐オゾン劣化性発現成分として配合せしめられる
アミン系老化防止剤は、ゴム層16(ゴムブロック1
2)の伸縮に伴って、ゴム層16の表面に滲出乃至はブ
ルームすると同時に、ゴム層16内部に透過してくるオ
ゾンや酸素等の攻撃を化学反応により阻止して、ゴム層
16の劣化が惹起されないようにする、所謂、耐オゾン
劣化機能を発揮するものであるが、かかる配合されたア
ミン系老化防止剤は、ゴム層16の表面のみならず、ゴ
ム層16と金属板14或いは取付板18との接着界面に
も滲出することとなるために、その配合量が多くなり過
ぎると、その界面に存在する接着層に悪影響を与えてし
まい、接着剥離を生ぜしめる等の不具合を惹起するよう
になるところから、本発明においては、先述の如く、ゴ
ム材料の100重量部に対して、5重量部以下の割合と
なるように、用いられるのである。尤も、アミン系老化
防止剤の配合量が余りにも少な過ぎる場合には、所望の
耐オゾン劣化機能が充分に奏され得なくなる恐れがある
ところから、アミン系老化防止剤は、有利には、ゴム材
料の100重量部に対して2重量部以上の割合となるよ
うに用いられることが、好ましい。
れるアミン系老化防止剤としては、従来から公知の各種
のものが採用され得るが、有利には、ブルーム(滲出)
速度に優れたものを用いることが好ましく、例えば、N
−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジア
ミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニ
ル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチ
ル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,
N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェ
ニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロ
キシプロピル)−p−フェニレンジアミン等を挙げるこ
とが出来、それらのうちの1種若しくは複数が適宜に組
み合わされて、用いられることとなる。そして、本発明
においては、耐オゾン劣化性と、特に低温でのブルーム
速度の点からして、上記において例示したアミン系老化
防止剤の中でも、N−イソプロピル−N’−フェニル−
p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチ
ル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを採用
することが、より望ましく、また特に、それら2種を併
用することが、更に望ましいのである。
を構成するゴム層16を与えるゴム組成物には、従来と
同様なアミン系老化防止剤が配合せしめられているとこ
ろから、換言すれば、ゴム積層体10において、そのゴ
ム層16には、アミン系老化防止剤が練り込まれている
ところから、ゴム層16の外表面に形成された前記耐オ
ゾン劣化性塗膜20が欠けたり、剥がれ落ちたりした場
合には、その欠損乃至は剥落部位に、ゴム層16内部の
アミン系老化防止剤が滲出することにより、オゾンや酸
素等のアタックを受けて、ゴム層16に表面傷が発生す
る恐れが、効果的に解消され得ることとなるのである。
しかも、本発明にあっては、そのようなアミン系老化防
止剤が、ゴム材料に対して前記特定の割合において配合
せしめられているところから、ゴム層16と金属板14
或いは取付板18との接着剥離が効果的に防止乃至は解
消され得て、長期に亘る使用においても、それらゴム層
16と金属板14等との接着性が安定して良好に維持さ
れ得ることとなるといった利点も、有しているのであ
る。
共に、ゴム層16を与えるゴム組成物を構成する成分の
一つであるゴム材料は、従来からゴム積層体(支承体)
の製造に用いられている各種のゴム材料の中から適宜に
選定されることとなるが、有利には、天然ゴム及びジエ
ン系合成ゴムのうちの少なくとも1種を主成分として構
成される。また、そのジエン系合成ゴムとしては、合成
ポリイソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ポリ
ブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等
が用いられるのである。
材料に対して、所定の石油系ワックスを、上記アミン系
老化防止剤に組み合わせて配合せしめることが、望まし
いのである。この石油系ワックスは、ゴム層16の表面
に滲出し、耐オゾン劣化性保護膜を形成することで、オ
ゾンや酸素等の攻撃がゴム層16に直接に働かないよう
にプロテクトする作用を為すものであり、従って、上記
の如き耐オゾン劣化性を発揮するアミン系老化防止剤と
共に配合せしめられることにより、相乗効果が効果的に
発揮され得、以て、より高度な耐オゾン劣化特性を実現
することが、可能となるのである。
公知の各種のものを用いることが出来、例えば、パラフ
ィンワックスやマイクロクリスタリンワックス等として
市販されているものの中から、適宜に選択されることと
なる。また、本発明にあっては、低温雰囲気下での使用
においても、有効な耐オゾン劣化性保護膜の形成が迅速
に行なわれ得るように、石油系ワックスとしては、45
〜75℃の範囲の融点を有するものが用いられること
が、好ましい。なお、そのような石油系ワックスの配合
量としては、一般に、ゴム材料の100重量部に対して
1〜7重量部の範囲内とされることが、望ましい。これ
は、その配合量が多くなり過ぎると、ゴム層16と金属
板14又は取付板18との接着性が悪化し、ゴム積層体
(ゴム支承体)としての機能を充分に奏し得なくなるの
であり、逆に、余りにも少ない配合量においては、石油
系ワックスによる耐オゾン劣化効果が充分に得られなく
なるからである。
して、アミン系老化防止剤が所定割合にて配合せしめら
れ、また、石油系ワックスが適当な割合において配合さ
れてなるゴム組成物には、更に必要に応じて、カーボン
ブラック等の補強剤、オイル等の軟化剤、硫黄の如き加
硫剤、加硫促進剤、ステアリン酸や亜鉛華(ZnO)等
の加硫促進助剤等の公知の各種のゴム用配合剤が、通常
の範囲内において配合せしめられ、目的とするゴム層1
6を与えるゴムブロック12の形成に用いられることと
なるのである。
発明に従うゴム積層体10を製造するには、先ず、ゴム
ブロック12の上下部位に取付板18,18を固着せし
めてなるゴム積層体10の前駆体(以下、積層前駆体と
略す)を作製することとなるのであるが、そのような積
層前駆体の作製に際しては、従来と同様に、公知の各種
の手法が適宜に採用され、例えば、加硫成形金型を用い
て、その成形キャビティ内の所定位置に、金属板14と
取付板18を配置せしめると共に、それら金属板14や
取付板18における接着表面に、適当な接着剤を塗布せ
しめた後、かかる成形キャビティ内にゴム組成物を注入
して、加硫成形せしめることにより、金属板14,14
間や金属板14と取付板18との間にゴム層16が介在
せしめられて、一体的に加硫接着されてなる構造とする
方法や、ゴム組成物をカレンダーにて所定厚みに分出し
せしめて、成形すること等により形成されたゴム層16
と金属板14とを、適当な接着剤を用いて、交互に積
層,接着せしめてゴムブロック12を作製し、更に、そ
の上下面に取付板18,18を接着せしめて一体化する
ことにより、積層前駆体と為す方法等が、採用されるこ
ととなる。
構成するゴム層16の外表面の全面に対して、所定の高
分子アミン系老化防止剤を塗布せしめることにより、本
発明に従うゴム積層体10が得られるのである。そこに
おいて、かかる高分子アミン系老化防止剤は、ゴム層1
6の外表面の全面に塗布せしめられて、塗膜20を形成
することにより、オゾン劣化防止作用を奏するものであ
って、具体的には、外表面上において、ゴム層16がオ
ゾンや酸素等の攻撃を受けないように、かかる攻撃を化
学反応により阻止せしめて、ゴム層16を有効に保護す
ることが出来るという特徴を有するものであるが、本発
明にあっては、そのような耐オゾン劣化作用の継続性の
向上を図るべく、それが水等に容易に溶出して剥離され
得ないように為すことを目的として、260以上、特に
好ましくは300以上の分子量を有するものにて構成さ
れることが、必要とされている。
布せしめられる高分子アミン系老化防止剤としては、分
子量(MW)が260以上である限りにおいて、公知の
各種のアミン系老化防止剤が有利に採用され得るが、好
適には、N,N’−ジ−1−メチルヘプチル−p−フェ
ニレンジアミン(ジ−2−オクチル−p−フェニレンジ
アミン)(MW:332)、N−(1,3−ジメチルブ
チル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(M
W:268)、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フ
ェニル−p−フェニレンジアミン(MW:296)、
N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(MW:
260)等が有利に用いられるのであり、更に好適に
は、それらの中でも、N,N’−ジ−1−メチルヘプチ
ル−p−フェニレンジアミンを使用することが、望まし
い。
塗布作業においては、通常、所定の高分子アミン系老化
防止剤が、ノナン等の適当な液体媒体中に添加,含有せ
しめられて、溶液形態において調製されてなるものが、
有利に用いられるのであり、そのような液剤をハケ塗
り、浸漬、噴霧等の通常の手法によりゴム層16の外表
面に塗布せしめることによって、外表面上において均質
な塗膜20が形成されて、以て、極めて有効な耐オゾン
劣化特性が実現されることとなるのである。なお、高分
子アミン系老化防止剤の塗布回数や形成される塗膜20
の厚さについては、所期の効果が発揮され得るように、
適宜に設定され得るものであって、例えば、1回の塗布
において、均一な塗膜20を形成し得ないような場合に
は、その塗布操作を複数回繰り返して行なうことが、望
ましい。
体10にあっては、ゴム層16の外表面には、所定の高
分子アミン系老化防止剤が塗布されて、耐オゾン劣化性
塗膜20が形成されているところから、耐オゾン劣化特
性が、その設置環境条件に左右されることなく、製造,
設置後における初期から、極めて有効に発揮され得るこ
ととなるのである。また、そのような高分子アミン系老
化防止剤の分子量が260以上とされて、その外表面上
の耐オゾン劣化性塗膜20が、水等に溶出したりして剥
離してしまうようなことが、効果的に抑制され得るよう
になっており、更には、上記せるように、高分子アミン
系老化防止剤からなる塗膜20が取れてしまうような場
合にあっても、ゴム層16中に練りこまれたアミン系老
化防止剤の滲出作用に基づいて、耐オゾン劣化機能が発
現され得るようになっていることから、経年的な使用後
にあっても、ゴム層16における傷乃至はクラックとい
ったオゾン劣化が、生じ難くなっているのである。
層体10にあっては、耐オゾン劣化性と、ゴム層16と
金属板14等の硬質板との接着状態の長期安定性といっ
た、従来では相反していた特性を、両立して且つ高度に
実現し得るものなのである。
剛性を有する硬質板として用いられる金属板14や取付
板18としては、耐圧縮性に優れた鉄板や鋼板が好適に
用いられ得るものであるが、他の金属材質のものであっ
ても、何等差し支えなく、更には硬質プラスチック板材
等であっても、耐圧縮性に優れたものであれば、同様に
使用可能である。また、取付板18にあっては、必要に
応じて適宜に設けられるものであることは、言うまでも
ないところである。更に、かかるゴム積層体10の全体
形状としては、その設置形態に応じた適宜の形状が採用
され、例えば、平面形態において、四角形形状や円盤形
状の他に、楕円形状や五角形、六角形等の多角形形状と
することも可能であり、更に金属板14やゴム層16の
積層数にあっても、ゴム積層体の用途に応じて適宜に決
定されることとなる。
って、例示の如き構成をもって製造されたゴム積層体は
勿論のこと、既設のゴム積層体(但し、ゴム層は、ゴム
材料に対してアミン系老化防止剤を前記した割合におい
て配合してなるゴム組成物を用いて形成されているもの
である)の外表面に、260以上の分子量を有する高分
子アミン系老化防止剤を塗布せしめたものをも、その範
疇に含むものであることが理解されなければならない。
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
ゴム組成物(No.1〜3)を調製した。なお、各ゴム組
成物の調製に際して、ゴム材料としては、天然ゴム(N
R)を用いると共に、アミン系老化防止剤としては、N
−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジア
ミン(3C)及びN−(1,3−ジメチルブチル)−
N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6C)を用
い、更に、石油系ワックスとしては、融点(MP)が7
0℃であるマイクロクリスタリンワックスを用いた。
験、及び接着剥離試験のための加硫ゴム試験片を、上記
で得られた各ゴム組成物から、150℃×20分の加硫
条件を採用して、それぞれ、作製した。なお、40℃及
び低温オゾン試験用の試験片としては、何れも、JIS
−K−6259の「加硫ゴムのオゾン劣化試験方法」に
おいて規定される如きダンベル1号片を作製し、また、
接着剥離試験用の試験片としては、JIS−K−625
6の「加硫ゴムの接着試験方法」における「5.金属片
とゴムの90度はく離試験」に定められる如き試験片を
作製した。
物より得られた各試験片に対しては、それを構成するゴ
ム部表面の全体において、高分子アミン系老化防止剤と
してのN,N’−ジ−1−メチルヘプチル−p−フェニ
レンジアミン(MW:332)を含有する溶液(溶媒:
ノナン)を3回重ね塗りせしめて、試料No.1(本発明
例)とする一方、No.2及びNo.3のゴム組成物より得
られた各試験片には、高分子アミン系老化防止剤の塗布
操作を実施しないで、試料No.2及びNo.3(比較例)
とした。
は、上記で得られた各試料を50%伸張せしめた後、1
時間以内に、オゾン濃度:50pphm、雰囲気温度:
40℃とされたオゾン槽内に投入し、96時間後におい
て、各試料における亀裂の発生を観察し、JIS−K−
6259に基づいて評価して、亀裂なしの場合を○、亀
裂の発生が認められた場合を×として示した。また、低
温オゾン試験は、上記において40℃オゾン試験用の試
料とは別に作製された試料を、それぞれ用いて、その5
0%の伸張を行なった後、1時間以内に、オゾン濃度:
50pphm、雰囲気温度:−30℃の低温オゾン槽内
に投入し、96時間後において、各試料における亀裂の
発生を観察して、40℃オゾン試験と同様の評価を行な
った結果を下記表1に示した。
の間の接着性について評価するものであって、具体的に
は、JIS−K−6256の前記「5.金属片とゴムの
90度はく離試験」に規定される試験方法に従って、鉄
板に接着したゴムを90度の方向に剥離せしめて、その
剥離部分の状態を観察し、ゴム部の破損割合が100%
のものを○、ゴム部と接着剤間に破損部分があるものを
×として、示した。
本発明例たる試料No.1は、40℃及び低温オゾンの試
験の何れにおいても、良好な結果を示しており、使用環
境条件や使用時間に影響を受けることなく、有効に耐オ
ゾン劣化性を発揮し得るものであり、しかも、金属片と
ゴムとの間の接着性においても、良いものであること
が、認識される。また、特に、本発明例の試料No.1に
おいては、ゴム部の表面に塗布せしめられた高分子アミ
ン系老化防止剤としてのN,N’−ジ−1−メチルヘプ
チル−p−フェニレンジアミンの一部が、ゴム内部に浸
透しており、それにより、かかる高分子アミン系老化防
止剤からなる塗膜が、極めて剥離され難くなっているこ
とを、認めた。
にあっては、そのゴム部を与えるゴム組成物が、前記本
発明例のものと同様の配合組成にて調製されてはいるも
のの、そのようなゴム組成物より得られるゴム部の表面
には、高分子アミン系老化防止剤が塗布されていないこ
とから、特にゴム内部のアミン系老化防止剤(3C,6
C)のブルーム速度が低下する低温環境下において、オ
ゾンによる攻撃を充分に阻止することが出来ず、亀裂が
発生することが認められ、これにより、耐オゾン劣化性
において好ましくないものであることが、理解される。
そのゴム部を形成するゴム組成物において、アミン系老
化防止剤の配合量(3C及び6Cの合計量)が多過ぎる
と、金属片とゴムとの間の接着性が悪化することが認め
られるのであり、ゴム積層体(ゴム支承体)しての機能
を低下せしめ、その耐久性に問題が生じることが、分か
る。
に従うゴム積層体にあっては、地震、強風、或いは橋上
を通過する車両等による重量や加速度の影響によって生
じる撓み及び変位が、ゴム積層体の剪断方向における緩
衝作用によって、有効に吸収され、更に上下方向の振動
も、ゴム積層体の緩衝作用によって、有利に吸収される
こととなることは勿論、そのようなゴム積層体におい
て、剛性を有する硬質板と共に積層構造を構成するゴム
層が、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムをベースと
して、これに、所定量のアミン系老化防止剤を配合せし
めてなるゴム組成物にて、形成せしめられていると共
に、かかるゴム層の外表面には、特定の分子量を有する
高分子アミン系老化防止剤が塗布せしめられていること
によって、有効な耐オゾン劣化特性と、硬質板とゴム層
との接着性の長期安定性とを、共に併せ有するものとな
ったのであり、従って、土木や建築用等の構造物を支承
するゴム積層体、中でも、厳しい環境下で使用される橋
梁用ゴム積層体として、有利に用いられ得るのである。
を示す、一部切欠き説明図である。
明が適用された一例を示す説明図であって、図1におけ
るA部に相当する拡大図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 剛性を有する硬質板とゴム層とが交互に
積層せしめられて構成されてなるゴム積層体にして、前
記ゴム層が、ゴム材料の100重量部に対して5重量部
以下のアミン系老化防止剤を配合してなるゴム組成物を
用いて形成されていると共に、該ゴム層の外表面に、分
子量が260以上の高分子アミン系老化防止剤を塗布せ
しめてなることを特徴とするゴム積層体。 - 【請求項2】 前記ゴム組成物が、前記アミン系老化防
止剤と共に、石油系ワックスを更に含んでいることを特
徴とする請求項1記載のゴム積層体。 - 【請求項3】 前記高分子アミン系老化防止剤が、N,
N’−ジ−1−メチルヘプチル−p−フェニレンジアミ
ンである請求項1又は請求項2記載のゴム積層体。
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ID=16044113
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JP17818699A Expired - Fee Related JP3791247B2 (ja) | 1999-06-24 | 1999-06-24 | ゴム積層体 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007037558A1 (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-05 | Seiko Epson Corporation | インクジェット用記録媒体 |
JP2007170428A (ja) * | 2005-12-19 | 2007-07-05 | Tokai Rubber Ind Ltd | 液体封入ダンパー |
US7678427B2 (en) * | 2002-11-29 | 2010-03-16 | Nok Corporation | Process for producing aging-resistant rubber material |
JP7464598B2 (ja) | 2019-06-13 | 2024-04-09 | 株式会社ブリヂストン | 老化防止剤供給用組成物、老化防止剤供給材及び老化防止剤供給方法 |
-
1999
- 1999-06-24 JP JP17818699A patent/JP3791247B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2007037558A1 (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-05 | Seiko Epson Corporation | インクジェット用記録媒体 |
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