JP2007170428A - 液体封入ダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】銀メッキ接点を黒化させることなく、耐オゾン性、耐久性、振動吸収性等に優れた液体封入ダンパーを提供する。
【解決手段】少なくとも一部を弾性壁3により構成する略有天筒状の本体部2と、その底部4と、上記本体部2と底部4とでつくられる密閉空間内に封入される液体5とを備えた液体封入ダンパー1であって、上記弾性壁3が、下記の(A)〜(C)を必須成分とし、その(B)成分の含有割合が、(A)成分100重量部に対し、1〜8重量部の範囲であるゴム組成物からなり、そのゴム組成物で形成される弾性壁3の全硫黄含量が0.8重量%以下である。
(A)ブチル系ゴム。
(B)アミン系老化防止剤。
(C)ポリ−p−ジニトロソベンゼン。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部にシリコーンオイル等の液体を封入し、その液体の流動に基づく振動エネルギーの吸収により防振作用をなす液体封入ダンパーに関するものである。
自動車のような車両等にCDプレーヤーを搭載する場合、車両走行中等に発生する振動がそのままCDプレーヤーに伝達されると、音飛びを生ずることから、これを防止するため、通常、CDプレーヤー内部のピックアップ支持部とCDプレーヤー筐体部との間や、車体側の支持部材とCDプレーヤー本体側の被支持部材との間に、上記振動を吸収するためのダンパーを介在させている。このようなダンパーとしては、従来から、種々の形態のものが提案されている。なかでも、超高粘度シリコーンオイル等の液体を、ゴム製(あるいは軟質樹脂製)の弾性壁を備えた容器の内部に封入してなる液体封入ダンパーが、振動吸収性能に優れている点から好適に用いられる。本出願人も、既に数種の液体封入ダンパーを提案している(例えば、特許文献1〜3参照)。なかでも、特許文献1に記載の液体封入ダンパーは、その容器における弾性壁の材料に、安価で耐熱性に優れるブチルゴムを使用しており、製品コストや耐熱性の点では好適である。
実開平2−91234号公報 特開平7−71507号公報 特開平8−184345号公報
しかしながら、ブチルゴムは、通常、その加硫系を硫黄加硫系としており、そのため、上記のようにブチルゴムを用いて形成された液体封入ダンパーを、車両等のような高温を伴う環境下で使用すると、その熱により、ブチルゴム(弾性壁)から、硫黄が遊離するおそれがある。このように硫黄が遊離すると、その硫黄の作用により、液体封入ダンパーが搭載される装置(CDプレーヤー等)内部の銀メッキ接点が黒化するといった現象が現われる。そのため、上記液体封入ダンパーの弾性壁の材料においては、加硫剤中の硫黄量を減らす旨の要請がある。しかし、上記現象が現われなくなるまで硫黄量を減らすと、今度は、架橋密度が低下するため、液体封入ダンパーの耐久性(耐摩耗性)の悪化につながるといった問題がある。
一方、上記液体封入ダンパーには、車内環境で長期使用する観点から、長期にわたり耐オゾン性も要求される。また、これらの問題を解決すると同時に、CDプレーヤーの音飛び防止性能の更なる向上も期待されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、銀メッキ接点を黒化させることなく、耐オゾン性、耐久性、振動吸収性等に優れた液体封入ダンパーの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の液体封入ダンパーは、少なくとも一部を弾性壁により構成する略有天筒状の本体部と、その底部と、上記本体部と底部とでつくられる密閉空間内に封入される液体とを備えた液体封入ダンパーであって、上記弾性壁が、下記の(A)〜(C)を必須成分とし、その(B)成分の含有割合が、(A)成分100重量部に対し、1〜8重量部の範囲であるゴム組成物からなり、そのゴム組成物で形成される弾性壁の全硫黄含量が0.8重量%以下であるという構成をとる。
(A)ブチル系ゴム。
(B)アミン系老化防止剤。
(C)ポリ−p−ジニトロソベンゼン。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため、そのダンパー性能を発揮する弾性壁部分を中心に鋭意研究を重ねた。そして、その研究の過程で、先に述べたような銀メッキ接点の黒化現象が現われないようにするには、上記弾性壁の全硫黄含量を0.8重量%以下となるまで減らす必要があることを見いだした。また、このように硫黄含量を減らしたことによるブチル系ゴムの架橋密度の低下は、各種研究を重ねた結果、ポリ−p−ジニトロソベンゼン(DNB)を添加することにより解消できることを突き止めた。また、耐オゾン性やCDプレーヤーの音飛び防止性能を長期にわたり維持させるには、アミン系老化防止剤の使用は不可欠であることも、多数の実験により見いだし、その使用量を必要最小限(ブチル系ゴム100重量部に対し、1〜8重量部の範囲内)に抑えることにより、他の問題(スコーチ性の悪化によるゴム焼けや、アミン系老化防止剤の過剰な浮遊による接点傷害等)を引き起こすことなく、上記耐オゾン性能や振動吸収性能を充分に発揮させ得ることも突き止めた。これらの研究結果から、上記弾性壁を、ブチル系ゴムと、特定量のアミン系老化防止剤と、DNBとを用いて形成し、かつ、その弾性壁の全硫黄含量が0.8重量%以下となるよう形成すると、銀メッキ接点を汚染させることなく、液体封入ダンパーとして要求される性能(耐オゾン性、耐久性、振動吸収性等)を満足することができるようになることを見いだし、本発明に到達した。
上記のように、本発明の液体封入ダンパーは、少なくとも一部を弾性壁により構成する略有天筒状の本体部と、その底部と、上記本体部と底部とでつくられる密閉空間内に封入されるシリコーンオイル等の液体とからなり、上記弾性壁において振動吸収性能が発揮されるようになっている。そして、上記弾性壁が、ブチル系ゴムによって形成されているため、低コストで、耐熱性に優れている。しかも、上記弾性壁の全硫黄含量が低く抑えられているとともに、特定量のアミン系老化防止剤を使用していることから、上記液体封入ダンパーを搭載する装置内部の銀メッキ接点等の黒化が解消されるようになると同時に、長期にわたり耐オゾン性が向上し、さらに、CDプレーヤーの音飛び問題も解消することができる。また、上記弾性壁の材料にDNBを含有するため、低硫黄であっても充分な架橋密度が得られ、その結果、耐久性にも優れている。したがって、本発明の液体封入ダンパーは、効果的に振動を抑制することができるとともに、耐久性が高く、品質信頼性の観点からも優れており、例えば、車両等に搭載するCDプレーヤーの音飛び防止性能に優れた特性を発揮する。
特に、上記アミン系老化防止剤が、芳香族第二級アミン系老化防止剤であると、耐オゾン性、耐摩耗性等に対し、より優れるようになる。
また、上記弾性壁を形成するゴム組成物において、上記DNBの含有割合が特定の範囲に設定されていると、弾性壁の柔軟性を損なうことなく、効果的に耐久性を向上させることができるようになる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の液体封入ダンパー1は、例えば、図1に示す断面図のように、少なくとも一部を弾性壁3により構成する略有天筒状の本体部2と、その底部4と、上記本体部2と底部4とでつくられる密閉空間内に封入される液体5とを備えている。そして、上記弾性壁3は、ブチル系ゴム(A成分)と、アミン系老化防止剤(B成分)と、DNB(C成分)とを必須成分とし、そのB成分の含有割合が、A成分100重量部(以下「部」と略す)に対し、1〜8部の範囲であるゴム組成物からなり、そのゴム組成物で形成される弾性壁3の全硫黄含量が0.8重量%以下に規制されている。ここで、必須成分とは、任意成分に対するものであって、構成上必ず含有される成分のことをいい、量的な制約は受けない。なお、図において、上記弾性壁3は略ドーム状であるが、本発明では、特に、このような形状に限定されるものではない。
本発明においては、上述のように、その弾性壁3の全硫黄含量を、0.8重量%以下となるよう設定する必要がある。好ましくは0.7重量%以下に設定される。すなわち、この範囲内に上記弾性壁3の全硫黄含量を設定することにより、銀メッキ接点の黒化現象を解消することができるからである。ここで、上記弾性壁3の全硫黄含量とは、加硫剤はもとより、加硫促進剤、オイル、カーボンブラック等といったものに含まれる硫黄成分も全て、含むものである。そのため、上記弾性壁3の全硫黄含量は、例えば、その弾性壁3から採取したサンプルを、JIS K 6233−1(ISO 6528−1)に準じて前処理し(酸素燃焼フラスコ法により過酸化水素溶液に硫黄成分を吸着させ)、それにより得られた硫黄吸着溶液を用いて、イオンクロマトグラフによる硫黄の定量分析を行うことにより、確認することが可能である。
そして、上記のような低硫黄の弾性壁3において、その必須材料であるブチル系ゴム(A成分)としては、ブチルゴム(IIR)や、ブチルゴムにハロゲン化ブチルゴム(Cl−IIR、Br−IIR)を最大で20重量%ブレンドしたブレンドゴムがあげられる。
また、弾性壁3用材料として、上記ブチル系ゴム(A成分)とともに用いられるアミン系老化防止剤(B成分)としては、特に限定されるものではなく、例えば、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、フェノチアジンの誘導体、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等といった芳香族第二級アミン系老化防止剤や、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、アミンとアセトンとの反応物、ジフェニルアミンとアセトンとの反応物等といったアミン−ケトン系老化防止剤や、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等といったモノフェノール系老化防止剤を用いることができる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。特に、本発明においては、耐オゾン性等の観点から、芳香族第二級アミン系老化防止剤が好ましく用いられる。なかでも、耐オゾン性、耐摩耗性等に対して、より優れることから、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミンを、より好ましく用いることができる。
そして、上記アミン系老化防止剤(B成分)の含有割合は、先にも述べたように、ブチル系ゴム(A成分)100部に対して、1〜8部の範囲内に設定する必要がある。好ましくは、2〜6部の範囲内である。すなわち、上記アミン系老化防止剤の含有割合が1部未満であると、耐オゾン性、耐熱性の改善効果が乏しく、逆に8部を超えると、加工性(スコーチ性)の悪化やアミン系老化防止剤の過剰な浮遊による接点傷害等を生じるからである。
さらに、弾性壁3用材料として、上記ブチル系ゴム(A成分)およびアミン系老化防止剤(B成分)とともに、DNB(C成分)が、その必須材料として用いられる。
上記DNB(C成分)の含有割合は、ブチル系ゴム(A成分)100部に対して、0.1〜1部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.2〜0.7部の範囲内である。すなわち、上記DNB(C成分)の含有割合が0.1部未満であると、全硫黄含量を低く設定したことに伴う製品耐久性の改善効果が乏しく、逆に1部を超えると、引張強度が低くなる傾向がみられるからである。
なお、上記弾性壁3の材料には、上記各成分以外にも、本発明の目的とする低硫黄抽出性等の特性を損なわない範囲で、カーボンブラック等の補強剤、充填剤、架橋助剤、酸化防止剤、加工助剤、難燃剤等を適宜含有しても差し支えない。
ところで、本発明において、上記弾性壁3は、本体部2の一部ないし全部を構成するものである。図1においては、本体部2の全部が弾性壁3の材料で形成されている。しかしながら、場合によっては、剛性を要求される個所〔ダンパー性能を発揮する部分以外の個所(例えば、側面の筒状部分)〕を、ポリプロピレン、ポリアミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)等の材料を用い、上記弾性壁3との接着により上記本体部2を形成してもよい。
また、上記底部4の形成材料には、上記本体部2と固着可能な材料を選定する。このような材料としては、例えば、ABS、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等があげられる。なお、上記本体部2と底部4とは、通常、別体で形成し、液体5が封入された後、接着剤による接着等により一体化する。上記液体5としては、シリコーンオイル等の高粘度の液体が用いられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。また、上記液体5には、シリコーン粉末等の粉体を適宜混合し、用いてもよい。
本発明の液体封入ダンパー1の製法は、特に限定されるものではないが、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、先に述べたような弾性壁3の各成分材料を準備し、これらを、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、二軸混練押出機等の混練機を用いて混練し、弾性壁3用材料を調製する。なお、本発明においては、その弾性壁3用材料の調製に際し、ブチル系ゴムの素練り段階でDNBを加えると、調製時の反応が円滑になって、製品の物性にばらつきがなくなり、しかも、この段階でゴムの粘度が適度に上昇するため、これにもとづく加工性向上もみられるようになる。そのため、このようなタイミングでDNBを加えることが好ましい。つぎに、このようにして得られた弾性壁3用材料を用いて、金型への射出成形により、本体部2を成形する。続いて、上記本体部2の内部に、シリコーンオイル等の液体5を注入する。一方、所定の材料を用いて金型成形した底部4を別途準備する。そして、上記注入された液体5を密封するよう上記底部4により蓋をする(その際、接着剤による接着等によって本体部2と底部4とを固着する)ことにより、目的とする液体封入ダンパー1を得ることができる。
上記液体封入ダンパー1には、図1に示すように、弾性壁3に、被支持部材あるいは支持部材のいずれか一方に設けられた支持軸を嵌入し固定するための凹部3bを設けると、取付け安定性等に優れるようになるため好ましい。なお、上記凹部3bは、弾性壁3の一部であり、弾性壁3成形時に用いた金型の形状により成形される。上記凹部3bは、その肉厚が、他の部分と同様に薄くなるよう形成されてもよいが、支持軸によって破れが生じないよう厚く形成されると好適である。また、上記弾性壁3が、図示のように略ドーム状に形成される場合、その頂部3aに凹部3bを形成すると、より効果的に防振性能が発揮されるようになる。
ここで、上記液体封入ダンパー1の使用例を、図2に基づいて説明する。図において、6は被支持部材で、上記液体封入ダンパー1の固定用溝3cに嵌合し固定する爪部6aを有する。7は支持部材である(6が支持部材で、7が被支持部材であってもよい)。そして、液体封入ダンパー1は、図示のように被支持部材6に取付けられ、さらに、その弾性壁3に設けられた凹部3bには、上記支持部材7に固定される支持軸8が嵌入される。このような状態で、被支持部材6と支持部材7との間に液体封入ダンパー1を介在させることにより、両者間の振動を吸収することができる。
本発明の液体封入ダンパー1は、その形状や大きさは特に限定されないが、通常、その底面の直径がおよそ15mm程の大きさとなり、その高さがおよそ13mm程の大きさとなるよう形成される。そして、その弾性壁3の厚みは、通常、0.1〜1.0mmの範囲に設定され、好適には、0.2〜0.6mmの範囲に設定される。
そして、本発明の液体封入ダンパー1は、その優れた振動吸収性能に加え、耐熱性も有することから、車載用電子機器(特に、CDプレーヤーや、CD−ROM,DVD−ROM,ハードディスクを用いたナビゲーションシステム)に使用することにより、優れた機能を発揮するが、本発明品の使用用途はこれに限定されるものではなく、例えば、PC用のハードディスクドライブや、PC用の光ディスクドライブ(CD−ROMドライブ等)等の防振用にも用いることもできる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔ブチルゴム(A成分)〕
JSRブチル065、JSR社製
〔ステアリン酸〕
〔亜鉛華〕
酸化亜鉛(ZnO)
〔アミン系老化防止剤(B成分)〕
ノクラック6C、大内新興化学工業社製
〔フェノール系老化防止剤〕
サンダント2246、三新化学社製
〔マイクロクリスタリンワックス〕
サンノック、大内新興化学工業社製
〔SRFカーボン〕
シーストS、東海カーボン社製
〔パラフィンオイル〕
プロセスP−200、富士興産社製
〔加工助剤〕
脂肪酸系加工助剤
〔DNB含有架橋剤(C成分であるDNB含有)〕
バルノックDNB(DNB原体25重量%、ワックス75重量%)、大内新興化学工業社製
〔硫黄〕
〔加硫促進剤(i) 〕
ノクセラーCZ、大内新興化学工業社製
〔加硫促進剤(ii)〕
ノクセラーTTTE、大内新興化学工業社製
〔実施例1〜4、比較例1〜5〕
上記に示す各材料を、後記の表1および表2に示す割合となるよう準備し、その加硫促進剤および硫黄以外の材料を、バンバリーミキサーを用いて素練りした。そして、上記素練り工程の後、これをオープンロールに移し、さらに上記加硫促進剤および硫黄を添加して混練りを行い、弾性壁用材料を調製した。このようにして得られた弾性壁用材料を用い、所定の金型への射出成形により、弾性壁(厚み0.4mm)を備えた略ドーム状の本体部を作製した。なお、上記本体部の頂部には、支持軸を嵌入し固定するための凹部(厚み1.4mm)を設けた。そして、上記本体部の内部に、マンドレルによりシリコーンオイル(SH200、粘度:0.5m2 /s、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)を注入した後、別途作製したABS樹脂製の底部により蓋をし、超音波溶着によって筒状部と底部とを固着することにより、目的とする液体封入ダンパーを得た(底面の直径15mm、高さ13mm。図1参照)。なお、上記弾性壁の全硫黄含量を、下記の基準により測定し、その値も、後記の表1および表2に併せて示した。
〔全硫黄含量〕
弾性壁から採取したサンプルを、JIS K 6233−1(ISO 6528−1)に準じて前処理し(酸素燃焼フラスコ法により過酸化水素溶液に硫黄成分を吸着させ)、それにより得られた硫黄吸着溶液を用いて、イオンクロマトグラフによる硫黄の定量分析を行うことにより、全硫黄含量(重量%)を測定した。
Figure 2007170428
Figure 2007170428
このようにして得られた各液体封入ダンパーを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表3に示した。
〔銀盤汚染性〕
得られた液体封入ダンパーを高温雰囲気(85℃)下に168時間放置し、その液体封入ダンパーから20mm離れた位置に配置された銀盤(1cm×1cm)の汚染状況を目視観察した。評価は、黒色現象等の汚染がないものを○、汚染がみられたものを×とした。
〔製品耐久性〕
得られた液体封入ダンパーを測定系(図2参照)に取り付け、常温雰囲気(20〜25℃)下にて、下記の振動条件に従い振動を与えた。そして、その後の弾性壁の状況を目視観察した。評価は、弾性壁に亀裂や破壊がみられなかったものを○、亀裂や破壊がみられたものを×とした。
加速度:29.4m/s2
加振周波数:10〜100Hz
周波数掃引速度:7.5min/single sweep
加振方向:鉛直、前後、左右方向
加振時間:各方向に8時間
〔耐オゾン性〕
液体封入ダンパーの弾性壁から試料片を切り出し、これを、JIS K6259に準拠し、オゾン濃度50pphm,40℃雰囲気中で20%静的引張し、耐オゾン性の評価(試験時間:24時間,168時間)を行った。すなわち、上記試験において、試験時間内に、試料片に亀裂が生じなかったものを○、亀裂が生じたものを×と表示した。
〔スコーチ性〕
弾性壁の材料組成物(コンパウンド)の貯蔵安定性が低く(スコーチタイムが1カ月未満と短く)加工性に劣るものを×、貯蔵安定性が高く(スコーチタイムが1カ月以上と長く)加工性に優れるものを○と表示した。
Figure 2007170428
上記表の結果から、実施例品は、その弾性壁が低硫黄であることから、銀盤汚染が解消されていることがわかる。また、低硫黄であるにもかかわらず、製品耐久性にも優れている。そして、耐オゾン性、スコーチ性の評価においても、良好な結果が得られた。
これに対し、比較例1品では、その弾性壁における硫黄含量が多くなっていることから、銀盤汚染性の評価において、実施例品に劣っていた。比較例2品では、全硫黄含量が実施例と同程度に低く設定しているため、銀盤汚染性の評価は良好であったが、充分な架橋密度が得られず、製品耐久性に劣っていた。比較例3品では、アミン系老化防止剤を不含としたことから、耐オゾン性試験にて早期に亀裂が生じた。比較例4品では、アミン系老化防止剤の含有量が、本発明で規定する割合よりも多すぎるため、貯蔵安定性(スコーチ性)に劣っていた。比較例5品では、アミン系老化防止剤に代えて、フェノール系老化防止剤を用いており、短時間(24時間以内)での耐オゾン性試験では亀裂を生ずることはなかったが、長時間(168時間)での耐オゾン性試験では亀裂が生じたため、所望の効果を得るまでには至らなかった。
本発明の液体封入ダンパーの一例を示す断面図である。 本発明の液体封入ダンパーの取付け状態を示す説明図である。
符号の説明
1 液体封入ダンパー
2 本体部
3 弾性壁
4 底部
5 液体

Claims (3)

  1. 少なくとも一部を弾性壁により構成する略有天筒状の本体部と、その底部と、上記本体部と底部とでつくられる密閉空間内に封入される液体とを備えた液体封入ダンパーであって、上記弾性壁が、下記の(A)〜(C)を必須成分とし、その(B)成分の含有割合が、(A)成分100重量部に対し、1〜8重量部の範囲であるゴム組成物からなり、そのゴム組成物で形成される弾性壁の全硫黄含量が0.8重量%以下であることを特徴とする液体封入ダンパー。
    (A)ブチル系ゴム。
    (B)アミン系老化防止剤。
    (C)ポリ−p−ジニトロソベンゼン。
  2. 上記(B)成分のアミン系老化防止剤が、芳香族第二級アミン系老化防止剤である請求項1記載の液体封入ダンパー。
  3. 上記弾性壁を形成するゴム組成物において、(C)成分のポリ−p−ジニトロソベンゼンの含有割合が、(A)成分のブチル系ゴム100重量部に対し、0.1〜1重量部の範囲に設定されている請求項1または2記載の液体封入ダンパー。
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