JP2001000174A - 微生物の培養方法および微生物の培養液から生理活性物質を抽出する方法 - Google Patents
微生物の培養方法および微生物の培養液から生理活性物質を抽出する方法Info
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- JP2001000174A JP2001000174A JP11174042A JP17404299A JP2001000174A JP 2001000174 A JP2001000174 A JP 2001000174A JP 11174042 A JP11174042 A JP 11174042A JP 17404299 A JP17404299 A JP 17404299A JP 2001000174 A JP2001000174 A JP 2001000174A
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- microorganism
- cells
- kda
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- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 アスペルギルス属の微生物から生理活性物質
を取得する方法およびアスペルギルス属の微生物を培養
する方法を提供する。 【解決手段】 アスペルギルス属の微生物の胞子を培地
1mL当たり1〜3×10 5個の数で培地に接種し、28
〜32℃の温度、118〜122rpmの振盪速度で、培
地1mL当たりの該微生物の菌体の重量が4.5mg以上
(乾燥重量)となるまで培養することを特徴とする、ア
スペルギルス属の微生物の培養方法。アスペルギルス属
の微生物から生理活性物質を取得する方法であって、以
下の工程: (i) アスペルギルス属の微生物を培養する工程、(ii)該
微生物の菌体を分別する工程、(iii) 該微生物の菌体を
凍結保存してから解凍する工程、(iv)該微生物の菌体を
機械的に破砕する工程、および(v) 該微生物の菌体から
生理活性物質を抽出する工程を含む前記の方法。
を取得する方法およびアスペルギルス属の微生物を培養
する方法を提供する。 【解決手段】 アスペルギルス属の微生物の胞子を培地
1mL当たり1〜3×10 5個の数で培地に接種し、28
〜32℃の温度、118〜122rpmの振盪速度で、培
地1mL当たりの該微生物の菌体の重量が4.5mg以上
(乾燥重量)となるまで培養することを特徴とする、ア
スペルギルス属の微生物の培養方法。アスペルギルス属
の微生物から生理活性物質を取得する方法であって、以
下の工程: (i) アスペルギルス属の微生物を培養する工程、(ii)該
微生物の菌体を分別する工程、(iii) 該微生物の菌体を
凍結保存してから解凍する工程、(iv)該微生物の菌体を
機械的に破砕する工程、および(v) 該微生物の菌体から
生理活性物質を抽出する工程を含む前記の方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物の培養方法
および微生物の培養液から生理活性物質を抽出する方法
に関する。
および微生物の培養液から生理活性物質を抽出する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、癌の治療は、化学療法、外科手
術、放射線療法およびこれらの組合せによりなされてい
る。化学療法に用いられている制癌剤の一つとして、微
生物が生産する抗生物質が挙げられる。制癌作用を有す
る抗生物質としては、ストレプトマイセス属の微生物が
生産するドキソルビシン、マイトマイシン、ブレオマイ
シンなどを始めとして、種々のものが知られている。し
かるに、これらの公知の制癌性抗生物質は、制癌活性あ
るいは副作用の点から、必ずしも満足のいくものではな
く、今なお、新たな薬剤の開発が望まれている。
術、放射線療法およびこれらの組合せによりなされてい
る。化学療法に用いられている制癌剤の一つとして、微
生物が生産する抗生物質が挙げられる。制癌作用を有す
る抗生物質としては、ストレプトマイセス属の微生物が
生産するドキソルビシン、マイトマイシン、ブレオマイ
シンなどを始めとして、種々のものが知られている。し
かるに、これらの公知の制癌性抗生物質は、制癌活性あ
るいは副作用の点から、必ずしも満足のいくものではな
く、今なお、新たな薬剤の開発が望まれている。
【0003】本発明者らは、アスペルギルス・フラブス
・SRT株の菌体ないしは該微生物の胞子を破壊して得
られた物質が制癌作用を有することを見出した(特開平
10-195100号) 。この特開平10-195100号においては、ノ
ボザイムという酵素を用いてアスペルギルス・フラブス
・SRT株の菌体の細胞壁を分解して、制癌作用を有す
る生理活性物質を取得している。しかし、ノボザイムを
製造することができる会社は限られており、その供給は
必ずしも安定したものではない。そこで、ノボザイムを
使用しなくとも、アスペルギルス・フラブス・SRT株
の菌体ないしは該微生物の胞子から生理活性物質を取得
できる方法の開発が望まれていた。
・SRT株の菌体ないしは該微生物の胞子を破壊して得
られた物質が制癌作用を有することを見出した(特開平
10-195100号) 。この特開平10-195100号においては、ノ
ボザイムという酵素を用いてアスペルギルス・フラブス
・SRT株の菌体の細胞壁を分解して、制癌作用を有す
る生理活性物質を取得している。しかし、ノボザイムを
製造することができる会社は限られており、その供給は
必ずしも安定したものではない。そこで、ノボザイムを
使用しなくとも、アスペルギルス・フラブス・SRT株
の菌体ないしは該微生物の胞子から生理活性物質を取得
できる方法の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アスペルギ
ルス属の微生物から生理活性物質を取得する方法を提供
することを目的とする。また、本発明は、アスペルギル
ス属の微生物を培養する方法を提供することも目的とす
る。
ルス属の微生物から生理活性物質を取得する方法を提供
することを目的とする。また、本発明は、アスペルギル
ス属の微生物を培養する方法を提供することも目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アスペル
ギルス・フラブス・SRT株の胞子を培地に接種して培
養した後、この微生物の菌体を分別し、凍結保存してか
ら解凍し、機械的に破砕し、次いで、抽出処理を行うこ
とにより、制癌活性を有する物質を取得することに成功
し、本発明を完成させるに至った。
ギルス・フラブス・SRT株の胞子を培地に接種して培
養した後、この微生物の菌体を分別し、凍結保存してか
ら解凍し、機械的に破砕し、次いで、抽出処理を行うこ
とにより、制癌活性を有する物質を取得することに成功
し、本発明を完成させるに至った。
【0006】すなわち、本発明は、アスペルギルス属の
微生物の胞子を培地1mL当たり1〜3×105個の数で
培地に接種し、28〜32℃の温度、118〜122rp
mの振盪速度で、培地1mL当たりの該微生物の菌体の重
量が4.5mg以上(乾燥重量)となるまで培養すること
を特徴とする、アスペルギルス属の微生物の培養方法を
提供する。菌体の乾燥重量は、以下のようにして測定す
ることができる。
微生物の胞子を培地1mL当たり1〜3×105個の数で
培地に接種し、28〜32℃の温度、118〜122rp
mの振盪速度で、培地1mL当たりの該微生物の菌体の重
量が4.5mg以上(乾燥重量)となるまで培養すること
を特徴とする、アスペルギルス属の微生物の培養方法を
提供する。菌体の乾燥重量は、以下のようにして測定す
ることができる。
【0007】1) 培養終了後の菌体を吸引ロ過で集
め、総生重量を測定。 2) 1)で集めた菌体の一部を取り生重量を測定。 3) 2)の菌体を105℃下に3時間以上放置後、重
量を測定(乾燥重量)。 4) 2),3)で得られた生重量と乾燥重量の関係を
用いて1)で得られた総生重量を総乾燥重量に換算す
る。
め、総生重量を測定。 2) 1)で集めた菌体の一部を取り生重量を測定。 3) 2)の菌体を105℃下に3時間以上放置後、重
量を測定(乾燥重量)。 4) 2),3)で得られた生重量と乾燥重量の関係を
用いて1)で得られた総生重量を総乾燥重量に換算す
る。
【0008】アスペルギルス属の微生物は、下記の理化
学的性質を有する制癌活性物質SRT−KまたはSRT
−Kからの精製により得られる分子量65±7kDa、
58もしくは48±6kDaの糖タンパク質を生産する
ことができるものであるとよい。 分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ
る測定で、32〜84kDaに分子量分布が見られ、6
5±7kDa、58±6kDaおよび48±5kDaの
少なくとも3つのピークが観察される。
学的性質を有する制癌活性物質SRT−KまたはSRT
−Kからの精製により得られる分子量65±7kDa、
58もしくは48±6kDaの糖タンパク質を生産する
ことができるものであるとよい。 分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ
る測定で、32〜84kDaに分子量分布が見られ、6
5±7kDa、58±6kDaおよび48±5kDaの
少なくとも3つのピークが観察される。
【0009】等電点:7.6、7.0、6.2、5.
7、5.5および5.0 紫外線吸収スペクトル:210nm付近に極大吸収があ
り、250nm付近に極小値が見られ、280nm付近
に肩が見られる。 赤外線吸収スペクトル:3306.74、2966.6
1、2932.54、2876.22、1655.0
5、1537.72、1452.17、1398.1
3、1241.85、1076.88cm-1 に吸収がある。
7、5.5および5.0 紫外線吸収スペクトル:210nm付近に極大吸収があ
り、250nm付近に極小値が見られ、280nm付近
に肩が見られる。 赤外線吸収スペクトル:3306.74、2966.6
1、2932.54、2876.22、1655.0
5、1537.72、1452.17、1398.1
3、1241.85、1076.88cm-1 に吸収がある。
【0010】 タンパク質部分のアミノ酸組成: アミノ酸 実測値(nmol) モル% アスパラギン酸 6.2017 12.49 スレオニン 4.2422 8.59 セリン 4.1868 8.43 グルタミン酸 3.7181 7.49 グリシン 5.8218 11.73 アラニン 4.9947 10.06 バリン 3.0372 6.12 1/2シスチン 1.6282 3.28 メチオニン 0.5334 1.07 イソロイシン 2.0106 4.05 ロイシン 2.9345 5.91 チロシン 1.8451 3.72 フェニルアラニン 1.6873 3.40 リシン 1.3438 2.71 ヒスチジン 0.7235 1.46 アルギニン 1.2753 2.57 トリプトファン 0.0000 0.00 プロリン 3.4680 6.98 合計 49.6522 100.00
【0011】アスペルギルス属の微生物は、アスペルギ
ルス・フラブス、特に、アスペルギルス・フラブスのS
RT株であるとよい。培地は、PD培地またはサブロー
培地であるとよい。培地の量は100 mL以上であるとよ
い。、培養日数は、培地の量その他の培養条件により異
なるが、5〜7日間がよい。培養は好気的条件下で行わ
れるとよく、その条件としては、例えば、フラスコへの
空気の流通を妨げぬよう紙栓、綿栓を用いることが挙げ
られる。
ルス・フラブス、特に、アスペルギルス・フラブスのS
RT株であるとよい。培地は、PD培地またはサブロー
培地であるとよい。培地の量は100 mL以上であるとよ
い。、培養日数は、培地の量その他の培養条件により異
なるが、5〜7日間がよい。培養は好気的条件下で行わ
れるとよく、その条件としては、例えば、フラスコへの
空気の流通を妨げぬよう紙栓、綿栓を用いることが挙げ
られる。
【0012】また、本発明は、アスペルギルス属の微生
物から生理活性物質を取得する方法であって、以下の工
程: (i) アスペルギルス属の微生物を上記の方法で培養する
工程、(ii)該微生物の菌体を分別する工程、(iii) 該微
生物の菌体を凍結保存してから解凍する工程、(iv)該微
生物の菌体を機械的に破砕する工程、および(v) 該微生
物の菌体から生理活性物質を抽出する工程を含む前記の
方法を提供する。
物から生理活性物質を取得する方法であって、以下の工
程: (i) アスペルギルス属の微生物を上記の方法で培養する
工程、(ii)該微生物の菌体を分別する工程、(iii) 該微
生物の菌体を凍結保存してから解凍する工程、(iv)該微
生物の菌体を機械的に破砕する工程、および(v) 該微生
物の菌体から生理活性物質を抽出する工程を含む前記の
方法を提供する。
【0013】(ii)の分別工程の後、アスペルギルス属の
微生物の菌体を洗浄する工程をさらに含んでもよい。(i
ii) の凍結保存および解凍の工程を2回以上繰り返して
もよい。(iv)の破砕工程においては、含水率75重量%
以上、好ましくは、含水率90〜95重量%、より好ま
しくは、含水率95重量%のアスペルギルス属の微生物
の菌体をボールミルで破砕することができる。菌体の含
水率は、以下のようにして測定することができる。
微生物の菌体を洗浄する工程をさらに含んでもよい。(i
ii) の凍結保存および解凍の工程を2回以上繰り返して
もよい。(iv)の破砕工程においては、含水率75重量%
以上、好ましくは、含水率90〜95重量%、より好ま
しくは、含水率95重量%のアスペルギルス属の微生物
の菌体をボールミルで破砕することができる。菌体の含
水率は、以下のようにして測定することができる。
【0014】1) 菌体の生重量を測定。 2) 1)の菌体を105℃下に3時間以上放置後、重
量を測定(乾燥重量)。 3) {生重量−乾燥重量)/生重量}×100=菌体
の含水率 ボールミルのポットの回転数は、1.8〜2.2rpmで
あるとよい。破砕時間は、30分〜5時間であるとよ
く、好ましくは、1〜3時間、より好ましくは、2.5
〜3時間である。
量を測定(乾燥重量)。 3) {生重量−乾燥重量)/生重量}×100=菌体
の含水率 ボールミルのポットの回転数は、1.8〜2.2rpmで
あるとよい。破砕時間は、30分〜5時間であるとよ
く、好ましくは、1〜3時間、より好ましくは、2.5
〜3時間である。
【0015】(v) の抽出工程において、アルペルギルス
属の微生物の菌体1g(乾燥重量)当たり19〜69mL
の緩衝液を添加して、該微生物の菌体から生理活性物質
を抽出することができる。(v) の抽出工程は4℃の温度
で行うとよい。(v) の抽出工程の後、抽出液を濾過する
工程をさらに含んでもよい。また、抽出液を濾過した
後、濾液を透析する工程をさらに含んでもよい。濾液を
透析した後、濃縮する工程をさらに含んでもよい。
属の微生物の菌体1g(乾燥重量)当たり19〜69mL
の緩衝液を添加して、該微生物の菌体から生理活性物質
を抽出することができる。(v) の抽出工程は4℃の温度
で行うとよい。(v) の抽出工程の後、抽出液を濾過する
工程をさらに含んでもよい。また、抽出液を濾過した
後、濾液を透析する工程をさらに含んでもよい。濾液を
透析した後、濃縮する工程をさらに含んでもよい。
【0016】上記の方法により取得される生理活性物質
としては、下記の理化学的性質を有する制癌活性物質S
RT−KまたはSRT−Kからの精製により得られる分
子量65±7kDa、58もしくは48±6kDaの糖
タンパク質を挙げることができる。 分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ
る測定で、32〜84kDaに分子量分布が見られ、6
5±7kDa、58±6kDaおよび48±5kDaの
少なくとも3つのピークが観察される。
としては、下記の理化学的性質を有する制癌活性物質S
RT−KまたはSRT−Kからの精製により得られる分
子量65±7kDa、58もしくは48±6kDaの糖
タンパク質を挙げることができる。 分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ
る測定で、32〜84kDaに分子量分布が見られ、6
5±7kDa、58±6kDaおよび48±5kDaの
少なくとも3つのピークが観察される。
【0017】等電点:7.6、7.0、6.2、5.
7、5.5および5.0 紫外線吸収スペクトル:210nm付近に極大吸収があ
り、250nm付近に極小値が見られ、280nm付近
に肩が見られる。 赤外線吸収スペクトル:3306.74、2966.6
1、2932.54、2876.22、1655.0
5、1537.72、1452.17、1398.1
3、1241.85、1076.88cm-1 に吸収がある。
7、5.5および5.0 紫外線吸収スペクトル:210nm付近に極大吸収があ
り、250nm付近に極小値が見られ、280nm付近
に肩が見られる。 赤外線吸収スペクトル:3306.74、2966.6
1、2932.54、2876.22、1655.0
5、1537.72、1452.17、1398.1
3、1241.85、1076.88cm-1 に吸収がある。
【0018】 タンパク質部分のアミノ酸組成: アミノ酸 実測値(nmol) モル% アスパラギン酸 6.2017 12.49 スレオニン 4.2422 8.59 セリン 4.1868 8.43 グルタミン酸 3.7181 7.49 グリシン 5.8218 11.73 アラニン 4.9947 10.06 バリン 3.0372 6.12 1/2シスチン 1.6282 3.28 メチオニン 0.5334 1.07 イソロイシン 2.0106 4.05 ロイシン 2.9345 5.91 チロシン 1.8451 3.72 フェニルアラニン 1.6873 3.40 リシン 1.3438 2.71 ヒスチジン 0.7235 1.46 アルギニン 1.2753 2.57 トリプトファン 0.0000 0.00 プロリン 3.4680 6.98 合計 49.6522 100.00 制癌活性物質SRT−Kを分取するには、レクチンカラ
ム、分取用電気泳動装置(バイオ・フォレーシスIII A
E−6700(S)、アトー株式会社)等を用いるとよ
い。
ム、分取用電気泳動装置(バイオ・フォレーシスIII A
E−6700(S)、アトー株式会社)等を用いるとよ
い。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の培養方法で培養できる微
生物は、アスペルギルス属(Aspergillus)の微生物であ
る。例えば、制癌活性物質SRT−Kを生産することが
できるアスペルギルス属に属する菌種がある。その一例
として、アスペルギルス・フラブス・SRT株 (Asperg
illus flavus SRT) を挙げることができる。本発明者
は、コシヒカリの種皮よりSRT株を分離した。この菌
は、工業技術院生命工学工業技術研究所に平成7年3月
3日付けで受託番号FERM BP-5030として寄託された。
生物は、アスペルギルス属(Aspergillus)の微生物であ
る。例えば、制癌活性物質SRT−Kを生産することが
できるアスペルギルス属に属する菌種がある。その一例
として、アスペルギルス・フラブス・SRT株 (Asperg
illus flavus SRT) を挙げることができる。本発明者
は、コシヒカリの種皮よりSRT株を分離した。この菌
は、工業技術院生命工学工業技術研究所に平成7年3月
3日付けで受託番号FERM BP-5030として寄託された。
【0020】SRT株の菌学的性質は以下の通りであ
る。 (a)培養的・形態的性質 ポテト・デキストロース寒天培地(PDA)およびポテ
ト・グルコース寒天培地の両培地において、芽胞は楕円
形から円筒形を示し、形成場所は中央から菌端に及ぶ。
色調は、黒みがかった緑色で、菌体の中央部と周辺部が
白みがかっている。
る。 (a)培養的・形態的性質 ポテト・デキストロース寒天培地(PDA)およびポテ
ト・グルコース寒天培地の両培地において、芽胞は楕円
形から円筒形を示し、形成場所は中央から菌端に及ぶ。
色調は、黒みがかった緑色で、菌体の中央部と周辺部が
白みがかっている。
【0021】(b)生理学的、化学分類学的性質 最適生育条件:pH6.7 ,37℃ 生育の範囲:pH5.4 〜7.2 ,室温及び36.5〜37℃ その他 ・酵素及びタンパク質の電気泳動パターン:SRT−K
の菌体破砕液のSDS−ポリアクリルアミド電気泳動の
写真を図1に示す。 ・オートクレーブ(121 ℃,15分)後で、生育する。 ・オートクレーブ(158 ℃,30分)後で、寒天上でコロ
ニーを形成する。
の菌体破砕液のSDS−ポリアクリルアミド電気泳動の
写真を図1に示す。 ・オートクレーブ(121 ℃,15分)後で、生育する。 ・オートクレーブ(158 ℃,30分)後で、寒天上でコロ
ニーを形成する。
【0022】(c)標本の形態学的性質 形態学的にみると、他のアスペルギルスが針葉状(イガ
グリ)であるのに対して、コンペイトウ状であり、間隔
があり、トゲ状のようではない。以上の菌学的性質を宇
田川俊一著「菌類図鑑」下巻、1991年、講談社サイ
エンティフィック編集部の記載と比較すると、SRT株
は、アスペルギルス・フラブスに属する菌種であると同
定される。しかし、SRT株とアスペルギルス・フラブ
スは、形態学的性質を大きく異にしている。従って、S
RT株は、アスペルギルス・フラブスの亜種であると考
えられる。SRT株は、穀類、木竹、紙、繊維、皮、塗
料、昆虫、植物(花、葉、茎、木皮、根など)などから
も分離されている。SRT株を採取できることが確認さ
れている植物としては、ヤマブキ(Kerria japonica) 、
ソメイヨシノ(Prunus x yedoensis Matguim)、ツバキ(C
amellia japonica L) 、バラ(Rosa hybrida Hort“Blac
k Tea") 、カエデ(Acer palmatum Thumb“Sazanami")、
サルスベリ(Lagerstroemia indica L)、レンゲツツジ(R
hododendron japonic m (.Gray))、キレンゲツツジ、ム
ラサキヤシオツツジ(別名、ミヤマツツジ)(Rhododend
ron albmechti Maxim)、ドウダンツツジ(Enkianthus pe
rulatus)、クロマツ(Pinus thunbergii Parl) 、スギ(C
ryptomenia japonica D. Don) 、イヌマキ(Podocarpus
macrophyllus Lamb)、ヤグルマソウ(Rodgersia podophy
lla)、トルコキキョウ(Platycodon graucliflorum)、ア
スター、サフラワ、朝顔(Ipomoea purpurea (L.) Roth
、マルバアサガオ) 、ひまわり(Helianthus annus L.)
、パンジー(Viola x wittrockiana hort. 、サンシキ
スミレ) 、ハーブ、ヒース、小松菜、大根(Raphanus sa
tivus L.) 、大麦(Hordeum vulgare) 、小麦(Triticam
aestivum) 、麦(ソバムギ)、米(Oryza sativa:イネ)
、モチ米(Oryza sativa)、赤米、ソバ(Fagopyrum escu
lentum:ソバムギ) 、アワ、黒ゴマ(Sesamum indicum L)
、白ゴマ(Sesamum indicum L) 、入ゴマ(Sesamum indi
cum L) 、大豆(Glycine max) 、小豆(Phaseolus angula
ris) 、トウモロコシ(Zea mays L.) 、モロコシ(Sorghu
m bicolor) 、ナタネ(Brassica campestris: アブラナ)
、麻(Vitex cannabifolia:ニンジンボク) 、ピーナツ
などを挙げることができる。
グリ)であるのに対して、コンペイトウ状であり、間隔
があり、トゲ状のようではない。以上の菌学的性質を宇
田川俊一著「菌類図鑑」下巻、1991年、講談社サイ
エンティフィック編集部の記載と比較すると、SRT株
は、アスペルギルス・フラブスに属する菌種であると同
定される。しかし、SRT株とアスペルギルス・フラブ
スは、形態学的性質を大きく異にしている。従って、S
RT株は、アスペルギルス・フラブスの亜種であると考
えられる。SRT株は、穀類、木竹、紙、繊維、皮、塗
料、昆虫、植物(花、葉、茎、木皮、根など)などから
も分離されている。SRT株を採取できることが確認さ
れている植物としては、ヤマブキ(Kerria japonica) 、
ソメイヨシノ(Prunus x yedoensis Matguim)、ツバキ(C
amellia japonica L) 、バラ(Rosa hybrida Hort“Blac
k Tea") 、カエデ(Acer palmatum Thumb“Sazanami")、
サルスベリ(Lagerstroemia indica L)、レンゲツツジ(R
hododendron japonic m (.Gray))、キレンゲツツジ、ム
ラサキヤシオツツジ(別名、ミヤマツツジ)(Rhododend
ron albmechti Maxim)、ドウダンツツジ(Enkianthus pe
rulatus)、クロマツ(Pinus thunbergii Parl) 、スギ(C
ryptomenia japonica D. Don) 、イヌマキ(Podocarpus
macrophyllus Lamb)、ヤグルマソウ(Rodgersia podophy
lla)、トルコキキョウ(Platycodon graucliflorum)、ア
スター、サフラワ、朝顔(Ipomoea purpurea (L.) Roth
、マルバアサガオ) 、ひまわり(Helianthus annus L.)
、パンジー(Viola x wittrockiana hort. 、サンシキ
スミレ) 、ハーブ、ヒース、小松菜、大根(Raphanus sa
tivus L.) 、大麦(Hordeum vulgare) 、小麦(Triticam
aestivum) 、麦(ソバムギ)、米(Oryza sativa:イネ)
、モチ米(Oryza sativa)、赤米、ソバ(Fagopyrum escu
lentum:ソバムギ) 、アワ、黒ゴマ(Sesamum indicum L)
、白ゴマ(Sesamum indicum L) 、入ゴマ(Sesamum indi
cum L) 、大豆(Glycine max) 、小豆(Phaseolus angula
ris) 、トウモロコシ(Zea mays L.) 、モロコシ(Sorghu
m bicolor) 、ナタネ(Brassica campestris: アブラナ)
、麻(Vitex cannabifolia:ニンジンボク) 、ピーナツ
などを挙げることができる。
【0023】また、上記のSRT株の自然的及び人工的
変異体は勿論、アスペルギルス属に属する菌種でSRT
−Kを生産することができる微生物はすべて本発明の方
法で培養することができる。まず、PDA斜面培地にア
スペルギルス属の微生物(例えば、アスペルギルス・フ
ラブスSRT株)を接種して、胞子を形成させる。次い
で、界面活性剤(例えば、Triton X-100) を添加した培
地(例えば、PD培地)にアスペルギルス属の微生物の
胞子を懸濁させ、胞子を計数し、培養液1mL当たりの胞
子数が1〜3×105個となるように接種する。例え
ば、500 mLフラスコで培養する場合には、1×105個
の胞子を、5Lフラスコで培養する場合には、3×10
5個の胞子を接種するとよい。胞子数は、トーマの血球
盤を用いて計数することができる。上記の胞子懸濁液を
通常の微生物が利用しうる栄養源を含有する培地に接種
し、培地1mL当たりの該微生物の菌体の重量が4.5 mg
以上(乾燥重量)となるまで(例えば、7日以上)通
気振盪培養を行う。具体的には、500 mLフラスコで培養
する場合には、菌体の重量が4.5〜5.0 mgとなる
まで、5Lフラスコで培養する場合には、菌体の重量が
5.5〜6.0 mgとなるまで培養を続けるとよい。培
養の条件としては、30℃の温度、120rpmの振盪速
度、フラスコへの空気の流通を妨げぬよう紙栓、綿栓を
用いることを挙げることができる。
変異体は勿論、アスペルギルス属に属する菌種でSRT
−Kを生産することができる微生物はすべて本発明の方
法で培養することができる。まず、PDA斜面培地にア
スペルギルス属の微生物(例えば、アスペルギルス・フ
ラブスSRT株)を接種して、胞子を形成させる。次い
で、界面活性剤(例えば、Triton X-100) を添加した培
地(例えば、PD培地)にアスペルギルス属の微生物の
胞子を懸濁させ、胞子を計数し、培養液1mL当たりの胞
子数が1〜3×105個となるように接種する。例え
ば、500 mLフラスコで培養する場合には、1×105個
の胞子を、5Lフラスコで培養する場合には、3×10
5個の胞子を接種するとよい。胞子数は、トーマの血球
盤を用いて計数することができる。上記の胞子懸濁液を
通常の微生物が利用しうる栄養源を含有する培地に接種
し、培地1mL当たりの該微生物の菌体の重量が4.5 mg
以上(乾燥重量)となるまで(例えば、7日以上)通
気振盪培養を行う。具体的には、500 mLフラスコで培養
する場合には、菌体の重量が4.5〜5.0 mgとなる
まで、5Lフラスコで培養する場合には、菌体の重量が
5.5〜6.0 mgとなるまで培養を続けるとよい。培
養の条件としては、30℃の温度、120rpmの振盪速
度、フラスコへの空気の流通を妨げぬよう紙栓、綿栓を
用いることを挙げることができる。
【0024】アスペルギルス属の微生物を培養するため
の培地の栄養源は特に限定されることはなく、微生物の
培養に通常用いられる炭素源、窒素源、その他を培地中
に含有させることができる。炭素源としては、澱粉、デ
キストリン、グリセリン、グルコース、シュークロー
ス、ガラクトース、トノシトール、マンニトールなど
が、また、窒素源としては、ペプトン、大豆粉、肉エキ
ス、米糠、麸、尿素、コーンスティプリカー、アンモニ
ウム塩、硝酸塩、その他の有機または無機の窒素化合物
が用いられる。その他、無機塩類、例えば、食塩、燐酸
塩類、カリウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、鉄など
の金属塩類などを適宜添加してもよい。必要に応じて、
消泡剤として、動物油、植物油、鉱物油などを添加して
もよい。
の培地の栄養源は特に限定されることはなく、微生物の
培養に通常用いられる炭素源、窒素源、その他を培地中
に含有させることができる。炭素源としては、澱粉、デ
キストリン、グリセリン、グルコース、シュークロー
ス、ガラクトース、トノシトール、マンニトールなど
が、また、窒素源としては、ペプトン、大豆粉、肉エキ
ス、米糠、麸、尿素、コーンスティプリカー、アンモニ
ウム塩、硝酸塩、その他の有機または無機の窒素化合物
が用いられる。その他、無機塩類、例えば、食塩、燐酸
塩類、カリウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、鉄など
の金属塩類などを適宜添加してもよい。必要に応じて、
消泡剤として、動物油、植物油、鉱物油などを添加して
もよい。
【0025】好ましい培地としては、PD培地、サブロ
ー(Sabouraud's glucose)培地などを挙げることができ
る。上記の培養温度および振盪速度以外の培養条件は、
使用する菌の発育に適し、しかも、生理活性物質(例え
ば、SRT−K)の生産が最高となるような条件を選ぶ
とよい。例えば、培地のpHは5.4 〜7.2 、特にpH6.
7 付近がよく、培養の期間は5〜7日であるとよい。し
かし、これらの培養組成物、培地のpHなどの培養条件
は、使用する菌株の種類や、外部の条件などに応じて好
ましい結果が得られるように適宜調節されるべきであ
る。
ー(Sabouraud's glucose)培地などを挙げることができ
る。上記の培養温度および振盪速度以外の培養条件は、
使用する菌の発育に適し、しかも、生理活性物質(例え
ば、SRT−K)の生産が最高となるような条件を選ぶ
とよい。例えば、培地のpHは5.4 〜7.2 、特にpH6.
7 付近がよく、培養の期間は5〜7日であるとよい。し
かし、これらの培養組成物、培地のpHなどの培養条件
は、使用する菌株の種類や、外部の条件などに応じて好
ましい結果が得られるように適宜調節されるべきであ
る。
【0026】このようにして得られる培養物から、菌体
内に存在する物質を採取するのに通常用いられる手段を
適宜利用して、生理活性物質を採取しうる。アスペルギ
ルス属の微生物が生産する生理活性物質(例えば、SR
T−K)は、培養菌体(胞子)内にその大部分が存在す
るので、培養菌体を破壊して、目的の生理活性物質を単
離・抽出することができる。本発明においては、凍結・
解凍の処理と機械的破壊とを組み合わせることにより、
培養菌体を破壊する。得られる無細胞抽出液には、多種
類の生体成分が含まれており、これから目的の生理活性
物質を精製するにあたっては、目的の生理活性物質と他
の成分との物理化学的性質(分子量、電気的性質、溶解
度、安定性、吸着親和力など)の差を利用する各種の方
法を適宜組み合わせて用いることができる。
内に存在する物質を採取するのに通常用いられる手段を
適宜利用して、生理活性物質を採取しうる。アスペルギ
ルス属の微生物が生産する生理活性物質(例えば、SR
T−K)は、培養菌体(胞子)内にその大部分が存在す
るので、培養菌体を破壊して、目的の生理活性物質を単
離・抽出することができる。本発明においては、凍結・
解凍の処理と機械的破壊とを組み合わせることにより、
培養菌体を破壊する。得られる無細胞抽出液には、多種
類の生体成分が含まれており、これから目的の生理活性
物質を精製するにあたっては、目的の生理活性物質と他
の成分との物理化学的性質(分子量、電気的性質、溶解
度、安定性、吸着親和力など)の差を利用する各種の方
法を適宜組み合わせて用いることができる。
【0027】具体的には、以下のようにして、生理活性
物質を取得することができる。まず、上記の方法で培養
した菌体を吸引濾過により分別し、菌体を緩衝液で洗浄
する。菌体の洗浄には、0.05 M KH2PO4-Na2HPO4・12H2O
緩衝液 (pH 5.5)を用いることができる。この分別・洗
浄工程は、2〜3回繰り返すとよい。次いで、菌体の一
部を用いて乾燥重量を測定する。菌体を適当な量(例え
ば、3g(乾燥重量))に分け、−16〜−20℃の温
度で、21〜24時間、凍結保存する。次いで、菌体を
室温下に放置することにより解凍する。この凍結・解凍
工程を繰り返してもよく、その場合には、一日24時間
のうち、3時間を室温下に、残り21時間を−18℃下
に菌体を置くことを1単位として、1〜5回の繰り返し
を行うとよい。菌体を解凍した後、緩衝液を加えて菌体
の含水率を93〜97重量%に調整する。緩衝液として
は、0.05 M KH2PO4-Na2HPO4・12H2O緩衝液 (pH 5.5)を
用いることができる。次いで、菌体をボールミルで0.
5〜5時間にわたって破砕する。ボールミルとして、ポ
ットサイズが外径90mm、内容量300 mLで、ボールがφ
25 mm×2 、φ 20 mm×2 、φ 15 mm×2 、φ 10 mm×
6 のものを使用することができる。ポットの回転速度は
1.8〜2.2rpmであるとよい。菌体破砕液を2〜6℃
の冷蔵庫内で一夜放置し、生理活性物質であるタンパク
質を抽出する。次いで、吸引濾過して、濾液を得る。濾
過は、粒子保持能6μm の濾紙を用いて行うとよい。破
砕日の異なる菌体破砕液をまとめて処理する場合には、
この段階で止めて濾液を−18℃で凍結保存する。ま
た、凍結保存した濾液は室温に放置することにより解凍
する。次いで、濾過滅菌を行う。濾過滅菌は、0.45
μm のフィルターを用いて行うとよい。濾過滅菌の後、
透析を行う。透析は、8〜10倍量の蒸留水で、例え
ば、Seamless Cellulose Tubing, SIZE 20/30 を用い、
適当な時間間隔(例えば、透析開始後、1、3、17時
間後)に蒸留水を交換しながら、行うとよい。次いで、
生理活性物質を含有する溶液の入った透析膜を8〜10
℃のチャンバー内に吊るし、送風して、生理活性物質の
濃度が1〜1.2mg/mL になるまで濃縮する。次いで、
濃縮液から、所望の生理活性物質を適当な手段で単離す
る。単離の手段としては、イオン交換クロマトグラフィ
ー、疎水性クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィ
ー、等電点クロマトグラフィー、アフィニティークロマ
トグラフィー、電気泳動、免疫化学的方法、結晶化など
を単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
生理活性物質がSRT−Kの場合には、濃縮液をレクチ
ンカラムを用いて分画し、カラムに吸着した成分を分取
することにより、SRT−Kを精製することができる。
物質を取得することができる。まず、上記の方法で培養
した菌体を吸引濾過により分別し、菌体を緩衝液で洗浄
する。菌体の洗浄には、0.05 M KH2PO4-Na2HPO4・12H2O
緩衝液 (pH 5.5)を用いることができる。この分別・洗
浄工程は、2〜3回繰り返すとよい。次いで、菌体の一
部を用いて乾燥重量を測定する。菌体を適当な量(例え
ば、3g(乾燥重量))に分け、−16〜−20℃の温
度で、21〜24時間、凍結保存する。次いで、菌体を
室温下に放置することにより解凍する。この凍結・解凍
工程を繰り返してもよく、その場合には、一日24時間
のうち、3時間を室温下に、残り21時間を−18℃下
に菌体を置くことを1単位として、1〜5回の繰り返し
を行うとよい。菌体を解凍した後、緩衝液を加えて菌体
の含水率を93〜97重量%に調整する。緩衝液として
は、0.05 M KH2PO4-Na2HPO4・12H2O緩衝液 (pH 5.5)を
用いることができる。次いで、菌体をボールミルで0.
5〜5時間にわたって破砕する。ボールミルとして、ポ
ットサイズが外径90mm、内容量300 mLで、ボールがφ
25 mm×2 、φ 20 mm×2 、φ 15 mm×2 、φ 10 mm×
6 のものを使用することができる。ポットの回転速度は
1.8〜2.2rpmであるとよい。菌体破砕液を2〜6℃
の冷蔵庫内で一夜放置し、生理活性物質であるタンパク
質を抽出する。次いで、吸引濾過して、濾液を得る。濾
過は、粒子保持能6μm の濾紙を用いて行うとよい。破
砕日の異なる菌体破砕液をまとめて処理する場合には、
この段階で止めて濾液を−18℃で凍結保存する。ま
た、凍結保存した濾液は室温に放置することにより解凍
する。次いで、濾過滅菌を行う。濾過滅菌は、0.45
μm のフィルターを用いて行うとよい。濾過滅菌の後、
透析を行う。透析は、8〜10倍量の蒸留水で、例え
ば、Seamless Cellulose Tubing, SIZE 20/30 を用い、
適当な時間間隔(例えば、透析開始後、1、3、17時
間後)に蒸留水を交換しながら、行うとよい。次いで、
生理活性物質を含有する溶液の入った透析膜を8〜10
℃のチャンバー内に吊るし、送風して、生理活性物質の
濃度が1〜1.2mg/mL になるまで濃縮する。次いで、
濃縮液から、所望の生理活性物質を適当な手段で単離す
る。単離の手段としては、イオン交換クロマトグラフィ
ー、疎水性クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィ
ー、等電点クロマトグラフィー、アフィニティークロマ
トグラフィー、電気泳動、免疫化学的方法、結晶化など
を単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
生理活性物質がSRT−Kの場合には、濃縮液をレクチ
ンカラムを用いて分画し、カラムに吸着した成分を分取
することにより、SRT−Kを精製することができる。
【0028】こうして得られたSRT−Kの理化学的性
質は、以下のとおりである。 分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ
る測定で、32〜84kDaに分子量分布が見られ、6
5±7kDa、58±6kDaおよび48±5kDaの
少なくとも3つのピークが観察される。 等電点:7.6、7.0、6.2、5.7、5.5および5.0 紫外線吸収スペクトル:210nm付近に極大吸収があ
り、250nm付近に極小値が見られ、280nm付近
に肩が見られる。 赤外線吸収スペクトル:3306.74、2966.6
1、2932.54、2876.22、1655.0
5、1537.72、1452.17、1398.1
3、1241.85、1076.88cm-1 に吸収がある。
質は、以下のとおりである。 分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ
る測定で、32〜84kDaに分子量分布が見られ、6
5±7kDa、58±6kDaおよび48±5kDaの
少なくとも3つのピークが観察される。 等電点:7.6、7.0、6.2、5.7、5.5および5.0 紫外線吸収スペクトル:210nm付近に極大吸収があ
り、250nm付近に極小値が見られ、280nm付近
に肩が見られる。 赤外線吸収スペクトル:3306.74、2966.6
1、2932.54、2876.22、1655.0
5、1537.72、1452.17、1398.1
3、1241.85、1076.88cm-1 に吸収がある。
【0029】 タンパク質部分のアミノ酸組成: アミノ酸 実測値(nmol) モル% アスパラギン酸 6.2017 12.49 スレオニン 4.2422 8.59 セリン 4.1868 8.43 グルタミン酸 3.7181 7.49 グリシン 5.8218 11.73 アラニン 4.9947 10.06 バリン 3.0372 6.12 1/2シスチン 1.6282 3.28 メチオニン 0.5334 1.07 イソロイシン 2.0106 4.05 ロイシン 2.9345 5.91 チロシン 1.8451 3.72 フェニルアラニン 1.6873 3.40 リシン 1.3438 2.71 ヒスチジン 0.7235 1.46 アルギニン 1.2753 2.57 トリプトファン 0.0000 0.00 プロリン 3.4680 6.98 合計 49.6522 100.00 SRT−Kは、分子量65±7kDa、58±6kDa
および48±5kDaの少なくとも3種類の糖タンパク
質の混合物である可能性が高い。
および48±5kDaの少なくとも3種類の糖タンパク
質の混合物である可能性が高い。
【0030】SRT−Kは、制癌作用ないしは抗腫瘍作
用を有する物質である。SRT−Kの抗腫瘍活性は、培
養したヒト由来のHeLa細胞、大腸癌細胞やマウス由来の
リンパ腫細胞WEHI・38+ D などの癌細胞ないしは腫瘍細
胞にSRT−Kを添加した後、経時的に観察することに
より、前記の細胞の破壊の程度を調べることにより、測
定することができる。あるいはまた、SRT−Kの抗腫
瘍活性は、ウサギオリジナル固形癌VX2、マウスリン
パ腫細胞WEHI・38+ D 、マウスザルコーマ180などの
癌細胞ないしは腫瘍細胞を移植した実験動物にSRT−
Kを投与して、適当な時間経過後に剖検することによ
り、評価することができる。後述の実施例に記載のよう
に、SRT−Kは、ヒト由来の癌細胞HeLa細胞、大腸癌
細胞、マウスリンパ腫細胞WEHI・38+ D を破壊し消滅さ
せる作用を有していた。また、SRT−Kは、マウスリ
ンパ腫細胞WEHI・38+ D やマウスの多形細胞肉腫である
ザルコーマ180(以下、「S-180」という。) に対し
て高い抗腫瘍活性を示した。さらに、SRT−Kは、ウ
サギ大腿部に発生した癌(VX2由来)を空洞化し、従
来見られる癌の肺臓転移を完全に抑制した。
用を有する物質である。SRT−Kの抗腫瘍活性は、培
養したヒト由来のHeLa細胞、大腸癌細胞やマウス由来の
リンパ腫細胞WEHI・38+ D などの癌細胞ないしは腫瘍細
胞にSRT−Kを添加した後、経時的に観察することに
より、前記の細胞の破壊の程度を調べることにより、測
定することができる。あるいはまた、SRT−Kの抗腫
瘍活性は、ウサギオリジナル固形癌VX2、マウスリン
パ腫細胞WEHI・38+ D 、マウスザルコーマ180などの
癌細胞ないしは腫瘍細胞を移植した実験動物にSRT−
Kを投与して、適当な時間経過後に剖検することによ
り、評価することができる。後述の実施例に記載のよう
に、SRT−Kは、ヒト由来の癌細胞HeLa細胞、大腸癌
細胞、マウスリンパ腫細胞WEHI・38+ D を破壊し消滅さ
せる作用を有していた。また、SRT−Kは、マウスリ
ンパ腫細胞WEHI・38+ D やマウスの多形細胞肉腫である
ザルコーマ180(以下、「S-180」という。) に対し
て高い抗腫瘍活性を示した。さらに、SRT−Kは、ウ
サギ大腿部に発生した癌(VX2由来)を空洞化し、従
来見られる癌の肺臓転移を完全に抑制した。
【0031】SRT−Kの急性毒性を、マウス(ddY 系
統)において1回の腹腔内投与によって決定したとこ
ろ、LD50は800 mg/kg であった。SRT−Kまたは
SRT−Kからの精製により得られる糖タンパク質を有
効成分として含有する制癌剤は、医薬的に許容される担
体または希釈剤と組み合わせて製剤化することができ
る。これらの製剤は、経口あるいは非経口投与のいずれ
の投与経路で投与されてもよい。経口投与する場合は、
軟・硬カプセル剤または錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤な
どとして投与され、非経口投与する場合は、水溶性また
は非水性溶液、懸濁液、乳濁液などの皮下もしくは静脈
注射剤、点滴剤および固体状または懸濁粘稠状で持続的
な経皮吸収が維持できるように坐薬、湿布薬、軟膏のよ
うな剤型で投与されうる。
統)において1回の腹腔内投与によって決定したとこ
ろ、LD50は800 mg/kg であった。SRT−Kまたは
SRT−Kからの精製により得られる糖タンパク質を有
効成分として含有する制癌剤は、医薬的に許容される担
体または希釈剤と組み合わせて製剤化することができ
る。これらの製剤は、経口あるいは非経口投与のいずれ
の投与経路で投与されてもよい。経口投与する場合は、
軟・硬カプセル剤または錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤な
どとして投与され、非経口投与する場合は、水溶性また
は非水性溶液、懸濁液、乳濁液などの皮下もしくは静脈
注射剤、点滴剤および固体状または懸濁粘稠状で持続的
な経皮吸収が維持できるように坐薬、湿布薬、軟膏のよ
うな剤型で投与されうる。
【0032】経口投与用の製剤の賦形剤としては、デン
プン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセル
ロースなどを用いることができる。これらの賦形剤の他
に、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル酸ナ
トリウム、タルクなどの滑沢剤、デキストリン、結晶セ
ルロース、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、トウ
モロコシデンプン、ゼラチンなどの結合剤、バレイショ
デンプン、カルボキシメチルセルロースなどの崩壊剤を
使用することができる。
プン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセル
ロースなどを用いることができる。これらの賦形剤の他
に、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル酸ナ
トリウム、タルクなどの滑沢剤、デキストリン、結晶セ
ルロース、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、トウ
モロコシデンプン、ゼラチンなどの結合剤、バレイショ
デンプン、カルボキシメチルセルロースなどの崩壊剤を
使用することができる。
【0033】非経口投与用の製剤の希釈剤としては、注
射用蒸留水、生理食塩水、デキストロール水溶液、注射
用植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ールなどを用いることができる。さらに必要に応じて、
等張化剤、溶解補助剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤など
を添加してもよい。 SRT−Kの投与量は、対象とす
る癌ないしは腫瘍を有効に治療するのに十分な量であ
り、病状、投与経路、投与回数、剤型などによって左右
されるが、一般に、経口または非経口投与の場合、成人
では1日あたり約50〜200 mg/kg 体重の範囲で、その上
限は約200 mg/kg体重であり、好ましくは約100 mg/kg
体重である。投与回数は、通常1日1〜2回とすればよ
い。
射用蒸留水、生理食塩水、デキストロール水溶液、注射
用植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ールなどを用いることができる。さらに必要に応じて、
等張化剤、溶解補助剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤など
を添加してもよい。 SRT−Kの投与量は、対象とす
る癌ないしは腫瘍を有効に治療するのに十分な量であ
り、病状、投与経路、投与回数、剤型などによって左右
されるが、一般に、経口または非経口投与の場合、成人
では1日あたり約50〜200 mg/kg 体重の範囲で、その上
限は約200 mg/kg体重であり、好ましくは約100 mg/kg
体重である。投与回数は、通常1日1〜2回とすればよ
い。
【0034】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、具体的に説
明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではな
い。なお、実施例において、糸状菌Aとはアスペルギル
ス・フラブスSRT株である。また、特に断らない限
り、「%」は重量%を表す。
明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではな
い。なお、実施例において、糸状菌Aとはアスペルギル
ス・フラブスSRT株である。また、特に断らない限
り、「%」は重量%を表す。
【0035】〔実施例1〕 糸状菌Aの培養 1.培養規模と培養量 1)100 mL規模:500 mL容三角フラスコ(buffle plate
3 枚付) にPD培地 100 mL を注入して、糸状菌Aを培
養した。 2)2 L規模:5 L容三角フラスコにPD培地 2 Lを注入
して、糸状菌Aを培養した。 2.胞子接種の手順 糸状菌Aの胞子をPDA斜面培地に継代培養したものを
使用した。 1)PDA培地に糸状菌Aを接種して胞子を形成させ
た。PDA培地の組成は、以下の通りである。
3 枚付) にPD培地 100 mL を注入して、糸状菌Aを培
養した。 2)2 L規模:5 L容三角フラスコにPD培地 2 Lを注入
して、糸状菌Aを培養した。 2.胞子接種の手順 糸状菌Aの胞子をPDA斜面培地に継代培養したものを
使用した。 1)PDA培地に糸状菌Aを接種して胞子を形成させ
た。PDA培地の組成は、以下の通りである。
【0036】真菌用ポテトデキストロース寒天培地「ニ
ッスイ」 (Potato Dextrose Agar "Nissui" 、日本製業株式会
社) 組成 39.0g(1l中) ポテト浸出液末・・・ 4.0g ブドウ糖・・・・・・20.0g カンテン・・・・・・15.0g PH 6.0±
ッスイ」 (Potato Dextrose Agar "Nissui" 、日本製業株式会
社) 組成 39.0g(1l中) ポテト浸出液末・・・ 4.0g ブドウ糖・・・・・・20.0g カンテン・・・・・・15.0g PH 6.0±
【0037】2)100 mL容三角フラスコにPD培地50 m
L(2L規模では75 mL)とTriton X-100を一滴加え、これに
1)の胞子を懸濁させ、トーマの血球盤を用いて胞子を
計数した。PD培地の組成は、以下の通りである。 Bacto POTATO DEXTROSE BROTH DEHYDRATED for cultiva
ting yeasts and molds 1Lあたりの組成 Potato,Infusion form・・・・200g Bacto Dextrose・・・・・・・ 20g Final PH 5.1±0.2 at 25℃ (1lあたり24g使用) 3)培養液 1 mL あたりの胞子数が3 x 105 個となるよ
うに接種した。
L(2L規模では75 mL)とTriton X-100を一滴加え、これに
1)の胞子を懸濁させ、トーマの血球盤を用いて胞子を
計数した。PD培地の組成は、以下の通りである。 Bacto POTATO DEXTROSE BROTH DEHYDRATED for cultiva
ting yeasts and molds 1Lあたりの組成 Potato,Infusion form・・・・200g Bacto Dextrose・・・・・・・ 20g Final PH 5.1±0.2 at 25℃ (1lあたり24g使用) 3)培養液 1 mL あたりの胞子数が3 x 105 個となるよ
うに接種した。
【0038】3.培養 1)培養温度:30℃ 2)振盪速度:120 rpm 3)振盪機 (1) 100 mL規模: 温度調節機能付ロータリー式振盪機(O
RBITAL SHAKER INCUBATOR TYPE RGR-524) (2) 2 L規模: オープンタイプのロータリー式振盪機(SC
-60-M) いずれの振盪機もいわしや生物科学製である。 4)培養日数 (1) 100 mL規模: 5日間 (2) 2 L規模: 7日間(糖の消費状況において(1) と同
等)
RBITAL SHAKER INCUBATOR TYPE RGR-524) (2) 2 L規模: オープンタイプのロータリー式振盪機(SC
-60-M) いずれの振盪機もいわしや生物科学製である。 4)培養日数 (1) 100 mL規模: 5日間 (2) 2 L規模: 7日間(糖の消費状況において(1) と同
等)
【0039】〔実施例2〕 ボールミルによる糸状菌A
の破砕−破砕液中のDNAの定量による破砕の確認− =目的= 培養後凍結保存した糸状菌Aをボールミルを用いて破砕
すると、時間の経過とともにペレットがすり潰されてペ
ースト状となり、やがて、豆乳状となっていくことが肉
眼で観察される。しかし、これが菌体が破砕されて内容
物が外に出てきていることの度合を示すのか、あるい
は、ただ単にペレットがほぐされていくことの度合を示
しているのかは不明である。また、菌体破砕の目的は蛋
白質の抽出であるが、蛋白質は菌体表面にも存在するの
で破砕液中の蛋白質量は必ずしも菌体破砕の度合を示さ
ないものと思われる。一方DNAは菌体内にのみ存在す
るので、菌体破砕の度合の指標となると思われる。糸状
菌Aのボールミルによる破砕液は濁っていて紫外吸収に
よるDNA量の直接測定はできないので、ジフェニルア
ミンによってデオキシリボースが青色に呈色することを
利用したBurton法を用いた。あわせて、破砕液中の蛋白
質濃度の測定、および、菌体の破砕情況を示す顕微鏡写
真の撮影を行なった。
の破砕−破砕液中のDNAの定量による破砕の確認− =目的= 培養後凍結保存した糸状菌Aをボールミルを用いて破砕
すると、時間の経過とともにペレットがすり潰されてペ
ースト状となり、やがて、豆乳状となっていくことが肉
眼で観察される。しかし、これが菌体が破砕されて内容
物が外に出てきていることの度合を示すのか、あるい
は、ただ単にペレットがほぐされていくことの度合を示
しているのかは不明である。また、菌体破砕の目的は蛋
白質の抽出であるが、蛋白質は菌体表面にも存在するの
で破砕液中の蛋白質量は必ずしも菌体破砕の度合を示さ
ないものと思われる。一方DNAは菌体内にのみ存在す
るので、菌体破砕の度合の指標となると思われる。糸状
菌Aのボールミルによる破砕液は濁っていて紫外吸収に
よるDNA量の直接測定はできないので、ジフェニルア
ミンによってデオキシリボースが青色に呈色することを
利用したBurton法を用いた。あわせて、破砕液中の蛋白
質濃度の測定、および、菌体の破砕情況を示す顕微鏡写
真の撮影を行なった。
【0040】=材料と方法= 1.菌体破砕液の調製 糸状菌Aの培養1) ↓ 吸引濾過による菌体の分別(一部を用いて乾燥重量を測
定) ↓ 冷凍庫(約−18℃)で凍結保存 ↓ 菌体3g(乾燥重量)に緩衝液2)を加えて菌体の含水量
を95%に調整 ↓ ボールミル3)で0,15min., 30min., 1hrs., 3hrs.5
hrs.破砕 ↓ 冷蔵庫内(4℃)に一夜静置し、DNA、蛋白質を抽出 ↓ 吸引濾過(濾紙の粒子保持能6μm) ↓ 濾過滅菌(0.45μm filter unit 使用)
定) ↓ 冷凍庫(約−18℃)で凍結保存 ↓ 菌体3g(乾燥重量)に緩衝液2)を加えて菌体の含水量
を95%に調整 ↓ ボールミル3)で0,15min., 30min., 1hrs., 3hrs.5
hrs.破砕 ↓ 冷蔵庫内(4℃)に一夜静置し、DNA、蛋白質を抽出 ↓ 吸引濾過(濾紙の粒子保持能6μm) ↓ 濾過滅菌(0.45μm filter unit 使用)
【0041】 1) 糸状菌Aの培養 培養容器:5L容三角フラスコ 培地およびその量:PD培地2L 胞子接種量:3×105 spores/ml 培養温度:30℃ 振盪速度:120rpm 培養日数:7日間 2) 0.05M KH2PO4-Na2HPO4・12H2O 緩衝液(pH 5.5) 3) ポットサイズ:外径90mm、内容量300ml 使用ボール:φ25mm×2、φ20mm×2、φ15mm×2、φ10mm×6 ポット回転速度:2rpm
【0042】2.ジフェニルアミン反応によるDNAの
定量(Burton変法) 1) 1.5gのジフェニルアミンを100ml の氷酢酸に溶解
し、1.5mlの濃硫酸を加えて試薬Aとした(冷暗所貯
蔵)。 2) 1.6%アルデヒド水溶液をつくり試薬Bとした(冷
暗所貯蔵)。 3) 使用直前に試薬Aと試薬Bを 200:1 の比率で混合
し、試薬Cとした。 4) 試料(DNAを10〜50μg 含むもの)1.1mlに60%
HClO4 0.1mlを加えた。 5) HClO4 5%を含む試料1.2mlに試薬Cを3ml加え、3
0℃で16〜20時間保温した。 6) 青色の呈色を600nm で測定した。 7) 試料溶液は濁っているので、ブランク試料は各試料
ごとに試薬Cからジフェニルアミンを除いたものを用い
て調製した。
定量(Burton変法) 1) 1.5gのジフェニルアミンを100ml の氷酢酸に溶解
し、1.5mlの濃硫酸を加えて試薬Aとした(冷暗所貯
蔵)。 2) 1.6%アルデヒド水溶液をつくり試薬Bとした(冷
暗所貯蔵)。 3) 使用直前に試薬Aと試薬Bを 200:1 の比率で混合
し、試薬Cとした。 4) 試料(DNAを10〜50μg 含むもの)1.1mlに60%
HClO4 0.1mlを加えた。 5) HClO4 5%を含む試料1.2mlに試薬Cを3ml加え、3
0℃で16〜20時間保温した。 6) 青色の呈色を600nm で測定した。 7) 試料溶液は濁っているので、ブランク試料は各試料
ごとに試薬Cからジフェニルアミンを除いたものを用い
て調製した。
【0043】3.蛋白質の定量 通常のローリー法により、500nm における吸光度を測定
した。また、DNAの定量と同様に、ブランク試料は各
試料ごとに処理試薬からフェノール試薬(遊離アミノ酸
および蛋白質中のチロシン、トリプトファン、システイ
ンと反応して青色を呈する)を除いたものを用いて調製
した。
した。また、DNAの定量と同様に、ブランク試料は各
試料ごとに処理試薬からフェノール試薬(遊離アミノ酸
および蛋白質中のチロシン、トリプトファン、システイ
ンと反応して青色を呈する)を除いたものを用いて調製
した。
【0044】4.写真撮影 各試料ごとに以下の3種類の写真を撮影した。 1) ボールミルによる破砕直後のもの 2) ボールミルによる破砕直後の菌糸の破壊情況(600倍
顕微鏡写真) 3) 破砕により流出した菌体内容物(吸引濾過により粒
子保持能6μm の濾紙を通過したもの、150倍顕微鏡写
真)
顕微鏡写真) 3) 破砕により流出した菌体内容物(吸引濾過により粒
子保持能6μm の濾紙を通過したもの、150倍顕微鏡写
真)
【0045】=結果および考案= 結果は表1の通りである。DNA量の測定に関しては、
検量線を引くための標準溶液を用いなかったので、破砕
時間0のときの吸光度を100とした相対値で表した。蛋
白質量に関しては、BSAを標準溶液として作成した検
量線から得た値を菌体1g(乾燥重量)あたりの量に換
算した。また、DNA相対量と同様にしてボールミルで
破砕することなく抽出された蛋白質量を100として、各
破砕時間において抽出された蛋白質の相対量を求めた。
そして、図1においてこれらの相対量と破砕時間の関係
をグラフ化した。
検量線を引くための標準溶液を用いなかったので、破砕
時間0のときの吸光度を100とした相対値で表した。蛋
白質量に関しては、BSAを標準溶液として作成した検
量線から得た値を菌体1g(乾燥重量)あたりの量に換
算した。また、DNA相対量と同様にしてボールミルで
破砕することなく抽出された蛋白質量を100として、各
破砕時間において抽出された蛋白質の相対量を求めた。
そして、図1においてこれらの相対量と破砕時間の関係
をグラフ化した。
【0046】
【表1】
【0047】表1の破砕時間0の結果から、冷凍保存し
ておいたものを解凍すると菌体がそうとう傷つく、ある
いは、菌体表面に存在した蛋白質が剥がれやすくなると
いうことを示していると思われる。したがって、冷凍−
解凍を何回か繰り返すことより一層菌体を壊せる可能性
がある。次に、図1および撮影した写真より、以下のこ
とがわかった。
ておいたものを解凍すると菌体がそうとう傷つく、ある
いは、菌体表面に存在した蛋白質が剥がれやすくなると
いうことを示していると思われる。したがって、冷凍−
解凍を何回か繰り返すことより一層菌体を壊せる可能性
がある。次に、図1および撮影した写真より、以下のこ
とがわかった。
【0048】1) ボールミル操作開始後少なくとも30分
間は菌体にダメージを与えることはあっても、菌体の破
砕には至っていないように思われる。最初の15分間では
菌体内の蛋白質や、解凍によって核が破砕され菌体内に
たまっていたDNAがボールに圧迫されて菌体についた
傷口を通して漏れてくるのだと思われる。次の15分間で
はその効果もほとんどなくなってしまう。
間は菌体にダメージを与えることはあっても、菌体の破
砕には至っていないように思われる。最初の15分間では
菌体内の蛋白質や、解凍によって核が破砕され菌体内に
たまっていたDNAがボールに圧迫されて菌体についた
傷口を通して漏れてくるのだと思われる。次の15分間で
はその効果もほとんどなくなってしまう。
【0049】2) 30分から1時間にかけて菌糸の切断が
起こり始める。それにともなって蛋白質は外へ出てく
る。一方、破砕液中のDNA量はまだ増加しない。これ
はDNAの入った核は蛋白質に比べてきわめて大きいの
でスムーズには外に出にくいうえ、核膜の破壊という手
間がかかるためだと思われる。 3) その後1時間から3時間にかけてはボールによるダ
メージが全体にゆきわたり、次々に菌糸の切断が起こ
る。
起こり始める。それにともなって蛋白質は外へ出てく
る。一方、破砕液中のDNA量はまだ増加しない。これ
はDNAの入った核は蛋白質に比べてきわめて大きいの
でスムーズには外に出にくいうえ、核膜の破壊という手
間がかかるためだと思われる。 3) その後1時間から3時間にかけてはボールによるダ
メージが全体にゆきわたり、次々に菌糸の切断が起こ
る。
【0050】4) そして3時間以降になると、ある程度
まで小さく分断された菌糸塊はボールとボールの間に補
足されにくくなり、時間をかけた割には破砕の効率はあ
がらなくなる。 以上のことより、今回行なった破砕の条件においては菌
体の破砕時間は3時間程度が適当であると思われる。
まで小さく分断された菌糸塊はボールとボールの間に補
足されにくくなり、時間をかけた割には破砕の効率はあ
がらなくなる。 以上のことより、今回行なった破砕の条件においては菌
体の破砕時間は3時間程度が適当であると思われる。
【0051】〔実施例3〕 ボールミルによる糸状菌A
の破砕 1.凍結−解凍による菌体破砕効果、2.ボールミル操
作条件、3.菌体破砕時の菌体の含水率、4.菌体破砕
時間と蛋白質抽出法、5.蛋白質抽出液の電気泳動につ
いて調べた。 1.菌体の「凍結−解凍」により菌体外に漏れてくる蛋
白質およびDNA 菌体の「凍結(約−18℃に21時間置く)−解凍(室
温下に3時間放置)」を1回、3回、5回繰り返したも
の各々に対して緩衝液を加えて(乾燥菌体1gあたり19
ml)、1日、3日、5日間冷蔵庫に放置して得た抽出液
中のDNA量および蛋白質量を、Burton法およびLowry
法で測定した。結果は以下の通りで、蛋白質、DNAと
もに凍結−解凍1回、抽出日数1日のものの量を100と
した相対値で示した。
の破砕 1.凍結−解凍による菌体破砕効果、2.ボールミル操
作条件、3.菌体破砕時の菌体の含水率、4.菌体破砕
時間と蛋白質抽出法、5.蛋白質抽出液の電気泳動につ
いて調べた。 1.菌体の「凍結−解凍」により菌体外に漏れてくる蛋
白質およびDNA 菌体の「凍結(約−18℃に21時間置く)−解凍(室
温下に3時間放置)」を1回、3回、5回繰り返したも
の各々に対して緩衝液を加えて(乾燥菌体1gあたり19
ml)、1日、3日、5日間冷蔵庫に放置して得た抽出液
中のDNA量および蛋白質量を、Burton法およびLowry
法で測定した。結果は以下の通りで、蛋白質、DNAと
もに凍結−解凍1回、抽出日数1日のものの量を100と
した相対値で示した。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】2.ボールミル操作条件 購入したボールミルポットは外径180mm 、内容積2.6L
のものと、外径90mm、内容積300ml のものの2種類であ
った。大型の方にはφ25mmのボール19個とφ20mmのボー
ル20個、小型の方にはφ15mmのボール18個とφ10mmのボ
ール42個が付属していた。2種類以上の径のボールを組
合せ、使用量は内容積の 1/3〜1/2 程度ということであ
った。4種類の径のボール全部の体積の合計は約300ml
である。これらを大型のポットに入れ、そこに水を注い
で全てのボールを水没させるには500ml 必要であった。
この500ml を1回の操作で破砕される菌体量とみなした
(ボールと菌体で占める容積は800ml で内容積の約3
割)。
のものと、外径90mm、内容積300ml のものの2種類であ
った。大型の方にはφ25mmのボール19個とφ20mmのボー
ル20個、小型の方にはφ15mmのボール18個とφ10mmのボ
ール42個が付属していた。2種類以上の径のボールを組
合せ、使用量は内容積の 1/3〜1/2 程度ということであ
った。4種類の径のボール全部の体積の合計は約300ml
である。これらを大型のポットに入れ、そこに水を注い
で全てのボールを水没させるには500ml 必要であった。
この500ml を1回の操作で破砕される菌体量とみなした
(ボールと菌体で占める容積は800ml で内容積の約3
割)。
【0055】5L容三角フラスコ4本を使用して8Lの
培養液で菌体の生産を行なったところ、培養液1Lから
は最高で約6gの菌体が回収された。破砕時には菌体の
含水率を95%に調整するので、1g(乾燥重量)の菌体
は約20mlの体積となる。従って、培養液8L分の菌体
(含水率95%で約960ml)の処理には2回のボールミル操
作で終了することとなる。小型のポットを使用する場合
菌体量、ボールの数は大型のポットの場合の1/8量とし
た。ポットの回転速度は、大型ポットをある程度余裕を
持って回転させた場合の最高速度が約2PPM であったの
で、あくまでも一つの目安として、この回転速度を小型
ポットにも適用した。
培養液で菌体の生産を行なったところ、培養液1Lから
は最高で約6gの菌体が回収された。破砕時には菌体の
含水率を95%に調整するので、1g(乾燥重量)の菌体
は約20mlの体積となる。従って、培養液8L分の菌体
(含水率95%で約960ml)の処理には2回のボールミル操
作で終了することとなる。小型のポットを使用する場合
菌体量、ボールの数は大型のポットの場合の1/8量とし
た。ポットの回転速度は、大型ポットをある程度余裕を
持って回転させた場合の最高速度が約2PPM であったの
で、あくまでも一つの目安として、この回転速度を小型
ポットにも適用した。
【0056】3.菌体破砕時の菌体の含水率 水流を利用した吸引濾過によって菌体から水分を除去し
た際に到達できる最低含水率は75%前後であった。含水
率75%の状態で菌体破砕を行なったところ、肉眼ではほ
とんど破砕されているようには見えなかった。そこで、
含水率を90%にしたところようやくペースト状になりか
けたが、まだ不十分であった。次に、含水率を95%にし
たところ、ほぼ完全にペースト状となった。この3種の
含水率で菌体破砕を行ない、破砕後の含水率は全て95%
に統一し、冷蔵庫中に一夜静置して蛋白質の抽出を行な
ったところ以下のようになった。
た際に到達できる最低含水率は75%前後であった。含水
率75%の状態で菌体破砕を行なったところ、肉眼ではほ
とんど破砕されているようには見えなかった。そこで、
含水率を90%にしたところようやくペースト状になりか
けたが、まだ不十分であった。次に、含水率を95%にし
たところ、ほぼ完全にペースト状となった。この3種の
含水率で菌体破砕を行ない、破砕後の含水率は全て95%
に統一し、冷蔵庫中に一夜静置して蛋白質の抽出を行な
ったところ以下のようになった。
【0057】
【表4】
【0058】4.菌体破砕時間と蛋白質抽出方法 含水率を95%に調整した菌体3g(乾燥重量)を0.5,
1.0, 1.5, 2.0, 2.5時間破砕した後に、緩衝液を150ml
加えて蛋白質の抽出(静置および攪拌抽出)を行なっ
たところ、以下のようになった。
1.0, 1.5, 2.0, 2.5時間破砕した後に、緩衝液を150ml
加えて蛋白質の抽出(静置および攪拌抽出)を行なっ
たところ、以下のようになった。
【0059】
【表5】
【0060】この結果より、菌体破砕時間は1時間が適
当であると思われる。なお、菌体破砕後に緩衝液を加え
るという操作は省略してもよい。抽出のために加える緩
衝液の量が多ければ多いほど抽出される蛋白質の量は多
くなるが、濃度が低くなるので濃縮という余計な手間が
増えるからである。 5.ボールミルによる菌体破砕液とノボザイムによる菌
体破砕液の比較下記の条件で得られた2種類の菌体破砕
液中のタンパク質成分をスラブ電気泳動により比較した
ところ、図2のような結果となった。
当であると思われる。なお、菌体破砕後に緩衝液を加え
るという操作は省略してもよい。抽出のために加える緩
衝液の量が多ければ多いほど抽出される蛋白質の量は多
くなるが、濃度が低くなるので濃縮という余計な手間が
増えるからである。 5.ボールミルによる菌体破砕液とノボザイムによる菌
体破砕液の比較下記の条件で得られた2種類の菌体破砕
液中のタンパク質成分をスラブ電気泳動により比較した
ところ、図2のような結果となった。
【0061】1) ノボザイムによる菌体破砕液の調製 使用材料 培養液:PD培地(pH5.1)1Lにつき界面活性
剤Triton X−100をパスツールピペットで7
滴加えたもの。 培養および酵素反応容器:Buffle Plate 3枚付き5
00ml容三角フラスコ。 酵素溶液:ノボザイム234、セルラーゼオノズカ
RS 各10gとメルカプトエタノール2mlを0.0
1M KH2 PO4 −Na2 HPO4 ・12H 2 O緩衝
液1Lに溶かしてpHを5.5に調整したもの。 吸引濾過用濾紙:Whatman濾紙3定性用(φ
11cm)。 透析膜:Seamless Cellulose Tubing (size 20/
32)。 濾過滅菌用フィルター:Sterile MILLEX-HV 0.45
μm Filter Unit 。
剤Triton X−100をパスツールピペットで7
滴加えたもの。 培養および酵素反応容器:Buffle Plate 3枚付き5
00ml容三角フラスコ。 酵素溶液:ノボザイム234、セルラーゼオノズカ
RS 各10gとメルカプトエタノール2mlを0.0
1M KH2 PO4 −Na2 HPO4 ・12H 2 O緩衝
液1Lに溶かしてpHを5.5に調整したもの。 吸引濾過用濾紙:Whatman濾紙3定性用(φ
11cm)。 透析膜:Seamless Cellulose Tubing (size 20/
32)。 濾過滅菌用フィルター:Sterile MILLEX-HV 0.45
μm Filter Unit 。
【0062】菌体破砕液調製手順 糸状菌Aの培養(培養液が100ml入ったBuffle Pla
te 3枚付き500ml容三角フラスコに糸状菌Aの胞
子を1×105 個/mlとなるように接種し、30℃
下、ロータリーシェイカー(120 rpm)により5
日間振盪培養) ↓ 菌体分別(培養液を32μ/mステンレスメッシュで濾
過し、菌体のみを元のフラスコに戻す) ↓ 酵素反応(菌体のみが入ったフラスコに酵素液を100
ml注入し、25℃下、ロータリーシェイカー(60
rpm)により5時間振盪) ↓ 吸引濾過(Whatman濾紙は2枚重ね) ↓ 第1回目透析(濾液の8倍量の生理食塩水で1時間撹拌
透析、8℃) ↓ 第2回目透析(生理食塩水を入れ替えて3時間撹拌透
析、8℃) ↓ 第3回目透析(生理食塩水を入れ替えて6時間撹拌透
析、8℃) ↓ 透析膜の交換(透析を中断し、被透析液を翌朝まで冷蔵
保存) ↓ 第3回目透析再開(新しい透析膜を使い7時間撹拌透
析、8℃) ↓ 第4回目透析(生理食塩水を入れ替えて3時間撹拌透
析、8℃) ↓ 濾過滅菌 ↓ 冷凍保存(−18℃)
te 3枚付き500ml容三角フラスコに糸状菌Aの胞
子を1×105 個/mlとなるように接種し、30℃
下、ロータリーシェイカー(120 rpm)により5
日間振盪培養) ↓ 菌体分別(培養液を32μ/mステンレスメッシュで濾
過し、菌体のみを元のフラスコに戻す) ↓ 酵素反応(菌体のみが入ったフラスコに酵素液を100
ml注入し、25℃下、ロータリーシェイカー(60
rpm)により5時間振盪) ↓ 吸引濾過(Whatman濾紙は2枚重ね) ↓ 第1回目透析(濾液の8倍量の生理食塩水で1時間撹拌
透析、8℃) ↓ 第2回目透析(生理食塩水を入れ替えて3時間撹拌透
析、8℃) ↓ 第3回目透析(生理食塩水を入れ替えて6時間撹拌透
析、8℃) ↓ 透析膜の交換(透析を中断し、被透析液を翌朝まで冷蔵
保存) ↓ 第3回目透析再開(新しい透析膜を使い7時間撹拌透
析、8℃) ↓ 第4回目透析(生理食塩水を入れ替えて3時間撹拌透
析、8℃) ↓ 濾過滅菌 ↓ 冷凍保存(−18℃)
【0063】2)ボールミルによる菌体破砕液の調製 使用材料 培養液:PD培地(pH5.1)1Lにつき界面活性
剤Triton X−100をパスツールピペットで7
滴加えたもの。 培養容器:通常の5L容三角フラスコ。 緩衝液:0.05M KH2 PO4 −Na2 HPO4
・12H2 O緩衝液(pH 5.5) 吸引濾過用濾紙:Whatman濾紙3定性用(φ
11cm)。 ボールミル ポットサイズ:外径90mm、内容量300ml 使用ボール:φ25mm×2、φ20mm×2、φ15
mm×2、φ10mm×6 ポット回転速度:2rpm 透析膜:Seamless Cellulose Tubing (size 20/
32)。 濾過滅菌用フィルター:Sterile MILLEX-HV 0.45
μm Filter Unit 。
剤Triton X−100をパスツールピペットで7
滴加えたもの。 培養容器:通常の5L容三角フラスコ。 緩衝液:0.05M KH2 PO4 −Na2 HPO4
・12H2 O緩衝液(pH 5.5) 吸引濾過用濾紙:Whatman濾紙3定性用(φ
11cm)。 ボールミル ポットサイズ:外径90mm、内容量300ml 使用ボール:φ25mm×2、φ20mm×2、φ15
mm×2、φ10mm×6 ポット回転速度:2rpm 透析膜:Seamless Cellulose Tubing (size 20/
32)。 濾過滅菌用フィルター:Sterile MILLEX-HV 0.45
μm Filter Unit 。
【0064】
【0065】図2から、ボールミルによる菌体破砕によ
り、ノボザイムによる菌体破砕の場合と同様に、所望の
蛋白質が得られることがわかる。ボールミルによる菌体
破砕液のレーンとノボザイムによる菌体破砕液のレーン
を比較してみると、ボールミル操作は菌体由来の蛋白質
を絡み合わせて、見かけ上非常に大きな分子量を持つ、
不特定多数の蛋白質の会合体のようなものを作ってしま
うのではないかと思われる。
り、ノボザイムによる菌体破砕の場合と同様に、所望の
蛋白質が得られることがわかる。ボールミルによる菌体
破砕液のレーンとノボザイムによる菌体破砕液のレーン
を比較してみると、ボールミル操作は菌体由来の蛋白質
を絡み合わせて、見かけ上非常に大きな分子量を持つ、
不特定多数の蛋白質の会合体のようなものを作ってしま
うのではないかと思われる。
【0066】〔実施例4〕 ボールミルによる糸状菌A
の破砕−凍結−解凍による菌体破砕効果− =目的= 実施例2の「破砕液中のDNAの定量による破砕の確認
について」において、菌体の凍結→解凍→一夜静置抽出
という操作だけで、解凍後に行なうボールミル操作を含
めた全工程により抽出された蛋白質およびDNAの量の
半分以上が抽出されるという結果を得た。凍結−解凍と
いう操作が菌体破砕に及ぼす影響は無視できないと思わ
れる。そこで、菌体を凍結することなく破砕した場合の
蛋白質およびDNAの抽出量を実施例2の結果と比較す
るとともに、凍結−解凍の繰り返しによる菌体破砕効
果、細胞の冷却保存時に細胞破壊保護剤として使用され
るジメチルスルホキシド(DMSO)による菌体破壊の
抑制効果について調べた。
の破砕−凍結−解凍による菌体破砕効果− =目的= 実施例2の「破砕液中のDNAの定量による破砕の確認
について」において、菌体の凍結→解凍→一夜静置抽出
という操作だけで、解凍後に行なうボールミル操作を含
めた全工程により抽出された蛋白質およびDNAの量の
半分以上が抽出されるという結果を得た。凍結−解凍と
いう操作が菌体破砕に及ぼす影響は無視できないと思わ
れる。そこで、菌体を凍結することなく破砕した場合の
蛋白質およびDNAの抽出量を実施例2の結果と比較す
るとともに、凍結−解凍の繰り返しによる菌体破砕効
果、細胞の冷却保存時に細胞破壊保護剤として使用され
るジメチルスルホキシド(DMSO)による菌体破壊の
抑制効果について調べた。
【0067】=材料と方法= 1.菌体破砕液の調製 糸状菌Aの培養1) ↓ 吸引濾過による菌体の分別(一部を用いて乾燥重量を測
定) ↓ 冷凍庫(約−18℃)で凍結保存(0,1,3,5回)2) ↓ 菌体3g(乾燥重量)に緩衝液3)(DMSO濃度0,
5,10,20%)を加えて菌体の含水量を95%に調整 ↓ ボールミル4)で0,30min., 1hrs., 3hrs.破砕 ↓ 冷蔵庫内(4℃)に1,3,5夜静置し、DNA、蛋白
質を抽出 ↓ 吸引濾過(濾紙の粒子保持能6μm) ↓ 濾過滅菌(0.45μm filter unit 使用)
定) ↓ 冷凍庫(約−18℃)で凍結保存(0,1,3,5回)2) ↓ 菌体3g(乾燥重量)に緩衝液3)(DMSO濃度0,
5,10,20%)を加えて菌体の含水量を95%に調整 ↓ ボールミル4)で0,30min., 1hrs., 3hrs.破砕 ↓ 冷蔵庫内(4℃)に1,3,5夜静置し、DNA、蛋白
質を抽出 ↓ 吸引濾過(濾紙の粒子保持能6μm) ↓ 濾過滅菌(0.45μm filter unit 使用)
【0068】 1) 糸状菌Aの培養 培養容器:5L容三角フラスコ 培地およびその量:PD培地2L 胞子接種量:3×105 spores/ml 培養温度:30℃ 振盪速度:120rpm 培養日数:7日間 2) 凍結回数3回以上のものについては1日のうち21時間凍結し、室温(26〜 28℃)に3時間放置解凍を1単位とした。 3) 0.05M KH2PO4-Na2HPO4・12H2O 緩衝液(pH 5.5) 4) ポットサイズ:外径90mm、内容量300ml 使用ボール:φ25mm×2、φ20mm×2、φ15mm×2、φ10mm×6 ポット回転速度:2rpm
【0069】2.ジフェニルアミン反応によるDNAの
定量 実施例2と同様Burton変法を用いた。 3.蛋白質の定量 実施例2と同様Lowry法を用いた。 =結果および考案= 結果は図3〜6の通りである。
定量 実施例2と同様Burton変法を用いた。 3.蛋白質の定量 実施例2と同様Lowry法を用いた。 =結果および考案= 結果は図3〜6の通りである。
【0070】1) 図3、4について。凍結させていない
菌体は凍結させたものよりも強い弾力性を持つと思われ
る。ボールミルによる破砕はペレットの外側から起こる
と思われるが、ペレットがある程度まで小さくなるとそ
の弾力性が有効にはたらいてボールによる衝撃を吸収し
てしまうのではないかと思われる。それが起こり始める
のが破砕開始後約1時間であり、それ以後は菌体の破砕
がほとんど進行していないように思われる。
菌体は凍結させたものよりも強い弾力性を持つと思われ
る。ボールミルによる破砕はペレットの外側から起こる
と思われるが、ペレットがある程度まで小さくなるとそ
の弾力性が有効にはたらいてボールによる衝撃を吸収し
てしまうのではないかと思われる。それが起こり始める
のが破砕開始後約1時間であり、それ以後は菌体の破砕
がほとんど進行していないように思われる。
【0071】2) 図5について。1回の凍結−解凍処理
の後にボールミルで5時間破砕した場合、基準(ボール
ミルで破砕していないもの)に対して、蛋白質が 195
%、DNAは 170%にまでしか増加しなかった。一方、
凍結3回、抽出3日間という処理だけで、蛋白質が 158
%、DNAは 156%にまで増加した。このことからする
と、凍結−解凍処理を主にしてボールミル操作は補助的
なものとして考えたほうがよいのではないかとも思われ
る。 3) 図6について、DMSOの濃度が高くなるほど蛋白
質およびDNAの抽出量が減少することより、これらの
物質は菌体の破壊により漏出してきたものであると思わ
れる。
の後にボールミルで5時間破砕した場合、基準(ボール
ミルで破砕していないもの)に対して、蛋白質が 195
%、DNAは 170%にまでしか増加しなかった。一方、
凍結3回、抽出3日間という処理だけで、蛋白質が 158
%、DNAは 156%にまで増加した。このことからする
と、凍結−解凍処理を主にしてボールミル操作は補助的
なものとして考えたほうがよいのではないかとも思われ
る。 3) 図6について、DMSOの濃度が高くなるほど蛋白
質およびDNAの抽出量が減少することより、これらの
物質は菌体の破壊により漏出してきたものであると思わ
れる。
【0072】
【発明の効果】本発明により、アスペルギルス属の微生
物から生理活性物質を取得する方法が提供された。ま
た、本発明により、アスペルギルス属の微生物を培養す
る方法が提供された。
物から生理活性物質を取得する方法が提供された。ま
た、本発明により、アスペルギルス属の微生物を培養す
る方法が提供された。
【図1】ボールミルによる糸状菌Aの破砕における破砕
時間と抽出されたDNAおよび蛋白質の相対量を示す。
時間と抽出されたDNAおよび蛋白質の相対量を示す。
【図2】糸状菌Aをボールミルで破砕して得られた蛋白
質抽出液のスラブ電気泳動の結果を示す。
質抽出液のスラブ電気泳動の結果を示す。
【図3】ボールミルによる糸状菌Aの破砕における破砕
時間と抽出されたDNAの相対量を示す。
時間と抽出されたDNAの相対量を示す。
【図4】ボールミルによる糸状菌Aの破砕における破砕
時間と抽出された蛋白質の相対量を示す。
時間と抽出された蛋白質の相対量を示す。
【図5】凍結 解凍による菌体破砕効果を示す。
【図6】DMSOによる糸状菌Aの凍結−解凍時における保
護効果を示す。
護効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07K 14/38 A61K 37/02 (C12N 1/14 C12R 1:67) (C12P 21/00 C12R 1:67) Fターム(参考) 4B064 AG01 BA14 BA15 BF04 BF05 BF06 BJ10 BJ12 CA05 CC03 CC05 CC06 CC12 CE02 CE06 CE14 DA02 DA05 4B065 AA60X BC03 BC05 BC09 BC11 BC26 BD01 BD09 BD17 CA26 CA34 CA44 4C084 AA06 CA04 MA17 MA22 MA23 MA28 MA31 MA32 MA35 MA37 MA41 MA43 MA52 MA63 MA66 ZB262 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA15 EA28 FA73 GA01 GA10 HA05 HA06
Claims (20)
- 【請求項1】 アスペルギルス属の微生物の胞子を培地
1mL当たり1〜3×105個の数で培地に接種し、28
〜32℃の温度、118〜122rpmの振盪速度で、培
地1mL当たりの該微生物の菌体の重量が4.5mg以上
(乾燥重量)となるまで培養することを特徴とする、ア
スペルギルス属の微生物の培養方法。 - 【請求項2】 アスペルギルス属の微生物が、下記の理
化学的性質を有する制癌活性物質SRT−KまたはSR
T−Kからの精製により得られる分子量65±7kD
a、58もしくは48±6kDaの糖タンパク質を生産
することができる請求項1記載の培養方法。 分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ
る測定で、32〜84kDaに分子量分布が見られ、6
5±7kDa、58±6kDaおよび48±5kDaの
少なくとも3つのピークが観察される。 等電点:7.6、7.0、6.2、5.7、5.5および5.
0 紫外線吸収スペクトル:210nm付近に極大吸収があ
り、250nm付近に極小値が見られ、280nm付近
に肩が見られる。 赤外線吸収スペクトル:3306.74、2966.6
1、2932.54、2876.22、1655.0
5、1537.72、1452.17、1398.1
3、1241.85、1076.88cm-1 に吸収がある。 タンパク質部分のアミノ酸組成: アミノ酸 実測値(nmol) モル% アスパラギン酸 6.2017 12.49 スレオニン 4.2422 8.59 セリン 4.1868 8.43 グルタミン酸 3.7181 7.49 グリシン 5.8218 11.73 アラニン 4.9947 10.06 バリン 3.0372 6.12 1/2シスチン 1.6282 3.28 メチオニン 0.5334 1.07 イソロイシン 2.0106 4.05 ロイシン 2.9345 5.91 チロシン 1.8451 3.72 フェニルアラニン 1.6873 3.40 リシン 1.3438 2.71 ヒスチジン 0.7235 1.46 アルギニン 1.2753 2.57 トリプトファン 0.0000 0.00 プロリン 3.4680 6.98 合計 49.6522 100.00 - 【請求項3】 アスペルギルス属の微生物がアスペルギ
ルス・フラブスである請求項1または2記載の培養方
法。 - 【請求項4】 アスペルギルス・フラブスがSRT株で
ある請求項3記載の培養方法。 - 【請求項5】 培地が、PD培地またはサブロー培地で
ある請求項1〜4のいずれかに記載の培養方法。 - 【請求項6】 培地の量が100 mL以上である請求項1〜
5のいずれかに記載の培養方法。 - 【請求項7】 培養日数が7日以上である請求項1〜6
のいずれかに記載の培養方法。 - 【請求項8】 培養が好気的条件下で行われる請求項1
〜7のいずれかに記載の培養方法。 - 【請求項9】 アスペルギルス属の微生物から生理活性
物質を取得する方法であって、以下の工程: (i) アスペルギルス属の微生物を請求項1〜8のいずれ
かに記載の方法で培養する工程、(ii)該微生物の菌体を
分別する工程、(iii) 該微生物の菌体を凍結保存してか
ら解凍する工程、(iv)該微生物の菌体を機械的に破砕す
る工程、および(v) 該微生物の菌体から生理活性物質を
抽出する工程を含む前記の方法。 - 【請求項10】 (ii)の分別工程の後、アスペルギルス
属の微生物の菌体を洗浄する工程をさらに含む請求項9
記載の方法。 - 【請求項11】 (iii) の凍結保存および解凍の工程を
2回以上繰り返す請求項9または10記載の方法。 - 【請求項12】 (iv)の破砕工程において、含水率95
重量%以上のアスペルギルス属の微生物の菌体をボール
ミルで破砕する請求項9〜11のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項13】 ボールミルのポットの回転数が1.8
〜2.2rpmである請求項12記載の方法。 - 【請求項14】 破砕時間が30分〜5時間である請求
項12または13記載の方法。 - 【請求項15】 (v) の抽出工程において、アルペルギ
ルス属の微生物の菌体1g(乾燥重量)当たり19〜6
9mLの緩衝液を添加して、該微生物の菌体から生理活性
物質を抽出する請求項9〜14のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項16】 (v) の抽出工程を2〜6℃の温度で行
う請求項9〜15のいずれかに記載の方法。 - 【請求項17】 (v) の抽出工程の後、抽出液を濾過す
る工程をさらに含む請求項9〜16のいずれかに記載の
方法。 - 【請求項18】 抽出液を濾過した後、濾液を透析する
工程をさらに含む請求項17記載の方法。 - 【請求項19】 濾液を透析した後、濃縮する工程をさ
らに含む請求項18記載の方法。 - 【請求項20】 生理活性物質が、下記の理化学的性質
を有する制癌活性物質SRT−KまたはSRT−Kから
の精製により得られる分子量65±7kDa、58もし
くは48±6kDaの糖タンパク質である請求項9〜1
9のいずれかに記載の方法。 分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ
る測定で、32〜84kDaに分子量分布が見られ、6
5±7kDa、58±6kDaおよび48±5kDaの
少なくとも3つのピークが観察される。 等電点:7.6、7.0、6.2、5.7、5.5およ
び5.0 紫外線吸収スペクトル:210nm付近に極大吸収があ
り、250nm付近に極小値が見られ、280nm付近
に肩が見られる。 赤外線吸収スペクトル:3306.74、2966.6
1、2932.54、2876.22、1655.0
5、1537.72、1452.17、1398.1
3、1241.85、1076.88cm-1 に吸収がある。 タンパク質部分のアミノ酸組成: アミノ酸 実測値(nmol) モル% アスパラギン酸 6.2017 12.49 スレオニン 4.2422 8.59 セリン 4.1868 8.43 グルタミン酸 3.7181 7.49 グリシン 5.8218 11.73 アラニン 4.9947 10.06 バリン 3.0372 6.12 1/2シスチン 1.6282 3.28 メチオニン 0.5334 1.07 イソロイシン 2.0106 4.05 ロイシン 2.9345 5.91 チロシン 1.8451 3.72 フェニルアラニン 1.6873 3.40 リシン 1.3438 2.71 ヒスチジン 0.7235 1.46 アルギニン 1.2753 2.57 トリプトファン 0.0000 0.00 プロリン 3.4680 6.98 合計 49.6522 100.00
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11174042A JP2001000174A (ja) | 1999-06-21 | 1999-06-21 | 微生物の培養方法および微生物の培養液から生理活性物質を抽出する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11174042A JP2001000174A (ja) | 1999-06-21 | 1999-06-21 | 微生物の培養方法および微生物の培養液から生理活性物質を抽出する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001000174A true JP2001000174A (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=15971613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11174042A Pending JP2001000174A (ja) | 1999-06-21 | 1999-06-21 | 微生物の培養方法および微生物の培養液から生理活性物質を抽出する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001000174A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1424007A1 (en) * | 2002-11-28 | 2004-06-02 | Nederlandse Organisatie Voor Toegepast-Natuurwetenschappelijk Onderzoek Tno | Method for preparation, preservation and application of biological control agents |
JP2007124963A (ja) * | 2005-11-04 | 2007-05-24 | Tokushima Ken | キノコ栽培方法及びキノコ栽培用培地 |
WO2015082975A1 (en) | 2013-12-05 | 2015-06-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Waste heat recovery apparatus |
-
1999
- 1999-06-21 JP JP11174042A patent/JP2001000174A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1424007A1 (en) * | 2002-11-28 | 2004-06-02 | Nederlandse Organisatie Voor Toegepast-Natuurwetenschappelijk Onderzoek Tno | Method for preparation, preservation and application of biological control agents |
WO2004047541A1 (en) * | 2002-11-28 | 2004-06-10 | Nederlandse Organisatie Voor Toegepast- Natuurwetenschappelijk Onderzoek Tno | Method for preparation, preservation and application of biological control agents |
JP2007124963A (ja) * | 2005-11-04 | 2007-05-24 | Tokushima Ken | キノコ栽培方法及びキノコ栽培用培地 |
WO2015082975A1 (en) | 2013-12-05 | 2015-06-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Waste heat recovery apparatus |
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