JP2000517234A - アルカリ金属ホウ酸塩を使用する酢酸ビニル合成触媒の製造法 - Google Patents

アルカリ金属ホウ酸塩を使用する酢酸ビニル合成触媒の製造法

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Abstract

(57)【要約】 触媒キャリヤーに水溶性パラジウム塩と水溶性金化合物を含浸させ、次いでアルカリ金属ホウ酸塩を含有する固定用組成物を使用して、水溶性のパラジウム塩と金化合物を水不溶性のパラジウム化合物および金化合物として沈降させる、という不飽和エステル合成触媒の製造法。固定されたパラジウム化合物と金化合物を、エチレンまたはヒドラジンを使用してパラジウム金属および金金属に還元し、次いでキャリヤーにアルカリ金属酢酸塩(例えば酢酸カリウム)を含浸させる。この不飽和エステル合成触媒を使用して、高沸点留分の少ない酢酸ビニルを合成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 アルカリ金属ホウ酸塩を使用する酢酸ビニル合成触媒の製造法 発明の背景 本発明は、不飽和エステルを製造するのに有用な触媒を気相反応によって製造 する新規方法に関する。さらに詳細には、本発明は、エチレンと酸素と酢酸の反 応による酢酸ビニルの気相形成において有用な触媒の新規製造法に関する。 エチレンと酸素と酢酸を気相にて、そして特定のキャリヤー物質(例えばシリ カ)に担持させたパラジウム、金、およびアルカリ金属酢酸塩を含んだ触媒の存 在下にて反応させることによって酢酸ビニルを製造することは当業界においてよ く知られている。このような触媒系は高い活性を示すことができるが、残念なこ とに、このようなパラジウム触媒や金触媒を使用した場合の結果が一定していな い。このように変動が生じるのは、ある程度は、付着させる触媒成分の分布パタ ーンまたは分布プロフィールの違いに基づくようであり、またキャリヤーに関係 していることも考えられる。例えば、パラジウムや金を含んだ多孔質担体を含む 公知の酢酸ビニル触媒系を使用する場合、キャリヤーの内部区域または中央区域 やそれらの周囲に付着している金属成分は、必ずしも反応機構に大きく寄与する わけではない。なぜなら、反応物は、触媒の多孔質ネットワークの中央区域また は内部区域に簡単には拡散できないからである。さらに重要なことには、触媒内 部で形成される触媒合成の生成物は内部から外側に向かって拡散しなければなら ず、このとき再び触媒の外側区域における活性相と接触する。したがって、これ らの内部で形成された生成物はさらなる反応を起こし、無用の副生物に転化され ることが多い。触媒作用金属が触媒の表面区域に薄いシェルとして形成されると きに、また良好な生成物収率と副生物の形成減少がもたらされるよう反応物と生 成物の拡散が容易に達成できるときに、最も効果的な反応が起こる。 高い収率、良好な選択性、および長い寿命を有する酢酸ビニル触媒が得られる よう、金やパラジウムの触媒成分をより均一に分布させ、これらをキャリヤー表 面上の狭い帯域内に固定させようという要求に基づいて、種々の特許が取得され ている。このような特許の例としては、米国特許第4,087,622号;第4,048,096号 ;第3,822,308号;および第3,775,342号;ならびに英国特許第1,521,652号があ る。 パラジウムと金を触媒キャリヤーに付着させた状態で含有する酢酸ビニル触媒 を形成させる基本的な方法は、(1)水溶性のパラジウム化合物と金化合物の水 溶液をキャリヤーに含浸させる工程;(2)前記の含浸した触媒キャリヤーと、 水溶性のパラジウム化合物および金化合物と反応することのできる化合物の溶液 とを接触させることによって、触媒キャリヤー上に水不溶性のパラジウム化合物 と金化合物を沈澱させて、水不溶性の貴金属化合物を形成させる工程;(3)処 理したキャリヤーを水で洗浄して、沈澱時において最初に含浸させたパラジウム 化合物および金化合物から遊離されるアニオンを除去する工程;および(4)水 不溶性のパラジウム化合物と金化合物を、還元剤で処理することによって遊離の 金属に転化させる工程;を含む。最終的な処理は通常、(5)還元された触媒に アルカリ金属酢酸塩水溶液を含浸させる工程;および(6)最終的な触媒生成物 を乾燥する工程;を含む。 キャリヤー上にパラジウムと金を均一に分配するために、上記工程の操作がい ろいろと工夫され、また種々の特定の孔寸法を有するキャリヤー物質を使用する ことが検討された。酢酸ビニルを製造するための高活性触媒の製造における特に 有用な改良点が、同一人に譲渡された米国特許第5,314,858号と第5,332,710号( これらの特許文献を本明細書に含める)に記載されている。これら2つの特許は 、沈澱工程(2)(水溶性の貴金属化合物をキャリヤーに水不溶性化合物として “固定する”工程)を工夫することによってキャリヤーへのパラジウムと金の分 配を改良する方法を説明している。米国特許第5,314,858号においては、大過剰 の“固定用”化合物の使用を避けるために、2つの別個の沈澱工程を使用してキ ャリヤーへの貴金属の固定が達成されている。米国特許第5,332,710号は、含浸 されたキャリヤーを反応溶液中に少なくとも初期沈澱時間にわたって浸漬しなが ら、含浸された触媒キャリヤーを回転させることによって貴金属を固定すること を説明している。このような回転浸漬法(roto-immersion procedure)を使用す ると、沈澱したキャリヤー金属(carrier metals)がキャリヤー表面上の狭い帯 域により均一に分配された触媒が得られることがわかった。 触媒活性を向上させる他の試みでは、特定の孔サイズまたは特定の形状をもつ 触媒キャリヤーが使用された。ビニルエステルを製造するのに有用な触媒キャリ ヤーは一般に、シリカ、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、またはスピネルで構成 される。シリカは多孔質であり、また貴金属付着のための中性キャリヤーである ので、好ましいキャリヤー物質である。キャリヤーは通常、球体、タブレット、 または円柱体として形づくられる。4〜8mmの範囲の直径を有する球状キャリヤ ーが使用されることが多い。 触媒活性が増大するにつれて、不飽和エステルを工業的な規模で製造するため には、触媒を通るオレフィン、有機カルボン酸、および酸素で構成される原料物 質のガス体積を増大させるのが好ましい。触媒活性は通常、スペース時間収率( space time yield;STY)によって評価される。触媒を通る原料物質のガス体積を 増大させる1つの理由は、活性触媒にホットスポットが形成されるのを防止する ことにある。不飽和エステルの形成反応は発熱反応であるので、触媒活性が増大 すると、触媒の一部を過剰に加熱することがある。触媒に対する加熱分布が不充 分であると、二酸化炭素の形成等の望ましくない副反応が起き、このため不飽和 エステル(例えば酢酸ビニル)の形成に対する選択性が低くなる。 ビニルエステル触媒の活性増大に付きものの他の問題点は、ビニルエステル合 成時における高沸点留分(heavy ends)の生成である。高沸点留分は、不飽和エ ステルの合成時に形成される高分子量の有機化合物を含んだ残留副生物である。 このような高沸点留分としては、エチリデンジアセテート;1,1−ジアセトキ シエチレン;シスおよびトランス−ジアセトキシエチレン;エチレングリコール ジアセテート;ビニルアセトキシアセテート;ビニルアセトキシ酢酸;エチレン グリコールモノアセテート;ならびにシクロプロパンカルボン酸;などがあるが これらに限定されない。不飽和エステルの合成(例えば酢酸ビニルの合成)では 、反応物であるエチレンを基準として最大約2%の高沸点留分選択性をもたらす ことが多い。高沸点留分は、蒸留によって所望の生成物から容易に除去・分離す ることができ、また高沸点留分を含有している塔底液を集めて廃棄物処分場での 投棄または焼却によって処理することができる。このような方法による高沸点留 分の処理は実際的ではない。高沸点留分は毒性があると考えられるし、これらを 焼 却すると、環境中への有毒物質の形成と放出を引き起こすことがある。世界の多 くの地域における汚染防止法や汚染防止指針は、有毒固体廃棄物を投棄したり又 は焼却したりする能力を厳しく制限している。したがって、廃棄処理コストを少 なくするためには、不飽和エステルの合成時における高沸点留分の形成を減少さ せることが極めて望ましい。このため、不飽和エステルの合成に使用できて、高 沸点留分の形成が少ない活性触媒の製造法が求められている。 したがって本発明の目的は、ビニルエステルの合成時における高沸点留分の形 成が少ない触媒の製造法を提供することにある。 本発明の他の目的は、酢酸ビニルを選択的に合成するための触媒の製造法を提 供することにある。 本発明のさらに他の目的は、酢酸ビニル合成用の高い活性を有する触媒の製造 法を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、長い寿命を有するビニルエステル触媒の製造法を 提供することにある。 本発明の他の目的と利点は以下の説明において記載されており、本発明を実施 すれば当業者には明らかとなるであろう。 発明の総括 エチレン、2〜4個の炭素原子を有する低級カルボン酸、および酸素から、高 温にて大気圧または高圧にて気相でビニルエステルを製造するのに有用な、パラ ジウムと金を含有する触媒を製造する方法が見いだされた。この製造法は、ビニ ルエステル合成時における高沸点留分の形成を少なくし、したがって高沸点留分 の廃棄の必要性が軽減される。こうした高沸点留分の廃棄処理は環境汚染問題を 引き起こす。 ビニルエステル触媒の製造においては一般に、水溶性のパラジウム化合物と金 化合物を、前記水溶性貴金属化合物の全てが触媒キャリヤー上に水不溶性の化合 物として確実に沈降するよう、過剰のアルカリ化合物(例えば、水酸化ナトリウ ムや水酸化カリウム)を含んだキャリヤーに固定する。固定された貴金属化合物 を還元剤(例えば、エチレンやヒドラジン)で還元して貴金属を形成させる。こ うして得られた触媒は、ビニルエステルを合成するのに使用することができる。 このように製造された触媒は、高い活性を有するけれども、望ましくないレベル の高沸点留分を生成することが多い。 ビニルエステル合成時における高沸点留分の生成を少なくするために、そして 本発明にしたがって、有用な触媒は、(1)水溶性のパラジウム化合物と金化合 物(例えば、塩化ナトリウムパラジウムや塩化第二金)の水溶液を触媒キャリヤ ーに同時的または逐次的に含浸することによって、(2)含浸キャリヤーをアル カリ金属ホウ酸塩で処理して、パラジウム化合物と金化合物(すなわち水酸化物 )をキャリヤー表面上に沈降させることでキャリヤーに貴金属を固定させること によって、(3)貴金属化合物を遊離のパラジウムと金に還元することによって 、そして(4)水で洗浄して塩化物イオン(または他のアニオン)を除去するこ とによって作製される。一般的なアルカリ金属水酸化物による固定をアルカリ金 属ホウ酸塩による固定に置き換えることによって、エチレン、低級カルボン酸、 および酸素を気相中で反応させるプロセスによるビニルエステル(例えば酢酸ビ ニル)の形成時において生成される高沸点留分の量が減少し、触媒活性が改良さ れるということがわかった。この触媒はさらに、触媒活性を失うことなく容易に 再使用することができる。 発明の詳細な説明 不飽和エステルの合成に使用される触媒を製造する改良された方法においては 、アルカリ金属ホウ酸塩を使用してパラジウム化合物と金化合物を触媒キャリヤ ーに固定する。 本発明の触媒のための担体物質は、いかなる幾何学的形状であってもよい。担 体は、例えば球体、タブレット、または円柱体として形づくることができる。担 体物質の幾何学的寸法は、一般には1〜8mmの範囲であってよい。最も適切な幾 何学的形状は球状であり、例えば、4〜8mmの範囲の直径を有する球体である。 担体物質の比表面積は広い範囲で変わってもよい。例えば、50〜300m2/g(特 に100〜200m2/g)の内表面積(BETに従って測定)を有する担体物質が適切 である。 使用できる担体物質の例としては、シリカ、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミ ニウム、またはスピネルなどがある。好ましい担体物質はシリカである。 先ず最初に、水溶性のパラジウム化合物と水溶性の金化合物とを含有する水溶 液を触媒キャリヤーに含浸させる。パラジウム化合物と金化合物の別々の溶液を 逐次的に使用してもよいが、このようなやり方はあまり適切とは言えない。適切 な水溶性パラジウム化合物の例としては、塩化パラジウム(II)、塩化ナトリウ ムパラジウム(II)、塩化カリウムパラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、 または硫酸パラジウム(II)などがある。塩化第二金(III)またはテトラクロ ロ金(III)酸のナトリウム塩またはカリウム塩を、水溶性の金化合物として使 用することができる。水に対する溶解性が良好であるので、テトラクロロ金(II I)酸および塩化ナトリウムパラジウム(II)が好ましい。これら化合物の使用 量は、最終的に得られる触媒1リットル当たり、約1〜約10gのパラジウムと約 0.5〜約10gの金が得られるような量である。上記値より多いか又は少ない量の 貴金属を含有する触媒も、該触媒が本明細書に記載の新規方法によって形成され る限り、エチレン、酸素、及び酢酸の気相での反応による酢酸ビニルの形成に使 用することができる。担体に貴金属を含浸させるのに使用される溶液の体積が重 要である。効果的な付着を起こさせるためには、含浸用溶液の体積は、触媒担体 の乾燥吸収能(dry absorptive capacity)の約95〜約100%でなければならず、 好ましくは約98〜99%である。このような含浸法は“初期湿潤(incipient wetn ess)”法として特徴づけられている。水溶性のパラジウム化合物と金化合物に よるキャリヤーの含浸は約1〜約2時間で行われる。 キャリヤーに水溶性のパラジウム化合物と水溶性の金化合物を含浸させた後、 水溶性の貴金属化合物をキャリヤーに水不溶性の貴金属化合物として固定する。 固定用溶液は、アルカリ金属ホウ酸塩の水溶液を含む。適切ないかなるアルカリ 金属ホウ酸塩も、本発明を実施するのに使用することができる。このようなアル カリ金属ホウ酸塩としては、テトラホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸ナトリウム 五水和物、およびテトラホウ酸ナトリウム十水和物等のナトリウムホウ酸塩、あ るいはテトラホウ酸カリウム、テトラホウ酸カリウム十水和物、およびテトラホ ウ酸カリウム五水和物等のカリウムホウ酸塩がある。テトラホウ酸ナトリウム五 水和物またはテトラホウ酸ナトリウム十水和物の水溶液を使用するのが好ましい 。 ホウ酸塩水溶液で処理することにより、水溶性の貴金属塩を水不溶性の金属水酸 化物に転化させる。 当業界において使用されている適切な固定法により、アルカリ金属ボレートを 使用して、水溶性の貴金属化合物を水不溶性の貴金属化合物としてキャリヤーに 固定することができる。固定進行時間中に、固定用溶液のpHは、固定進行の持 続時間に応じて約12.0から約6.0という低い値にまで低下することがある。 固定用溶液のpHは、最適の固定状態を確実に得るために、固定の完了時に約 6.5〜約8.0の範囲であるのが好ましい。アルカリ金属ホウ酸塩の使用量は、含浸 された水溶性貴金属化合物の全てと反応するのに必要とされる量に対し、モル基 準にて1モルを越える量である。したがって、アルカリ金属ホウ酸塩とパラジウ ムおよび金とのモル比は約1.5:1〜約2.5:1の範囲(好ましくは約2:1)であ る。 貴金属をキャリヤー上に固定する1つの方法は前述の“初期湿潤”法であり、 該方法によれば、キャリヤーの乾燥吸収能(dry absorptivity)に等しい特定体 積の固定用溶液(例えば、アルカリ金属ホウ酸塩水溶液)を、貴金属塩を含浸し ておいた多孔質担体上に注ぐ。処理されたキャリヤーを、沈降が完了するまで静 置する。ホウ酸塩塩とパラジウムおよび金とのモル比は、上記したとおりである 。初期湿潤法によって固定を行う場合は、アルカリ金属ホウ酸塩で固定する前に 、含浸されたキャリヤーを自然乾燥する。 固定は、Nicolauらが1994年7月26日付けで取得した米国特許第5,332,710号( 該特許の全開示内容を本明細書に含める)に記載の“回転浸漬”と称する方法に よって行うのが好ましい。この方法においては、含浸されたキャリヤーをアルカ リ金属ホウ酸塩の固定用溶液中に浸漬し、少なくとも水不溶性貴金属化合物の沈 降の初期段階中は、その中でタンブリングしたり又は回転させたりする。アルカ リ金属ホウ酸塩固定用溶液中でのキャリヤーの回転またはタンブリングは、初期 処理の時点から少なくとも約0.5時間行うのが好ましい(少なくとも約2.5時間行 うのが最も好ましい)。この回転浸漬処理は最大約4時間まで続けることができ る。水溶性貴金属化合物からの水不溶性化合物への完全な沈降が確実に行われる よう、処理されたキャリヤーを固定用溶液中にて静置することができる。 いかなるタイプの回転装置もしくはタンブリング装置も使用できるが、装置の 詳細は重要なことではない。しかしながら、重要なのは回転運動の程度である。 したがって回転は、含浸されたキャリヤーの全表面がアリカリ金属ホウ酸塩固定 用溶液と均一に接触する程度の充分な回転であるのが好ましい。回転は、水不溶 性貴金属化合物のキャリヤー表面からの実際の摩損が起こる程度には苛酷でない のが好ましい。一方、水不溶性貴金属化合物のわずかな程度の摩損は、実際には 、水不溶性貴金属化合物をキャリヤー表面上により均一に分配するように作用す る、ということが見いだされているか又はそのように考えられている。回転の程 度は約1〜約10rpmであるのが好ましく、また使用するキャリヤーの種類やキャ リヤー上に付着させようとする貴金属の量に応じて、これより高くなる場合もあ る。適用しようとするrpmは可変であり、さらに、使用する装置、キャリヤーの サイズと形状、キャリヤーのタイプ、および金属の装入量などによって異なるが 、少量の摩損であれば有利であるものの、水不溶性化合物が実際にキャリヤー表 面から摩損を起こすような程度であってはならない、という上記指針の範囲内で あるのが好ましい。 固定工程はさらに、アルカリ金属ホウ酸塩固定用溶液で処理する少なくとも2 つの別個の段階に分けることができる。このような固定工程は、Collingが1994 年5月24日付けで取得した米国特許第5,314,858号(該特許文献の全開示内容を 本明細書に含める)に開示されている。それぞれの別個の固定処理において、ア ルカリ金属ホウ酸塩化合物の量は、キャリヤー上に水溶性化合物として存在する 全ての貴金属化合物と反応するのに必要とされるモル量に等しい量以下である。 過剰の固定用化合物は使用されない。第2の固定段階における処理は、処理され て一部固定されたキャリヤーに、所望のホウ酸塩濃度にて、そしてキャリヤーの 乾燥吸着能に等しい総体積の溶液にて固定用溶液を含浸させる、という第1の固 定段階の処理と同じであってもよい。キャリヤーはさらに、上記の回転浸漬法に より第2の固定段階において含浸・固定することができる。 次いで、キャリヤー上に沈降した貴金属化合物(例えば水酸化物)を金属形態 に転化させるために、固定された貴金属化合物を還元剤で処理する。還元は、液 相中でも(例えば、ヒドラジンやその水和物の水溶液を使用して)、あるいは気 相中でも〔例えば、水素または炭化水素(例えばエチレン)を使用して〕行うこ とができる。還元工程は、ヒドラジン水溶液を使用して液相中で行うのが好まし い。ヒドラジン水溶液を使用して好ましい液相中にて還元を行うとき、反応は通 常の温度(すなわち約20〜25℃)で行う。ヒドラジンとパラジウムおよび金との モル比は約8:1〜約15:1の範囲であり、好ましくは約12:1である。 ヒドラジン水溶液は、固定用溶液に対する初期湿潤法や回転浸漬法を含めたい かなる公知の方法によってもキャリヤーに施すことができる。特に有用な方法は 、回転浸漬固定プロセスの後のほうの段階中に、固定されたキャリヤーにヒドラ ジン水溶液を加えるという方法である。したがって、含浸キャリヤーをアルカリ 金属ホウ酸塩溶液中で約0.5〜4時間回転させた後、ヒドラジン水溶液を加え、 固定されたキャリヤーを約1〜約10rpmの速度で約0.5〜3時間再び回転させた。 回転を停止し、キャリヤーを約2〜約5時間静置して、還元プロセスを完了させ る。 還元工程をエチレンを使用して気相中で行う場合は、高温(例えば約100〜200 ℃)で反応を行うのが有利である。エチレンは、ヒドラジンの場合と同様に、水 不溶性のパラジウム化合物と金化合物の全てが金属状態のパラジウムと金に確実 に転化されるよう、過剰量にて適切に使用される。触媒上でのパラジウム保持量 は、キャリヤーに含浸された初期パラジウム量の約95〜約100重量%の範囲であ り、また金保持量は、キャリヤーに含浸された初期金量の約85〜約95重量%の範 囲である。 固定工程に次いで、水不溶性の貴金属化合物をエチレンを使用して気相還元に よって貴金属に還元しようとする場合、キャリヤーを蒸留水で洗浄して、アニオ ン(例えば、キャリヤーにまだ含有されていて、含浸用溶液から放出される塩化 物イオン)を除去する。洗浄は、キャリヤーから全てのアニオンが除去されるま で(約5時間)続ける。触媒からアニオンを実質的に完全に除去するために、各 洗浄後に洗浄流出液を、硝酸銀試験が陰性(すなわち、塩化銀への転化が起こら ない)になるまで硝酸銀で試験する。次いで触媒を、不活性雰囲気下(例えば連 続的な窒素気流)にて約150℃以下の温度で乾燥する。 水不溶性貴金属化合物の遊離金属への還元をヒドラジンを使用して達成する場 合は、還元に引き続いてアニオン化学種を除去するための洗浄を行う。こうして 得られる触媒を蒸留水で約5時間、あるいは硝酸銀による洗浄流出液の試験が陰 性(すなわち、塩化銀が形成されない)になるまで洗浄する。連続的窒素気流の 不活性雰囲気下にて約100℃〜約150℃でキャリヤーを乾燥する。 本発明の方法にしたがって製造した触媒の用途に応じて、触媒に通常の添加剤 をさらに組み込むことができる。例えば、オレフィン、酸素、および有機酸から の不飽和エステルの製造に対して触媒を使用する場合には、アルカリ金属酢酸塩 を加えるのが有利である。このような場合においては、例えば、酢酸カリウム、 酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸ルビジウム、または酢酸セシウムの水溶液 を触媒に含浸し、次いで連続的窒素気流の不活性雰囲気中で乾燥する。 本発明の触媒は、気相中においてエチレン、酸素、および酢酸から酢酸ビニル を製造するのに特に有利に使用することができる。キャリヤー物質としてのシリ カとアルカリ金属酢酸塩の添加剤とを含有した本発明の触媒が特に有用である。 酢酸ビニルの製造においては、このような触媒は高い活性と選択性を有すること を特徴とする。本発明の触媒はさらに、アルカリ金属ホウ酸塩固定用溶液を使用 せずに製造した触媒より高沸点留分の生成量が少ない。本発明の方法にしたがっ て製造した触媒は、約1.4%未満の高沸点留分選択性を有する。 本発明の触媒を使用して酢酸ビニルを製造するときは、エチレン、酸素もしく は空気、および酢酸を含有するガスの流れを触媒上に通す。ガス流れの組成は、 爆発限界を考慮しつつ広い範囲内で変えることができる。例えば、エチレン対酸 素のモル比は約80:20〜約98:2でよく、酢酸対エチレンのモル比は約100:1〜約 1:100でよく、そしてガス状アルカリ金属酢酸塩の含量は、使用する酢酸に対し て約2〜200ppmである。ガス流れはさらに、他の不活性ガス(例えば、窒素、二 酸化炭素、および/または飽和炭化水素)を含有してもよい。使用できる反応温 度は高い温度であり、約150〜220℃の範囲の温度であるのが好ましい。使用する 圧力は、やや減圧であっても、大気圧であっても、あるいは過圧であってもよい が、好ましいのは最大約20気圧ゲージまでの圧力である。 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例によ って本発明の範囲が限定されることはない。実施例I〜XII サッド・ケミー(Sud Chemie)からシリカKA-160触媒キャリヤーを入手した。 実施例I〜VIIIおよび実施例X〜XIIにおいて使用したキャリヤーは、形状が球 状であり、直径が約7.0mmであった。実施例IXにおいて使用したキャリヤーは、 形状が球状であるが、直径は約5mmであった。キャリヤーを、それぞれ250mlの1 2(実施例I〜XII)セットに分けた。 後記の表1には、各触媒に含浸させるのに使用されるパラジウム塩と金塩、固 定用溶液、および固定されたパラジウム化合物と金化合物を遊離金属に還元させ るのに使用される試剤(ヒドラジンまたはエチレン)が記載されている。実施例 XIの触媒を除く全ての触媒に、約6.6g/lのパラジウムと3.0g/lの金をキャリ ヤーにもたらすに足る濃度のパラジウム塩/金塩溶液を含浸させた。実施例XIに おいては、7.0g/lのパラジウムと4.0g/lの金を触媒にもたらすよう、パラジ ウム塩と金塩をそれぞれの濃度にて別々に含浸させた。 アルカリ金属ホウ酸塩固定用溶液またはアルカリ金属水酸化物固定用溶液によ る回転浸漬固定工程を使用することによって、実施例I〜VII、IX、X、及びXII の触媒を製造した。実施例XIIIの触媒は、金塩とパラジウム塩の含浸に対しても 、また水酸化ナトリウム固定用溶液に対しても、初期湿潤法を使用することによ って製造した。実施例XIも初期湿潤法を使用したが、別々のパラジウム含浸工程 と金含浸工程、および別々の固定工程を使用した(詳細は後述)。 アルカリ金属ホウ酸塩水溶液またはアルカリ金属水酸化物水溶液中での回転浸 漬の固定工程を使用して製造した全ての触媒をヒドラジンで還元した(すなわち 、実施例I、III〜V、VII、IX〜X、およびXIIの触媒は以下のように製造した )。 初期湿潤法によって、表1に記載の特定のパラジウム塩と金塩をシリカキャリ ヤーに含浸させた。特定のパラジウム塩と金塩の含浸に次いで、250mlの含浸担 体を約300mlの固定用溶液(アルカリ金属ホウ酸塩またはアルカリ金属水酸化物 、表1に明記)を含んだ丸底フラスコ中に仕込んだ。含浸触媒キャリヤーと各固 定用溶液のそれぞれの体積は、ホウ酸塩対貴金属が約2:1というモル比に、そ して水酸化物対貴金属が約1.2:1というモル比に等しくなるような量である。フ ラ スコを、ロト−エバポレーター(roto-evaporator)中において、減圧にしない で5rpmにて約2.5時間回転させた。引き続き、4.4gのヒドラジン一水和物をフ ラスコに加え、フラスコを再び0.5時間回転させた。回転終了後、キャリヤーを 約4時間静置して還元プロセスを完全に進行させた。洗浄流出液が硝酸銀試験で 陰性になるまで、キャリヤーを蒸留水で約5時間洗浄した。各洗浄に対し、水の 流量は約200cc/分であった。貴金属化合物を金属に還元して洗浄した後、得られ た触媒を窒素雰囲気下で100〜150℃の温度で乾燥した。次いでこの乾燥触媒に、 約10gの酢酸カリウムを含有する水溶液を、キャリヤーの吸収能に等しい溶液体 積にて含浸させた。 実施例IIとVI(いずれも回転浸漬固定工程を使用)に対する触媒の製造手順は 、固定用溶液中への初期の回転浸漬の後に、触媒を蒸留水で洗浄してアニオン化 学種を除去し、自然乾燥し、そして150℃の温度にてエチレンで還元したこと以 外は、上記の手順と同じである。次いで、上記のように触媒を酢酸カリウムで処 理した。 実施例VIIIの触媒は、含浸溶液が触媒上に注がれ、そして含浸溶液がキャリヤ ーの乾燥吸収能にほぼ等しい溶液体積を有する、という初期湿潤法にしたがって 製造した。先ず最初に、表1に記載の特定のパラジウム塩と金塩の充分な量をキ ャリヤーに含浸させて所望のPd担持とAu担持を果たした。含浸キャリヤーを 自然乾燥し、次いで初期湿潤法によって、水溶性貴金属化合物を水不溶性貴金属 化合物として固定した。したがって、適切な体積の水酸化ナトリウム水溶液を含 浸キャリヤー上に注いだ。水酸化物対貴金属のモル比は約1.2:1であった。 次いで、固定された触媒上に注がれた水溶液中にて、過剰のヒドラジン一水和 物を使用して、固定された水不溶性貴金属化合物をそれらの金属に還元した。ヒ ドラジン対貴金属のモル比は約12:1であった。還元プロセスが確実に完了するよ う、キャリヤーを約4時間静置した。還元後、得られた触媒を、流出液が硝酸銀 試験で陰性になるまで約5時間にわたって蒸留水で洗浄した。触媒を、窒素の不 活性雰囲気下にて約100〜150℃で乾燥した。 次いで触媒に、約10gの酢酸カリウムを含有する水溶液をキャリヤーの吸収能 に等しい溶液体積にて含浸させた。 実施例XIの触媒は以下のように作製した。先ず最初に、表1に記載の特定のパ ラジウム塩の充分な量を初期湿潤法によりキャリヤーに含浸させて、約7.0g/l のパラジウム金属を担体上に付着させた。ホウ酸塩対パラジウム金属のモル比が 約2:1となるよう、約283mlのホウ酸カリウム水溶液を含有する丸底フラスコ に250ccの含浸キャリヤーを加えることによって、水不溶性のパラジウム化合物 をキャリヤー上に沈降させた。本混合物を、ロト−エバポレーター中にて(減圧 にしないで)、約5rpmの速度で約2.5時間回転させた。 約4.94gのヒドラジン一水和物をフラスコに加え、混合物を約0.5時間回転さ せ、そして混合物を約4時間静置することによって、キャリヤー上に固定された 水不溶性のパラジウム化合物をパラジウム金属に還元した。次いでキャリヤーを 、空気中で約100℃にて乾燥した。 次いで、パラジウム金属を含有するキャリヤーに、触媒上に約4.0g/lの金金 属をもたらすに足る量の特定の金塩(表1)とホウ酸カリウムとを含有する水溶 液を初期湿潤法によって含浸した。溶液中におけるホウ酸塩対金のモル比は約2 :1であった。本混合物を一晩(すなわち約16時間)静置して、金酸塩の水不溶 性金化合物への沈降を確実に完了させた。 キャリヤー上の固定された金化合物を、2.2gのヒドラジン一水和物を含有す る283mlの水溶液で回転浸漬法により還元して、キャリヤー上に金金属を形成さ せた。このとき、触媒をヒドラジン水溶液中で0.5時間回転し、次いで溶液中に 約4時間静置して水不溶性金化合物の金金属への還元を確実に完了させた。こう して得られた触媒を、蒸留水で約5時間、あるいは洗浄流出液が硝酸銀試験で陰 性になるまで洗浄した。連続的な窒素気流の不活性雰囲気下にて、150℃以下の 温度で触媒を乾燥した。 次いで触媒に、約10gの酢酸カリウムを含有した溶液を、キャリヤーの吸収能 に等しい溶液体積にて含浸させた。再び触媒を、不活性雰囲気下にて100〜150℃ を越えない温度で乾燥した。 実施例I〜XIIからの触媒を使用した酢酸ビニルの合成 上記実施例で製造した触媒を酢酸ビニルの合成に使用した。上記実施例で製造 した各タイプの触媒約60mlを別々のクロム−ニッケル鋼バスケット中に入れた。 各バスケットの頂部と底部において、熱電対により各バスケットの温度を測定し た。各反応バスケットをバーティー反応器(Berty reactor)中に入れ、電気加 熱マントルによって約45%の酸素転化をもたらす温度に保持した。約50標準リッ トル(N.T.P.にて測定)のエチレン、約10標準リットルの酸素、約49標準リット ルの窒素、および約50gの酢酸を含んだガス混合物を、約12気圧の加圧下で各バ スケットに通した。生成物流れを約10℃で凝縮させることにより、オンラインの ガスクロマトグラフィー分析をオフラインの液体生成物分析と組み合わせた形で 生成物の分析を行って、最終生成物の最適分析結果を得た。 下記の表2は、水溶性パラジウム化合物と水溶性金化合物をアルカリ金属ホウ 酸塩を使用して触媒キャリヤー上に固定することにより製造した触媒による酢酸 ビニル合成の結果と、水溶性パラジウム化合物と水溶性金化合物を水酸化ナトリ ウムを使用して固定することによって製造した触媒による酢酸ビニルの合成結果 とを比較して示している。アルカリ金属ホウ酸塩の固定用溶液を使用して製造し た触媒、そして特に、本発明の方法にしたがってヒドラジン一水和物を使用して 還元した触媒(実施例I、V、VII、XI、およびXII)は、水酸化ナトリウムを固 定剤として使用して、あるいは貴金属をエチレンで還元して製造した触媒(表1 の実施例II〜IV、実施例VI、および実施例VIII〜Xを参照)とは対照的に、減少 した高沸点留分(それぞれ0.88,0.77,0.75,0.844,および0.788)と高い活性 (それぞれ2.22,2.01,1.99,2.08,および2.37)を示した。水酸化ナトリウム を固定剤として使用して製造した実施例VIIIとXからの触媒は高沸点留分が少な かったが、これらの触媒の活性は、ホウ酸塩固定剤を使用して製造した触媒の活 性よりかなり低かった。 1.特に明記しない限り、シリカキャリヤーは7mm球体を含む。 2.シリカキャリヤーは5mm球体を含む。 3.特に明記しない限り、塩溶液は、6.6g/lのPdと3.0g/lのAuを触媒上にもたら すように施した。 4.塩溶液は、7.0g/lのPdと4.0g/lのAuを触媒上にもたらすように施した。1.エチレンを基準として

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 触媒キャリヤーに水溶性のパラジウム化合物と水溶性の金化合物を含浸 させる工程;アルカリ金属ホウ酸塩溶液を含んだ固定用組成物を使用して水不溶 性のパラジウム化合物と水不溶性の金化合物を形成させることによって、水溶性 のパラジウム化合物と水溶性の金化合物をキャリヤーに固定する工程;および水 不溶性パラジウム化合物と水不溶性金化合物をパラジウム金属と金金属に還元し て触媒を形成させる工程;を含む、不飽和エステル合成触媒の製造法。 2. 含浸されたキャリヤーをアルカリ金属ホウ酸塩溶液中で回転によりタン ブリングして、水溶性パラジウム化合物を水不溶性パラジウム化合物の形態にし て沈降させ、水溶性金化合物の水不溶性金化合物への形態での沈降を完了させる 工程をさらに含む、請求項1記載の製造法。 3. アルカリ金属ホウ酸塩溶液中の含浸キャリヤーを、約1〜約10rpmにて 約0.5時間〜約4時間にわたって回転させる、請求項2記載の製造法。 4. 水不溶性パラジウム化合物と水不溶性金化合物を、エチレンまたはヒド ラジンを含んだ還元剤を使用してパラジウム金属と金金属に還元する請求項1記 載の製造法。 5. 還元剤がヒドラジンであり、ヒドラジンとパラジウム金属および金金属 とのモル比が約10:1〜約15:1である、請求項4記載の製造法。 6. ヒドラジンとパラジウム金属および金金属とのモル比が約12:1である、 請求項5記載の製造法。 7. 水不溶性のパラジウム化合物と金化合物をパラジウム金属および金金属 に還元した後、キャリヤーを洗浄・乾燥する工程をさらに含む、請求項5記載の 製造法。 8. 前記乾燥工程が、連続的な窒素気流下の不活性雰囲気中にて約100℃の 温度で行われる、請求項7記載の製造法。 9. アルカリ金属ホウ酸塩溶液をキャリヤーの乾燥吸着能に等しい体積にて キャリヤー上に注ぐことによって、キャリヤーに含浸させた水溶性パラジウム化 合物と水溶性金化合物を水不溶性パラジウム化合物および水不溶性金化合物とし てキャリヤーに固定する、請求項1記載の製造法。 10. キャリヤーにアルカリ金属酢酸塩を含浸させる工程をさらに含む、請求 項1記載の製造法。 11. 前記アルカリ金属酢酸塩が、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸リチ ウム、酢酸ルビジウム、または酢酸セシウムを含む、請求項10記載の製造法。 12. 水溶性のパラジウム化合物と金化合物を固定した後にキャリヤーを自然 乾燥する工程をさらに含む、請求項9記載の製造法。 13. 前記水溶性のパラジウム化合物が、塩化パラジウム、塩化ナトリウムパ ラジウム、塩化カリウムパラジウム、硫酸パラジウム、または硝酸パラジウムを 含む、請求項1記載の製造法。 14. 前記水溶性の金化合物が、塩化第二金またはテトラクロロ金(III)酸 のナトリウム塩もしくはカリウム塩を含む、請求項1記載の製造法。 15. 前記アルカリ金属ホウ酸塩が、テトラホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸 ナトリウム五水和物、テトラホウ酸ナトリウム十水和物、テトラホウ酸カリウム 、テトラホウ酸カリウム五水和物、またはテトラホウ酸カリウム十水和物を含む 、請求項1記載の製造法。 16. キャリヤーに加えられるパラジウム金属の量が約1.0g/l〜約10.0g/ lの濃度を構成する、請求項1記載の製造法。 17. キャリヤーに加えられる金金属の量が約0.5g/l〜約10g/lの濃度を 構成する、請求項1記載の製造法。 18. キャリヤーに加えられる金金属の量が約3.0g/lを構成し、そしてパラ ジウム金属の量が約6.6g/lを構成する、請求項1記載の製造法。 19. キャリヤーに加えられる金金属の量が約4.0g/lを構成し、そしてパラ ジウム金属の量が約7.0g/lを構成する、請求項1記載の製造法。 20. 前記キャリヤーがシリカである、請求項1記載の製造法。 21. 水溶性パラジウム化合物をキャリヤーに含浸させ、キャリヤー上に水不 溶性パラジウム化合物として固定し、次いでパラジウム金属に還元してからキャ リヤーに水溶性金化合物を含浸させる、請求項1記載の製造法。 22. アルカリ金属ホウ酸塩と水溶性金化合物との溶液をキャリヤーに含浸さ せて、水溶性金化合物をキャリヤー上に水不溶性金化合物として固定させる工程 をさらに含む、請求項21記載の製造法。 23. 水不溶性金化合物を金金属に還元する工程をさらに含む、請求項22記載 の製造法。 24. アルカリ金属ホウ酸塩と水溶性化合物中のパラジウム金属および金金属 とのモル比が約1.5:1〜約2.5:1である、請求項1記載の製造法。
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