【発明の詳細な説明】
化学的に修飾されたエラストマー及びこれらのブレンド
発明の分野
本発明は、化学的に修飾されたエラストマー、これらのブレンド、及びこれら
の製造方法に関する。
発明の背景
エチレン−プロピレンコポリマー及びエチレン−プロピレンジエンモノマー(
EP(D)M類)エラストマーは、過去に、その特性及び他のポリマーとの混和
性を改良するために、種々の試薬によって改良されてきた。特に、EP(D)M
類は、典型的には、ポリアミドのような熱可塑性樹脂との混和性を改良するため
に、(米国特許第3,972,961号に教示されているように)不飽和カルボニ
ル誘導体でグラフトされた。熱可塑性樹脂成分、特にポリアミド成分は、近年、
金属製部品に取って代わるために、自動車産業へ導入されている。高分子量熱可
塑性樹脂で製造されるこれらの成分は、一般に、ガラス繊維入りであり、吹込成
形によって製造される。一般に、熱可塑性樹脂は、加工上の問題によって制限さ
れる。例えば、ポリアミドは、どちらかというと低い溶融強度のために、吹込段
階における制約を示し、この低溶融強度は、吹込成形工程においてパリソンの亀
裂と破損をもたらす。溶融強度を増大するために高分子量の改質剤が、(1)熱
可塑性樹脂中に容易に分散し得ること、及び(2)ブレンドの粘度を増加させず
、吹込成形段階でのサイクル時間を制限しないことという条件の下で、使用され
る。したがって、容易に分散し、従来の改質剤に比較して実質的にブレンドの粘
度を増大させない熱可塑性樹脂改質剤が、当技術分野に必要とされている。本明
細書において、本発明は、この必要性に答えるために、熱可塑性樹脂とグラフト
され、次にブレンドされる特定のEPDM組成物を選択することに関する。この
組み合わせは、溶融粘度を予想されるほど増大させないで、所望のEPDM
/熱可塑性樹脂のブレンドの特性を満たす。
さらに、選択されたEPDM組成物は、同様な構造を有する従来のEPDM組
成物に比して増大したグラフト化効率を示す。
米国審査の目的のために開示された先行技術は、以下のもの、すなわち、スチ
レン/アクリロニトリル混合物を異なるガラス転移温度のEPDM類のブレンド
へグラフトすることを開示する特開平04−220409号、及びEPDMを、
クロトンアルデヒドを含む種々のモノマーでグラフトすることを開示する米国特
許第5,374,364号を含む。
発明の要約
本発明は、ポリマーの重量に基づき、少なくとも0.05重量%の少なくとも
一つのカルボニル基を含む、不飽和有機化合物でグラフトされた、エチレン−よ
り高級なα−オレフィンポリマー組成物を含む組成物に関し、該エチレン−より
高級なα−オレフィン組成物は、
i) 10,000乃至500,000の数平均分子量、ポリマーの重量に基づき
、30乃至80重量%のエチレン含量、1.0乃至12重量%のジエン含量を
有する第一のポリマー画分、
ii) 100,000乃至10,000,000の数平均分子量、ポリマーの重量に
基づき、40乃至90重量%のエチレン含量、及び0乃至12重量%のジエン
含量を有する第二のポリマー画分を含み、かつ
a)第二の画分は、第一の画分よりも高い分子量を有し、
b)第二の画分は、第一の画分と同じ又はより高いエチレン含量を有し、
c)第一の画分のジエンの、第二の画分のジエンに対する重量比は少なくとも1
/1、好ましくは2/1であり、
d)各画分のMw/Mnは2乃至6.5であり、
e)第一の画分は、総ポリマー組成物の60乃至95重量%を含む。
本発明は、さらに、上記の組成物、及び、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、及びエチレン−プロピレン−ジエ
ンコポリマーからなる群から選択される、一つ以上のポリマーを含むブレンドに
も関する。
図面の簡単な説明
第1図は、本発明のグラフト化されたポリマー及び市販されていて入手可能な
グラフト化されたEPMの粘度/剪断速度曲線を示す(四角は、実施例1のグラ
フト化されたEPDM2であり、三角は、EP4(VA−1801)である)。
第2図は、実施例2のブレンドの粘度/剪断速度曲線を示す。LEXT281
7は、実施例1のグラフト化されたEPDM2とウルトラミド(Ultramid)B3
の、80/20の比のブレンドであり、LEXT2812は、EP−4(VA−
1801)とウルトラミドB3の80/20の比のブレンドである。
第3図は、実施例1のブレンドの複素粘度/剪断速度曲線を示す。
第4図は、実施例1のブレンドの動的弾性率を示す。
第5図は、実施例2の2つのブレンドの粘度/剪断速度挙動を示す。LEXT
3817は、実施例1のグラフト化されたEPDM−2とウルトラミドB5(8
0/20)のブレンドであり、LEFT3819は、EP−4(VA−1801
)とウルトラミドB5(80/20)のブレンドである。
発明の詳細な説明
好ましい態様において、本発明は、ポリマーの重量に基づき、少なくとも0.
05重量%、好ましくは0.05乃至5重量%、さらにより好ましくは0.2乃至
3重量%の、少なくとも一つのカルボニル基を含む不飽和有機化合物でグラフト
化されたエチレン−より高級なα−オレフィン組成物を含む化合物に関し、エチ
レン−より高級なα−オレフィン組成物は、
i)10,000乃至500,000の数平均分子量、ポリマーの重量に基づき、
30乃至80重量%、好ましくは40乃至80重量%、さらにより好ましくは
50乃至70重量%のエチレン含量、1乃至12重量%、好ましくは1.5乃至
10重量%、さらにより好ましくは2乃至6重量%のジエン含量を有する第一
のポリマー画分、
ii) 100,000乃至10,000,000、好ましくは200,000乃至1,
000,000の数平均分子量、ポリマーの重量に基づき、40乃至90重量
%、好ましくは40乃至80重量%、さらにより好ましくは50乃至70重量
%のエチレン含量、及び0乃至12重量%、好ましくは0乃至8重量%、さら
により好ましくは0乃至6重量%のジエン含量を有する第二のポリマー画分を
含み、さらに、
a)第二の画分は、第一の画分よりも高い分子量を有し、
b)第二の画分は、第一の画分と同じ又はより高いエチレン含量を有し、
c)第一の画分のジエンの、第二の画分のジエンに対する重量比は、0.5乃至
1、2.0乃至1又はそれ以上(第二の画分がジエンを含まない場合、この比
はもちろん無限大である)で変化し、好ましい態様では、少なくとも0.5乃
至1、好ましくは少なくとも0.8乃至1であり、
d)各画分のMw/Mnはそれぞれ2乃至6.5、好ましくは2乃至5、さらに
より好ましくは2乃至4であり、
e)第一の画分は、総ポリマー組成物の60乃至95重量%、好ましくは70乃
至95重量%を含む。
本発明に使用するのに好ましいエチレン−より高級なα−オレフィンポリマー
組成物は、欧州特許公開第0,227,206−B1号(米国特許第4,722,9
71号に対応する)(本明細書に援用する)により十分に記載されており、その
方法にしたがって製造される。しかし、一般に、エチレン−より高級なα−オレ
フィンポリマーは、エチレンとC3乃至C8オレフィン、好ましくはプロピレン、
及び任意にジエン、好ましくは非共役ジエンのコポリマーである。好ましいジエ
ンは、直鎖脂環族ジエン(1,4−ヘキサジエンなど)、分枝鎖ジエン、脂環族
ジエン(5−メチル−1,6−ヘキサジエンなど)、単環脂環族ジエン(1,4
−シクロヘキサジエンなど)、縮合又は架橋された多環脂環族環ジエン(ジシク
ロペンタジエン)、架橋された環ジエン(アルケニル、アルキリデン、シクロア
ルケニル及びシクロアルキリデンノルボルネンなど)などを含む。特に好ましい
ジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン、メチレンノルボルネン及びビニ
ルノルボルネンを含む。
好ましい態様において、これらのエチレン−より高級なα−オレフィン組成物
ポリマーは、0.1乃至0.8、より好ましくは0.2乃至0.7の分枝指数(bran
ching index)を有する。
エチレン−より高級なα−オレフィンポリマー組成物は、少なくとも一つのカ
ルボニル基を含む不飽和有機化合物との反応によって化学的に修飾される。「グ
ラフト」という語は、不飽和有機化合物とエチレン−り高級なα−オレフィンポ
リマーと、任意にフリーラジカル開始剤とを反応させる方法を意味し、「グラフ
ト化されたポリマー」という語は、不飽和有機化合物とエチレン−より高級なα
−オレフィンポリマー間の反応生成物を意味する。グラフト化は、米国特許第3
,236,917号、第4,950,541号、及び第5,194,509号などに開
示されているように、当技術分野に周知のいずれの技術によってもなされ得る。
これらの文献を本明細書に援用する。典型的には、グラフト化されるポリマー、
不飽和有機化合物及び任意にフリーラジカル開始剤を全て反応帯へ導入し、加熱
及び/又は混合して、反応させる。エチレン−より高級なα−オレフィンポリマ
ー組成物をグラフトさせる多くの可能な方法のうちの一つは、一軸又は二軸スク
リュー押出機又は内部混合器のような混合装置へポリマーを導入し、それらが融
解するまでポリマーを加熱し、不飽和有機化合物及びフリーラジカル開始剤を混
合装置へ注入し、高又は低剪断条件下で成分を混合する。不飽和有機化合物は、
希釈されない化合物として、又はマスターバッチの一部として、又は担持された
化合物として添加され得る。担体は典型的にはポリマーであるが、周知の無機担
体のいずれかであり得る。
典型的なフリーラジカル試薬は、ジアルキルペルオキシド(ジクミルペルオキ
シド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(タート−ブチルペルオキシ)ヘキセン
−3、タート−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(
タート−ブチルペルオキシ)ヘキセン)、ジアシルペルオキシド(ジベンゾイル
ペルオキシド、ジラウリルペルオキシド)、ペオキシエステル(タートブチ
ルペルオキシアセテート、タート−ブチルペルオキシピバレート)、AIBN(
アゾビスイソブチロニトリル))、ペルオキシケトン、モノペルオキシカルボネ
ート、及び、ルペルソール(商標)製品のような市販されていて入手可能な過酸
化物などのような周知の過酸化物を含む。
少なくとも一つのカルボニル基を含む不飽和有機化合物は、少なくとも一つの
不飽和及び少なくとも一つのカルボニル基(−C=O)を含む化合物である。代
表的な化合物は、カルボン酸、無水物、エステル、及びその金属性及び非金属性
の両方の塩を含む。好ましい化合物は、カルボニル基と共役したエチレン性不飽
和を含む。好ましい例は、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、クロトン酸、α−メチルクロトン酸、及び桂皮酸、これらの無水物
、エステル及び塩誘導体、及びグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレ
ート又は他のグリシジル化合物を含む。無水マレイン酸は、好ましい不飽和有機
化合物である。
本発明の望ましい点は、上記のエチレン−より高級なα−オレフィンポリマー
が、典型的には、比較可能なモノモーダル(monomodal)分枝鎖EPDMターポ
リマーよりも、少なくとも20%、好ましくは30%、さらにより好ましくは少
なくとも40%の予期しない良好なグラフト化効率を有することである。グラフ
ト化効率は、FTIRによって決定されるグラフトされた有機化合物の重量を、
押出機に供給された有機化合物の重量で割ったものである。
特に好ましい態様において、本発明で製造されるグラフト化されたポリマーは
、典型的には、以下の1乃至5の望ましい組み合わせを有する。
1.3g/10分以下、好ましくは0.2乃至3g/10分、さらにより好まし
くは0.2乃至1g/10分の溶融流量(MFR,.ASTM D 1238
10kg、230℃によって測定される)、
2.4000Pa・秒より大、好ましくは500Pa・秒より大の低剪断速度粘
度(ASTM 3835−95に従い、235℃、10秒-1の剪断速度で、細
管レオメータ−により測定される)、
3.1000Pa秒以下、好ましくは500Pa・秒未満の高剪断速度粘度
(ASTM3835−95に従い、1000秒−1での剪断速度で、細管レオ
メーターにより測定される)、
4.コポリマーの重量に基づいて、0.5乃至20重量%の不飽和有機化合物の
含量。不飽和有機化台物含量は、FTIR(フーリエ変換赤外分光)により
ソン・ポラリス(Mattson Polaris)(商標)フーリエ交換赤外分光を使用し
て、2cm-1の分解能で、100スキャンの堆積で行われた。内部標準として
の4328cm-1での結合と比べたときの、1790cm-1での無水物の吸収
結合、及び1712cm-1での酸の吸収(空気中の無水物の加水分解に由来す
る)の相対ピーク高さが、MA含量の測定に使用される。
kは標準での内部較正の後に決定される。
5.5%以下、好ましくは3%以下、さらにより好ましくは1%以下、最も好ま
しくは0%のゲル濃度(ソックスレーで8時間、キシレン還流での抽出によっ
て測定される)。
次に、グラフト化されたポリマーは、一つ以上の追加のポリマーとブレンドさ
れる。好ましい追加のポリマーは、プラスチック類[HDPE(高密度ポリエチ
レン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖低密度ポリエチレ
ン)、VLDPE(極低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)]、エラ
ストマー類[エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレーンジエン
ターポリマー、エチレン−α−オレフィンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリ
ブチレン、ブチルゴム、ハロブチルゴム、ポリイソブチレンコーパラメチルスチ
レンゴム、臭素化ポリイソブチレンコ−パラメチルスチレンゴム、ニトリルゴム
、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、エピクロロヒドリン、塩素化ポリエチレ
ン、エチレンアクリル酸アクリルエステルゴム]、プラストマー類[エチレン−
α−オレフィンコポリマー]、エンジニアリング熱可塑性樹脂類[ポリアミド、
ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンテレフタラート、ポリカルボネート
、ポ
リアセタール]、PVC(ポリビニルクロライド)、エチレン−非α−オレフィ
ンコポリマー、EAA(エチレン−アクリル酸コポリマー)、EMA(エチレン
−メチルアクリレートコポリマー)、EVA(エチレンビニルアセテート)]、
イオノマー[EVOH(エチレン−ビニルアルコールコポリマー)、ECO(エ
チレン−カーボンモノオキシドコポリマー)]などを含む。
グラフト化されたポリマー及び追加のポリマーは、溶融ブレンド、乾燥ブレン
ド、タンブル混合、バレル混合、一軸又は二軸スクリュー押出、バンバリー(Ba
nbury)混合器での混合、などのような当技術分野に周知のいずれの手段によっ
ても組み合わせられるが、溶融ブレンドが好ましい。ブレンド中の成分の量は、
適応及び所望の最終的な使用による。例えば、吹込成形に使用するためには、グ
ラフト化されたポリマーは、グラフト化されたポリマーと追加のポリマーの総重
量に基づき、10乃至30重量%で存在する。
本発明のグラフト化されたポリマーの特に有利な使用は、ポリアミド(PA)
をベースにした組成物への改質剤としての使用を含む。これらのグラフト化され
たポリマーは、PAの強化のための改質剤として使用すると、室温での優れた衝
撃強さを示す。より特定すると、これらは、吹込成形用に開発された、ガラス繊
維入りのPA化合物に使用することができる。グラフト化されたポリマーの魅力
的な特性の一つは、そのレオロジーにある。剪断感受性を有するこれらのポリマ
ーは、低剪断速度でより高い粘度を、高剪断速度でより低い粘度を示す。高い数
平均分子量のPAとブレンドされる場合、ブレンドは、剪断減粘性(shcarthinn
ing)挙動をも示す。吹込段階で典型的である低剪断速度では、ブレンドは、高
粘度を有し、これはより高い溶融強度を意味する。したがって、これらのブレン
ドは、吹込操作の間、損失及び引裂きに対する増大された耐性を示す。射出成形
に典型的な、高剪断速度では、ブレンドは、無水マレイン酸でグラフトされた、
より低い粘度の直鎖エチレンプロピレンゴムを含むブレンドと同程度の粘度を有
し、したがって、加工上のハンディキャップを有さない。特に好ましい態様では
、本発明の組成物は、ガラス繊維と組み合わされる。
グラフト化されたポリマーは、フロック繊維又はアラミド(aramid)繊維への
接着促進剤として熱硬化性化合物中に使用することもできる。最後に、このポリ
マーは、熱可塑性エラストマーのポリアミドとのブレンドにおいて使用すること
ができ、ブレンドした後、これらのポリマーは加硫されて、動的加硫されたアロ
イをもたらす。動的加硫されたアロイ及びこれを製造する方法は、米国特許第5
,157,018号、第5,100,947号、5,073,597号、及び5,05
1,478号(本明細書に援用する)に記載されている。
本明細書に記載されたエチレン−より高級なα−オレフィンポリマーは、過酸
化物及び不飽和及び共役カルボニル官能基の両方を含む不飽和化合物と溶融反応
する場合に、(従来の高度に分枝したEPDMに比べて)より高いグラフティン
グをもたらす。これらのグラフト化されたポリマーは高度の剪断感受性を有し、
したがって、これは、低剪断速度で高い粘度であり、高剪断速度で低い粘度であ
ることが望ましい、吹込成形された、強化された熱可塑性樹脂部品を製造するの
に理想的な改良剤である。
不飽和化合物及び過酸化物と溶融反応する場合、長鎖分枝鎖を有するEPDM
ポリマーは、直鎖EPDMに比べて、より低いグラフト化レベルを示す。驚くべ
きことに、本明細書に記載された、長鎖分枝鎖を有すると考えられている、エチ
レン−より高級なα−オレフィンポリマーは、同一の条件下で反応する場合、グ
ラフト化効率において、30乃至40%の増加を示す。
第二の画分の数平均分子量は、等式
(式中、MnTは、最終的なポリマーの数平均分子量であり、MnFは、第一の画分の
数平均分子量であり、MnFは、第二の画分の数平均分子量であり、αは第一の画
分の重量画分である)にしたがって計算される。
実施例
曲げ弾性率は、DIN53457にしたがって測定した。
引張特性は、DIN53457にしたがって測定した。
ノッチ付きアイゾッド衝撃強さは、ISO180にしたがって測定した。
ノッチ付きシャルピー衝撃強さは、ISO179にしたがって測定した。
MVR(溶融体積速度)は、ISO1133にしたがって測定した。
MFR(溶融流量)は、ASTM D 1238(230℃、10kg)にし
たがって測定した。
粘度はASTM 3835−95にしたがって細管レオメーターで測定する。
Mw及びMnは、ウォーターズ(Waters)150ゲル透過クロマトグラフィー
検出器及びクロマティックス(Chromatix)KMX−6に接続された光線拡散光
度計上のポリイソブチレン標準を使用して、ゲル透過クロマトグラフィーによっ
て測定する。この系は、135℃において、1,2,4−トリクロロベンゼンを
移動相として使用する。ショウデックス(Showdex)(ショウワ・デンクス・ア
メリカ・インク(Showa Denks America,Inc.)から入手)ポリスチレングルカラ
ム802、803、804及び805を使用した。この技術は、“Liquid Chrom
atography of Polymers and Related Materials III”J.Cazes editor,Marcel D
ekker、1981年、207頁(本明細書に援用する)に議論されている。カラ
ムの展開に付いての補正は行わなかった。Mw/Mnは、溶出時間から計算した
。数値解析は、市販されているベックマン(Beckman)CIS LALLSソフトウ
エアを、標準的なゲル透過パッケージとともに使用して行った。エチレン−より
高級なα−オレフィンジエンの分枝指数(BI)は、分枝指数因子を使用して決
定する。この因子の計算には、溶液中のポリマー特性の一連の3つの実験測定を
必要とする。(Verstrate,Gary,“Ethylene-Propylene Elastomers,”Encyclop
edia of Polymer Science and Engineering,6,第2版、1986年(本明細書
に援用する)を参照のこと。)これらは、
i)ゲル透過クロマトグラフ(GPC)に連結された小角度レーザー光線散乱(L
ALLS)を使用して測定された重量平均分子量(Mw、LALLS)、
ii)重量平均分子量(Mw)DRI)及びGPCとともに示差屈折率検出器(D
RI)を使用した、粘度平均分子量(Mv、DRI)、及び
iii)デカリン(Decalin)中135℃で測定された内部粘度(IV)である。
初めの二つの測定は、トリクロロベンゼン中のポリマーの濾過された希釈溶液
を使用してゲル透過クロマトグラフ(GPC)中に得られる。平均分枝指数(B
I)は、
BI=((Mv,br)×(Mw,DRI))÷((Mw,LALLS)×(Mv,DRI))
(式中、Mv,br=k(IV)1/a、Mv,brは分枝鎖ポリマーの粘度平
均分子量であり、「a」はマルク−ホウインク(Mark-Houwink)定数(デカリン
中、135℃で、エチレン、α−オレフィン、非共役ジエンエラストマー性ポリ
マーでは、0.759に等しい)であり、「k」は2.47×10−4の値の定
数である。)と定義される。
等式から、直鎖ポリマーの分枝指数は1.0であり、分枝鎖のあるポリマーに
ついては、分枝の程度は直鎖ポリマーに対して相対的に決定される。定数Mnに
おいて、(Mw)分枝鎖は、(Mw)直鎖よりも大きいため、分枝鎖のあるポリ
マーのBIは1.0未満であり、BI値が小さいほど、分枝のレベルが高いこと
を意味する。この方法は、相対的な分枝の程度を示唆するのみであって、NMR
のような直接的な方法を使用して測定されるような、定量された分枝の量を示す
ものではない。
EPDMIは、1.0g/10分のMFR、62重量%のエチレン含量、5.7
重量%のジエン含量、2.8のMw/Mn及び0.7のBIを有する、エチレン−
プロピレン−チリデンノルボルネンターポリマーである。
EPDM2は、0.3g/10分のMFR、5.7重量%のエチリデンノルボ
ルネン含量、3.2のMw/Mn及び0.6のBI、235℃での低剪断速度(1
0秒-1)で20,000Pa・秒の粘度、及び高剪断速度(1000秒-1)では
700Pa・秒の粘度を有する、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネ
ンターポリマーである。また、EPDM2は、第一の画分に55重量%のエチレ
ン及び5.7重量%のジエンを、第二の画分に55重量%のエチレン及び5.7重
量%のジエンを有し、第一の画分のMnは67,000であり、第二の画分のM
nは300,000であり、第一の画分のMw/Mnは5であり、第二の画分の
Mw/Mnは4.7である。
EPDM3は1.3g/10分のMFR、50%のエチレン含量、5.7重量%
のジエン含量、3.5のMw/Mn、及び0.6のBIを有する、バイモーダル(
bimodal)なEPDMである。
ウルトラミドB3(商標)は、バイエル(Bayer)より入手可能なポリアミド
−6ポリマーであり、275℃、5kgの重量の下で、130ml/分のMVR
(溶融体積速度)を有する。
ウルトラミドB5(商標)は、バイエルより入手可能な高分子量ポリアミド−
6ポリマーであり、275℃、5kgの重量の下で、8ml/分のMVR(溶融
体積速度)を有する。
EP4(VA1801)は、0.7重量%の無水マレイン酸でグラフトされた
、9g/10分のMFRを有するエチレン−プロピレンコポリマーである。
実施例1
EPDM2及び3を、従来の長鎖分枝鎖EPDMポリマー(EPDM1)と比
較した(表1)。これらのポリマーは、非かみ合い逆転二軸押出機(30mm、
L/D=48)において、以下の条件下、すなわち、94乃至96重量%のEP
DM、4乃至6重量%のアクレル(Accurel)MA903(ポリエチレン中50
%の無水マレイン酸)、0.8乃至1.5重量%の10%ルペロックス(Luperox
)130溶液、7kg/時のポリマー供給速度、200rpmの軸速度、170
、200、210、210’Cの4つの温度帯上で、200℃での押出しで、溶
融官能化を行った。ポリマーを、ポリエチレンに担持された(50重量%)無水
マレイン酸とともに、供給ホッパーに添加した。溶融した後、過酸化物(ルペロ
ックス、商標、130)を鉱油中10%の濃度で添加した。ポリマーを回収する
前に、過剰の試薬を蒸発させて除去した。
表2に報告するように、変換は、EPDM2及び3のグラフト化は、EPDM
1のグラフト化よりもより効率的であることを示す。
次に、0.9重量%のマレイン酸無水物を有するグラフト化されたEPDM2
(MFR1.1g/10分(230℃、10kg)を15及び20重量%のウル
トラミドB3とブレンドした。両方の組成物の粘度/剪断速度曲線を、表1に示
す(四角はEPDM2(無水マレイン酸でグラフト化された)であり、三角はE
P4(VA1801)である)。
2つのグラフト化されたポリマーを、かみ合い共回転二軸押出機(34mm、
L/D=36)において、ウルトラミドB3と、以下の条件、すなわち、80乃
至85重量%のウルトラミドB3、20及び15重量%のグラフト化されたコポ
リマー、10kg/時の供給速度で、100rpmの軸速度、以下の温度(℃)
、すなわち、230、230、230、230、210、210、210、21
0、210、230に設定された10の温度帯上で、ブレンドした。二つのブレ
ンドの粘度/剪断速度挙動を、第2図及び第3図に示す。前者の図は、235℃
で、20/1L/Dの押出しでの細管レオメーター中の粘度を測定することによ
って作成し、後者は、230℃でレオメトリクス・メタニカル・スペクトロメー
ター(Rheometrics Mechanical Spectrometer)(RMS−800)上で実施さ
れる小振幅振動測定から作成される。両方の図によれば、グラフト化されたEP
DM2は、剪断速度が低い程、粘度が高いことが確認され、剪断速度が高いとき
には、差があまりないことが観察される。二つのブレンドの動的剪断モジュラス
の比較もまた、グラフト化されたEPDM2ブレンドよりもより高い値を示す。
結果として、このブレンドは、従来の改質剤とのブレンドに比べて、より高い溶
融強度及びより高い損失耐性を示す。次に、ブレンドをノッチ付きアイゾッド衝
撃強度及びノッチ付きシャルピー衝撃についてテストした。
従来の改質剤に対して、グラフト化されたEPDM2は、また、室温でのより
高い衝撃強さをもブレンドに付与する(表3を参照のこと)。
表1
BI=分枝指数
ENB=5-エチリデン-2-ノルボルネン
表2(グラフト化効率) a.o.=オーブンの後
表3(ブレンドの特性)
nb=破断せず
b=破断
UB3はウルトラミドB3である
本発明の他の利点は、明細書に記載されたポリマーのグラフト化効率である。
好ましい態様において、ポリマーは35%以上、好ましくは40%以上、さらに
より好ましくは45%以上のグラフト化効率を有する。
実施例2
温度プロファイルが260−260−260−230−230−230−23
0−230−230−260℃であり、軸速度が150rpmであること以外は
、実施例1に記載された方法にしたがって、グラフト化されたEPDM2及びE
P−4を、ウルトラミドB5とブレンドした。次にブレンドをノッチ付きアイゾ
ッド衝撃強さ及びノッチ付きシャルピー衝撃及び他の特性に付いてテストした。
表4にデータを報告する。
表4
*=破断したサンプル
表4から、EPDM2ブレンドは、VA−1801又はEP−4に比べて、室
温から−40℃において、よりよいノッチ付きアイゾッド衝撃を有することが示
される。
2つのブレンドの粘度/剪断速度挙動を第5図に示す。図は、260℃でのレ
オメトリックス・メカニカル・スペクロトメーター(RMS−800)で実施さ
れる小振幅振動測定から作成される。第5図は、剪断速度が低いほどグラフト化
されたEPDM2ブレンドの粘度が高いことが確認されるが、剪断速度が高くな
るにつれて、その差が小さくなることが観察される。
いずれの先行文献及び試験方法を含む、本明細書に記載された文献を全て本明
細書に援用する。本発明の形態が記され、説明されている、上述の一般的な説明
及び特定の態様から明らかなように、本発明の精神及び範囲を離れることなく、
種々の変形が可能である。したがって、本発明はこれに制限されるものではない
。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成10年8月21日(1998.8.21)
【補正内容】
発明の要約
本発明は、ポリマーの重量に基づき、少なくとも0.05重量%、好ましくは
少なくとも1重量%の少なくとも一つのカルボニル基を含む不飽和有機化台物で
グラフトされた、エチレン−より高級なα−オレフィンポリマー組成物を含む組
成物に関し、エチレン−より高級なα−オレフィン組成物は、
i)10,000乃至500,000の数平均分子量、ポリマーの重量に基づき、
30乃至80重量%のエチレン含量、1.0乃至12重量%のジエン含量を有
する第一のポリマー画分、
ii)100,000乃至10,000,000の数平均分子量、ポリマーの重量に基
づき、40乃至90重量%のエチレン含量、及び0乃至12重量%のジエン含
量を有する第二のポリマー画分を含み、かつ
a)第二の画分は、第一の画分よりも高い分子量を有し、
b)第二の画分は、第一の画分と同じ又はより高いエチレン含量を有し、
c)第一の画分のジエンの、第二の画分のジエンに対する重量比は少なくとも0
.5/1、好ましくは1/1、より好ましくは2/1であり、
d)各画分のMw/Mnは2乃至6.5であり、
e)第一の画分は、総ポリマー組成物の60乃至95重量%を含む。
本発明は、さらに、上記の組成物、及び、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、及びエチレン−プロピレン−ジエ
ンコポリマーからなる群から選択される、一つ以上のポリマーを含むブレンドに
も関する。
図面の簡単な説明
第1図は、本発明のグラフト化されたポリマー及び市販されていて入手可能な
グラフト化されたEPMの粘度/剪断速度曲線を示す(四角は、実施例2のグラ
フト化されたEPDM2であり、三角は、EP4(VA−1801)である)。
第2図は、実施例2のブレンドの粘度/剪断速度曲線を示す。LEXT281
7は、実施例2のグラフト化されたEPDM2とPA−6の80/20の比のブ
レンドであり、LEXT2812は、EP−4(VA−1801)とPA−6の
80/20の比のブレンドである。
第3図は、実施例2のブレンドの複素粘度/剪断速度曲線を示す。
第4図は、実施例2のブレンドの動的弾性率を示す。
第5図は、実施例2の2つのブレンドの粘度/剪断速度挙動を示す。LEXT
3817は、実施例1のグラフト化されたEPDM−2とウルトラミドB5(8
0/20)のブレンドであり、LEFT3819は、EP−4(CA−1801
)とウルトラミドB5(80/20)のブレンドである。
発明の詳細な説明
好ましい態様において、本発明は、ポリマーの重量に基づき、少なくとも0.
05重量%、好ましくは0.05乃至5重量%、さらにより好ましくは0.2乃至
3重量%の、少なくとも一つのカルボニル基を含む不飽和有機化合物でグラフト
化されたエチレン−より高級なα−オレフィン組成物を含む化合物に関し、エチ
レン−より高級なα−オレフィン組成物は、
i)10,000乃至500,000の数平均分子量、ポリマーの重量に基づき、3
0乃至80重量%、好ましくは40乃至80重量%、さらにより好ましくは5
0乃至70重量%のエチレン含量、1乃至12重量%、好ましくは1.5乃至
10重量%、さらにより好ましくは2乃至6重量%のジエン含量を有する第一
のポリマー画分、
ii)100,000乃至10,000,000、好ましくは200,000乃至1,0
00,000の数平均分子量、ポリマーの重量に基づき、40乃至90重量%
、好ましくは40乃至80重量%、さらにより好ましくは50乃至70重量%
のエチレン含量、及び0乃至12重量%、好ましくは0乃至8重量%、さらに
より好ましくは0乃至6重量%のジエン含量を有する第二のポリマー画分を含
み、さらに、
a)第二の画分は、第一の画分よりも高い分子量を有し、
b)第二の画分は、第一の画分と同じ又はより高いエチレン含量を有し、
c)第一の画分のジエンの、第二の画分のジエンに対する重量比は、0.5乃至1
、2.0乃至1又はそれ以上(第二の画分がジエンを含まない場合、この比は
もちろん無限大である)で変化し、好ましい態様では、少なくとも0.5乃至
1、好ましくは少なくとも0.8乃至1であり、
d)各画分のMw/Mnはそれぞれ2乃至6.5、好ましくは2乃至5、さらによ
り好ましくは2乃至4であり、
e)第一の画分は、総ポリマー組成物の60乃至95重量%、好ましくは70乃至
95重量%を含む。
本発明に使用するのに好ましいエチレン−より高級なα−オレフィンポリマー
組成物は、欧州特許公開第0,227,206−B1号(米国特許第4,722,9
71号に対応する)により十分に記載されており、その方法にしたがって製造さ
れる。しかし、一般に、エチレン−より高級なα−オレフィンポリマーは、エチ
レンとC3乃至C8オレフィン、好ましくはプロピレン、及び任意にジエン、好ま
しくは非共役ジエンのコポリマーである。好ましいジエンは、直鎖脂環族ジエン
(1,4−ヘキサジエンなど)、分枝鎖ジエン、脂環族ジエン(5−メチル−1
,6−ヘキサジエンなど)、単環脂環族ジエン(1,4−シクロヘキサジエンな
ど)、縮合又は架橋された多環脂環族環ジエン(ジシクロペンタジエン)、架橋
された環ジエン(アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル及びシクロアル
キリデンノルボルネンなど)などを含む。特に好ましいジエンは、5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン、メチレンノルボルネン及びビニルノルボルネンを含む。
好ましい態様において、これらのエチレン−より高級なα−オレフィン組成物
ポリマーは、0.1乃至0.8、より好ましくは0.2乃至0.7の分枝指数(bran
ching index)を有する。
エチレン−より高級なα−オレフィンポリマー組成物は、少なくとも一つのカ
ルボニル基を含む不飽和有機化合物との反応によって化学的に修飾される。「グ
ラフト」という語は、不飽和有機化合物とエチレン−より高級なα−オレフィン
ポリマーと、任意にフリーラジカル開始剤とを反応させる方法を意味し、「グラ
フト化されたポリマー」という語は、不飽和有機化合物とエチレン−より高級な
α−オレフィンポリマー間の反応生成物を意味する。グラフト化は、米国特許第
3,236,917号、第4,950,541号、及び第5,194,509号などに
開示されているように、当技術分野に周知のいずれの技術によってもなされ得る
。典型的には、グラフト化されるポリマー、不飽和有機化合物及び任意にフリー
ラジカル開始剤を全て反応帯へ導入し、加熱及び/又は混合して、反応させる。
エチレン−より高級なα−オレフィンポリマー組成物をグラフトさせる多くの可
能な方法のうちの一つは、一軸又は二軸スクリュー押出機又は内部混合器のよう
な混合装置へポリマーを導入し、それらが融解するまでポリマーを加熱し、不飽
和有機化合物及びフリーラジカル開始剤を混合装置へ注入し、高又は低剪断条件
下で成分を混合する。不飽和有機化合物は、希釈されない化合物として、マスタ
ーバッチの一部として、又は担持された化合物として添加され得る。担体は典型
的にはポリマーであるが、周知の無機担体のいずれかであり得る。
典型的なフリーラジカル試薬は、ジアルキルペルオキシド(ジクミルペルオキ
シド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(タート−ブチルペルオキシ)ヘキセン
−3、タート−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(
タート−ブチルペルオキシ)ヘキセン)、ジアシルペルオキシド(ジベンゾイル
ペルオキシド、ジラウリルペルオキシド)、ペルオキシエステル(タートブチル
ペルオキシアセテート、タート−ブチルペルオキシピバレート)、AIBN
2cm-1の分解能で、100スキャンの堆積で行われた。提供される4328
cm-1での結合、又は内部標準、又ははMA含量の測定を行うか、又は測定と
比べたときの、1790cm-1での無水物の吸収結合、及び1712cm-1で
の酸の吸収(空気中の無水物の加水分解に由来する)の相対ピーク高さ。
kは標準での内部較正*で決定される。
5.5%以下、好ましくは3%以下、さらにより好ましくは1%以下、最も好ま
しくは0%のゲル濃度(ソックスレーで8時間、キシレン還流での抽出によっ
て測定される)。
次に、グラフト化されたポリマーは、一つ以上の追加のポリマーとブレンドさ
れる。好ましい追加のポリマーは、プラスチック類[HDPE(高密度ポリエチ
レン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖低密度ポリエチレ
ン)、VLDPE(極低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)]、エラ
ストマー類[エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレーンジエン
ターポリマー、エチレン−α−オレフィンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリ
ブチレン、ブチルゴム、ハロブチルゴム、ポリイソブチレンコ−パラメチルスチ
レンゴム、臭素化ポリイソブチレンコ−パラメチルスチレンゴム、ニトリルゴム
、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、エピクロロヒドリン、塩素化ポリエチレ
ン、エチレンアクリル酸アクリルエステルゴム]、プラストマー類[エチレン−
α−オレフインコポリマー]、エンジニアリング熱可塑性樹脂類[ポリアミド、
ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンテレフタラート、ポリカルボネート
、ポリアセタール]、PVC(ポリビニルクロライド)、エチレン−非α−オレ
フィンコポリマー、EAA(エチレン−アクリル酸コポリマー)、EMA(エチ
レン
−メチルアクリレートコポリマー)、EVA(エチレンビニルアセテート)]、
イオノマー[EVOH(エチレン−ビニルアルコールコポリマー)、ECO(エ
チレン−カーボンモノオキシドコポリマー)]などを含む。
グラフト化されたポリマー及び追加のポリマーは、溶融ブレンド、乾燥ブレン
ド、タンブル混合、バレル混合、一軸又は二軸スクリュー押出、バンバリー(Ba
nbury)混合器での混合、などのような当技術分野に周知のいずれの手段によっ
ても組み合わせられるが、溶融ブレンドが好ましい。ブレンド中の成分の量は、
適応及び所望の最終的な使用による。例えば、吹込成形に使用するためには、グ
ラフト化されたポリマーは、グラフト化されたポリマーと追加のポリマーの総重
量に基づき、5乃至40、好ましくは10乃至30重量%で存在する。
本発明のグラフト化されたポリマーの特に有利な使用は、ポリアミド(PA)
をベースにした組成物への改質剤としての使用を含む。これらのグラフト化され
たポリマーは、PAの強化のための改質剤として使用すると、室温での優れた衝
撃強さを示す。より特定すると、これらは、吹込成形用に開発された、ガラス繊
維入りのPA化合物に使用することができる。グラフト化されたポリマーの魅力
的な特性の一つは、そのレオロジーにある。剪断感受性を有するこれらのポリマ
ーは、低剪断速度でより高い粘度を、高剪断速度でより低い粘度を示す。高い数
平均分子量のPAとブレンドされる場合、ブレンドは、剪断減粘性(shearthinni
ng)挙動をも示す。吹込段階で典型的である低剪断速度では、ブレンドは、高粘
度を有し、これはより高い溶融強度を意味する。したがって、これらのブレンド
は、吹込操作の間、損失及び引裂きに対する増大された耐性を示す。射出成形に
典型的な、高剪断速度では、ブレンドは、無水マレイン酸でグラフトされた、よ
り低い粘度の直鎖エチレンプロピレンゴムを含むブレンドと同程度の粘度を有し
、したがって、加工上のハンディキャップを有さない。
グラフト化されたポリマーは、フロック繊維又はアラミド(aramid)繊維への
接着促進剤として熱硬化性化合物中に使用することもできる。最後に、このポリ
マーは、熱可塑性エラストマーのポリアミドとのブレンドにおいて使用すること
ができ、ブレンドした後、これらのポリマーは加硫されて、動的加硫されたアロ
イをもたらす。動的加硫されたアロイ及びこれを製造する方法は、米国特許第5
,157,018号、第5,100,947号、5,073,597号、及び5,05
1,478号に記載されている。
本明細書に記載されたエチレン-より高級なα−オレフィンポリマーは、過酸
化物及び不飽和及び共役カルボニル官能基の両方を含む不飽和化合物と溶融反応
する場合に、(従来の高度に分枝したEPDMに比べて)より高いグラフティン
グをもたらす。これらのグラフト化されたポリマーは高度の剪断感受性を有し、
したがって、これは、低剪断速度で高い粘度であり、高剪断速度で低い粘度であ
ることが望ましい、吹込成形された、強化された熱可塑性樹脂部品を製造するの
に理想的な改良剤である。
不飽和化合物及び過酸化物と溶融反応する場合、長鎖分枝鎖を有するEPDM
ポリマーは、直鎖EPDMに比べて、より低いグラフト化レベルを示す。驚くべ
きことに、本明細書に記載された、長鎖分枝鎖を有すると考えられている、エチ
レン−より高級なα−オレフィンポリマーは、同一の条件下で反応する場合、グ
ラフト化効率において、30乃至40%の増加を示す。
第二の画分の数平均分子量は、等式
(式中、MnTは、最終的なポリマーの数平均分子量であり、MnF1は、第一の画分
の数平均分子量であり、MnF2は、第二の画分の数平均分子量であり、αは第一の
画分の重量画分である)にしたがって計算される。
実施例
曲げ弾性率は、DIN53457にしたがって測定した。
引張特性は、DIN53457にしたがって測定した。
ノッチ付きアイゾッド衝撃強さは、ISO180にしたがって測定した。
ノッチ付きシャルピー衝撃強さは、ISO179にしたがって測定した。
MVR(溶融体積速度)は、ISO1133にしたがって測定した。
MFR(溶融流量)は、ASTM D 1238(230℃、10kg)にし
たがって測定した。
粘度はASTM 3835−95にしたがって細管レオメーターで測定する。
Mw及びMnは、ウォーターズ(Waters)150ゲル透過クロマトグラフィー
検出器及びクロマティックス(Chromatix)KMX−6に接続された光線拡散光
度計上のポリイソブチレン標準を使用して、ゲル透過クロマトグラフィーによっ
て測定する。この系は、135℃において、1,2,4−トリクロロベンゼンを
移動相として使用する。ショウデックス(Showdex)(ショウワ・デンクス・ア
メリカ・インク(Showa Denks America,Inc.)から入手)ポリスチレンゲルカラ
ム802、803、804及び805を使用した。この技術は、“Liquid Chrom
atography of Polymers and Related Materials III”J.Cazes editor,Marcel D
ekker、1981年、207頁に議論されている。カラムの展開に付いての補正
は行わなかった。Mw/Mnは、溶出時間から計算した。数値解析は、市販され
ているベックマン(Beckman)CIS LALLSソフトウエアを、標準的なゲ
ル透過パッケージとともに使用して行った。エチレン−より高級なα−オレフィ
ンジエンの分枝指数(BI)は、分枝指数因子を使用して決定する。この因子の
計算には、溶液中のポリマー特性の一連の3つの実験測定を要求する。(Verstr
ate,Gary,“Ethylene-Propylene Elastomers,”Encyclope dia of Polymer Scie
nce and Engineering,6,第2版、1986年(本明細書に援用する)を参照のこと。
)これらは、
i)ゲル透過クロマトグラフ(GPC)に連結された小角度レーザー光線散乱(L
ALLS)を使用して測定された重量平均分子量(Mw、LALLS)、
ii)重量平均分子量(Mw、DRI)及びGPCとともに示差屈折率検出器(D
RI)を使用した、粘度平均分子量(Mv、DRI)、及び
iii)デカリン(Decalin)中135℃で測定された内部粘度(IV)である。
初めの二つの測定は、トリクロロベンゼン中のポリマーの濾過された希釈溶液
を使用してケル透過クロマトグラフ(GPC)中に得られる。平均分子指数(B
I)は、
(式中、Mv,br=k(IV)1/a、Mv、brは分枝鎖ポリマーの粘度平均
分子量であり、「a」はマルク−ホウインク(Mark-Houwink)定数(デカリン中
、135℃で、エチレン、α−オレフィン、非共役ジエンエラストマー性ポリマ
ーに対して、0.759に等しい)であり、「k」は2.47×10-4の値の定数
である。)と定義される。
表4から、EPDM2ブレンドは、VA−1801又はEP−4に比べて、室
温から−40℃において、よりよいノッチ付きアイゾッド衝撃を有することが示
される。
2つのブレンドの粘度/剪断速度挙動を第5図に示す。図は、260℃でのレ
オメトリックス・メカニカル・スペクロトメーター(RMS−800)で実施さ
れる小振幅振動測定から作成される。第5図は、剪断速度が低いほどグラフト化
されたEPDM2ブレンドの粘度が高いことが確認されるが、剪断速度が高くな
るにつれて、その差が小さくなることが観察される。
本発明の形態が記され、説明されている、上述の一般的な説明及び特定の態様
から明らかなように、本発明の精神及び範囲を離れることなく、種々の変形が可
能である。したがって、本発明はこれに制限されるものではない。
請求の範囲
1.ポリマーの重量に基づき、少なくとも0.05%の、少なくとも一つのカル
ボニル基を含む不飽和有機化合物でグラフトされた、エチレン−C3乃至C8α
−オレフィンポリマー組成物を含む組成物であって、前記エチレン−C3乃至
C8α−オレフィンポリマー組成物は、
i)10,000乃至500,000の数平均分子量、ポリマーの重量に基づき
、30乃至80重量%のエチレン含量、1.5乃至10重量%のジエン含量
を有する第一のポリマー画分、
ii)100,000乃至10,000,000の数平均分子量、ポリマーの重量に
基づき、40乃至90重量%のエチレン含量、及び0乃至5重量%のジエン
含量を有する第二のポリマー画分を含み、かつ
a)第二の画分は、第一の画分よりも高い分子量を有し、
b)第二の画分は、第一の画分と同じ又はより高いエチレン含量を有し、
c)第一の画分のジエンの、第二の画分のジエンに対する重量比は少なくとも
0.5/1であり、
d)各画分のMw/Mnは2乃至6.5であり、
e)第一の画分は、総ポリマー組成物の60乃至95重量%を含む、組成物。
2.エチレン−α−オレフィンポリマーが、0.1乃至0.8の分枝指数を有する
、請求項1記載の組成物。
3.グラフト化されたエチレン−α−オレフィンポリマーが、5000Pa・秒
以上の低剪断粘度(10秒-1)、1000Pa・秒以下の高剪断粘度(100
0秒-1)、3g/10分以下のMFR、及び5%未満のゲル含量を有する、請
求項1又は2記載の組成物。
4.グラフト化されたエチレン−α−オレフィンポリマーが、少なくとも1重量
%の不飽和有機化合物でグラフト化された、請求項1乃至3のいずれか1請求
項記載の組成物。
5.35%以上、好ましくは40%以上、さらにより好ましくは45%以上のグ
ラフト化効率を有する、請求項1記載の組成物。
6.さらに、ガラス繊維を含む、請求項1乃至5のいずれか1請求項記載の組成
物。
7.請求項1乃至6のいずれか1請求項記載の組成物、及び、プラスチック類、
エンジニアリング熱可塑性樹脂類、エラストマー類、プラストマー類、異尾の
マー類、及びエチレン−非α−オレフィンコポリマーからなる群から選択され
る、一つ以上の追加のポリマーを含む、ブレンド。
8.前記エンジニアリング熱可塑性樹脂がポリアミドである、請求項7記載のブ
レンド。
9.前記プラスチックが、ポリプロピレン及びポリエチレンからなる群から選択
される、請求項7記載のブレンド。
10.前記エラストマーが、エチレン−プロビレンコポリマー、エチレン−プロピ
レン−ジエンコポリマーの一つである、請求項7記載のブレンド。
11.成形された部品としての、請求項7乃至10のいずれか1請求項記載のブレ
ンドの使用。
12.溶融成形して成形された部品となることを特徴とする、請求項7乃至10の
いずれか1請求項記載のブレンド。
13.さらに、ガラス繊維を含む、請求項7乃至10のいずれか1請求項記載のブ
レンド。
14.5乃至40重量%の請求項1乃至4のいずれか1請求項記載の組成物とポリ
アミドをブレンドし、その後にブレンドを吹込成形することを含む、ポリアミ
ドの吹込成形方法。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
B29K 77:00